(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】非管理波推定装置、非管理波推定システム及び非管理波推定方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/16 20090101AFI20230208BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20230208BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230208BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20230208BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20230208BHJP
H04B 17/382 20150101ALI20230208BHJP
【FI】
H04W28/16
H04W24/08
H04W84/12
H04W88/18
H04W72/08 110
H04B17/382
(21)【出願番号】P 2018214105
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】豊永 慎也
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/022723(WO,A1)
【文献】特開2018-074192(JP,A)
【文献】特開2016-111579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04B 17/382
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非管理波がアクセスポイントに及ぼす干渉量を推定する非管理波推定装置であって、
複数のアクセスポイントの位置関係と無線通信チャネルに関するデータを記憶する記憶装置と、
前記データに基づいて、キャリアセンスするアクセスポイントとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定し、前記通信停止するアクセスポイントに、前記通信停止するアクセスポイントに接続される端末装置に対して前記キャリアセンス対象の前記無線通信チャネルの使用を禁止させるプロセッサと、
を備え
、
前記プロセッサは、
隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルが互いに異なるように選定し、
各アクセスポイントが無線通信に使用している無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントの無線通信を停止し、
各アクセスポイントが無線通信に使用していない無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントに加え、当該アクセスポイントに隣接する隣接アクセスポイントのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接アクセスポイントの無線通信を停止する、
ことを特徴とする、非管理波推定装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、同時に通信停止する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、請求項
1記載の非管理波推定装置。
【請求項3】
アクセスポイントの無線通信の停止により通信状態を変更する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、請求項
2記載の非管理波推定装置。
【請求項4】
同じ端末装置を閾値を超える時間以上通信停止状態にしないスケジューリングを行うことを特徴とする、請求項
2記載の非管理波推定装置。
【請求項5】
非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量を推定する非管理波推定システムであって、
複数のアクセスポイントと、
前記複数のアクセスポイントの位置関係と無線通信チャネルに関するデータに基づいて、キャリアセンスするアクセスポイントとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定する非管理波推定装置と、
前記通信停止するアクセスポイントに接続され、前記キャリアセンス対象の無線通信チャネルの使用を禁止される端末装置と、
を備え
、
前記非管理波推定装置は、
隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルが互いに異なるように選定し、
各アクセスポイントが無線通信に使用している無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントの無線通信を停止し、
各アクセスポイントが無線通信に使用していない無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントに加え、当該アクセスポイントに隣接する隣接アクセスポイントのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接アクセスポイントの無線通信を停止する、
ことを特徴とする、非管理波推定システム。
【請求項6】
非管理波が複数のアクセスポイントに及ぼす干渉量を推定する非管理波推定方法であって、
非管理波推定装置が、各アクセスポイントの位置関係と無線通信チャネルに関するデータに基づいて、キャリアセンスするアクセスポイントとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定し、
前記非管理波推定装置が、通信停止するアクセスポイントに、当該通信停止するアクセスポイントに接続される端末装置に対してキャリアセンス対象の無線通信チャネルの使用を禁止させる、
処理を含
み、
前記非管理波推定装置が、
隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルが互いに異なるように選定し、
各アクセスポイントが無線通信に使用している無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントの無線通信を停止し、
各アクセスポイントが無線通信に使用していない無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントに加え、当該アクセスポイントに隣接する隣接アクセスポイントのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接アクセスポイントの無線通信を停止する、
ことを特徴とする、非管理波推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非管理波推定装置、非管理波推定システム及び非管理波推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工場等の局所領域において、作業員等のユーザがスマートフォン、タブレット等の端末装置を利用して作業を行う機会が増えている。このため、比較的広い局所領域の場合、無線LAN(Local Area Network)通信を収容するアクセスポイントを複数設置することで、局所領域内の通信エリアをカバーする。
【0003】
複数のアクセスポイントを設置する場合、一般的には、アクセスポイント間の干渉が問題となるため、隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルは同じとならないように変更する。また、例えば工場では、マグネトロン等を搭載した機械が電磁波を発生するため、無線LAN通信の障害要因となる場合がある。そこで、機械が発生する電磁波等の非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量を推定することが望ましい。推定した非管理波からの干渉量は、チャネル割り当ての検索に利用することができる。
【0004】
アクセスポイントに相当する親局が定期的に自ネットワークの送信を停止させて、子局が近隣の電波状況を監視することにより、周囲状況の変化に対しても最適チャネルを選択する無線ネットワークが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この無線ネットワークは、1つの親局と、この1つの親局に接続される子局で形成されている。このため、この無線ネットワークを複数の親局が設置された環境に適用した場合、全ての親局と全ての子局を含む無線ネットワーク全体が定期的に無線通信不能になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-158667号公報
【文献】特開2013-211803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば特許文献1等の従来技術では、非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量の推定を、無線通信不能となる端末装置の数を減らして実現することは難しい。
【0007】
そこで、1つの側面では、非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量の推定を、無線通信不能となる端末装置の数を減らして実現することができる非管理波推定装置、非管理波推定システム及び非管理波推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの案によれば、非管理波がアクセスポイントに及ぼす干渉量を推定する非管理波推定装置であって、複数のアクセスポイントの位置関係と無線通信チャネルに関するデータを記憶する記憶装置と、前記データに基づいて、キャリアセンスするアクセスポイントとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定し、前記通信停止するアクセスポイントに、前記通信停止するアクセスポイントに接続される端末装置に対して前記キャリアセンス対象の前記無線通信チャネルの使用を禁止させるプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルが互いに異なるように選定し、各アクセスポイントが無線通信に使用している無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントの無線通信を停止し、各アクセスポイントが無線通信に使用していない無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントに加え、当該アクセスポイントに隣接する隣接アクセスポイントのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接アクセスポイントの無線通信を停止する非管理波推定装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
一態様によれば、非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量の推定を、無線通信不能となる端末装置の数を減らして実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施例における非管理波推定システムの一例を示す図である。
【
図2】コントローラのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】APのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】非管理波推定システムの動作の一例を説明する図である。
【
図6】コントローラの処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図7】APの通信品質の取得及び通知処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図8】APの通信停止処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図9】APの通信再開処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図10】APのキャリアセンス結果の通知処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図11】端末装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図12】非管理波推定システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示の非管理波推定装置、非管理波推定システム及び非管理波推定方法では、複数のAPの位置関係と無線通信チャネルを把握するコントローラが、キャリアセンスするAPとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するAPを決定する。また、通信停止するAPが、当該通信停止するAPに接続される端末装置に対してキャリアセンス対象の無線通信チャネルの使用を禁止する。
【0012】
以下に、開示の非管理波推定装置、非管理波推定システム及び非管理波推定方法の各実施例を図面と共に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、一実施例における非管理波推定システムの一例を示す図である。非管理波推定システム1は、コントローラ11と、複数のアクセスポイント(AP:Access Point)12-i(iは2以上の自然数)を有する。コントローラ11は、非管理波推定装置の一例である。複数のアクセスポイントAP12-iは、同じ構成を有しても良い。この例では、i=4であり、例えば工場等の局所領域内に、4つのAP12-1~12-4が設置されている。
【0014】
AP12-iがカバーする、破線で示す無線通信エリア13-i内には、複数の端末装置14を収容可能である。つまり、この例では、各AP12-iの配下に複数の端末装置14が属している。複数の端末装置14は、同じ構成を有しても良い。この例では、非管理波推定システム1が、コントローラ11と、複数のAP12-iと、複数の端末装置14を含む無線通信システムに適用されている。
【0015】
コントローラ11は、例えば汎用コンピュータ等で形成可能であり、後述するように、各AP12-1~12-4の位置関係と無線通信チャネルを把握している。各AP12-1~12-4は、無線通信が可能な周知の構成を有する。また、端末装置14は、無線通信が可能な周知の構成を有し、例えばスマートフォン、タブレット等の移動端末で形成可能である。非管理波推定システム1のコントローラ11は、AP間の干渉を避けるため、隣接するAPの無線通信チャネルが同じとならないように、即ち、互いに異なるように、選定する。
【0016】
図1において、ST1,ST2,ST3は、いずれも非管理波推定システム1の状態を示す。ST1は初期状態の一例、ST2はAP12-1が無線通信チャネル11chをキャリアセンス(CS:Carrier Sense)する状態の一例、ST3はAP12-1が無線通信チャネル1chをCSする状態の一例を示す。
【0017】
この例では、初期状態ST1において、AP12-1は無線通信チャネル11chで無線通信エリア13-1内の端末装置14と通信中であり、AP12-2は無線通信チャネル6chで無線通信エリア13-2内の端末装置14と通信中である。また、AP12-3は無線通信チャネル1chで無線通信エリア13-3内の端末装置14と通信中であり、AP12-4は無線通信チャネル11chで無線通信エリア13-4内の端末装置14と通信中である。なお、非管理波推定システム1の初期状態は、
図1に示す初期状態ST1に限定されない。
【0018】
この例では、無線通信エリア13-1~13-4は一部重複しており、各AP12-iは、無線通信エリア13-i内の端末装置14とであれば通信可能である。無線通信チャネル1ch,6ch,11chは、例えばIEEE802.11b/g規格に準拠した無線通信チャネルである。
【0019】
本明細書では、無線通信に使用される、無線通信チャネルの管理可能な信号波は、「管理波」とも呼ばれる。これに対し、例えば工場内のマグネトロン等の機械が発生する電磁波のように、無線通信に使用されず管理不可能な信号波は、「非管理波」とも呼ばれる。
【0020】
例えば工場内の機械が発生する電磁波等の非管理波が、AP12-1等に干渉して無線通信の障害要因となり得る。
図1では、初期状態ST1についてのみ、非管理波及びコントローラ11を示し、図の簡略化のため、状態ST2,ST3における非管理波及びコントローラ11の図示は省略する。
【0021】
コントローラ11は、各AP12-1~12-4の位置関係と無線通信チャネルに関するデータに基づいて、CSを実施するAPと、CS対象の無線通信チャネルとに応じて無線通信を停止するAPを決定する。具体的には、各APが無線通信に使用している無線通信チャネルをCSするとき、当該APの無線通信を停止する。また、各APが無線通信に使用していない無線通信チャネルをCSするとき、当該APに加え、当該APに隣接する隣接APのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接APの無線通信を停止する。無線通信を停止するAPは、当該APに接続される全ての端末装置14に、CS対象の無線通信チャネルの使用を禁止する。このようにして、各無線通信チャネルを順にCSする際に、CSを実施するAPと当該APに接続される端末装置14の当該CS対象の無線通信チャネルを使用した無線通信を停止する。また、CS対象の無線通信チャネルを使用している隣接APがあれば、当該隣接APと当該隣接APに接続される端末装置14の当該CS対象の無線通信チャネルを使用した無線通信を停止する。
【0022】
図1に示す例では、状態ST2において、AP12-1が無線通信に使用している無線通信チャネル11chをCSするので、無線通信エリア13-1が実線で示すように通信停止エリアとなる。この場合、CS対象の無線通信チャネル11chを使用しているAP12-1と無線通信エリア13-1内の端末装置14の無線通信チャネル11chを使用した無線通信を停止する。従って、無線通信を停止するAP12-1は、無線通信エリア13-1内で当該AP12-1に接続される全ての端末装置14に、CS対象の無線通信チャネル11chの使用を禁止する。
【0023】
一方、状態ST2において、CS対象の無線通信チャネル11chを使用しているAP12-1に隣接するAP12-2,12-3は、CS対象の無線通信チャネル11ch以外の無線通信チャネル6ch,1chを使用している。このため、AP12-2と無線通信エリア13-2内の端末装置14の無線通信チャネル6chを使用した無線通信と、AP12-3と無線通信エリア13-3内の端末装置14の無線通信チャネル1chを使用した無線通信は、停止しない。
【0024】
図1に示す例では、状態ST3において、AP12-1が初期状態ST1では無線通信に使用していない無線通信チャネル1chをCSするので、無線通信エリア13-1が実線で示すように通信停止エリアとなる。この場合、CS対象の無線通信チャネル1chを使用しているAP12-1と無線通信エリア13-1内の端末装置14の無線通信チャネル1chを使用した無線通信を停止する。従って、無線通信を停止するAP12-1は、無線通信エリア13-1内で当該AP12-1に接続される全ての端末装置14に、CS対象の無線通信チャネル1chの使用を禁止する。状態ST3において、CS対象の無線通信チャネル1chを使用しているAP12-1に隣接するAP12-2は、CS対象の無線通信チャネル1ch以外の無線通信チャネル6chを使用している。このため、AP12-2と無線通信エリア13-2内の端末装置14の無線通信チャネル6chを使用した無線通信は停止しない。
【0025】
一方、状態ST3において、CS対象の無線通信チャネル1chを使用しているAP12-1に隣接するAP12-3は、CS対象の無線通信チャネル1chを使用している。このため、無線通信エリア13-3が実線で示すように通信停止エリアとなり、CS対象の無線通信チャネル1chを使用しているAP12-3と無線通信エリア13-3内の端末装置14の無線通信チャネル1chを使用した無線通信を停止する。従って、無線通信を停止するAP12-3は、無線通信エリア13-3内で当該AP12-3に接続される全ての端末装置14に、CS対象の無線通信チャネル1chの使用を禁止する。
【0026】
図2は、コントローラのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すコントローラ11は、内部バス111で互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ112と、メモリ113と、有線通信モジュール114とを有する。プロセッサ112は、メモリ113に格納されたプログラムを実行して、各種処理を実行可能である。後述するように、プロセッサ112が実行する各種処理は、各AP12-iのCSスケジューリング、各種命令の送信等を含む。各種命令の送信は、各AP12-iへの通信停止命令の送信、通信再開命令の送信、CS命令の送信等を含む。また、プロセッサ112が実行する各種処理は、割り当てる無線通信チャネルの決定、無線通信チャネルの割り当て等を含む。
【0027】
メモリ113は、プロセッサ112が実行するプログラム及び各種データを記憶する記憶装置の一例である。メモリ113が記憶する各種データは、後述する、各AP12-iの位置関係と無線通信チャネルに関するデータ、無線通信チャネルの通信品質管理のためのデータ等を含む。各AP12-iの位置関係に関するデータは、例えば各AP12-iと、当該AP12-iに隣接する各APとの間の距離に関するデータであっても良い。各AP12-iの無線通信チャネルに関するデータは、例えば隣接するAPの無線通信チャネルが互いに異なるように選定された無線通信チャネルに関するデータであっても良い。記憶装置は、CD-ROMやDVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等であっても良い。また、記憶装置は、プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であっても良い。
【0028】
有線通信モジュール114は、各AP12-iとの有線通信が可能な周知の構成を有する。
【0029】
図3は、APのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すAP12-iは、内部バス121で接続されたCPU等のプロセッサ122と、メモリ123と、有線通信モジュール124と、無線通信モジュール125と、チャネル品質測定部126とを有する。プロセッサ122は、メモリ123に格納されたプログラムを実行して、各種処理を実行可能である。後述するように、プロセッサ122が実行する各種処理は、無線通信チャネルの通信品質評価、自AP12-iの通信制御等を含む。また、プロセッサ122が実行する各種処理は、無線通信エリア13-i内の各端末装置14への通信停止命令の送信、通信再開命令の送信等を含む。
【0030】
メモリ123は、プロセッサ122が実行するプログラム及び各種データを記憶する記憶装置の一例である。記憶装置は、CD-ROMやDVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等であっても良い。また、記憶装置は、プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であっても良い。
【0031】
有線通信モジュール124は、コントローラ11との有線通信が可能な周知の構成を有する。無線通信モジュール125は、各端末装置14との無線通信が可能な周知の構成を有する。チャネル品質測定部126は、無線通信チャネルの通信品質を取得する周知の構成を有する。
【0032】
図4は、端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示す端末装置14は、内部バス141で接続されたCPU等のプロセッサ142と、メモリ143と、無線通信モジュール145とを有する。プロセッサ142は、メモリ143に格納されたプログラムを実行して、各種処理を実行可能である。後述するように、プロセッサ142が実行する各種処理は、自端末装置14の通信制御等を含む。
【0033】
メモリ143は、プロセッサ142が実行するプログラム及び各種データを記憶する記憶装置の一例である。記憶装置は、CD-ROMやDVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等であっても良い。また、記憶装置は、プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であっても良い。
【0034】
無線通信モジュール145は、各AP12-iとの無線通信が可能な周知の構成を有する。
【0035】
図5は、非管理波推定システムの動作の一例を説明する図である。説明の便宜上、
図5では、
図1に示すコントローラ11と、AP12-1と、AP12-1と無線通信可能な端末装置14-1と、AP12-1に隣接するAP12-2,12-3とを示す。また、
図5では、AP12-2と無線通信可能な端末装置14-2,14-3と、AP12-3と無線通信可能な端末装置14-3とを示す。端末装置14-1~14-3は、上記端末装置14と同じ構成を有する。
図5において、説明の便宜上、
図1に示すAP12-4と、AP12-4と無線通信する端末装置14の図示は省略する。
【0036】
コントローラ11は、隣接するAPの無線通信チャネルが互いに異なるように選定する。この例では、初期状態において、AP12-1は無線通信チャネル11chで無線通信エリア13-1内の端末装置14-1と通信中である(処理段階P1)。また、AP12-2は無線通信チャネル6chで無線通信エリア13-2内の端末装置14-2と通信中である(処理段階P2)。更に、AP12-3は無線通信チャネル1chで無線通信エリア13-3内の端末装置14-3と通信中である。(処理段階P3)。なお、この例では、無線通信エリア13-1~13-3は互いに一部重複している。
【0037】
無線通信チャネルの通信品質は、例えば受信信号強度インディケータ(RSSI:Received Signal Strength Indicator)及びパケットエラー率(PER:Packet Error Rate)に基づき、周知の方法で取得できる。このため、この例では、各AP12-1~12-3は、無線通信に使用している無線通信チャネルの通信品質、CS時の無線通信チャネルの通信品質等を取得する。各AP12-1~12-3は、取得した無線通信チャネルの通信品質を例えば周知の方法で評価できる。各AP12-1~12-3は、例えば無線通信に使用している無線通信チャネルのRSSIが閾値以上、且つ、PERが閾値以上であるか否かを評価する。この場合、各AP12-1~12-3は、無線通信に使用している無線通信チャネルのRSSIが閾値以上、且つ、PERが閾値以上であると、当該無線通信チャネルで干渉が発生したことを示す通信障害を検知しても良い。
【0038】
この例では、機械が発生する非管理波が、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1と、無線通信チャネル11chで通信可能なAP12-1等に影響を及ぼす。このため、AP12-1は、例えば無線通信チャネル11chで無線通信エリア13-1内の端末装置14-1と通信中に、無線通信障害を周知の方法で検知して(処理段階P5)、通信障害通知をコントローラ11に送信する(処理段階P6)。
【0039】
コントローラ11は、AP12-1からの通信障害通知に応答して、AP12-3に通信停止命令を送信すると共に(処理段階P7)、AP12-1に無線通信チャネル1chのCS命令を送信する(処理段階P8)。
【0040】
AP12-1は、無線通信チャネル1chのCS命令に応答して、無線通信チャネル1chの使用禁止命令を無線通信エリア13-1内の端末装置14-1に送信する(処理段階P9)。これにより、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1は、無線通信チャネル1chの使用禁止命令に応答して、無線通信チャネル1ch以外でのチャネルスキャンを行う(処理段階P10)。この例では、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1は、無線通信チャネル1ch以外でのチャネルスキャンを行うが、AP12-1~12-3のいずれとも通信可能ではないため、AP12-1からの指示を待機する無線通信チャネル11chの受信待機に入る(処理段階P11)。また、AP12-1は、無線通信チャネル1chのCS命令に応答して、AP12-1の無線通信チャネル1chのCSを実施する(処理段階P12)。
【0041】
AP12-2は、AP12-1,12-3とは異なる無線通信チャネル6chで無線通信エリア13-2内の端末装置14-2と通信中である。このため、コントローラ11は、この状態では、特にAP12-2の通信を制御する命令を送信しない。
【0042】
一方、AP12-3は、通信停止命令に応答して、無線通信チャネル1chの使用禁止命令を無線通信エリア13-3内の端末装置14-3に送信する(処理段階P13)。これにより、無線通信エリア13-3内の端末装置14-3は、無線通信チャネル1chの使用禁止命令に応答して、無線通信チャネル1ch以外でのチャネルスキャンを行う(処理段階P14)。この例では、無線通信エリア13-3内の端末装置14-3は、無線通信チャネル1ch以外でのチャネルスキャンを行い、AP12-2と通信可能であるため、無線通信チャネル6chで通信する(処理段階P15)。
【0043】
AP12-1は、無線通信チャネル1chのCSの結果をコントローラ11に通知する(処理段階P16)。CSの結果を通知するCS結果通知は、例えばRSSIの最大値に基づくものであっても良く、この場合は非管理波がAP12-1に及ぼす干渉量を表す。
【0044】
コントローラ11は、AP12-1からの無線通信チャネル1chのCS結果通知に応答して、AP12-3の通信再開命令を送信する(処理段階P17)。
【0045】
また、コントローラ11は、AP12-1からの無線通信チャネル1chのCS結果通知に応答して、AP12-2の通信停止命令を送信する(処理段階P18)。
【0046】
更に、コントローラ11は、AP12-1からの無線通信チャネル1chのCS結果通知に応答して、AP12-1の無線通信チャネル6chのCS命令を送信する(処理段階P19)。
【0047】
AP12-3は、通信再開命令に応答して、無線通信チャネル1chの使用許可命令を無線通信エリア13-3内の端末装置14-3に送信する(処理段階P20)。
【0048】
AP12-2は、通信停止命令に応答して、無線通信チャネル6chの使用禁止命令を、無線通信エリア13-2内の端末装置14-2に送信すると共に(処理段階P21)、無線通信エリア13-3内の端末装置14-3に送信する(処理段階P22)。これにより、無線通信エリア13-2内の端末装置14-2は、無線通信チャネル6chの使用禁止命令に応答して、無線通信チャネル6ch以外でのチャネルスキャンを行う(処理段階P23)。この例では、無線通信エリア13-2内の端末装置14-2は、無線通信チャネル6ch以外でのチャネルスキャンを行うが、AP12-1~12-3のいずれとも通信可能ではないため、AP12-2からの指示を待機する無線通信チャネル6chの受信待機に入る(処理段階P24)。
【0049】
一方、無線通信エリア13-3内の端末装置14-3は、無線通信チャネル6chの使用禁止命令に応答して、無線通信チャネル6ch以外でのチャネルスキャンを行う(処理段階P25)。この例では、無線通信エリア13-3内の端末装置14-3は、無線通信チャネル6ch以外でのチャネルスキャンを行い、AP12-3と通信可能であるため、無線通信チャネル1chで通信する(処理段階P26)。
【0050】
また、AP12-1は、無線通信チャネル6chのCS命令に応答して、無線通信チャネル1chの使用許可命令及び無線通信チャネル6chの使用禁止命令を無線通信エリア13-1内の端末装置14-1に送信する(処理段階P27)。これにより、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1は、無線通信チャネル6chの使用禁止命令に応答して、無線通信チャネル6ch以外でのチャネルスキャンを行う(処理段階P28)。この例では、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1は、無線通信チャネル6ch以外でのチャネルスキャンを行うが、AP12-1~12-3のいずれとも通信可能ではないため、AP12-1からの指示を待機する無線通信チャネル11chの受信待機に入る(処理段階P29)。
【0051】
更に、AP12-1は、無線通信チャネル6chのCS命令に応答して、無線通信チャネル6chのCSを実施する(処理段階P30)。AP12-1は、無線通信チャネル6chのCSの結果をコントローラ11に通知する(処理段階P31)。
【0052】
コントローラ11は、AP12-1からの無線通信チャネル6chのCS結果通知に応答して、AP12-2の通信再開命令を送信すると共に(処理段階P32)、AP12-1の無線通信チャネル11chのCS命令を送信する(処理段階P33)。AP12-3は、AP12-1,12-2とは異なる無線通信チャネル1chで無線通信エリア13-3内の端末装置14-3と通信中である。このため、コントローラ11は、この状態では、特にAP12-3の通信を制御する命令を送信しない。
【0053】
AP12-1は、無線通信チャネル11chのCS命令に応答して、無線通信チャネル6chの使用許可命令及び無線通信チャネル11chの使用禁止命令を無線通信エリア13-1内の端末装置14-1に送信する(処理段階P34)。これにより、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1は、無線通信チャネル6chの使用停止命令に応答して、無線通信チャネル11ch以外でのチャネルスキャンを行う(処理段階P35)。この例では、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1は、無線通信チャネル11ch以外でのチャネルスキャンを行うが、AP12-1~12-3のいずれとも通信可能ではないため、AP12-1からの指示を待機する無線通信チャネル11chの受信待機に入る(処理段階P36)。
【0054】
一方、AP12-2は、通信再開命令に応答して、無線通信チャネル6chの使用許可命令を無線通信エリア13-2内の端末装置14-2に送信する(処理段階P37)。これにより、無線通信エリア13-2内の端末装置14-2は、無線通信チャネル6chの使用許可命令に応答して、無線通信チャネル6chでAP12-2と通信する(処理段階P38)。
【0055】
更に、AP12-1は、無線通信チャネル11chのCS命令に応答して、無線通信チャネル11chのCSを実施する(処理段階P39)。AP12-1は、無線通信チャネル11chのCSの結果をコントローラ11に通知する(処理段階P40)。
【0056】
コントローラ11は、AP12-1からの無線通信チャネル11chのCS結果通知に応答して、AP12-1の通信再開命令を送信する(処理段階P41)。
【0057】
AP12-1は、通信再開命令に応答して、無線通信チャネル11chの使用許可命令を無線通信エリア13-1内の端末装置14-1に送信する(処理段階P42)。これにより、無線通信エリア13-1内の端末装置14-1は、無線通信チャネル11chでAP12-1と通信する(処理段階P43)。
【0058】
通信障害検知に伴うAP12-1に対する上記の如き命令の送信及び上記の如き処理は、AP12-1に隣接する各AP12-2,12-3に対しても同様に行うが(処理段階P50)、
図5ではそれらの図示は省略する。つまり、この例では、機械が発生する非管理波が各AP12-1~12-3に影響を及ぼす場合、各AP12-1~12-3が無線通信障害を検知してコントローラ11に送信すれば良い。また、通信障害検知に伴う各AP12-1~12-3に対する上記の如き命令の送信及び上記の如き処理は、通信障害検知の毎に繰り返せば良い(処理段階P50)。
【0059】
なお、通信停止するAP12-iは、後述するスケジューリングに従って選択するようにしても良い。
【0060】
その後、コントローラ11は、非管理波が各AP12-1~12-3に及ぼす干渉量、即ち、各AP12-1~12-3への非管理波からの干渉量を、各AP12-1~12-3からのCS結果通知から推定する(処理段階P60)。非管理波の干渉量は、例えば周知の方法で算出可能である。具体的には、コントローラ11は、各AP12-1~12-3からの通信障害通知を取得した後に各AP12-1~12-3にCSを行わせて受信したCS結果通知を用いて、非管理波が各AP12-1~12-3に及ぼす干渉量を算出しても良い。
【0061】
また、コントローラ11は、無線通信チャネルの割り当ての探索時に、非管理波の干渉量を考慮して総干渉量を推定する(処理段階P70)。具体的には、コントローラ11は、非管理波の干渉量と管理波の干渉量との総和を、総干渉量として算出しても良い。
【0062】
更に、コントローラ11は、例えば総干渉量が最小となる無線通信チャネルの割り当てを決定し、各AP12-1~12-3に割り当てる無線通信チャネルを送信する(処理段階P80)。非管理波の干渉量を算出することで、無線障害発生時に、コントローラ11が干渉を回避するように各AP12-1~12-3の無線通信チャネルの割り当てを行うことができる。
【0063】
各AP12-1~12-3の無線通信チャネルの割り当ての後、各AP12-1~12-3は、割り当てられた無線通信チャネルで端末装置14-1~14-3と通信することができる(処理段階P90)。
【0064】
図6は、コントローラの処理の一例を説明するフローチャートである。
図6に示す処理は、
図2に示すコントローラ11のプロセッサ112が、例えばメモリ113に記憶されたプログラムを実行することで実行できる。
【0065】
図6において、ステップS1では、プロセッサ112が、各AP12-1~12-3からの無線障害通知(例えば
図5に示す処理段階P6に関連)に基づいて、無線通信チャネルの無線通信障害の状況を取得する。ステップS2では、プロセッサ112が、CSを実施するAPの集合と、CS対象の無線通信チャネルと、CSを実施するAPの順番と、CS対象の無線通信チャネルの順番を決定する。プロセッサ112は、例えばメモリ113に記憶されている各AP12-1~12-3の位置関係と無線通信チャネルに関するデータに基づいて、ステップS2の処理を実行する。ここで、APの集合は、無線通信障害を検知したAPと当該APに隣接する隣接APを含む集合である。また、CS対象の無線通信チャネルは、非管理波推定システム1が使用する無線通信チャネルである。なお、順番は、例えばランダムな順番であっても良い。
【0066】
ステップS3では、プロセッサ112が、例えばメモリ113に記憶されているスケジュールに応じて、該当するAPに通信停止命令、該当するAPに通信再開命令、及び該当するAPにCS命令とCS対象の無線通信チャネルを送信する。ステップS3の処理は、例えば
図5に示す処理段階P7,P8,P17~P19,P32,P33,P41に相当する。ステップS4では、プロセッサ112が、該当するAPからのCSの結果である、例えばRSSIの最大値に基づくCS結果通知(例えば
図5に示す処理段階P16,P31,P40に相当)を収集する。ステップS5では、プロセッサ112が、未実施のCS対象の無線通信チャネルがあるか否かを判定し、判定結果がYESであると処理はステップS3へ戻り、判定結果がNOであると処理はステップS6へ進む。
【0067】
ステップS6では、プロセッサ112が、該当するAPに通信再開命令を送信する(例えば
図5に示す処理段階P17,P32,P41に相当)。ステップS7では、プロセッサ112が、各APからのCS結果通知を用いて、各APへの非管理波からの干渉量を周知の方法で算出する。ステップS8では、プロセッサ112が、無線通信チャネルの割り当ての探索時に、算出した非管理波からの干渉量を考慮して総干渉量を算出する(例えば
図5に示す処理段階P60に相当)。総干渉量は、例えば各APにおける非管理波からの干渉量と、各APにおける管理波からの干渉量の総和から算出できる。ステップS9では、プロセッサ112が、例えば算出した総干渉量が最小となる無線通信チャネルの割り当てを決定する(例えば
図5に示す処理段階P70に相当)。ステップS10では、プロセッサ112が、各APに割り当てる無線通信チャネルを送信し(例えば
図5に示す処理段階P80に相当)、処理は終了する。
【0068】
このようにして、各APに無線通信チャネルの候補を割り当てながら、最適な無線通信チャネルの割り当てを探索する。具体的には、各APについて、各無線通信チャネルの候補における総干渉量を算出し、例えば総干渉量が最小となる無線通信チャネルの割り当てを決定する。これにより、最適な無線通信チャネルの割り当てを探索するのに要する計算量を比較的低く抑えることができる。また、隣接するAPで受信したRSSI等から、各APの干渉の受けやすさを算出し、全てのAPの中で干渉を受けやすいAPから優先的に無線通信チャネルを割り当てることで、無線通信システム全体の干渉量を低減するようにしても良い。
【0069】
図7は、APの通信品質の取得及び通知処理の一例を説明するフローチャートである。
図7に示す通信品質の取得及び通知処理は、
図3に示すAP12-iのプロセッサ122が、例えばメモリ123に記憶されたプログラムを実行することで実行できる。
【0070】
図7において、ステップS21では、プロセッサ122が、無線通信チャネルの通信品質を取得する(例えば
図5に示す処理段階P4の影響を含む)。無線通信チャネルの通信品質は、例えばRSSI及びPERに基づき、周知の方法で取得できる。ステップS22では、プロセッサ122が、無線通信チャネルの通信品質の劣化を検知する(例えば
図5に示す処理段階P5に相当)。無線通信チャネルの通信品質の劣化のうち干渉は、例えばRSSIが閾値以上、且つ、PERが閾値以上である場合に検知できる。ステップS23では、プロセッサ122が、無線通信チャネルの通信品質の劣化をコントローラ11に送信し(例えば
図5に示す処理段階P6に相当)、処理は終了する。
【0071】
図8は、APの通信停止処理の一例を説明するフローチャートである。
図8に示す通信停止処理は、
図3に示すAP12-iのプロセッサ122が、例えばメモリ123に記憶されたプログラムを実行することで実行できる。
【0072】
図8において、ステップS24では、プロセッサ122が、コントローラ11からの通信停止命令を受信する(例えば
図5に示す処理段階P7,P18に関連)。ステップS25では、プロセッサ122が、接続される端末装置14に無線通信チャネルの使用禁止命令を送信する(例えば
図5に示す処理段階P13,P21,P22に相当)。ステップS26では、プロセッサ122が、接続される端末装置14との通信を停止し、処理は終了する。
【0073】
図9は、APの通信再開処理の一例を説明するフローチャートである。
図9に示す通信再開処理は、
図3に示すAP12-iのプロセッサ122が、例えばメモリ123に記憶されたプログラムを実行することで実行できる。
【0074】
図9において、ステップS27では、プロセッサ122が、コントローラ11から通信再開命令と無線通信チャネルを受信する(例えば
図5に示す処理段階P17,P32,P41)に関連)。ステップS28では、プロセッサ122が、接続される端末装置14に無線通信チャネルの使用許可命令を送信する(例えば
図5に示す処理段階P20,P37,P42に相当)。ステップS29では、プロセッサ122が、端末装置14との通信を再開し(例えば
図5に示す処理段階P26,P38,P43に相当)、処理は終了する。
【0075】
図10は、APのキャリアセンス結果の通知処理の一例を説明するフローチャートである。
図10に示すキャリアセンス結果の通知処理は、
図3に示すAP12-iのプロセッサ122が、例えばメモリ123に記憶されたプログラムを実行することで実行できる。
【0076】
図10において、ステップS31では、プロセッサ122が、コントローラ11からのCS命令とCS対象の無線通信チャネルを受信する(例えば
図5に示す処理段階P8,P19,P33に関連)。ステップS32では、プロセッサ122が、接続される端末装置14に無線通信チャネルの使用禁止命令を送信する(例えば
図5に示す処理段階P9,P27,P34に相当)。ステップS33では、端末装置14との通信を停止し、対象となる無線通信チャネルをCSする(例えば
図5に示す処理段階P12,P30,P39に相当)。ステップS34では、プロセッサ122が、対象となる無線通信チャネルのCSの結果をコントローラ11に送信することでCS結果通知を行い(例えば
図5に示す処理段階P16,P31,P40に相当)、処理は終了する。
【0077】
図11は、端末装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
図11に示す処理は、
図4に示す端末装置14のプロセッサ142が、例えばメモリ143に記憶されたプログラムを実行することで実行できる。
【0078】
図11において、ステップS41では、プロセッサ142が、APに接続して通信を開始する(例えば
図5に示す処理段階P1~P3,P15,P26,P37,P41に相当)。ステップS42では、プロセッサ142が、APから無線通信チャネルの使用禁止命令を受信する(例えば
図5に示す処理段階P9,P13,P21,P22,P27,P34に関連)。ステップS43では、プロセッサ142が、使用が禁止された無線通信チャネル以外の無線通信チャネルを利用して他の接続可能なAPを探索するチャネルスキャンを実施する(例えば
図5に示す処理段階P10,P14,P24,P25,P28,P35に相当)。
【0079】
ステップS44では、プロセッサ142が、他の接続可能なAPが存在するか否かを判定し、判定結果がYESであると処理はステップS45へ進み、判定結果がNOであると処理はステップS46へ進む。ステップS45では、プロセッサ142が、該当APへ接続して通信を再開し(例えば
図5に示す処理段階P15に相当)、処理は終了する。一方、ステップS46では、プロセッサ142が、送信を停止し、APからの指示の受信待機に入る(例えば
図5に示す処理段階P11,P24,P29,P36に相当)。ステップS47では、プロセッサ142が、APから無線通信チャネルの使用許可命令と無線通信チャネルを受信する(例えば
図5に示す処理段階P43に関連)。ステップS48では、プロセッサ142が、該当APに接続して通信を再開し(例えば
図5に示す処理段階P43に相当)、処理は終了する。
【0080】
図12は、非管理波推定システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図12において、コントローラ11は、例えばIP(Internet Protocol)通信を行える有線LAN(Local Area Network)等の有線ネットワーク501を介して各AP12-iと通信可能である。また、各AP12-iは、無線通信を行える無線LAN等の無線ネットワーク502を介して各端末装置14と通信可能である。
【0081】
図12に示すコントローラ11は、品質管理部1101と、スケジューリング部1102と、命令送信部1103と、割当チャネル決定部1104と、無線チャネル割当部1105とを有する。各部1101~1105の処理は、
図2に示すコントローラ11のプロセッサ112により実行可能である。
【0082】
品質管理部1101は、各AP12-iから通知される無線通信チャネルの通信品質を管理する。各AP12-iから通知される無線通信チャネルの通信品質は、例えば当該無線通信チャネルのRSSIが閾値以上、且つ、PERが閾値以上である場合は干渉が発生したことを示す通信障害通知を含む。また、各AP12-iからのCS結果通知は、例えばRSSIの最大値に基づくものであっても良く、非管理波が各AP12-iに及ぼす干渉量を表す。品質管理部1101が実行する処理は、例えば
図6に示すステップS1,S4,S5,S7,S8の処理に相当する。
【0083】
スケジューリング部1102は、例えばメモリ113に記憶されているスケジュールに応じて、CSを実施するAP12-iとCS対象の無線通信チャネルの順番を決定するスケジューリングを行う。スケジューリング部1102は、スケジュールに応じて、同時に通信停止する端末装置14の数を最小化するCSスケジューリングを行っても良い。この場合、スケジューリング部1102は、APの停止により通信状態を変更する端末装置14の数を最小化するCSスケジューリングを行っても、同じ端末装置14を閾値を超える時間以上通信停止状態にしないCSスケジューリングを行っても良い。コントローラ11は、例えば各通信停止エリア内の端末装置14を通信停止状態に維持する時間をタイマ等で管理できる。従って、スケジューリング部1102は、タイマ等で管理されている、端末装置14を通信停止状態に維持する時間が、閾値を超えないようにCSスケジューリングを行えば良い。スケジューリング部1102がスケジューリングに用いるスケジュールは、複数のスケジュールから選択可能であっても良い。スケジューリング部1102が実行する処理は、例えば
図6に示すステップS2の処理に相当する。
【0084】
命令送信部1103は、スケジューリング部1102が行うスケジューリングに応じて、各AP12-iに通信停止命令、通信再開命令、CS命令等を送信する。命令送信部1103が実行する処理は、例えば
図6に示すステップS3,S6の処理に相当する。
【0085】
割当チャネル決定部1104は、例えば推定総干渉量が最小となるチャネル割り当てを探索して割当チャネルを決定する。割当チャネル決定部1104は、推定総干渉量が所定値以下となるチャネル割り当てを探索して割当チャネルを決定しても良い。割当チャネル決定部1104が実行する処理は、例えば
図6に示すステップS9の処理に相当する。
【0086】
無線チャネル割当部1105は、割当チャネル決定部1104が決定した割当チャネルを各AP12-iに送信する。無線チャネル割当部1105が実行する処理は、例えば
図6に示すステップS10の処理に相当する。
【0087】
図12に示すAP12-iは、通信制御部1201と、命令送信部1202と、無線LAN通信部1203と、品質取得部1204と、品質評価部1205とを有する。各部1201~1205の処理は、
図3に示すAP12-iのプロセッサ122により実行可能である。
【0088】
通信制御部1201は、コントローラ11からの命令に応答して、通信停止、通信再開、CS、チャネル割り当て等を制御する。
【0089】
命令送信部1202は、送信停止又はCSするとき端末装置14に無線通信チャネルの使用禁止命令を送信し、通信再開するとき端末装置14に無線通信チャネルの使用許可命令を送信する。命令送信部1202が実行する処理は、例えば
図10に示すステップS31~S34の処理に相当する。
【0090】
通信制御部1201及び命令送信部1202が実行する処理は、例えば
図8に示すステップS24~S26及び例えば
図9に示すステップS27~S29の処理に相当する。
【0091】
無線LAN通信部1203は、無線LAN接続を確立して端末装置14との無線通信と、CSを実施する。
【0092】
品質取得部1204は、無線通信に使用している無線通信チャネルの通信品質、CS時の無線通信チャネルの通信品質等を取得する。品質取得部1204は、例えば無線通信チャネルのRSSIとPERに基づく通信品質のリストを取得しても良い。品質取得部1204が実行する処理は、例えば
図7に示すステップS21の処理に相当する。
【0093】
品質評価部1205は、品質取得部1204が取得した無線通信チャネルの通信品質を例えば周知の方法で評価する。品質評価部1205は、例えば無線通信チャネルのRSSIが閾値以上、且つ、PERが閾値以上であるか否かを評価する。品質取得部1204は、例えば無線通信チャネルのRSSIが閾値以上、且つ、PERが閾値以上であると、干渉を検知することができる。品質取得部1204が実行する処理は、例えば
図7に示すステップS22,S23の処理に相当する。
【0094】
図12に示す端末装置14は、通信制御部1401と、無線LAN通信部1402とを有する。各部1401,1402の処理は、
図4に示す端末装置14のプロセッサ142により実行可能である。
【0095】
通信制御部1401は、APから無線通信チャネルの使用禁止命令の受信時に、他のAPに接続、或いは、当該APからの指示の受信待機に入ること等を制御する。また、通信制御部1401は、APから無線通信チャネルの使用許可命令の受信時に、当該APへ接続すること等を制御する。通信制御部1401が実行する処理は、例えば
図11に示すステップS41~S48の処理に相当する。
【0096】
無線LAN通信部1402は、無線LAN接続を確立してAP12-iとの無線通信を行う。
【0097】
図13は、無線通信エリアの一例を示す図である。
図13は、中心の無線通信エリア13-1に対し、4つの隣接する無線通信エリア13-2~13-5が配置されている例を示す。
図13及び後述する
図14及び
図15において、コントローラ11、AP12-i、及び端末装置14の図示は省略する。この例では、隣接するAPの無線通信チャネルは互いに異なるように選定されている。無線通信エリア13-1内のAPは、無線通信チャネル1chで端末装置14と通信可能である。無線通信エリア13-2内のAPは、無線通信チャネル11chで端末装置14と通信可能であり、無線通信エリア13-3内のAPは、無線通信チャネル6chで端末装置14と通信可能である。無線通信エリア13-4内のAPは、無線通信チャネル6chで端末装置14と通信可能であり、無線通信エリア13-5内のAPは、無線通信チャネル11chで端末装置14と通信可能である。なお、無線通信エリア13-1と、無線通信エリア13-2~13-5とは、一部重複している。
【0098】
図14は、通信停止エリアの一例を示す図である。
図14は、中心の無線通信エリア13-1内のAPが無線通信チャネル1chをCSする場合の通信停止エリア13Aを、ハッチングで示す。通信停止エリア13Aは、無線通信エリア13-1のうち、隣接する無線通信エリア13-2~13-5と重複しない領域に相当する。
【0099】
図15は、無線停止エリアの他の例を示す図である。
図15は、中心の無線通信エリア13-1内のAPが無線通信チャネル11chをCSする場合の通信停止エリア13Bを、ハッチングで示す。通信停止エリア13Bは、
図13に示す通信停止エリア13Aと、隣接する無線通信エリア13-2,13-5を組み合わせた領域に相当する。
【0100】
例えば、
図13に示す配置のように、合計5つのAPが設置されている場合、各APの配下に10台の端末装置が属している場合を想定する。このような配置を上記特許文献1の無線ネットワークに適用すると、非管理波が各親局(各APに相当)に及ぼす干渉量を推定する際に、無線ネットワーク全体が定期的に無線通信不能になってしまう。この例の場合、非管理波が各親局(各APに相当)に及ぼす干渉量を推定する際に、全ての親局(5つのAPに相当)と全ての子局(50台の端末装置に相当)が定期的に無線通信不能になってしまう。
【0101】
これに対して、本実施例では、上記の配置と同じ条件下で、非管理波が各APに及ぼす干渉量を推定する際に、
図14及び
図15からもわかるように、1つ~3つ程度のAPと、3台~27台程度の端末装置を通信停止にすれば良い。つまり、非管理波が各APに及ぼす干渉量の推定を、無線ネットワーク全体を無線通信不能にすることなく、無線通信不能となる端末装置の数を減らして実現することができる。このため、端末装置を利用して行う作業の作業効率の低下を抑えることもできる。また、CSを実施するAPに隣接する隣接APのうち、CS対象と同じ無線通信チャネルを使用している隣接APだけを停止することで、非管理波が各APに及ぼす干渉量を正確に推定することができる。
【0102】
IoT(Internet of Things)等の普及により、電磁波等の管理不可能な非管理波の増加を避けることは難しい。しかし、最適な無線通信チャネルを選択するために一度に通信停止する端末装置の数が多い場合には、非管理波推定システムが適用される無線通信システムが提供するサービスの質が低下してしまう。これに対し、本実施例では、同時に通信停止する端末装置の数を、工場等の局所領域内の少ない数に抑えることができるので、無線通信システムが提供するサービスの質の低下を抑えることができる。本実施例において、非管理波推定システムが適用される無線通信システムが提供するサービスの質の低下を抑える効果は、局所領域が広くなる程、相対的に大きくなる。
【0103】
また、機械等のシステム以外の機器が発生する電磁波等の非管理波の干渉量を正確に推定することで、無線障害発生時に、非管理波推定装置が干渉を回避するように各APの無線通信チャネルの割り当て又は再割り当てを行うことができる。更に、APの増設時等の無線LAN環境の変化に対しても、非管理波推定装置が干渉を回避するように各APの無線通信チャネルの割り当て又は再割り当てを行うことができる。
【0104】
本実施例では、最適な無線通信チャネルの割り当てを探索するのに要する計算量を比較的低く抑えることができる。このため、無線障害発生や無線LAN環境の変化等に対しても、非管理波推定装置が、干渉を回避するように各APの無線通信チャネルの割り当て又は再割り当てを効率的に行うことができる。
【0105】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
非管理波がアクセスポイントに及ぼす干渉量を推定する非管理波推定装置であって、
複数のアクセスポイントの位置関係と無線通信チャネルに関するデータを記憶する記憶装置と、
前記データに基づいて、キャリアセンスするアクセスポイントとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定し、前記通信停止するアクセスポイントに、前記通信停止するアクセスポイントに接続される端末装置に対して前記キャリアセンス対象の前記無線通信チャネルの使用を禁止させるプロセッサと、
を備えたことを特徴とする、非管理波推定装置。
(付記2)
前記プロセッサは、
隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルが互いに異なるように選定し、
各アクセスポイントが無線通信に使用している無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントの無線通信を停止し、
各アクセスポイントが無線通信に使用していない無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントに加え、当該アクセスポイントに隣接する隣接アクセスポイントのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接アクセスポイントの無線通信を停止する、
ことを特徴とする、付記1記載の非管理波推定装置。
(付記3)
前記プロセッサは、同時に通信停止する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、付記1又は2記載の非管理波推定装置。
(付記4)
アクセスポイントの無線通信の停止により通信状態を変更する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、付記3記載の非管理波推定装置。
(付記5)
同じ端末装置を閾値を超える時間以上通信停止状態にしないスケジューリングを行うことを特徴とする、付記3記載の非管理波推定装置。
(付記6)
前記プロセッサは、前記非管理波による無線通信障害を検知したアクセスポイントからの通知に応答して、前記キャリアセンスするアクセスポイントと前記キャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定することを特徴とする、付記1乃至5のいずれか1項記載の非管理波推定装置。
(付記7)
前記プロセッサは、
各アクセスポイントにおけるキャリアセンスの結果を通知する結果通知を用いて前記非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量を算出し、
無線通信チャネルの割り当ての探索時に、算出した前記非管理波からの干渉量と、管理波からの干渉量とから総干渉量を算出し、
前記総干渉量が最小となる無線通信チャネルの割り当てを決定する、
ことを特徴とする、付記6記載の非管理波推定装置。
(付記8)
非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量を推定する非管理波推定システムであって、
複数のアクセスポイントと、
前記複数のアクセスポイントの位置関係と無線通信チャネルに関するデータに基づいて、キャリアセンスするアクセスポイントとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定する非管理波推定装置と、
前記通信停止するアクセスポイントに接続され、前記キャリアセンス対象の無線通信チャネルの使用を禁止される端末装置と、
を備えたことを特徴とする、非管理波推定システム。
(付記9)
前記非管理波推定装置は、
隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルが互いに異なるように選定し、
各アクセスポイントが無線通信に使用している無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントの無線通信を停止し、
各アクセスポイントが無線通信に使用していない無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントに加え、当該アクセスポイントに隣接する隣接アクセスポイントのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接アクセスポイントの無線通信を停止する、
ことを特徴とする、付記8記載の非管理波推定システム。
(付記10)
前記非管理波推定装置は、同時に通信停止する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、付記8又は9記載の非管理波推定システム。
(付記11)
前記非管理波推定装置は、アクセスポイントの無線通信の停止により通信状態を変更する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、付記10記載の非管理波推定システム。
(付記12)
前記非管理波推定装置は、同じ端末装置を閾値を超える時間以上通信停止状態にしないスケジューリングを行うことを特徴とする、付記10記載の非管理波推定システム。
(付記13)
前記端末装置は、
あるアクセスポイントからの、前記無線通信チャネルの使用を禁止する命令に応答して、使用が禁止された無線通信チャネル以外の無線通信チャネルを利用して他の接続可能なアクセスポイントを探索するチャネルスキャンを実施し、
接続可能なアクセスポイントがあると、当該アクセスポイントへ接続して通信を再開し、
接続可能なアクセスポイントがないと、送信を停止し、前記あるアクセスポイントからの指示の受信待機に入る、
ことを特徴とする、付記8乃至12のいずれか1項記載の非管理波推定システム。
(付記14)
前記非管理波推定装置は、前記非管理波による無線通信障害を検知したアクセスポイントからの通知に応答して、前記キャリアセンスするアクセスポイントと前記キャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定することを特徴とする、付記8乃至13のいずれか1項記載の非管理波推定システム。
(付記15)
前記非管理波推定装置は、
各アクセスポイントにおけるキャリアセンスの結果を通知する結果通知を用いて前記非管理波が各アクセスポイントに及ぼす干渉量を算出し、
無線通信チャネルの割り当ての探索時に、算出した前記非管理波からの干渉量と、管理波からの干渉量とから総干渉量を算出し、
前記総干渉量が最小となる無線通信チャネルの割り当てを決定する、
ことを特徴とする、付記14記載の非管理波推定システム。
(付記16)
非管理波が複数のアクセスポイントに及ぼす干渉量を推定する非管理波推定方法であって、
非管理波推定装置が、各アクセスポイントの位置関係と無線通信チャネルに関するデータに基づいて、キャリアセンスするアクセスポイントとキャリアセンス対象の無線通信チャネルに応じて通信停止するアクセスポイントを決定し、
前記非管理波推定装置が、通信停止するアクセスポイントに、当該通信停止するアクセスポイントに接続される端末装置に対してキャリアセンス対象の無線通信チャネルの使用を禁止させる、
処理を含むことを特徴とする、非管理波推定方法。
(付記17)
前記非管理波推定装置が、
隣接するアクセスポイントの無線通信チャネルが互いに異なるように選定し、
各アクセスポイントが無線通信に使用している無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントの無線通信を停止し、
各アクセスポイントが無線通信に使用していない無線通信チャネルをキャリアセンスするとき、当該アクセスポイントに加え、当該アクセスポイントに隣接する隣接アクセスポイントのうち、当該無線通信チャネルを無線通信に使用している隣接アクセスポイントの無線通信を停止する、
ことを特徴とする、付記16記載の非管理波推定方法。
(付記18)
前記非管理波推定装置が、同時に通信停止する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、付記16又は17記載の非管理波推定方法。
(付記19)
前記非管理波推定装置が、アクセスポイントの無線通信の停止により通信状態を変更する端末装置の数を最小化するスケジューリングを行うことを特徴とする、付記18記載の非管理波推定方法。
(付記20)
前記非管理波推定装置が、同じ端末装置を閾値を超える時間以上通信停止状態にしないスケジューリングを行うことを特徴とする、付記18記載の非管理波推定方法。
【0106】
以上、開示の非管理波推定装置、非管理波推定システム及び非管理波推定方法を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0107】
1 非管理波推定システム
11 コントローラ
12-1~12-4 AP
13-1~13-4 無線通信エリア
13A,13B 通信停止エリア
14,14-1~14-3 端末装置
111,121,141 内部バス
112,122,142 プロセッサ
113,123,143 メモリ
114,124 有線通信モジュール
125,145 無線通信モジュール
126 チャネル品質測定部
501 有線ネットワーク
502 無線ネットワーク
1101 品質管理部
1102 スケジューリング部
1103,1202 命令送信部
1104 割当チャネル決定部
1105 無線チャネル割当部
1201,1401 通信制御部
1203,1402 無線LAN通信部
1204 品質取得部
1205 品質評価部