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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】空気圧工具
(51)【国際特許分類】
   B25C 1/04 20060101AFI20230208BHJP
   B25C 7/00 20060101ALI20230208BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B25C1/04
B25C7/00 Z
B25F5/00 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019086668
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020182983
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏司
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/115593(WO,A1)
【文献】実公平06-32308(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 1/04
B25C 7/00
B25F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、
前記チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、
前記制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え
前記制御バルブは、前記チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、
前記調整機構は、前記チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、前記チャンバに供給される圧縮空気の流量を制御する流量制御機構を備え、前記作動部材の作動を切り替える
空気圧工具。
【請求項2】
圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、
前記チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、
前記制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、
前記制御バルブは、前記チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、
前記調整機構は、前記チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、前記チャンバの容積を増減させ、前記作動部材の作動を切り替え
気圧工具。
【請求項3】
前記調整機構は、前記チャンバと接続される副チャンバと、
前記チャンバと前記副チャンバとの間を連通させる通路と、
前記チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて前記通路を開閉する副チャンバ開閉バルブを備えた
請求項に記載の空気圧工具。
【請求項4】
圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、
前記チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、
前記制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、
前記制御バルブは、前記チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、
前記調整機構は、前記チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、前記制御バルブの前記作動部材の作動量を制御する副作動部材を備え、前記作動部材の作動を切り替える
空気圧工具。
【請求項5】
圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、
前記チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、
前記制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、
前記制御バルブは、前記チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、
前記調整機構は、前記チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、前記制御バルブの前記作動部材の負荷を制御する負荷制御部材を備え、前記作動部材の作動を切り替える
空気圧工具。
【請求項6】
圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、
前記チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、
前記制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、
前記調整機構は、温度に応じて、前記制御バルブの作動を切り替える
空気圧工具。
【請求項7】
前記調整機構は、圧縮空気が通る通路と、
前記通路と熱膨張係数が異なる材質で構成される流量制御部材とを備えた
請求項に記載の空気圧工具。
【請求項8】
前記通路と前記流量制御部材は、温度の低下に従い前記通路と前記流量制御部材との隙間が拡大する材質の組み合わせで構成される
請求項に記載の空気圧工具。
【請求項9】
前記通路と前記流量制御部材は、前記通路を通る圧縮空気の流量を規制する絞りを構成する
請求項7または請求項8に記載の空気圧工具。
【請求項10】
ノーズ内に供給される釘を打ち出す打撃ドライバが連結された打撃ピストンと、
前記打撃ピストンが往復動する打撃シリンダと、
圧縮空気が供給されるメインチャンバ内と前記打撃シリンダとの間を連通及び遮断するヘッドバルブと、
前記ヘッドバルブを作動させる操作を受けるトリガレバーと、
前記ノーズの軸方向に往復動可能なコンタクトアームと、
前記トリガレバー及び前記コンタクトアームの動作で、前記ヘッドバルブを作動させるトリガバルブと、
前記トリガレバーの動作で、前記メインチャンバから前記チャンバへ圧縮空気を供給するスイッチバルブとを備え、
前記制御バルブは、
前記トリガバルブと前記ヘッドバルブを連通させる通路の開閉を切り替える
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の空気圧工具。
【請求項11】
ノーズ内に供給される釘を打ち出す打撃ドライバが連結された打撃ピストンと、
前記打撃ピストンが往復動する打撃シリンダと、
圧縮空気が供給されるメインチャンバ内と前記打撃シリンダとの間を連通及び遮断するヘッドバルブと、
前記ヘッドバルブを作動させる操作を受けるトリガレバーと、
前記ノーズの軸方向に往復動可能なコンタクトアームと、
前記トリガレバー及び前記コンタクトアームの動作で、前記ヘッドバルブを作動させるトリガバルブと、
前記トリガレバーの動作で、前記メインチャンバから前記チャンバへ圧縮空気を供給するスイッチバルブとを備え、
前記制御バルブは、
前記ヘッドバルブを作動させる圧縮空気を貯留するヘッドバルブ上室の圧縮空気を大気に排出するための通路の開閉を切り替える
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の空気圧工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気を動力源として作動する空気圧工具に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮空気を動力源として打撃ピストンを往復動させ、打撃ピストンに結合したドライバを駆動してノーズに供給された釘等を打ち込むようにした釘打機と称す空気圧工具が知られている。このような釘打機では、グリップ部に設けられたトリガを引く一の操作と、ノーズの先端に突出させて往復移動可能に設けられたコンタクトアームを被打込材へ押し付ける他の操作の2つの操作によりヘッドバルブを作動させ、釘を打ち込むように構成されている。
【0003】
以下の説明で、一の操作でトリガが引かれた状態をトリガのON、一の操作が解除されてトリガが引かれていない状態をトリガのOFFと称す。また、他の操作でコンタクトアームが押し付けられた状態をコンタクトアームのON、他の操作が解除されてコンタクトアームが押し付けられていない状態をコンタクトアームのOFFと称す。
【0004】
釘打機では、例えば、コンタクトアームをONとした後、コンタクトアームをONとした状態でトリガをONとすることでヘッドバルブが作動し、釘の打ち込みが行われる。
【0005】
釘の打ち込み後、トリガをONの状態としたままコンタクトアームをOFFにし、トリガをONの状態としたままコンタクトアームを再びONとすることでヘッドバルブが作動し、次の釘の打ち込みが行われるようにした技術が提案されている。このように、トリガをONの状態としたままコンタクトアームのONとOFFを繰り返すことで、連続的な釘の打ち込みが行われる動作をコンタクト打ちと称す。
【0006】
コンタクト打ちでは、釘の打ち込み後、トリガがONのままでコンタクトアームをONにする毎に連続的に釘の打込みが行えるので、素早い作業に向いている。これに対し、不用意な動作を規制するため、トリガがONされた後、コンタクトアームがONされずに所定時間経過後すると、ヘッドバルブを非作動とする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実公平6-32308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
トリガがONされた後、コンタクトアームがONされずに所定時間経過後すると、ヘッドバルブを非作動とする構成では、所定時間の経過を電気的なタイマで計測すれば、計時を安定して行うことができる。しかし、圧縮空気で駆動される釘打機は、電気の供給源を備えていない。このため、電気的なタイマを使用するためには、電源及び回路が必要となる。
【0009】
これに対し、特許文献1では、釘打機を作動させるための圧縮空気を貯留するメインチャンバ内の圧縮空気の圧力を利用した計時機構が提案されている。空気圧を利用した計時機構は、例えば、所定の容積の空間にメインチャンバから圧縮空気を供給し、空間内が所定の圧力となると、この空気圧でバルブを作動させる構成である。
【0010】
このような計時機構では、電源及び回路が不要である。しかし、図示しないコンプレッサ等から供給される圧縮空気の圧力が常に一定ではないことや、釘の打出動作等によってメインチャンバ内の圧縮空気が消費されることの影響などにより、メインチャンバ内の圧力が変動するため、空間内がバルブを作動させる所定の圧力になるまでの時間が一定しない。このため、空気圧を利用した計時機構を適用した釘打機は、計時を安定して行うことが困難で、トリガが引かれてから、ヘッドバルブを非作動とするまでの時間が一定しない。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、空気圧等の変動因子によらず、計時を安定して安定して行えるようにして、コンタクト打ちの実行の有無の切り替えを、安定して行えるようにした空気圧工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明は、圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、チャンバに接続され、チャンバ内の空気圧で作動するピストンを有し、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、制御バルブは、チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、調整機構は、チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、チャンバに供給される圧縮空気の流量を制御する流量制御機構を備え、作動部材の作動を切り替える空気圧工具である。
また、本発明は、圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、制御バルブは、チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、調整機構は、チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、チャンバの容積を増減させ、前記作動部材の作動を切り替える空気圧工具である。
さらに、本発明は、圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、制御バルブは、チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、調整機構は、チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、制御バルブの作動部材の作動量を制御する副作動部材を備え、作動部材の作動を切り替える空気圧工具である。
また、本発明は、圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、制御バルブは、チャンバ内の空気圧で作動する作動部材を備え、調整機構は、前記チャンバに供給される圧縮空気の空気圧に応じて、制御バルブの作動部材の負荷を制御する負荷制御部材を備え、作動部材の作動を切り替える空気圧工具である。
さらに、本発明は、圧縮空気が供給される所定の容積を有したチャンバと、チャンバと接続され、被制御物の作動の有無を切り替える制御バルブと、制御バルブの作動を切り替える調整機構とを備え、調整機構は、温度に応じて、制御バルブの作動を切り替える空気圧工具である。

【0013】
本発明では、チャンバに供給される圧縮空気の空気圧、温度等の変動因子に応じて、制御バルブの作動タイミング、作動量等が切り替えられ、被制御物の作動の有無を切り替えるタイミングが、変動因子に応じて制御される。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、圧縮空気の空気圧の高低、温度の高低等の変動因子によらず、被制御物の作動の有無を切り替えるタイミングが一定となるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】釘打機の一例を示す側断面図である。
図2A】ヘッドバルブの一例を示す断面図である。
図2B】ヘッドバルブの一例を示す断面図である。
図3A】トリガバルブ及びスイッチバルブの一例を示す断面図である。
図3B】トリガバルブ及びスイッチバルブの一例を示す断面図である。
図3C】トリガバルブ及びスイッチバルブの一例を示す断面図である。
図3D】トリガバルブ及びスイッチバルブの一例を示す断面図である。
図4A】タイマチャンバの一例を示す断面図である。
図4B】タイマチャンバの一例を示す断面図である。
図5A】制御バルブの一例を示す断面図である。
図5B】制御バルブの一例を示す断面図である。
図6A】釘打機の動作の一例を示す断面図である。
図6B】釘打機の動作の一例を示す断面図である。
図6C】釘打機の動作の一例を示す断面図である。
図6D】釘打機の動作の一例を示す断面図である。
図7A】制御バルブが作動した釘打機の動作の一例を示す断面図である。
図7B】制御バルブが作動した釘打機の動作の一例を示す断面図である。
図8A】第1の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図8B】第1の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図9A】第2の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図9B】第2の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図10A】第3の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図10B】第3の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図11A】第4の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図11B】第4の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図12A】第5の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
図12B】第5の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の空気圧工具の一例である打込み工具としての釘打機について説明する。
【0017】
<釘打機の構成例>
図1は、釘打機の一例を示す側断面図である。図1では、打撃ピストンが上死点に位置している状態を示している。
【0018】
釘打機1は、本体10の内部に打撃シリンダ2を備える。打撃シリンダ2は、内部に打撃ピストン20が摺動可能に設けられる。打撃ピストン20は、下面側から突出する形態で釘打出し部材としての打撃ドライバ21が固定され、打撃ピストン20と打撃ドライバ21が一体に移動する。また、打撃ピストン20は、外周に封止部材としてのOリング20aが取り付けられる。
【0019】
釘打機1は、本体10の下端部にノーズ11を備える。ノーズ11は、打撃ドライバ21を案内する射出孔11aが、打撃シリンダ2と同軸上に設けられる。
【0020】
釘打機1は、本体10のグリップ部12の内部及び打撃シリンダ2の周部に、圧縮空気が供給され、供給された圧縮空気を貯留するメインチャンバ13を備える。釘打機1は、打撃シリンダ2に供給される圧縮空気で打撃ピストン20が駆動される。打撃ピストン20を駆動するための圧縮空気は、メインチャンバ13より打撃シリンダ2に供給される。
【0021】
釘打機1は、打撃シリンダ2の外周側にメインチャンバ13と独立してリターン用エアチャンバ14を備える。打撃シリンダ2は、軸方向略中間部位には、径方向に複数の小孔14aが形成され、この小孔14aとリターン用エアチャンバ14が、逆止弁14bを介して連通している。
【0022】
打撃シリンダ2は、上端部に打撃ピストンストッパ22を備える。打撃ピストンストッパ22は、打撃シリンダ2の上端部から内周側に突出し、上死点にリターンした打撃ピストン20が接する。また、打撃ピストンストッパ22は、打撃シリンダ2の上端部の中央が開口する。これにより、打撃シリンダ2は、上端部の中央に、メインチャンバ13から供給される圧縮空気が通る給排気口22aが形成される。
【0023】
打撃シリンダ2は、打撃ピストン20が上死点に位置する状態で、打撃ピストン20のOリング20aと対向する上端部近傍の内周面に凹部22bを備える。打撃ピストン20が上死点にリターンすると、打撃ピストン20のOリング20aが打撃シリンダ2の凹部22bに入ることで、Oリング20aと凹部22bの間に隙間ができる、この隙間から打撃ピストン20をリターンさせる空気が排出され、打撃ピストン20の駆動力が失われる。これにより、打撃ピストン20が上死点で停止する。
【0024】
図2A図2Bは、ヘッドバルブの一例を示す断面図である。釘打機1は、打撃シリンダ2の上端部にヘッドバルブ3を備える。ヘッドバルブ3は被制御物の一例で、本体10の上端部分に円筒状の空間から構成されるヘッドバルブシリンダ30を備え、ヘッドバルブシリンダ30の内部に、ヘッドバルブピストン31が摺動可能に取り付けられる。
【0025】
ヘッドバルブ3は、ヘッドバルブピストン31の上部にヘッドバルブピストンストッパ32を備える。ヘッドバルブピストン31は、ヘッドバルブピストンストッパ32と打撃ピストンストッパ22の間に設けられ、バネ33で下死点方向である打撃ピストンストッパ22方向に付勢される。
【0026】
ヘッドバルブピストン31は、打撃ピストンストッパ22と接することで、メインチャンバ13と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間を塞ぐ形状で構成される。また、ヘッドバルブピストン31は、打撃ピストンストッパ22と接することで、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aと連通する開口を有した排気口開閉部31aを備える。
【0027】
ヘッドバルブピストン31は、ヘッドバルブピストンストッパ32の中央の開口に排気口開閉部31aが入り、本体10の上端部側に設けた排気口15と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間を開閉する。
【0028】
ヘッドバルブ3は、ヘッドバルブピストン31とヘッドバルブピストンストッパ32の間にヘッドバルブ上室34が形成される。ヘッドバルブ上室34は、後述する制御バルブ8を介してトリガバルブ5またはメインチャンバ13と連通する。また、ヘッドバルブ上室34は、トリガバルブ5を介してメインチャンバ13または大気と連通する。
【0029】
ヘッドバルブ3において。ヘッドバルブピストン31が待機位置である下死点に移動した状態を図2Aに示す。ヘッドバルブピストン31が下死点に移動した状態では、ヘッドバルブピストン31が打撃ピストンストッパ22と接することで、メインチャンバ13と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間が閉じる。これにより、メインチャンバ13から打撃シリンダ2に圧縮空気が供給されない。
【0030】
また、ヘッドバルブピストン31とヘッドバルブピストンストッパ32の間にヘッドバルブ上室34が形成される。更に、ヘッドバルブピストン31の排気口開閉部31aが、ヘッドバルブピストンストッパ32の中央の開口内に下がり、排気口15と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間を開く。これにより、打撃シリンダ2において打撃ピストン20より上側の空間が大気と連通する。
【0031】
ヘッドバルブ3において、ヘッドバルブピストン31が作動位置である上死点に移動した状態を図2Bに示す。ヘッドバルブピストン31が上死点に移動した状態では、ヘッドバルブピストン31がヘッドバルブピストンストッパ32と接することで、メインチャンバ13と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間を開く。これにより、メインチャンバ13から給排気口22aを通り、打撃シリンダ2に圧縮空気が供給される。
【0032】
また、ヘッドバルブピストン31の排気口開閉部31aが、ヘッドバルブピストンストッパ32の中央の開口から排気口15に突出し、排気口開閉部31aの先端が、ヘッドバルブ3の上方に設けられるシール部材であるヘッドバルブシール35と接することで、排気口15と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間を閉じる。これにより、メインチャンバ13から打撃シリンダ2に供給された圧縮空気が、排気口15から排気されない。
【0033】
釘打機1は、図1に示すように、トリガレバー4とコンタクトアーム40を備える。トリガレバー4は、本体10に軸41を介して回動可能に取り付けられた大レバー42と、大レバー42に軸43を介して回動可能に取付けた小レバー44を備える。
【0034】
コンタクトアーム40は、押圧部材40aに接続されており、押圧部材40aが小レバー44に当接するとともに、圧縮バネ40bを介してノーズ11の軸方向(上下方向)に沿って往復動可能に取り付けられる。また、コンタクトアーム40は、ノーズ11の先端よりも突出するように圧縮バネ40bで付勢されており、コンタクトアーム40の先端部を対象物に押付けることにより、小レバー44を上方に回動するように構成されている。
【0035】
図3A図3B図3C及び図3Dは、トリガバルブ及びスイッチバルブの一例を示す断面図である。釘打機1は、グリップ部12の基端部内側にトリガバルブ5を備える。トリガバルブ5は、小レバー44によって押圧されてヘッドバルブ3に作動信号を送るためのものである。
【0036】
トリガバルブ5は、ヘッドバルブ上室34に後述する制御バルブ8を介して連通する通路50が形成されたハウジング51と、ハウジング51に上下動可能に取付けられたパイロットバルブ52を備える。また、トリガバルブ5は、パイロットバルブ52内からキャップ53に対して出没可能に取付けられたトリガバルブステム54と、パイロットバルブ52とトリガバルブステム54との間に設けられ、トリガバルブステム54を下方に押圧するバネ55を備える。更に、トリガバルブ5は、大気と連通する通路56を備える。
【0037】
トリガバルブ5は、パイロットバルブ52とハウジング51との間に隙間S1が形成され、パイロットバルブ52とトリガバルブステム54との間に隙間S2が形成され、トリガバルブステム54とキャップ53との間に隙間S3が形成される。また、パイロットバルブ52とキャップ53との間に空室53aが形成される。
【0038】
パイロットバルブ52は、ハウジング51に対するパイロットバルブ52の位置に応じて、メインチャンバ13に対して隙間S1を開閉するOリング52aと、通路50と通路56との間を開閉し、通路56を介して通路50と大気とを連通させるOリング52bを備える。また、パイロットバルブ52は、空室53aと通路56との間を封止するOリング52cを備える。更に、パイロットバルブ52は、メインチャンバ13と連通する通路52dを備える。
【0039】
トリガバルブステム54は、ハウジング51及びキャップ53に対するパイロットバルブ52及びトリガバルブステム54の位置に応じて、メインチャンバ13に対して隙間S2を開閉するOリング54aと、大器に対して隙間S3を開閉するOリング54bを備える。
【0040】
トリガバルブ5において、パイロットバルブ52が待機位置に移動し、トリガバルブステム54が待機位置に移動した状態を図3A図3Bに示す。トリガバルブ5は、パイロットバルブ52が待機位置に移動した状態では、パイロットバルブ52のOリング52bがハウジング51に接し、通路50が通路56に対して閉じられる。これに対し、パイロットバルブ52のOリング52aがハウジング51から離れて隙間S1が開き、通路50が隙間S1を介してメインチャンバ13と連通する。
【0041】
また、トリガバルブ5は、トリガバルブステム54が待機位置に移動した状態では、トリガバルブステム54のOリング54bがキャップ53に接し、隙間S3が閉じられる。これに対し、トリガバルブステム54のOリング54aがパイロットバルブ52から離れて隙間S2が開き、空室53aが通路52d及び隙間S2を介してメインチャンバ13と連通する。
【0042】
トリガバルブ5において、パイロットバルブ52が待機位置に移動し、トリガバルブステム54が作動位置に移動した状態を図3Cに示す。トリガバルブ5は、トリガバルブステム54が作動位置に移動した状態では、トリガバルブステム54のOリング54aがパイロットバルブ52に接し、隙間S2が閉じられる。これに対し、トリガバルブステム54のOリング54bがキャップ53から離れて隙間S3が開き、空室53aが隙間S3を介して大気と連通する。
【0043】
トリガバルブ5において、パイロットバルブ52が作動位置に移動し、トリガバルブステム54が作動位置に移動した状態を図3Dに示す。トリガバルブ5は、パイロットバルブ52が作動位置に移動した状態では、パイロットバルブ52がキャップ53に接し、空室53aが形成されない。また、パイロットバルブ52のOリング52aがハウジング51に接し、隙間S1が閉じられる。これに対し、パイロットバルブ52のOリング52bがハウジング51から離れて通路50と通路56との間が開き、通路50が通路56を介して大気と連通する。
【0044】
釘打機1は、トリガバルブ5と並べてスイッチバルブ6を備える。スイッチバルブ6は、シリンダ60と、シリンダ60内を往復移動するスイッチバルブステム61と、スイッチバルブステム61を下方向に付勢するバネ62を備える。スイッチバルブ6は、バネ62の付勢でスイッチバルブステム61の下端が大レバー42に当接しており、大レバー42の引き上げ動作により作動する。
【0045】
スイッチバルブ6は、シリンダ60とスイッチバルブステム61の間に通路63、64が形成される。スイッチバルブ6は、通路63が絞り63aを介してメインチャンバ13と連通し、通路64が通路64aを介して大気と連通する。また、スイッチバルブ6は、通路63または通路64が、通路65を介して後述するタイマチャンバ7と連通する。
【0046】
スイッチバルブステム61は、通路63と通路65との間を開閉するOリング61aと、通路64aを開閉するOリング61bを備える。
【0047】
スイッチバルブ6において、スイッチバルブステム61が待機位置に移動した状態を、上述した図3Aに示す。スイッチバルブ6は、スイッチバルブステム61が待機位置に移動した状態では、Oリング61aで通路63と通路65との間が閉じられ、メインチャンバ13が通路65を介してタイマチャンバ7と連通しない。これに対し、Oリング61bが通路64aを開き、タイマチャンバ7が通路64a、通路64、通路65を介して大気と連通する。
【0048】
スイッチバルブ6において、スイッチバルブステム61が作動位置に移動した状態を、上述した図3B図3Dに示す。スイッチバルブ6は、スイッチバルブステム61が作動位置に移動した状態では、Oリング61bで通路64aが閉じられ、タイマチャンバ7が通路64、通路65を介して大気と連通しない。これに対し、Oリング61aで通路63と通路65との間が開き、メインチャンバ13が絞り63a、通路63及び通路65を介してタイマチャンバ7と連通する。
【0049】
図4A図4Bは、タイマチャンバの一例を示す断面図である。釘打機1は、タイマチャンバ7を備える。タイマチャンバ7は、チャンバ70と、チャンバ70を大気に開放するリセットバルブ71と、リセットバルブ71を付勢するバネ72を備える。
【0050】
チャンバ70は、所定の容積を持ち、空気の取入口70aが、スイッチバルブ6の通路65と連通し、空気の取出口70bが、後述する制御バルブ8と連通する。
【0051】
リセットバルブ71は、シリンダ71aと、シリンダ71a内を往復移動するピストン71bを備える。リセットバルブ71は、シリンダ71aがリターン用エアチャンバ14と連通し、リターン用エアチャンバ14から供給された空気でピストン71bが押圧される。
【0052】
リセットバルブ71は、チャンバ70の排気口70cと連通する通路70dを開閉するOリング71cを備える。
【0053】
タイマチャンバ7において、リセットバルブ71が待機位置に移動した状態を、図4Aに示す。タイマチャンバ7は、リセットバルブ71が待機位置に移動した状態では、Oリング71cで通路70dが閉じられ、チャンバ70が排気口70cを介して大気と連通しない。
【0054】
タイマチャンバ7において、リセットバルブ71が作動位置に移動した状態を、図4Bに示す。タイマチャンバ7は、リセットバルブ71が作動位置に移動した状態では、Oリング71cが通路70dを開き、チャンバ70が通路70d及び排気口70cを介して大気と連通する。
【0055】
図5A図5Bは、制御バルブの一例を示す断面図である。釘打機1は、制御バルブ8を備える。制御バルブ8は、シリンダ80と、シリンダ80内を往復移動する作動部材であるピストン81と、ピストン81を付勢するバネ82を備える。また、制御バルブ8は、シリンダ83と、ピストン81に押圧され、シリンダ83内を往復移動する制御バルブステム84と、制御バルブステム84をピストン81の方向に付勢するバネ85を備える。
【0056】
制御バルブ8は、シリンダ80がタイマチャンバ7の取出口70bと連通し、タイマチャンバ7から供給された空気でピストン81が押圧される。
【0057】
制御バルブ8は、シリンダ83と制御バルブステム84の間に通路86、87が形成される。制御バルブ8は、通路86がトリガバルブ5の通路50と連通し、通路87がメインチャンバ13と連通する。
【0058】
制御バルブステム84は、ヘッドバルブ上室34と通路86との間を開閉するOリング84aと、ヘッドバルブ上室34と通路87との間を開閉する開閉するOリング84bを備える。
【0059】
制御バルブ8において、ピストン81及び制御バルブステム84が待機位置に移動した状態を図5Aに示す。制御バルブ8は、ピストン81が待機位置に移動した状態では、制御バルブステム84が待機位置に移動する。制御バルブ8は、制御バルブステム84が待機位置に移動した状態では、Oリング84aが通路86を開き、ヘッドバルブ上室34が通路86を介してトリガバルブ5の通路50と連通する。これに対し、Oリング84bで通路87が閉じられ、ヘッドバルブ上室34が通路87を介してメインチャンバ13と連通しない。
【0060】
制御バルブ8において、ピストン81及び制御バルブステム84が作動位置に移動した状態を図5Bに示す。制御バルブ8は、ピストン81が作動位置に移動した状態では、制御バルブステム84が作動位置に移動する。制御バルブ8は、制御バルブステム84が作動位置に移動した状態では、Oリング84aで通路86が閉じられ、ヘッドバルブ上室34が通路86を介してトリガバルブ5の通路50と連通しない。これに対し、Oリング84bが通路87を開き、ヘッドバルブ上室34が通路07を介してメインチャンバ13と連通する。
【0061】
<釘打機の動作例>
図6A図6Dは、釘打機の動作の一例を示す断面図であり、次に釘打機1の動作について説明する。以下の動作では、トリガレバー4を引いた状態でコンタクトアーム40を対象物に押し付けるコンタクト打ちと称す動作について説明する。
【0062】
図示しないエアホースが接続されると、メインチャンバ13内に空気が充填される。但し、図6Aに示すように、トリガレバー4が操作されていないOFFの状態では、トリガレバー4が操作されてONの状態となるまで、トリガバルブ5のパイロットバルブ52及びトリガバルブステム54が、図3Aで説明した待機位置にあり、スイッチバルブ6のスイッチバルブステム61が待機位置にある。また、タイマチャンバ7のリセットバルブ71が、図4Aで説明した待機位置にあり、制御バルブ8のピストン81及び制御バルブステム84が、図5Aで説明した待機位置にある。更に、ヘッドバルブ3のヘッドバルブピストン31が、図2Aで説明した待機位置にある。
【0063】
トリガバルブ5のトリガバルブステム54が、図3Aで説明した待機位置にある状態では、メインチャンバ13から圧縮空気がトリガバルブ5の空室53aに供給され、パイロットバルブ52が待機位置に移動した状態で保持される。これにより、トリガバルブ5の隙間S1が開き、メインチャンバ13と通路50が連通する。これに対し、通路50が通路56を介して大気と連通しない。
【0064】
また、スイッチバルブ6のスイッチバルブステム61が、図3Aに示す待機位置にある状態では、通路64が開く。これにより、タイマチャンバ7のチャンバ70が、スイッチバルブ6の通路64を介して大気と連通する。チャンバ70が大気圧となることで、制御バルブ8のピストン81及び制御バルブステム84が、図5Aで説明した待機位置に移動した状態で保持される。
【0065】
制御バルブ8のピストン81及び制御バルブステム84が待機位置にある状態では、制御バルブ8の通路86が開く。これにより、メインチャンバ13からトリガバルブ5の通路50、制御バルブ8の通路86を介して圧縮空気がヘッドバルブ上室34に供給され、圧縮空気の圧力とバネ33の付勢によりヘッドバルブピストン31が待機位置である下死点に移動する。よって、メインチャンバ13から打撃シリンダ2に圧縮空気が供給されない。
【0066】
図6Bに示すように、トリガレバー4が引かれてONの状態になると、スイッチバルブ6のスイッチバルブステム61が、待機位置から図3Bで説明した作動位置に移動する。
【0067】
スイッチバルブ6は、スイッチバルブステム61が作動位置に移動すると、通路64が閉じられ、タイマチャンバ7が通路64を介して大気と連通しない。これに対し、通路63が開き、メインチャンバ13が絞り63a、通路63を介してタイマチャンバ7と連通する。
【0068】
これにより、絞り63aで流量が制限された圧縮空気が、通路63を通りタイマチャンバ7のチャンバ70に流入する。よって、タイマチャンバ7のチャンバ70内の圧力が上昇を開始する
【0069】
図6Cに示すように、トリガレバー4が引かれたONの状態で、コンタクトアーム40の先端部が対象物に押付けられてONの状態なると、小レバー44が上方に回動し、トリガバルブ5のトリガバルブステム54が押され、トリガバルブステム54が待機位置から図3Cで説明した作動位置に移動する。
【0070】
トリガバルブ5は、トリガバルブステム54が作動位置に移動した状態では、隙間S2が閉じられる。これにより、空室53aにメインチャンバ13から圧縮空気が流入しない。
【0071】
これに対し、空室53aが隙間S3を介して大気と連通する。これにより、空室53a内が大気圧となり、メインチャンバ13内の圧力でパイロットバルブ52が押されることで、パイロットバルブ52が待機位置から図3Dで説明した作動位置に移動する。
【0072】
トリガバルブ5は、パイロットバルブ52が作動位置に移動した状態では、隙間S1が閉じられる。これに対し、通路50と通路56との間が開き、通路50が通路56を介して大気と連通する。
【0073】
制御バルブ8において、ピストン81及び制御バルブステム84が、図5Aで説明した待機位置にある状態では、ヘッドバルブ上室34が通路86を介してトリガバルブ5の通路50と連通する。これに対し、通路87が閉じられ、ヘッドバルブ上室34が通路87を介してメインチャンバ13と連通しない。
【0074】
これにより、パイロットバルブ52が作動位置に移動すると、ヘッドバルブ上室34が大気圧となり、メインチャンバ13内の圧力でヘッドバルブピストン31が押されることで、ヘッドバルブピストン31が待機位置から図2Bで説明した作動位置である上死点に移動する。
【0075】
ヘッドバルブピストン31が上死点に移動すると、ヘッドバルブピストン31がヘッドバルブピストンストッパ32と接することで、メインチャンバ13と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間を開く。これにより、メインチャンバ13から給排気口22aを通り、打撃シリンダ2に圧縮空気が供給される。
【0076】
また、ヘッドバルブピストン31の排気口開閉部31aが、ヘッドバルブピストンストッパ32の中央の開口から排気口15に突出し、排気口15と、打撃ピストンストッパ22の給排気口22aとの間を閉じる。これにより、メインチャンバ13から打撃シリンダ2に供給された圧縮空気が、排気口15から排気されない。よって、打撃ピストン20が下降し、打撃ドライバ21で図示しない釘が打ち出される。
【0077】
さて、トリガレバー4が引かれると、スイッチバルブステム61が作動位置に移動することで、タイマチャンバ7のチャンバ70内にメインチャンバ13から圧縮空気が供給され、チャンバ70内の圧力が上昇を開始する。但し、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの間、制御バルブ8のピストン81は待機位置にある。これにより、制御バルブステム84が待機位置にあり、ヘッドバルブ上室34が通路86を介してトリガバルブ5の通路50と連通した状態が保持される。
【0078】
そして、トリガレバー4が引かれることで、タイマチャンバ7のチャンバ70内の圧力が上昇を開始し、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達して、制御バルブ8のピストン81が作動位置に移動するまでの間には、所定の時間が掛かる。
【0079】
よって、トリガレバー4が引かれた後、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達し、制御バルブ8のピストン81が作動位置に移動するまでの所定時間内にコンタクトアーム40が動作すると、上述したようにヘッドバルブ3が作動し、打撃ピストン20が下降して、打撃ドライバ21で図示しない釘が打ち出される。
【0080】
図6Dに示すように、打撃ピストン20が、小孔14aを通過する位置まで下降すると、メインチャンバ13から打撃シリンダ2に供給された圧縮空気の一部が小孔14aを通りリターン用エアチャンバ14に流入する。リターン用エアチャンバ14に流入した圧縮空気の一部は、リセットバルブ71のシリンダ71aに供給される。
【0081】
これにより、ピストン71bが押され、リセットバルブ71が、待機位置から図4Bに示す作動位置に移動する。タイマチャンバ7は、リセットバルブ71が作動位置に移動すると、通路70dを開き、チャンバ70が通路70d及び排気口70cを介して大気と連通する。
【0082】
よって、トリガレバー4が引かれている間、時間の経過と共に上昇したタイマチャンバ7のチャンバ70内の圧力が大気圧となる。そして、リターン用エアチャンバ14内の圧力が低下すると、リセットバルブ71が作動位置から図4Aで説明した待機位置に移動し、継続してトリガレバー4が引かれている場合、タイマチャンバ7のチャンバ70内の圧力が上昇を開始する。
【0083】
従って、トリガレバー4が引かれた後、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの所定時間内にコンタクトアーム40が動作すると、ヘッドバルブ3が作動する。また、タイマチャンバ7のチャンバ70内が大気圧となり、制御バルブ8が作動しない。よって、トリガレバー4が引かれた後、所定時間内にコンタクトアーム40が動作すれば、連続して釘を打つ動作が可能である。また、トリガレバー4が引かれることで、タイマチャンバ7のチャンバ70内の圧力が上昇を開始した後、釘を打つ動作が実行されればチャンバ70内の圧力が大気圧となるので、タイマチャンバ7を利用した計時値がクリアされることになる。
【0084】
図7A図7Bは、制御バルブが作動した釘打機の動作の一例を示す断面図である。タイマチャンバ7のチャンバ70内の圧力は、トリガレバー4が引かれている間、時間の経過と共に上昇する。そして、図7Aに示すように、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達すると、制御バルブ8のピストン81が待機位置から図5Bで説明した作動位置に移動し、ピストン81に押されて制御バルブステム84が作動位置に移動する。制御バルブ8は、制御バルブステム84が作動位置に移動すると、通路86が閉じられ、ヘッドバルブ上室34が通路86を介してトリガバルブ5の通路50と連通しない。これに対し、通路87が開き、ヘッドバルブ上室34が通路87を介してメインチャンバ13と連通する。
【0085】
これにより、図7Bに示すように、コンタクトアーム40の動作によりトリガバルブ5のトリガバルブステム54及びパイロットバルブ52が作動しても、ヘッドバルブ上室34は、メインチャンバ13と同圧となり、ヘッドバルブピストン31は待機位置から移動しない。このように、トリガレバー4が引かれた後、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの所定時間、コンタクトアーム40が動作しないと、所定時間経過後、コンタクトアーム40が動作しても、ヘッドバルブ3が作動しない。
【0086】
上述したタイマチャンバ7を利用した計時機構では、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの時間は、メインチャンバ13内の圧力の大小に依存する。また、制御バルブ8のピストン81が、待機位置から作動位置に移動するまでの時間は、メインチャンバ13内の圧力の大小に加えて、ピストン81の作動量、ピストン81の作動の負荷となるバネ82の荷重に依存する。従って、トリガレバー4が引かれてONの状態となり、チャンバ70内の圧力が上昇を開始してから、制御バルブ8の制御バルブステム84が作動位置に移動して、ヘッドバルブ3を非作動とするまでの時間は、メインチャンバ13内の圧力、ピストン81の作動量、負荷に依存する。
【0087】
そこで、以下に示す第1の実施の形態の釘打機1Aでは、タイマチャンバ7に供給される圧縮空気の流量を、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化させ、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの時間を、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御する。
【0088】
第2の実施の形態の釘打機1Bでは、タイマチャンバ7Bのチャンバ70の容積を、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化させ、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの時間を、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御する。
【0089】
第3の実施の形態の釘打機1Cでは、制御バルブ8Cのピストン81Cの往復移動のストロークを、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化させ、制御バルブ8Cが作動位置に移動するまでの時間が、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御する。
【0090】
第4の実施の形態の釘打機1Dでは、制御バルブ8Dのピストン81Dを付勢するバネ82Dの力を、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化させ、制御バルブ8Dが作動位置に移動するまでの時間が、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御する。
【0091】
更に、制御バルブ8のピストン81及び制御バルブステム84が移動する際の負荷は、温度によっても変化する。例えば、温度の高低でOリングの硬度が変化すると、摺動抵抗が変化する。
【0092】
そこで、第5の実施の形態の釘打機1Eでは、タイマチャンバ7に供給される圧縮空気の流量を、温度に応じて変化させ、制御バルブ8が作動位置に移動するまでの時間が、温度によらず一定となるように制御する。
【0093】
<第1の実施の形態の釘打機の構成例>
図8A図8Bは、第1の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。なお、第1の実施の形態の釘打機1Aにおいて、図1等で説明した釘打機1と同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0094】
釘打機1Aは、スイッチバルブ6Aを介してタイマチャンバ7に供給される圧縮空気の流量を制御する流量制御バルブ9Aを備える、流量制御バルブ9Aは流量制御機構の一例で、グリップ部12内のメインチャンバ13内に設けられ、シリンダ90と、シリンダ90内を往復移動する流量制御バルブステム91と、流量制御バルブステム91を付勢するバネ92を備える。
【0095】
流量制御バルブ9Aは、スイッチバルブ6Aの通路63と連通する第1の絞り90a及び第2の絞り90bと、メインチャンバ13と連通する通路90cを備える。また、流量制御バルブステム91は、第2の絞り90bを開閉するOリング91aを備える。
【0096】
流量制御バルブ9Aは、メインチャンバ13内の圧縮空気が通路90cを介してシリンダ90内に供給され、メインチャンバ13内の圧力に応じて流量制御バルブステム91が作動する。流量制御バルブステム91は、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力である場合、バネ92により図8Aに示す第1の位置に移動する。これに対し、流量制御バルブステム91は、メインチャンバ13内の圧力が、第1の圧力より高い第2の圧力である場合、図8Bに示す第2の位置に移動する。
【0097】
流量制御バルブステム91が第1の位置に移動した状態では、第1の絞り90aが開くと共に、Oリング91aで第2の絞り90bが開く。これにより、スイッチバルブ6Aの通路63が、第1の絞り90a及び第2の絞り90bを介してメインチャンバ13と連通する。
【0098】
流量制御バルブステム91が第2の位置に移動した状態では、第1の絞り90aが開くと共に、Oリング91aで第2の絞り90bが閉じられる。これにより、スイッチバルブ6Aの通路63が、第1の絞り90aを介してメインチャンバ13と連通する。
【0099】
スイッチバルブ6Aは、スイッチバルブステム61が図3B等に示す作動位置に移動すると、通路63が開く。これにより、流量制御バルブステム91が第1の位置に移動した状態では、メインチャンバ13が第1の絞り90a及び第2の絞り90bと、通路63を介してタイマチャンバ7と連通する。また、流量制御バルブステム91が第2の位置に移動した状態では、メインチャンバ13が第1の絞り90aと、通路63を介してタイマチャンバ7と連通する。
【0100】
従って、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力より高い第2の圧力である場合、タイマチャンバ7のチャンバ70に供給される圧縮空気の流量が、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力である場合と比較して減少する。よって、タイマチャンバ7に供給される圧縮空気の流量が、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化し、チャンバ70内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの時間が、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御できる。これにより、コンタクト打ちを行う場合に、連続打ち動作が可能となる時間を一定とすることができる。
【0101】
<第2の実施の形態の釘打機の構成例>
図9A図9Bは、第2の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。なお、第2の実施の形態の釘打機1Bにおいて、図1等で説明した釘打機1と同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0102】
釘打機1Bは、タイマチャンバ7Bに調整機構として副チャンバ73と副チャンバ開閉バルブ74を備える。副チャンバ開閉バルブ74は、シリンダ75と、シリンダ75内を往復移動する副チャンバ開閉バルブステム76と、副チャンバ開閉バルブステム76を付勢するバネ77を備える。
【0103】
タイマチャンバ7Bは、チャンバ70と副チャンバ73を連通させる通路73aを備える。また、シリンダ75は、メインチャンバ13と連通する通路75aを備える。更に、副チャンバ開閉バルブステム76は、通路73aを開閉するOリング76aを備える。
【0104】
タイマチャンバ7Bは、メインチャンバ13内の圧縮空気が通路75aを介してシリンダ75内に供給され、メインチャンバ13内の圧力に応じて副チャンバ開閉バルブステム76が作動する。副チャンバ開閉バルブステム76は、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力である場合、バネ77により図9Aに示す第1の位置に移動する。これに対し、副チャンバ開閉バルブステム76は、メインチャンバ13内の圧力が、第1の圧力より高い第2の圧力である場合、図9Bに示す第2の位置に移動する。
【0105】
副チャンバ開閉バルブステム76が第1の位置に移動した状態では、Oリング76aで通路73aが閉じられる。これにより、チャンバ70と副チャンバ73が連通しない。副チャンバ開閉バルブステム76が第2の位置に移動した状態では、Oリング76aで通路73aが開く。これにより、チャンバ70と副チャンバ73が連通する。
【0106】
スイッチバルブ6は、スイッチバルブステム61が図3B等に示す作動位置に移動すると、通路63が開き、メインチャンバ13が通路63を介してタイマチャンバ7Bのチャンバ70と連通する。
【0107】
副チャンバ開閉バルブステム76が第1の位置に移動した状態では、メインチャンバ13から圧縮空気がチャンバ70のみに流入し、チャンバ70内の圧力が上昇を開始する。副チャンバ開閉バルブステム76が第2の位置に移動した状態では、メインチャンバ13から圧縮空気がチャンバ70及びチャンバ70を介して副チャンバ73に流入し、チャンバ70内及び副チャンバの圧力が上昇を開始する。
【0108】
従って、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力より高い第2の圧力である場合、タイマチャンバ7Bの容積が、チャンバ70と副チャンバ73を合わせた大きさとなり、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力である場合と比較して増加する。よって、タイマチャンバ7Bの容積が、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化し、タイマチャンバ7B内の圧力が、制御バルブ8を作動させる圧力に到達するまでの時間が、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御できる。これにより、コンタクト打ちを行う場合に、連続打ち動作が可能となる時間を一定とすることができる。
【0109】
<第3の実施の形態の釘打機の構成例>
図10A図10Bは、第3の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。なお、第3の実施の形態の釘打機1Cにおいて、図1等で説明した釘打機1と同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0110】
釘打機1Cは、制御バルブ8Cに、調整機構としてシリンダ88Cと、ピストン81と連結され、シリンダ88C内を往復移動する副ピストン89Cと、副ピストン89Cをピストン81の方向へ付勢するバネ89Caを備える。副ピストン89Cは副作動部材の一例で、ピストン81と同軸上に設けられ、ピストン81の待機位置を制御する。
【0111】
シリンダ88Cは、メインチャンバ13と連通する通路88Caを備える。シリンダ88Cは、通路88Caから流入した圧縮空気が、副ピストン89Cを制御バルブステム84から離れる方向へ押圧する位置に通路88Caが設けられる。
【0112】
制御バルブ8Cは、メインチャンバ13内の圧縮空気が通路88Caを介してシリンダ88C内に供給され、メインチャンバ13内の圧力に応じて副ピストン89Cが作動する。副ピストン89Cは、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力である場合、バネ89Caにより図10Aに示す第1の位置に移動する。これに対し、副ピストン89Cは、メインチャンバ13内の圧力が、第1の圧力より高い第2の圧力である場合、図10Bに示す第2の位置に移動する。
【0113】
副ピストン89Cが第1の位置に移動した状態では、ピストン81の待機位置が制御バルブステム84に近づく。これにより、待機位置に移動した制御バルブステム84を作動位置に移動させるためのピストン81のストロークが短くなる。副ピストン89Cが第2の位置に移動した状態では、ピストン81の待機位置が制御バルブステム84から離れる。これにより、待機位置に移動した制御バルブステム84を作動位置に移動させるためのピストン81のストロークが長くなる。
【0114】
従って、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力より高い第2の圧力である場合、ピストン81のストロークが長くなる。よって、ピストン81のストロークが、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化し、制御バルブステム84が作動位置に到達するまでの時間が、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御できる。これにより、コンタクト打ちを行う場合に、連続打ち動作が可能となる時間を一定とすることができる。
【0115】
<第4の実施の形態の釘打機の構成例>
図11A図11Bは、第4の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。なお、第4の実施の形態の釘打機1Dにおいて、図1等で説明した釘打機1と同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0116】
釘打機1Dは、制御バルブ8Dに、調整機構として、シリンダ88Dと、シリンダ88D内を往復移動するバネ荷重制御ピストン89Dを備える。バネ荷重制御ピストン89Dは負荷制御部材の一例で、ピストン81と同軸上に設けられ、ピストン81を付勢するバネ82の伸縮方向の長さを制御する。
【0117】
シリンダ88Dは、メインチャンバ13と連通する通路88Daを備える。シリンダ88Dは、通路88Daから流入した圧縮空気が、バネ82を圧縮する方向へバネ荷重制御ピストン89Dを押圧する位置に通路88Daが設けられる。
【0118】
制御バルブ8Dは、メインチャンバ13内の圧縮空気が通路88Daを介してシリンダ88D内に供給され、メインチャンバ13内の圧力に応じてバネ荷重制御ピストン89Dが作動する。バネ荷重制御ピストン89Dは、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力である場合、バネ82により図11Aに示す第1の位置に移動する。これに対し、バネ荷重制御ピストン89Dは、メインチャンバ13内の圧力が、第1の圧力より高い第2の圧力である場合、図11Bに示す第2の位置に移動する。
【0119】
バネ荷重制御ピストン89Dが第1の位置に移動した状態では、バネ荷重制御ピストン89Dがピストン81から離れる。これにより、待機位置にあるピストン81に掛かるバネ82の荷重が弱くなる。バネ荷重制御ピストン89Dが第2の位置に移動した状態では、バネ荷重制御ピストン89Dがピストン81に近づく。これにより、待機位置にあるピストン81に掛かるバネ82の荷重が強くなる。
【0120】
従って、メインチャンバ13内の圧力が第1の圧力より高い第2の圧力である場合、待機位置にあるピストン81に掛かるバネ82の荷重が強くなる。よって、待機位置にあるピストン81に掛かるバネ82の荷重が、メインチャンバ13内の圧力に応じて変化し、制御バルブステム84が作動位置に到達するまでの時間が、メインチャンバ13内の圧力の大小によらず一定となるように制御できる。これにより、コンタクト打ちを行う場合に、連続打ち動作が可能となる時間を一定とすることができる。
【0121】
<第5の実施の形態の釘打機の構成例>
図12A図12Bは、第5の実施の形態の釘打機の一例を示す断面図である。なお、第5の実施の形態の釘打機1Eにおいて、図1等で説明した釘打機1と同等の構成については、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0122】
釘打機1Eは、スイッチバルブ6Eを介してタイマチャンバ7に供給される圧縮空気の流量を制御する流量制御部材93を備える、流量制御部材93は調整機構の一例で、スイッチバルブ6Eの通路63と連通する通路63bを構成する材質とは熱膨張係数が異なる材質で構成される。通路63bは、金属(アルミニウム)で構成される。なお、通路63bは、本体10及びグリップ部12と同じ材質で構成されても良い。また、流量制御部材93は、樹脂で構成される。
【0123】
流量制御部材93は、通路63bの内部に取り付けられ、流量制御部材93の外周と、通路63bの内周との間に、空気が通る隙間S5が形成される。流量制御部材93は、通路63bにおける流量を規制する絞りとして機能する。また、温度変化による通路63bと流量制御部材93との伸縮率が異なるので、流量制御部材93の外周と通路63bの内周との間の隙間S5の寸法が、温度によって変化する。
【0124】
従って、制御バルブ8のピストン81及び制御バルブステム84の摺動抵抗が増加するような温度では、タイマチャンバ7のチャンバ70に供給される圧縮空気の流量が増加するように、流量制御部材93の外周と通路63bの内周との間の隙間S5の寸法を増加させる。また、制御バルブ8のピストン81及び制御バルブステム84の摺動抵抗が減少するような温度では、タイマチャンバ7のチャンバ70に供給される圧縮空気の流量が減少するように、流量制御部材93の外周と通路63bの内周との間の隙間S5の寸法を減少させる。本例では、温度の低下に従い、通路63bと流量制御部材93との隙間S5が拡大する材質の組み合わせで構成される
【0125】
よって、タイマチャンバ7に供給される圧縮空気の流量が、温度に応じて変化し、制御バルブステム84が作動位置に到達するまでの時間が、温度の高低によらず一定となるように制御できる。これにより、コンタクト打ちを行う場合に、連続打ち動作が可能となる時間を一定とすることができる。
【0126】
なお、上述した各実施の形態では、ヘッドバルブ3とトリガバルブ5の間に制御バルブ8が配置された構成について説明したが、制御バルブ8を別の場所に設けてヘッドバルブ上室34に供給された圧縮空気の排出を制御するようにしても良い。例えば、制御バルブをトリガバルブの上流側でなく下流側に設け、ヘッドバルブと制御バルブの間にトリガバルブが配置される構成とし、ヘッドバルブ上室からトリガバルブを通り制御バルブへと連通する通路を形成して、制御バルブでこのヘッドバルブ上室の圧縮空気を大気に排出する通路の開閉を切り替えられるようにしても良い。
【符号の説明】
【0127】
1、1A、1B、1C、1D、1E・・・釘打機、10・・・本体、11・・・ノーズ、11a・・・射出孔、12・・・グリップ部、13・・・メインチャンバ(チャンバ)、14・・・リターン用エアチャンバ、14a・・・小孔、14b・・・逆止弁、15・・・排気口、2・・・打撃シリンダ、20・・・打撃ピストン、20a・・・Oリング、21・・・打撃ドライバ、22・・・打撃ピストンストッパ、22a・・・給排気口、22b・・・凹部、3・・・ヘッドバルブ(被制御物)、30・・・ヘッドバルブシリンダ、31・・・ヘッドバルブピストン、31a・・・排気口開閉部、32・・・ヘッドバルブピストンストッパ、33・・・バネ、34・・・ヘッドバルブ上室、35・・・ヘッドバルブシール、4・・・トリガレバー、40・・・コンタクトアーム、40a・・・押圧部材、40b・・・圧縮バネ、41・・・軸、42・・・大レバー、43・・・軸、44・・・小レバー、5・・・トリガバルブ、50・・・通路、51・・・ハウジング、52・・・パイロットバルブ、52a、52b、52c・・・Oリング、52d・・・通路、53・・・キャップ、53a・・・空室、54・・・トリガバルブステム、54a、54b・・・Oリング、55・・・バネ、56・・・通路、S1、S2、S3・・・隙間、6・・・スイッチバルブ、60・・・シリンダ、61・・・スイッチバルブステム、61a、61b・・・Oリング、62・・・バネ、63、63b、64・・・通路、63a・・・絞り、64a・・・通路、65・・・通路、7・・・タイマチャンバ、70・・・チャンバ、70a・・・取入口、70b・・・取出口、70c・・・排気口、70d・・・通路、71・・・リセットバルブ、71a・・・シリンダ、71b・・・ピストン、71c・・・Oリング、72・・・バネ、73・・・副チャンバ(調整機構)、73a・・・通路、74・・・副チャンバ開閉バルブ(調整機構)、75・・・シリンダ、75a・・・通路、76・・・副チャンバ開閉バルブステム、76a・・・Oリング、77・・・バネ、8・・・制御バルブ、80・・・シリンダ、81・・・ピストン(作動部材)、82・・・バネ、83・・・シリンダ、84・・・制御バルブステム、84a、84b・・・Oリング、85・・・バネ、86、87・・・通路、88C・・・シリンダ、88Ca・・・通路、89C・・・副ピストン(副作動部材)、89Ca・・・バネ、88D・・・シリンダ、88Da・・・通路、89D・・・バネ荷重制御ピストン(負荷制御部材)、9A・・・流量制御バルブ(流量制御機構)、90・・・シリンダ、90a・・・第1の絞り、90b・・・第2の絞り、90c・・・通路、91・・・流量制御バルブステム、91a・・・Oリング、92・・・バネ、93・・・流量制御部材(調整機構)
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B