(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】無人搬送車及び無人搬送システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230208BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230208BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230208BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230208BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20230208BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/02 Z
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
H01M10/48 301
H02J7/00 P
H02J7/02 B
(21)【出願番号】P 2019158481
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大森 保
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-025847(JP,A)
【文献】特開平06-083450(JP,A)
【文献】特開2018-102047(JP,A)
【文献】特開2001-325994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
H01M 10/48
H01M 10/44
H02J 7/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器の配置されている充電場と、走行経路とを備える領域に前記充電器よりも多く配備される無人搬送車であって、
走行用モータと、
前記走行用モータの電力源となる二次電池と、
前記二次電池の充電状態を推定する充電状態推定部と、
前記二次電池の充電を行う前記充電器に対して、充電電流又は充電電力の指令値を送信する指令部と、
上位システムからの指令を受信する受信部と、
前記上位システムに情報を送信する送信部と、
前記上位システムからの前記走行経路の指示に従って前記無人搬送車に走行を行わせる走行制御部と、
前記無人搬送車が前記充電器に到達するまでの時間である到達予想時間を認識可能な情報を前記送信部から前記上位システムに送信する送信制御部と、
前記充電器による前記二次電池の充電を行う際に、他の無人搬送車の前記到達予想時間のうち最短の時間である最短到達時間を認識可能な情報を前記受信部から取得する最短到達時間取得部と、
前記走行経路、前記無人搬送車の重量、及び前記無人搬送車により搬送された荷の重量平均値から前記二次電池の消費電力量を算出する消費電力量算出部と、
前記消費電力量算出部により算出された前記消費電力量、前記充電状態推定部により推定された前記充電状態、及び前記無人搬送車で生じる損失を考慮した車両平均効率から前記到達予想時間を算出する到達予想時間算出部と、を備え、
前記指令部は、前記最短到達時間が長いほど前記指令値を小さくする無人搬送車。
【請求項2】
充電器の配置されている充電場と、走行経路とを備える領域に前記充電器よりも多く配備される無人搬送車と、
前記無人搬送車に指令を送信する上位システムと、を備えた無人搬送システムであって、
前記無人搬送車は、
走行用モータと、
前記走行用モータの電力源となる二次電池と、
前記二次電池の充電状態を推定する充電状態推定部と、
前記二次電池の充電を行う前記充電器に対して、充電電流又は充電電力の指令値を送信する指令部と、
前記上位システムからの指令を受信する受信部と、
前記上位システムに情報を送信する送信部と、
前記上位システムからの前記走行経路の指示に従って前記無人搬送車に走行を行わせる走行制御部と、
前記無人搬送車が前記充電器に到達するまでの時間である到達予想時間を認識可能な情報を前記送信部から前記上位システムに送信する送信制御部と、
前記充電器による前記二次電池の充電を行う際に、他の無人搬送車の前記到達予想時間のうち最短の時間である最短到達時間を認識可能な情報を前記受信部から取得する最短到達時間取得部と、を備え、
前記指令部は、前記最短到達時間が長いほど前記指令値を小さくし、
前記上位システムは、
前記無人搬送車に前記指令を送信する指令送信部と、
前記送信部から送信された前記情報を受信する情報受信部と、
前記指令送信部から前記無人搬送車に前記最短到達時間を認識可能な情報を送信する最短到達時間送信制御部と、を備え、
前記無人搬送システムは、
前記走行経路、前記無人搬送車の重量、及び前記無人搬送車により搬送された荷の重量平均値から前記二次電池の消費電力量を算出する消費電力量算出部と、
前記消費電力量算出部により算出された前記消費電力量、前記充電状態推定部により推定された前記充電状態、及び前記無人搬送車で生じる損失を考慮した車両平均効率から前記到達予想時間を算出する到達予想時間算出部と、を備える無人搬送システム。
【請求項3】
前記無人搬送車は、
前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
前記二次電池の温度を示す情報を前記送信部から前記上位システムに送信する温度送信制御部と、を備え、
前記上位システムは、
前記二次電池の温度が閾値以上の前記無人搬送車で受信される前記最短到達時間が、前記二次電池の温度が閾値未満の前記無人搬送車で受信される前記最短到達時間よりも長くなるように充電順序を決定する充電順序決定部と、
前記充電順序決定部により決定した前記充電順序を前記指令送信部から前記無人搬送車に送信することで、前記充電順序で定められた順番で前記二次電池の充電を前記無人搬送車に行わせる順序送信制御部と、を備える請求項
2に記載の無人搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車及び無人搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
港湾のコンテナターミナル等でコンテナの搬送を行う無人搬送車としては、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の無人搬送車は、走行用モータと、走行用モータの電力源となる二次電池と、を備える。二次電池の充電は、コンテナターミナルに設けられた充電器によって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンテナターミナルに配備される無人搬送車よりも充電器の数が少ないと、充電を行う順番を決めて、この順番に従って二次電池の充電を行う。充電器は、無人搬送車に充電を行うための待ち時間が少なくなるように、急速充電を行う。これにより、各無人搬送車の二次電池の充電時間を短くすることができ、無人搬送車よりも少ない充電器を用いて無人搬送車の運用を行うことができる。しかしながら、二次電池の急速充電を行うと、二次電池の劣化が促進される。
【0005】
本発明の目的は、二次電池の劣化を抑制することができる無人搬送車及び無人搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する無人搬送車は、充電器の配置されている充電場と、走行経路とを備える領域に前記充電器よりも多く配備される無人搬送車であって、走行用モータと、前記走行用モータの電力源となる二次電池と、前記二次電池の充電状態を推定する充電状態推定部と、前記二次電池の充電を行う前記充電器に対して、充電電流又は充電電力の指令値を送信する指令部と、上位システムからの指令を受信する受信部と、前記上位システムに情報を送信する送信部と、前記上位システムからの前記走行経路の指示に従って前記無人搬送車に走行を行わせる走行制御部と、前記無人搬送車が前記充電器に到達するまでの時間である到達予想時間を認識可能な情報を前記送信部から前記上位システムに送信する送信制御部と、前記充電器による前記二次電池の充電を行う際に、他の無人搬送車の前記到達予想時間のうち最短の時間である最短到達時間を認識可能な情報を前記受信部から取得する最短到達時間取得部と、を備え、前記指令部は、前記最短到達時間が長いほど前記指令値を小さくする。
【0007】
他の無人搬送車が充電器に到達するまでは充電器による二次電池の充電を行っても、他の無人搬送車に充電を行うための待ち時間が生じにくい。最短到達時間の間は、他の無人搬送車は充電器に到達しないと予想されるため、最短到達時間は充電器により二次電池の充電を行うことが可能な時間といえる。最短到達時間が長いほど、充電電流又は充電電力の指令値を小さくすることで、最短到達時間が長いほど小さい充電電流又は小さい充電電力で二次電池は充電される。充電電流が小さいほど二次電池の劣化は抑制される。同様に、充電電力が小さいほど二次電池の劣化は抑制される。このため、最短到達時間が長く、二次電池の充電に使用できる時間が長い場合に充電器への指令値を小さくすることで、常に指令値を最大値とする場合に比べて二次電池の劣化を抑制することができる。
【0008】
上記無人搬送車について、前記走行経路、前記無人搬送車の重量、及び前記無人搬送車により搬送された荷の重量平均値から前記二次電池の消費電力量を算出する消費電力量算出部と、前記消費電力量算出部により算出された前記消費電力量、前記充電状態推定部により推定した前記充電状態、及び前記無人搬送車で生じる損失を考慮した車両平均効率から前記到達予想時間を算出する到達予想時間算出部と、を備えていてもよい。
【0009】
到達予想時間は、無人搬送車で算出される。従って、上位システムで無人搬送車の到達予想時間を算出する場合に比べて、上位システムの負荷を軽減することができる。
上記課題を解決する無人搬送システムは、充電器の配置されている充電場と、走行経路とを備える領域に前記充電器よりも多く配備される無人搬送車と、前記無人搬送車に指令を送信する上位システムと、を備えた無人搬送システムであって、前記無人搬送車は、走行用モータと、前記走行用モータの電力源となる二次電池と、前記二次電池の充電状態を推定する充電状態推定部と、前記二次電池の充電を行う前記充電器に対して、充電電流又は充電電力の指令値を送信する指令部と、前記上位システムからの指令を受信する受信部と、前記上位システムに情報を送信する送信部と、前記上位システムからの前記走行経路の指示に従って前記無人搬送車に走行を行わせる走行制御部と、前記無人搬送車が前記充電器に到達するまでの時間である到達予想時間を認識可能な情報を前記送信部から前記上位システムに送信する送信制御部と、前記充電器による前記二次電池の充電を行う際に、他の無人搬送車の前記到達予想時間のうち最短の時間である最短到達時間を認識可能な情報を前記受信部から取得する最短到達時間取得部と、を備え、前記指令部は、前記最短到達時間が長いほど前記指令値を小さくし、前記上位システムは、前記無人搬送車に前記指令を送信する指令送信部と、前記送信部から送信された前記情報を受信する情報受信部と、前記指令送信部から前記無人搬送車に前記最短到達時間を認識可能な情報を送信する最短到達時間送信制御部と、を備え、前記無人搬送システムは、前記走行経路、前記無人搬送車の重量、及び前記無人搬送車により搬送された荷の重量平均値から前記二次電池の消費電力量を算出する消費電力量算出部と、前記消費電力量算出部により算出された前記消費電力量、前記充電状態推定部により推定された前記充電状態、及び前記無人搬送車で生じる損失を考慮した車両平均効率から前記到達予想時間を算出する到達予想時間算出部と、を備える。
【0010】
最短到達時間が長く、二次電池の充電に使用できる時間が長い場合に充電器への指令値を小さくすることで、常に指令値を最大値とする場合に比べて二次電池の劣化を抑制することができる。
【0011】
上記無人搬送システムについて、前記無人搬送車は、前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、前記二次電池の温度を示す情報を前記送信部から前記上位システムに送信する温度送信制御部と、を備え、前記上位システムは、前記二次電池の温度が閾値以上の前記無人搬送車で受信される前記最短到達時間が、前記二次電池の温度が閾値未満の前記無人搬送車で受信される前記最短到達時間よりも長くなるように充電順序を決定する充電順序決定部と、前記充電順序決定部により決定した前記充電順序を前記指令送信部から前記無人搬送車に送信することで、前記充電順序で定められた順番で前記二次電池の充電を前記無人搬送車に行わせる順序送信制御部と、を備えていてもよい。
【0012】
上位システムは、無人搬送車の到達予想時間を認識できるため、二次電池の温度が閾値以上の無人搬送車で受信される最短到達時間が、二次電池の温度が閾値未満の無人搬送車で受信される最短到達時間よりも長くなるように充電順序を決定することができる。言い換えれば、上位システムは、温度が閾値以上の二次電池を充電器により充電する際に、充電を行える時間を長く確保できるように充電順序を決定できる。最短到達時間が長いほど、充電器により二次電池の充電を行える時間を長く確保できる。最短到達時間が長いほど充電電流の指令値は小さくなるため、温度が閾値以上の二次電池の温度上昇を抑制することができる。従って、二次電池の劣化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、二次電池の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】無人搬送車が用いられるコンテナターミナルを模式的に示す図。
【
図3】無人搬送車の走行中に行われる処理を示すフローチャート。
【
図4】無人搬送車が充電器に接続されている場合に行われる処理を示すフローチャート。
【
図5】第2実施形態の管制塔で行われる処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、無人搬送車及び無人搬送システムの第1実施形態について説明する。
図1に示すように、無人搬送システムTSは、無人搬送車10と、管制塔51と、を備える。無人搬送車10は、港湾のコンテナターミナルTで用いられる。コンテナターミナルTには、予め定められた複数の走行経路R1,R2,R3が設定されている。無人搬送車10は、管制塔51からの指令により走行経路R1,R2,R3のいずれかを走行する。本実施形態では、走行経路は3つ設けられている。3つの走行経路R1,R2,R3のそれぞれを第1走行経路R1、第2走行経路R2、第3走行経路R3とすると、第1走行経路R1の走行距離[m]が最も短く、第3走行経路R3の走行距離が最も長い。第2走行経路R2の走行距離は、第1走行経路R1の走行距離の長さと第2走行経路R2の走行距離の長さとの間の距離である。コンテナターミナルTには、無人搬送車10にコンテナCを積載する積載位置P1と、充電器61が配置された充電場P2とが設定されている。積載位置P1は、コンテナ船CSが接岸可能な岸壁に設けられている。充電場P2には、充電器61が1つ設けられている。本実施形態において、コンテナターミナルTが走行経路R1,R2,R3と、充電場P2と、を備える領域となる。
【0016】
コンテナターミナルTには、複数の無人搬送車10が配備されている。本実施形態では、4台の無人搬送車10が配備されている。無人搬送車10は、充電器61の数よりも多く配備されているといえる。各無人搬送車10には、ガントリークレーンC1によってコンテナ船CSからコンテナCが積載される。なお、各走行経路R1,R2,R3の一部は共通であり、この共通部分に積載位置P1は設けられている。
【0017】
コンテナCが積載された無人搬送車10は、走行経路R1,R2,R3に沿ってラバータイヤクレーンC2まで走行する。ラバータイヤクレーンC2により無人搬送車10に積載されたコンテナCが降ろされる。コンテナCが降ろされた無人搬送車10は、走行経路R1,R2,R3に沿ってガントリークレーンC1まで戻る。各走行経路R1,R2,R3の走行距離とは、ガントリークレーンC1からラバータイヤクレーンC2を経由してガントリークレーンC1まで戻ってくるのに無人搬送車10が走行する距離である。
【0018】
図2に示すように、無人搬送車10は、二次電池11と、電圧検出部12と、電流検出部13と、温度検出部14と、インバータ15と、走行用モータ16と、電池ECU21と、車両ECU31と、無線機41と、充電口42と、を備える。なお、全ての無人搬送車10は、同一構成である。
【0019】
二次電池11は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池など充放電可能なものであればどのようなものを用いていてもよい。二次電池11は、複数設けられている。複数の二次電池11は、直列接続や並列接続されている。また、複数の二次電池11は、二次電池11を複数接続してモジュール化したものを直列接続、あるいは、並列接続したものでもよい。即ち、複数の二次電池11の接続態様は任意である。
【0020】
電圧検出部12は、複数の二次電池11毎に端子間電圧を検出する。電流検出部13は、二次電池11からの放電電流及び二次電池11への充電電流を検出する。充電電流には、回生による充電電流と充電器61の充電による充電電流が含まれる。なお、以下の説明において、放電電流及び充電電流を総称して充放電電流と称する。温度検出部14は、二次電池11の温度を検出する。温度検出部14は、複数の二次電池11毎に個別に設けられていてもよいし、全ての二次電池11のうち代表的な複数の二次電池11に設けられていてもよい。また、温度検出部14は、単数であってもよい。
【0021】
インバータ15は、二次電池11から入力される直流電力を交流電力に変換して走行用モータ16に出力する。なお、無人搬送車10は、二次電池11の直流電力を変圧してインバータ15に出力するコンバータを備えていてもよい。
【0022】
走行用モータ16は、交流回転電機である。走行用モータ16は、インバータ15に接続されている。走行用モータ16は、インバータ15からの電力供給時には電動機として動作し、回転駆動力を発生させる。この回転駆動力が車軸を通じて駆動輪に伝達されることで無人搬送車10は走行する。一方、走行用モータ16は、無人搬送車10の制動時や下り斜面での加速度低減時には発電機として動作し、回生発電を行なう。走行用モータ16が発電した電力は、インバータ15を通じて二次電池11に供給される。二次電池11は、走行用モータ16の電力源となる。
【0023】
電池ECU21は、ハードウェアとしてCPU22及び記憶部23を備える電子制御ユニット:Electronic Control Unitである。電池ECU21は、二次電池11の状態の監視等、二次電池11に関する制御を行う。記憶部23には、二次電池11を制御するための種々のプログラムが記憶されている。CPU22は、記憶部23を参照することで種々の処理を実行する。CPU22は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。記憶部23は、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるものを含む。
【0024】
電池ECU21は、電圧検出部12の検出結果、電流検出部13の検出結果及び温度検出部14の検出結果を取得可能である。電池ECU21は、所定の制御周期で二次電池11の充電状態を推定している。本実施形態において、二次電池11の充電状態は、二次電池11の充電率[%]である。充電率の推定は、種々の手法を用いて行うことができる。充電率の推定は、二次電池11の充放電電流を積算することにより充電率を推定する方法である電流積算法により行われてもよいし、二次電池11の開回路電圧と充電率との相関関係から推定してもよい。二次電池11の開回路電圧は、電圧検出部12によって検出される端子間電圧である閉回路電圧から推定することができる。電池ECU21は、充電状態推定部として機能している。なお、二次電池11の充電率とは、複数の二次電池11の全てを接続した組電池の充電率である。
【0025】
車両ECU31は、ハードウェアとしてCPU32と、記憶部33と、を備える。車両ECU31は、無人搬送車10を統括的に制御する。車両ECU31は、種々の制御を行う複数のECUを組み合わせたものであってもよい。記憶部33には、無人搬送車10を制御するための種々のプログラムが記憶されている。記憶部33は、RAM及びROMなどで構成される。電池ECU21と同様に、車両ECU31は、特定用途向け集積回路:ASICを備えてもよい。車両ECU31は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。
【0026】
車両ECU31は、管制塔51からの走行経路R1,R2,R3の指示に従って無人搬送車10に走行を行わせる。車両ECU31は、インバータ15や操舵機構を制御することで、走行経路R1,R2,R3に沿って無人搬送車10を走行させることが可能である。なお、車両ECU31は、走行経路R1,R2,R3に設けられたマーカーをセンサで読み取ることで、指示された走行経路R1,R2,R3に沿って無人搬送車10を走行させるものであってもよい。また、車両ECU31は、グローバル・ポジショニング・システム、オドメトリ、ベイズフィルタ等を用いた自己位置推定により自己位置を推定して走行経路R1,R2,R3に沿って無人搬送車10を走行させるものであってもよい。即ち、車両ECU31は、走行経路R1,R2,R3に沿って無人搬送車10を走行させることができれば、どのような走行制御を行ってもよい。本実施形態では、車両ECU31が走行制御部として機能している。
【0027】
電池ECU21と車両ECU31とは、CAN:Controller Area NetworkやLIN:Local Interconnect Networkなどのプロトコルで互いに通信を行うことが可能である。これにより、電池ECU21と車両ECU31とは、互いの情報を取得可能である。
【0028】
無線機41は、管制塔51と通信を行うための通信インターフェースである。なお、説明の便宜上、以下の説明において無人搬送車10の無線機41を第1無線機41と称する。第1無線機41は、車両ECU31に接続されている。第1無線機41は、車両ECU31から入力されたデータを変調して無線信号を生成する変調部と、無線信号を送受信するアンテナと、管制塔51から受信した無線信号を復調して、復調されたデータを車両ECU31に出力する復調部と、を含む。車両ECU31は、管制塔51と通信可能なプロトコルでデータを生成し、第1無線機41を介してデータを管制塔51に送信することができる。このデータには、例えば、二次電池11に関する情報と、無人搬送車10に関する情報と、識別情報と、が含まれる。識別情報とは、無人搬送車10毎に付与された個別の情報=IDである。この識別情報により、管制塔51はデータを送信した送信元の無人搬送車10を認識することができる。車両ECU31は、第1無線機41で復調されたデータから管制塔51からの指令を取得することができる。第1無線機41は、管制塔51からの指令を受信する受信部、及び管制塔51に情報を送信する送信部として機能している。
【0029】
管制塔51は、制御部52と、無線機55と、を備える。管制塔51は、各無人搬送車10に指令を与える上位システムである。制御部52は、CPU53と、記憶部54と、を備える。制御部52は、各無人搬送車10に与える指令を生成することで、無人搬送システムTSの制御を行う。記憶部54は、RAM及びROMなどで構成される。制御部52は、特定用途向け集積回路:ASICを備えてもよい。制御部52は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。
【0030】
無線機55は、第1無線機41と通信を行うための通信インターフェースである。なお、説明の便宜上、以下の説明において管制塔51の無線機55を第2無線機55と称する。第2無線機55は、制御部52に接続されている。第2無線機55は、制御部52から入力されたデータを変調して無線信号を生成する変調部と、無線信号を送受信するアンテナと、第1無線機41から受信した無線信号を復調して、復調されたデータを制御部52に出力する復調部と、を含む。制御部52は、第1無線機41と通信可能なプロトコルでデータを生成し、第2無線機55を介してデータを第1無線機41に送信する。このデータには、例えば、無人搬送車10への指令と、無人搬送車10の識別情報と、が含まれる。データに識別情報を含めることで、コンテナターミナルTで用いられる複数の無人搬送車10から任意の無人搬送車10に指令を与えることができる。第2無線機55は、無人搬送車10に指令を送信する指令送信部、及び第1無線機41から送信された情報を受信する情報受信部として機能している。
【0031】
充電口42は、充電器61に接続可能なインレットである。充電口42は、二次電池11と充電器61とを接続する。
充電器61は、外部電源から供給された交流電力の電力変換を行う電力変換部62と、充電器61の制御を行う充電制御部63と、を備える。電力変換部62は、交流電力を直流電力に変換するインバータと、直流電力の変圧を行うDC/DCコンバータ等を含む。
【0032】
充電制御部63は、CPU64と、記憶部65と、を備える。記憶部65は、RAM及びROMなどで構成される。充電制御部63は、特定用途向け集積回路:ASICを備えてもよい。充電制御部63は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。充電制御部63は、電力変換部62を制御して、電力変換部62から充電電流を出力させることで二次電池11の充電を行う。
【0033】
充電器61は、図示しない充電プラグを備え、この充電プラグが充電口42に接続されることで電力変換部62と二次電池11とが接続され、充電制御部63と車両ECU31とが接続される。これにより、電力変換部62から出力された直流電力により二次電池11が充電される。また、車両ECU31と充電制御部63とは、互いに通信を行うことが可能になる。
【0034】
次に、本実施形態の無人搬送車10で行われる制御について説明する。まず、無人搬送車10の走行中に行われる制御について説明する。
図3に示すように、ステップS1において、車両ECU31は、第1無線機41を介して管制塔51から送信された走行経路計画を取得する。走行経路計画とは、無人搬送車10に対して、いずれの走行経路R1,R2,R3でコンテナCの搬送を行うかを指示するものである。走行経路計画は、コンテナCの搬送1回分の計画であってもいいし、コンテナCの搬送複数回分の計画であってもよい。即ち、車両ECU31は、ガントリークレーンC1とラバータイヤクレーンC2とを1回往復する毎に走行経路計画を取得してもよいし、ガントリークレーンC1とラバータイヤクレーンC2とを複数回往復する毎に走行経路計画を取得してもよい。
【0035】
次に、ステップS2において、車両ECU31は走行経路計画で指示された走行経路R1,R2,R3から走行距離を算出する。車両ECU31の記憶部33には、走行経路R1,R2,R3に対応して走行距離が予め記憶されている。即ち、第1走行経路R1を走行した場合の走行距離と、第2走行経路R2を走行した場合の走行距離と、第3走行経路R3を走行した場合の走行距離とが個別に記憶部33に記憶されている。車両ECU31は、記憶部33に記憶された走行経路R1,R2,R3と走行距離との対応関係から走行距離を算出する。
【0036】
次に、ステップS3において、車両ECU31は、ステップS2で算出された走行距離、無人搬送車10の重量[kg]及び荷の重量平均値[kg]から消費電力量[kWh]を算出する。無人搬送車10の重量は、車両ECU31の記憶部33、あるいは、電池ECU21の記憶部23に記憶されている。荷の重量平均値とは、過去に搬送した複数のコンテナCの重量の平均値である。なお、コンテナCの重量には、コンテナC内の荷の重量が含まれる。無人搬送車10がコンテナCの重量を検出する重量検出部を備えている場合、車両ECU31は、無人搬送車10にコンテナCが積載される毎にコンテナCの重量を重量検出部から取得し、荷の重量平均値を算出してもよい。この場合、算出された荷の重量平均値は、車両ECU31の記憶部33、あるいは、電池ECU21の記憶部23に記憶される。また、荷の重量平均値は、管制塔51から無線信号に含まれる情報として送信されていてもよい。ステップS3の処理を実行することで、車両ECU31は、消費電力量算出部として機能している。
【0037】
次に、ステップS4において、車両ECU31は、ステップS3で算出された消費電力量、車両平均効率、二次電池11の満充電容量[kWh]、二次電池11の充電率[%]、及び現在時刻から充電器61への到達予想時刻を算出する。二次電池11の満充電容量は、電池ECU21の記憶部23、あるいは、車両ECU31の記憶部33に記憶されている。二次電池11の満充電容量とは、複数の二次電池11の全てを接続した組電池の満充電容量である。車両平均効率とは、インバータ15での損失や、タイヤでの損失等、無人搬送車10で生じる損失を考慮した値であり、消費電力量に乗算される係数である。車両平均効率は、車両ECU31の記憶部33、あるいは、電池ECU21の記憶部23に記憶されている。
【0038】
車両ECU31は、ステップS3で算出された消費電力量を車両平均効率で補正して、補正後消費電力量[kWh]を算出する。補正後消費電力量は、無人搬送車10で生じる損失を加味した消費電力量である。車両ECU31は、補正後消費電力量を用いて、充電器61への到達予想時間[h]を算出することができる。到達予想時間は、無人搬送車10が充電器61に到達するまでの予想時間である。到達予想時間は、二次電池11の残容量[kWh]が尽きるまでに充電器61による充電を行えるような時間である。例えば、二次電池11の満充電容量に二次電池11の充電率を乗算することで二次電池11の残容量を算出し、二次電池11の残容量を補正後消費電力量で除算すると、二次電池11の残容量が尽きるまでの時間[h]を算出することができる。二次電池11の残容量が尽きる時間の1時間前に充電器61による充電を行えるように到達予想時間を設定している場合、充電器61への移動に要する時間に1時間を加算した時間を、二次電池11の残容量が尽きるまでの時間から減算する。これにより、補正後消費電力量を用いて到達予想時間を算出することができる。また、二次電池11の充電率が20%を下回ったことを契機に無人搬送車10を充電器61に向かわせる場合、二次電池11の充電率から20%を減算して得られた充電率を二次電池11の満充電容量に乗算することで、二次電池11の充電率が20%になるまでに使用できる二次電池11の使用可能容量[kWh]を算出することができる。この二次電池11の使用可能容量を補正後消費電力量で除算することで、二次電池11の充電率が20%になるまでの時間を算出することができる。そして、二次電池11の充電率が20%になるまでの時間に充電器61への移動に要する時間を加算することで、到達予想時間を算出することができる。車両ECU31は、ステップS4の処理を実行することで、到達予想時間算出部として機能している。
【0039】
上記したように、到達予想時間は、二次電池11の残容量が尽きるまでに充電器61による充電を行えるような時間であればよく、任意に設定することができる。上記した例では、二次電池11の残容量が尽きる時間の1時間前に充電器61に到達するように到達予想時間を算出しているが、1時間に換えて、30分や45分等、任意の時間に変更して到達予想時間を算出してもよい。同様に、上記した例では、二次電池11の充電率が20%を下回ったことを契機に無人搬送車10が充電器61に向かう場合の到達予想時間を算出しているが、20%に代えて10%や30%等、任意の充電率に変更して到達予想時間を算出してもよい。
【0040】
車両ECU31は、算出した到達予想時間を現在時刻に加算することで、到達予想時刻を算出する。到達予想時刻は、無人搬送車10が充電器61に到達すると予想される時刻である。
【0041】
次に、ステップS5において、車両ECU31は、第1無線機41を介して到達予想時刻を示す情報を管制塔51に送信する。管制塔51には、コンテナターミナルTに配備された無人搬送車10の数だけ、到達予想時刻を示す情報が送信されることになる。なお、到達予想時刻は、現在時刻に到達予想時間を加算した値であるため、到達予想時刻から到達予想時間を導出することができる。到達予想時刻を示す情報は、到達予想時間を認識可能な情報といえる。ステップS5の処理を実行することで、車両ECU31は、送信制御部として機能している。また、車両ECU31は、第1無線機41を介して二次電池11の充電率を示す情報を管制塔51に送信する。ステップS1~ステップS5の処理は、無人搬送車10の走行中に所定の制御周期で繰り返し行われる。
【0042】
次に、無人搬送車10が充電器61に接続され、充電器61による二次電池11の充電が行われる際に無人搬送車10で行われる制御について説明する。
図4に示すように、ステップS11において、車両ECU31は、他の無人搬送車10の二次電池11の充電率を示す情報と、他の無人搬送車10の充電器61への到達予想時刻を示す情報とを第1無線機41から取得する。なお、他の無人搬送車10とは、充電器61に接続されていない無人搬送車10であり、走行中の無人搬送車10ともいえる。他の無人搬送車10の到達予想時刻を示す情報は、管制塔51から送信されている。管制塔51は、他の無人搬送車10の到達予想時刻を示す情報を所定の送信間隔で各無人搬送車10に送信していてもよいし、無人搬送車10からの要求に応じて他の無人搬送車10の到達予想時刻を示す情報を送信してもよい。管制塔51が、無人搬送車10からの要求に応じて他の無人搬送車10の到達予想時刻を示す情報を送信する場合、ステップS11の処理を行う前に、車両ECU31は、第1無線機41を介して他の無人搬送車10の到達予想時刻を示す情報の送信を管制塔51に要求する。なお、本実施形態では、充電器61に接続されていない3台の無人搬送車10それぞれの到達予想時刻を示す情報、及び二次電池11の充電率の情報を示す情報が車両ECU31に取得される。これにより、車両ECU31は、各無人搬送車10の到達予想時刻と、二次電池11の充電率を認識する。
【0043】
次に、ステップS12において、車両ECU31は、他の無人搬送車10が充電器61に到達するまでに二次電池11を満充電にすることができる充電電流Yを算出する。まず、車両ECU31は、他の無人搬送車10のうち最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時刻と現在時刻から、最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時間を算出する。到達予想時間は、現在時刻から到達予想時刻までの時間である。最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時間は、他の無人搬送車10の到達予想時間のうち最短の時間である最短到達時間といえる。車両ECU31は、ステップS11で取得した他の無人搬送車10の到達予想時刻から到達予想時間を導出可能である。また、車両ECU31は、ステップS11で取得した他の無人搬送車10の到達予想時刻から最短到達時間を導出可能である。最短到達時間を認識可能な情報とは、他の無人搬送車10の到達予想時刻を示す情報といえる。各無人搬送車10の車両ECU31は、充電器61による充電を行う無人搬送車10の車両ECU31に、他の無人搬送車10の最短到達時刻を認識させるための情報を送信しているともいえる。車両ECU31は、ステップS11の処理を実行することで、最短到達時間取得部として機能しているといえる。また、最短到達時間を認識可能な情報を第2無線機55から無人搬送車10に送信する制御部52は、最短到達時間送信制御部として機能しているといえる。
【0044】
車両ECU31は、最短到達時間が長いほど小さくなるように充電電流Yの算出を行う。充電電流Yは充電器61による二次電池11の充電を行う際に二次電池11に流される電流である。言い換えれば、充電電流Yは、電力変換部62から出力される電流である。例えば、車両ECU31は、最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時刻と、二次電池11が満充電となる時刻とが同一となるように充電電流Yを算出する。車両ECU31は、二次電池11の充電率と二次電池11の満充電容量から、満充電に必要となる充電容量を算出できる。車両ECU31は、充電容量と最短到達時間から最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時刻と二次電池11が満充電となる時刻とが同一となるような充電電流Yを算出することができる。なお、上記した充電電流Yの算出は、マージンや種々の係数を含めて算出されてもよい。例えば、車両ECU31は、最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時刻よりも僅かに早い時刻に二次電池11が満充電となるように充電電流Yを算出してもよい。充電電流Yの算出方法は、最短到達時間が長いほど小さくなるように充電電流Yを算出することができれば、どのような算出方法であってもよい。
【0045】
次に、ステップS13において、車両ECU31は、ステップS12で算出された充電電流Yが二次電池11の仕様範囲内か否かを判定する。二次電池11の仕様範囲とは、充電電流Yを許容できる範囲である。仕様範囲は、過剰に充電電流Yが大きくなることによる二次電池11の劣化を抑制したり、過剰に充電電流Yが小さくなることで充電時間が過剰に長くなることを抑制するために設定されている。ステップS13の判定結果が肯定の場合、車両ECU31はステップS14の処理を行う。一方で、ステップS13の判定結果が否定の場合、車両ECU31はステップS15の処理を行う。
【0046】
ステップS14において、車両ECU31は、ステップS12で算出された充電電流Yを指令値Yとして充電制御部63に送信する。車両ECU31は、ステップS14の処理を行うことで、充電器61に対して充電電流の指令値を送信する指令部として機能している。ステップS15において、車両ECU31は、仕様範囲内の充電電流を指令値Y1として充電制御部63に送信する。なお、仕様範囲内の充電電流は、例えば、ステップS12で算出された充電電流Yが仕様範囲の上限値を上回っていた場合には、仕様範囲の上限値を指令値とする。また、ステップS12で算出された充電電流Yが仕様範囲の下限値を下回っていた場合には、仕様範囲の下限値を指令値とする。指令値Y1は、仕様範囲内の充電電流であれば、どのような値であってもよい。
【0047】
ステップS14又はステップS15の処理により、充電電流の指令値が充電制御部63に送信されると、充電制御部63は指令値に従った充電電流が出力されるように電力変換部62の制御を行う。これにより、最短到達時間が長いほど小さい充電電流で二次電池11は充電されることになる。ステップS11~ステップS15の処理は、無人搬送車10が充電器61に接続されている間、所定の制御周期で繰り返し行われる。
【0048】
上記したように、充電状態推定部、指令部、走行制御部、送信制御部、最短到達時間取得部、消費電力量算出部、到達予想時間算出部は電池ECU21及び車両ECU31の少なくとも一方が予め定められたプログラムを実行することで機能する機能部である。また、最短到達時間送信制御部は、制御部52が予め定められたプログラムを実行することで機能する機能部である。
【0049】
第1実施形態の作用について説明する。
コンテナターミナルTで用いられる各無人搬送車10は、充電器61への到達予想時刻を示す情報を管制塔51に送信している。従って、各無人搬送車10のうちいずれかの無人搬送車10が充電器61による二次電池11の充電を行う際に、管制塔51は充電を行う無人搬送車10に対して、最短到達時間を認識可能な情報を送信することができる。充電器61により無人搬送車10の二次電池11を充電する場合、他の無人搬送車10が充電器61に到達するまでは充電器61による二次電池11の充電を行っても、他の無人搬送車10に充電を行うための待ち時間が生じにくい。最短到達時間の間は、他の無人搬送車10は充電器61に到達しないため、最短到達時間は二次電池11の充電を行うことが可能な時間といえる。最短到達時間が長いほど、充電電流の指令値を小さくすることで、最短到達時間が長いほど小さい充電電流で二次電池11は充電される。
【0050】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)二次電池11の充電を行う際の充電電流が小さいほど二次電池11の劣化は抑制される。このため、最短到達時間が長く、二次電池11の充電に使用できる時間が長い場合に充電器61への指令値を小さくすることで、充電器61への指令値を常に最大値とする場合に比べて二次電池11の劣化を抑制することができる。
【0051】
(1-2)二次電池11の充電を行う際の充電電流が小さいほど、二次電池11の発熱量が少なくなる。仮に、二次電池11を充電する際に、常に急速充電を行うと、二次電池11の温度が急激に上昇し、二次電池11の劣化を促進する原因になる。二次電池11の充電を行う際の充電電流を小さくすることで、二次電池11の温度上昇を抑制することができ、二次電池11の劣化を更に抑制することができる。また、二次電池11の温度上昇を抑制することができるため、二次電池11を冷却するための冷却装置を簡素化することができる。
【0052】
(1-3)仮に、他の無人搬送車10の最短到達時間に関わらず、常に充電器61により急速充電が行われる場合、充電器61の使用時間が短く、充電器61が使用されていない時間である未使用時間が長い。充電器61による充電を行える時間が存在するにも関わらず充電器61が使用されず、充電器61を効率的に使用できているとはいえない。これに対し、本実施形態では、他の無人搬送車10の最短到達時間に比例して充電器61の使用時間も長くなるため、充電器61が使用されていない時間が短くなる。充電器61の未使用時間が減り、充電器61を効率的に使用することができる。
【0053】
(第2実施形態)
以下、無人搬送車、及び無人搬送システムの第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0054】
第2実施形態では無人搬送車10の車両ECU31は、第1無線機41を介して二次電池11の温度を示す情報を管制塔51に送信している。二次電池11の温度を示す情報は、温度検出部14の検出値を示す情報である。車両ECU31は、温度送信制御部として機能している。
【0055】
第2実施形態では、管制塔51の制御部52は、以下の処理を行う。
図5に示すように、ステップS21において、制御部52は、二次電池11の温度が閾値以上の無人搬送車10が存在するか否かを判定する。閾値としては、二次電池11の温度が許容温度よりも高くなることを抑制できるように設定された値であり、二次電池11の許容温度の上限値よりも低い値に設定される。二次電池11の温度が閾値以上の無人搬送車10が存在する場合、制御部52はステップS22の処理を行う。一方で二次電池11の温度が閾値以上の無人搬送車10が存在しない場合、制御部52はステップS26に移行する。
【0056】
ステップS22において、制御部52は、各無人搬送車10の二次電池11を満充電にするために要する時間である充電時間を算出する。ステップS22では、充電器61の出力可能な最大の充電電流で二次電池11を充電した場合に、二次電池11を満充電にするのに要する充電時間が算出される。
【0057】
次に、ステップS23において、制御部52は、温度が閾値以上の二次電池11については、充電電流を抑えた場合に、二次電池11を満充電にするのに要する充電時間を算出する。ここでの充電電流は、ステップS22での充電電流よりも低い充電電流であり、予め定められた値である。
【0058】
次に、ステップS24において、制御部52は、到達予想時刻と、ステップS22及びステップS23で算出された充電時間から充電順序を決定する。制御部52は、二次電池11の温度が閾値以上の無人搬送車10で受信される最短到達時間が、二次電池11の温度が閾値未満の無人搬送車10で受信される最短到達時間よりも長くなるように充電順序を決定する。例えば、制御部52は、到達予想時刻と充電時間から各無人搬送車10の充電終了時刻を算出する。充電終了時刻と到達予想時刻との間の時間を充電可能時間とすると、制御部52は、温度が閾値以上の二次電池11の充電可能時間が最も長くなるように充電順序を決定する。ステップS24の処理を行うことで、制御部52は充電順序決定部として機能している。
【0059】
次に、ステップS25において、制御部52は、ステップS24で決定した充電順序を示す情報を第2無線機55から各無人搬送車10に送信する。各無人搬送車10の車両ECU31は、第1無線機41から充電順序を示す情報を取得する。各無人搬送車10の車両ECU31は、管制塔51で決定された充電順序に従って充電器61による充電を行う。なお、各無人搬送車10の車両ECU31が二次電池11の充電中に行う制御は、第1実施形態と同一である。即ち、
図4に示す処理に従って二次電池11の充電は行われる。ステップS25の処理を実行することで、制御部52は順序送信制御部として機能している。なお、充電順序を示す情報とは、例えば、各無人搬送車10に対して、充電開始時刻=到達予想時刻を指示する情報である。
【0060】
ステップS26において、制御部52は、各無人搬送車10の到達予想時刻依存で、各無人搬送車10の二次電池11の充電を行わせる。即ち、制御部52は、充電順序の決定を行わず、各無人搬送車10は、到達予想時刻が早い順に二次電池11の充電を行うことになる。
【0061】
第2実施形態の作用について説明する。
図6に示すように、4台の無人搬送車10のそれぞれを第1無人搬送車10A、第2無人搬送車10B、第3無人搬送車10C、第4無人搬送車10Dとする。各無人搬送車10の運用中には、各無人搬送車10の二次電池11には温度のばらつきが生じる。二次電池11の温度のばらつきは、ジュール熱に起因するものである。二次電池11の温度は、各無人搬送車10が搬送する荷の重量や、走行経路R1,R2,R3によってばらつく。
図6に示す例では、4台の無人搬送車10のうち第2無人搬送車10Bの二次電池11の温度は、第1無人搬送車10Aの二次電池11、第3無人搬送車10Cの二次電池11及び第4無人搬送車10Dの二次電池11の温度よりも高い。第2無人搬送車10Bの二次電池11の温度は閾値以上である。第1無人搬送車10Aの二次電池11、第3無人搬送車10Cの二次電池11及び第4無人搬送車10Dの二次電池11の温度は閾値未満である。
【0062】
各無人搬送車10から管制塔51に二次電池11の温度を示す情報が送信されると、制御部52は
図5に示した処理に従い充電順序を決定する。上記した例では、充電器61による二次電池11の充電を行う際に、第2無人搬送車10Bに送信される最短到達時間が第1無人搬送車10A、第3無人搬送車10C及び第4無人搬送車10Dに送信される最短到達時間よりも短くなるように充電順序は送信される。
【0063】
図7には、充電器61により各無人搬送車10の二次電池11を充電した場合に充電が行われる時間を示す。最短到達時間が長いほど充電器61により充電が行われる時間は長いため、第2無人搬送車10Bの二次電池11が充電される時間TBは、第1無人搬送車10A、第3無人搬送車10C及び第4無人搬送車10Dそれぞれの二次電池11が充電される時間TA,TC,TDよりも長い。車両ECU31は、最短到達時間が長いほど、充電電流の指令値を小さくするため、第2無人搬送車10Bの二次電池11は、第1無人搬送車10A、第3無人搬送車10C及び第4無人搬送車10Dの二次電池11よりも小さい充電電流で充電されることになる。
【0064】
図8には、第2無人搬送車10Bの二次電池11の充電率と、温度との関係を示す。
図8に示すように、時刻T1までは第2無人搬送車10Bの走行に伴い二次電池11の充電率は低下していく。時刻T1で充電器61による二次電池11の充電が開始されると、二次電池11の充電率は上昇していく。この際、充電電流が小さいため、二次電池11の温度は徐々に低下していく。
図8では、充電を開始した時刻T1に比べて充電が終了した時刻T2のほうが二次電池11の温度が低くなる。
【0065】
第2実施形態の効果について説明する。第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(2-1)管制塔51の制御部52は、各無人搬送車10から送信される到達予想時刻を示す情報から各無人搬送車10の到達予想時間を認識できる。制御部52は、各無人搬送車10が二次電池11の充電を行う際に、二次電池11の温度が閾値以上の無人搬送車10で受信される最短到達時間が、二次電池11の温度が閾値未満の無人搬送車10で受信される最短到達時間よりも長くなるように充電順序を決定することができる。言い換えれば、制御部52は、温度が閾値以上の二次電池11を充電器61により充電する際に、充電を行える時間を長く確保できるように充電順序を決定できる。最短到達時間が長いほど充電器61により二次電池11の充電を行える時間を長く確保できる。最短到達時間が長いほど充電電流の指令値は小さくなるため、温度が閾値以上の二次電池11の温度上昇を抑制することができる。従って、二次電池11の劣化を抑制できる。
【0066】
各無人搬送車10のうち一部の無人搬送車10の二次電池11のみの温度が高くなると、温度が高くなる二次電池11の劣化が促進される。この場合、各無人搬送車10のうち一部の二次電池11の劣化が促進され、各無人搬送車10で二次電池11の寿命にばらつきが生じることになる。温度が閾値以上になった二次電池11については、充電を行うときの発熱を抑制することで、各無人搬送車10で二次電池11の寿命にばらつきが生じることを抑制できる。
【0067】
各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○各実施形態において、到達予想時間は、管制塔51で算出されてもよい。制御部52は、各無人搬送車10に走行経路R1,R2,R3を指示するため、各無人搬送車10の走行経路R1,R2,R3を認識することができる。制御部52は走行経路R1,R2,R3と走行距離との対応関係を記憶部54に記憶しておくことで、各無人搬送車10の走行経路R1,R2,R3から各無人搬送車10の走行距離を算出することができる。無人搬送車10の重量は既知の値であり、記憶部54に無人搬送車10の重量を記憶しておくことで、制御部52は各無人搬送車10の重量を認識することができる。なお、コンテナターミナルTで重量の異なる複数種類の無人搬送車10が用いられている場合であっても、無人搬送車10の重量と識別情報とを対応付けて記憶部54に記憶しておくことで、制御部52は無人搬送車10毎に重量を認識することができる。制御部52は、過去に無人搬送車10で搬送されたコンテナCの重量から荷の重量平均値を認識することができる。従って、制御部52は、走行経路R1,R2,R3、無人搬送車10の重量、及び荷の重量平均値から各無人搬送車10で消費される消費電力量を算出することができる。この場合、制御部52が消費電力量算出部として機能する。なお、走行経路R1,R2,R3の走行距離、無人搬送車10の重量、及び荷の重量平均値を示す情報は、各無人搬送車10から管制塔51に送信されてもよい。この場合、制御部52は、第2無線機55を介して取得した情報から消費電力量を算出することもできる。
【0068】
車両平均効率は、予め設定された値であり、記憶部54に車両平均効率を記憶しておくことで、制御部52は各無人搬送車10の車両平均効率を認識することができる。なお、無人搬送車10の重量と同様に、コンテナターミナルTで複数種類の無人搬送車10が用いられている場合であっても、無人搬送車10の車両平均効率と識別情報とを対応付けて記憶部54に記憶しておくことで、制御部52は無人搬送車10毎に車両平均効率を認識することができる。制御部52は、二次電池11の充電率を示す情報を第2無線機55から取得する。二次電池11の充電率については、制御部52で推定することができないため、無人搬送車10から送信された情報を用いる必要がある。そして、制御部52は、車両平均効率、算出した消費電力量、及び第2無線機55から取得した二次電池11の充電率から各無人搬送車10の到達予想時間を算出する。この場合、制御部52は到達予想時間算出部として機能する。なお、車両平均効率を示す情報は、各無人搬送車10から管制塔51に送信されてもよい。制御部52は、到達予想時間と、現在時刻から到達予想時刻を算出し、算出した到達予想時刻を各無人搬送車10に送信する。
【0069】
上記したように、無人搬送車10は、少なくとも二次電池11の充電率を示す情報を第1無線機41から送信することで、制御部52に到達予想時間を算出させることができる。従って、到達予想時間を認識可能な情報は、制御部52に到達予想時間を導出させるために必要となる情報であってもよい。消費電力量算出部及び到達予想時間算出部は、無人搬送システムTSを構成する無人搬送車10及び管制塔51のうちのいずれかが備えていればよい。
【0070】
○各実施形態において、車両ECU31から充電制御部63に送信される指令値は、充電電力の指令値であってもよい。車両ECU31は、最短到達時間が長いほど充電電力の指令値を小さくする。充電器61は、指令された充電電力を出力する。充電電力が小さいほど二次電池11の劣化は抑制される。従って、この場合であっても、各実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0071】
○各実施形態において、車両ECU31は、到達予想時刻を示す情報に代えて、到達予想時間を示す情報を管制塔51に送信してもよい。この場合、到達予想時間を認識可能な情報は、到達予想時間を示す情報となる。即ち、到達予想時間を認識可能な情報とは、到達予想時間そのものを示す情報であってもよい。また、管制塔51は、到達予想時刻を示す情報に代えて、到達予想時間を示す情報を各無人搬送車10に送信してもよい。車両ECU31は、各無人搬送車10の到達予想時間のうち最も短いものを最短到達時間と認識することができる。従って、最短到達時間を認識可能な情報は、各無人搬送車10の到達予想時間を示す情報であってもよい。即ち、各無人搬送車10の車両ECU31から管制塔51に送信される情報は、充電器61による充電を行う無人搬送車10の車両ECU31に、最短到達時刻を認識させることができる情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0072】
○各実施形態において、ステップS11で車両ECU31は、他の無人搬送車10の全ての到達予想時刻を取得しなくてもよい。車両ECU31は、他の無人搬送車10のうち最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時刻のみを取得できればよい。言い換えれば、制御部52は、各無人搬送車10から取得した到達予想時刻を示す情報のうち最も早い到達予想時刻を示す情報のみを第2無線機55から送信してもよい。他の無人搬送車10のうち最も早く充電器61に到達する無人搬送車10の到達予想時刻のみを取得できれば、最短到達時間を導出できるため、この場合であっても各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
○各実施形態において、ステップS11で車両ECU31は、最短到達時間を示す情報を取得してもよい。この場合、制御部52は、各無人搬送車10から取得した到達予想時刻を示す情報から最も早い到達予想時刻を抽出し、この到達予想時刻と現在時刻との差から最短到達時間を導出する。制御部52は、最短到達時間を示す情報を第2無線機55から送信する。この場合、最短到達時間を認識可能な情報とは、最短到達時間そのものを示す情報となる。
【0074】
○各実施形態において、車両ECU31は、ステップS11以降の処理で、他の無人搬送車10の到達予想時刻と、他の無人搬送車10の二次電池11の充電率との関係から到達予想時刻の妥当性を判断してもよい。例えば、車両ECU31は、二次電池11の充電率が高いにも関わらず、現在時刻から到達予想時刻までの時間が短い場合、当該到達予想時刻は妥当ではないと判断してもよい。車両ECU31は、二次電池11の充電率が低いにも関わらず、現在時刻から到達予想時刻までの時間が長い場合、当該到達予想時刻は妥当ではないと判断してもよい。そして、車両ECU31は、妥当ではないと判断した到達予想時刻については、制御に用いる値として採用しないようにしてもよい。この場合、ステップS11で車両ECU31は、他の無人搬送車10の充電率の情報を取得しなくてもよい。
【0075】
○各実施形態において、走行経路R1,R2,R3の数は、3つとは異なる数であってもよい。走行経路R1,R2,R3の数は、単数であってもよい。
○各実施形態において、無人搬送車10の数は、充電器61の数よりも多ければよく、適宜変更してもよい。
【0076】
○各実施形態において、充電場P2に設けられる充電器61の数は、無人搬送車10の数よりも少なければよく、2つ以上であってもよい。充電器61が複数設けられる場合、各無人搬送車10がいずれの充電器61により充電を行うかは管制塔51による指令によって定められてもよいし、予め定められていてもよい。管制塔51は、充電器61毎に、当該充電器61により二次電池11の充電を行う無人搬送車10を把握する。管制塔51は、充電器61に接続された無人搬送車10に対して、充電器61毎に、当該充電器61に最も早く到達する無人搬送車10の到達予想時間=最短到達時間を認識できる情報を送信する。
【0077】
○各実施形態において充電器61としては、二次電池11に対して非接触で充電を行うものであってもよい。この場合、充電電流の指令値は、充電器61に対して無線信号によって指示を行う無線装置によって行われてもよい。
【0078】
○各実施形態において、無人搬送システムTSは、管制塔51からの指令に従って荷の搬送を行う領域であれば、コンテナターミナルT以外で用いられてもよい。
○各実施形態において、無人搬送車10は、第1無線機41による通信を行うための通信ECUを備えていてもよい。即ち、走行に関する制御を行うECUと、通信に関する制御を行うためのECUを別々に設けてもよい。また、各実施形態において、無人搬送車10は、充電器61に関する制御を行うための充電ECUを備えていてもよい。即ち、走行に関する制御を行うECUと、充電に関する制御を行うためのECUとを別々に設けてもよい。
【0079】
○各実施形態において、二次電池11の充電状態は、二次電池11の残容量であってもよい。二次電池11の残容量は、二次電池11の満充電容量に二次電池11の充電率を乗算することで推定できる。また、二次電池11の充電状態は、二次電池11の端子間電圧であってもよい。二次電池11の充電率と二次電池11の端子間電圧には相間関係があるため、二次電池11の端子間電圧は二次電池11の充電状態と捉えることができる。
【0080】
○各実施形態において、指令部、走行制御部、送信制御部、最短到達時間取得部、消費電力量算出部、到達予想時間算出部、及び温度送信制御部は、それぞれ、個別の制御装置の機能として設けられていてもよい。
【0081】
○第1実施形態において、無人搬送車10は温度検出部14を備えていなくてもよい。
○第2実施形態において、最短到達時間送信制御部、充電順序決定部、及び順序送信制御部は、それぞれ個別の制御装置の機能として設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0082】
P2…充電場、R1,R2,R3…走行経路、T…領域としてのコンテナターミナル、TS…無人搬送システム、10…無人搬送車、11…二次電池、14…温度検出部、16…走行用モータ、21…充電状態推定部として機能する電池ECU、31…指令部、走行制御部、送信制御部、最短到達時間取得部、消費電力量算出部、到達予想時間算出部、温度送信制御部として機能する車両ECU、41…受信部及び送信部として機能する第1無線機、51…上位システムとしての管制塔、52…最短到達時間送信制御部、充電順序決定部、及び順序送信制御部として機能する制御部、55…指令送信部及び情報受信部として機能する第2無線機、61…充電器。