(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230208BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230208BHJP
H01L 21/673 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B65G1/04
B65G1/00 541
H01L21/68 T
(21)【出願番号】P 2020084500
(22)【出願日】2020-05-13
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 秀郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬邉 高弘
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-189441(JP,A)
【文献】特開2000-340631(JP,A)
【文献】特開2001-274218(JP,A)
【文献】特開2019-112161(JP,A)
【文献】特開2018-052659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
H01L 21/673-21/677
B65G 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する物品搬送装置であって、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された移載対象部との間で前記物品を移載する移載装置と、を備え、
搬送の対象となる前記物品には、第1対象物品と、前記第1対象物品とは異なる形状の第2対象物品と、が含まれ、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、前記第1対象物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記移載対象部の側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、前記第1対象物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記移載対象部の側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置され、
前記上側支持部と前記下側支持部との上下方向の間に、前記第2対象物品を支持する中間支持部が配置され、
前記中間支持部は、前記上側支持部と一体的に出退するように連結され、又は、前記下側支持部と一体的に出退するように連結されている、物品搬送装置。
【請求項2】
前記中間支持部は、前記上側支持部と一体的に出退するように連結されていると共に、前記上側支持部よりも下方であって前記下側移載部における前記下側支持部と一体的に出退する部分の全体よりも上方に配置されている、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記移載対象部に、前記第1対象物品が載置される第1載置部が設けられ、
前記第1載置部には、前記上側支持部が上下方向に通過可能な切欠き部が形成され、
前記第1載置部の下方に、前記上側支持部と前記中間支持部との双方が挿入可能な空間が設けられている、請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記第1対象物品は、底部に設けられた第1被支持部が支持されることによって全体が前記上側支持部又は前記下側支持部よりも上方に位置する状態で支持され、
前記第2対象物品は、上部に設けられた第2被支持部が支持されることによって前記中間支持部よりも下方に位置する部分を有する状態で支持される、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記上側支持部及び前記下側支持部のそれぞれは、その上面から上方に突出する係合凸部を備え、
前記中間支持部は、前記中間支持部が出退する出退方向に沿って延在する一対の延在部を備え、
前記第1対象物品は、第1本体部と、前記第1本体部の底面から上方に向けて凹むと共に前記係合凸部が係合可能な被係合凹部を備え、
前記第2対象物品は、第2本体部と、前記第2本体部よりも上方に配置されていると共に前記出退方向に沿うように形成され、一対の前記延在部によって係止されるフランジ部と、を備え、
前記被係合凹部が、前記第1被支持部であり、
前記フランジ部が、前記第2被支持部である、請求項4に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記移載対象部に、それぞれ前記第1対象物品が載置される一対の第1載置部が設けられ、
一対の前記第1載置部が、平面視で重複すると共に、上下方向に離間して配置され、
前記上側支持部と前記下側支持部との上下方向の離間距離が、一対の前記第1載置部の上下方向の離間距離と同等である、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2018-052659号公報(特許文献1)には、上下方向に沿う搬送経路に沿って物品を搬送する物品搬送装置が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された物品搬送装置(2)は、同文献の
図4に示すように、上下方向に沿って配置された案内レール(14)に沿って昇降する昇降ユニット(21)と、上下方向に分かれて配置された一対の移載部(31A,31B)と、を備えている。一対の移載部(31A,31B)のそれぞれは、案内レール(14)に対して水平方向に離間して配置された複数の移載対象部(R)との間で物品(A)を移載するように構成されている。そして、一対の移載部(31A,31B)のそれぞれは、物品(A)を支持可能な支持部(35)を備えており、この支持部(35)を移載対象部(R)の側に出退させることによって、移載対象部(R)との間で物品(A)の移載を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、物品搬送装置(2)は、2つの物品(A)を同時に搬送することができる構成となっているが、これら2つの物品(A)は、同じ形状のものである。しかし、物品搬送装置の用途によっては、互いに異なる形状の第1対象物品と第2対象物品とを搬送したい場合がある。このような場合に、例えば、上記の物品搬送装置(2)における一対の移載部(31A,31B)のうち、一方を第1対象物品の搬送用とし、他方を第2対象物品の搬送用とすることで、これら2種類の物品の搬送を行うことが可能となる。但し、第1対象物品と第2対象物品とで搬送する頻度に偏りがある場合も想定される。例えば、第1対象物品の搬送数が第2対象物品の搬送数よりも多い場合、第1対象物品を2個同時に搬送することができず、第1対象物品の搬送用の移載部のみが物品を搬送し第2対象物品の搬送用の移載部は空の状態となることが多くなる等、物品搬送装置としての搬送効率が低下することになる。また例えば、第1対象物品の搬送数が第2対象物品の搬送数よりも多い場合に、第1対象物品の搬送用の2つの移載部と第2対象物品の搬送用の1つの移載部とを備えた構成とすることも考えられる。しかし、この場合、合計で3つの移載部を備えることになるため、案内レールに沿って昇降する昇降ユニットの大型化を招くことになる。
【0006】
上記実状に鑑みて、第1対象物品と第2対象物品との双方を搬送可能としつつ、第1対象物品の搬送数が第2対象物品の搬送数よりも多い場合に物品搬送装置の搬送効率が低下をすることを抑制でき、且つ、昇降ユニットの大型化も抑制することができる物品搬送装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
物品を搬送する物品搬送装置であって、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された移載対象部との間で前記物品を移載する移載装置と、を備え、
搬送の対象となる前記物品には、第1対象物品と、前記第1対象物品とは異なる形状の第2対象物品と、が含まれ、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、前記第1対象物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記移載対象部の側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、前記第1対象物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記移載対象部の側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置され、
前記上側支持部と前記下側支持部との上下方向の間に、前記第2対象物品を支持する中間支持部が配置され、
前記中間支持部は、前記上側支持部と一体的に出退するように連結され、又は、前記下側支持部と一体的に出退するように連結されている。
【0008】
本構成によれば、第1対象物品を支持する上側支持部及び下側支持部に加えて、第2対象物品を支持する中間支持部を備えているため、第1対象物品と第2対象物品との2種類の物品を搬送することができる。また、上側移載部と下側移載部との双方に第1対象物品を支持する支持部が備えられており、第2対象物品を支持する中間支持部を設けたことによっても第1対象物品を支持する支持部の数が減少していないため、第1対象物品を2個同時に搬送することが可能となっている。そのため、第1対象物品の搬送数が第2対象物品の搬送数よりも多い場合でも、物品搬送装置の搬送効率が低下をすることを抑制できる。更に、中間支持部は、上側支持部又は下側支持部と一体的に出退するように連結されているため、中間支持部の専用の移載部或いは出退駆動部を備える必要がない。従って、昇降ユニットの大型化を抑制することができる。
【0009】
また、本構成によれば、上側支持部を出退させるための上側出退駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を出退させるための下側出退駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されている。そのため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に出退駆動部が配置されないようにすることができ、これにより生じたスペースを利用して、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に、第2対象物品を支持するための中間支持部を配置することができる。そのため、中間支持部を設けたことによる昇降ユニットの大型化を最小限に抑えることができる。以上のように、本構成によれば、第1対象物品と第2対象物品との双方を搬送可能としつつ、第1対象物品の搬送数が第2対象物品の搬送数よりも多い場合に物品搬送装置の搬送効率が低下をすることを抑制でき、且つ、昇降ユニットの大型化も抑制することができる物品搬送装置が実現される。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】物品搬送装置が設置された物品搬送設備の概略斜視図
【
図3】上側移載部が第1対象物品を支持している状態を示す側面図
【
図4】上側移載部が第2対象物品を支持している状態を示す側面図
【
図5】第1載置部に対して第1対象物品を移載する様子を示す平面図
【
図6】第1対象物品が上側支持部又は下側支持部に支持された状態を示す側面図
【
図7】第2対象物品が中間支持部に支持された状態を示す側面図
【
図8】第2対象物品が中間支持部に支持された状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
物品搬送装置は、物品を搬送する装置であって、例えば、原材料、中間製品、或いは完成品等の搬送や保管を行う物品搬送設備に適用される。以下では、物品搬送装置が、クリーン環境下において原材料の処理等を行うクリーンルームに設置される物品搬送設備に適用される場合を例示して、物品搬送装置の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、物品搬送設備Fは、複数階の間で物品4を搬送する階間搬送装置1と、各階において天井近くを走行して物品4を搬送する天井搬送装置6と、各階の床面上を走行して物品4を搬送する床面搬送装置7と、各階に設置されて階間搬送装置1に物品4を搬入し又は階間搬送装置1から物品4を搬出する入出搬送装置8と、を備えている。本実施形態では、階間搬送装置1が、「物品搬送装置」に相当する。
【0014】
搬送の対象となる物品4には、第1対象物品41と、第1対象物品41とは異なる形状の第2対象物品42と、が含まれる。階間搬送装置1(及びその他の搬送装置6~8)による第1対象物品41の搬送頻度は、第2対象物品42の搬送頻度よりも高い。本実施形態では、第1対象物品41は、半導体基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)とされる。そして、第2対象物品42は、レチクル(フォトマスク)を収容するレチクルポッドとされる。以下、第1対象物品41と第2対象物品42とを特に区別しない場合には、これらを「物品4」と総称する。
【0015】
階間搬送装置1は、各階の床面を上下方向Vに貫通する状態で複数階に亘って設けられた筒状の区画体9の内部に設けられている。天井搬送装置6及び床面搬送装置7は、区画体9の外部に設けられている。本実施形態では、
図2に示すように、入出搬送装置8は、第1対象物品41を搬送する第1入出搬送装置81と、第2対象物品42を搬送する第2入出搬送装置82と、を備えている。第1入出搬送装置81と第2入出搬送装置82とのそれぞれは、区画体9を水平方向に貫通する状態で、区画体9の内部と外部とに亘って設けられている。第1入出搬送装置81は、区画体9の外部に位置する側の端部である第1外側受渡部811において、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等との間で第1対象物品41の受け渡しを行い、区画体9の内部に位置する側の端部である第1内側受渡部812において、階間搬送装置1との間で第1対象物品41の受け渡しを行う。また、第2入出搬送装置82は、区画体9の外部に位置する側の端部である第2外側受渡部821において、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等との間で第2対象物品42の受け渡しを行い、区画体9の内部に位置する側の端部である第2内側受渡部822において、階間搬送装置1との間で第2対象物品42の受け渡しを行う。第1入出搬送装置81及び第2入出搬送装置82は、例えばベルトコンベヤやローラコンベヤ等のコンベヤを用いて構成される。本例では、第1入出搬送装置81は、一対の搬送ベルト810a(
図2参照)を備えたベルトコンベヤとして構成されている。図示は省略するが、第2入出搬送装置82についても同様の構成とすることができる。以下では、第1入出搬送装置81と第2入出搬送装置82とを特に区別しない場合には、これらを「入出搬送装置8」と総称する。
【0016】
図2~
図4に示すように、区画体9の内部には、物品4を保持する保持部90が複数設けられている。複数の保持部90は、上下方向Vに分かれて配置されている。これに加えて、本実施形態では、複数の保持部90は、階間搬送装置1に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置されている(
図2参照)。
【0017】
保持部90は、物品4のうち第1対象物品41を保持するように構成されており、搬送途中で第1対象物品41を仮置きしておくためのいわゆるバッファとして機能する。本実施形態では、保持部90は、第1対象物品41を下方から支持する支持部材91を備えており、支持部材91により第1対象物品41を下方から支持するように構成されている。また、支持部材91は、平面視でU字状に形成されており、水平方向に沿って配置されている。また、支持部材91は、U字状を成す支持部材91の各先端部及び開口部が階間搬送装置1側を向くように設けられている。階間搬送装置1は、このような構成の保持部90との間で第1対象物品41を移載可能に構成されている。
【0018】
図1に示すように、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等により、第1入出搬送装置81の第1外側受渡部811に第1対象物品41(本例ではFOUP)が載せられると、当該第1対象物品41は、第1入出搬送装置81によって区画体9の内部の第1内側受渡部812に搬送される。その後、第1対象物品41は、階間搬送装置1によって第1内側受渡部812から他の階にある第1入出搬送装置81の第1内側受渡部812に搬送される。第1内側受渡部812に搬送された第1対象物品41は、第1入出搬送装置81によって第1外側受渡部811に搬送され、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等によって次の工程が行われる場所へ搬送される。また、このような搬送の途中において、第1対象物品41が保持部90に仮置きされる場合には、階間搬送装置1は、空きの保持部90へ第1対象物品41を搬送する。その後、階間搬送装置1は、保持部90に仮置きされた第1対象物品41を、いずれかの階にある第1入出搬送装置81の第1内側受渡部812に搬送する。
【0019】
また、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等により、第2入出搬送装置82の第2外側受渡部821に第2対象物品42(本例ではレチクルポッド)が載せられると、当該第2対象物品42は、第2入出搬送装置82によって区画体9の内部の第2内側受渡部822に搬送される。その後、第2対象物品42は、階間搬送装置1によって第2内側受渡部822から他の階にある第2入出搬送装置82の第2内側受渡部822に搬送される。第2内側受渡部822に搬送された第2対象物品42は、第2入出搬送装置82によって第2外側受渡部821に搬送され、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等によって、次の工程が行われる場所へ搬送される。
【0020】
次に、階間搬送装置1(物品搬送装置)の構成について詳細に説明する。
【0021】
図2~
図4に示すように、階間搬送装置1は、上下方向Vに沿う搬送経路Rに沿って設置された案内レール10と、案内レール10に沿って昇降する昇降ユニット20と、昇降ユニット20に支持されると共に、案内レール10に対して水平方向に離間して配置された移載対象部Tとの間で物品4を移載する移載装置30と、を備えている。
【0022】
本実施形態では、保持部90、第1入出搬送装置81の第1内側受渡部812、及び、第2入出搬送装置82の第2内側受渡部822が、移載対象部Tとされる。また、移載対象部Tには、第1対象物品41が載置される第1載置部T1と、第2対象物品42が載置される第2載置部T2と、が含まれる。本実施形態では、保持部90及び第1内側受渡部812に、第1対象物品41が載置される第1載置部T1が設けられ、第2内側受渡部822に、第2対象物品42が載置される第2載置部T2が設けられている。
図3に示すように、本実施形態では、第1入出搬送装置81は、それぞれが第1対象物品41を搬送する上下2段の一対の搬送部810を備えている。従って、第1内側受渡部812に対応する移載対象部Tには、それぞれ第1対象物品41が載置される上下2段の一対の第1載置部T1が設けられている。そして、これら一対の第1載置部T1が、平面視で重複すると共に、上下方向Vに離間して配置されている。移載装置30は、後述する上側移載部31と下側移載部32とによって、上記一対の第1載置部T1に対して同時に或いは異なるタイミングであっても期間を互いに重複させて移載することが可能となっている。なお、
図2及び
図3では、移載装置30が、移載対象部Tとしての第1内側受渡部812との間で第1対象物品41の移載を行っている様子を示している。
【0023】
案内レール10は、上下方向Vに沿って複数階に亘って配置されている。移載装置30を支持する昇降ユニット20は、このような案内レール10に沿って昇降可能となっている。これにより、階間搬送装置1は、複数階に亘って物品4を搬送することが可能となっている。
【0024】
本実施形態では、昇降ユニット20は、案内レール10に支持された本体部20aを備えている。本体部20aは、案内レール10の上下それぞれの両端部に設けられている一対のプーリ(図示せず)に巻回されたベルト20bに連結されている。昇降ユニット20は、昇降モータ(図示せず)により一方のプーリを駆動して従動的にベルト20bを駆動することで、本体部20aを案内レール10に沿って昇降させることが可能となっている。
【0025】
本実施形態では、昇降ユニット20は、移載装置30を支持する連結部Lを備えている。本例では、連結部Lは、本体部20aと移載装置30とを連結している。図示の例では、連結部Lは、上側連結部21Lと、上側連結部21Lよりも下方に設けられた下側連結部22Lと、を備えている。
【0026】
移載装置30は、昇降ユニット20に支持された上側移載部31、及び、上側移載部31の下側に配置され、上側移載部31と同一の昇降ユニット20に支持された下側移載部32と、を備えている。本実施形態では、上側移載部31は、上側連結部21Lによって本体部20aに連結されることで、昇降ユニット20に支持されている。そして、下側移載部32は、下側連結部22Lによって本体部20aに連結されることで、昇降ユニット20に支持されている。
【0027】
上側移載部31は、第1対象物品41を支持する上側支持部31Sと、上側支持部31Sを基準位置P1と基準位置P1よりも移載対象部Tの側に突出させた突出位置P2との間で出退させる上側出退駆動部31Aと、を備えている。本実施形態では、上側移載部31は、上側支持部31Sを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる上側旋回駆動部31Bを更に備えている。また本例では、上側移載部31は、更に、第1対象物品41を移載する際に上側支持部31Sを上下方向Vに駆動する上側移載駆動部31Smを備えている。
【0028】
本実施形態では、上側支持部31Sは、上側出退駆動部31Aに支持されており、より詳細には、上側出退駆動部31Aによって上方から支持されている。本例では、上側支持部31Sは、上側移載駆動部31Smを介して上側出退駆動部31Aに支持されている。また、上側支持部31Sは、上側移載駆動部31Smから水平方向に突出すると共に、下方から第1対象物品41を支持する板状部材により構成されている。そして、上側支持部31Sは、上側移載駆動部31Smにより駆動されて上下方向Vに移動することにより、第1載置部T1(移載対象部T)に載置された第1対象物品41を受け取り、或いは、自らが支持している第1対象物品41を第1載置部T1(移載対象部T)に引き渡す。具体的には、
図5に示すように、第1載置部T1には、上側支持部31Sが上下方向Vに通過可能な切欠き部T1aが形成されており、上側支持部31Sは、この切欠き部T1aを上下方向Vに通過することで、第1載置部T1との間で第1対象物品41の受け渡しを行う。また、第1載置部T1の切欠き部T1aは、後述する下側支持部32Sも上下方向Vに通過可能となっており、下側支持部32Sについても同様に、この切欠き部T1aを上下方向Vに通過することで、第1載置部T1との間で第1対象物品41の受け渡しを行う。なお、
図5では、第1内側受渡部812の第1載置部T1を例示しているが、保持部90に設けられた第1載置部T1(移載対象部T)においても、上側支持部31S及び下側支持部32Sは、U字状を成す支持部材91の開口部を上下方向Vに通過することで、保持部90との間で第1対象物品41の受け渡しを行う。
【0029】
本実施形態では、上側移載駆動部31Smは、上側支持部31Sを上下方向Vに駆動するための各種機構や駆動源となるモータ等を備えており、図示の例では、これらがケース部材に収容されている。
【0030】
本実施形態では、上側移載部31は、上側支持部31Sによって第1対象物品41を支持した状態で、当該第1対象物品41が上側支持部31Sから脱落することを規制する上側規制体31Rを備えている。上側規制体31Rは、上側支持部31Sが第1対象物品41を支持した状態で、当該第1対象物品41に対して上方に配置される。本例では、上側規制体31Rは、上側移載駆動部31Smの上部から水平方向に、より詳細には上側支持部31Sと同じ方向に突出するように形成されている。上側支持部31Sが上側移載駆動部31Smに駆動されて上下動する際には、上側規制体31Rも共に上下動する。すなわち、上側支持部31Sと上側規制体31Rとは、上下方向Vの位置関係が固定されており、上側支持部31Sと上側規制体31Rとの上下方向Vの離間距離は常に一定となっている。上側支持部31Sと上側規制体31Rとの上下方向Vの離間距離は、第1対象物品41の上下方向Vの寸法よりも長く設定されている。
【0031】
本実施形態では、上側出退駆動部31Aは、上側旋回駆動部31Bに支持されており、より詳細には、上側旋回駆動部31Bによって上方から支持されている。
【0032】
本実施形態では、上側出退駆動部31Aは、水平多関節アーム(いわゆるSCARA;Selective Compliance Assembly Robot Arm)を用いて構成されている。具体的には、上側出退駆動部31Aは、複数のリンクを有する上側リンク機構31Aaと、上側リンク機構31Aaを駆動する上側出退モータ(図示せず)と、を備えている。そして、上側リンク機構31Aaは、上側出退モータにより駆動されて、各リンクが鉛直軸周りに旋回することで、水平方向に伸縮動作するように構成されている。上側リンク機構31Aaは、その基端部において上側旋回駆動部31Bに連結されていると共に、その先端部において上側支持部31Sに連結されている。これにより、上側リンク機構31Aaは、上側出退モータにより駆動されて伸縮動作することにより、基準位置P1と突出位置P2との間で、上側支持部31Sを水平方向に出退させるように構成されている。
【0033】
本実施形態では、上側旋回駆動部31Bは、上側連結部21Lを介して昇降ユニット20に支持されている。図示の例では、上側旋回駆動部31Bは、上側連結部21Lに設けられた上側ケース部31Cの内部に収容されている。
【0034】
本実施形態では、上側旋回駆動部31Bは、上側旋回台31Baと、上側旋回台31Baを駆動する上側旋回モータ(図示せず)と、を備えている。そして、上側旋回台31Baは、上側旋回モータにより駆動されて旋回動作するように構成されている。上側旋回台31Baは、上側旋回モータにより駆動されて旋回動作することにより、上側出退駆動部31Aとこれに支持された上側支持部31Sとを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる。これにより、上側出退駆動部31Aに駆動されて出退する上側支持部31Sの出退方向を変更可能となっており、ひいては、上側移載部31(移載装置30)に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の移載対象部Tとの間で第1対象物品41を移載可能となっている。
【0035】
下側移載部32は、第1対象物品41を支持する下側支持部32Sと、下側支持部32Sを基準位置P1と基準位置P1よりも移載対象部Tの側に突出させた突出位置P2との間で出退させる下側出退駆動部32Aと、を備えている。本実施形態では、下側移載部32は、下側支持部32Sを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる下側旋回駆動部32Bを更に備えている。また本例では、下側移載部32は、更に、第1対象物品41を移載する際に下側支持部32Sを上下方向Vに駆動する下側移載駆動部32Smを備えている。
【0036】
本実施形態では、下側支持部32Sは、下側出退駆動部32Aに支持されており、より詳細には、下側出退駆動部32Aによって下方から支持されている。本例では、下側支持部32Sは、下側移載駆動部32Smを介して、下側出退駆動部32Aに支持されている。また、下側支持部32Sは、下側移載駆動部32Smから水平方向に突出すると共に、下方から第1対象物品41を支持する板状部材により構成されている。そして、下側支持部32Sは、下側移載駆動部32Smにより駆動されて上下方向Vに移動することにより、第1載置部T1(移載対象部T)に載置された第1対象物品41を受け取り、或いは、自らが支持している第1対象物品41を第1載置部T1(移載対象部T)に引き渡す。なお、上述のように、下側支持部32Sは、保持部90との間でも第1対象物品41の受け渡しを行う。
【0037】
本実施形態では、下側移載駆動部32Smは、下側支持部32Sを上下方向Vに駆動するための各種機構や駆動源となるモータ等を備えており、図示の例では、これらがケース部材に収容されている。
【0038】
本実施形態では、下側移載部32は、下側支持部32Sによって第1対象物品41を支持した状態で、当該第1対象物品41が下側支持部32Sから脱落することを規制する下側規制体32Rを備えている。下側規制体32Rは、下側支持部32Sが第1対象物品41を支持した状態で、当該第1対象物品41に対して上方に配置される。本例では、下側規制体32Rは、下側移載駆動部32Smの上部から水平方向に、より詳細には下側支持部32Sと同じ方向に突出するように形成されている。下側支持部32Sが下側移載駆動部32Smに駆動されて上下動する際には、下側規制体32Rも共に上下動する。すなわち、下側支持部32Sbと下側規制体32Rとは、上下方向Vの位置関係が固定されており、下側支持部32Sと下側規制体32Rとの上下方向Vの離間距離は常に一定となっている。下側支持部32Sと下側規制体32Rとの上下方向Vの離間距離は、第1対象物品41の上下方向Vの寸法よりも長く設定されている。
【0039】
本実施形態では、下側出退駆動部32Aは、下側旋回駆動部32Bに支持されており、より詳細には、下側旋回駆動部32Bによって下方から支持されている。
【0040】
本実施形態では、下側出退駆動部32Aは、水平多関節アームを用いて構成されている。具体的には、下側出退駆動部32Aは、複数のリンクを有する下側リンク機構32Aaと、下側リンク機構32Aaを駆動する下側出退モータ(図示せず)と、を備えている。そして、下側リンク機構32Aaは、下側出退モータにより駆動されて、各リンクが鉛直軸周りに旋回することで、水平方向に伸縮動作するように構成されている。下側リンク機構32Aaは、その基端部において下側旋回駆動部32Bに連結されていると共に、その先端部において下側支持部32Sに連結されている。これにより、下側リンク機構32Aaは、下側出退モータにより駆動されて伸縮動作することにより、基準位置P1と突出位置P2との間で、下側支持部32Sを水平方向に出退させるように構成されている。
【0041】
本実施形態では、下側旋回駆動部32Bは、下側連結部22Lを介して昇降ユニット20に支持されている。図示の例では、下側旋回駆動部32Bは、下側連結部22Lに設けられた下側ケース部32Cの内部に収容されている。
【0042】
本実施形態では、下側旋回駆動部32Bは、下側旋回台32Baと、下側旋回台32Baを駆動する下側旋回モータ(図示せず)と、を備えている。そして、下側旋回台32Baは、下側旋回モータにより駆動されて旋回動作するように構成されている。下側旋回台32Baは、下側旋回モータにより駆動されて旋回動作することにより、下側出退駆動部32Aとこれに支持された下側支持部32Sとを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる。これにより、下側出退駆動部32Aに駆動されて出退する下側支持部32Sの出退方向を変更可能となっており、ひいては、下側移載部32(移載装置30)に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の移載対象部Tとの間で第1対象物品41を移載可能となっている。
【0043】
このように、上側支持部31Sと下側支持部32Sとは、同一の昇降ユニット20により支持されると共に、それぞれ別の駆動部により駆動されて水平方向に出退するように構成されている。本実施形態では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの離間距離は、第1内側受渡部812(移載対象部T)に設けられた上下一対の第1載置部T1の上下方向Vの離間距離と同等となっている。すなわち、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの離間距離が、一対の第1載置部T1の上下方向Vの離間距離と同等となっている。これにより、移載装置30は、それぞれ別々に駆動される上側支持部31Sと下側支持部32Sとを用いて、一対の第1載置部T1に対して同時に第1対象物品41を移載可能となっている。なお、詳細な図示は省略するが、本例では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの離間距離は、上下方向Vに並んで配置される一対の保持部90の上下方向Vの離間距離とも同等とされている。従って、移載装置30は、上下方向Vに並んで配置される一対の保持部90に対しても、同時に或いは異なるタイミングであっても期間を互いに重複させて第1対象物品41を移載可能となっている。
【0044】
以上のように、この階間搬送装置1では、上側出退駆動部31Aが上側支持部31Sよりも上方に配置されると共に、下側出退駆動部32Aが下側支持部32Sよりも下方に配置されている。そして、
図4に示すように、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間に、第2対象物品42を支持する中間支持部33Sが配置されている。すなわち、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間に、上側出退駆動部31A及び下側出退駆動部32Aの双方が配置されておらず、これにより生じているスペースに、第2対象物品42を支持するための中間支持部33Sを配置している。そのため、中間支持部33Sを設けたことによる昇降ユニット20の大型化を最小限に抑えつつ、中間支持部33Sを用いて、第2対象物品42の搬送、及び、第2内側受渡部822に設けられた第2載置部T2(
図2参照)に対する第2対象物品42の移載が可能となっている。本実施形態では、中間支持部33Sは、上側支持部31Sと一体的に出退するように連結されている。すなわち、中間支持部33Sは、上側支持部31Sを出退駆動するための上側出退駆動部31Aによって、上側支持部31Sと共に水平方向に出退するように構成されている。これにより、中間支持部33Sの専用の移載部或いは出退駆動部を備える必要がなく、昇降ユニット20の大型化を抑制することができている。
【0045】
図3及び
図4に示すように、中間支持部33Sは、上側支持部31Sよりも下方であって下側移載部32における下側支持部32Sと一体的に出退する部分の全体よりも上方に配置されている。図示の例では、下側規制体32Rが、下側移載部32における下側支持部32Sと一体的に出退する部分の上端部分となっており、中間支持部33Sは、この下側規制体32Rよりも上方に配置されている。すなわち本例では、中間支持部33Sは、上側支持部31Sと下側規制体32Rとの上下方向Vの間に配置されている。
【0046】
ここで、上述のように、第1内側受渡部812の第1載置部T1(移載対象部T)には切欠き部T1aが形成されており(
図5参照)、上側支持部31Sは、この切欠き部T1aを上下方向Vに通過することで、第1載置部T1との間で第1対象物品41の受け渡しを行う。上側支持部31Sが第1載置部T1から第1対象物品41を受け取る場合、又は、第1載置部T1へ第1対象物品41を引き渡す場合のいずれにおいても、上側支持部31Sは、切欠き部T1aを上下方向Vに通過する途中で一時的に第1載置部T1よりも下方に配置されることになる。上述のように、上側支持部31Sの下方には中間支持部33Sが設けられているため、第1載置部T1よりも下方において中間支持部33Sが他の部材や装置と干渉しないようにする必要がある。本実施形態では、第1載置部T1の下方には、上側支持部31Sと中間支持部33Sとの双方が挿入可能な空間Sが設けられている。このため、上側支持部31Sの下方に中間支持部33Sが設けられていても、上側支持部31Sが切欠き部T1aを上下方向Vに通過する途中において、第1載置部T1よりも下方において中間支持部33Sが他の部材や装置と干渉しないようにすることができる。
【0047】
本実施形態では、第1入出搬送装置81が備える一対の搬送部810のそれぞれはベルトコンベヤにより構成されている。搬送部810の延在方向に対して平面視で直交する方向を幅方向として、幅方向に離間して一対の搬送ベルト810aが配置されている(
図5参照)。この一対の搬送ベルト810aが、第1対象物品41が載置される第1載置部T1であり、一対の搬送ベルト810aにおける幅方向の間の部分が、切欠き部T1aとなっている。
図3及び
図4に示すように、一対の搬送ベルト810aは、ケース状に形成された搬送ケース部810bに支持されている。搬送ケース部810bには、搬送部810を駆動する搬送駆動部810mや当該搬送駆動部810mを制御する搬送制御装置810cが収容されている。本実施形態では、上側支持部31Sと中間支持部33Sとの双方が挿入可能な空間Sは、搬送ケース部810bにおける、第1載置部T1としての搬送ベルト810aと搬送駆動部810mとの上下方向Vの間に形成されている。従って、第1載置部T1としての搬送ベルト810aの上面と搬送駆動部810mの上面との上下方向Vの離間距離は、上側支持部31Sが移載動作中における下降位置にある状態での搬送ベルト810aの上面と中間支持部33Sの下面との上下方向Vの離間距離よりも大きく設定されている。これにより、切欠き部T1aを上下方向Vに通過するように上側支持部31Sを移動させて、第1載置部T1に対して第1対象物品41の移載を行う場合に、上側支持部31Sと共に移動する中間支持部33Sが、第1載置部T1よりも下方において搬送駆動部810mに干渉しないようにすることができる。すなわち、中間支持部33Sが、第1対象物品41を移載する場合の移載動作の妨げとならないようにできる。
【0048】
次に、各支持部(31S,32S,33S)による物品4の支持構造について説明する。なお、以下において「出退方向X」とは、各支持部(31S,32S,33S)それぞれが出退する方向を指す。また、「幅方向Y」とは、出退方向Xに対して平面視で直交する方向を指す。
【0049】
まず、上側支持部31S及び下側支持部32Sによる第1対象物品41の支持構造について説明する。本実施形態では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとは、互いに同じ構造となっており、いずれも第1対象物品41(本例ではFOUP)を支持対象としている。
図6に示すように、上側支持部31S及び下側支持部32Sのそれぞれは、水平方向に沿う板状部材により構成され、第1対象物品41を下方から支持するように構成されている。
図5に示すように、上側支持部31S及び下側支持部32Sのそれぞれの幅方向Yの寸法は、第1対象物品41の幅方向Yの寸法よりも小さくなっている。そのため、第1対象物品41は、上側支持部31S又は下側支持部32Sに支持された状態で幅方向Yの両側に張り出すようになっている。一方、第1内側受渡部812において第1載置部T1を構成する一対の搬送ベルト810aは、幅方向Yにおける互いの離間距離が、上側支持部31S及び下側支持部32Sのそれぞれの幅方向Yの寸法よりも大きく、且つ、第1対象物品41の幅方向Yの寸法よりも小さくなるように配置されている。これにより、第1載置部T1としての一対の搬送ベルト810aは、幅方向Yにおける互いの間に上側支持部31S及び下側支持部32Sのそれぞれが上下方向Vに通過可能な切欠き部T1aを形成しつつ、第1対象物品41を下方から支持可能に構成されている。
【0050】
図5及び
図6に示すように、本実施形態では、上側支持部31S及び下側支持部32Sのそれぞれは、その上面から上方に突出する係合凸部31Sa,32Saを備えている。
図5に示す例では、3つの係合凸部31Sa,32Saが、上側支持部31S及び下側支持部32Sのそれぞれにおける上面に形成されている。3つの係合凸部31Sa,32Saは、平面視において、互いを結ぶ線が三角形を成すように配置されており、それぞれが当該三角形の頂点に位置するように配置されている。上側支持部31S及び下側支持部32Sのそれぞれは、係合凸部31Sa,32Saによって第1対象物品41を支持するように構成されている。そして本例では、係合凸部31Sa,32Saは、第1対象物品41を支持した状態において、当該第1対象物品41を水平方向に位置決めする機能を有している。
【0051】
上側支持部31S及び下側支持部32Sによる支持の対象となる第1対象物品41は、底部に設けられた第1被支持部411が支持されることによって全体が上側支持部31S又は下側支持部32Sよりも上方に位置する状態で支持される。より具体的には、第1対象物品41は、上側支持部31Sの大部分を構成する板状部材の上面、又は、下側支持部32Sの大部分を構成する板状部材の上面よりも上方に位置する状態で支持される。本実施形態では、第1対象物品41は、第1本体部410と、第1本体部410の底面から上方に向けて凹むと共に係合凸部31Sa,32Saが係合可能な被係合凹部411aを備えている。上述のように本例では、第1対象物品41は、FOUPとして構成されており、第1本体部410によって半導体基板を収容する。また、第1対象物品41は、第1本体部410よりも上方に配置されていると共に前記出退方向に沿うように形成されたフランジ状の被把持部412を備えている。例えば、第1対象物品41は、物品搬送設備F内において天井搬送装置6(
図1参照)によって搬送される際には、当該天井搬送装置6によって被把持部412が把持された状態で搬送される。本実施形態では、3つの被係合凹部411aが、第1本体部410の底面に形成されている。そして、3つの被係合凹部411aが、上側支持部31S又は下側支持部32Sにおける3つの係合凸部31Sa,32Saに係合されることで、第1対象物品41が上側支持部31S又は下側支持部32Sに支持された状態となる。すなわち本実施形態では、被係合凹部411aが、上側支持部31S又は下側支持部32Sに支持される第1被支持部411とされている。
【0052】
次に、
図7~
図9を参照して、中間支持部33Sによる第2対象物品42の支持構造について説明する。中間支持部33Sは、第2対象物品42(本例ではレチクルポッド)を支持対象としている。中間支持部33Sは、第2対象物品42の上部を支持するように構成されている。
【0053】
本実施形態では、中間支持部33Sは、中間支持部33Sが出退する出退方向Xに沿って延在する一対の延在部33aと、出退方向Xの基端側において一対の延在部33aを連結する連結基部33bと、を備えている。
図9に示すように、中間支持部33Sには、出退方向Xの先端側及び上下方向Vに開口する開口部33cが形成されている。開口部33cにおける幅方向Yの両側に、一対の延在部33aが配置されている。本実施形態では、一対の延在部33aのそれぞれにおける幅方向Yの内側(開口部33c側)には、第2対象物品42に設けられた第2被支持部421を下方から支持する支持面33dと、支持面33dと延在部33aとを連結すると共に、幅方向Yの外側に向かうに従って上方に傾斜する傾斜面33eと、が設けられている。
図8に示すように、本例では、傾斜面33eは、支持面33dに支持された状態の第2対象物品42の第2被支持部421(フランジ部421a)を囲むように形成されている。すなわち、傾斜面33eは、第2対象物品42の第2被支持部421に対して幅方向Yの両外側に加えて、当該第2被支持部421の幅方向Yの両側縁部における出退方向Xの両外側にも設けられている。これにより、傾斜面33eは、第2対象物品42の第2被支持部421を支持面33dに案内する案内部として機能する。また、傾斜面33eは、第2被支持部421が支持面33dに支持された状態において、当該第2被支持部421を水平方向に位置決めする位置決め部として機能する。
【0054】
図7~
図9に示すように、本実施形態では、中間支持部33Sには、第2対象物品42の落下を規制する落下規制体34が設けられている。落下規制体34は、中間支持部33Sに対して上方から重ねられるようにして設けられている。落下規制体34は、一対の支持面33dのそれぞれに対して上方に離間した位置に配置される一対の規制部34aを備えている。一対の規制部34aは、それぞれが対応する延在部33aの支持面33dに対して平面視で重複するように配置されている。これにより、一対の規制部34aのそれぞれは、第2対象物品42の第2被支持部421が支持面33dに支持された状態で、当該第2被支持部421の一部、詳細には、第2被支持部421における幅方向Yの両側縁部と平面視で重複する位置に配置される。これにより、支持面33dによって支持された第2被支持部421が、例えば振動等によって上下に動いた場合であっても、規制部34aが第2被支持部421に対して上方から接触することによって、第2被支持部421が支持面33dから脱落することを規制できる。このように、落下規制体34を備えたことにより、中間支持部33Sから第2対象物品42が落下することを規制することができる。また、
図7に示すように、一対の規制部34aは、一対の延在部33aのそれぞれに対して上方に離間した位置に配置されている。第2対象物品42を移載する際には、第2被支持部421(フランジ部421a)を、一対の延在部33aと一対の規制部34aとの上下方向Vの間で水平方向に移動させることで、移載中に第2被支持部421と規制部34aとが接触しないようにできる。すなわち、落下規制体34が移載動作の妨げとならないようにできる。
【0055】
図7に示すように、中間支持部33Sによる支持の対象となる第2対象物品42は、上部に設けられた第2被支持部421が支持されることによって中間支持部33Sよりも下方に位置する部分を有する状態で支持される。本実施形態では、第2対象物品42は、第2本体部420と、第2本体部420よりも上方に配置されていると共に出退方向Xに沿うように形成され、中間支持部33Sにおける一対の延在部33aによって係止されるフランジ部421aと、第2本体部420とフランジ部421aとを連結する柱状の連結柱部422と、を備えている。上述のように本例では、第2対象物品42は、レチクルポッドとして構成されており、第2本体部420にレチクルが収容される。連結柱部422は、平面視での面積がフランジ部421aよりも小さく形成され、且つ、平面視で連結柱部422の全体がフランジ部421aの外縁よりも内側に配置されている。また、連結柱部422の幅方向Yの寸法は、中間支持部33Sの開口部33cの幅方向Yの寸法よりも小さい。これにより、第2対象物品42を移載する際には、開口部33cの幅方向Yの両外側に配置された一対の支持面33dを、連結柱部422における幅方向Yの外側を通して移動させることができ、支持面33dとフランジ部421aの幅方向Yの両側縁部とを上下方向Vに対向させることができる。
【0056】
本実施形態では、フランジ部421aが支持面33dによって下方から支持されることによって、第2対象物品42が中間支持部33Sに支持される。フランジ部421aは、連結柱部422の上端に連結されており、連結柱部422から水平方向に沿って突出するように形成されている。フランジ部421aの幅方向Yの寸法は、一対の支持面33dの幅方向Yの離間距離よりも大きく、一対の傾斜面33eの幅方向Yの離間距離よりも小さい。従って、中間支持部33Sにおける一対の支持面33dによって、フランジ部421aを下方から支持可能となっている。支持面33dによってフランジ部421aを支持する前段階において、支持面33dの上方でフランジ部421aの位置が支持面33dに対して水平方向にずれていた場合であっても、支持面33dとフランジ部421aとの接近に伴い、フランジ部421aは傾斜面33eに接触し、当該傾斜面33eによって支持面33dへと案内される。このように、フランジ部421aが支持面33dによって下方から支持されることで、第2対象物品42が中間支持部33Sによって支持される。すなわち本実施形態では、フランジ部421aが、第2被支持部421とされる。
【0057】
以上のように、本開示に係る階間搬送装置1(物品搬送装置)によれば、第1対象物品41を支持する上側支持部31S及び下側支持部32Sに加えて、第2対象物品42を支持する中間支持部33Sを備えているため、第1対象物品41と第2対象物品42との2種類の物品4を搬送することができる。上述のように、本実施形態では、上側支持部31Sを備える上側移載部31に、中間支持部33Sが設けられている。これにより、上側移載部31によって、第1対象物品41と第2対象物品42とのそれぞれを移載及び支持することが可能となっている。但し、本実施形態では、上側支持部31Sが第1対象物品41を支持した状態では、中間支持部33Sによって第2対象物品42を支持しないように構成されている。また反対に、中間支持部33Sによって第2対象物品42を支持した状態では、上側支持部31Sによって第1対象物品41を支持しないように構成されている。これにより、第1対象物品41及び第2対象物品42のそれぞれを、異なるタイミングで適切に搬送することができる。なお、下側支持部32Sについては上記のような制約を受けない。すなわち、上側支持部31Sによる第1対象物品41の支持の有無、及び、中間支持部33Sによる第2対象物品42の支持の有無にかかわらず、下側支持部32Sは第1対象物品41を支持し、或いは第1対象物品41支持しないことができる。
【0058】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送装置のその他の実施形態について説明する。
【0059】
(1)上記の実施形態では、中間支持部33Sが、上側支持部31Sと一体的に出退するように連結されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、中間支持部33Sは、下側支持部32Sと一体的に出退するように連結されていても良い。この場合においても、中間支持部33Sは、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間に配置される。また、中間支持部33Sは、上側移載部31における上側支持部31Sと一体的に出退する部分の全体よりも下方に配置される。この場合、例えば、中間支持部33Sは、下側規制体32Rに対して上方に隣接する位置に配置されていると良い。そして、中間支持部33Sは、例えば、下側移載駆動部32Smの上部や下側規制体32Rに取り付けられた構成とすることができる。
【0060】
(2)上記の実施形態では、第2対象物品42が、上部に設けられた第2被支持部421が支持されることによって中間支持部33Sよりも下方に位置する部分を有する状態で支持される例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2対象物品42の全体が、中間支持部33Sよりも上方に位置する状態で中間支持部33Sに支持される構成であっても良い。この場合、例えば、上側支持部31S又は下側支持部32Sと第1対象物品41との関係と同様に、第2対象物品42の底部に設けられた被支持部が中間支持部33Sによって下方から支持されることによって、第2対象物品42の全体が中間支持部33Sよりも上方に位置する状態で支持される構成とすることができる。
【0061】
(3)上記の実施形態では、第1対象物品41における被係合凹部411aが、上側支持部31S又は下側支持部32Sに支持される第1被支持部411とされ、第2対象物品42におけるフランジ部421aが、中間支持部33Sに支持される第2被支持部421とされている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1対象物品41における被係合凹部411a以外の部分が第1被支持部411とされ、第2対象物品42におけるフランジ部421a以外の部分が第2被支持部421とされても良い。
【0062】
(4)上記の実施形態では、第1内側受渡部812に対応する移載対象部Tに、上下一対の第1載置部T1が設けられている例について説明した。しかし、当該移載対象部Tには、1つ又は3つ以上の第1載置部T1が設けられていても良い。
【0063】
(5)上記の実施形態では、第1対象物品41がFOUPとして構成され、第2対象物品42がレチクルポッドとして構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1対象物品41及び第2対象物品42は、物品搬送設備F内において取り扱われる原材料、中間製品、或いは完成品等であっても良い。但し、その場合においても、第1対象物品41と第2対象物品42とは、互いに異なる形状の物品とされる。
【0064】
(6)上記の実施形態では、落下規制体34が、中間支持部33Sに設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、中間支持部33Sに落下規制体34が設けられていなくても良い。
【0065】
(7)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0066】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送装置について説明する。
【0067】
物品を搬送する物品搬送装置であって、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された移載対象部との間で前記物品を移載する移載装置と、を備え、
搬送の対象となる前記物品には、第1対象物品と、前記第1対象物品とは異なる形状の第2対象物品と、が含まれ、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、前記第1対象物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記移載対象部の側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、前記第1対象物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記移載対象部の側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置され、
前記上側支持部と前記下側支持部との上下方向の間に、前記第2対象物品を支持する中間支持部が配置され、
前記中間支持部は、前記上側支持部と一体的に出退するように連結され、又は、前記下側支持部と一体的に出退するように連結されている。
【0068】
本構成によれば、第1対象物品を支持する上側支持部及び下側支持部に加えて、第2対象物品を支持する中間支持部を備えているため、第1対象物品と第2対象物品との2種類の物品を搬送することができる。また、上側移載部と下側移載部との双方に第1対象物品を支持する支持部が備えられており、第2対象物品を支持する中間支持部を設けたことによっても第1対象物品を支持する支持部の数が減少していないため、第1対象物品を2個同時に搬送することが可能となっている。そのため、第1対象物品の搬送数が第2対象物品の搬送数よりも多い場合でも、物品搬送装置の搬送効率が低下をすることを抑制できる。更に、中間支持部は、上側支持部又は下側支持部と一体的に出退するように連結されているため、中間支持部の専用の移載部或いは出退駆動部を備える必要がない。従って、昇降ユニットの大型化を抑制することができる。
【0069】
また、本構成によれば、上側支持部を出退させるための上側出退駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を出退させるための下側出退駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されている。そのため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に出退駆動部が配置されないようにすることができ、これにより生じたスペースを利用して、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に、第2対象物品を支持するための中間支持部を配置することができる。そのため、中間支持部を設けたことによる昇降ユニットの大型化を最小限に抑えることができる。以上のように、本構成によれば、第1対象物品と第2対象物品との双方を搬送可能としつつ、第1対象物品の搬送数が第2対象物品の搬送数よりも多い場合に物品搬送装置の搬送効率が低下をすることを抑制でき、且つ、昇降ユニットの大型化も抑制することができる物品搬送装置が実現される。
【0070】
ここで、前記中間支持部は、前記上側支持部と一体的に出退するように連結されていると共に、前記上側支持部よりも下方であって前記下側移載部における前記下側支持部と一体的に出退する部分の全体よりも上方に配置されていると好適である。
【0071】
本構成によれば、中間支持部を上側出退駆動部によって出退させることができる。よって、中間支持部の専用の移載部或いは出退駆動部を備える必要がなく、昇降ユニットの大型化を抑制することができる。また、中間支持部が、上側支持部よりも下方であって下側移載部における下側支持部と一体的に出退する部分の全体よりも上方に配置されているため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間のスペースを利用して中間支持部を配置しつつ、当該中間支持部が下側出退駆動部による下側支持部の出退の妨げとならないようにすることができる。
【0072】
また、前記中間支持部が、前記上側支持部と一体的に出退するように連結されている構成において、
前記移載対象部に、前記第1対象物品が載置される第1載置部が設けられ、
前記第1載置部には、前記上側支持部が上下方向に通過可能な切欠き部が形成され、
前記第1載置部の下方に、前記上側支持部と前記中間支持部との双方が挿入可能な空間が設けられていると好適である。
【0073】
本構成によれば、切欠き部を上下方向に通過するように上側支持部を移動させて、第1載置部に対して第1対象物品の移載を行う場合に、上側支持部と共に移動する中間支持部が、第1載置部よりも下方において移載動作の妨げとならないようにできる。
【0074】
また、前記第1対象物品は、底部に設けられた第1被支持部が支持されることによって全体が前記上側支持部又は前記下側支持部よりも上方に位置する状態で支持され、
前記第2対象物品は、上部に設けられた第2被支持部が支持されることによって前記中間支持部よりも下方に位置する部分を有する状態で支持されると好適である。
【0075】
本構成によれば、中間支持部に支持された第2対象物品が当該中間支持部よりも下方に位置する部分を有する状態で支持されるため、中間支持部に支持された第2対象物品が当該中間支持部よりも上方に位置する状態で支持される構成に比べて、上側支持部と、当該上側支持部よりも下方に配置される中間支持部とを上下方向に近づけて配置することができる。従って、中間支持部を設けたことによる昇降ユニットの大型化を更に抑制することができる。
【0076】
また、前記第1対象物品と前記第2対象物品とのそれぞれが、上記のような状態で支持される構成において、
前記上側支持部及び前記下側支持部のそれぞれは、その上面から上方に突出する係合凸部を備え、
前記中間支持部は、前記中間支持部が出退する出退方向に沿って延在する一対の延在部を備え、
前記第1対象物品は、第1本体部と、前記第1本体部の底面から上方に向けて凹むと共に前記係合凸部が係合可能な被係合凹部を備え、
前記第2対象物品は、第2本体部と、前記第2本体部よりも上方に配置されていると共に前記出退方向に沿うように形成され、一対の前記延在部によって係止されるフランジ部と、を備え、
前記被係合凹部が、前記第1被支持部であり、
前記フランジ部が、前記第2被支持部であると好適である。
【0077】
本構成によれば、第1本体部の底面から上方に向けて凹む被係合凹部を備えた第1対象物品を、上側支持部及び下側支持部のそれぞれによって適切に支持することができると共に、第2本体部よりも上方に配置されていると共に出退方向に沿うように形成されたフランジ部を備えた第2対象物品を、中間支持部によって適切に支持することができる。
【0078】
また、前記移載対象部に、それぞれ前記第1対象物品が載置される一対の第1載置部が設けられ、
一対の前記第1載置部が、平面視で重複すると共に、上下方向に離間して配置され、
前記上側支持部と前記下側支持部との上下方向の離間距離が、一対の前記第1載置部の上下方向の離間距離と同等であると好適である。
【0079】
本構成によれば、上側支持部と下側支持部との双方を用いて、一対の載置部のそれぞれに対して同時に第1対象物品を移載することができる。これにより、搬送効率の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本開示に係る技術は、物品を搬送する物品搬送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 :階間搬送装置(物品搬送装置)
4 :物品
10 :案内レール
20 :昇降ユニット
30 :移載装置
31 :上側移載部
31A :上側出退駆動部
31S :上側支持部
31Sa :係合凸部
32 :下側移載部
32A :下側出退駆動部
32S :下側支持部
32Sa :係合凸部
32Sb :下側支持部
33S :中間支持部
33a :延在部
41 :第1対象物品
42 :第2対象物品
410 :第1本体部
411 :第1被支持部
411a :被係合凹部
420 :第2本体部
421 :第2被支持部
421a :フランジ部
P1 :基準位置
P2 :突出位置
R :搬送経路
S :空間
T :移載対象部
T1 :第1載置部
T1a :切欠き部
V :上下方向
X :出退方向