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特許7222454衣類処理設備用のエアウォッシュ装置及び衣類処理設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】衣類処理設備用のエアウォッシュ装置及び衣類処理設備
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
D06F39/08 301B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021527979
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2019125904
(87)【国際公開番号】W WO2020125614
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】201811560196.4
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811560213.4
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517417854
【氏名又は名称】青島海爾▲滾▼筒洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER DRUM WASHING MACHINE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District,Qingdao,Shandong 266101,China
(73)【特許権者】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】タオ ホァン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホン シュー
(72)【発明者】
【氏名】ベンカイ ホァン
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03284855(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0225887(US,A1)
【文献】特開2015-057156(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108729141(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107119423(CN,A)
【文献】中国実用新案第200943155(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
D06F 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理筒を含む衣類処理設備用のエアウォッシュ装置であって、
前記エアウォッシュ装置は給水バルブと、接続手段と、霧化発生器とを備え、
前記給水バルブは前記接続手段を介して前記霧化発生器に接続され、
前記接続手段には、前記給水バルブの開弁時に大気と隔離し、前記給水バルブ閉鎖されるとともに前記霧化発生器による霧化が進行中に大気に連通するように設置された単方向逆止構造が設けられ、前記霧化発生器の出口が衣類処理筒の内チャンバーに向けて設けられる、ことを特徴とする衣類処理設備用のエアウォッシュ装置。
【請求項2】
前記接続手段は接続管である、ことを特徴とする請求項1に記載のエアウォッシュ装置。
【請求項3】
前記接続手段は、前記衣類処理設備の投入装置の輸水通路である、ことを特徴とする請求項1に記載のエアウォッシュ装置。
【請求項4】
前記単方向逆止構造は、前記輸水通路の入水端近傍に設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載のエアウォッシュ装置。
【請求項5】
前記給水バルブは、前記投入装置の外側に設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載のエアウォッシュ装置。
【請求項6】
前記単方向逆止構造の設置位置は、前記霧化発生器の出口の設置位置よりも高い、ことを特徴とする請求項1に記載のエアウォッシュ装置。
【請求項7】
衣類処理筒と、給水バルブと、投入装置と、霧化発生器とを含み、前記投入装置は輸水通路を含む衣類処理設備であって、
前記給水バルブは前記輸水通路を介して前記霧化発生器に接続され、前記霧化発生器の出口は前記衣類処理筒の内チャンバーに向けて設けられ、
前記給水バルブが開弁しているときに、前記輸水通路内に対して注水作業が行われる一方、
前記霧化発生器は、前記給水バルブが閉鎖されている場合に前記輸水通路との間が通流するように設けられ、
前記輸水通路には開口を有する分水構造が設けられ、
前記分水構造によって、前記輸水通路内の水の一部が前記開口から分流して排出され、もう一部が前記霧化発生器に入り込み、
前記分水構造は、前記給水バルブが閉鎖されるとともに前記霧化発生器による霧化が進行中に前記開口により大気と連通可能となるように設けられる、
ことを特徴とする衣類処理設備。
【請求項8】
前記分水構造は、前記輸水路に設けられた分水口であり、前記投入装置は、衣類処理剤投入ケースをさらに含み、前記分水口は、前記衣類処理剤投入ケースの上方に設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の衣類処理設備。
【請求項9】
前記分水構造は、前記輸水通路に接続される分水管であり、前記投入装置は、衣類処理剤投入ケースをさらに含み、前記分水管の出口は、前記衣類処理剤投入ケースの上方に設けられる、或いは衣類処理剤投入ケース内に挿入される、ことを特徴とする請求項7に記載の衣類処理設備。
【請求項10】
前記分水構造の設置位置は、前記霧化発生器の出口の設置位置よりも高い、ことを特徴とする請求項7に記載の衣類処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理技術分野に属し、具体的に衣類処理設備用のエアウォッシュ装置及び衣類処理設備を提供する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理設備は、衣類を洗濯、乾燥、殺菌及び/又は消臭等を行うことができるものである。生産力の向上やユーザ需要の増大に伴い、衣類処理設備に対するユーザの要求も高まっていく。
【0003】
従来技術では、洗濯機を例にすると、衣類を水洗により洗濯し、水洗の過程で機械的回転に伴い、衣類上の汚れが洗濯されるのが一般的であったが、このような洗濯方式は、下記のような限界がある。最初から洗濯槽内に大量の水を注ぎると、衣類表面上の汚れが洗剤が完全に溶解していない状態で衣類の裏地にそのまま侵入し、その後の洗濯過程中により多くの時間、水量、洗剤及び機械的作用を掛からないと衣類を徹底的に洗濯できなく、さらに洗濯効果に影響する。一方、従来の衣類処理設備は、いずれも洗濯機に他の機能を加え、例えば乾燥機能を加えて洗濯乾燥機等にするが、このような改良は、洗濯機の洗濯効果を著しく改善できず、また、従来の洗濯機は、例えばカシミアやウールなどの特殊材質の衣類に対しては、依然として深層の処理ができなく、それが採用する従来の水洗が衣類の繊維構造を容易に損なうものであり、洗濯機の衣類適用範囲に対してはかなり大きな限界性を招いた。
【0004】
そこで、本分野では、上述した問題を解決するために、新しい衣類処理設備用のエアウォッシュ装置及び衣類処理設備の提供が要望されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明では、従来技術における上記問題を解決するために、即ち、従来の洗濯機能を有する衣類処理設備の洗濯効果不良や衣類適用範囲が非常に狭いであるという問題を解決するために、下記態様が提出される。
【0006】
本発明の技術案1は、衣類処理設備用のエアウォッシュ装置を提供し、その衣類処理設備は、衣類処理筒を含み、エアウォッシュ装置は給水バルブと、接続手段と、霧化発生器とを備え、給水バルブは接続手段を介して霧化発生器に接続され、接続手段には、給水バルブの開弁時に大気と隔離し、給水バルブの閉鎖時に大気に連通するように設置された単方向逆止構造が設けられ、霧化発生器の出口が衣類処理筒の内チャンバーに向けて設けられる。
【0007】
上記エアウォッシュ装置の好ましい態様では、接続手段は、接続管である。
【0008】
上記エアウォッシュ装置の好ましい態様では、接続手段は、衣類処理設備の投入装置の輸水通路である。
【0009】
上記エアウォッシュ装置の好ましい態様では、単方向逆止構造は、輸水通路の入水端近傍に設けられる。
【0010】
上記エアウォッシュ装置の好ましい態様では、給水バルブは、投入装置の外側に設けられる。
【0011】
上記エアウォッシュ装置の好ましい態様では、単方向逆止構造の設置位置と霧化発生器の出口の設置位置とは、異なる高さに位置する。
【0012】
上記エアウォッシュ装置の好ましい態様では、単方向逆止構造の設置位置は、霧化発生器の出口の設置位置よりも高い。
【0013】
上記エアウォッシュ装置の好ましい態様では、単方向逆止構造が単方向逆止バルブである。
【0014】
一方、本発明は、上述エアウォッシュ装置を含む衣類処理設備を提供する。
【0015】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、衣類処理設備はドラム洗濯機であり、衣類処理筒はドラム洗濯機のドラムであり、ドラム洗濯機はドラムに接続された窓パッキンをさらに含み、霧化発生器は窓パッキンに設けられる。
【0016】
当業者なら理解できるように、本発明の好ましい態様では、接続手段に単方向逆止構造を設けることにより、給水バルブが開弁しているときに、接続手段内に対して注水作業ができ、その後、給水バルブが閉鎖しているときに、単方向逆止構造は大気に連通して接続手段内の水を霧化発生器から噴射させるとともに、霧化発生器の霧化作用により水を小粒子状の霧化液滴に転化させることで、衣類に対する霧化エアケア処理を実現する。具体的には、水洗を行う前に、先に霧化液滴衣類を霧化液滴に濡らして衣類表面の汚れが先に除去され、衣類表面の汚れが衣類の裏地に侵入することを回避することができ、その後の洗濯過程中に比較的に少ない時間、水量、洗剤及び機械的作用により衣類をきれいに洗濯でき、衣類に対する洗濯効果を高め、衣類処理設備をより省エネルギー化する。また、このような霧化エアウォッシュ方式によれば、カシミア、ウールなどの特殊材質の衣類を取り扱うことができ、当該材質の衣類表面をより平らかにできるだけでなく、衣類の繊維構造を損なうことがなく衣類上の汚れを素早く除去することができ、衣類処理設備の衣類適用範囲を広め、さらにユーザの体験を向上させる。
【0017】
さらに、接続手段は接続管であるという設置により、非常にシンプルな構造だけで衣類の霧化エアウォッシュを実現でき、製品の設計が便利となり、コストも低減できる。
【0018】
さらに、接続手段は衣類処理設備の投入装置の輸水通路、すなわち、単方向逆止構造を投入装置に設けることにより、従来構造を変えずに衣類の霧化エアウォッシュを実現することで、製品の設計が便利となり、コストも低減できる。
【0019】
さらに、単方向逆止構造の設置位置と霧化発生器の出口の設置位置とを異なる高さに位置させる、すなわち、一定の液差を形成させることにより、接続手段内の水を霧化発生器の出口から順調に噴射され、さらに衣類の霧化エアウォッシュを便利にし、ユーザ体験を向上させる。
【0020】
また、本発明は、上記態様に加えて、上述エアウォッシュ装置を備えるとともに上述エアウォッシュ装置が有する態様も備える衣類処理設備を提供し、かつ、改良前の衣類処理設備と比べると、本発明に係る衣類処理設備は衣類に対する洗濯効果を高めるとともに、衣類の適用範囲を広め、ユーザの使用ニーズを満たし、さらにユーザ体験を向上させることができる。
【0021】
本発明の技術案2は、衣類処理筒と、給水バルブと、投入装置と、霧化発生器とを備える衣類処理設備を提供し、投入装置は輸水通路を含み、給水バルブは輸水通路を介して霧化発生器に接続され、霧化発生器の出口は衣類処理筒の内チャンバーに向けて設けられ、輸水通路には分水構造が設けられ、分水構造は大気と連通可能となるように設けられる。
【0022】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、分水構造は、輸水管路に設けられた分水口である。
【0023】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、投入装置は、衣類処理剤投入ケースをさらに備え、分水口は、衣類処理剤投入ケースの上方に設けられる。
【0024】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、分水構造は、輸水通路に接続される分水管である。
【0025】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、前記投入装置は、衣類処理剤投入ケースをさらに備え、分水管の出口は、衣類処理剤投入ケースの上方に設けられるか衣類処理剤投入ケース内に挿入される。
【0026】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、分水構造の設置位置と霧化発生器の出口の設置位置とは、異なる高さに位置する。
【0027】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、分水構造の設置位置は、霧化発生器の出口の設置位置よりも高い。
【0028】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、衣類処理設備はドラム洗濯機であり、衣類処理筒はドラム洗濯機のドラムである。
【0029】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、ドラム洗濯機は、さらに、ドラムに接続された窓パッキンをさらに含み、霧化発生器は、窓パッキンに設けられる。
【0030】
上記衣類処理設備の好ましい態様では、霧化発生器は、ドラムの外筒に設けられる。
【0031】
当業者なら理解できるように、本発明の好ましい態様では、輸水通路に分水構造を設けることにより、給水バルブが開弁しているときに、輸水通路内に対して注水作業ができ、その後、給水バルブが閉鎖しているときに、分水構造は大気に連通して輸水通路内の一部の水を霧化発生器から噴射させるとともに、霧化発生器の霧化作用により水を小粒子状の霧化液滴に転化させることで、衣類に対する霧化エアケア処理を実現する。具体的には、水洗を行う前に、先に霧化液滴衣類を霧化液滴に濡らして衣類表面の汚れが先に除去され、衣類表面の汚れが衣類の裏地に侵入することを回避することができ、その後の洗濯過程中に比較的に少ない時間、水量、洗剤及び機械的作用により衣類をきれいに洗濯でき、衣類に対する洗濯効果を高め、衣類処理設備をより省エネルギー化する。また、このような霧化エアウォッシュ方式によれば、カシミア、ウールなどの特殊材質の衣類を取り扱うことができ、当該材質の衣類表面をより平らかにできるだけでなく、衣類の繊維構造を損なうことがなく衣類上の汚れを素早く除去することができ、衣類処理設備の衣類適用範囲を広め、さらにユーザの体験を向上させる。
【0032】
さらに、分水構造は分水口であり、分水口により、給水バルブが開弁しているときに輸水通路内の水を衣類処理剤投入ケースに注入することができ、衣類処理剤投入ケースにおける衣類処理剤を希釈して最終的に衣類処理筒に流し込ませることができる。一方、給水バルブが閉鎖しているときに分水口と大気とが連通することにより、輸水通路中の水が残らずに排水され、一部の水が衣類処理剤投入ケースに入り込み、もう一部の水が霧化発生器を通過して霧化液滴に転化されて衣類に噴射される。このような設置により、輸水通路内の水の残留を回避でき、輸水管路でのバクテリアの繁殖を防ぎ、ユーザーが投入装置を繰り返し洗浄する必要がなく、ユーザー体験を向上させる。
【0033】
さらに、分水構造は分水管であり、分水管により、給水バルブが開弁しているときに輸水通路内の水を衣類処理剤投入ケースに注入することができ、衣類処理剤投入ケースにおける衣類処理剤を希釈して最終的に衣類処理筒に流し込ませることができる。一方、給水バルブが閉鎖しているときに分水管と大気とが連通することにより、輸水通路中の水が残らずに排水され、一部の水が衣類処理剤投入ケースに入り込み、もう一部の水が霧化発生器を通過して霧化液滴に転化されて衣類に噴射される。このような設置により、輸水通路内の水の残留を回避でき、輸水管路でのバクテリアの繁殖を防ぎ、ユーザーが投入装置を繰り返し洗浄する必要がなく、ユーザー体験を向上させる。
【0034】
さらに、分水構造の設置位置と霧化発生器の出口の設置位置とを異なる高さに位置させる、すなわち、一定の液差を形成させることにより、輸水管路内の水を霧化発生器の出口から順調に噴射され、さらに衣類の霧化エアウォッシュを便利にし、ユーザ体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明技術案1のエアウォッシュ装置の構造原理図である。
【0036】
図2】本発明技術案1のドラム洗濯機の部分構造概略図である。
【0037】
図3】本発明技術案2のドラム洗濯機の部分構造原理図である。
【0038】
図4】本発明技術案2のドラム洗濯機の部分構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。当業者が理解すべきことは、これらの実施形態が本発明の技術的原理を説明するためだけに使用され、本発明の保護範囲を制限するものではない。
【0040】
なお、本発明の説明において、用語「中」、「上」、「下」、「内」、「外」などが示す方向又は位置関係は、図面に示される方向又は位置関係に基づいており、これは説明の便宜上のものであり、前記装置又は素子が特定の方向を有し、特定の方向で構築や操作をする必要があることを示したり暗示したりするものではないため、本発明に対する制限としては理解できない。
【0041】
また、本発明の説明において、特に明確な規定や限定がない限り、用語「設置」、「取り付け」、「接する」、「接続」は広義的に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても良いし、取り外し可能に接続しても良いし、一体的に接続しても良い。機械的な接続であっても良いし、電気的な接続であっても良い。直接に接続しても良いし、中間媒体を介して間接に接続しても良いし、2つの素子の内部における連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて前述の用語が本発明における具体的な意味を理解できる。
【0042】
本発明は、従来の洗濯機能付きの衣類処理設備の洗濯効果がいまひとつで、衣類適用範囲が非常に狭いであるという問題を踏まえ、衣類処理設備用のエアウォッシュ装置及び衣類処理設備を提供し、その目的は、洗濯機能付きの衣類処理設備の衣類に対する洗濯効果を高めるとともに、衣類適用範囲も広めて、ユーザの使用ニーズを満たし、さらにユーザ体験を向上させる。
【0043】
技術案1
【0044】
本発明の衣類処理設備用は衣類処理筒を含み、図1に示すように、エアウォッシュ装置は給水バルブ1と、接続手段と、霧化発生器2とを備え、給水バルブ1は接続手段を介して霧化発生器2に接続され、接続手段には、給水バルブ1の開弁時に大気と隔離し、給水バルブ1の閉鎖時に大気に連通するように設置された単方向逆止構造が設けられ、霧化発生器2の出口が衣類処理筒の内チャンバーに向けて設けられる。なお、接続手段は、一つ個別の接続管であってもよく、衣類処理設備自体の輸水機構(例えばドラム洗濯機の投入装置5)であってもよく、実際の応用では、接続手段により水を収容できれば、当業者がその具体的構造を柔軟に設けることができる。霧化発生器2は、超音波霧化発生器であってもよく、また、圧縮霧化発生器であってもよく、実際の応用では、霧化発生器2により単方向逆止構造と大気とを連通させる際に接続手段中の水を霧化液滴に転化して衣類を霧化エアウォッシュできれば、当業者がその具体的構造を柔軟に設けることができる。なお、単方向逆止構造は、単方向逆止バルブ7であってもよい、例えば、特許番号CN201721853840.8における単方向逆止バルブ7であってもよく、当該単方向逆止バルブ7の原理は従来技術に属し、ここでは詳細に説明しない。勿論、本発明に他の単方向逆止構造が採用されてもよく、例えば、筒体と、筒体に設けられた移動ブロックと、筒体と移動ブロックの間に接続されたバネと、を備える単方向逆止構造であって、移動ブロックにより筒体の内部チャンバを2つに仕切られ、筒体の頂部にはエア入口が設けられ、筒体の底部には給水口が設けられ、筒体の中間部には出口が設けられ、移動ブロックが頂部限界位置、中間位置及び底部限界位置の間を移動することをバネによって許容され、バネが自然状態であると、バネによって移動ブロックを底部限界位置に保持させ、このときエア入口と出口とが連通し、給水口と出口が移動ブロックによって隔離され、これにより、単方向逆止構造と大気との連通が実現でき、給水口から水が流入したときに、水圧がバネの付勢力を克服して移動ブロックを頂部限界位置まで移動させて給水口と出口とを連通させ、エア入口と出口が移動ブロックによって隔離され、単方向逆止構造により水を通過させるとともに大気から隔離されることを実現する。なお、上記の頂部及び底部は、筒体に対する概念であり、具体的な単方向逆止構造の設置方向及び具体的な設置位置は制限されない。または、単方向逆止構造は、詰まり構造であってもよく、具体的には、接続手段の最高点に開孔を設け、開孔に詰まりを設け、給水バルブ1の給水時に詰まりにより開孔を閉鎖し、給水バルブ1の閉鎖時に詰まりを抜いて開孔を大気に連通させるこれにより、接続手段における水を霧化発生器2の出口からが噴射されることを実現する。単方向逆止構造により給水バルブ1の開弁時に大気と隔離し、給水バルブ1の閉鎖時に大気に連通することを実現できれば、当業者はその具体的構造を柔軟に設けることができる。
【0045】
なお、本発明は、単方向逆止構造により霧化発生器2に霧化液滴を順調に発生させることができるのは、給水バルブ1が常時開弁している場合には、水圧の作用によって霧化発生器2が霧化液滴を形成し難いためであり、そのため、給水バルブ1の開弁により接続手段内が貯水され、その後給水バルブ1が閉鎖され、その際に大気連通の原理により接続手段中の水が霧化発生器2から霧化液滴として衣類に噴射され、霧化発生器2が衣類を霧化エアウォッシュすることができることを保証する。
【0046】
なお、本発明の衣類処理設備は、ドラム洗濯機、パルセーター洗濯機、洗濯乾燥機、及び衣類ケア機等であってもよく、当業者は、本発明の技術案の適用対象を柔軟に設置することができ、このような適用対象の調整及び変更は、本発明の原理を逸脱しなく、いずれも本発明の保護範囲にある。以下、本発明の技術案について、ドラム洗濯機に基づいてさらに説明する。
【0047】
具体的には、図2に示すように、本発明のドラム洗濯機は、箱体と、箱体に設けられたドラム3と、ドラム3の外筒と箱体との間に接続された窓パッキン4と、を含み、霧化発生器2は窓パッキン4に設けられることが好ましく、かつ霧化発生器2の出口がドラム3の内チャンバーに向けて設けられ、勿論、ドラム3の内筒にある衣類に霧化液滴を噴射して霧化エアウォッシュを行うことができれば、霧化発生器2はドラム3の外筒に設けられてもよい。また、ドラム洗濯機は、箱体に設けられた投入装置5を更に含み、投入装置5は、衣類処理剤投入チャンバと、衣類処理剤投入チャンバ頂部に設けられた水ケースとを含み、水ケース内には輸水通路51が形成され、輸水通路51の入水端は、投入装置5の外側に設けられた給水バルブ1に接続されており、輸水通路51の出水端は霧化発生器2に接続されており、その中、配管を介して輸水通路51の出水端と霧化発生器2とを直接に接続してもよく、輸水通路51と霧化発生器2との間に水タンク6を設けてもよく、すなわち、輸水通路51の出水端は一本の配管を介してケース6に接続された上でケース6はもう一本の配管を介して霧化発生器2に接続されてもよい。水タンク6は、水を貯留する機能を有しており、単方向逆止バルブ7は輸水通路51に設けられる。例えば、単方向逆止バルブ7が輸水通路51の入水端近傍に設けられてもよいが、勿論、単方向逆止バルブ7を輸水通路51の他の位置に設けてもよく、当業者は、実際の応用中単方向逆止バルブ7の輸水管路51における設置位置を柔軟に設けることができ、このような単方向逆止バルブ7の設置位置の調整及び変更は、本発明の制限ではなく、いずれも本発明の保護範囲にある。
【0048】
好ましくは、単方向逆止バルブ7の設置位置と霧化発生器2の出口の設置位置とが異なる高さに位置する。すなわち、単方向逆止バルブ7と大気とは連通している時に、単方向逆止バルブ7と霧化発生器2の出口との間に一定の液位相差を形成させてもよい。これにより、輸水通路51に溜まった水は、霧化発生器2により、霧化液滴の形で衣類に噴射しやすくなる。ドラム洗濯機において、投入装置5の設置位置は、通常、ドラム3の設置位置よりも高いので、ドラム洗濯機の従来構造を十分に利用するように、単方向逆止バルブ7の設置位置を霧化発生器2の出口の設置位置よりも高くするのがより好ましい。
【0049】
技術案2
【0050】
図3及び図4に示すように、本発明のドラム洗濯機は、箱体と、ドラム1と、給水バルブ2と、投入装置3と、霧化発生器4とを含み、投入装置3は輸水通路31を含み、給水バルブ2は輸水通路31を介して霧化発生器4に接続され、霧化発生器4の出口はドラム1の内チャンバーに向けて設けられ、輸水通路31には分水構造5が設けられ、分水構造5は大気と連通可能となるように設けられる。その中、分水構造5は、輸水通路31に設けられた分水口であってもよく、あるいは、輸水通路31に設けられた分水管であってもよく、分水口または分水管の構造により、輸水通路31の分岐が実現され、勿論、分水構造5は輸水通路31に設けられた詰まり構造であってもく、具体的には、分水構造5が詰まり構造の場合、輸水通路31に開孔を設け、開孔に詰まりを設け、給水バルブ2の給水時に詰まりにより開孔を閉鎖し、給水バルブ2の閉鎖時に詰まりを抜いて開孔を大気に連通させるこれにより、輸水通路31における水の一部が開孔から分岐、流出し、残りの一部の水が霧化発生器4の出口から噴射されることを実現する。また、霧化発生器4は、ドラム1の窓パッキン6に設けられ、窓パッキン6は、箱体とドラム1との間に接続され、霧化発生器4の噴射口は、ドラム1の内チャンバーに向けて設けられてもよく、勿論、霧化発生器4は、ドラム1の外筒に設けられてもよい。ドラム1の内筒にある衣類に霧化液滴を噴射して霧化エアウォッシュを行えばよい。霧化発生器4は、超音波霧化発生器を用いてもよく、また、圧縮霧化発生器であってもよく、当業者は、霧化発生器4の具体的な構成を実用上柔軟に設けることができる。ミスト化発生器4により、輸水通路31内の水を分水構造5と大気とを連通させる際に霧化液滴に転化して衣類を霧化エアウォッシュすればよい。
【0051】
なお、本発明は、分水構造5により霧化発生器4に霧化液滴を順調に発生させることができるのは、給水バルブ2が常時開弁している場合には、水圧の作用によって霧化発生器4が霧化液滴を形成し難いためであり、そのため、給水バルブ2の開弁により輸水通路内が貯水され、その後給水バルブ2が閉鎖され、その際に大気連通の原理により輸水通路中の水が霧化発生器4から霧化液滴として衣類に噴射され、霧化発生器4が衣類を霧化エアウォッシュすることができることを保証する。
【0052】
なお、本発明では、輸水通路31の入水端が、投入装置3の外側に設けられた給水バルブ2に接続され、輸水通路31の出水端が霧化発生器4に接続されてもよいが、その中、配管を介して輸水通路31の出水端と霧化発生器4とを直接に接続してもよく、輸水通路31と霧化発生器4との間に水タンク7を設けてもよく、すなわち、輸水通路31の出水端は一本の配管を介してケース7に接続された上でケース7はもう一本の配管を介して霧化発生器4に接続されてもよく、水タンク7は、水を貯留する機能を有する。当業者は、実際の応用中輸水通路31と霧化発生器4との接続方式を柔軟に設けることができ、このような接続方式の調整と変更は、いずれも本発明の制限ではなく、本発明の保護範囲にある。
【0053】
ある可能な様態では、分水構造5は、輸水通路31に設けられた分水口である。この分水口は、1つの連通構造(例えば配管)を介してドラム1に直接に接続されてドラム1に対して注水してもよく、あるいは、ドラム洗濯機は他の水を必要とする部品または水を貯留する部品を有し、この部品が1つの連通構造(例えば配管)を介して分水口に接続されて当該部品に対して注水してもよく、また、例えば、投入装置3は衣類処理剤投入ケースをさらに含み、分水口は、衣類処理剤投入ケースの上方に設けられてもよい。衣類処理剤投入ケースの上部は開口構造であってもよく、分水口とこの開口構造とが差し向かっており、給水バルブ2が開弁している時に、水が輸水通路31内に入り込んで分水口から流出し、開口構造を介して衣類処理剤投入ケース内に入り込んで、衣類処理剤を希釈し、最終的にドラム1に流れ込む。給水バルブ2が閉鎖されている時に、霧化発生器4が開き、かつ、分水口が大気と連通しているので、輸水通路31内の一部の水が分水口を通して衣類処理剤投入ケース内に入り込んで、もう一部の水が霧化発生器4の作用により霧化液滴となって衣類に噴射される。また、大気の作用で、霧化発生器4を常時開放すれば、輸水通路31内の水を残らずに排水させ、水の残留によるバクテリアの繁殖を回避できる。本実施例において、分水口の数は1つであってもよいし、複数であってもよく、実際の応用では、分水口により水の分流及び大気との連通が実現できれば、当業者は分水口の数と配置方式を柔軟に設けることができる。
【0054】
他の可能な態様では、分水構造5は、輸水通路31に設けられた分水管である。この分水管は、1つの連通構造(例えば配管)を介してドラム1に直接に接続されてドラム1に対して注水してもよく、あるいは、ドラム洗濯機は他の水を必要とする部品または水を貯留する部品を有し、この部品が1つの連通構造(例えば配管)を介して分水管に接続されて当該部品に対して注水してもよく、また、例えば、投入装置3は衣類処理剤投入ケースをさらに含み、分水管の出口は、衣類処理剤投入ケースの上方に設けられるか衣類処理剤投入ケース内に挿入される。分水管の出口が衣類処理剤投入ケースの上方に設けられる場合、衣類処理剤投入ケースの上部は、開口構造であってもよく、分水管の出口とこの開口構造とが差し向かっており、分水管の出口が衣類処理剤投入ケース内に挿入されると、衣類処理剤投入ケースに分水管の出口と対応する開口を設ければよい。給水バルブ2が開弁している時に、水が輸水通路31内に入り込んで分水管の出口から流出して衣類処理剤投入ケース内に入り込んで、衣類処理剤を希釈し、最終的にドラム1に流れ込む。給水バルブ2が閉鎖されている時に、霧化発生器4が開き、かつ、分水管が大気と連通しているので、輸水通路31内の一部の水が分水管の出口を通して衣類処理剤投入ケース内に入り込んで、もう一部の水が霧化発生器4の作用により霧化液滴となって衣類に噴射される。また、大気の作用で、霧化発生器4を常時開放すれば、輸水通路31内の水を残らずに排水させ、水の残留によるバクテリアの繁殖を回避できる。本実施例において、分水管の数は1つであっても複数であってもよく、実際の応用では、分水管により水の分流及び大気との連通を実現できれば、当業者は、分水管の数と配置方式を柔軟に設けることができる。
【0055】
好ましくは、分水構造5の設置位置と霧化発生器4の出口の設置位置とは、異なる高さに位置する。すなわち、分水構造5と大気とが連通時に、分水構造5と霧化発生器4の出口の間に一定の液位差を形成させることで輸水通路31に溜まった水は霧化発生器4により霧化液滴の形で衣類に噴射しやすくなることができる。ドラム洗濯機において、投入装置3の設置位置は、通常、ドラム1の設置位置よりも高いので、ドラム洗濯機の従来構造を十分に利用するように、分水構造5の設置位置を霧化発生器4の出口の設置位置よりも高くするのがより好ましい。
【0056】
これで、本発明の態様を、図面に示された好ましい実施形態と合わせて説明したが、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは、当業者には容易に理解される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の態様はいずれも、本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4