(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20230208BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20230208BHJP
H01Q 1/52 20060101ALI20230208BHJP
H01P 1/02 20060101ALI20230208BHJP
H01Q 15/14 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/06
H01Q1/52
H01P1/02 Z
H01Q15/14 Z
(21)【出願番号】P 2019049558
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】10-2018-0083703
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0126090
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ナム キ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ダエ キ
(72)【発明者】
【氏名】リョー、ジョン キ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】クム、ジェ ミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ミョン ウー
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-072659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 21/06
H01Q 1/52
H01P 1/02
H01Q 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔を有するグランド層と、
前記グランド層の上側にそれぞれ配置された複数のパッチアンテナパターンと、
前記複数の貫通孔を貫通するように配置され、前記複数のパッチアンテナパターンとそれぞれ電気的に連結された複数の給電ビアと、
前記複数のパッチアンテナパターンの間で繰り返し配列された複数の環状メタパターンと、
前記複数のパッチアンテナパターンの間で繰り返し配列され、且つ前記複数のパッチアンテナパターンを基準に前記複数の環状メタパターンより遠い位置に前記複数の環状メタパターンよりもまばらに(sparsely)配列された複数の結合型メタパターンと、を含む、アンテナ装置。
【請求項2】
前記複数の環状メタパターンは、第1間隔を有するスペースが形成されるように配列され、
前記複数の結合型メタパターンは、前記複数の環状メタパターンの前記スペースよりも大きいキャビティ(cavity)が形成されるように配列される、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記キャビティは、前記複数の結合型メタパターンのそれぞれの面積よりも小さい面積を有する、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記複数の結合型メタパターンはそれぞれ、一部に互いに前記第1間隔と同一の間隔を有するスペースが形成されるように配列される、請求項2または3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記キャビティは、第1方向の長さと前記第1方向に垂直な第2方向の長さとが互いに異なる多角形の形状を有する、請求項2から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記複数の結合型メタパターンは、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い多角形の形状を有し、
前記キャビティは、前記第2方向の前記長さが前記第1方向の前記長さよりも長い多角形の形状を有する、請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記複数の結合型メタパターンはN個(Nは自然数)のジグザグ(zigzag)列で配列される、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記複数の結合型メタパターンは、前記複数のパッチアンテナパターンのうち一部により近い結合型メタパターンの一部と、前記複数のパッチアンテナパターンのうち他の一部により近い結合型メタパターンの一部とが交互に差し込まれた形状を有する、請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記複数の環状メタパターンは、第1間隔を有するスペースが形成されるように配列され、
前記複数の結合型メタパターンの一方側は、前記複数の環状メタパターンから前記第1間隔だけ離隔して配置され、
前記複数の結合型メタパターンの他方側は、前記複数の環状メタパターンから前記第1間隔よりも長い第2間隔だけ離隔して配置される、請求項7または8に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記複数の環状メタパターンはN個の列で配列される、請求項7から9のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記複数の環状メタパターンは、一部と他の一部とが互いに上下方向に重なるように配列され、
前記複数の結合型メタパターンは、一部と他の一部とが互いに上下方向に重なるように配列される、請求項1から10のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記複数の環状メタパターン及び前記複数の結合型メタパターンのうち前記複数の環状メタパターンのみを互いに上下方向に連結させる複数の配列ビアをさらに含む、請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記複数のパッチアンテナパターンの上側にそれぞれ配置された複数の結合パッチパターンをさらに含み、
前記複数の環状メタパターンのうち一部及び前記複数の結合型メタパターンの一部は、前記複数の結合パッチパターンと同位に配置され、
前記複数の環状メタパターンのうち他の一部は、前記複数の結合型メタパターンの他の一部に対して前記複数のパッチアンテナパターンと同位に配置される、請求項11または12に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記複数のパッチアンテナパターンは第1方向に配列され、
前記複数の結合型メタパターンのうち前記第1方向に垂直な第2方向の端に配置された結合型メタパターンは、前記第2方向の中心に配置された結合型メタパターンよりも大きい、請求項1から13のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記複数の環状メタパターンは、前記複数のパッチアンテナパターンのそれぞれを囲むように配置され、
前記複数の結合型メタパターンは、前記複数の環状メタパターンを囲むように配置される、請求項1から14のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
上下方向から見たとき、前記複数のパッチアンテナパターンのそれぞれから第2方向に離間配置された複数のエンドファイアアンテナパターンをさらに含み、
前記複数のパッチアンテナパターンは、前記第2方向に垂直な第1方向に配列され、
上下方向から見たとき、前記複数の環状メタパターンの一部及び前記複数の結合型メタパターンの一部は、前記複数のエンドファイアアンテナパターン及び前記複数のパッチアンテナパターンの間に配置される、請求項15に記載のアンテナ装置。
【請求項17】
前記グランド層の下側に配置されたICと、
前記グランド層と前記ICの間に配置された複数の給電線と、
前記ICと前記複数の給電線の間を電気的に連結させる複数の配線ビアと、をさらに含み、
前記複数の給電線の一部は前記複数の給電ビアと電気的に連結され、
前記複数の給電線の他の一部は前記複数のエンドファイアアンテナパターンと電気的に連結される、請求項16に記載のアンテナ装置。
【請求項18】
少なくとも一つの貫通孔を有するグランド層と、
前記グランド層の上側に配置されたパッチアンテナパターンと、
前記少なくとも一つの貫通孔を貫通するように配置され、前記パッチアンテナパターンと電気的に連結された給電ビアと、
前記パッチアンテナパターンの側面境界の少なくとも一部を囲み、第1間隔を有するスペースが形成されるように配列された複数の環状メタパターンと、
前記パッチアンテナパターンを基準に前記複数の環状メタパターンより遠い位置に、前記パッチアンテナパターンの前記側面境界の少なくとも一部を囲み、前記第1間隔よりも長い第2間隔を有するキャビティ(cavity)が形成されるように配列された複数の結合型メタパターンと、を含む、アンテナ装置。
【請求項19】
前記複数の結合型メタパターンはジグザグ(zigzag)列で配列され、
前記キャビティは、前記複数の環状メタパターンの側面境界及び前記ジグザグ列の屈曲により形成される、請求項18に記載のアンテナ装置。
【請求項20】
前記複数の結合型メタパターンは、第1方向の長さが前記第1方向に垂直な第2方向の長さよりも長い多角形の形状を有し、
前記キャビティは、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い多角形の形状を有する、請求項18に記載のアンテナ装置。
【請求項21】
前記キャビティは、前記複数の結合型メタパターンのそれぞれの面積よりも小さい面積を有する、請求項20に記載のアンテナ装置。
【請求項22】
前記複数の結合型メタパターンはそれぞれ、一部に互いに前記第1間隔と同一の間隔を有するスペースが形成されるように配列される、請求項20または21に記載のアンテナ装置。
【請求項23】
前記複数の結合型メタパターンは、多角形をなすように、前記パッチアンテナパターンを囲み、
前記複数の結合型メタパターンのうち前記多角形のコーナーに対応する結合型メタパターンは、前記複数の結合型メタパターンのうち多角形の辺に対応する結合型メタパターンよりも大きい、請求項18に記載のアンテナ装置。
【請求項24】
前記パッチアンテナパターンの前記側面境界の少なくとも一部を囲むように配置された複数の配列ビアをさらに含み、
前記複数の環状メタパターンは、一部と他の一部が前記複数の配列ビアを介して互いに電気的に連結されるように配列される、請求項18から23のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項25】
前記複数の結合型メタパターンは、一部と他の一部が互いに上下方向に重なるように配列され、且つ互いに電気的に分離される、請求項24に記載のアンテナ装置。
【請求項26】
複数の貫通孔を有するグランド層と、
前記グランド層の上側にそれぞれ配置された複数のパッチアンテナパターンと、
前記複数の貫通孔を貫通するように配置され、前記複数のパッチアンテナパターンとそれぞれ電気的に連結された複数の給電ビアと、
前記複数のパッチアンテナパターンの間で水平方向及び上下方向に繰り返し配列された複数の環状メタパターンと、
前記複数のパッチアンテナパターンの間で前記水平方向及び前記上下方向に繰り返し配列され、且つ前記複数のパッチアンテナパターンを基準に前記複数の環状メタパターンより遠い位置に配列された複数の結合型メタパターンと、
前記複数の環状メタパターンを互いに前記上下方向に連結させる複数の配列ビアと、を含み、
前記複数の結合型メタパターンは前記水平方向及び前記上下方向において互いに分離される、アンテナ装置。
【請求項27】
前記複数の結合型メタパターンは、前記複数のパッチアンテナパターンのうち一部により近い結合型メタパターンの一部と、前記複数のパッチアンテナパターンのうち他の一部により近い結合型メタパターンの一部とが交互に差し込まれた形状を有する、請求項26に記載のアンテナ装置。
【請求項28】
前記複数の結合型メタパターンはそれぞれ、前記複数の環状メタパターンのそれぞれよりも大きい、請求項27に記載のアンテナ装置。
【請求項29】
前記複数の環状メタパターンは、第1間隔を有するスペースが形成されるように配列され、
前記複数の結合型メタパターンはそれぞれ、一部に互いに前記第1間隔と同一の間隔を有するスペースが形成されるように配列される、請求項26に記載のアンテナ装置。
【請求項30】
前記複数の結合型メタパターンの一方側は、前記複数の環状メタパターンから前記第1間隔だけ離隔配置され、
前記複数の結合型メタパターンの他方側は、前記複数の環状メタパターンから前記第1間隔よりも長い第2間隔だけ離隔配置される、請求項29に記載のアンテナ装置。
【請求項31】
前記第2間隔は、前記複数の環状メタパターンと前記複数のパッチアンテナパターンの間の離隔距離よりも短い、請求項30に記載のアンテナ装置。
【請求項32】
前記複数の結合型メタパターン及び前記複数の環状メタパターンの間に複数のキャビティが形成されるよう配列され、
前記複数のキャビティは、前記複数の結合型メタパターンに対してモザイク(mosaic)の構造で配列される、請求項26に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信のデータトラフィック(Data Traffic)は、毎年飛躍的に増加する傾向にある。かかる飛躍的に増加するデータを無線網でリアルタイムに支援するための活発な技術開発が行われつつある。例えば、IoT(Internet of Thing)ベースのデータコンテンツ化、AR(Augmented Reality)、VR(Virtual Reality)、SNSと結合したライブVR/AR、自律走行、シンクビュー(Sync View、超小型カメラを用いたユーザー視点からのリアルタイム映像伝送)などのアプリケーション(Application)は、大容量のデータを送受信できるようにサポートする通信(例えば、5G通信、ミリ波(mmWave)通信など)を必要とする。
【0003】
これにより、最近、5世代(5G)通信を含むミリ波(mmWave)通信が活発に研究されており、これを円滑に実現するアンテナ装置の商用化/標準化向けの研究も盛んに行われている。
【0004】
高周波数帯域(例えば、24GHz、28GHz、36GHz、39GHz、60GHzなど)のRF信号は、伝達される過程で容易に吸収されて損失につながるため、通信品質が急激に低下する可能性がある。そのため、高周波数帯域の通信向けのアンテナには、従来のアンテナ技術とは異なる技術的アプローチが必要とされ、アンテナ利得(Gain)の確保、アンテナとRFICの一体化、EIRP(Effective Isotropic Radiated Power)の確保などのための別の電力増幅器などの特殊な技術の開発が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アンテナ性能(例えば、送受信率、利得、帯域幅、直進性(directivity)など)を向上させるとともに、小型化に有利な構造を有することができるアンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数の貫通孔を有するグランド層と、上記グランド層の上側にそれぞれ配置された複数のパッチアンテナパターンと、上記複数の貫通孔を貫通するように配置され、上記複数のパッチアンテナパターンとそれぞれ電気的に連結された複数の給電ビアと、上記複数のパッチアンテナパターンの間で繰り返し配列された複数の環状メタパターンと、上記複数のパッチアンテナパターンの間で繰り返し配列され、且つ上記複数のパッチアンテナパターンを基準に上記複数の環状メタパターンより遠い位置に上記複数の環状メタパターンよりもまばらに(sparsely)配列された複数の結合型メタパターンと、を含むことができる。
【0008】
本発明の他の実施形態によるアンテナ装置は、少なくとも一つの貫通孔を有するグランド層と、上記グランド層の上側に配置されたパッチアンテナパターンと、上記少なくとも一つの貫通孔を貫通するように配置され、上記パッチアンテナパターンと電気的に連結された給電ビアと、上記パッチアンテナパターンの側面境界の少なくとも一部を囲み、第1間隔を有するスペースが形成されるように配列された複数の環状メタパターンと、上記複数のパッチアンテナパターンを基準に上記複数の環状メタパターンより遠い位置に、上記パッチアンテナパターンの側面境界の少なくとも一部を囲み、上記第1間隔よりも長い第2間隔を有するキャビティ(cavity)が形成されるように配列された複数の結合型メタパターンと、を含むことができる。
【0009】
本発明のさらに他の実施形態によるアンテナ装置は、複数の貫通孔を有するグランド層と、上記グランド層の上側にそれぞれ配置された複数のパッチアンテナパターンと、上記複数の貫通孔を貫通するように配置され、上記複数のパッチアンテナパターンとそれぞれ電気的に連結された複数の給電ビアと、上記複数のパッチアンテナパターンの間で水平方向及び上下方向に繰り返し配列された複数の環状メタパターンと、上記複数のパッチアンテナパターンの間で水平方向及び上下方向に繰り返し配列され、且つ上記複数のパッチアンテナパターンを基準に上記複数の環状メタパターンより遠い位置に配列された複数の結合型メタパターンと、上記複数の環状メタパターンを互いに上下方向に連結させる複数の配列ビアと、を含み、上記複数の結合型メタパターンは水平方向及び上下方向において互いに分離されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、RF信号をさらにz方向に集中させることができるため、さらに向上したアンテナ性能を有することができる。
【0011】
また、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、RF信号をz方向に集中させるための構成要素(例えば、メタパターン)のサイズに対する性能を向上させることができるため、アンテナ性能を向上させるとともに、小型化に有利な構造を有することができる。
【0012】
また、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、さらに圧縮された構造を有するとともに、パッチアンテナパターンのVポール(Vertical pole)のRF信号が隣接するアンテナ装置に与える電磁干渉を低減させることができるため、サイズに対する改善されたアンテナ性能を有することができる。
【0013】
また、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、アンテナ性能に依存する要素(例えば、キャビティ)をさらに提供することができるため、より繊細に調整されたアンテナ性能を有することができる。
【0014】
また、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、RF信号をz方向に集中させるための構成要素(例えば、メタパターン)のインピーダンスバランスが取れた構造を提供することができるため、複数のアンテナ装置間のメタパターン結合効率を向上させることができ、さらに改善されたアンテナ性能を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態によるアンテナ装置を示す斜視図である。
【
図2a】本発明の一実施形態によるアンテナ装置を示す側断面図である。
【
図2b】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の断面を示す斜視図である。
【
図2c】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の環状メタパターン及び結合型メタパターンを具体的に示す斜視図である。
【
図2d】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の等価回路を示す回路図である。
【
図3a】本発明の一実施形態によるアンテナ装置のパッチアンテナパターンの配列を例示する斜視図である。
【
図3b】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の上面を示す平面図である。
【
図3c】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の各層を示す平面図である。
【
図3d】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の各層を示す平面図である。
【
図3e】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の各層を示す平面図である。
【
図3f】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の各層を示す平面図である。
【
図4a】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の寸法を示す平面図である。
【
図4b】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の結合型メタパターンの多様な形態を例示する平面図である。
【
図4c】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の結合型メタパターンの多様な形態を例示する平面図である。
【
図4d】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の結合型メタパターンの多様な形態を例示する平面図である。
【
図4e】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の結合型メタパターンの多様な形態を例示する平面図である。
【
図4f】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の結合型メタパターンの多様な形態を例示する平面図である。
【
図4g】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の結合型メタパターンの多様な形態を例示する平面図である。
【
図5a】本発明の一実施形態によるアンテナ装置のパッチアンテナパターンの配列を例示する平面図である。
【
図5b】本発明の一実施形態によるアンテナ装置のメタパターンの配列を例示する平面図である。
【
図6a】本発明の一実施形態によるアンテナ装置に含まれる連結部材の下側構造を例示する側断面図である。
【
図6b】本発明の一実施形態によるアンテナ装置に含まれる連結部材の下側構造を例示する側断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の構造を例示する側断面図である。
【
図8a】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の電子機器における配置を例示する平面図である。
【
図8b】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の電子機器における配置を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0017】
図1は本発明の一実施形態によるアンテナ装置を示す斜視図である。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、パッチアンテナパターン110a、給電ビア120a、環状メタパターン130a、及び結合型メタパターン180aを含むことができる。
【0019】
給電ビア120aは、RF(Radio Frequency)信号が通過するように構成されることができる。例えば、上記給電ビア120aは、ICとパッチアンテナパターン110aの間を電気的に連結させることができ、z方向に延びた構造を有することができる。
【0020】
パッチアンテナパターン110aは、給電ビア120aの一端と電気的に連結されることができる。パッチアンテナパターン110aは、給電ビア120aからRF信号の伝達を受けることでz方向に送信することができ、z方向に受信されたRF信号を給電ビア120aに伝達することができる。
【0021】
パッチアンテナパターン110aを透過するRF信号の一部は、下側に配置されたグランド層125aに向かうことができる。グランド層125aに向かうRF信号は、グランド層125aから反射されて、z方向に向かうことができる。これにより、パッチアンテナパターン110aを透過するRF信号は、さらにz方向に集中することができる。
【0022】
例えば、パッチアンテナパターン110aは、円形又は多角形の両面を有するパッチアンテナの構造を有することができる。上記パッチアンテナパターン110aの両面は、RF信号が導電体と非導電体の間を透過する境界として作用することができる。上記パッチアンテナパターン110aは、内在要素(例えば、形状、サイズ、高さ、絶縁層の誘電率など)による内在周波数帯域(例えば、28GHz)を有することができる。
【0023】
複数の環状メタパターン130aはそれぞれ、パッチアンテナパターン110aから離隔配置され、パッチアンテナパターン110aの側面境界の少なくとも一部に対応して配列されることができる。上記複数の環状メタパターン130aは、パッチアンテナパターン110aに電磁結合することができ、パッチアンテナパターン110aのRF信号の経路をz方向に誘導することができる。
【0024】
例えば、複数の環状メタパターン130aは、互いに同一の形状を有して繰り返し配列されることができる。すなわち、複数の環状メタパターン130aは、電磁バンドギャップ(electro-magnetic bandgap)の特性を有することができ、RF信号に対して負の屈折率を有することができる。これにより、複数の環状メタパターン130aは、パッチアンテナパターン110aのRF信号の経路をさらにz方向に誘導することができる。
【0025】
上述のとおり、複数の環状メタパターン130aは、パッチアンテナパターン110aに電磁結合することができるが、複数の環状メタパターン130aの要素(例えば、高さ、形状、サイズ、個数、環状メタパターン間のギャップ、パッチアンテナパターンに対する離隔距離など)は、パッチアンテナパターン110aの周波数特性に影響を与えることができる。
【0026】
複数の環状メタパターン130aを透過するRF信号の大部分は、z方向に近接して誘導されることができるが、一部はz方向から離れることもある。その結果、複数の環状メタパターン130aを透過するRF信号の一部が複数の環状メタパターン130aからx方向及び/又はy方向に漏れることがある。
【0027】
複数の結合型メタパターン180aは、複数の環状メタパターン130aの側面境界の少なくとも一部に対応して配列されることができ、複数の環状メタパターン130aよりまばらに(sparsely)配列されることができる。
【0028】
例えば、複数の結合型メタパターン180aは、互いに同一の形状を有して繰り返し配列されることができる。すなわち、複数の結合型メタパターン180aは、電磁バンドギャップ特性を有することができ、RF信号に対して負の屈折率を有することができる。これにより、複数の結合型メタパターン180aは、パッチアンテナパターン110aのRF信号の経路をさらにz方向に誘導することができる。
【0029】
また、複数の結合型メタパターン180aは、隣接するアンテナ装置の複数の結合型メタパターンと容易に結合するように構成されることができる。例えば、複数の結合型メタパターン180aは、隣接するアンテナ装置の複数の結合型メタパターンの一部が挿入配置されるスペースを提供することができる。
【0030】
これにより、複数の結合型メタパターン180aは、隣接するアンテナ装置の複数の結合型メタパターンとの結合により、複数の環状メタパターン130aと同様に作用することができる。すなわち、複数の結合型メタパターン180aは、複数の環状メタパターン130aに対して効率的に連係されることができるため、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数の環状メタパターン130aの水平方向(x方向/y方向)の幅が広くなったように動作することができる。複数の環状メタパターン130aの水平方向の幅が広くなるとは、グランド層125aから反射されたRF信号が通過する経路をさらに広くカバーすることができることを意味する。したがって、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、RF信号の経路をさらにz方向に誘導することができる。
【0031】
ここで、複数のメタパターン(環状型と結合型を包括する)の水平方向の幅が広くなるとは、より大きいスペースを用いることを意味する。つまり、複数のメタパターンのRF信号をカバーする範囲と、複数のメタパターンが用いるスペースのサイズとは互いに相反関係(trade-off)にある。
【0032】
本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、サイズの増加に対するRF信号のカバー範囲の増加が大きい複数のメタパターンを含むことができる。例えば、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、水平方向の幅が約1.5倍増加した複数のメタパターンを用いることにより、水平方向の幅が約2倍増加したRF信号のカバー範囲を有することができる。
【0033】
ここで、複数のメタパターンの水平方向の幅が約1.5倍増加するとは、複数の結合型メタパターン180aと隣接するアンテナ装置の複数の結合型メタパターンとが互いに配置スペースを共有することに起因する。すなわち、隣接するアンテナ装置も、複数の結合型メタパターン180aとの結合により、複数の環状メタパターンの水平方向の幅が広くなったように動作することができるため、2つのアンテナ装置は、複数の結合型メタパターンの配置スペースを共有することができる。
【0034】
これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、単一のアンテナ装置の面において、サイズに対する改善された利得(gain)を有することができる。
【0035】
また、複数の結合型メタパターン180a間のスペースの一部は、隣接するアンテナ装置の複数の結合型メタパターンの一部によって満たされることができる。これにより、複数の結合型メタパターン180a間のスペースの残りの部分はキャビティ(cavity)をなすことができる。上記キャビティは、複数の結合型メタパターン180aのそれぞれの面積よりも小さい面積の上面/下面を有することができる。
【0036】
上記キャビティは、アンテナ装置が隣接するアンテナ装置に与える電磁干渉を低減させることができる。すなわち、上記キャビティは、複数のメタパターンがRF信号をz方向に誘導するとともに、x方向及び/又はy方向に誘導することを防止するように障壁として作用することができる。
【0037】
例えば、アンテナ装置がHポール(Horizontal pole)のRF信号及びVポール(Vertical pole)のRF信号をそれぞれ送受信して偏波を実現する場合、アンテナ装置のHポールのRF信号は、隣接するアンテナ装置に電磁干渉を与える可能性がある。上記キャビティは、上記HポールのRF信号が複数のメタパターンに沿って隣接するアンテナ装置に移動することを防ぐことができる。
【0038】
これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数のアンテナ装置の配列の面において、サイズに対する改善された利得を有することができる。
【0039】
一方、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、上記キャビティのサイズに依存する特性を有することができる。これにより、上記キャビティは、アンテナ特性の調整要素として作用することができる。
【0040】
一方、
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、パッチアンテナパターン110aの上側に配置され、且つ上下方向(z方向)から見たとき、少なくとも一部が複数の環状メタパターン130aによって囲まれるように配置された結合パッチパターン115aをさらに含むことができる。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、さらに広い帯域幅を有することができる。
【0041】
上記結合パッチパターン115aの配置により、パッチアンテナパターン110aにおける給電ビア120aとの連結のための最適位置は、パッチアンテナパターン110aの境界に近くなることができる。上記最適位置がパッチアンテナパターン110aの第1方向(例えば、0度方向)の端に最も近い場合、パッチアンテナパターン110aのRF信号の送受信に応じてパッチアンテナパターン110aを流れる表面電流は、パッチアンテナパターン110aの第3方向(例えば、180度方向)に向かって流れることができる。この際、表面電流は、第2方向(例えば、90度方向)及び第4方向(例えば、270度方向)にも分散されることができるが、複数の環状メタパターン130a及び/又は結合型メタパターン180aは、表面電流が第2方向及び第4方向に分散されることによって側面に漏れるRF信号を上面方向に誘導(guide)することができる。これにより、パッチアンテナパターン110aの放射パターンは、上面方向にさらに集中することができるため、パッチアンテナパターン110aのアンテナ性能を向上させることができる。一方、設計に応じて、結合パッチパターン115aは省略してもよい。
【0042】
一方、
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、エンドファイアアンテナパターン210a、ディレクターパターン215a、給電線220a、及び結合グランドパターン235aのうち少なくとも一部をさらに含むことができる。
【0043】
エンドファイアアンテナパターン210aは、第2方向(例えば、y方向)にRF信号を送信又は受信するように第2方向(例えば、y方向)に放射パターンを形成することができる。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、RF信号の送受信方向を全方向(omni-directional)に拡大することができる。
【0044】
例えば、エンドファイアアンテナパターン210aは、ダイポール(dipole)の形態、又は折り返しダイポール(folded dipole)の形態を有することができる。ここで、エンドファイアアンテナパターン210aのそれぞれのポールの一端は、給電線220aと電気的に連結されることができる。エンドファイアアンテナパターン210aの周波数帯域は、パッチアンテナパターン110aの周波数帯域と実質的に同一となるように設計されることができるが、これに限定されない。
【0045】
また、エンドファイアアンテナパターン210aは、複数の水平方向のパターンと複数の結合ビア212aとが互いに結合した構造を有することができる。これにより、エンドファイアアンテナパターン210aは、第2方向(例えば、y方向)を向くとともに、表面電流が流れる電磁面を有することができるため、改善された利得(gain)を有することができる。
【0046】
ディレクターパターン215aは、エンドファイアアンテナパターン210aに電磁結合することで、エンドファイアアンテナパターン210aの利得や帯域幅を向上させることができる。例えば、ディレクターパターン215aは、エンドファイアアンテナパターン210aの層数よりも少ない数の層(例えば、1個の層)を用いることができる。これにより、エンドファイアアンテナパターン210aはさらに広い帯域幅を有することができる。
【0047】
給電線220aは、エンドファイアアンテナパターン210aから受信されたRF信号をICに伝達することができ、ICから伝達されたRF信号をエンドファイアアンテナパターン210aに伝達することができる。例えば、給電線220aは、第2給電ビア219aを介してエンドファイアアンテナパターン210aと電気的に連結されることができる。
【0048】
結合型メタパターン180aは、パッチアンテナパターン110aとエンドファイアアンテナパターン210aの間の電磁隔離度を向上させることができる。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、アンテナ性能を確保するとともに、より小型化することができる。
【0049】
結合グランドパターン235aは、給電線220aの上側又は下側に配置されることができる。上記結合グランドパターン235aは、エンドファイアアンテナパターン210aに電磁結合することができる。これにより、エンドファイアアンテナパターン210aは、さらに広い帯域幅を有することができる。
【0050】
図2aは
図1に示されたアンテナ装置を示す側断面図である。
【0051】
図2aを参照すると、パッチアンテナパターン及び結合パッチパターンはそれぞれ、複数の環状メタパターン130a及び結合型メタパターン180aが配置された層と同一の層に配置されることができる。これにより、複数の環状メタパターン130a及び結合型メタパターン180aは、パッチアンテナパターンから漏れるRF信号を上面方向に効率的に誘導することができる。
【0052】
環状メタパターン130a及び結合型メタパターン180aはそれぞれ、複数(例えば、6個)の層を有することができる。環状メタパターン130a及び結合型メタパターン180aの層数が多いほど、環状メタパターン130aのRF信号の誘導性能及び結合型メタパターン180aのRF信号の反射性能を向上させることができる。
【0053】
一方、連結部材200aは、上述したグランド層125aを含むことができ、配線グランド層202a、第2グランド層203a、及びICグランド層204aをさらに含むことができる。給電線220aは、配線グランド層202aと同位(same level)に配置されることができる。
【0054】
図2bは
図2aに示されたアンテナ装置の断面を示す斜視図である。
【0055】
図2bを参照すると、複数の環状メタパターン130aは連続的に配列されることができる。複数の環状メタパターン130a間の間隔は、複数の環状メタパターン130aと結合型メタパターン180aの間の間隔よりも短くてもよい。これにより、複数の環状メタパターン130aは、より効率的にRF信号をz方向に誘導することができる。
【0056】
一方、
図2bを参照すると、連結部材200aは、複数のグランド層の間を電気的に連結させ、複数のグランド層の端に隣接して配置された複数の遮蔽ビア245aを含むことができる。
【0057】
複数の遮蔽ビア245aの一部は、複数の環状メタパターン130aの下側に配置されることができ、複数の遮蔽ビア245aの他の一部は、給電ビア120aを囲むように配置されることができる。これにより、給電ビア120aに影響を与える電磁ノイズを減少させることができるとともに、RF信号の伝送損失を減少させることができる。
【0058】
図2cは本発明の一実施形態によるアンテナ装置の環状メタパターン及び結合型メタパターンを具体的に示す斜視図である。
【0059】
図2cを参照すると、複数の環状メタパターン130aは、複数の第1環状メタパターン137a、複数の第2環状メタパターン132a、複数の第3環状メタパターン133a、複数の第4環状メタパターン134a、複数の第5環状メタパターン135a、及び複数の第6環状メタパターン136aで構成されることができる。複数の第1、第2、第3、第4、第5及び第6環状メタパターン137a、132a、133a、134a、135a、136aは、複数の配列ビア131a介して電気的に連結されることができる。これにより、複数の環状メタパターン130aは、さらに電磁バンドギャップ特性に近い特性を有することができる。
【0060】
設計に応じて、複数の配列ビア131aは、複数の環状メタパターン130a及び複数の結合型メタパターン180aのうち複数の環状メタパターン130aのみを互いに上下方向に連結させることができる。
【0061】
また、複数の結合型メタパターン180aは、複数の第1結合型メタパターン187a、複数の第2結合型メタパターン182a、複数の第3結合型メタパターン183a、複数の第4結合型メタパターン184a、複数の第5結合型メタパターン185a、及び複数の第6結合型メタパターン186aが平行に配置された構造を有することができる。
【0062】
例えば、複数の第1環状メタパターン137aは、結合型メタパターン180aの複数の第1結合型メタパターン187aに対してパッチアンテナパターン110aと同位に配置されることができ、複数の第2環状メタパターン132aは、複数の結合型メタパターン180aの複数の第2結合型メタパターン182aに対して結合パッチパターン115aと同位に配置されることができる。これにより、複数の環状メタパターン130a及び複数の結合型メタパターン180aは、パッチアンテナパターン110aを透過するRF信号をより効率的にz方向に誘導することができる。
【0063】
図2cを参照すると、複数の結合型メタパターン180aは、一部と他の一部が互いに上下方向に重なるように配置され、且つ互いに電気的に分離されるように配列されることができる。
【0064】
すなわち、複数の結合型メタパターン180aは、複数の第1、第2、第3、第4、第5及び第6結合型メタパターン187a、182a、183a、184a、185a、186aを互いに連結させる複数のビアを含まないように構成されることができる。
【0065】
上記複数のビアは、等価回路の面において、インダクタンスとして作用することができる。複数の結合型メタパターン180aは、隣接するアンテナ装置の複数の結合型メタパターン及び複数の環状メタパターン130aとそれぞれ結合するため、比較的大きいキャパシタンスを有することができる。これにより、複数の結合型メタパターン180aは、複数のメタパターン全体のインピーダンスバランスのために比較的小さいインダクタンスを有するようにすべく、複数のビアを含まなくてもよい。但し、インダクタンス及びキャパシタンスは、設計に応じて異なり得るため、複数の結合型メタパターン180aは、アンテナ装置の設計に応じて上記複数のビアを含むように構成されることもできる。
【0066】
一方、複数の環状メタパターン130a及び複数の結合型メタパターン180aはそれぞれ、グランド層125aから電気的に分離されることができる。これにより、複数のメタパターンは、パッチアンテナパターン110aの周波数帯域に隣接する周波数を有するRF信号に対してより適応的のある(adaptive)特性を有することができるため、帯域幅をさらに広げることができる。但し、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、設計に応じて、複数のメタパターンとグランド層125aの間を電気的に連結させるグランドビア(不図示)を含むように構成されて動作安定性の面を考慮して設計されることができる。
【0067】
図2dは本発明の一実施形態によるアンテナ装置の等価回路を示す回路図である。
【0068】
図2dを参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置のパッチアンテナパターン110bは、ICなどのソースSRC2にRF信号を伝達するか、又はRF信号の伝達を受けることができ、抵抗値R2及びインダクタンスL3、L4を有することができる。
【0069】
複数の環状メタパターン130bは、パッチアンテナパターン110bに対するキャパシタンスC5、C12と、複数の環状メタパターン間のキャパシタンスC6、C10と、配列ビアのインダクタンスL5、L6と、複数の環状メタパターンとグランド層の間のキャパシタンスC7、C11と、を有することができる。
【0070】
ここで、複数の環状メタパターン130bのキャパシタンス及びインダクタンスには、上述した複数の結合型メタパターンのキャパシタンス及びインダクタンスが加わることができる。
【0071】
本発明の一実施形態によるアンテナ装置の周波数帯域及び帯域幅は、上述した抵抗値、キャパシタンス、及びインダクタンスによって決定されることができる。
【0072】
図3aは本発明の一実施形態によるアンテナ装置のパッチアンテナパターンの配列を例示する斜視図であり、
図3bは本発明の一実施形態によるアンテナ装置の上面を示す平面図である。
【0073】
図3a及び
図3bを参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数のパッチアンテナパターン110b、複数の結合パッチパターン115b、複数の給電ビア、グランド層125b、複数の環状メタパターン130b、複数の結合型メタパターン180b、連結部材200b、複数のエンドファイアアンテナパターン210b、複数のディレクターパターン215b、複数の給電線220b、及び複数の結合グランドパターン235bのうち少なくとも一部を含むことができる。
【0074】
複数のパッチアンテナパターン110b及び複数の結合パッチパターン115bはそれぞれ、第1方向(例えば、x方向)に配列されることができる。
【0075】
すなわち、複数のパッチアンテナパターン110bは、1×nの構造で配列されることができる。ここで、nは2以上の自然数である。複数のパッチアンテナパターン110bが1×nの構造で配列されたアンテナ装置は、電子機器の端に効率的に配置されることができる。
【0076】
複数の環状メタパターン130bは、複数のパッチアンテナパターン110bのそれぞれを囲むように配置されることができる。
【0077】
複数の結合型メタパターン180bは、複数の環状メタパターン130bを囲むように配置されることができる。
【0078】
複数のエンドファイアアンテナパターン210bは、上下方向(z方向)から見たとき、複数のパッチアンテナパターン110bのそれぞれから第2方向(例えば、y方向)において離隔配置されることができる。
【0079】
ここで、複数の環状メタパターン130bの一部は、上下方向(z方向)から見たとき、複数のエンドファイアアンテナパターン210bと複数のパッチアンテナパターン110bの間に配置されることができる。
【0080】
これにより、複数のパッチアンテナパターン110bと複数のエンドファイアアンテナパターン210bの間の電磁隔離度を向上させることができる。
【0081】
また、複数の結合型メタパターン180bの一部は、上下方向(z方向)から見たとき、複数のエンドファイアアンテナパターン210bと複数のパッチアンテナパターン110bの間に配置されることができる。
【0082】
複数の結合型メタパターン180bがさらにまばらに配列されるため、複数の結合型メタパターン180bは、複数のエンドファイアアンテナパターン210bに対してより広い電磁境界面を提供することができる。
【0083】
これにより、複数のエンドファイアアンテナパターン210bから複数のパッチアンテナパターン110bに漏れるRF信号は、複数の結合型メタパターン180bの電磁境界面でより効率的に反射することができ、さらに第2方向(例えば、y方向)に集中して反射されることができる。これにより、複数のエンドファイアアンテナパターン210bのアンテナ性能をさらに向上させることができる。
【0084】
図3cから
図3fは本発明の一実施形態によるアンテナ装置の各層を示す平面図である。
【0085】
図3cを参照すると、グランド層201aは、給電ビア120aが通過する貫通孔を有することができ、グランド層201aは、パッチアンテナパターン110aと給電線の間を電磁的に遮蔽することができる。
【0086】
図3dを参照すると、配線グランド層202aは、給電線220aの少なくとも一部及びパッチアンテナ給電線221aをそれぞれ囲むことができる。給電線220aは、第2配線ビア232aと電気的に連結されることができ、パッチアンテナ給電線221aは、第1配線ビア231aと電気的に連結されることができる。配線グランド層202aは、給電線220aとパッチアンテナ給電線221aの間を電磁的に遮蔽することができる。給電線220aの一端は第2給電ビア211aに連結されることができる。
【0087】
図3eを参照すると、第2グランド層203aは、第1配線ビア231a及び第2配線ビア232aがそれぞれ通過する複数の貫通孔を有することができ、結合グランドパターン235aを有することができる。第2グランド層203aは給電線とICの間を電磁的に遮蔽することができる。
【0088】
図3fを参照すると、ICグランド層204aは、第1配線ビア231a及び第2配線ビア232aがそれぞれ通過する複数の貫通孔を有することができる。IC 310aは、ICグランド層204aの下側に配置されることができ、第1配線ビア231a及び第2配線ビア232aと電気的に連結されることができる。エンドファイアアンテナパターン210a及びディレクターパターン215aは、ICグランド層204aと実質的に同一の高さに配置されることができる。
【0089】
ICグランド層204aは、IC 310aの回路及び/又は受動部品に用いられるグランドをIC 310a及び/又は受動部品に提供することができる。設計に応じて、ICグランド層204aは、IC 310a及び/又は受動部品に用いられる電源及び信号の伝達経路を提供することができる。これにより、ICグランド層204aは、IC及び/又は受動部品と電気的に連結されることができる。
【0090】
一方、配線グランド層202a、第2グランド層203a、及びICグランド層204aは、キャビティ(cavity)を提供するようにリセスした形状を有することができる。これにより、エンドファイアアンテナパターン210aは、さらにICグランド層204aに近く配置されることができる。
【0091】
一方、配線グランド層202a、第2グランド層203a、及びICグランド層204aの上下関係及び形状は設計に応じて変わり得る。
【0092】
図4aは本発明の一実施形態によるアンテナ装置の寸法を示す平面図である。
【0093】
図4aを参照すると、複数の環状メタパターン130bは、第1領域S1及び第3領域S3に配列されることができ、複数の結合型メタパターン180bは、第2領域S2及び第4領域S4に配列されることができる。第2領域S2は、第1領域S1の間に配置されることができる。第4領域S4は、第3領域S3よりもパッチアンテナパターン110b及び/又は結合パッチパターン115bを基準にさらに遠い位置に配置されることができる。
【0094】
複数の環状メタパターン130bは、第1間隔G11、G12を有するスペースが形成されるように配列されることができる。第1方向の第1間隔G11と第2方向の第1間隔G12は、互いに同一であってもよいが、これに限定されない。
【0095】
複数の環状メタパターン130bはそれぞれ、第1方向の第1長さW11及び第2方向の第1長さW12を有することができる。第1方向の第1長さW11及び第2方向の第1長さW12は、互いに同一であってもよいが、これに限定されない。例えば、第1方向の第1長さW11及び第2方向の第1長さW12はそれぞれ、第1方向の第1間隔G11及び第2方向の第1間隔G12の10倍以上12倍以下であってもよい。
【0096】
キャビティ190bは、第1間隔G11、G12よりも大きい第2間隔G21、G22を有することができる。すなわち、キャビティ190bは、複数の環状メタパターン130b間のスペースよりも大きくてもよい。これにより、キャビティ190bは、複数の結合型メタパターン180bの電磁バンドギャップ特性を補助して、複数のパッチアンテナパターン110b間の電磁隔離度をさらに向上させることができる。
【0097】
キャビティ190bは、第1方向の第2間隔G21及び第2方向の第2間隔G22を有することができ、第1方向の第2間隔G21は、第2方向の第2間隔G22よりも小さくてもよい。すなわち、キャビティ190bは、第1方向の長さと上記第1方向に垂直な第2方向の長さとが互いに異なる多角形の形状を有することができる。
【0098】
これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数のパッチアンテナパターン110b間の電磁隔離度を確保しながらも、第1領域S1のサイズを減らして小型化することができる。例えば、第1方向の第2間隔G21は、第2方向の第2間隔G22の1/2倍超過3/4倍未満であってもよいが、これに限定されない。
【0099】
複数の結合型メタパターン180bはそれぞれ、第1方向の第3長さW31及び第2方向の第1長さW12を有することができる。
【0100】
複数の結合型メタパターン180bの一方側は、複数の環状メタパターン130bから第1方向の第1間隔G11だけ離隔配置され、複数の結合型メタパターン180bの他方側は、複数の環状メタパターン130bから第1方向の第1間隔G11よりも長い第1方向の第2間隔G21だけ離隔配置されることができる。これにより、キャビティ190bは、規則的に配列されることができるため、複数の結合型メタパターン180bの電磁バンドギャップ特性をさらに効率的に補助することができる。
【0101】
設計に応じて、複数の結合型メタパターン180bはそれぞれ、一部に互いに第2方向の第1間隔G12と同一の間隔を有するスペースが形成されるように配列されることができる。これにより、複数の結合型メタパターン180bは、キャビティ190bを実現しながらも、電磁バンドギャップ特性を犠牲にすることなく、電磁結合効率を向上させることができる。
【0102】
また、設計に応じて、複数の結合型メタパターン180bの第1方向の第3長さW31は、第1方向の第1長さW11よりも大きいか、又は第2方向の第1長さW12よりも大きい多角形の形状を有することができる。これにより、複数の結合型メタパターン180bは、キャビティ190bを実現しながらも、電磁結合効率を向上させることができる。例えば、第1方向の第3長さW31は、第1方向の第1長さW11の1倍超過1.2倍以下であることができるが、これに限定されない。
【0103】
キャビティ190bの第1方向の第2間隔G21は、複数の結合型メタパターン180bの第1方向の第3長さW31よりも小さくてもよい。すなわち、キャビティ190bは、複数の結合型メタパターン180bのそれぞれの面積よりも小さい面積を有することができる。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数のパッチアンテナパターン110b間の電磁隔離度を確保しながらも、第1領域S1のサイズを減らして小型化することができる。
【0104】
一方、複数の結合型メタパターン180bのうち第2方向(例えば、y方向)の端に配置された結合型メタパターン182bは、第2方向の中心に配置された結合型メタパターン181bよりもさらに大きくてもよい。
【0105】
すなわち、複数の結合型メタパターン180bは、多角形をなすようにパッチアンテナパターン110bを囲み、且つ複数の結合型メタパターンのうち多角形のコーナーに対応する結合型メタパターン182bは、上記複数の結合型メタパターンのうち多角形の辺に対応する結合型メタパターン181bよりも大きくてもよい。
【0106】
これにより、複数の結合型メタパターン180bは、キャビティ190bを実現しながらも、第2方向(例えば、y方向)の端の配列バランスを向上させることができるため、電磁バンドギャップ特性の安定性を向上させるとともに、電磁結合効率を向上させることができる。
【0107】
例えば、複数の結合型メタパターン180bの端に配置された結合型メタパターン182bは、第1方向の第1長さW11よりも長い第1方向の第3長さW13を有し、第2方向の第1長さW12よりも長い第2方向の第3長さW14を有することができる。
【0108】
同様に、複数の環状メタパターン130bは、多角形をなすようにパッチアンテナパターン110bを囲み、複数の環状メタパターンのうち多角形のコーナーに対応する環状メタパターン132bは、上記複数の環状メタパターンのうち多角形の辺に対応する環状メタパターン131bよりも大きくてもよい。同様に、キャビティ190bのうち上記多角形のコーナーに対応するキャビティ192bは、多角形の辺に対応するキャビティ191b、193bよりも大きくてもよい。
【0109】
これにより、複数の結合型メタパターン180bは、キャビティ190bを実現しながらも、第2方向(例えば、y方向)の端の配列バランスを向上させることができるため、電磁バンドギャップ特性の安定性を向上させるとともに、電磁結合効率を向上させることができる。
【0110】
一方、複数の結合型メタパターン180bのうちパッチアンテナパターン110bとエンドファイアアンテナパターン210bの間に配置された結合型メタパターンは、第1方向の第4長さW42及び第2方向の第4長さW41を有することができる。第1方向の第4長さW42は、第1方向の第1長さW11と同一であってもよく、第2方向の第4長さW41は、第2方向の第1長さW12よりも小さくてもよいが、これに限定されない。
【0111】
一方、複数の環状メタパターン130bは、複数のパッチアンテナパターン110bから第1方向の第5間隔G51及び第2方向の第5間隔G52だけ離隔することができる。
【0112】
ここで、キャビティ190bの第1方向の第2間隔G21は、第1方向の第5間隔G51よりも小さくてもよく、第2方向の第5間隔G52よりも小さくてもよい。これにより、複数の結合型メタパターン180bは、キャビティ190bの電磁障壁性能を向上させるとともに、電磁結合効率を向上させることができる。
【0113】
一方、複数の結合型メタパターン180bは、複数のパッチアンテナパターン110bの一部(例えば、第1方向の一方側の端)により近い結合型メタパターンの一部と、複数のパッチアンテナパターンの他の一部(例:第1方向の他方側の端)により近い結合型メタパターンの一部とが交互に差し込まれた形状を有することができる。
【0114】
これにより、複数の結合型メタパターン180bは、キャビティ190bを実現しながらも、電磁バンドギャップ特性を犠牲にすることなく、電磁結合効率を向上させることができる。
【0115】
設計に応じて、複数の結合型メタパターン180bは、
図4bから
図4gに示すように交互に差し込まれた形状を有さなくてもよい。
【0116】
図4bから
図4gは本発明の一実施形態によるアンテナ装置の結合型メタパターンの多様な形態を例示する平面図である。
【0117】
図4bから
図4fを参照すると、複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180gは、N個(Nは自然数)のジグザグ(zigzag)列で配列されることができる。これにより、複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180gは、電磁バンドギャップ特性及びキャビティ190c、190d、190e、190f、190gの電磁障壁性能をバランスよく確保することができる。
【0118】
また、
図4bから
図4fを参照すると、複数の環状メタパターン130c、130d、130e、130f、130gは、N個の列で配列されることができる。すなわち、複数の環状メタパターン130c、130d、130e、130f、130gの列数は、複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180gの列数と同一であってもよい。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置によると、複数の環状メタパターン130c、130d、130e、130f、130gの比較的高い規則性、及び複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180gの比較的高い電磁障壁性能をバランスよく用いることができる。
【0119】
なお、
図4bから
図4fを参照すると、キャビティ190c、190d、190e、190f、190gは、複数の環状メタパターン130c、130d、130e、130f、130gの側面境界、及び複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180gのジグザグ列の屈曲によって実現されることができる。これにより、キャビティ190c、190d、190e、190f、190gは、ジグザグ列に配列されることができ、電磁障壁性能を向上させることができるとともに、複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180gの電磁バンドギャップ特性を効率的に補助することができる。
【0120】
さらに、
図4bから
図4gを参照すると、複数のキャビティ190c、190d、190e、190f、190g、190hは、複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180g、180hに対してモザイク(mosaic)構造で配列されることができる。これにより、複数のキャビティ190c、190d、190e、190f、190g、190h、及び複数の結合型メタパターン180c、180d、180e、180f、180g、180hはそれぞれ、比較的高い配列規則性を有するとともに、互いに相補的に結合することができるため、電磁バンドギャップ特性及び電磁障壁性能をバランスよく確保することができる。
【0121】
図4bを参照すると、キャビティ190cは、
図4aに示されたキャビティの第1方向の第2間隔よりも大きい第1方向の第2間隔G21を有することができる。例えば、上記第1方向の第2間隔G21は、複数の結合型メタパターン180cの第1方向の第3長さW31と同一であってもよい。
【0122】
図4cを参照すると、キャビティ190dは、
図4bに示されたキャビティの第1方向の第2間隔よりも大きい第1方向の第2間隔G21を有することができる。例えば、上記第1方向の第2間隔G21は、複数の結合型メタパターン180bの第1方向の第3長さW31から拡張間隔G23だけさらに拡張することができる。例えば、複数の結合型メタパターン180dの第1方向の第3長さW31は、
図4aに示された複数の結合型メタパターンの第1方向の第3長さよりも長くてもよい。
【0123】
図4dを参照すると、複数の結合型メタパターン180e及び複数のキャビティ190eはそれぞれ、
図4aに示された複数の結合型メタパターンと複数のキャビティよりもさらに多くの列を有することができる。
【0124】
図4eを参照すると、複数のキャビティ190fはそれぞれ、
図4aに示された複数のキャビティよりもさらに多くの列を有することができる。
【0125】
図4fを参照すると、キャビティ190gは、
図4aに示されたキャビティの第2方向の第2間隔よりも小さい第2方向の第2間隔G22を有することができる。
【0126】
図4gを参照すると、パッチアンテナパターン110hは円形であってもよく、複数の環状メタパターン130h及び複数の結合型メタパターン180hはそれぞれ台形の形状を有するこができ、キャビティ190hは三角形の形状を有することができる。すなわち、本発明の一実施形態によるアンテナ装置の各構成要素の形状は四角形に限定されない。
【0127】
図5aは本発明の一実施形態によるアンテナ装置のパッチアンテナパターンの配列を例示する平面図である。
【0128】
図5aを参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数のパッチアンテナパターン110i、グランド層125i、複数の環状メタパターン130i、複数の結合型メタパターン180i、複数のキャビティ190i、複数のエンドファイアアンテナパターン210i、及び複数の給電線220iのうち少なくとも一部を含むことができる。
【0129】
複数のパッチアンテナパターン110iは、m×nの構造で配列されることができる。ここで、m及びnは2以上の自然数である。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、電子機器のコーナーに近接して配置されることができる。
【0130】
複数の環状メタパターン130iは、複数のパッチアンテナパターン110iの形状に対応するリングの形状を有することができ、複数の結合型メタパターン180iは格子構造を有することができる。
【0131】
図5bは本発明の一実施形態によるアンテナ装置のメタパターンの配列を例示する平面図である。
【0132】
図5bを参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、複数のパッチアンテナパターン110i、グランド層125j、複数の環状メタパターン130j、複数の結合型メタパターン180j、複数のキャビティ190jのうち少なくとも一部を含むことができる。
【0133】
複数の環状メタパターン130j及び複数の結合型メタパターン180jはそれぞれ、複数のパッチアンテナパターン110iを完全に囲むことなく、複数のパッチアンテナパターン110iの間のみに配置されることもできる。
【0134】
すなわち、複数の結合型メタパターン180jが複数の環状メタパターン130jの間で配列されるのであれば、複数の環状メタパターン130jの形状は、特にリングの形状に限定されず、紐(string)の形状であってもよい。
【0135】
図6a及び
図6bは本発明の一実施形態によるアンテナ装置に含まれる連結部材の下側構造を例示する側断面図である。
【0136】
図6aを参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、連結部材200、IC 310、接着部材320、電気連結構造体330、封止材340、受動部品350、及びサブ基板410のうち少なくとも一部を含むことができる。
【0137】
連結部材200は、
図1から
図5bを参照して上述した連結部材と同様の構造を有することができる。
【0138】
IC 310は、上述したICと同一であり、連結部材200の下側に配置されることができる。上記IC 310は、連結部材200の配線と電気的に連結されて、RF信号を伝達するか、又はRF信号の伝達を受けることができ、連結部材200のグランド層と電気的に連結されてグランドの提供を受けることができる。例えば、IC 310は、周波数変換、増幅、フィルタリング、位相制御、及び電源生成のうち少なくとも一部を行うことで、変換された信号を生成することができる。
【0139】
接着部材320は、IC 310と連結部材200を互いに接着させることができる。
【0140】
電気連結構造体330は、IC 310と連結部材200を電気的に連結させることができる。例えば、電気連結構造体330は、半田ボール(solder ball)、ピン(pin)、ランド(land)、パッド(pad)のような構造を有することができる。電気連結構造体330は、連結部材200の配線層及びグランド層よりも低い融点を有するため、上記低融点を用いた所定の工程を経てIC 310と連結部材200を電気的に連結させることができる。
【0141】
封止材340は、IC 310の少なくとも一部を封止することができ、IC 310の放熱性能及び衝撃保護性能を向上させることができる。例えば、封止材340は、PIE(Photo Imageable Encapsulant)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、エポキシモールディングコンパウンド(epoxy molding compound、EMC)などで実現されることができる。
【0142】
受動部品350は、連結部材200の下面上に配置されることができ、電気連結構造体330を介して連結部材200の配線層及び/又はグランド層と電気的に連結されることができる。例えば、受動部品350は、キャパシタ(例えば、積層セラミックキャパシタ(Multi Layer Ceramic Capacitor、MLCC)やインダクタ、チップ抵抗器のうち少なくとも一部を含むことができる。
【0143】
サブ基板410は、連結部材200の下側に配置されることができ、外部からIF(intermediate frequency)信号又はベースバンド(base band)信号の伝達を受けてIC 310に伝達するか、又はIC 310からIF信号又はベースバンド信号の伝達を受けて、外部に伝達するように連結部材200と電気的に連結されることができる。ここで、RF信号の周波数(例えば、24GHz、28GHz、36GHz、39GHz、60GHz)はIF信号(例えば、2GHz、5GHz、10GHzなど)の周波数よりも大きい。
【0144】
例えば、サブ基板410は、連結部材200のICグランド層に含まれることができる配線を介してIF信号又はベースバンド信号をIC 310に伝達するか、又はIC 310からの伝達を受けることができる。ここで、連結部材200の第1グランド層がICグランド層と配線の間に配置されるため、アンテナ装置内においてIF信号又はベースバンド信号とRF信号は電気的に絶縁されることができる。
【0145】
図6bを参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、遮蔽部材360、コネクタ420、及びチップアンテナ430のうち少なくとも一部を含むことができる。
【0146】
遮蔽部材360は、連結部材200の下側に配置されて連結部材200とともにIC 310を囲むように配置されることができる。例えば、遮蔽部材360は、IC 310と受動部品350をともにカバー(例えば、conformal shield)するか、又はそれぞれをカバー(例えば、compartment shield)するように配置されることができる。例えば、遮蔽部材360は、一面が開放された六面体形状を有し、連結部材200との結合によって六面体形状の収容空間を有することができる。遮蔽部材360は、銅のように高導電率を有する物質で実現されて浅いスキンデプス(skin depth)を有することができ、連結部材200のグランド層と電気的に連結されることができる。これにより、遮蔽部材360は、IC 310と受動部品350が受ける可能性がある電磁ノイズを低減させることができる。
【0147】
コネクタ420は、ケーブル(例えば、同軸ケーブル、フレキシブルPCB)の接続構造を有することができ、連結部材200のICグランド層と電気的に連結されることができる。また、コネクタ420は、上述したサブ基板と類似の役割を果たすことができる。すなわち、上記コネクタ420は、ケーブルからIF信号、ベースバンド信号、及び/又は電源の提供を受けるか、又はIF信号及び/又はベースバンド信号をケーブルに提供することができる。
【0148】
チップアンテナ430は、本発明の一実施形態によるアンテナ装置を補助してRF信号を送信又は受信することができる。例えば、チップアンテナ430は、絶縁層よりも大きい誘電率を有する誘電体ブロックと、上記誘電体ブロックの両面に配置される複数の電極と、を含むことができる。上記複数の電極のうち一つは、連結部材200の配線と電気的に連結されることができ、他の一つは、連結部材200のグランド層と電気的に連結されることができる。
【0149】
図7は本発明の一実施形態によるアンテナ装置の構造を例示する側断面図である。
【0150】
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、エンドファイアアンテナ100fとパッチアンテナパターン1110fとIC 310fと受動部品350fが連結部材500fに統合された構造を有することができる。
【0151】
エンドファイアアンテナ100f及びパッチアンテナパターン1110fはそれぞれ、上述したアンテナ装置及びパッチアンテナパターンと同じように設計されることができ、IC 310fからRF信号の伝達を受けて送信するか、又は受信されたRF信号をIC 310fに伝達することができる。
【0152】
連結部材500fは、少なくとも一つの導電層510fと、少なくとも一つの絶縁層520fとが積層された構造(例えば、プリント回路基板の構造)を有することができる。上記導電層510fは、上述したグランド層及び給電線を有することができる。
【0153】
また、本発明の一実施形態によるアンテナ装置は、フレキシブル連結部材550fをさらに含むことができる。フレキシブル連結部材500fは、上下方向から見たとき、連結部材500fと重なる第1フレキシブル領域570fと、連結部材500fと重ならない第2フレキシブル領域580fと、を含むことができる。
【0154】
第2フレキシブル領域580fは、上下方向に柔軟に曲がることができる。これにより、第2フレキシブル領域580fは、セット基板のコネクタ及び/又は隣接するアンテナ装置に柔軟に連結されることができる。
【0155】
フレキシブル連結部材500fは、信号線560fを含むことができる。IF(Intermediate frequency)信号及び/又はベースバンド信号は、信号線560fを介してIC 310fに伝達されるか、又はセット基板のコネクタ及び/又は隣接するアンテナ装置に伝達されることができる。
【0156】
図8a及び
図8bは本発明の一実施形態によるアンテナ装置の電子機器における配置を例示する平面図である。
【0157】
図8aを参照すると、エンドファイアアンテナ100g、パッチアンテナパターン1110g、及び絶縁層1140gを含むアンテナ装置は、電子機器700gのセット基板600g上において電子機器700gの側面境界に隣接して配置されることができる。
【0158】
電子機器700gは、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができるが、これに限定されない。
【0159】
上記セット基板600g上には、通信モジュール610g及びベースバンド回路620gがさらに配置されることができる。上記アンテナ装置は、同軸ケーブル630gを介して通信モジュール610g及び/又はベースバンド回路620gと電気的に連結されることができる。
【0160】
通信モジュール610gは、デジタル信号処理を行うように、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップの一部を含むことができる。
【0161】
ベースバンド回路620gは、アナログ-デジタル変換、アナログ信号に対する増幅、フィルタリング、及び周波数変換を行うことでベース信号を生成することができる。上記ベースバンド回路620gから入出力されるベース信号は、ケーブルを介してアンテナ装置に伝達されることができる。
【0162】
例えば、上記ベース信号は、電気連結構造体、コアビア、及び配線を介してICに伝達されることができる。上記ICは、上記ベース信号をミリ波(mmWave)帯域のRF信号に変換することができる。
【0163】
図8bを参照すると、エンドファイアアンテナ100h、パッチアンテナパターン1110h、及び絶縁層1140hをそれぞれ含む複数のアンテナ装置は、電子機器700hのセット基板600h上において電子機器700hの一側面の境界と他側面の境界にそれぞれ隣接して配置されることができ、上記セット基板600h上において通信モジュール610h及びベースバンド回路620hがさらに配置されることができる。上記複数のアンテナ装置は、同軸ケーブル630hを介して通信モジュール610h及び/又はベースバンド回路620hと電気的に連結されることができる。
【0164】
一方、本明細書で述べられたパッチアンテナパターン、結合パッチパターン、環状メタパターン、結合型メタパターン、給電ビア、配列ビア、グランドビア、遮蔽ビア、配線ビア、給電線、グランド層、エンドファイアアンテナパターン、ディレクターパターン、結合グランドパターン、電気連結構造体は、金属材料(例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質)を含むことができ、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi-Additive Process)、MSAP(Modified Semi-Additive Process)などのメッキ方法によって形成されることができるが、これに限定されない。
【0165】
一方、本明細書で述べられた絶縁層は、FR4、LCP(Liquid Crystal Polymer)、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramic)、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、BT(Bismaleimide Triazine)、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂、一般の銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)、又はガラスやセラミック(ceramic)系の絶縁材などで実現されることもできる。上記絶縁層は、本明細書で述べられたアンテナ装置においてパッチアンテナパターン、結合パッチパターン、環状メタパターン、結合型メタパターン、給電ビア、配列ビア、グランドビア、遮蔽ビア、配線ビア、給電線、グランド層、エンドファイアアンテナパターン、ディレクターパターン、結合グランドパターン、電気連結構造体が配置されていない位置の少なくとも一部に満たされることができる。
【0166】
一方、本明細書で述べられたRF信号は、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0167】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0168】
110 パッチアンテナパターン(patch antenna pattern)
115 結合パッチパターン(coupling patch pattern)
120 給電ビア(feed via)
125 グランド層(ground layer)
130 環状メタパターン(meta pattern)
131a 配列ビア
132a 第2環状メタパターン
133a 第3環状メタパターン
134a 第4環状メタパターン
135a 第5環状メタパターン
136a 第6環状メタパターン
137a 第1環状メタパターン
131b 多角形の辺に対応する環状メタパターン
132b 多角形のコーナーに対応する環状メタパターン
180 結合型メタパターン
182a 第2結合型メタパターン
183a 第3結合型メタパターン
184a 第4結合型メタパターン
185a 第5結合型メタパターン
186a 第6結合型メタパターン
187a 第1結合型メタパターン
181b 多角形の辺に対応する結合型メタパターン
182b 多角形のコーナーに対応する結合型メタパターン
190 キャビティ(cavity)
200 連結部材
202 配線グランド層
203 第2グランド層
204 ICグランド層
210 エンドファイアアンテナパターン(end-fire antenna pattern)
215 ディレクターパターン(director pattern)
220 給電線(feed line)
235 結合グランドパターン(coupling ground pattern)
245 遮蔽ビア(shielding via)