(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】キャリア用移動キャスター
(51)【国際特許分類】
B60B 33/00 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
B60B33/00 501D
B60B33/00 U
(21)【出願番号】P 2020573019
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 KR2020014421
(87)【国際公開番号】W WO2021230438
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0058348
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520505515
【氏名又は名称】パク、ジ ヨン
【氏名又は名称原語表記】PARK,Ji Yeong
【住所又は居所原語表記】515Dong 902Ho(Bokhansan IPARK, Chang Dong),28,Dobong-ro 136-gil Dobong-gu Seoul 01398,Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】520505526
【氏名又は名称】パク、ボ ヨン
【氏名又は名称原語表記】PARK,Bo Yeong
【住所又は居所原語表記】515Dong 902Ho(Bokhansan IPARK, Chang Dong),28,Dobong-ro 136-gil Dobong-gu Seoul 01398,Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】520505537
【氏名又は名称】パク、チェ ヨン
【氏名又は名称原語表記】PARK,Chae Yeong
【住所又は居所原語表記】515Dong 902Ho(Bokhansan IPARK, Chang Dong),28,Dobong-ro 136-gil Dobong-gu Seoul 01398,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ボ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、チェ ヨン
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-206199(JP,A)
【文献】登録実用新案第3176002(JP,U)
【文献】特開2009-286370(JP,A)
【文献】特開2014-231326(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2019-0002055(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア収納部の下面に装着されるキャリア用移動キャスターにおいて、
キャリア収納部の下面に装着されるベース部;
回動軸を基準にして前記ベース部に回動できるように装着されるボディー;
前記ボディーに装着される車輪;
前記ボディーに装着されて前記キャリア収納部を下方に押したり、傾斜するように傾けると回動されたベース部によって押して操作されることによって前記車輪を選択的に拘束する拘束部;及び
前記ベース部とボディーとの間に設置されて回動されたベース部を元の位置に復元させる第1の復元スプリング;を含み、
前記ボディーの一側の上部には前記回動軸が装着される第1の軸装着口が形成され、他側の上面には前記拘束部が装着される固定孔が形成されることを特徴とするキャリア用移動キャスター。
【請求項2】
前記第1の軸装着口と固定孔の間の上面には、前記第1の復元スプリングの下部が収容されるスプリング装着溝が陷沒して形成されることを特徴とする請求項1に記載のキャリア用移動キャスター。
【請求項3】
前記拘束部は、
前記固定孔に固定して装着され、内周面に上下方向にガイド溝が形成され、下端には第1の掛け鋸歯が形成されるシリンダー;
前記シリンダーの上部に露出された状態で前記シリンダーの内部で上下方向に往復移動され、下端には第2の掛け鋸歯が形成されるプッシュロッド;
前記プッシュロッドの内部に挿入される挿入軸と、前記挿入軸の下部へと延長されて外周面に前記第1の掛け鋸歯と噛み合わせられたり、ガイド溝に挿入される作動カムが突出して形成されるカム軸を含む作動軸;
前記作動軸の下端に装着され、前記作動軸によって前記作動空間内で上下方向に昇降して車輪に選択的に掛かるように構成される拘束板;及び
前記作動空間に設置されて前記拘束板を上部に弾性押圧する第2の復元スプリング;を含
み、
前記固定孔の下部には拘束板が昇降するための作動空間が形成される
ことを特徴とする請求項
2に記載のキャリア用移動キャスター。
【請求項4】
前記車輪の内輪には複数個のスポークが等間隔で形成され、前記拘束板には隣接したスポークの間の地点に選択的に挿入される掛け突起が突出して形成されることを特徴とする請求項
3に記載のキャリア用移動キャスター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア用移動キャスターに係り、より詳しくは、車輪の転がる状態を制御するために車輪の周りに付けられたレバーを足で押したり、あるいは車輪自体をキャリアから脱去する過程がなくても、単にキャリア収納部を手で押したり、傾斜移動させて移動キャスターの拘束部を押して操作することで移動キャスターの走行モードまたは停止モードが選択的に駆動されるようにして移動キャスターの操作がより簡便になり、さらに、キャリア収納部をより容易に取り扱えるようにする移動キャスターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鞄は物を入れて便利に持ち歩くようにした器具であって、携帯方式や模様、大きさ、構造などによって種類がとても様々で、前記鞄を携帯方式によって分類すれば、手で持ち歩くハンドバッグと、肩に担うリュックサック、路面で車輪を利用して転がすキャリア(旅行用バッグ)などで分類される。
特に、キャリアは一般的に、収納空間が広く、キャスターが付いていて旅行中の移動が容易であり、品物を保管する時非常に有用に使われる。
【0003】
キャリアに装着されたキャスターは、キャリアの移動の便宜性のために底面から自由に転がるように構成されるが、キャスターが容易に転がる場合、予測できない事由によってキャリアを逃したり、キャリアを停止させて置くなど、キャリアの取り扱い過程でキャリアが自由に移動するようになって、周りに衝突するなど安全上問題点を発生させる。
このような理由によって、ほとんどのキャスターはキャスターが転がることを制限するためのロック手段を一緒に備えている。
このようなロック装置を備えたキャスターの従来の技術では、韓国公開特許10‐2016‐0074311号に開示されている。
【0004】
前記従来の技術は車輪に簡単な動作でロック及び解除できるようにする技術を制限しているが、ロック及び解除の際に使用者が直接足でロッキングペダルを踏んで押圧しなければならないため、車輪が違う方向に回っているか、あるいは車輪がキャリア収納部などによって隠されている場合、ロッキングペダルを踏むために足を深く入れなければならないなど、ロッキングペダルの操作が容易でなくなり、場合によっては、片足でロッキングペダルを踏む過程でもう一方の片足がバランスを失って、安全上の問題を引き起こすこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許10‐2016‐0074311号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術上の諸問題点に鑑みてこれを解決しようと案出されたもので、車輪の転がり状態を制御するために車輪の周りに設けられたレバーを足で押したり、あるいは、車輪自体をキャリアから脱去する過程がなくても、単純にキャリア収納部を手で押したり、傾斜移動させて移動キャスターの拘束部を押して操作することで移動キャスターの走行モードまたは停止モードが選択的に駆動されるようにして移動キャスターの操作がより簡便になり、さらに、キャリア収納部をより容易に取り扱えるようにする移動キャスターを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するための手段で、キャリア収納部の下面に装着されるキャリア用移動キャスターにおいて、キャリア収納部の下面に装着されるベース部;回動軸を基準にして前記ベース部に回動できるように装着されるボディー;前記ボディーに装着される車輪;前記ボディーに装着されて前記キャリア収納部を下方に押したり傾斜するように傾けると、回動されたベース部によって押して操作されることによって前記車輪を選択的に拘束する拘束部;及び前記ベース部とボディーの間に設置されて回動されたベース部を元の位置に復元させる第1の復元スプリング;を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記ボディーの一側の上部には前記回動軸が装着される第1の軸装着口が形成され、他側の上面には前記拘束部が装着される固定孔が上下方向に貫通して形成され、前記第1の軸装着口と固定孔の間の上面には前記第1の復元スプリングの下部が収容されるスプリング装着溝が陥没して形成されることを特徴とする。
【0009】
また、前記拘束部は、前記固定孔に固定して装着されて内周面に上下方向にガイド溝が形成され、下端には第1の掛け鋸歯が形成されるシリンダー;前記シリンダーの上部に露出された状態で前記シリンダーの内部で上下方向に往復移動され、下端には第2の掛け鋸歯が形成されるプッシュロッド;前記プッシュロッドの内部に挿入される挿入軸と、前記挿入軸の下部へ延長されて外周面に前記第1の掛け鋸歯と噛み合わせられたり、ガイド溝に挿入される作動カムが突出して形成されるカム軸を含む作動軸;前記作動軸の下端に装着され、前記作動軸によって前記作動空間内で上下方向に昇降して車輪に選択的に掛かるように構成される拘束板;及び前記作動空間に設置され、前記拘束板を上部に弾性押圧する第2の復元スプリング;を含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記車輪の内輪には複数個のスポークが等間隔に形成され、前記拘束板には接したスポークの間の地点に選択的に挿入される掛け突起が突出して形成されることを特徴とする。
また、前記固定孔の下部には、前記拘束板が昇降するための作動空間が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、車輪が転がる状態を制御するために車輪の周りに設けられたレバーを足で押したり、あるいは、車輪自体をキャリアから脱去する過程がなくても、単にキャリア収納部を手で押したり、傾斜移動させて移動キャスターの拘束部を押して操作することで移動キャスターの走行モードまたは停止モードが選択的に駆動されるようにして移動キャスターの操作がより簡便になり、さらに、キャリア収納部をより容易に取り扱うことができる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】キャリアに装着された移動キャスターの例を図示した図面。
【
図2】本発明による移動キャスターの全体的外観を図示した図面。
【
図3】本発明による移動キャスターの全体的外観を図示した図面。
【
図8】
図1のキャリア収納部を側面から眺めた図面で、移動キャスター部分を拡大して図示した状態でボディーの部分断面を形成した図面。
【
図9】下へ押されたり傾斜となるように傾いたキャリア収納部を側面から眺めた図面。
【
図10a】移動キャスターの作用を説明するために拘束部と車輪部を概念的に図示した図面で、走行モード状態から停止モードになる過程を段階的に図示した図面。
【
図10b】移動キャスターの作用を説明するために拘束部と車輪部を概念的に図示した図面で、走行モード状態から停止モードになる過程を段階的に図示した図面。
【
図10c】移動キャスターの作用を説明するために拘束部と車輪部を概念的に図示した図面で、走行モード状態から停止モードになる過程を段階的に図示した図面。
【
図10d】移動キャスターの作用を説明するために拘束部と車輪部を概念的に図示した図面で、走行モード状態から停止モードになる過程を段階的に図示した図面。
【
図11a】移動キャスターの作用を説明するために拘束部と車輪部を概念的に図示した図面で、停止モード状態から走行モードになる過程を段階的に図示した図面。
【
図11b】移動キャスターの作用を説明するために拘束部と車輪部を概念的に図示した図面で、停止モード状態から走行モードになる過程を段階的に図示した図面。
【
図11c】移動キャスターの作用を説明するために拘束部と車輪部を概念的に図示した図面で、停止モード状態から走行モードになる過程を段階的に図示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を充分理解するために、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。本発明の実施例は様々な形態で変形されてもよく、本発明の範囲が以下で詳しく説明する実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。本実施例は当業界で平均の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状などはより明確な説明を強調するために誇張して表現されることがある。各図面で同一な部材は同一な参照符号で図示した場合があることを留意しなければならない。本発明の要旨を不要に曖昧にすることがあると判断される公知機能及び構成に対する詳しい技術は省略される。
【0014】
説明する前に、本発明によるキャリア用移動キャスター10は、好ましくはキャリア収納部20の下面に装着されて使われてもよいが、必要に応じて荷物を移動するために転がり手段を要する車、大車などに使われてもよいことを明らかにする。以下の説明では、キャリアに適用された移動キャスター10を例えて具体的な構造及び作用を説明する。
【0015】
本発明による移動キャスター10は、
図1ないし
図6に図示されたように、大きくキャリア収納部20の下面に装着されるベース部100、回動軸210を基準にして前記ベース部100に回動できるように装着されるボディー200、前記ボディー200に装着される車輪300、前記ボディー200に装着されて前記キャリア収納部20を下方に押したり傾斜するように傾けると回動されたベース部100によって押し操作されることによって前記車輪300を選択的に拘束する拘束部400、及び前記ベース部100とボディー200の間に設けられて回動されたベース部100を元の位置に復元させる第1の復元スプリング500を含むものと定義することができる。
【0016】
ここで、キャリア収納部20は、収納空間を形成した艦体形状の部材を意味し、このようなキャリア収納部20の下面に複数個の移動キャスター10が装着されることができる。
【0017】
一方、本発明による移動キャスター10の主な特徴を概観すると、本発明による移動キャスター10はキャリア収納部20を下方に押したり、一方に傾ける動作を通じて走行モードまたは停止モードを選択的に具現することができる。
【0018】
例えば、キャリア収納部20を移動させる過程でキャリア収納部20の位置を固定する必要がある場合、キャリア収納部20を下方に押したり、一方向に傾斜するように傾けると移動キャスター10の停止モード状態になって移動キャスター10の転がり移動が制限され、停止モード状態でもう一度キャリア収納部20を一方向に傾斜するように傾けると移動キャスター10の走行モードになって移動キャスター10の転がり移動が開始される。
【0019】
このための構成として、先ず、ベース部100はキャリア収納部20の下面にボルトなどの締結部材を通じて固定して設置されることができる。ベース部100は
図9の下に図示されたように、キャリア収納部20が一方向に傾斜するように傾く時、これと連動して傾斜するように傾きながらボディー200に装着された拘束部400上端を押圧する作用をする。
【0020】
これと逆に、
図9の上部に図示されたように、キャリア収納部20が下に押されると、ベース部100に対してボディー200が相手的に回動される構造からなることは当然である。
【0021】
ベース部100はキャリア収納部20の下面にボルトなどの締結手段を通じて固定して設置される固定部材110、及び前記固定部材110の下部にその場で回転できるように装着される回転部材120を含むものとして例示されてもよく、固定部材110と回転部材120の間にはベアリング(未図示)が介在され、固定部材110で回転部材120の相手回転を補助するように構成することができる。これを通じて、ボディー200の姿勢が自在に回転可能になってキャリア収納部20の移動方向の旋回を自由に補助するための役目をする。
【0022】
この時、回転部材120には前記回動軸210が挿入される第2の軸装着口130が形成されることができ、前記第2の軸装着口130に挿入される回動軸210を媒介にしてボディー200がベース部100に回動できるように装着されることができる。
次に、ボディー200は、車輪300、拘束部400及び第1の復元スプリング500などの部材を支持する。
【0023】
ボディー200の一側の上部には前記回動軸210が装着される第1の軸装着口220が形成されることができる。この時、回動軸210はボディー200の第1の軸装着口220と回転部材120の第2の軸装着口130を相互貫いて装着されることができる。このような構造を通じて、キャリア収納部20を下方に押したり傾斜するように傾けると、ベース部100とボディー200は回動軸210を回転基準にして互いに回動される構造を取りそろえるようになる。
【0024】
ボディー200の他側の上面には前記拘束部400が装着される固定孔230が上下方向に貫通して形成されることができる。キャリア収納部20が下に押されたり傾斜するように傾けると、ベース部100の固定部材110の下面が前記固定孔230に装着された拘束部400の上端を押圧できる構造が取り揃えられる。
【0025】
固定孔230の下部には、前記拘束部400が昇降するための作動空間240が形成されることができる。前記作動空間240はボディー200の一部の面が切り開かれて形成された空間からなってもよく、前記作動空間240は後述する拘束部400の拘束板440が昇降し、第2の復元スプリング450が作動する空間として活用される。
【0026】
前記第1の軸装着口220と固定孔230の間のボディー200上面には、前記第1の復元スプリング500の下部が収容されるスプリング装着溝250が陷沒して形成されることができる。
【0027】
第1の復元スプリング500の上端は回転部材120の下面に固定され、下端は前記スプリング装着溝250に収容された状態で移動キャスター10に垂直に加えられる外からの衝撃を緩衝することができる。これと同時に、第1の復元スプリング500は回動軸210を基準にして傾斜するように傾いたベース部100を上部に弾性押圧することで、ベース部100をまた元の状態に復帰させ、最終的に傾斜するように傾いたキャリア収納部20を元の状態で動かせる役目をする。
【0028】
ボディー200の作動空間240の直下の方には車輪装着口260が形成されてもよく、前記車輪装着口260に一対の車輪300が向かい合うように装着されてもよい。
【0029】
次に、拘束部400はベース部100によって押される度に車輪300の転がり状態を制御することができる。例えば、一回押される場合は車輪300を拘束し、もう一度押される場合は車輪300の拘束を解除して車輪300を転がり移動させることができる。
【0030】
このために、拘束部400は
図7に図示されたように、前記固定孔230に固定して装着されて内周面に上下方向にガイド溝411が形成され、下端には第1の掛け鋸歯412が形成されるシリンダー410、前記シリンダー410の上部に露出された状態で前記シリンダー410の内部で上下方向に往復移動され、下端には第2の掛け鋸歯421が形成されるプッシュロッド420、前記プッシュロッド420の内部に挿入される挿入軸431と前記挿入軸431の下部に延長され、外周面に前記第1の掛け鋸歯412と噛み合わせられたり、ガイド溝411に挿入される作動カム432aが突出して形成されるカム軸432を含む作動軸430、前記作動軸430の下端に装着され、前記作動軸430によって前記作動空間240内で上下方向に昇降して車輪300に選択的に掛かるように構成される拘束板440及び前記作動空間240に設置されて前記拘束板440を上部に弾性押圧する第2の復元スプリング450を含むものと例示されることができる。
【0031】
先ず、シリンダー410は中孔型からなって、固定孔230の内部に挿入されて装着されることができる。ガイド溝411と第1の掛け鋸歯412は、一定角度の位相差を置いて複数個が交互に形成されることができる。例えば、一対で構成される第1の掛け鋸歯412群の間ごとに前記ガイド溝411が形成される構造を取り揃えることができる。
【0032】
ガイド溝411はシリンダー410の内周面が一定の深さで陷沒される形態、またはシリンダー410の外周面を完全に貫く形態で例示されることができる。第1の掛け鋸歯412には作動カム432aが案内されるように一定角度の傾斜面412aが形成されることができる。
【0033】
作動軸430の作動カム432aが第1の掛け鋸歯412の傾斜面412aに沿って移動すれば、作動軸430の角運動が発生することがあり、これによって作動カム432aが回転移動して一対の第1の掛け鋸歯412の間に噛み合わせられたり、ガイド溝411に挿入されることができる。
【0034】
言い換えれば、作動カム432aが一対の第1の掛け鋸歯412の間の地点に対応される位置へと作動軸430の回転移動が発生すれば、第1の掛け鋸歯412と作動カム432aの上端が噛み合わせられるように構成されて作動軸430の上昇移動が制限されることがある。
【0035】
逆に、作動カム432aがガイド溝411に対応される位置へと作動軸430の回転移動が発生すれば、作動カム432aがガイド溝411によって案内されて作動軸430の上昇移動が許容されることができる。
【0036】
プッシュロッド420はベース部100で押される部分であって、シリンダー410の内部で作動軸430を下方に牽引する。プッシュロッド420によって作動カム432aが第1の掛け鋸歯412とガイド溝411のいずれから離脱された下死点に移動されると、作動軸430を所定角度回転移動させる役目をする。
【0037】
プッシュロッド420は下端が開放された形態で構成され、内部に作動軸430の挿入軸431が挿入されることがあり、第2の掛け鋸歯421にはカム軸432の作動カム432aがすべり接触されることがある。
【0038】
プッシュロッド420が押されるようになれば第2の掛け鋸歯421が作動カム432aを押して作動軸430を下降移動させるようになり、この時、作動カム432aが第1の掛け鋸歯412に噛み合わせられている場合、作動カム432aが第1の掛け鋸歯412から離脱され、作動カム432aがガイド溝411に挿入されている場合、作動カム432aがガイド溝411からすり抜けて下死点に移動する。
そして、作動軸430の下死点で作動カム432aが第2の掛け鋸歯421に滑って移動され、作動軸430が所定角度回転移動されることができる。
【0039】
次に、作動軸430はプッシュロッド420の押し作用によって、これと連動して下端に装着された拘束板440の位置を制御する。この時、作動軸430は拘束板440で空回るように構成されることが好ましい。
【0040】
作動軸430は、シリンダー410の第1の掛け鋸歯412に掛かって上昇移動が制限されたり、またはシリンダー410のガイド溝411に沿って上昇するように構成され、拘束板440の上下位置を決めることができる。
【0041】
作動軸430を構成する挿入軸431とカム軸432は互いに同軸上に形成されることができる。カム軸432の外周面には上下方向に作動カム432aが突出して形成されることができ、前記作動カム432aはカム軸432の円周方向に沿って複数個が等間隔で配列されることができる。
【0042】
作動カム432aの上端は第1の掛け鋸歯412と第2の掛け鋸歯421に滑って接触することができるように一定角度傾いた形態で構成され、特に、第1の掛け鋸歯412の傾斜面412aと同一な角度の傾斜面432bを持つことができる。そして、カム軸432の下端に拘束板440が固定して装着されることができる。
拘束板440は昇降する作動軸430に連動されて作動空間240内部で車輪300の転がりを取り締まる。
【0043】
一方、車輪300の内輪には複数個のスポーク310が等間隔で形成され、拘束板440には隣接したスポーク310の間の地点に選択的に挿入される掛け突起441が突出して形成されることができる。この時、スポーク310は車輪300の中央から一定距離離隔されるように車輪300の内輪から車輪300の中央に向かって所定距離延長して形成されるようにし、拘束板440が下降した時、掛け突起441に掛からないように構成されることができる。
【0044】
第2の復元スプリング450は、拘束板440の下方で拘束板440を上部に弾性押圧し、この弾性押圧力によって作動軸430が上部へ弾性牽引されることができる。
【0045】
作動カム432aがガイド溝411に挿入されれば、第2の復元スプリング450の弾性押圧力によって作動軸430が上死点に移動される。これによって、プッシュロッド420も一緒に上昇移動されることができる。
【0046】
以下、添付の図面を参考にして本発明による移動キャスター10の作用を説明する。本作用ではキャリア収納部20の押され、または傾斜の傾きによる移動キャスター10の走行モードまたは停止モードの変換過程を例えて説明する。
【0047】
説明する前に、移動キャスター10の走行モードは移動キャスター10の車輪300が転がることができる状態を意味し、停止モードは車輪300が拘束板440の掛け突起441によって掛かって転がることができない状態を意味する。
【0048】
先ず、移動キャスター10の走行モード状態でキャリア収納部20の位置の固定が要求される場合、
図8に図示された状態のキャリア収納部20を
図9に図示されたように下方に押したり傾斜するように傾ける。
【0049】
キャリア収納部20が下方に押されたり傾斜するように傾けば、回動軸210を基準にしてベース部100が回動しながらプッシュロッド420を1回押圧する。
【0050】
図10aに図示された状態でプッシュロッド420が押圧されれば、第1の掛け鋸歯412に噛み合わせられて上昇移動が制限された作動軸430が、
図10bに図示されたようにプッシュロッド420の下降移動によってこれと連動して下降して下死点に移動される。作動軸430の下死点で作動カム432aが第2の掛け鋸歯421で滑って回転移動し、作動軸430が一定角度回転されることによって前記作動カム432aが前記ガイド溝411に案内される状態になる。
【0051】
第1の復元スプリング500の弾性復元力によって
図9に図示された状態のキャリア収納部20が
図8に図示された状態に復元されれば、第2の復元スプリング450の弾性押圧力によって拘束板440及び作動軸430が上昇するようになり、この時、
図10cに図示されたように、作動カム432aの傾斜面432bが第1の掛け鋸歯412の傾斜面412aにガイドされ、作動カム432aがガイド溝411に案内されて上昇するようになり、最終的に、
図10dに図示されたように、拘束板440の掛け突起441が隣接したスポーク310の間の地点に介在され、車輪300が転がることができない停止モードになる。
【0052】
停止モード状態から再び走行モードに変換しようとする場合、キャリア収納部20をもう一度押したり、傾斜するように傾けることによって
図11aに図示された状態(停止モード)でプッシュロッド420が押圧されれば、
図11bに図示されたように、前記作動軸430がこれと連動して下降し、作動カム432aが第2の掛け鋸歯421で滑って回転移動して作動軸430が一定角度回転されることによって前記作動カム432aがガイド溝411と交互に配置された一対の第1の掛け鋸歯412の間に案内される状態になる。
【0053】
第1の復元スプリング500の弾性復元力によって
図9に図示された状態のキャリア収納部20が
図8に図示された状態に復元されれば、第2の復元スプリング450の弾性押圧力によって拘束板440及び作動軸430が上昇するようになり、この時、
図11cに図示されたように、作動カム432aが互いに接した一対の第1の掛け鋸歯412の間に噛み合わせられて作動軸430の上昇移動が制限され、最終的に、作動軸430及び拘束板440の上昇移動が制限されて拘束板440の掛け突起441が隣接したスポーク310の間の地点から離脱され、車輪300が転がることができる走行モードになる。
【0054】
まとめると、本発明による移動キャスター10は、従来の移動キャスター10のように車輪300の転がり状態を制御するために車輪300の周りに設けられたレバーを足で押したり、あるいは、車輪300自体をキャリアから脱去する過程なくても、単にキャリア収納部20を手で押したり傾斜移動させ、移動キャスター10の拘束部400を押して操作することによって、移動キャスター10の走行モードまたは停止モードが選択的に駆動されるようにして移動キャスター10の操作がより簡便になり、さらに、キャリア収納部20をより容易に取り扱えるようにする効果を提供する。
【0055】
以上で説明した本発明の実施例は例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、これより多様な変形及び均等な他実施例が可能であるという点がよく分かる。そのため、本発明は前記の詳細な説明で言及される形態のみに限定されるものではないことをよく理解することができる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は添付の特許請求範囲の技術的思想によって決めなければならない。また、本発明は添付の請求範囲によって定義される本発明の精神とその範囲内にある全ての変形物と均等物及び代替物を含むものとして理解しなければならない。
【符号の説明】
【0056】
100 ベース部
200 ボディー
300 車輪
400 拘束部
500 第1の復元スプリング