(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、及び常温接合装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
H01L21/02 B
(21)【出願番号】P 2021076480
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2021-11-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-26
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業「次世代3次元積層を見据えた極薄絶縁膜の新たな常温接合技術の確立」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】315017775
【氏名又は名称】日本電産マシンツール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼倉 亮
(72)【発明者】
【氏名】井手 健介
(72)【発明者】
【氏名】後藤 崇之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 毅典
(72)【発明者】
【氏名】堤 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】多喜川 良
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】松永 稔
【審判官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/002212(WO,A1)
【文献】特開2018-41943(JP,A)
【文献】特開2009-117707(JP,A)
【文献】特開2016-119415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/00-21/02, H01L21/04-21/16, H01L21/339, H01L27/14-27/148, H01L27/30, H01L29/762
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体基板を常温接合して製造した半導体装置の製造方法であって、
原子堆積法を用いて、複数の前記半導体基板の表面それぞれに、酸化アルミニウムを絶縁層として成膜する工程と、
複数の前記半導体基板の表面それぞれに配置された導電材が露出するまで前記絶縁層を研磨する工程と、
前記導電材および成膜された前記絶縁層が露出した複数の前記半導体基板それぞれの接合面に中性原子ビームを照射して、前記接合面に露出する前記導電材および前記絶縁層を活性化させる工程と、
活性化された複数の前記半導体基板の前記接合面に露出する前記導電材同士、および前記絶縁層同士を互いに対向させて複数の前記半導体基板同士を圧接し、前記導電材同士と前記絶縁層同士とをそれぞれ
常温接合する工程
と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記成膜する工程では、前記絶縁層の厚みは1[nm]以上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
複数の前記半導体基板を常温接合した後に、該半導体基板を所定の温度に加熱する工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
複数の半導体基板を常温接合する常温接合装置であって、
原子堆積法を用いて、複数の前記半導体基板の表面それぞれに、酸化アルミニウムを絶縁層として成膜する成膜部と、
複数の前記半導体基板の表面それぞれに配置された導電材が露出するまで前記絶縁層を研磨する研磨部と、
前記導電材および成膜された前記絶縁層が露出した複数の前記半導体基板それぞれの接合面に中性原子ビームを照射して、前記接合面に露出する前記導電材および前記絶縁層を活性化させる活性化部と、
活性化された複数の前記半導体基板の前記接合面に露出する前記導電材同士、および前記絶縁層同士を互いに対向させて複数の前記半導体基板同士を圧接し、前記導電材同士と前記絶縁層同士とをそれぞれ
常温接合する接合部
と、
を備えることを特徴とする常温接合装置。
【請求項5】
前記成膜部は、前記絶縁層の厚みを1[nm]以上に形成することを特徴とする請求項4に記載の常温接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体基板を常温接合した半導体装置の製造方法、及び常温接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイス(半導体装置)の高集積化に関し、同種もしくは異種の半導体デバイスを積層化する3次元集積化技術が注目されている。この3次元集積化技術においては、電極や配線となる導電材と絶縁材とが露出した基板の接合面同士を接合する技術が重要となる。一般に、2枚の基板の接合技術として、常温接合が知られている。常温接合とは、接合する2枚の基板の接合面を真空雰囲気で活性化し、活性化された接合面同士を圧接することで接合する技術である。常温接合では、熱処理を必要とせず、基板同士を直接接合することができる。このため、熱処理に伴う基板の膨張等の変形を抑えることができ、接合時に、2枚の基板のアライメントを正確に行うことができるという利点がある。
【0003】
ところで、上記した常温接合では、導電材としての金属類同士を直接接合することはできるものの、絶縁材として一般的に用いられている酸化膜や窒化膜などを直接接合することはできない。このため、従来、半導体材料(シリコン)をスパッタリングして非晶質半導体材料(アモルファスシリコン)からなる接合中間層を接合面に形成し、導電材及び絶縁材を同時に接合(ハイブリッド接合)する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構成では、接合チャンバ内でシリコンをスパッタリングして接合中間層を接合面に形成する工程が必要なため、工程が煩雑化して基板を接合する際のタクトタイム(工程作業時間)が長くなるという問題がある。また、従来の構成では、接合中間層(アモルファスシリコン)が電極を構成する導電材の表面にも成膜されるため,接合後の導電材間に接合中間層が介在し、導電材間の電気抵抗が大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、導電材間の電気抵抗の低減を図りつつ、基板を接合する際の工程数を減らしてタクトタイムの短縮を図った半導体装置の製造方法、及び常温接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の半導体基板を常温接合して製造した半導体装置の製造方法であって、原子堆積法を用いて、複数の前記半導体基板の表面それぞれに、酸化アルミニウムを絶縁層として成膜する工程と、複数の前記半導体基板の表面それぞれに配置された導電材が露出するまで前記絶縁層を研磨する工程と、前記導電材および成膜された前記絶縁層が露出した複数の前記半導体基板それぞれの接合面に中性原子ビームを照射して、前記接合面に露出する前記導電材および前記絶縁層を活性化させる工程と、活性化された複数の前記半導体基板の前記接合面に露出する前記導電材同士、および前記絶縁層同士を互いに対向させて複数の前記半導体基板同士を圧接し、前記導電材同士と前記絶縁層同士とをそれぞれ常温接合する工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、原子堆積法を用いて、複数の半導体基材の表面にそれぞれ酸化アルミニウムを絶縁層として成膜していることにより、接合チャンバ内でシリコンをスパッタリングして接合中間層を形成する工程が不要となる。このため、半導体基板を接合する際の工程数を減らしてタクトタイムの短縮を実現することができる。
【0009】
この構成において、成膜する工程では、絶縁層の厚みは1[nm]以上に形成されることは好ましい。また、成膜する工程の後に、半導体基板の表面に配置された導電材が接合面に露出するまで絶縁層を研磨する工程を備えてもよい。また、複数の半導体基板を接合した後に、該半導体基板を所定の温度に加熱する工程を備えてもよい。
【0010】
また、本発明は、複数の半導体基板を常温接合する常温接合装置であって、原子堆積法を用いて、複数の前記半導体基板の表面それぞれに、酸化アルミニウムを絶縁層として成膜する成膜部と、複数の前記半導体基板表面それぞれに配置された導電材が露出するまで前記絶縁層を研磨する研磨部と、前記導電材および成膜された前記絶縁層が露出した複数の前記半導体基板それぞれの接合面に中性原子ビームを照射して、前記接合面に露出する前記導電材および前記絶縁層を活性化させる活性化部と、活性化された複数の前記半導体基板の前記接合面に露出する前記導電材同士、および前記絶縁層同士を互いに対向させて複数の前記半導体基板同士を圧接し、前記導電材同士と前記絶縁層同士とをそれぞれ常温接合する接合部と、を備えることを特徴とする。この構成によれば、原子堆積法を用いて、複数の半導体基材の表面にそれぞれ酸化アルミニウムを絶縁層として成膜する成膜部を備えることにより、接合チャンバ内でシリコンをスパッタリングして接合中間層を形成する工程が不要となる。このため、半導体基板を接合する際の工程数を減らしてタクトタイムの短縮を実現することができる。
【0011】
また、成膜部は、絶縁層の厚みを1[nm]以上に形成することが好ましい。また、半導体基板は、表面に配置された導電材を有し、絶縁層が成膜された半導体基板に対して、導電材が接合面に露出するまで絶縁層を研磨する研磨部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、半導体基板を接合する際の工程数を減らしてタクトタイムの短縮を実現することができる。また、接合中間層を介した従来の構成と比べて導電材間の電気抵抗の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る常温接合装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、常温接合装置の一部を構成する成膜ユニットの模式図である。
【
図3】
図3は、常温接合装置の一部を構成する研磨ユニットの模式図である。
【
図4】
図4は、常温接合装置の一部を構成する接合ユニットの模式図である。
【
図5】
図5は、一対のウェハの接合前の構成を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、一対のウェハを接合して形成された半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、成膜前のウェハの構成を模式的に示す断面図である。
【
図8】
図8は、成膜後のウェハの構成を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9は、研磨後のウェハの構成を模式的に示す断面図である。
【
図10】
図10は、一対のウェハを接合する工程を示す説明図である。
【
図11】
図11は、一対のウェハを接合する工程を示す説明図である。
【
図12】
図12は、第2絶縁層としての酸化アルミニウムどうしの接合面を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【
図13】
図13は、異なる成膜方法によって成膜された酸化アルミニウムどうしを接合した際の膜厚、接合状態、接合強度を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
図1は、本実施形態に係る常温接合装置の概略構成を示すブロック図である。
図2は、常温接合装置の一部を構成する成膜ユニットの模式図である。
図3は、常温接合装置の一部を構成する研磨ユニットの模式図である。
図4は、常温接合装置の一部を構成する接合ユニットの模式図である。
【0016】
常温接合装置10は、
図1に示すように、成膜ユニット(成膜部)11、研磨ユニット(研磨部)12、及び接合ユニット(接合部)13を備えて構成される。常温接合装置10は、成膜ユニット11で円板形状のウェハ15(半導体基板;
図2)の表面に絶縁層(後述する第2絶縁層18)を成膜し、研磨ユニット12でこの絶縁層の表面(接合面)を研磨した後、接合ユニット13にて一対(複数)のウェハ15の接合面同士を接合するものである。成膜ユニット11と研磨ユニット12との間、及び研磨ユニット12と接合ユニット13との間には、それぞれ処理したウェハ15を自動的に次のユニットへ搬送する搬送機構14を設けることもできるし、人手によって複数のウェハをまとめて次のユニットへ搬送する構成としてもよい。また、成膜ユニット11、研磨ユニット12、及び接合ユニット13の配置は適宜変更することができ、例えば、これらユニットを1部屋にまとめて配置しても良いし、別の部屋もしくは別の建物にそれぞれ配置することもできる。
【0017】
成膜ユニット11は、原子堆積法(ALD:atomic layer deposition)により、ウェハ15の表面に酸化膜(酸化アルミニウム膜;Al2O3)からなる絶縁層(第2絶縁層18)を成膜する装置である。原子堆積法は、化学気相成長法(CVD:chemical vapor deposition)の1種であり、有機金属化合物等の金属原料と、この金属原料と化学結合させる元素を含む原料(酸化剤)とを、ウェハ15の表面に交互に供給して成膜する方法である。
【0018】
成膜ユニット11は、
図2に示すように、成膜チャンバ21を有し、この成膜チャンバ21内には、ウェハ15を支持する円形の支持テーブル22が収容されている。支持テーブル22は、その上端面22Aに誘電層(不図示)を備え、その誘電層に電圧を印加し、静電力によってその誘電層にウェハ15を吸着して支持する機構を有する。また、支持テーブル22は、支持したウェハ15を所定温度に加熱するためのヒータ(加熱機構)23が内蔵されている。また、支持テーブル22は、該支持テーブル22を軸心周りに回転させる機構を備えてもよい。
【0019】
また、成膜ユニット11は、成膜チャンバ21内に金属原料を供給するための金属原料供給源24と、酸化剤を供給するための酸化剤供給源25とを有する。これらの各供給源24,25は、それぞれ成膜チャンバ21と供給配管26,27を介して並列に接続されている。各供給配管26,27の先端部26A,27Aは、成膜チャンバ21内にそれぞれ露出している。各供給配管26,27には、それぞれ供給バルブ26B,27Bが設けられており、これら供給バルブ26B,27Bを交互に開閉することにより、成膜チャンバ21内に金属原料と酸化剤とを交互に供給することが可能となる。なお、金属原料及び酸化剤は、例えば不活性ガスとともに成膜チャンバ21内に供給されることが好ましい。
【0020】
本実施形態では、金属原料として、例えば、有機金属化合物であるトリメチルアルミニウム(TMA:trimethyl aluminum)が用いられ、酸化剤として、例えば、水蒸気(H2O)が用いられる。酸化剤としては、水蒸気の他、酸素(O2)、オゾン(O3)及び過酸化水素(H2O2)を用いてもよい。
【0021】
また、成膜ユニット11は、真空ポンプ28を備える。この真空ポンプ28は、成膜チャンバ21内に供給された過剰な金属原料及び酸化剤を排出(パージ)するためのものであり、真空ポンプ28と成膜チャンバ21とは排出管29を介して接続されている。この排出管29の一端29Aは成膜チャンバ21内に露出している。上記した供給バルブ26B,27Bをそれぞれ閉じた状態で、真空ポンプ28を動作させることにより、成膜チャンバ21内に供給された過剰な金属原料及び酸化剤が外部に排出される。
【0022】
研磨ユニット12は、ウェハ15の表面を研磨する装置である。研磨ユニット12がウェハ15の表面に成膜された絶縁層を研磨することで、ウェハ15の表面に配置された、後述する電極(導電材)を該表面に露出させることができる。
【0023】
研磨ユニット12は、
図3に示すように、ウェハ15を支持する円形の支持テーブル31と、この支持テーブル31に対向して配置される研磨ホイール32とを備える。支持テーブル31は、その上端面31Aに誘電層(不図示)を備え、その誘電層に電圧を印加し、静電力によってその誘電層にウェハ15を吸着して支持する機構を有する。また、支持テーブル31は、該支持テーブル31を軸心周りに回転させる駆動機構(不図示)を備えている。
【0024】
研磨ホイール32は、円形状に形成されて該研磨ホイール32を軸心周りに回転させる駆動機構(不図示)と、該研磨ホイール32を支持テーブル31に対して昇降させる昇降機構(不図示)とを備える。
【0025】
研磨ホイール32の下面には円板状の研磨パッド33が取り付けられている。この研磨パッド33は、例えばウレタンや不織布などの基材中に砥粒を分散固定させたものが用いられる。また、研磨ホイール32の近傍には、ウェハ15の表面に研磨液を供給する研磨液供給ノズル34が配置されている。研磨液は、ウェハ15の表面に成膜された絶縁層を研磨加工する際に供給される液体であり、絶縁層と化学反応を生じてCMPを実施することができる物質を含んでもよい。
【0026】
研磨ホイール32は、支持テーブル31に対して大きく偏心して配置される。具体的には、研磨パッド33が少なくともウェハ15の中心を覆い、かつ、ウェハ15の径方向に延出する(はみ出す)ように配置されている。この状態で、研磨液を供給しつつ、支持テーブル31および研磨ホイール32を回転させることで、研磨パッド33がウェハ15の表面を部分的に押圧して研磨が行われる。
【0027】
接合ユニット13は、
図4に示すように、接合チャンバ41と、この接合チャンバ41内に設置される上側ステージ42、下側ステージ43と、高速原子ビーム源(活性化部)44,45と、真空排気装置46とを備えている。
【0028】
接合チャンバ41は内部を環境から密閉する容器であり、真空排気装置46は、接合チャンバ41の内部から気体を排出する。これにより、接合チャンバ41の内部は、真空雰囲気となる。さらに、接合チャンバ41は、この接合チャンバ41の内部空間と外部とを連通させ、または、分離するゲート(不図示)を備える。
【0029】
上側ステージ42は、円板状に形成された静電チャック42Aと、この静電チャック42Aを鉛直方向に上下させる圧接機構42Bとを備えている。静電チャック42Aは、円板の下端に誘電層を備え、その誘電層に電圧を印加し、静電力によってその誘電層にウェハ15を吸着して支持する。圧接機構42Bは、ユーザの操作により、静電チャック42Aを下側ステージ43に対して鉛直方向に平行移動させる。
【0030】
下側ステージ43は、その上面にウェハ15を支持するステージであり、図示されていない移送機構を備えている。その移送機構は、ユーザの操作により下側ステージ43を水平方向に平行移動させ、下側ステージ43を鉛直方向に平行な回転軸を中心に回転移動させる。また、下側ステージ43は、その上端に誘電層を備え、その誘電層に電圧を印加し、静電力によってその誘電層にウェハ15を吸着して支持する機構を備えても良い。
【0031】
高速原子ビーム源(FAB: Fast Atom Beam)44,45は、ウェハの表面の活性化に用いられる中性原子ビーム(例えば、アルゴンAr原子)を出射する。一方の高速原子ビーム源44は、上側ステージ42に支持されるウェハ15に向けて配置され、他方の高速原子ビーム源45は、下側ステージ43に支持されるウェハ15に向けて配置される。中性原子ビームが照射されることにより、ウェハ15の活性化が行われる。また、高速原子ビーム源44,45の代わりに、他の活性化手段(例えば、イオンガンまたはプラズマ)が各ウェハの活性化に用いられても良い。また、
図4の例では、上側ステージ42及び下側ステージ43にそれぞれ対応づけて、上下一対の高速原子ビーム源44,45を設けた構成としたが、1つの高速原子ビーム源から各ステージにそれぞれ支持されるウェハに向けて照射してもよい。
【0032】
次に、接合ユニット13で常温接合されることにより形成される半導体装置50について説明する。この半導体装置50は、複数のウェハ15を積層して接合することにより形成され、例えば、積層LSI(Large Scale Integration)やCMOS(Complementary MOS)イメージセンサに用いられる。本実施形態では、一対(二枚)のウェハ15を接合することにより、半導体装置50が形成される構成を説明するが、ウェハ15の枚数はこれに限るものではない。
【0033】
図5は、一対のウェハの接合前の構成を模式的に示す断面図であり、
図6は、一対のウェハを接合して形成された半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。ウェハ15は、
図5に示すように、半導体基材16と、半導体基材16に第1絶縁層(酸化膜)19を介して配置された電極17及び第2絶縁層(絶縁層)18とを備える。これら電極17及び第2絶縁層18は、それぞれウェハ15の表面15Aに露出して形成され、この表面15Aが接合面として機能する。各ウェハ15の表面17Aはそれぞれ平坦面に形成され、各表面15A,15A同士は密接される。
【0034】
半導体基材16は、例えば、単結晶シリコン(Si)が用いられる。また、半導体基材16として、単結晶シリコン(Si)の他にも単結晶ゲルマニウム(Ge)や、ヒ化ガリウム(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)などの材料を用いてもよい。
【0035】
第1絶縁層19は、半導体基材16の表面側に自然酸化により形成されるシリコン酸化膜(SiO2)である。また、第1絶縁層19として、例えばシリコン酸化膜(SiO2)やシリコン窒化膜(Si3N4)を酸化炉、窒化炉、または、化学気相成長(CVD)装置などで成膜してもよい。
【0036】
また、電極17は、導電性の優れた材料、例えば銅(Cu)により形成されている。この電極17には、配線材が接続されて電子回路や各種素子が形成される。
【0037】
第2絶縁層18は、第1絶縁層19に積層されて形成される酸化膜(酸化アルミニウム膜;Al2O3)からなる。酸化アルミニウム膜は、一般に、シリコン酸化膜と同様に、常温接合では接合されないことが知られている。しかしながら、発明者の鋭意研究により、原子堆積法によって形成された酸化アルミニウム膜については、常温接合によって直接接合することができるとの知見を得た。
【0038】
これにより、
図6に示すように、一対のウェハ15,15を接合する場合には、接合面としての表面15A,15Aをお互いに対向させ、上記した常温接合装置10を用いて常温接合がなされる。この場合、各ウェハ15の電極17は、金属類同士であるため接合される。また、各ウェハ15の第2絶縁層18は、原子堆積法によって形成された酸化アルミニウム膜であるため、該第2絶縁層18同士を接合することができる。
【0039】
次に、半導体装置50の製造方法について説明する。
図7は、成膜前のウェハの構成を模式的に示す断面図である。
図8は、成膜後のウェハの構成を模式的に示す断面図である。
図9は、研磨後のウェハの構成を模式的に示す断面図である。
図10及び
図11は、一対のウェハを接合する工程を示す説明図である。
【0040】
図7に示すように、ウェハ15は、半導体基材16の表面に電極17及び第1絶縁層19がそれぞれ露出した状態に、別の作業工程によって事前に製造されているものとする。ここで、電極17の表面17Aの高さ位置は、第1絶縁層19の表面19Aの高さ位置よりも高く形成されている。この高さ位置の差tは、後述する第2絶縁層18の厚み(高さ)に相当する。
【0041】
[成膜工程]
上記した対象のウェハ15に、原子堆積法を用いて第2絶縁層18を成膜する。ウェハ15は、半導体基材16の表面に、自然酸化膜からなる第1絶縁層(例えば、SiO2)19と電極17とが露出しているため、これら第1絶縁層19及び電極17上に第2絶縁層18を重ねて成膜する。
【0042】
具体的には、ウェハ15に第2絶縁層18として、酸化アルミニウム膜を成膜する場合、
図2に示すように、ウェハ15を成膜チャンバ21内に収容して支持テーブル22上に支持する。そして、供給バルブ26Bを開き、供給配管26を通じて金属原料供給源24から成膜チャンバ21内に、トリメチルアルミニウム(TMA)を供給し、ウェハ15の表面(第1絶縁層19及び電極17の表面)にTMAを吸着させる。
【0043】
TMAは、ウェハ15の表面を完全に覆うとそれ以上は堆積しない性質がある。このため、ウェハ15の表面にTMA又はその分解物の単分子膜が形成される。ここで、ヒータ23により、ウェハ15を加熱して所定の温度(例えば200~400℃)に保持することが好ましい。これにより、ウェハ15上で後述する酸化及びメチル基の脱離を安定的に生じさせることができる。
【0044】
次に、供給バルブ26Bを閉じてTMAの供給を停止するとともに、真空ポンプ28を動作させる。これにより、成膜チャンバ21内に供給された過剰なTMAが外部に排出される。その後、真空ポンプ28を停止するとともに、供給バルブ27Bを開いて、供給配管27を通じて酸化剤供給源25から成膜チャンバ21内に、酸化剤として水蒸気(H2O)を供給する。これにより、ウェハ15の表面でTMA又はその分解物の単分子膜に含まれるアルミニウム原子が酸化されてメチル基が脱離する。単分子膜中のアルミニウム原子がすべて酸化されると、酸化剤に含まれる酸素原子は、それ以上、ウェハ15の表面に吸着されない。このため、ウェハ15の表面(第1絶縁層19及び電極17の表面)に酸化アルミニウムの単分子膜を形成することができる。
【0045】
供給バルブ27Bを閉じて水蒸気の供給を停止するとともに、真空ポンプ28を動作させる。これにより、成膜チャンバ21内に供給された過剰な水蒸気が外部に排出される。このように、成膜チャンバ21内から水蒸気を除去した後、再び供給バルブ26Bを開いて、成膜チャンバ21内にTMAを供給すると、ウェハ15の表面に形成された酸化アルミニウム単分子膜上に、TMA又はその分解物の単分子膜が堆積する。この工程を繰り返して、アルミニウム原子層と酸素原子層とを交互に堆積していくことにより、緻密で酸素欠陥がない良質の酸化アルミニウム膜を得ることができる。また、これら工程の繰り返し回数を調節することにより、酸化アルミニウム膜(原子層数)の膜厚を容易に調節することができる。これにより、酸化アルミニウム膜の膜厚を原子層単位で制御することが可能となる。また、原子層堆積法では、表面に凹凸があっても該凹凸に沿って成膜することができる。このため、第1絶縁層19及び電極17の表面には、
図8に示すような第2絶縁層18が成膜される。この場合、第1絶縁層19及び電極17の各表面が覆われるように、少なくとも成膜される第2絶縁層18の厚みは1[nm]以上とすることが好ましい。
【0046】
[研磨工程]
続いて、成膜した第2絶縁層18の一部を研磨して、電極17の表面17Aを露出させる。具体的には、第2絶縁層18が成膜された側を上面として、
図3に示すように支持テーブル31にウェハ15を支持する。そして、研磨ホイール32を支持テーブル31に対して所定位置まで下降させる。
【0047】
次に、支持テーブル31及び研磨ホイール32をそれぞれ軸心周りに回転させるとともに、研磨パッド33をウェハ15に接触させてウェハ15の表面(すなわち第2絶縁層18)を研磨する。この際、研磨液供給ノズル34を通じて、ウェハ15の表面に研磨液を供給することが好ましい。
【0048】
第2絶縁層18の研磨により、
図9に示すように、ウェハ15の表面15Aは平坦となるとともに電極17の表面17Aがウェハ15の表面(接合面)15Aに露出する。本実施形態では、研磨後に第1絶縁層19の上に成膜される第2絶縁層18の厚みt1は、1[nm]≦t1の範囲内に設定されることが好ましい。第2絶縁層18の膜厚をこの範囲内とすることにより、一対のウェハ15を常温接合した際の接合力を所定の閾値(0.8J/m
2)以上に保つことができる。なお、本構成では、第2絶縁層18の厚みt1の上限値を規定していない。しかし、第2絶縁層18の厚みt1があまり厚いと、成膜時間が長くなり、また、電極17の表面を露出させるまでの研磨時間が長くなるので、上限値はこれらの兼ね合いにより適宜決定される。
【0049】
[接合工程]
続いて、上記のように成膜及び研磨された一対のウェハ15を接合ユニット13にて接合する。具体的には、
図10に示すように、接合ユニット13の接合チャンバ41内に一対のウェハ15が搬送され、一方のウェハ15は、表面15Aが鉛直下方を向くように、上側ステージ42の静電チャック42Aに支持される。また、他方のウェハ15は、表面15Aが鉛直上方を向くように、下側ステージ43の上面に載置される。接合チャンバ41内は真空雰囲気に維持されている。この状態で、高速原子ビーム源44,45から各ウェハ15の表面15Aに向けて、それぞれアルゴンビーム44a,45aを出射する。これらのアルゴンビーム44a,45aは、一対のウェハ15の表面15Aにそれぞれ照射され、該表面15A(第2絶縁層18の接合面)が活性化される。
【0050】
次に、上側ステージ42及び下側ステージ43にそれぞれ支持された一対のウェハ15の間隔が所定間隔(例えば、50μm~500μm)となる位置まで、上側ステージ42を降下させる。そして、この位置で一対のウェハ15のアライメントを行った後、
図11に示すように、上側ステージ42の圧接機構42Bを動作させる。これにより、一方のウェハ15を支持した静電チャック42Aが鉛直下方に下降し、一方のウェハ15と他方のウェハ15とが圧接するため、これら一対のウェハ15どうしが接合されて半導体装置50が形成される。この接合工程では、一対のウェハ15を2工程(活性化及び接合)で常温接合することができるため、工程数を減らしてタクトタイムの短縮を実現することができる。また、電極17の表面17Aが露出した状態で、電極17どうしを接合できるため、電極17間に異物(第2絶縁層18)が介在することを防止することができる。従って、電極17間の電気抵抗が低減(0.02Ω以下)することにより、半導体装置50(半導体デバイス)の電力ロスを低減することができる。
【0051】
[加熱工程]
続いて、接合された半導体装置50(一対のウェハ15)を所定温度(例えば50℃~400℃程度)で加熱する。この加熱工程は、例えば、加熱チャンバと、加熱チャンバ内に収容されて半導体装置50を支持する支持テーブルと、半導体装置50を加熱するヒータ(加熱機構)を備えた加熱処理ユニットにて実行することができる。この加熱工程では、接合された半導体装置50を加熱することで、接合時に生じた残留応力を取り除き、半導体装置50の変形を抑えることができる(アニール処理)。また、加熱工程により、常温接合された半導体装置50の接合力が向上することが判明している。なお、上記した加熱処理ユニットを別途備える構成ではなく、該加熱処理ユニットの機能を、例えば、成膜ユニット11や接合ユニット13に備えた構成とすることもできる。
【0052】
図12は、第2絶縁層としての酸化アルミニウムどうしの接合面を示す透過型電子顕微鏡写真である。透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)は、観察対象に電子線をあて、それを透過してきた電子が作り出す干渉像を拡大して観察する形式の電子顕微鏡である。
【0053】
図12に示すように、各ウェハ15の第2絶縁層18はそれぞれ1[nm]以上の膜厚に形成されており、第1絶縁層19と第2絶縁層18との間、第2絶縁層18間の接合面にはボイド(空隙)の存在は見られず十分な密着状態が得られている。これは、第2絶縁層18としての酸化アルミニウムを原子堆積法によって成膜したことにより、表面形状及び結晶性が良好なため、常温接合で接合することができたと考えられる。
【0054】
図13は、異なる成膜方法によって成膜された酸化アルミニウムどうしを接合した際の膜厚、接合状態、接合強度を示す図表である。この
図13では、本実施形態で説明した原子堆積法の他、ミストCVDとスパッタリングという方法を用いて酸化アルミニウムを成膜したものを比較している。
【0055】
原子堆積法(ALD)では、上記した成膜工程によりウェハ15の表面15Aに酸化アルミニウム膜を成膜し、上記した研磨工程により電極17が表面15Aに露出している。また、第1絶縁層19の上に成膜される酸化アルミニウム膜(第2絶縁層18)の膜厚は2.0[nm]である。ここで、膜厚は、接合前の状態、すなわち研磨工程後の酸化アルミニウム膜(第2絶縁層)の膜厚であり、例えば、分光エリプソメータを用いて計測される。
【0056】
ミストCVDとは、液状原料を霧状(ミスト)にして高音に加熱された基板上に輸送し、非真空プロセスで成膜する方法である。具体的には、成膜チャンバ内に配置された支持テーブルにウェハ15を支持した状態で、アルミニウムアセチルアセトナート(Aluminium acetylacetonate:Al(C5H7O2)3)を溶質に、メタノール(CH3OH)と蒸留水を溶媒とした液状原料(原料溶液)を霧状にして成膜チャンバ内に供給する。その後、ウェハ15の温度を300℃~450℃に加熱して、ウェハ15の表面に酸化アルミニウム膜を成膜する。この例での膜厚は50[nm]である。
【0057】
スパッタリングとは、真空空間内で、高電圧をかけてイオン化させた希ガス元素などを膜原料となるターゲットに衝突させることで、ターゲット表面の原子がはじき飛ばされて基板上に成膜する方法である。具体的には、真空チャンバ内に酸化アルミニウム製のターゲットとウェハ15とを配置し、真空チャンバ内に希ガスを導入し、ターゲットに高周波電力を投入してスパッタリングによりウェハ15の表面に酸化アルミニウム膜を成膜する。この例での膜厚は50[nm]である。
【0058】
接合状態は、酸化アルミニウムどうし(第2絶縁層どうし)の接合状態をいう。ここでは、各成膜方法で成膜された第2絶縁層を有するウェハを上記した研磨工程及び接合工程によって接合し、この接合状態を判定する。具体的には、所定の大きさ(例えば10cm角)の半導体装置をテープマウントした状態で、ダイシング装置を用いて、5mm×5mm角にハーフカットし、カットした5mm角のチップの全数に対する残存したチップ数の割合で判定を行う。ハーフカットとは、ダイシング装置の回転丸刃が接合面よりも下方でテープに達しない程度にカットするこという。接合状態が不十分であると、ハーフカットした際に上側のウェハが離脱してチップが残存しない(下側のみ残る)。このため、接合状態の判定にはハーフカットが一般的に利用される。本実施形態では、チップの全数に対する残存したチップ数の割合を%で表し、例えば、20%未満を×、20%以上100%未満を△、100%を〇と判定した。
【0059】
接合強度の測定は、接合した半導体装置を12mm×12mmのサイズのチップにカットし、このチップを引張試験することにより行った。試験に際しては、チップを治具に固定し、この治具への引張荷重を変更しつつ、チップが破断する際の荷重を測定した。スパッタリングでは、測定ができなかった。ミストCVDでは0.3(J/m2)で破断した。また、原子堆積法では1.0(J/m2)で破断した。これにより、原子堆積法では、半導体装置として要求される接合強度の閾値0.8J/m2を十分に超えているため、使用に耐えうる接合強度を実現することができる。
【0060】
以上、説明したように、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、複数のウェハ15を常温接合して製造した半導体装置の製造方法であって、原子堆積法を用いて、ウェハの表面にそれぞれ酸化アルミニウムを第2絶縁層18として成膜する工程と、成膜された第2絶縁層18の接合面を活性化させる工程と、活性化された接合面をそれぞれ対向させて一対のウェハ15どうしを圧接して接合する工程と、を備える。このため、従来のように、接合チャンバ内でシリコンをスパッタリングして接合中間層を形成する工程が不要となるため、ウェハ15を接合する際の工程数を減らしてタクトタイムの短縮を実現することができる。
【0061】
また、成膜する工程では、第2絶縁層の厚みは1[nm]以上に形成されるため、所定の閾値以上の接合強度を発揮することができる。
【0062】
成膜する工程の後に、ウェハ15の表面に配置された電極17が該表面(接合面)15Aに露出するまで第2絶縁層18を研磨する工程を備えるため、接合した際に電極17間に異物(第2絶縁層18)が介在することを防止することができる。従って、電極17間の電気抵抗が低減(0.02Ω以下)することにより、半導体装置50(半導体デバイス)の電力ロスを低減することができる。
【0063】
また、一対のウェハ15を接合した後に、該ウェハ15(半導体装置50)を所定の温度に加熱する工程を備えるため、接合時に生じた残留応力を取り除き、半導体装置50の変形を抑えることができるとともに、常温接合された半導体装置50の接合力の向上を図ることができる。
【0064】
また、本実施形態にかかる常温接合装置10は、複数のウェハ15を常温接合するものであって、原子堆積法を用いて、ウェハ15の表面15Aにそれぞれ酸化アルミニウムを第2絶縁層18として成膜する成膜ユニット11と、成膜された第2絶縁層18の接合面を活性化させる高速原子ビーム源44、45と、活性化された接合面をそれぞれ対向させて一対のウェハ15どうしを圧接して接合する接合ユニット13とを備えるため、従来のように、接合チャンバ内でシリコンをスパッタリングして接合中間層を形成する工程が不要となるため、ウェハ15を接合する際の工程数を減らしてタクトタイムの短縮を実現することができる。
【0065】
また、成膜ユニット11は、第2絶縁層の厚みを1[nm]以上に形成するため、半導体装置50が所定の閾値以上の接合強度を発揮することができる。
【0066】
また、ウェハ15は、表面に配置された電極17を有し、第2絶縁層18が成膜されたウェハ15に対して、電極17が接合面に露出するまで第2絶縁層18を研磨する研磨ユニット12を備えるため、接合した際に電極17間に異物(第2絶縁層18)が介在することを防止することができる。従って、電極17間の電気抵抗が低減(0.02Ω以下)することにより、半導体装置50(半導体デバイス)の電力ロスを低減することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0068】
10 常温接合装置
11 成膜ユニット(成膜部)
12 研磨ユニット(研磨部)
13 接合ユニット(接合部)
15 ウェハ(半導体基板)
15A 表面(接合面)
17 電極(導電材)
18 第2絶縁層(絶縁層)
19 第1絶縁層
21 成膜チャンバ
22 支持テーブル
23 ヒータ(加熱機構)
31 支持テーブル
32 研磨ホイール
33 研磨パッド
41 接合チャンバ
42 上側ステージ
43 下側ステージ
44 高速原子ビーム源(活性化部)
45 高速原子ビーム源(活性化部)
50 半導体装置