(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ランドセル用錠前及びランドセル
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20230208BHJP
E05B 65/52 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
A45F3/04 400D
E05B65/52 R
(21)【出願番号】P 2018020915
(22)【出願日】2018-02-08
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000152664
【氏名又は名称】株式会社日乃本錠前
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 一徳
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3211327(JP,U)
【文献】特開2004-236903(JP,A)
【文献】特開2006-122283(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105350829(CN,A)
【文献】登録実用新案第3085443(JP,U)
【文献】登録実用新案第3014935(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/04
E05B 65/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドセルの底部に固定される錠本体と、
凹凸形状の側面どうしが対向するように前記錠本体に形成される複数のガイドと、
前記複数の前記ガイド間の定位置に設けられる操作部と、
前記ランドセルの蓋部材の一端部に固着されるとともに前記定位置に案内されて前記操作部に嵌合孔が係脱されることで前記錠本体に係脱されるランドセル用掛止板と、
前記ランドセル用掛止板を構成する金属基板の周縁部のうち長さ方向に沿う側縁部に設けられ前記凹凸形状に嵌り合う形状の側面を有する保護部材と、
を備え
、
前記ランドセル用掛止板の前記長さ方向に沿う前記側縁部は直線形状を有することを特徴とするランドセル用錠前。
【請求項2】
前記保護部材における前記ガイドとの対向面が、前記ガイドの凹凸に沿うように成形される請求項1に記載のランドセル用錠前。
【請求項3】
前記金属基板は、前記周縁部のうち前記金属基板の長さ方向に沿う部分が、前記金属基板の厚さ方向に屈曲される請求項1または請求項2に記載のランドセル用錠前。
【請求項4】
前記金属基板は、貫通孔を有しており、
前記保護部材は、前記貫通孔に充填されるとともに前記周縁部を被覆するように成形される請求項3に記載のランドセル用錠前。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のランドセル用錠前を備えるランドセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞄用掛止板、鞄用錠前、及びランドセルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ランドセルは、ランドセル本体を冠(かぶせ)部材で覆い、この冠部材をランドセル本体の底部外面で係止することでランドセル本体の開口部を塞ぐ構造を有する。ランドセル本体の底部外面には、操作部(ひねり)を備えた錠本体が固定される。この錠本体に、冠部材に設けられたサガリ(鞄用掛止板)が嵌合され、操作部で係止されることで、冠部材の施錠がなされる。
【0003】
錠本体には、この定位置の左右にサガリの外形に沿った壁面形状のガイドが設けられる。このガイドは、サガリを操作部が設けられた錠本体の所定の位置に案内する役割や操作部の回転作動を衝撃等から保護する役割を有する。また、操作部を回転させて施錠するときに、サガリが操作部に引っかかることで生じるサガリの左右の振れを制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術では、鞄の長期間の使用により錠本体のサガリとの当たり面の外観が著しく損なわれるという課題があった。
鉄又はその合金等の金属基板で構成されるサガリが、錠本体に繰り返し当たることによる衝撃や摩擦によって、メッキ又は塗装が剥落して素地の露出が起こるからである。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、長期間の使用による錠本体の外観
の劣化を防止する鞄用錠前及びランドセルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係るランドセル用錠前は、ランドセルの底部に固定される錠本体と、凹凸形状の側面どうしが対向するように前記錠本体に形成される複数のガイドと、前記複数の前記ガイド間の定位置に設けられる操作部と、前記ランドセルの蓋部材の一端部に固着されるとともに前記定位置に案内されて前記操作部に嵌合孔が係脱されることで前記錠本体に係脱されるランドセル用掛止板と、前記ランドセル用掛止板を構成する金属基板の周縁部のうち長さ方向に沿う側縁部に設けられ前記凹凸形状に嵌り合う形状の側面を有する保護部材と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、長期間の使用による錠本体の外観の劣化を防止する鞄用錠前及びランドセルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る鞄用錠前を装着したランドセルの底部の斜視図。
【
図3】第1実施形態に係る鞄用掛止板(サガリ)の斜視図。
【
図4】(A)~(E)第1実施形態に係る鞄用錠前の変形例を示す図。
【
図5】(A)、(B)第2実施形態に係る鞄用掛止板を構成する金属基板の構成図。
【
図6】(A)~(E)第2実施形態に係る鞄用掛止板の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、複数の図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る鞄用錠前10を装着したランドセル100の底部(底部外面)11の斜視図である。
【0012】
ランドセル100は、
図1に示されるように、合成樹脂製又は皮革製等のランドセル本体12と、このランドセル本体12の底部11と反対側で開口する開口部を閉じる冠部材13と、を備える。冠部材13は、ランドセル100の開口部の背板14側の一辺に一端が固定され、ランドセル本体12の開口部を覆って、ランドセル本体12の底部11まで延設されている。
【0013】
ランドセル本体12は、ランドセル100を小学生等のユーザが背負ったときにユーザの背中に接する背板14、ユーザが背負うときに使用する左右一対の肩ベルト16(16a,16b)が設けられる。また、ランドセル本体12の底部11には、この左右一対の肩ベルト16(16a,16b)の下端側に配設された金属製のリング17(17a,17b)を回動可能に支持するダルマ座18(18a,18b)が固定される。
【0014】
そして、剛性を有するこの底部11に、錠本体19が固定される。また、冠部材13の先端部にはほぼY字状のベロ21が接続される。このベロ21の先端には、サガリ(鞄用掛止板)22が固着される。サガリ22の固着方法として、例えば、サガリ22の端部上に、ベロ21の先端と、ベロ21と同材質の皮ツマミ20と、金属の上板25とを順に重ね合わせ、これらサガリ22、ベロ21、皮ツマミ20及び上板25を貫通するリベットを介して固定する。
【0015】
通常、ランドセル100に用いられるサガリ22には、幅方向に長辺を有する長方形の2つの嵌合孔23が、サガリ22の長さ方向に沿って設けられる。この嵌合孔23に、錠本体19に設けられた操作部24が嵌合されて、この操作部24が90度水平回転してサガリ22を係止することで、サガリ22が錠本体19に係止される。
【0016】
錠本体19へのサガリ22の係止方法には、この他にも、設けられる鞄の種類や大きさ等に応じて多数のものがある。例えば、鞄用錠前10は、サガリ22が嵌合孔23を有さず、錠本体19にバネで付勢された押さえ板で、左右又は前後からサガリ22を錠本体19に押さえ込んで係止するものであってもよい。
【0017】
以下の説明では、サガリ22の一例として、
図1に示されるように嵌合孔23を介して錠本体19に係脱されるタイプを用いて説明する。
【0018】
サガリ22は、錠本体19上の定位置において、錠本体19と係脱される。錠本体19上の定位置とは、サガリ22の嵌合孔23が操作部24に嵌合されて、操作部24を回転させることで施錠及び開錠(解錠)動作が行われる位置のことである。
【0019】
錠本体19におけるこの定位置の左右には、サガリ22をこの定位置に案内するためのガイド26が設けられる。ガイド26は、サガリ22が収まる定位置の左右を隆起させることで形成されるものや、反対にこの定位置部分のみを周囲よりも凹ませることで形成されるものなどがある。
【0020】
以下、
図1のようにランドセル100の底部11を正面にして見た場合の、観者の右手側を「右」、左手側を「左」、背板14側を「前」、その反対の冠部材13側を「後」、とする。
【0021】
また、サガリ22において、「右」側と「左」側とを結ぶ方向を「幅方向」、「前」側と「後」側とを結ぶ方向を「長さ方向」という。
【0022】
さらに、サガリ22の板面27のうち、ランドセル100の底部11を正面にして見た場合の、観者に見える側を「表」、その反対側で錠本体19と接触する側を「裏」といい、表裏の板面27を接続する面を「側面」、とする。
【0023】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る鞄用錠前10の斜視図である。
図3は、第1実施形態に係るサガリ22の斜視図である。
【0024】
第1実施形態に係るサガリ22は、金属基板28に、
図2に示されるように、長さ方向に沿う側縁部29に、柔軟性を有する保護部材31が設けられる。保護部材31としては、錠本体19の材質(鉄やABS樹脂等の硬い樹脂など)より柔らかい材質のもの、例えばウレタン、シリコン、エラストマー、ポリエチレン、EPDM、天然ゴム等を用いることができる。また、保護部材31の材質として、錠本体19の材質と同等の硬さを有するものを用いても良い。例えば錠本体19の材質をABS樹脂等の硬い樹脂で形成した場合には、同じように保護部材31をABS樹脂等の硬い樹脂で形成する。
【0025】
ここで、側縁32(
図4、
図5に図示)を、金属基板28の輪郭縁のうち金属基板28の長さ方向に沿う部分と定義する。
【0026】
そして、側縁部29(
図4に図示)とは、側縁32と接する表裏の板面27又は側面33上の領域であって、その前端及び後端がこの側縁32の端部と一致する領域をいう。つまり、金属基板28の周縁部30(
図5に図示)のうち、その前端及び後端がこの側縁32の端部と一致する領域をいう。
【0027】
より具体的には、側縁部29とは、
図4(A)に示されるように、金属基板28を、ベロ21に固着される部分である固着領域34と、この固着領域34から最も離れた自由端領域36と、この固着領域34及び自由端領域36の両方に連続してこれら固着領域34と自由端領域36とを接続する係止領域37と、に分けた場合の係止領域37であって、側縁32を含む部分のことである。
【0028】
なお、この「長さ方向」は、必ずしもサガリ22の左右対象線(中心線)の方向と完全に一致する必要はなく、係止領域37の左右の輪郭縁が左右対称線と一定(例えば30°程度)の角度を有する場合であっても、この輪郭縁は長さ方向に沿っているということができる。
【0029】
図2及び
図3のランドセル100のようにサガリ22の左右にガイド26が設けられている場合には、保護部材31は、側縁部29のうちガイド26と対向する部位に設けるのが望ましい。ガイド26と対向する部位は、ガイド26に当たりやすいことに加えて、ガイド26との当たり面の面積が小さく、当たった場合にガイド26を傷つける可能性が高い。保護部材31をガイド26と対向する部位に設けることで、錠本体19を十分に保護できる。
【0030】
なお、保護部材31は、側縁部29の一部に設けられていれば、必ずしも全領域に設けられていなくてもよい。
【0031】
また、保護部材31は、表又は裏の板面27にのみに固定部を有し、この固定部から側縁32よりも幅方向に突出していてもよい。さらに、保護部材31が側縁部29内に配置されていれば、取手部38を有する自由端領域36など、側縁部29の外部に設けられてもよい。
【0032】
図2及び
図3に示されるように、サガリ22がその前後方向にもずれることなく案内されるように、サガリ22に対向して直立するガイド26が凹凸形状に形成されることがある。このようなガイド26を備える錠本体19については、保護部材31のガイド26との対向面も、ガイド26の凹凸に沿うように形成されることが望ましい。
【0033】
なお、金属基板28は、その側面33を保護部材31とともにガイド26に沿って凹凸に形成してもよいし、金属基板28は直線形状で、保護部材31のガイド26との対向面のみを凹凸に形成してもよい。
【0034】
ここで、
図4(A)~
図4(E)は第1実施形態に係る鞄用錠前10の変形例を示す図である。
【0035】
図4(A)では、保護部材31は、取手部38と分離して側縁部29に形成されており、
図4(B)~
図4(E)では、自由端領域36に設けられた取手部38を含むように左右の保護部材31を連結させて形成されている。
【0036】
取手部38を含んで左右の保護部材31を一体形成することで、特定の方向から外力がかかった場合に、保護部材31が外れてしまうことを防止することができる。また、取手部38は、ユーザが激しく動くなどした場合にユーザに当たることの多い部分であるため、取手部38が保護部材31で被覆されることで、ユーザが安全に使用できる。
【0037】
また、
図4(B)は、嵌合孔23が1つであって保護部材31をガイド26に合わせて凹凸に形成しているサガリ22bの平面図、
図4(C)は、同様に嵌合孔23が1つであってガイド26の外形を直線状にしているサガリ22cの平面図である。また、
図4(D)は、嵌合孔23が3つであって保護部材31をガイド26に合わせて凹凸に形成しているサガリ22dの平面図、
図4(E)は、同様に嵌合孔23が3つであってガイド26の外形を直線状にしているサガリ22eの平面図である。
【0038】
図4(B)~
図4(E)に示されるように、サガリ22(22b~22e)の形状や嵌合孔23の数に関わらず、保護部材31を設けることで、ガイド26を保護する効果を発揮することができる。
【0039】
なお、金属基板28と保護部材31とは、別々に作製した後に、嵌め殺しの形状等を利用して保護部材31を金属基板28に嵌めてサガリ22を作製してもよいし、インサート成形により、金属基板28上に保護部材31を一体に成形してサガリ22を作製してもよい。
【0040】
なお、鞄用錠前10の種類によっては、錠本体19にガイド26が設けられていない場合もある。ガイド26が設けられていない場合でも、サガリ22に保護部材31を設けることで、サガリ22の側縁部29がリング17を留めるダルマ座18や、錠本体19の表面に当たり、錠本体19の外観の劣化を防止することができる。
【0041】
以上のように、第1実施形態に係るサガリ22によれば、保護部材31を設けることで、長期間の使用による錠本体19の外観の劣化を防止することができる。
【0042】
特に、ランドセルに適用される鞄用錠前では、錠本体は、メッキや塗装などの外観処理がされる。ランドセルは6年間使用されるため、ガイドとサガリとが何度も当たることによる打痕や摩耗により、本体の外観処理が剥落して、錠本体の素材が露出してしまうことがある。ユーザの使用方法によっては、低学年でも露出してしまう場合もある。
【0043】
第1実施形態のサガリ22のように、金属基板28の長さ方向に沿う側縁部に保護部材31を設けることで、錠本体19の美観を損なうことなく、長期期間使用できる。
【0044】
(第2実施形態)
図5(A)は第2実施形態に係るサガリ22を構成する金属基板28の平面図、
図5(B)は同・金属基板28の右側面図である。
【0045】
第2実施形態に係るサガリ22は、
図5(A)、(B)に示されるように、金属基板28が、周縁部30のうち金属基板28の長さ方向に沿う箇所、すなわち側縁部29において、金属基板28の厚さ方向に屈曲される。
【0046】
金属基板28は、前述したように、鉄や鉄の合金等の非常に強度の高いものが使用される。しかし、板面27に垂直に強い外力がかかった場合には、破損のおそれもあり、サガリ22が僅かに屈曲することで操作部24の水平回転を金属基板28が妨げるおそれもある。
【0047】
そこで、サガリ22のうち、金属基板28の側縁部29を屈曲させて、側面33が板面27と略平行になるように起立させる。
【0048】
ただし、屈曲角度は、必ずしも
図5(A)、(B)に示すような直角には限定されない。また、起立した側縁部29をさらに幅方向に向けて屈曲させてもよい。この起立した側縁部29がリブとなり、サガリ22の板面27に加わる外力に対する強度を高めることができる。強度が高まることで、金属基板28の板厚を薄くしても強度が維持できるため、軽量化も可能となる。
【0049】
図6(A)は、第2実施形態に係るサガリ22の平面図であり、
図6(B)は、
図6(A)の平面図におけるサガリ22の内部の透視図である。また、
図6(C)は、
図6(A)におけるI-I断面の断面図であり、
図6(D)は、
図6(A)におけるII-II断面の断面図である。そして、
図6(E)は、
図6(A)におけるIII-III断面の断面図である。
【0050】
図6(B)、(C)、(E)に示されるように起立した側縁部29に沿って貫通孔42を設けられている。また、
図6(B)、(D)に示されるように取手部38に貫通孔42を設けてもよい。保護部材31は、貫通孔42に充填されるとともに側縁部29を被覆するように成形される。
【0051】
具体的には、保護部材31の成形時に、保護部材31をかたどった金型に、加熱されて液状となった保護部材31を貫通孔42を含め流し込んで冷却して、金属基板28と保護部材31とが一体構造になるように形成する。
【0052】
表裏の保護部材31を、貫通孔42を通してブリッジして、金属基板28への保護部材31の固着を強固にすることで、長年の使用によっても保護部材31が金属基板28から外れないことを担保することができる。なお、この一体構造による固着強度の強化は、側縁部29を起立させていない場合でも適用することができる。
【0053】
なお、側縁32を起立させることおよび保護部材31の一体構造を形成させること以外は、第2実施形態は第1実施形態と構成的にも動作的にも同様となるので、重複する説明を省略する。
【0054】
このように、第2実施形態に係るサガリ22によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、金属基板28の長さ方向に沿うリブ構造を形成することができるので、サガリ22の強度を高めることができる。
【0055】
また、貫通孔42を挟む保護部材31を貫通孔42内でブリッジすることで、保護部材31の金属基板28への固着を強化することができる。加えて、金属基板28の側縁部29を屈曲させるのみでは、使用中に基板の角部などを直接踏みつけてしまうおそれもあるが、サガリ22は、保護部材31に覆われることで丈夫かつ安全に使用することができる。
【0056】
以上述べた少なくとも一つの実施形態のサガリによれば、金属基板の長さ方向に沿う側縁部に錠本体の材質と同等、または、その材質よりも柔軟性を有する保護部材を設けることで、長期間の使用による錠本体の外観の劣化を防止することが可能になる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
10…鞄用錠前、11…底部、12…ランドセル本体、13…冠部材(蓋部材)、14…背板、16(16a、16b)…肩ベルト、17(17a、17b)…リング、18(18a、18b)…ダルマ座、19…錠本体、20…皮ツマミ、21…ベロ、22(22a~22e)…サガリ(鞄用掛止板)、23…嵌合孔、24…操作部、25…上板、26…ガイド、27…板面、28…金属基板、29…側縁部、30…周縁部、31…保護部材、32…側縁、33…側面、34…固着領域、36…自由端領域、37…係止領域、38…取手部、42…貫通孔、100…ランドセル。