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特許7222523一括査定システム、一括査定方法および一括査定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】一括査定システム、一括査定方法および一括査定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230208BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018211514
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020064582
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】P 2018195961
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516166568
【氏名又は名称】株式会社フルフィルロジック
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】土屋 俊亮
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-082320(JP,A)
【文献】特開2006-260194(JP,A)
【文献】特開2009-009514(JP,A)
【文献】特許第5612190(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0116162(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一括査定システムであって、
物品の販売価格に係る相場情報、及び、買主毎に設定された前記販売価格に対する利益の割合である利益率及び予算額を含む調整情報に基づき、当該物品に係る買取価格を決定する査定手段と、
査定画面において、買主毎に対応付けられた前記買取価格を表示処理する表示手段を有し、
前記表示手段は、前記査定画面における前記買主の指定を転機として、ユーザによる当該買主との取引意思入力を行うための取引画面を表示処理し、
当該取引意思入力が行われている場合、前記査定画面におけるユーザ操作を転機として、当該取引意思入力に対応付けられた取引に係る取引状況を確認するための情報を表示処理することを特徴とする一括査定システム。
【請求項2】
前記表示手段は、前記査定画面において、複数の前記買取価格を表示処理すること、
を特徴とする請求項1に記載の一括査定システム。
【請求項3】
前記調整情報は、値入額及び分岐額を含み、
前記査定手段は、前記相場情報及び調整情報に基づき算出される価格が前記分岐額を超過しない場合、前記価格と前記値入額との総和を、前記買取価格として決定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の一括査定システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記買主に係る予算額を超過していない複数の前記買取価格を、前記査定画面において表示処理すること、
を特徴とする請求項1~3の何れかに記載の一括査定システム。
【請求項5】
一括査定システムであって、
前記買主の取引履歴に係る情報の入力処理を受け付け、当該取引履歴に基づき前記物品に係る返品率を決定する評価手段を有し、
前記表示手段は、前記査定画面において、前記買主毎に対応付けられた前記買取価格及び返品率を表示処理し、ユーザによる当該買主との取引意思入力を行うための取引画面において、前記買主に対応付けられた前記買取価格及び返品率を表示処理すること、
を特徴とする請求項1~4の何れかに記載の一括査定システム。
【請求項6】
前記販売価格に係る情報は、前記物品に係る原価、落札価格及び取引価格の少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする請求項1~5の何れかに記載の一括査定システム。
【請求項7】
一括査定方法であって、
物品の販売価格に係る相場情報、及び、買主毎に設定された前記販売価格に対する利益の割合である利益率及び予算額を含む調整情報に基づき、当該物品に係る買取価格を決定する査定ステップと、
査定画面において、買主毎に対応付けられた前記買取価格を表示処理する表示ステップと、をコンピュータのプロセッサに実行させ、
前記表示ステップは、前記査定画面における前記買主の指定を転機として、ユーザによる当該買主との取引意思入力を行うための取引画面を表示処理し、
当該取引意思入力が行われている場合、前記査定画面におけるユーザ操作を転機として、当該取引意思入力に対応付けられた取引に係る取引状況を確認するための情報を表示処理することを特徴とする一括査定方法。
【請求項8】
一括査定プログラムであって、
コンピュータを、物品の販売価格に係る相場情報、及び、買主毎に設定された前記販売価格に対する利益の割合である利益率及び予算額を含む調整情報に基づき、当該物品に係る買取価格を決定する査定手段と、
査定画面において、買主毎に対応付けられた前記買取価格を表示処理する表示手段と、として機能させ、
前記表示手段は、前記査定画面における前記買主の指定を転機として、ユーザによる当該買主との取引意思入力を行うための取引画面を表示処理し、
当該取引意思入力が行われている場合、前記査定画面におけるユーザ操作を転機として、当該取引意思入力に対応付けられた取引に係る取引状況を確認するための情報を表示処理することを特徴とする一括査定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一括査定システム、一括査定方法および一括査定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
売主が物品を売却する際、買主に依頼し当該物品の買取価格に係る決定プロセスを経る必要がある。当該買主がインターネット上で索出される場合、提示される買取価格は、取引に係る売主の判断基準となり、一以上の買主に係る情報が一括表示処理される構成が好ましい。
【0003】
特許文献1に記載の中古自動車査定価格情報供給システムによると、サーバは、査定価格決定基準項目と、当該査定価格決定基準項目に対応した査定価格と、を記憶する記憶部を備え、ユーザ端末において中古自動車の情報を入力すると、当該情報に基づいて中古自動車の査定価格が表示される。そして、ユーザの希望に応じて、中古自動車買取業者の情報が開示され、ユーザは、当該中古自動車買取業者と直接連絡を取ることにより、中古自動車を売却する技術が知られている(特許文献1)。当該システムの課題は、売却に際し、ユーザが個人情報の開示を常に求められることにあった。
【0004】
特許文献2に記載の査定先設定システムによると、売主端末から売却対象物に関する対象物情報及び売主の個人情報を含む売主情報を取得する売主情報取得手段と、売却対象物の買取を行う買取業者に関する業者情報を売主端末に送信する業者情報送信手段と、売主端末から売却対象物の査定を行う買取業者を示す査定業者情報を取得する査定先決定手段と、個人情報を売却対象物の査定日又は査定日前日に査定を行う買取業者の管理する査定業者端末に送信する個人情報送信手段と、を備えることを特徴とする技術が知られている(特許文献2)。当該査定先設定システムは、査定を行わない他の買取業者に個人情報が送信されることがなく、個人情報の流出を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001―357256号公報
【文献】特開2017―134770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2によると、査定額若しくは買主情報に基づく物品に係る売却先選定が可能だが、物品に係る相場情報との連動が不十分であるため、買主にとって好適な査定システムではない。
【0007】
また、売主に対する買主に係る取引履歴に基づいた返品率の開示が不十分であり、買主に係る信用情報が不明瞭であるという課題点が残されており、売主にとっても好適な査定システムではない。
【0008】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、買取価格を一括で表示処理する査定システムにおける、相場情報と連動した買取価格の導入を、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、一括査定システムであって、
物品に係る相場情報、及び、買主毎に設定された利益率及び予算額を含む調整情報に基づき、当該物品に係る買取価格を決定する査定手段と、
査定画面において、買主毎に対応付けられた前記買取価格を表示処理する表示手段と、を有すること、を特徴とする。
このような構成とすることで、売主にとっては、簡易に取引先の設定が可能であり、買主にとっては、簡易に買取価格の設定が可能な査定システムを実現できる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記表示手段は、前記査定画面において、複数の前記買取価格を表示処理すること、を特徴とする。
このような構成とすることで、複数の買主にそれぞれ対応付けられた買取価格を瞬時に一括表示処理できる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記相場情報は、前記物品に係る複数の販売価格を有すること、を特徴とする。
このような構成とすることで、物品に係る販売価格に基づき、簡易に買取価格を設定することが可能となる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記査定手段は、前記相場情報に含まれる前記販売価格 と前記利益率との積を、前記買取価格として決定すること、を特徴とする。
このような構成とすることで、最安値を含む販売価格と、買主毎に設定される利益率に基づき、簡易に買取価格を設定することが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記調整情報は、値入額及び分岐額を含み、
前記査定手段は、前記積が前記分岐額を超過しない場合、前記積と前記値入額との総和を、前記買取価格として決定すること、を特徴とする。
このような構成とすることで、複数の販売価格において、閉店セール等の大幅な値引きが行われていた場合においても、買主の利益を確保することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記表示手段は、前記買主に係る予算額を超過していない複数の前記買取価格を、前記査定画面において表示処理すること、を特徴とする。
このような構成とすることで、買主の予算を超える買取価格に基づいた取引を未然に防ぐことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記表示手段は、前記査定画面における前記買主の指定を転機として、ユーザによる当該買主との取引意思入力を行うための取引画面を、前記査定画面に重ねて表示処理し、
当該取引意思入力が行われている場合、ユーザ操作を転機として、当該取引意思入力に対応付けられた取引に係る進捗状況を示す情報と、買主に係る住所情報とを、表示処理し、
前記取引画面において、前記買主に係る住所情報が表示処理されること、を特徴とする。
このような構成とすることで、複数の買取価格を一括表示する画面から画面全体を遷移することなく取引画面に移行し、ユーザに直感的な操作感覚を提供できる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、販売価格に係る情報は、物品に係る原価、落札価格及び取引価格の少なくとも1つを含むこと、を特徴とする。
【0017】
本発明の好ましい形態では、一括査定システムが、
前記買主の取引履歴に係る情報の入力処理を受け付け、当該取引履歴に基づき前記物品に係る返品率を決定する評価手段を有し、
前記表示手段は、前記査定画面において、前記買主毎に対応付けられた複数の前記買取価格及び返品率を、表示処理し、前記取引画面において、前記買主に対応付けられた前記買取価格及び返品率を表示処理すること、を特徴とする。
このような構成とすることで、買取価格に係る情報に加えて、返品率の態様で買主が信頼に足るか否かを判断する情報を売主に提供できる。
【0018】
本発明は、一括査定方法であって、
物品に係る相場情報、及び、買主毎に設定された利益率及び予算額を含む調整情報に基づき、当該物品に係る買取価格を決定する査定ステップと、
査定画面において、買主毎に対応付けられた前記買取価格を表示処理する表示ステップと、をコンピュータのプロセッサに実行させること、を特徴とする。
【0019】
本発明は、一括査定プログラムであって、
コンピュータを、物品に係る相場情報、及び、買主毎に設定された利益率及び予算額を含む調整情報に基づき、当該物品に係る買取価格を決定する査定手段と、
査定画面において、買主毎に対応付けられた前記買取価格を表示処理する表示手段と、として機能させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、相場情報と連動した買取価格を一括で表示処理する査定システムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る一括査定システムの機能ブロック図及びハードウェア構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る一括査定システムの処理フローを図示している
図3】本発明の実施形態に係る入力画面の表示例である。
図4】本発明の実施形態に係る査定画面及び取引画面の表示例である。
図5】本発明の実施形態に係る取引状況確認画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本発明に係る一括査定システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0023】
例えば、本実施形態では、一括査定システムの構成、動作などについて説明するが、同様の構成の方法、サーバ装置、コンピュータプログラム、記録媒体なども、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る一括査定システムの概要を示す図である。一括査定システム1は、ユーザ端末2と、サーバ装置3と、を備える。
【0025】
一括査定システム1は、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等を用いてデータ通信ができる。なお、ネットワークNWは、例えば、CATV(Community Antenna Television)回線や、移動体通信網等、種々の回線を利用することができ、特に制限はない。
【0026】
ユーザ端末2は、演算装置201と、主記憶装置202と、補助記憶装置203と、入力装置204と、出力装置205と、外部装置とネットワークNWを介して通信を行うための通信装置206と、撮像装置207と、を備える。演算装置201は、命令セットを実行可能なプロセッサを含む。主記憶装置202は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む。補助記憶装置203は、不揮発性メモリ等の記録媒体を含み、その記録方式には特に制限はない。
【0027】
補助記憶装置203は、オペレーティングシステム(OS)2001と、OS2001と協調してその機能を発揮する一括査定プログラム2002と、入力処理を種々の経路から行うためのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)2003と、が記録されている。
【0028】
サーバ装置3は、演算装置301と、主記憶装置302と、補助記憶装置303と、入力装置304と、出力装置305と、外部装置とネットワークNWを介して通信を行うための通信装置306と、を備える。演算装置301は、命令セットを実行可能なプロセッサを含む。主記憶装置302は、RAM等の揮発性メモリを含む。補助記憶装置303は、不揮発性メモリ等の記録媒体を含み、その記録方式には特に制限はない。
【0029】
補助記憶装置303は、OS3001と、OS3001と協調してその機能を発揮する一括査定プログラム3002と、入力処理を種々の経路から行うためのAPI3003と、が記録されている。
【0030】
また、一括査定システム1は、アプリケーションに代え、又は加えて、一括査定用のウェブページを利用する為の、ウェブブラウザアプリケーションや、通知を確認する為のメーラーアプリケーションを記憶する、という構成にしてもよい。
【0031】
本実施形態における、ユーザ端末2及びサーバ装置3は、補助記憶装置203及び303とは別に、各種データのバックアップ先として、データベースDB2及びDB3に対応付けられる構成としてもよい。このとき、データベースDB2及びDB3は、ネットワークNWを介して、アクセス可能である構成が好ましい。
【0032】
一括査定システム1は、入力手段21と、表示手段22と、査定手段31と、評価手段32と、を有する。
【0033】
入力手段21は、物品情報と、買主情報と、相場情報と、調整情報と、画面の表示意思及び表示取消意思と、取引意思と、の入力処理のために用いられる。
【0034】
本実施形態における物品情報は、物品に係る型番等の情報の他に、撮像装置207により撮像された、物品に係る画像を含む。
【0035】
本実施形態における買主情報は、買主に係る住所情報と、取引履歴に基づく返品率に係る情報と、を含む構成が好ましい。
【0036】
本実施形態における相場情報は、物品に係る複数の販売価格を有する。当該販売価格は、ネットモール等で提示されている価格であってもよいし、実店舗において提示されている価格でもあってもよい。また、当該販売価格に対応付けられる日付に特に制限はない。当該販売価格に係る情報は、ユーザ端末2若しくはサーバ装置3を介して、補助記憶装置303若しくはデータベースDB3に格納される構成が好ましい。また、当該格納は、外部サービスとAPIを介して行われる構成としてもよい。
【0037】
本実施形態における販売価格に係る情報は、物品に係る落札価格を含む構成としてもよい。当該落札価格は、競争入札方式を採用するネットオークション若しくはオンラインオークションを含むオークションで提示される価格情報を指す。本実施形態における落札価格は、制限価格または最低落札価格を含めない構成としてもよい。当該落札価格に係る情報は、ユーザ端末2若しくはサーバ装置3を介して、補助記憶装置303若しくはデータベースDB3に格納される構成が好ましい。また、当該格納は、外部サービスとAPIを介して行われる構成としてもよい。
【0038】
本実施形態における販売価格に係る情報は、物品に係る取引価格を含む構成としてもよい。当該取引価格は、例えば、卸値や仕入価格である。当該仕入価格は、一例として、オークション会場における物品に係る仕入価格としてもよい。当該取引価格に係る情報は、ユーザ端末2若しくはサーバ装置3を介して、補助記憶装置303若しくはデータベースDB3に格納される構成が好ましい。また、当該格納は、外部サービスとAPIを介して行われる構成としてもよい。
【0039】
本実施形態における販売価格に係る情報は、物品に係る原価を含む構成としてもよい。当該原価に係る情報は、ユーザ端末2若しくはサーバ装置3を介して、補助記憶装置303若しくはデータベースDB3に格納される構成が好ましい。また、当該格納は、外部サービスとAPIを介して行われる構成としてもよい。
【0040】
本実施形態における販売価格に係る情報は、物品に係る参考買取価格を含む構成としてもよい。当該参考買取価格に係る情報は、一括査定システム1において買主により提示された買取価格であってもよいし、外部サービスにおいて提示された買取価格であってもよい。外部サービスにおいて提示された買取価格は、ユーザ端末2若しくはサーバ装置3を介して、補助記憶装置303若しくはデータベースDB3に格納される構成が好ましい。また、当該格納は、外部サービスとAPIを介して行われる構成としてもよい。
【0041】
本実施形態における調整情報は、買取価格の決定のために用いられる、利益率、値入額、分岐額及び予算額の少なくとも1つを含む構成が好ましい。当該調整情報は、ユーザ端末2若しくはサーバ装置3を介して、入力処理され、補助記憶装置303若しくはデータベースDB3に格納される構成が好ましい。
【0042】
本実施形態における入力処理は、ポインティングデバイスや、タッチパネルデバイス等の入力デバイスを介して行われる。本実施形態における入力方式には、制限はない。本実施形態では、当該入力処理は、その他、API2003を経由し、行われてもよい。
【0043】
表示手段22は、一括査定システム1に係る表示処理を行う。当該表示処理は、ユーザ端末2上のアプリケーション、若しくは、ウェブブラウザ上のページの態様で行われる構成が好ましい。このとき、ネットワークNWを介して、サーバ装置3における処理と協調して、当該表示処理が行われる構成としてもよい。
【0044】
査定手段31は、入力手段21により入力処理された利益率と、物品に係る相場情報に基づき、買取価格の決定を買主毎に行う。
【0045】
査定手段31は、物品に係る複数の販売価格から最安値を抽出し、当該最安値と利益率との積を買取価格として決定する。このとき、当該買取価格が買主毎に設定された分岐額を超過しない場合、当該積と値入額との総和を買取価格とする。なお、当該総和が分岐額に満たない場合を回避するために、当該積と分岐額との差分に基づき、動的に値入額が決定される構成としてもよい。
【0046】
本実施形態では、一定の値入額に基づき算出された買取価格が分岐額に達しない場合、査定画面における当該買取価格の表示処理が抑止される構成としてもよい。
【0047】
本実施形態における値入額は、買主毎に設定される構成が好ましい。また、動的に決定された値入額に基づき決定された買取価格に係る表示処理と、一定の値入額に基づき決定される買取価格に係る表示処理と、は買主毎に切替可能である構成が好ましい。なお、分岐額及び値入額は、物品の種別毎に設定される構成が好ましい。
【0048】
本実施形態における、相場情報に基づく買取価格の決定は、物品の最安値に基づく構成が好ましい。なお、当該物品に係る最高値若しくは中央値に基づく構成としてもよい。
【0049】
評価手段32は、入力手段21により入力処理された買主の取引履歴に基づき、当該買主の返品率を決定する。このとき、当該返品率は、買主の過去の商取引における返品率である構成が好ましい。当該返品率は、物品が偽物であった等、売主の瑕疵に起因しない返品行為に基づき、売主によるアンケート回答等には基づかない構成が好ましい。
【0050】
本実施形態における一括査定システム1の処理フローを、図2を交え、説明する。
【0051】
本実施形態では、ユーザによる入力画面W1に係る表示意思入力を転機として、入力画面W1の表示処理が行われる(ステップS0)。
【0052】
入力画面W1では、ユーザによる物品情報に係る入力処理が行われる(ステップS1)。このとき、入力処理された物品情報の少なくとも一部に基づき、サーバ装置3が、物品に係る情報を類推処理する(ステップS1X)としてもよい。当該類推処理は、深層学習アルゴリズムを含む画像認識処理に基づく構成が好ましい。
【0053】
本実施形態では、入力処理された物品情報に係る確定意思入力を転機として、物品情報の格納が行われると共に、買取価格に係る決定及び査定画面W2に係る表示処理が行われる(ステップS2)。
【0054】
査定画面W2では、1以上の買主に対応付けられた買取価格及び返品率が、一括で表示処理される。当該買取価格が、対応する買主が設定する予算額を超過する場合、当該買取価格は表示処理されない構成が好ましい。また、ユーザ意思入力を転機として、買取価格ソートされた査定画面W2A(ステップS2A)と、返品率ソートされた査定画面W2B(ステップS2B)と、の何れかが表示処理される。なお、本実施形態では、売主が設定する返品率を超過する買主に係る買取価格が表示処理されない構成としてもよい。
【0055】
査定画面W2において、ユーザによる買主情報の指定が行われた場合、当該買主情報に対応付けられた取引画面W3が表示処理される。このとき、当該取引画面W3は、査定画面W2に重ねて表示処理される構成が好ましい。ユーザによる物品に係る取引意思入力を転機として、当該取引画面に係る表示処理取消が行われ、査定画面W2に係る表示処理が行われる(ステップS3)。
【0056】
査定画面W2では、既に進行している商取引に係る進捗情報を、ユーザによる意思入力を転機として、表示処理する(ステップS4)。このとき、進捗情報とは、物品に係る配達状況、査定状況等を指す。
【0057】
本実施形態における、入力画面W1、査定画面W2、取引画面W3及び取引状況確認画面W4を、表示例を示す図を交え、説明する。
【0058】
図3(a)、及び、図3(b)が示すとおり、入力画面W11及びW12では、物品情報をトグル形式で択一的に選択する。このとき、物品を撮像した画像及び物品の分類(カテゴリ)が入力されることで、サーバ装置3側で類推処理された結果が、入力部INPの直下に表示処理される構成としてもよい。入力処理された情報に係る確定意思が入力された場合、一括査定が開始される。
【0059】
図4(a)、及び、図4(b)が示すとおり、査定画面W2では、入力処理/確定された物品情報に基づく一括査定の結果が表示処理される。このとき、1以上の買主に対応付けられた査定情報には、買取価格D1及び当該買主の返品率D2が含まれる。査定画面W2では、タブ切替の態様で、買取価格ソートされた査定画面W2A及び査定画面W2Bの何れかが表示処理される。
【0060】
図4(c)が示すとおり、ユーザ操作により買主が指定された場合、査定画面W2上に、当該買主に対応付けられた取引画面W3が、重ねて表示処理される(図2、ステップS3)。このとき、当該取引画面W3では、買取価格D1及び返品率D2と、買主メッセージ情報と、商取引に係る注意事項を示す情報と、買主情報と、が表示処理される。入力部DEALの指定を転機として、取引意思入力が行われた場合、物品に係る商取引が開始される。具体的には、売主に対して、買主への物品の送達を促すメッセージ情報に係る表示処理が行われる。
【0061】
図5が示すとおり、ユーザ操作による意思入力が行われた場合(図2、ステップS4)、取引状況を確認する為の取引状況確認画面W4が表示処理される。このとき、当該取引状況確認画面W4には、買主に係る住所情報と、取引に係る進捗情報とが表示処理される。当該進捗は、物品の発送待ち等の取引ステータスを示す。
【0062】
本実施形態における取引状況確認画面W4では、取引進捗に係る情報がパーセンテージの態様で表示処理される構成としてもよい。具体的には、発送された物品が買主の元に到着し、買主による物品確認に係る意思入力が行われることを転機として、当該パーセンテージが加算される。また、物品の開封若しくは査定作業の完了等を転機として、当該パーセンテージが加算される構成としてもよい。
【0063】
本実施形態における取引状況確認画面W4では、買主による意思入力に基づき、物品合否情報が表示処理される構成としてもよい。当該物品合否情報は、買主による物品に係る真贋判定に基づき決定され、査定画面において提示された買取価格に基づく取引の続行の可否に係る情報が含まれる。
【0064】
本実施形態では、物品の取引に係る売主と買主とのマッチングが行われるに過ぎず、当該取引はシステム上で完結しない。ただし、取引状況を示す進捗情報が表示処理されるため、好適な商取引の実現に寄与する。
【0065】
本発明によれば、相場情報と連動した買取価格と、買主の取引履歴に基づく返品率と、を一括表示処理する一括査定システムが実現できる。
【符号の説明】
【0066】
1 一括査定システム
2 ユーザ端末
3 サーバ装置
201、301 演算装置
202、302 主記憶装置
203、303 補助記憶装置
204、304 入力装置
205、305 出力装置
206、306 通信装置
207 撮像装置
2001、3001 OS
2002、3002 一括査定プログラム
2003、3003 API
21 入力手段
22 表示手段
31 査定手段
32 評価手段
DB2、DB3 データベース
NW ネットワーク
入力画面 W1、W1A、W1B
査定画面 W2、W2A、W2B
取引画面 W3
取引状況確認画面 W4
ステップ S0、S1、S1X、S2、S2A、S2B、S3、S4
買取価格 D1
返品率 D2
入力部 INP、DEAL
図1
図2
図3
図4
図5