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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ワーク搬送用ハンド及びボール搭載装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230208BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20230208BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H01L21/68 B
H01L21/92 604Z
H01L21/92 604H
B25J15/06 N
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019031613
(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2020136603
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】592141488
【氏名又は名称】アスリートFA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】小竹 利幸
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-103696(JP,A)
【文献】特開2012-245597(JP,A)
【文献】国際公開第2019/013022(WO,A1)
【文献】特開2011-131284(JP,A)
【文献】特開2019-004114(JP,A)
【文献】特開2014-030036(JP,A)
【文献】特開2003-077977(JP,A)
【文献】特開2007-324449(JP,A)
【文献】特開2003-040501(JP,A)
【文献】特開2005-235973(JP,A)
【文献】特開平05-275513(JP,A)
【文献】特開平10-050797(JP,A)
【文献】特開2018-108638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/60
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットハンドに固定する固定部と前記固定部からU字形状に延在するフィンガーとから構成されるハンド本体を有し、
前記フィンガーは、少なくとも3か所に設けられてワーク側が開口した凹部と、前記凹部内に配置されて前記ワークを吸着するための静電気除去効果及び弾性を有する柱状の真空吸着用部材と、を有し、
前記真空吸着用部材には吸引孔が設けられており、前記吸引孔は前記フィンガーに形成されている真空吸引路に連通し、
前記真空吸着用部材の上面は、吸着前の初期状態において前記フィンガーの前記ワークが載置される上面から突出しており、
前記ワークを真空吸着した際には、前記ワークと前記フィンガーとが密着するように構成されている、
ことを特徴とするワーク搬送用ハンド。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク搬送用ハンドにおいて、
前記真空吸着用部材は、体積固有抵抗が10Ω・cm~10Ω・cmであるゴム系材料の発泡体で形成されている、
ことを特徴とするワーク搬送用ハンド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のワーク搬送用ハンドにおいて、
前記真空吸着用部材は、アスカーゴム硬度計C型による硬度が10以上で20以下である、
ことを特徴とするワーク搬送用ハンド。
【請求項4】
請求項1に記載のワーク搬送用ハンドにおいて、
前記ハンド本体は、表面に導電性を有するセラミックで形成されている、
ことを特徴とするワーク搬送用ハンド。
【請求項5】
請求項1に記載のワーク搬送用ハンドにおいて、
前記ワークは、伸縮性を有するテープが貼着された搬送用リングの径方向内側に配置されて前記テープの貼着面側に半導体ウエハが貼着された半導体ウエハ搬送ユニットであって、
前記真空吸着用部材は、前記搬送用リング若しくは前記テープ又は「前記搬送用リング及び前記テープの両方」を吸着する位置に配置されている、
ことを特徴とするワーク搬送用ハンド。
【請求項6】
半導体ウエハに導電性ボールを搭載するボール搭載装置であって、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワーク搬送用ハンドが装着された前記ロボットハンドを有する搬送用ロボットと、
フラックス印刷用マスクを使用して前記半導体ウエハにフラックスを印刷するフラックス印刷装置と、
前記フラックスが印刷された前記半導体ウエハに、ボール振込用マスクのボール振込用孔から前記導電性ボールを振り込むボール振込装置と、
を有している、
ことを特徴とするボール搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送用ハンド及びボール搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハを搬送する装置として搬送用ロボットが使用されている。搬送用ロボットは、ワークである半導体ウエハをハンドリングするワーク搬送用ハンドを有している。ワーク搬送用ハンドには、半導体ウエハの外周を規制部材などで案内して把持する構造や真空吸着する構造などが採用されている。特許文献1には、U字形状に延在するフィンガー部と、このフィンガー部に設けられて半導体ウエハの外周を支持する規制部材と、半導体ウエハの載置側の面を支持する摩擦部材を有するワーク搬送用ハンドが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、多孔質セラミックによって形成されたワーク搬送用ハンドが記載されている。このワーク搬送用ハンドは、U字形状に延在するフィンガー部を有し、フィンガー部の先端にワークである半導体ウエハを吸着保持する吸着部が設けられている。多孔質セラミックは通気性を有しているため、フィンガー部は非通気性の膜で被覆され、この膜の一部を剥離することによって吸着部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-98405号公報
【文献】特開2000-183133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のワーク搬送用ハンドにおいては、半導体ウエハは、外周方向が規制部材で案内され、半導体ウエハの載置側の面が摩擦部材で支持されてフィンガー部根元部に設けられた1か所の吸引孔で吸着保持される。このような構造では、半導体ウエハと規制部材との間に給材が可能になるレベルの隙間があること、吸引孔が半導体ウエハの偏った位置に1か所だけ設けられていることなどから、吸引孔から離れた位置では半導体ウエハが浮き上がってしまうことが考えられる。また、摩擦部材は絶縁体であるシリコーンゴムなどのゴム系樹脂で形成されており、半導体ウエハの搬送時に半導体ウエハと摩擦部材とが擦れることによって半導体ウエハが静電気を帯電する虞がある。半導体ウエハが帯電すると、半導体ウエハに埃が付着すること、或いは半導体ウエハに素子を実装する際に素子が静電気で移動してしまい所定位置に素子を給材することができないことなどの不具合が発生する。
【0006】
特許文献2に記載のワーク搬送用ハンドにおいては、通気性を有する多孔質セラミックの表面をフッ素樹脂などの膜で被覆し吸着部のみを開口して半導体ウエハを吸着するものである。半導体ウエハはフィンガーの先端部2か所で吸着保持されることから半導体ウエハを吸着保持する際に半導体ウエハの外周縁が自重で撓んで姿勢が不安定になり、高速で搬送することが難しくなるという課題がある。また、半導体ウエハの搬送時において、半導体ウエハは絶縁性を有するフッ素樹脂で形成される膜と接触するため静電気を帯電する虞があり、半導体ウエハが帯電することによって上記特許文献1と同様な不具合が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、このような課題の少なくとも一つを解決するためになされたもので、ワークを平坦に吸着しつつ高速搬送が可能であり、ワークに帯電させないワーク搬送用ハンド及びこのワーク搬送用ハンドを有するボール搭載装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本発明のワーク搬送用ハンドは、ロボットハンドに固定する固定部と前記固定部からU字形状に延在するフィンガーとから構成されるハンド本体を有し、前記フィンガーは、少なくとも3か所に設けられて前記ワーク側が開口した凹部と、前記凹部内に配置されて前記ワークを吸着するための静電気除去効果及び弾性を備えた柱状の真空吸着用部材とを有し、前記真空吸着用部材には吸引孔が設けられており、前記吸引孔は前記フィンガーに形成されている真空吸引路に連通していることを特徴とする。
【0009】
ここで、ワークとしては、例えば、大判の半導体ウエハや樹脂基板、或いは伸縮性を有するテープが貼着された搬送用リングの径方向内側に配置されてテープの貼着面側に半導体ウエハが貼着された半導体ウエハ搬送ユニットなどが適合可能である。本発明のワーク搬送用ハンドは、フィンガーに設けられた真空吸着用部材によってワークを吸着保持し搬送するものである。フィンガーは、ワークを吸着する際に真空吸着用部材によって3点支持しつつ吸着保持する。このことによってワークが傾くことなく安定した姿勢で搬送することが可能となる。また、真空吸着用部材は、静電気除去効果を有する材料(すなわち、体積固有抵抗が小さい材料)で形成されていることから、搬送時にワークが帯電することがなく、ワークが帯電することによって埃が付着することや、ワークに素子を実装する際に静電気によって所定位置に素子が移動して所定位置に給材することができないなどの不具合を排除することが可能となる。従って、このようなワーク搬送用ハンドによれば、ワークを平坦に吸着しつつ高速搬送が可能であり、ワークが帯電することを防ぐことが可能となる。
【0010】
[2]本発明のワーク搬送用ハンドにおいては、前記真空吸着用部材は、体積固有抵抗が10Ω・cm~10Ω・cmであるゴム系材料の発泡体で形成されていることが好ましい。
【0011】
真空吸着用部材の材質としては、例えば、体積固有抵抗が10Ω・cm~10Ω・cmのクロロプレンゴムの発泡体が適している。このような真空吸着用部材によれば、ワークが真空吸着用部材に接触し擦れても半導体ウエハが静電気によって帯電することを防止できる。なお、絶縁性を有するテープが真空吸着用部材に接触し擦れてもワークが帯電することを防止できる。
【0012】
[3]本発明のワーク搬送用ハンドにおいては、前記真空吸着用部材は、アスカーゴム硬度計C型による硬度が10以上で20以下であることが好ましい。
【0013】
真空吸着用部材の硬度を10以上で20以下のものとすれば、ワークを真空吸着する際に吸引力で真空吸着用部材が容易に圧縮することで、ワークをワーク搬送用ハンドに密着させて搬送することが可能となる。なお、この硬度はアスカーゴム硬度計C型による測定値である。
【0014】
[4]本発明のワーク搬送用ハンドにおいては、前記真空吸着用部材の上面は、吸着前の初期状態において前記フィンガーの前記ワークが載置される上面から突出しており、前記ワークを真空吸着した際には、前記ワークと前記フィンガーとが密着するように構成されていることが好ましい。
【0015】
このようにすれば、ワーク搬送用ハンドがワークを真空吸着したときに、ワークをワーク搬送用ハンドの上面全体に密着させることが可能となり、ワークを傾きがない(水平)状態で搬送することが可能となる。なお、例えば、真空吸着用部材の上面の突出高さを0.3mm~1.0mmの範囲とすれば、ワークをワーク搬送用ハンドの上面全体に密着させることが可能となる、さらに、真空吸着用部材がゴム系材料で形成されており摩擦係数が大きいことから、搬送時にワークが位置ずれしにくく高速搬送が可能となる。
【0016】
[5]本発明のワーク搬送用ハンドにおいては、前記ハンド本体は、表面に導電性を有するセラミックで形成されていることが好ましい。
【0017】
導電性を有するセラミックとしては、例えば、それ自体が導電性の炭化ケイ素(SiC)などを使用し、或いは導電性を有しないアルミナ(Al)や窒化ケイ素(Si)などにおいては凹部を含めて表面全体に導電性被膜が形成されたものなどがある。このようにすれば、ワーク搬送用ハンドは静電気によって帯電することがなく、ワークが帯電することによる不具合を排除することが可能となる。また、セラミックは軽量の割に剛性が高く、薄く軽量化が可能であることから高速搬送に適している。
【0018】
[6]本発明のワーク搬送用ハンドにおいては、前記ワークは、伸縮性を有するテープが貼着された搬送用リングの径方向内側に配置されて前記テープの貼着面側に半導体ウエハが貼着された半導体ウエハ搬送ユニットであって、前記真空吸着用部材は、前記搬送用リング若しくは前記テープ又は「前記搬送用リング及び前記テープの両方」を吸着する位置に配置されていることが好ましい。
【0019】
このような構成にすれば、ワークがユニット化された半導体ウエハ搬送ユニットにおいても、ワークを平坦に吸着しつつ高速搬送が可能であり、ワークが帯電することを防ぐことが可能となる。
【0020】
[7]本発明のボール搭載装置は、半導体ウエハに導電性ボールを搭載するボール搭載装置であって、前述したワーク搬送用ハンドが装着された前記ロボットハンドを有する搬送用ロボットと、フラックス印刷用マスクを使用して前記半導体ウエハにフラックスを印刷するフラックス印刷装置と、前記フラックスが印刷された前記半導体ウエハに、ボール振込用マスクのボール振込用孔から前記導電性ボールを振り込むボール振込装置と、を有していることを特徴とする。
【0021】
搬送用ロボットは、例えば給材ストッカからワークを次工程の装置に搬送し、半導体ウエハに導電性ボールが搭載されたワークを除材ストッカに搬送する。そこで、ロボットハンドに前述したワーク搬送用ハンドを装着することによって、半導体ウエハ搬送用ユニットを吸着保持することで高速搬送が可能となる。さらに、ワーク搬送用ハンドを使用することで半導体ウエハが静電気によって帯電することを防ぐことができる。半導体ウエハが帯電すると、埃が付着したり、ボール搭載時に導電性ボールが静電気で吸引されたり、飛ばされたりすることがあり、導電性ボールの過不足が発生する虞がある。しかし、半導体ウエハを帯電させない構成にすることによってこのような不具合の発生を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】半導体ウエハ搬送用ユニット2を示す図である。
図2】ワーク搬送用ハンド1を示す斜視図である。
図3】ハンド本体8を示す平面図である。
図4】ワーク搬送用ハンド1が給材ストッカ20から半導体ウエハ搬送用ユニット2を取り出す状態を模式的に示す図である。
図5】ワーク搬送用ハンド1が給材ユニット20において半導体搬送ユニット2を吸着保持する状態を示す斜視図である。
図6図5のA-A切断線で切断した断面図である。
図7】フィンガー7が半導体ウエハ搬送用ユニット2を吸着保持した状態を示す断面図である。
図8】ボール搭載装置25の概略構成を示す平面図である。
図9】導電性ボールBを半導体ウエハ5に振り込む動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[ワーク搬送用ハンド1の構成]
ワークとしては、大判の半導体ウエハや樹脂基板、或いは伸縮性を有するテープが貼着された搬送用リングの径方向内側に配置されてテープの貼着面側に半導体ウエハが貼着された半導体ウエハ搬送ユニットなどが適合可能である。以下の説明においては、ワークの1例としての半導体ウエハ搬送ユニット2の構成について図1を参照して説明する。
【0024】
図1は、ワークとしての半導体ウエハ搬送ユニット2を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA-A切断線で切断した断面図である。半導体ウエハ搬送ユニット2は、搬送時に撓まない程度の剛性を有する搬送用リング3と、搬送用リング3の下面3aに貼着される弾性及び伸縮性を有するテープ4と、テープ4の貼着面4aに仮貼着された半導体ウエハ5とから構成されている。仮貼着とは、半導体ウエハ5がテープ4に密接固定されてはいるが剥離することが可能な状態をいう。半導体ウエハ5を貼着する粘着剤としては、例えば、UV(紫外線)照射によって粘着力を高めることが可能な機能を有するものを使用する。なお、テープ4の厚みは粘着剤を含めて40μm~200μmである。半導体ウエハ5は、図1に示すような半導体ウエハ搬送ユニット2の形態にすることによって、破損、変形或いは反ったりすることなく搬送することが可能となる。
【0025】
搬送用リング3には、外周部が直線でカットされた4か所のノッチ部3bと、1か所の切り込みで形成されるノッチ部3cとを有している。これらノッチ部3b,3cは、平面方向の位置決め部となる。図中仮想線で示す3か所の円は、ワーク搬送用ハンド1(図2及び図3参照)が半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着する吸着領域Rを表している。吸着領域Rは、半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着したときにバランスが良い3点支持となるように配置される。図1(a)において吸着領域Rは、テープ4の外周線にかかる位置にあるが、テープ4だけの範囲、或いは搬送リング3だけの範囲に配置することも可能である。
【0026】
図1(a)に示す格子状の領域は電極形成領域であって、格子の一つひとつがダイシングされた後にICチップとなる。ICチップには複数の電極48(図9参照)が形成されていて、この電極48の一つひとつに導電性ボールB(図9参照)が搭載される。
【0027】
図2は、ワーク搬送用ハンド1を示す斜視図、図3は、ハンド本体8を示す平面図である。図2に示すように、ワーク搬送用ハンド1は、固定部6と、固定部6からU字形状に延在するフィンガー7とから構成されるハンド本体8を有し、ハンド本体8はロボットハンド29(図8参照)に固定される。フィンガー7には、先端部の2か所と根元部の1か所の3か所に真空吸着用部材9~11が配置されている。真空吸着用部材9~11は、フィンガー7に設けられた凹部7a内に配置されている。また、真空吸着用部材9~11のそれぞれは、図1で示した吸着領域Rに配置される。固定部6には、ワーク搬送用ハンド1をロボットハンド29に装着する際の補強板としての金属製の固定板12が固定されている。固定板12には、厚み方向に貫通する貫通孔12a,12bが設けられている。
【0028】
ハンド本体8は、セラミック製であって、それ自体が導電性の炭化ケイ素(SiC)などで形成される。或いは、導電性を有しないアルミナ(Al)や窒化ケイ素(Si)などにおいては表面全体に導電性被膜(図示せず)が形成される。ハンド本体8の厚みは、本例では3mmであり、半導体ウエハ搬送ユニット2を搬送する際に撓まない程度の剛性を有している。このハンド本体8の厚みは、後述する給材ストッカ20(図4参照)及び除材ストッカ26(図8参照)において多数のワーク2をストックした集合から取り出したり、入れたりするために薄い方がよい。このことから、ハンド本体8は、薄くても剛性が高いセラミック製とすることが好ましい。真空吸着用部材9~11の材質としては、例えば、体積固有抵抗が10Ω・cm~10Ω・cmで硬度が10以上で20以下のクロロプレンゴムの発泡体が適している。このような構成によれば、低抵抗の真空吸着用部材9,10,11、導電性のハンド本体8に金属製の固定板12を固定し、さらにロボットハンド29(図8参照)に接続(いわゆる接地)することによって、真空吸着用部材9,10,11及び導電性のハンド本体8が帯電することがなくなる。
【0029】
図3に示すように、ハンド本体8には、固定部6に真空吸引路14に連通し上面側が開口する吸引穴13aと、真空吸引路15に連通し上面側に開口する吸引穴13bとが設けられている。フィンガー7には、3か所に真空吸引孔7b,7c,7dが設けられている。吸引穴13aは固定板12の貫通孔12aに連通し、吸引穴13bは固定板12の貫通孔12bに連通する。真空吸引孔7b、7cは真空吸引路14を通り、吸引孔穴13a及び固定板12の貫通孔12aを通って図示しない真空吸引装置に連通する。真空吸引孔7dは真空吸引路15を通り、吸引穴13b及び固定板12の貫通孔12bを通って図示しない真空吸引装置に連通する。真空吸引孔7b,7c,7dには各々真空吸着用部材9,10,11に設けられている吸引孔16に連通される。従って、真空吸着用部材9~11は、真空吸引によって半導体ウエハ搬送ユニット2を真空吸着することができる構成となっている。続いて、ワーク搬送用ハンド1が、半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着する作用について図4図7を参照して説明する。
【0030】
図4は、ワーク搬送用ハンド1が給材ストッカ20から半導体ウエハ搬送ユニット2を取り出す状態を模式的に示す図である。給材ストッカ20には、内側に突設された段部21に半導体ウエハ搬送ユニット2が載置されている。半導体ウエハ搬送ユニット2は、給材ストッカ20に複数個が上下に隙間を有してストックされる。図4では、半導体ウエハ搬送ユニット2は3個であるが、実際には多数の半導体ウエハ搬送ユニット2がストックされる。ワーク搬送用ハンド1は、上段の半導体ウエハ搬送ユニット2の下方側に挿し込まれ、フィンガー7が半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着することが可能な状態となる。このような給材ストッカ20においては、できるだけ多数の半導体搬送ユニット2を積載できることが好ましく、必然的に半導体ウエハ搬送ユニット2の上下間の隙間が小さくなる。ワーク搬送ハンド1は、ハンド本体8をセラミック製としていることから薄くすることが可能となり、給材ストッカ20の狭い隙間に挿入することが可能となる。言い換えれば、給材ストッカ20により多くの半導体ウエハ搬送用ユニット2をストックすることが可能となる。
【0031】
図5は、ワーク搬送用ハンド1が給材ユニット20において半導体搬送ユニット2を吸着保持する状態を示す斜視図である。図6は、図5のA-A切断線で切断した断面図である。フィンガー7及び真空吸着用部材9~11の構成は同じであるから図6では真空吸着用部材9及びその周辺部を例示して説明する。図5及び図6を参照しながら説明する。真空吸着用部材9は、フィンガー7に設けられた凹部7a内に配置されて凹部7a内の底部に貼着されている。真空吸着用部材9には中央に吸引孔16が設けられ、吸引孔16は真空吸引孔7bを介して真空吸引路14に連通している。真空吸着用部材9の上面9aは、フィンガー7の上面7eから突出しており、その突出量Hは0.3mm~1.0mmとすることが好ましい。この突出量Hは、吸着保持の際にテープ4の厚み200μmがつくる段差を吸収することが可能な寸法である。このことについては、図7を参照して説明する。図6に示す状態は、給材ユニット20にワーク搬送用ハンド1を挿し込んで半導体搬送ユニット2を吸着する直前であるから、ワーク搬送用ハンド1は半導体搬送ユニット2から厚み方向に離れている。この状態からワーク搬送用ハンド1を上昇させて半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着する。
【0032】
図7は、フィンガー7(ワーク搬送用ハンド1)が半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着保持した状態を示す断面図である。真空吸着用部材9が半導体ウエハ搬送ユニット2を吸引すると、真空吸着用部材9は圧縮されてフィンガー7の上面7eに半導体ウエハ搬送ユニット2が密着する。この際、吸引孔16がテープ4の外周線にかかる位置にあることから(図5参照)、外周線の外側となる真空吸着用部材9の上面9aは搬送用リング3(下面3a)に当たり、外周線の内側となる真空吸着用部材9の上面9aはテープ4(下面4b)に当たる。真空吸着用部材9は、硬度が10以上で20以下の柔軟性と弾性を有する発泡体、いわゆる軟弾性体であり、フィンガー7の上面7eからの突出量Hを0.3mm~1.0mmとしているので、テープ4の下面4bと搬送用リング3の下面3a両方において段になる部分も含めて十分な気密性を備え、半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着保持する。半導体ウエハ5のサイズによっては、吸引孔16がテープ4だけの範囲、または搬送用リング3だけの範囲に配置されていることがあるが、どちらも十分な吸着力を発生する。但し、真空吸着用部材9,10,11の配置位置は、搬送用リング3の幅の範囲内である。
【0033】
以上説明したワーク搬送用ハンド1は、ロボットハンド29に固定する固定部6と固定部6からU字形状に延在するフィンガー7とから構成されるハンド本体8を有している。フィンガー7は、少なくとも3か所に設けられた半導体ウエハ搬送ユニット2(ワークのこと)側が開口する凹部7aと、凹部7a内に配置された半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着するための静電気除去効果及び弾性を有する柱状の真空吸着用部材9,10,11とを有し、真空吸着用部材9,10,11には吸引孔16が設けられている。真空吸着用部材9,10に配置される真空吸引孔16はフィンガー7に形成されている真空吸引路14に連通され、真空吸着用部材11に配置される真空吸引孔16はフィンガー7に形成されている真空吸引路15連通している。
【0034】
ワーク搬送用ハンド1は、フィンガー7に設けられた真空吸着用部材9,10,11によって、半導体ウエハ5が貼着されたワークである半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着保持して搬送するものである。フィンガー7は、半導体ウエハ搬送ユニット2を吸着する際に真空吸着用部材9,10,11によって3点支持しつつ吸着保持するので半導体ウエハ搬送ユニット2が傾くことなく安定した姿勢(水平姿勢)で搬送することが可能となる。また、真空吸着用部材9,10,11は、静電気除去効果を有する材料(すなわち、導電性を有する材料)で形成されていることから、搬送時に半導体ウエハ2が静電気によって帯電することがなく、半導体ウエハ5が帯電することによって埃が付着することや、後述する実装素子である導電性ボールBを搭載する際に、静電気によって導電性ボールBが偏ったり、飛び散ったりして所定位置に搭載することができないなどの不具合を排除することが可能となる。また、ワーク搬送用ハンド1自体も帯電しない。従って、以上説明したワーク搬送用ハンド1によれば、半導体ウエハ搬送ユニット2を平坦に吸着しつつ高速搬送が可能であり、半導体ウエハ5及び半導体ウエハ搬送ハンド1が帯電することによって不具合が生じることを防ぐことが可能となる。
【0035】
また、真空吸着用部材9,10,11は、体積固有抵抗が10Ω・cm~10Ω・cmであるクロロプレンゴムの発泡体などのゴム系材料で形成されている。このような真空吸着用部材9,10,11によれば、半導体ウエハ搬送ユニット2が真空吸着用部材9,10,11に接触し擦れても半導体ウエハ5が帯電することを防止できる。
【0036】
また、真空吸着用部材9,10,11は、アスカーゴム硬度計C型による硬度を10以上で20以下にすることによって、半導体ウエハ搬送ユニット2を真空吸着する際に吸引力で真空吸着用部材9,10,11が容易に圧縮し、半導体ウエハ搬送ユニット2をワーク搬送用ハンド1に密着させて搬送することが可能となる。
【0037】
真空吸着用部材9,10,11の上面は、吸着前の初期状態においてフィンガー7のワーク2が載置される上面7eから突出しており、半導体ウエハ搬送ユニット2を真空吸着する際には、真空吸着用部材9,10,11が圧縮されて半導体ウエハ搬送ユニット2の載置側の面(テープ4の下面4b)とフィンガー7側の上面eとが密着し、半導体ウエハ搬送用ユニット2を傾きがない(水平)状態で搬送することが可能となる。なお、真空吸着用部材9,10,11をゴム系材料で形成すれば摩擦係数が大きいことから、搬送時に半導体ウエハ搬送ユニット2が位置ずれしにくく高速搬送が可能となる。
【0038】
また、ワーク搬送用ハンド1においては、ハンド本体8を表面に導電性を有するセラミックで形成している。導電性を有するセラミックとしては、それ自体が導電性の炭化ケイ素(SiC)などを使用し、或いは非導電性のアルミナ(Al)や窒化ケイ素(Si)などにおいては凹部を含めて表面全体に導電性被膜を形成して使用する。このようにすれば、ワーク搬送用ハンド1及び半導体ウエハ5が静電気によって帯電することによる不具合を排除することが可能となる。また、セラミックは軽量の割に剛性が高く軽量化が可能であり、高速搬送が可能となる。
【0039】
また、前述したワークは、伸縮性を有するテープ4が貼着された搬送用リング3の径方向内側に配置されてテープ4の貼着面4a側に半導体ウエハ5が貼着された半導体ウエハ搬送ユニット2であって、真空吸着用部材9,10,11は、搬送用リング3若しくはテープ4又は搬送用リング3及びテープ4の両方を吸着する位置に配置されている。
【0040】
このような構成にすれば、ユニット化されたワークである半導体ウエハ搬送ユニット2においても、導体ウエハ搬送ユニット2を平坦に吸着しつつ高速搬送が可能であり、半導体ウエハ5が帯電することを防ぐことが可能となる。次に、前述したワーク搬送用ハンド1を備えたボール搭載装置25の構成について図8を参照して説明する。
【0041】
[ボール搭載装置25の構成]
図8は、ボール搭載装置25の概略構成を示す平面図である。なお、図8において、図示左右方向をX軸、X軸に直交する方向をY軸、X-Y平面に対して垂直方向をZ軸又は上下方向として説明する。なお、ボール搭載装置25の説明においては、導体ウエハ搬送ユニット2をワークの1例として説明する。ボール搭載装置25は、ボール搭載装置252をストックする給材ストッカ20及び除材ストッカ26と、給材ストッカ20からウエハ矯正装置27に導体ウエハ搬送ユニット2を搬送する搬送用ロボット28とを有している。搬送用ロボット28はロボットハンド29を有し、ロボットハンド29の先端にはワーク搬送用ハンド1が装着されている。ワーク搬送用ハンド1は、図2で説明したように導体ウエハ搬送ユニット2を吸着保持するためのU字形状のフィンガー7を有している。
【0042】
ボール搭載装置25は、半導体ウエハ5にフラックスF(図9参照)を印刷するフラックス印刷装置30と、フラックスFが印刷された半導体ウエハ5に導電性ボールB(図9参照)を振り込むボール振込装置31と、フラックス印刷用マスク32に付着した余分なフラックスFを除去するクリーニング装置33とを有している。フラックスFは、フラックス印刷用マスク32を使用して半導体ウエハ5に印刷され、振り込まれた導電性ボールBがリフロー炉などで固着されるまでの間に位置ずれや落下しない程度の粘性を有している。
【0043】
搬送用ロボット28は、ウエハ搬送用ユニット2を給材ストッカ20からウエハ矯正装置27に搬送し、導電性ボールBが振り込まれた半導体ウエハ搬送用ユニット2をウエハ矯正装置27に搬送し、さらに、ウエハ矯正装置27から検査装置34、検査装置34から除材ストッカ26に搬送する。搬送用ロボット28は、除材ストッカ26に導電性ボールBが搭載された導体ウエハ搬送ユニット2を搬送した後に待機位置に戻る。除材ストッカ26は、給材ストッカ20と同じ構造のものを使用することが可能である。なお、搬送用ロボット28は、半導体ウエハ搬送ユニット2の位置及び姿勢を高精度に管理しながら次工程の各装置に搬送することが可能な機能を有している。
【0044】
フラックス印刷装置30では、フラックス印刷用マスク32及び印刷用スキージ35を使用して半導体ウエハ5に所定のパターンでフラックスFを印刷する。なお、ステージY軸アクチュエータ36上には、ステージ上下駆動アクチュエータ(図示は省略)が配設されており、半導体ウエハ5を上下方向に昇降し、半導体ウエハ5とフラックス印刷用マスク32との間を所定の隙間寸法に調整する。印刷用スキージ35は、Y軸駆動装置37,37によってY軸方向に移動しつつフラックスFを半導体ウエハ5に所定のパターンで印刷する。フラックスFが印刷された半導体ウエハ5は、ステージX軸アクチュエータ38によってボール振込装置31に搬送される。
【0045】
ボール振込装置31は、X軸駆動装置39、Y軸駆動装置40,40及びZ軸駆動装置41を有しており、ボール振込部42,42をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させる。ステージ上下駆動アクチュエータ(図示は省略)は、半導体ウエハ5をZ軸方向に昇降させ、半導体ウエハ5とボール振込用マスク43との高さ位置を調整する。ボール振込装置31は、ボール振込用マスク43とボール振込部42,42の下方側に取付けられているブラシスキージ46(図9参照)を有する。ボール振込装置31は、X軸駆動装置39及びY軸駆動装置40,40によって、ボール振込部42,42をX軸方向及びY軸方向に移動しつつ、ブラシスキージ46を回転させてボール振込用孔47(図9参照)から導電性ボールBを半導体ウエハ5に振り込む。
【0046】
ボール振込装置31は、3台の位置検出カメラ44,44,45を有している。位置検
出カメラ44,44は、搬送されてきた半導体ウエハ5のアライメントマーク(図示は省略)を画像認識して半導体ウエハ5の平面位置とX軸及びY軸に対する角度を検出する。位置検出カメラ45は、ボール振込用マスク43のボール振込用孔47と電極48(図9参照)との位置ずれやボール振込用マスク43のアライメントマーク(図示は省略)を検出する。この検出結果に基づきステージY軸アクチュエータ36及びステージX軸アクチュエータ38によってボール振込用孔47と半導体ウエハ5の電極48との位置合わせを行う。
【0047】
なお、図8に示すボール振込部42,42は、X軸方向に2個配置した例を記載しているが、ボール振込部42,42をY軸方向に配置、或いは、2個に限らず3個以上配置してもよく、大型化して1個配置するようにしてもよい。ボール振込部42,42には、ボール供給装置(図示は省略)から導電性ボールBが所定量(所定数)供給される。
【0048】
なお、検査装置34は、半導体ウエハ5に導電性ボールBが規格内に搭載されているか否かを検査する装置であって、導電性ボールBが不足又は過剰であった場合には、そのことをマーキングする。搬送用ロボット28は、良判定のだけ半導体ウエハ搬送用ユニット2(半導体ウエハ5)を除材ストッカ26に搬送し、不良判定の半導体ウエハ搬送用ユニット2(半導体ウエハ5)は他の専用の除材ユニットに搬送するようにしてもよい。不良判定のワーク2を装置外のリペア装置に搬送して修正するようにすることも可能である。また、検査装置34は、不良判定された半導体ウエハ5にマーキングする他に、半導体ウエハ搬送用ユニット2(半導体ウエハ5)ごとに不良個所を記憶しておき、その記憶データに基づきリペア装置で修正を行うようにしてもよい。次にボール振込動作について図9を参照して説明する。
【0049】
図9は、導電性ボールBを半導体ウエハ5に振り込む動作を示す図である。ボール振込は、ボール振込用マスク43及びブラシスキージ46を使用して行う。ブラシスキージ46は、結束線状部材で構成されている。ボール振込用マスク43は、半導体ウエハ5に密接される。ブラシスキージ46は、回転しつつX軸方向及びY軸方向に移動し、ブラシスキージ46の回転軌跡内に供給される導電性ボールBをボール振込用マスク43のボール振込用孔47に振り込む。
【0050】
ボール振込用マスク43上に供給された導電性ボールBは、ブラシスキージ46によってボール振込用孔47に1個ずつ振り込まれる。半導体ウエハ5に形成された電極48上にはフラックスFが塗布(印刷)されている。導電性ボールBは、ブラシスキージ46によってフラックスFに軽く押しつけられることによって、フラックスFの粘着性によって仮固定される。導電性ボールBは、その後の搬送において仮固定された状態が維持される。
【0051】
以上説明したボール搭載装置25は、半導体ウエハに導電性ボールBを搭載する装置である。ボール搭載装置25は、ワーク搬送用ハンド1が装着されたロボットハンド29を有する搬送用ロボット28と、フラックス印刷用マスク32を使用して半導体ウエハ5にフラックスFを印刷するフラックス印刷装置30と、フラックスFが印刷された半導体ウエハ5に、ボール振込用マスク43のボール振込用孔47から導電性ボールBを振り込むボール振込装置25と、を有している。
【0052】
搬送用ロボット28は、給材ストッカ20から半導体ウエハ搬送用ユニット2を次工程のウエハ矯正装置27に給材し、半導体ウエハ5に導電性ボールBが搭載された半導体ウエハ搬送用ユニット2を除材ストッカ26に搬送する機能を有している。ロボットハンド29に前述したワーク搬送用ハンド1を装着することによって、半導体ウエハ5を平坦に吸着保持することで高速搬送が可能となる。さらに、ワーク搬送用ハンド1を使用することで半導体ウエハ5が静電気によって帯電することを防ぐことができる。半導体ウエハ5が帯電すると、埃が付着したり、ボール搭載時に導電性ボールBが静電気で吸引されたり、飛ばされたりすることがあり、導電性ボールBの過不足が発生する虞がある。しかし、半導体ウエハ5を帯電させないことによってこのような不具合の発生を防ぐことが可能となる。
【0053】
なお、以上説明したワーク搬送用ハンド1は、搬送用リング3に半導体ウエハ5が貼着された半導体ウエハ搬送用ユニット2を搬送するものとして説明したが、搬送リングを使用しない、大径(例えば、直径が450mm)の半導体ウエハ、樹脂基板の搬送にも適合可能である。また、半導体ウエハ、樹脂基板又は半導体ウエハ搬送用ユニット2に回路素子などが実装されている場合にも適合させることが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…ワーク搬送用ハンド、2…半導体ウエハ搬送ユニット(ワーク)、3…搬送用リング、4…テープ、4a…貼着面、5…半導体ウエハ、6…固定部、7…フィンガー、7a…凹部、7e…上面、8…ハンド本体、9,10,11…真空吸着用部材、9a…上面、14、15…真空吸引路、16…吸引孔、20…給材ストッカ、25…ボール搭載装置、26…除材ストッカ、27…ウエハ矯正装置、28…搬送用ロボット、29…ロボットハンド、30…フラックス印刷装置、31…ボール振込装置、32…フラックス印刷用マスク、33…クリーニング装置、34…検査装置、43…ボール振込用マスク、47…ボール振込用孔、B…導電性ボール、F…フラックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9