(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】クリップボード
(51)【国際特許分類】
B42F 9/00 20060101AFI20230208BHJP
A47B 23/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B42F9/00 D
A47B23/00 A
(21)【出願番号】P 2019084481
(22)【出願日】2019-04-25
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 莞二
(72)【発明者】
【氏名】有本 佳照
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋行
(72)【発明者】
【氏名】岩本 真一
(72)【発明者】
【氏名】長和 伸晃
(72)【発明者】
【氏名】岩上 優樹
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3193103(JP,U)
【文献】特開平08-056080(JP,A)
【文献】実開昭63-179159(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 9/00
A47B 23/00
G06F 1/16
A47G 1/06
A47G 1/14
A47G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形のベース板と、
該ベース板の第一縁部に取り付けられており、前記ベース板の一面との間で物体を狭持するクリップと、
前記ベース板の他面において、前記第一縁部に交差する
二つの第二縁部
のいずれか一方に形成されており、前記
一方の第二縁部に沿って延びる溝と、
該溝に収納可能なスタンドと
を備えるクリップボード。
【請求項2】
矩形のベース板と、
該ベース板の第一縁部に取り付けられており、前記ベース板の一面との間で物体を狭持するクリップと、
前記ベース板の他面において、前記第一縁部に交差する第二縁部に形成されており、前記第二縁部に沿って延びる溝と、
該溝に収納可能なスタンドとを備え、
前記スタンドは柱状をなし、
前記スタンドの中途部に第一ヒンジ部が設けられ、前記スタンドの端部に第二ヒンジ部が設けられ、
前記第二ヒンジ部が前記溝の端部に回動可能に取り付けられており、
前記第一ヒンジ部は、前記スタンドの外面に形成され、前記スタンドの長手方向に交差する方向に沿って延びる第一ヒンジ溝を有し、
前記第二ヒンジ部は、前記スタンドの外面に形成され、前記スタンドの長手方向に交差する方向に沿って延びる第二ヒンジ溝を有し、
前記第一ヒンジ溝及び第二ヒンジ溝それぞれの底面は、前記スタンドの外面又は前記ベース板の一面若しくは他面に対して傾斜する
るクリップボード。
【請求項3】
前記ベース板の一面における前記第二縁部に形成され、前記第二縁部に沿って前記一面から突出した位置決め部を備え、
前記ベース板の他面において、前記位置決め部に対応する位置に前記溝が形成されている
請求項1
又は2に記載のクリップボード。
【請求項4】
前記スタンドは柱状をなし、
前記スタンドの中途部に第一ヒンジ部が設けられ、前記スタンドの端部に第二ヒンジ部が設けられ、
前記第二ヒンジ部が前記溝の端部に回動可能に取り付けられており、
前記第一ヒンジ部は、前記スタンドの外面に形成され、前記スタンドの長手方向に交差する方向に沿って延びる第一ヒンジ溝を有し、
前記第二ヒンジ部は、前記スタンドの外面に形成され、前記スタンドの長手方向に交差する方向に沿って延びる第二ヒンジ溝を有し、
前記第一ヒンジ溝及び第二ヒンジ溝それぞれの底面は、前記スタンドの外面又は前記ベース板の一面若しくは他面に対して傾斜する
請求項
1に記載のクリップボード。
【請求項5】
前記第一ヒンジ溝の底面と前記スタンドの外面又は前記ベース板の一面若しくは他面とがなす傾斜角は、第二ヒンジ溝の底面と前記スタンドの外面又は前記ベース板の一面若しくは他面とがなす傾斜角よりも小さい
請求項
2又は4に記載のクリップボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術はクリップボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボードの裏面中央部に凹部を形成し、該凹部に支持片(スタンド)を収納させるクリップボードが提案されている。必要に応じて、凹部から支持片が引き出され、クリップボードを立てることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、裏面中央部に凹部を形成しているので、ボードの厚みが全体的に大きくなりやすく、クリップボード全体が大型化するおそれがある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、収納可能なスタンドを備え、大型化を抑制することができるクリップボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るクリップボードは、矩形のベース板と、該ベース板の第一縁部に取り付けられており、前記ベース板の一面との間で物体を狭持するクリップと、前記ベース板の他面において、前記第一縁部に交差する第二縁部に形成されており、前記第二縁部に沿って延びる溝と、該溝に収納可能なスタンドとを備える。
【0007】
本開示においては、ベース板の第二縁部に沿って延びる溝にスタンドを収納させることによって、スタンドを収納するスペースを最小化させる。
【0008】
本開示に係るクリップボードは、前記ベース板の一面における前記第二縁部に形成され、前記第二縁部に沿って前記一面から突出した位置決め部を備え、前記ベース板の他面において、前記位置決め部に対応する位置に前記溝が形成されている。
【0009】
本開示においては、例えば、ベース板の第二縁部を屈曲させるように形成し、位置決め部はベース板の一面から突出する。このとき、位置決め部の反対側には溝が自然に形成される。形成された溝にスタンドを収納する。即ち、位置決め部の形成時に同時に溝が形成され、溝を新たに設ける必要はない。
【0010】
本開示に係るクリップボードは、前記スタンドは柱状をなし、前記スタンドの中途部に第一ヒンジ部が設けられ、前記スタンドの端部に第二ヒンジ部が設けられ、前記第二ヒンジ部が前記溝の端部に回動可能に取り付けられており、前記第一ヒンジ部は、前記スタンドの外面に形成され、前記スタンドの長手方向に交差する方向に沿って延びる第一ヒンジ溝を有し、前記第二ヒンジ部は、前記スタンドの外面に形成され、前記スタンドの長手方向に交差する方向に沿って延びる第二ヒンジ溝を有し、前記第一ヒンジ溝及び第二ヒンジ溝それぞれの底面は、前記スタンドの外面又は前記ベース板の一面若しくは他面に対して傾斜する。
【0011】
本開示においては、第二ヒンジ溝が傾斜することによって、スタンドをベース板の裏面から離れさせる場合、スタンドはベース板の中央側に向かうように離れる。第一ヒンジ溝が傾斜することによって、第一ヒンジ部を支点にして、スタンドの先端部をベース板の裏面に向けて回動させた場合、スタンドの先端部は、ベース板の第二縁部に向かうようにベース板の裏面に接近し、溝に嵌合する。そのため、立った状態のクリップボードの横幅が、平置きにした状態よりも大きくなることを防止できる。立った状態のクリップボードをベース板の表面から視認した場合、スタンドは視認されず、意匠性を向上させることができる。
【0012】
本開示に係るクリップボードは、前記第一ヒンジ溝の底面と前記スタンドの外面又は前記ベース板の一面若しくは他面とがなす傾斜角は、第二ヒンジ溝の底面と前記スタンドの外面又は前記ベース板の一面若しくは他面とがなす傾斜角よりも小さい。
【0013】
本開示においては、第一ヒンジ溝の底面の傾斜角を、第二ヒンジ溝の底面の傾斜角よりも小さくすることによって、スタンドを回動させてベース板を支持させる場合、スタンドの先端部は溝に向けて移動する。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係るクリップボードにあっては、ベース板の第二縁部に沿って延びる溝にスタンドを収納させることによって、スタンドを収納するスペースを最小化し、クリップボードの大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】上方から視認したクリップボードの略示斜視図である。
【
図3】
図2に示すIII-III線を切断線とした略示断面図である。
【
図4】
図2に示すIV-IV線を切断線とした略示断面図である。
【
図5】
図2に示すV-V線を切断線とした略示断面図である。
【
図6】下方から視認したスタンドの略示斜視図である。
【
図8】第一ヒンジ部の略示部分拡大右側面図である。
【
図9】第二ヒンジ部の略示部分拡大右側面図である。
【
図10】
図8に示すX-X線を切断線とした略示断面図である。
【
図11】
図8に示すXI-XI線を切断線とした略示断面図である。
【
図12】
図9に示すXII-XII線を切断線とした略示断面図である。
【
図13】
図9に示すXIII-XIII線を切断線とした略示断面図である。
【
図14】スタンドを収納溝に収納したクリップボードの略示背面図である。
【
図15】立った状態のクリップボードを略示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明を実施の形態に係るクリップボード1を示す図面に基づいて説明する。以下の説明では、図に示す上下前後左右を使用する。
図1は、上方から視認したクリップボード1の略示斜視図である。
【0017】
図1に示すように、クリップボード1は矩形のベース板2を備える。ここで、ベース板2の長辺に沿う方向は前後方向に対応し、短辺に沿う方向は左右方向に対応する。ベース板2の上面2aにおいて、後縁部にクリップ3が取り付けられている。クリップ3は、ばねなどの付勢部材(図示略)を備え、該付勢部材の付勢力によって、上面2aとの間に、紙などの物体を狭持し、保持することができる。後縁部は第一縁部に対応する。
【0018】
ベース板2の左縁部において、位置決め部2bが上側に突出している。位置決め部2bは前後方向に延び、ベース板2の左縁部全体に亘って形成されている。位置決め部2bは、後述するスタンド5(
図7参照)に倣った形状を有する。左縁部は第二縁部に対応する。
【0019】
図2は、クリップボード1の略示背面図、
図3は、
図2に示すIII-III線を切断線とした略示断面図、
図4は、
図2に示すIV-IV線を切断線とした略示断面図、
図5は、
図2に示すV-V線を切断線とした略示断面図である。なお
図2~
図5において、スタンド5の記載を省略している。
【0020】
図3~
図5に示すように、位置決め部2bの正面断面形状は、下側が開口したコの字状をなす。そのため、位置決め部2bの反対側、即ちベース板の下面2cにおける左縁部には、前後に延びた溝が形成され、該溝はスタンド5を収納する収納溝4を構成する。収納溝4はスタンド5に倣った形状を有する。
【0021】
図2及び
図3に示すように、収納溝4の後端部に二つの係止突起4aが設けられている。前記二つの係止突起4aは収納溝4の左右側面からそれぞれ突出している。係止突起4aは左右側面の下部に位置する。
【0022】
図2及び
図4に示すように、収納溝4の前後方向中途部に二つの係止突起4aが設けられている。前記二つの係止突起4aは収納溝4の左右側面からそれぞれ突出している。係止突起4aは左右側面の下部に位置する。また収納溝4の前後方向中途部の前寄りに、三つの貫通孔4bが形成されている。三つの貫通孔4bは前後方向に並んでおり、収納溝4の左上隅部に形成されている。
【0023】
図2及び
図5に示すように、収納溝4の前端部に、収納溝4の開口を部分的に塞ぐように押さえ板4cが形成されている。収納溝4の前端部の底面に上方に突出した凸部4dが形成されている。凸部4dは押さえ板4cよりも前側に配置されている。収納溝4の前端には壁が形成されており、塞がれている。
【0024】
図6は、下方から視認したスタンド5の略示斜視図、
図7は、スタンド5の略示底面図である。スタンド5は四角柱状をなし、前後方向に延びる。スタンド5の後端部は若干右側に屈曲している。スタンド5の後端部右側面には、右方向に突出した支持部5aが形成されている。支持部5aは底面視三角形状をなし、支持部5aの後辺部とスタンド5の右側面とがなす角は略直角である。スタンド5の後端左右側面には、係止凸部9がそれぞれ形成されている。左側の係止凸部9は左方に突出し、右側の係止凸部9は右方に突出する。二つの係止凸部9の間の左右寸法は、収納溝4の左右寸法よりも若干長い。
【0025】
スタンド5の後端部には二つの第一凹部6が形成されている。第一凹部6は支持部5aよりも前側に位置する。二つの第一凹部6はスタンド5の左下隅部及び右下隅部に、それぞれ形成されている。
【0026】
スタンド5の中央部には二つの第二凹部7が形成されている。二つの第二凹部7はスタンド5の左下隅部及び右下隅部に、それぞれ形成されている。第二凹部7の前隣に第一ヒンジ部10が形成されている。第一ヒンジ部10の詳細は後述する。
【0027】
スタンド5の下端部に第二ヒンジ部20が形成されている。第二ヒンジ部20の詳細は後述する。スタンド5の下端部に下側が開口した嵌合凹部8が形成されている(後述の
図9参照)。嵌合凹部8は第二ヒンジ部20よりも前側に位置する。嵌合凹部8には、前記押さえ板4c(
図2、
図5参照)が嵌合する。嵌合凹部8には上下に貫通した挿入孔8aが形成されている。挿入孔8aには前記凸部4d(
図2、
図5参照)が挿入される。
【0028】
図8は、第一ヒンジ部10の略示部分拡大右側面図、
図9は、第二ヒンジ部20の略示部分拡大右側面図、
図10は、
図8に示すX-X線を切断線とした略示断面図、
図11は、
図8に示すXI-XI線を切断線とした略示断面図、
図12は、
図9に示すXII-XII線を切断線とした略示断面図、
図13は、
図9に示すXIII-XIII線を切断線とした略示断面図である。
【0029】
図8に示すように、第一ヒンジ部10は、スタンド5の上面に形成された複数の上溝11と、スタンド5の下面に形成された複数の下溝12とを備える。上溝11及び下溝12は第一ヒンジ溝に対応する。上溝11及び下溝12は左右方向に延びる。複数の上溝11は前後方向に並び、下溝12も前後方向に並ぶ。上溝11及び下溝12は、前後方向において、交互に配置されている。
【0030】
図10に示すように、上溝11の底面11aは左側が右側よりも下に位置するように傾斜している。
図11に示すように、下溝12の底面12aは左側が右側よりも下に位置するように傾斜している。スタンド5の上面又は下面に平行な基準面30と、上溝11の底面11aとがなす角をθ1とした場合、基準面30と、下溝12の底面12aとがなす角もθ1である。スタンド5の上面又は下面は、スタンド5の外面に対応する。なお基準面30は、スタンド5を収納溝4に収納させた状態において、ベース板2の上面2a又は下面2cに平行な面でもある。
【0031】
図9に示すように、第二ヒンジ部20は、スタンド5の上面に形成された複数の上溝21と、スタンド5の下面に形成された複数の下溝22とを備える。上溝21及び下溝22は第二ヒンジ溝に対応する。上溝21及び下溝22は左右方向に延びる。複数の上溝21は前後方向に並び、下溝22も前後方向に並ぶ。上溝21及び下溝22は、前後方向において、交互に配置されている。
【0032】
図12に示すように、上溝21の底面21aは左側が右側よりも下に位置するように傾斜している。
図13に示すように、下溝22の底面22aは左側が右側よりも下に位置するように傾斜している。基準面30と、上溝21の底面21aとがなす角をθ2とした場合、基準面30と、下溝22の底面22aとがなす角もθ2である。
【0033】
角度θ1は角度θ2よりも小さい。即ち、第一ヒンジ部10の底面11a、12aとスタンド5の外面とがなす傾斜角θ1は、第二ヒンジ部20の底面21a、22aとスタンド5の外面とがなす傾斜角θ2よりも小さい。
【0034】
図14は、スタンド5を収納溝4に収納したクリップボード1の略示背面図である。スタンド5の前端部は、押さえ板4cと収納溝4の底面との間に挿入されており、嵌合凹部8に押さえ板4cが嵌合し、挿入孔8aに凸部4dが挿入されて、スタンド5は収納溝4に取り付けられ、収納されている。収納溝4の係止突起4aはスタンド5を係止し、スタンド5が収納溝4から外れることを防止する。スタンド5は弾性を有し、スタンド5に下面2cから離れる方向に力を作用させることによって、スタンド5を収納溝4から外すことができる。スタンド5を収納溝4に収納させる場合、スタンド5を収納溝4に押し込む。
【0035】
図15は、立った状態のクリップボード1を略示する斜視図である。クリップボード1を立たせる場合、スタンド5を収納溝4から外し、第二ヒンジ部20を支点にして、スタンド5を下面2cから離れる方向に回転させる。このとき、第二ヒンジ部20の上溝21及び下溝22の底面21a、22aは傾斜しているので、スタンド5は下面5cから離れつつ、下面5cの中央側に、即ち右側に移動する。スタンド5は、ベース板2の上面2a側から見て、裏側に配置される。
【0036】
更に、第一ヒンジ部10を支点にして、スタンド5の後部を下面2cに接近させる方向に回転させる。このとき、第一ヒンジ部10の上溝11及び下溝12の底面11a、12aは傾斜しているので、スタンド5は下面5cに接近しつつ、収納溝4側に、即ち左側に移動する。スタンド5の後端を収納溝4に嵌合させる。
【0037】
上述したように、スタンド5の後端の左右に形成された二つの係止凸部9の間の左右寸法は、収納溝4の左右寸法よりも若干長い。そのため、スタンド5の後端を収納溝4に押し込むことによって、スタンド5の後端は収納溝4に嵌合し、固定される。
【0038】
前述したように、収納溝4には三つの貫通孔4bが形成されている。三つの貫通孔4bに対応した位置において、スタンド5の後端を収納溝4に嵌合させることによって、所望の角度にてクリップボード1を立たせることができる。例えば、最も後側に位置する貫通孔4bにおいて、スタンド5の後端を収納溝4に嵌合させた場合、クリップボード1と設置面とのなす角度は約20度であり、中央に位置する貫通孔4bにおいて、スタンド5の後端を収納溝4に嵌合させた場合、クリップボード1と設置面とのなす角度は約15度であり、最も前側に位置する貫通孔4bにおいて、スタンド5の後端を収納溝4に嵌合させた場合、クリップボード1と設置面とのなす角度は約10度である。
【0039】
図15は、ベース板2の前縁部を下側にして、即ち縦向きにしてクリップボード1を立たせているが、ベース板2の左縁部を下側にして、即ち横向きにしてクリップボード1を立たせてもよい。
【0040】
実施の形態に係るクリップボード1においては、ベース板2の左縁部に沿って延びる収納溝4にスタンド5を収納させることによって、スタンド5を収納するスペースを最小化し、クリップボード1の大型化を抑制することができる。
【0041】
また位置決め部2bの裏側に形成された溝を収納溝4として利用することによって、収納溝4を別途形成する必要はなくなる。
【0042】
また第二ヒンジ部20の上溝21及び下溝22が傾斜することによって、スタンド5をベース板2の下面(裏面)から離れさせる場合、スタンド5はベース板2の中央側に向かうように離れる。第一ヒンジ部10の上溝11及び下溝12が傾斜することによって、第一ヒンジ部10を支点にして、スタンド5の先端部をベース板2の下面(裏面)に向けて回動させた場合、スタンド5の後端部は、ベース板2の左縁部に向かうようにベース板2の下面(裏面)に接近し、収納溝4に嵌合する。そのため、立った状態のクリップボード1の横幅が、平置きにした状態よりも大きくなることを防止できる。立った状態のクリップボード1をベース板2の上面(表面)から視認した場合、スタンド5は視認されず、意匠性を向上させることができる。
【0043】
また第一ヒンジ部10の上溝11及び下溝12の底面11a、12aの傾斜角を、第二ヒンジ部20の上溝21及び下溝22の底面21a、22aの傾斜角よりも小さくすることによって、スタンド5を回動させてベース板を2支持させる場合、スタンド5の後端部は収納溝4に向けて移動し、収納溝4に嵌合させやすくなる。
【0044】
上述した実施の形態においては、ベース板2の左縁部に収納溝4を形成しているが、右縁部に形成してもよく、左右縁部両方に形成してもよい。またクリップ3に対向する縁部、即ち前縁部に収納溝4を形成してもよい。またスタンド5は四角柱状に限らず、五角柱状、六角柱状など、他の多角柱状であってもよく、円柱状又は半円柱状であってもよい。
【0045】
実施の形態においては、上溝11、21及び下溝12、22はそれぞれ、複数形成されているが、単数でもよい。また第一ヒンジ部10は上溝11又は下溝12のいずれか一方のみを備えてもよいし、第二ヒンジ部20は上溝21又は下溝22のいずれか一方のみを備えてもよい。
【0046】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1 クリップボード
2 ベース板
2a 上面(一面)
2b 位置決め部
2c 下面(他面)
3 クリップ
4 収納溝(溝)
5 スタンド
10 第一ヒンジ部
11 上溝(第一ヒンジ溝)
12 下溝(第一ヒンジ溝)
20 第二ヒンジ部
21 上溝(第二ヒンジ溝)
22 下溝(第二ヒンジ溝)