(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】横送り搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 19/14 20060101AFI20230208BHJP
B65G 23/44 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B65G19/14 Z
B65G23/44
(21)【出願番号】P 2020196615
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】300008793
【氏名又は名称】精研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】長山 照一
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-043045(JP,A)
【文献】実開昭62-023213(JP,U)
【文献】実開平03-130215(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0305132(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 19/00-19/30
B65G 23/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後側の供給部2から、少なくとも、供給部2の前側に1個設けた排出部6への搬送方向に長く形成したケース1内に供給部2から供給された搬送物を搬送する搬送コンベア10を設け、該搬送コンベア10は、所定間隔をおいて搬送体15を取付けた無端チェン16を、ケース1内の始端側に設けた従動ローラー11と終端側に設けた駆動歯車13とに掛け回して構成し、従動ローラー11の従動軸12または駆動歯車13の駆動軸14はケース1に対して前後に移動自在に取付け、従動軸12または駆動軸14は単独の調節ダイヤル83により左右両側を同時に前後移動させて、無端チェン16の張り具合を調節するテンション機構73を設け、
テンション機構73は、従動軸12または駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端を、左右一対のスライド板80にそれぞれ軸装し、左右一対のスライド板80は、ケース1内を前後移動する左右方向の単一部材により構成した連結板81により連結し、連結板81には、ケース1内に、ケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83を取付けた横送り搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、前記連結板81はケース1内を前後移動する構成とし、連結板81はケース1の側板34に形成した挿通孔84内を移動する取付部85を介して左右一対のスライド板80と一体的に移動する構成とした横送り搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
左右一対のスライド板80の夫々の内側面には、内側に突出するように取付部85を設け、左右の取付部85には連結板81の左右側を取付けた構成とした横送り搬送装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか一項において、従動ローラー11と駆動歯車13のうち、駆動歯車13の駆動軸14をケース1に対して前後に移動自在に取付け、駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端には、左右一対のスライド板80を軸装し、左右一対のスライド板80は左右方向の連結板81により連結し、連結板81にはケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の後側所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83
を取付けた横送り搬送装置。
【請求項5】
請求項4において、左右のスライド板80は、ケース1内に設けた連結板81と一体的に前後動するように連結し、連結板81にはケース1の前板86に回転のみ自在に設けた螺子軸82の後側所定部分を螺合させ、前板86より前側に突出する螺子軸82には調節ダイヤル83
を取付けた横送り搬送装置。
【請求項6】
請求項5において、左右のスライド板80のうち、何れか一方には駆動モーター77と駆動モーター77の出力軸の駆動回転を駆動軸14に伝達するギヤボックス87とを設けた横送り搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横送り搬送装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、後側の供給部から前側の排出部への搬送方向に長く形成したケース内に供給部から供給された搬送物を搬送する搬送コンベアを設け、該搬送コンベアは、所定間隔をおいて搬送体を取付けた無端チェンを、ケース内の始端側に設けた従動ローラーと終端側に設けた駆動歯車とに掛け回した構成は、公知である(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、駆動歯車の駆動軸の左右両端のスライド板をそれぞれ螺子軸により個別に前後移動させて、無端チェンの張り具合を調節するので、駆動軸が偏るという課題があり、そのため、無端チェンのテンション調節を面倒なものにしているという課題がある。
本願は、無端チェンのテンション調節を正確かつ容易にできるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、後側の供給部2から、少なくとも、供給部2の前側に1個設けた排出部6への搬送方向に長く形成したケース1内に供給部2から供給された搬送物を搬送する搬送コンベア10を設け、該搬送コンベア10は、所定間隔をおいて搬送体15を取付けた無端チェン16を、ケース1内の始端側に設けた従動ローラー11と終端側に設けた駆動歯車13とに掛け回して構成し、従動ローラー11の従動軸12または駆動歯車13の駆動軸14はケース1に対して前後に移動自在に取付け、従動軸12または駆動軸14は単独の調節ダイヤル83により左右両側を同時に前後移動させて、無端チェン16の張り具合を調節するテンション機構73を設け、テンション機構73は、従動軸12または駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端を、左右一対のスライド板80にそれぞれ軸装し、左右一対のスライド板80は、ケース1内を前後移動する左右方向の単一部材により構成した連結板81により連結し、連結板81には、ケース1内に、ケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83を取付けた横送り搬送装置としたものである。
請求項2の発明は、前記連結板81はケース1内を前後移動する構成とし、連結板81はケース1の側板34に形成した挿通孔84内を移動する取付部85を介して左右一対のスライド板80と一体的に移動する構成とした横送り搬送装置としたものである。
請求項3の発明は、左右一対のスライド板80の夫々の内側面には、内側に突出するように取付部85を設け、左右の取付部85には連結板81の左右側を取付けた構成とした横送り搬送装置としたものである。
請求項4の発明は、従動ローラー11と駆動歯車13のうち、駆動歯車13の駆動軸14をケース1に対して前後に移動自在に取付け、駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端には、左右一対のスライド板80を軸装し、左右一対のスライド板80は左右方向の連結板81により連結し、連結板81にはケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の後側所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83を取付けた横送り搬送装置としたものである。
請求項5の発明は、左右のスライド板80は、ケース1内に設けた連結板81と一体的に前後動するように連結し、連結板81にはケース1の前板86に回転のみ自在に設けた螺子軸82の後側所定部分を螺合させ、前板86より前側に突出する螺子軸82には調節ダイヤル83を取付けた横送り搬送装置としたものである。
請求項6の発明は、左右のスライド板80のうち、何れか一方には駆動モーター77と駆動モーター77の出力軸の駆動回転を駆動軸14に伝達するギヤボックス87とを設けた横送り搬送装置としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、従動ローラー11の従動軸12または駆動歯車13の駆動軸14はケース1に対して前後に移動自在に取付け、従動軸12または駆動軸14は単独の調節ダイヤル83により左右両側を同時に前後移動させて、無端チェン16の張り具合を調節するテンション機構73を設けているので、単独の調節ダイヤル83を回転させると、従動軸12または駆動軸14の左右両端を同時に前後動させることができ、無端チェン16のテンション調節の精度を向上させられ、かつ、容易にでき、また、連結板81はケース1内を前後移動するので、左右一対のスライド板80の一体的移動構成を簡単に構成でき、安価に提供できる。
請求項2の発明では、前記連結板81はケース1内を前後移動する構成とし、連結板81はケース1の側板34に形成した挿通孔84内を移動する取付部85を介して左右一対のスライド板80と一体的に移動する構成としているので、単独の調節ダイヤル83によるテンション機構73の作動機構を簡単に構成でき、安価に提供できる。
請求項3の発明では、左右一対のスライド板80の夫々の内側面には、内側に突出するように取付部85を設け、左右の取付部85には連結板81の左右側を取付けているので、左右一対のスライド板80の連結移動構成をケース1内に設けることができる。
請求項4の発明では、従動ローラー11と駆動歯車13のうち、駆動歯車13の駆動軸14に左右一対のスライド板80を取付けているので、駆動軸14を前後移動させて無端チェン16のテンションを調節することができ、無端チェン16のテンション調節の精度を向上させられ、かつ、容易にでき、しかも、従動ローラー11よりも後側のケース1に供給部2を設けつつ、供給部2の供給口20に従動ローラー11の側方に搬送物を誘導する噛み込み防止体18を設けて、供給部2から排出部6に搬送コンベア10が搬送物を搬送する距離に対してケース1の長さを短くする構成の採用を一層容易にすることができる。
請求項5の発明では、左右のスライド板80は、ケース1内に設けた連結板81と一体的に前後動するように連結し、連結板81にはケース1の前板86に回転のみ自在に設けた螺子軸82の後側所定部分を螺合させ、前板86より前側に突出する螺子軸82には調節ダイヤル83を回転のみ自在に取付け、単独の調節ダイヤル83を回転させるだけで、螺子軸82が連結板81を前側移動させ、連結板81の前側移動によりスライド板80は前後側スライドし、これにより、従動軸12または駆動軸14は前後側移動させることができ、無端チェン16のテンション調節を正確かつ容易に行うことかできる。
請求項6の発明では、左右のスライド板80のうち、何れか一方には駆動モーター77の出力軸の駆動回転を駆動軸14に伝達するギヤボックス87とを設けているので、駆動モーター77から駆動歯車13までの伝動構成を簡素にでき、しかも、駆動歯車13の前後動による無端チェン16のテンション調節を、駆動モーター77ごと駆動歯車13を移動させることで、一層、容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】同縦断背面図、および、搬送体とケース底板部分の背面図。。
【
図7】排出部のシャッター開状態と閉状態の斜視図。
【
図9】シャッターの断面図と斜視図、ならびに、開状態と閉状態の断面図。
【
図12】弛み検出装置の弛み非検出状態側面図および弛み検出状態側面図。
【
図14】テンション機構の弛み状態斜視図および緊張状態斜視図。
【
図16】テンション機構の弛み状態側面図および緊張状態側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図により説明すると、1は横送り搬送装置Hのケースであり、搬送方向に長く形成する。該ケース1の一端側(始端側)の上方位置に供給部2を設け、他端側(終端側)には落口5を有する排出部6を設ける(
図1)。
この場合、排出部6はケース1の搬送方向中間部に1個または複数設けてもよく、中間の排出部6には落口5を開閉させるシャッター7を設ける。
ケース1内には、搬送コンベア10を設ける。説明の都合上搬送コンベア10の搬送方向上手側を「前」、下手側を「後」とし、搬送コンベア10はケース1内の始端部に従動ローラー11を従動軸12により軸装する。
前記排出部6の最も終端となる排出部6より前側のケース1内に搬送コンベア10の駆動歯車13を駆動軸14により軸装し、前記従動ローラー11と駆動歯車13の間に複数の搬送体15を所定間隔を置いて設けた無端チェン16を掛け回す(
図1)。
【0009】
供給部2は、ケース1の最も後側であって、従動ローラー11よりも後側に設ける。
そのため、供給部2から排出部6に搬送コンベア10が搬送物を搬送する距離に対してケース1の長さを短くできる。
すなわち、従来の横送り搬送装置Hでは、従動ローラー11の前側に供給部2を設け、従動ローラー11が搬送物を噛み込むのを防止しており、その分、供給部2と排出部6の間の搬送距離に対して横送り搬送装置Hの全長が長くなり、装置が大型化する。
本発明では、従動ローラー11の後側(手前側)に供給部2を設け、供給部2に従動ローラー11が搬送物を噛み込むのを防止する噛み込み防止体18を設ける。
【0010】
そのため、噛み込み防止体18により従動ローラー11の搬送物の噛み込みを防止し、従動ローラー11の後側(手前側)に供給部2を設けて搬送距離に対して横送り搬送装置Hの全長を短くできる。
ケース1の後板19に供給口20を開口させ、供給口20に供給部2の供給シュート21を臨ませる(
図2)。供給シュート21は左右側板22に前下がりに傾斜する底板23を設け、底板23は縦板状の取付板24に固定する。25は供給シュート21の供給用開口部であり、供給用開口部25には供給部2の一部を構成する口金部26を着脱自在に取付ける。
【0011】
供給部2の口金部26には昇降機等の任意の搬送手段27等を接続する(
図1)。
ケース1内の従動ローラー11の後側下方には誘導体29を設け、誘導体29は供給シュート21の底板23と略同一傾斜角度に形成し、誘導体29の後側は供給口20の下端に接続し、誘導体29の前端はケース1の底板30に当接させる(
図2)。
噛み込み防止体18は供給口20の左右中間位置に位置し、平面視において、後側に至るに従い広くなるV形状に形成し、供給部2から供給された搬送物を従動ローラー11の左右側に振り分け、従動ローラー11による搬送物の噛み込みを防止する。
したがって、噛み込み防止体18は左右の縦板31の上部を取付板32に固定し、取付板32をケース1の始端部の上部カバー33に着脱自在に取付けている。
平面視において、噛み込み防止体18の一対の縦板31の各左右両端は、ケース1の左右側板34より所定間隔内側に位置させ、噛み込み防止体18の左右端縁とケース1の側板34の間に搬送物流路35を形成する(
図4)。
【0012】
そのため、供給部2に供給された搬送物は供給口20からケース1内に入る際に従動ローラー11の左右両側に案内され、従動ローラー11による搬送物の噛み込みを抑制する。
すなわち、平面視において、噛み込み防止体18の左右幅は任意であるが、少なくとも、従動ローラー11の左右幅より広ければよく、本実施形態では、噛み込み防止体18と左右の搬送物流路35は略同じ左右幅とし、従動ローラー11の噛み込み防止と搬送物の供給量の確保との両立を図っている。
換言すると、従動ローラー11に搬送チェン16が噛み合う部分に搬送物が噛み込まれるので、従動ローラー11の左右両側への搬送物の流入を抑制できればよく、そのため、噛み込み防止体18の左右幅は少なくとも従動ローラー11の左右幅より広ければよい。
また、噛み込み防止体18の下端と誘導体29の上面との間には所定の隙間36を設ける(
図3)。
【0013】
そのため、横送り搬送装置Hによる搬送作業の終盤で、供給部2への供給量が減少したとき、噛み込み防止体18の手前側に搬送物が残留するのを防止する。
これにより、供給シュート21の底板23と誘導体29の傾斜角度は、搬送物の安息角以上の急傾斜とし、搬送物の残留を防止している。
また、噛み込み防止体18の前端に対して、従動ローラー11による搬送体15の回転軌跡を平面視において可及的に接近させる。
そのため、横送り搬送装置Hの全長を短くする。
噛み込み防止体18と従動ローラー11の間には、空気噴風管38を設ける。空気噴風管38は左右方向であり、ケース1の上部カバー33に取付ける。空気噴風管38は下方に噴風し、従動ローラー11の噛み込み防止と誘導体29上の残留防止とを行う。
空気噴風管38には複数の噴風口を左右方向に並設し、空気噴風管38の一端は上部カバー33より上方に突出させて噴風ノズル39を接続する。
【0014】
図2において、97はケース1の側板34に設けた側部供給口であり、設置場所の制約により、側方からの搬送物の供給を可能にさせるとき、側部供給口97に供給部2の供給シュート21を設ける。
98は反射板であり、側部供給口97から供給された搬送物が従動ローラー11側へ流れるのを防止し、側部供給口97と相俟って横送り搬送装置Hの汎用性を向上させている。
また、ケース1は、上部カバー33以外の搬送コンベア10の上方は天板33Aにより閉塞している(
図1)。
シャッター7は、ケース1に対して搬送方向と平行に移動させて開閉させる構成とする。
そのため、シャッター7の作動スペースを横送り搬送装置Hの左右幅内に納めることができ、横送り搬送装置Hの左右幅を小さくする。
【0015】
従来の横送り搬送装置Hのシャッター7は搬送方向に対して交差方向にスライドさせて排出部6の落口5を開閉させるため、開いたシャッター7はケース1の側方に突出するので、シャッター7の作動スペースを横送り搬送装置Hのケース1より外側部分に突出させることになり、その分、横送り搬送装置Hの左右幅を大きくする。
図6に示したように、シャッター7は平板状に形成し、シャッター7の基部を左右方向の回動軸40に固定状態に取付ける。回動軸40はシャッターフレーム41の側板42に回転自在に軸装する。シャッターフレーム41の側板42より突出する回動軸40にはリンク機構43を介して開閉アクチュエータ(エアーシリンダ)44を取付け、開閉アクチュエータ44のロッド45の伸縮により排出部6の落口5を開閉させる。
シャッターフレーム41は側板42の上端に水平の上板47を固定し、上板47に排出部6の落口5の下方に位置する開口部48を設け、シャッター7を上方回動させると、開口部48と落口5とを閉塞し、シャッター7を下方回動させると、落口5と開口部48とを開口させる。
【0016】
この場合、落口5の開口面積は開口部48の開口面積よりも小さく形成し、かつ、シャッター7の板厚をケース1の底板30とシャッターフレーム41の上板47の板厚と同じか厚く構成し、シャッター7を落口5に嵌合する嵌合部49とケース1の底板30下面に当接する当接部50とに形成すると、シャッター7の当接部50がケース1の底板30の面に当接して供給部2の落口5をほぼ完全に閉塞させることができる(
図9)。
そして、シャッター7は左右一対のステー51を介して回動軸40に固定状態に取付ける。
そのため、回動軸40中心にシャッター7が円弧回動しても、シャッター7の嵌合部49はケース1の落口5に円滑・確実に嵌合する。
リンク機構43の構成は任意であるが、一例を示すと、回動軸40に第一アーム53の中間部を固定し、第一アーム53の一端に第二アーム54の先端を回動自在に取付け、第二アーム54の基部を開閉アクチュエータ44のロッド45に回動自在に取り付けて構成している。
【0017】
開閉アクチュエータ44の基部はステー55によりシャッターフレーム41に取付ける。
回動軸40を挟んだ第一アーム53の他端には、シャッターの開閉状態を表示する開閉表示部57に形成し、開閉表示部57は水平状態ではシャッター7の閉塞状態を示し、シャッター7が回動軸40中心に下方回動して落口5を開口すると、開閉表示部57はシャッター7と共に斜め下向きに回動軸40中心に回動し、シャッター7が開口状態であることを表示する(
図8)。
したがって、リンク機構43の一部を利用して特別な作動機構を用いることなく、機械的にシャッター7の開閉を表示でき、横送り搬送装置H全体を安価に提供できる。
リンク機構43の第一アーム53と第二アーム54は、正面視において、ケース1の側板34の側方に配置した開閉アクチュエータ44の左右幅内に配置する。
【0018】
そのため、横送り搬送装置Hの左右幅を一層小さくすることができ、また、横送り搬送装置Hを設置した施設内の作業者の移動を容易にし、施設のメンテナンスを容易にすることができるができる。
排出部6の落口5の上方には、空気噴風管38を設ける。空気噴風管38は左右方向であり、図示は省略するが、ケース1の上部カバー33に取付ける。空気噴風管38は下方に噴風し、落口5を通過する搬送チェン16上に載っている搬送物を落下させる。
しかして、ケース1は、ケース底板30の左右側に略垂直に起立する下側側板60を設けて穀粒流路61を形成し(
図5)、下側側板60の上端より上方に至るに従い側方に広がるように設けた傾斜支持板部62を形成し、一方、前記各搬送体15は、合成樹脂の縦状の板部材により、前記左右の傾斜支持板部62の上面に常時摺接する左右の傾斜摺接面63と左右の傾斜摺接面63の中央の中央部64を有して構成し、搬送体15の中央部64の下縁は、底板30との間に穀粒より小なる隙間(0~1mm)を有して移動させる構成にしている。
【0019】
このように、ケース1の下部に傾斜支持板部62を設けると、ケース1の断面形状が複雑になるが、搬送体15を支持させた状態で移動させられ、搬送物の搬送を確実に行える。
また、搬送路の始端部と終端部の中間位置に排出部6の落口5を設けた場合、排出部6の部分に特別な支持機構を設けることなく、搬送体15が落口5より下方に落ちることなく移動させられる。
搬送体15の左右中間位置に取付部64Aを設け、取付部64Aに無端チェン16を取付けている(
図5)。
したがって、側面視において、図の左側から右側へ搬送物を搬送する場合、ケース1の始端側に従動ローラー11を設け、終端側に駆動歯車13を設け、底板30上を移動する下側無端チェン16が搬送体15を搬送移動させ、上側無端チェン16が戻り移動となる。
この上側無端チェン16の弛み具合(張り具合)を検出する弛み検出装置65を設ける(
図1、10)。
【0020】
弛み検出装置65は、上側無端チェン16の下側から当接する弛み検知ローラー66を上側無端チェン16の移動路の下方に設ける。弛み検知ローラー66はアーム67の先端に回転のみ自在に取付け、アーム67の基部は左右方向の検知軸68に固定状態に取付ける。検知軸68の左右両側はケース1の側板34に回転自在に取付ける。検知軸68の左右何れか一方の端部には弛み表示体69の基部を固定状態に取付ける。弛み表示体69は縦板状で、かつ、アーム状に形成し、検知軸68の回転により検知軸68中心に弛み表示体69が上下回動する。
弛み表示体69の先端には表示部70を設け、弛み検知ローラー66が上側無端チェン16の弛んだことにより下降させられると、検知軸68の回転により検知軸68中心に弛み表示体69の表示部70を所定位置より移動(上方回動)させて上側無端チェン16が弛んだことを表示する。
【0021】
この場合、表示部70の表示方法は任意であるが、弛み検知ローラー66の下方回動により表示部70が検知軸68中心に上方移動するので、本実施形態では、弛み検出装置65に設けたカバー71より通常表示部70を隠蔽させておき、表示部70が上方移動するカバー71より上方に移動して露出表示状態になり、カバー71の存在を視認できるように構成している(
図12)。
なお、上側無端チェン16の弛みによる弛み検知ローラー66の下降量の設定は任意であり、例えば、予め、後述する駆動歯車13のテンション機構73により搬送体15の搬送量から最適な無端チェン16の張り具合の検出値と、許容される搬送体15の搬送量以下のときの上側無端チェン16の弛み量とを比較して設定する等の任意の検出結果に基づいて設定すればよい。
また、側面視において、後側に弛み検知ローラー66を、前側に表示部70を、弛み検知ローラー66と表示部70の中間に検知軸68を配置すると、弛み検知ローラー66の下降を表示部70により表示しやすく、合理的構成となる。
【0022】
また、アーム67の前端側には複数の錘体74を着脱自在に取付け可能に構成する。
そのため、錘体74の数を変更することにより、弛み検知ローラー66の上側無端チェン16を支持する支持荷重を変更させることができ、弛み検出装置65の検出感度を変更することができる。
また、アーム67の前側所定位置には、表示部70とは別に弛み検知ローラー66による弛みを示す弛み突起75を設け、カバー71の所定位置には弛み突起75の高さ位置を電気的に検出する検出部76を設け、検出部76を弛み表示ランプ(図示省略)に接続し、表示部70以外に電気的に上側無端チェン16の弛みを検出して表示すると共に、駆動モーター77を自動停止制御するようにしてもよい。
弛み表示体69には検知軸68中心の円弧状の規制溝88Aを設け、規制溝88Aにはケース1側に設けた規制突起88Bを挿通する。
【0023】
弛み検知ローラー66は下方回動して弛みを検出できればよく、弛み検知ローラー66が過剰に下降すると、搬送体15との接触等の不具合が発生するので、これを規制突起88Bに規制溝88Aを当接させて防止する。
しかして、従動ローラー11の従動軸12または駆動歯車13の駆動軸14はケース1に対して前後に移動自在に取付け、従動軸12または駆動軸14は単独の調節ダイヤル83により左右両側を同時に前後移動させて、無端チェン16の張り具合を調節するテンション機構73を設けた構成とする。
そのため、単独の調節ダイヤル83を回転させると、従動軸12または駆動軸14の両端を同時に前後動させることができ、無端チェン16のテンション調節の精度を向上させられ、かつ、容易にできる。
【0024】
また、テンション機構73は、従動軸12または駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端を、左右一対のスライド板80に軸装し、左右一対のスライド板80は左右方向の連結板81により連結し、連結板81にはケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83を回転のみ自在に取付ける。
そのため、単独の調節ダイヤル83を回転させると、螺子軸82が回転して連結板81を前後移動させ、連結板81の前後移動により左右のスライド板80は一緒に前後スライドし、これにより、駆動軸14の左右両側は均等に前後移動して無端チェン16のテンションを調節することができ、無端チェン16のテンション調節の精度を向上させられ、かつ、容易にできる。
また、連結板81はケース1内を前後移動する構成とし、連結板81はケース1の側板34に形成した挿通孔84内を移動する取付部85を介して左右一対のスライド板80と一体的に移動する構成とする。
【0025】
そのため、単独の調節ダイヤル83によるテンション機構73の作動機構を簡単に構成でき、安価に提供できる。
また、本実施形態では、従動ローラー11と駆動歯車13のうち、駆動歯車13の駆動軸14に左右一対のスライド板80を取付ける(
図13)。
そのため、テンション機構73を、駆動歯車13および駆動軸14を前後移動させる構成とすることができるができ、無端チェン16のテンション調節の精度を向上させられ、かつ、容易にでき、しかも、従動ローラー11よりも後側のケース1に供給部2を設けつつ、供給部2の供給口20に従動ローラー11の側方に搬送物を誘導する噛み込み防止体18を設けて、供給部2から排出部6に搬送コンベア10が搬送物を搬送する距離に対してケース1の長さを短くする構成の採用を一層容易にすることができる。
【0026】
また、駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端には、左右一対のスライド板80を軸装し、左右一対のスライド板80は左右方向の連結板81により連結し(
図13)、連結板81にはケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の後側所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83を回転のみ自在に取付けているので、駆動軸14の左右両側を前後させるテンション機構73を、連結板81と螺子軸82により単独の調節ダイヤル83によるテンション調節操作を実現しつつ、調節精度の向上と両立させられる。
従動ローラー11の従動軸12または駆動歯車13の駆動軸14はケース1に対して前後に移動自在に取付け、従動軸12または駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端には、左右一対のスライド板80を軸装し、左右一対のスライド板80は左右方向の連結板81により連結し、連結板81にはケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83を回転のみ自在に取付ける。
【0027】
本実施形態では、従動ローラー11と駆動歯車13のうち、駆動歯車13の駆動軸14をケース1に対して前後に移動自在に取付け、駆動軸14のケース1の側板34より外側に突出する左右両端には、左右一対のスライド板80を軸装し、左右一対のスライド板80は左右方向の連結板81により連結し、連結板81にはケース1側に回転のみ自在に設けた螺子軸82の後側所定部分を螺合させ、螺子軸82には調節ダイヤル83を回転のみ自在に取付けている。
具体的には、ケース1の前部の駆動歯車13を設ける部分の、ケース1の側板34には、無端チェン16を駆動回転させる駆動歯車13の駆動軸14を挿通する前後に長い挿通孔84を設け、挿通孔84に駆動軸14を挿通する。ケース1の側板34から突出する駆動軸14の左右両端は、縦板状の左右一対のスライド板80に軸装する。
78はスライド板80に設けた駆動軸14を軸装する軸受である。
【0028】
左右のスライド板80の前側部分には、ケース1の中心に向けて突出する取付部85を設け、取付部85には左右のスライド板80を連結する前記連結板81を着脱自在に取付ける。連結板81の左右中央位置には前後方向の螺子軸82の後部を螺合させる。螺子軸82の前側部分はケース1の前板86に回転のみ自在に軸装し、前板86より前側に突出する螺子軸82に調節ダイヤル83を取付ける。
そのため、調節ダイヤル83を一方側に回すと、螺子軸82が一方回転して連結板81を前側移動させ、連結板81の前側移動によりスライド板80は前側スライドし、これにより、駆動軸14は前側移動して無端チェン16のテンションを張り方向に調節する。
反対に、調節ダイヤル83を他方側に回すと、螺子軸82が他方回転して連結板81を後側移動させ、連結板81の後側移動によりスライド板80は後側スライドし、これにより、駆動軸14は後側移動して無端チェン16のテンションを弛み方向に調節する。
【0029】
左右のスライド板80のうち、何れか一方には駆動モーター77を取付け、図示は省略するが、駆動モーター77の出力軸の駆動回転を減速して駆動軸14にギヤボックス87内で伝達する構成としている。
そのため、調節ダイヤル83により駆動軸14をテンション調節すると、駆動軸14と共に駆動モーター77も一体で前後動し、テンション調節を容易にする。
なお、螺子軸82と調節ダイヤル83を回転のみ自在とする構成は任意であるが、一例を示すと、前板86より突出する螺子軸82に挿通した筒部材90をピン91により螺子軸82に固定し、前板86の内側の螺子軸82にナット92を螺合させ、このナット92をピン91により螺子軸82に固定する(
図16)。
そのため、螺子軸82は前板86を筒部材90ナット92とにより挟んでその場で共回りし、調節ダイヤル83は常時同じ位置にて回転し、連結板81が螺子軸82に対して前後移動する。
【0030】
また、螺子軸82と調節ダイヤル83は前板86ごと、ケース1に対して着脱自在であり、分解してメンテナンス可能に構成している。
スライド板80の前端部には前方に突出するガイド部93を設け、ガイド部93は前板86に設けた挿入溝94に摺動自在に挿入する。ガイド部93はスライド板80と共に前後動し、スライド板80の前後動を案内する。
95は連結板連結板81の上部に前上がりに傾斜する戻し板部であり、駆動歯車13で反転した搬送体15が飛ばした搬送物を戻すものである。
【0031】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、駆動モーター77に通電すると、駆動歯車13が回転し、駆動歯車13は無端チェン16を回転させて搬送体15を供給部2から排出部6へ移動させる。
供給部2に搬送物を投入すると、搬送体15が排出部6へ向けて搬送し、落口5より排出させる。
供給部2は、ケース1の最も後側であって、従動ローラー11よりも後側に設けているので、供給部2から排出部6に搬送コンベア10が搬送物を搬送する距離に対してケース1の長さを短くできる。
【0032】
すなわち、従来の横送り搬送装置Hでは、従動ローラー11が搬送物を噛み込むのを防止するため、従動ローラー11の前側に供給部2を設けて、従動ローラー11より前側から搬送物を供給していたので、その分、従動ローラー11と供給部2の長さ分、供給部2と排出部6の間の搬送距離に対して横送り搬送装置Hの全長が長くなり、装置が大型化していた。
本発明では、従動ローラー11の後側(手前側)に供給部2を設け、供給部2に従動ローラー11が搬送物を噛み込むのを防止する噛み込み防止体18を設けているので、噛み込み防止体18により従動ローラー11の搬送物の噛み込みを防止し、従動ローラー11の後側(手前側)に供給部2を設けて搬送距離に対して横送り搬送装置Hの全長を短くできる。
【0033】
ケース1の後板19に供給口20を開口させ、後板19よりも後側に供給部2の供給シュート21を取付けているので、供給部2はケース1の後板19よりも後側に位置して、搬送距離に対して横送り搬送装置Hの全長を短くできる。
供給シュート21は左右側板22に前下がりに傾斜する底板23を設け、供給シュート21の左右側板22と底板23を後板19の供給口20に当接させているので、供給部2の供給シュート21に張り込んだ搬送物は、供給口20からケース1内に入る。
この場合、供給部2の口金部26には昇降機等の任意の搬送手段27等を接続しているので、ケース1を並設した貯留タンク上に設置して、搬送手段27により昇降させた昇降物をそのままケース1により搬送することができる。
【0034】
ケース1内の従動ローラー11の後側下方には誘導体29を設け、誘導体29は側面視において供給シュート21の底板23と略同一傾斜角度に形成しているので、供給シュート21に張り込まれた供給物は底板23上から誘導体29上を流下して従動ローラー11の下方に至り、従動ローラー11の下方に至った供給物は従動ローラー11の後側から下降する搬送体15により前方に向けて搬送され、残留物の発生を抑制する。
ケース1の供給口20の左右中間位置には噛み込み防止体18が設けられ、噛み込み防止体18は平面視において、後側に至るに従い広くなるV形状に形成しているので、供給部2から供給された搬送物がケース1の供給口20からケース1内に入るときに、噛み込み防止体18により従動ローラー11の左右側に振り分けられ、従動ローラー11による搬送物の噛み込みを防止する。
【0035】
したがって、従動ローラー11の後側(手前側)に供給部2を設けて搬送距離に対して横送り搬送装置Hの全長を短くした横送り搬送装置Hでありながら、従動ローラー11による搬送物の噛み込みを防止し、搬送物が穀粒の場合、砕米等の穀粒が破砕されるのを防止する。
噛み込み防止体18は左右の縦板31の上部を取付板32に固定し、取付板32をケース1の上部カバー33に着脱自在に取付けているので、ケース1に容易に取付けることができ、搬送作業終了後に、噛み込み防止体18を取り外すことができ、従動ローラー11の周辺の空間を広くでき、メンテナンスを容易にする。
【0036】
噛み込み防止体18は、少なくとも、平面視において、噛み込み防止体18の縦板31の左右両端が、ケース1の左右側板34より所定間隔内側に位置させ、噛み込み防止体18の左右端縁とケース1の側板34の間に搬送物流路35を形成しているので、供給部2に供給された搬送物は供給口20からケース1内に入る際に従動ローラー11の左右両側に案内され、従動ローラー11による搬送物の噛み込みを抑制でき、しかも、供給部2における供給物の詰まり発生を防止する。
すなわち、平面視において、噛み込み防止体18の左右幅は任意であるが、少なくとも、従動ローラー11の左右幅より広く形成し、噛み込み防止体18と左右の搬送物流路35は略同じ左右幅としているので、従動ローラー11の噛み込み防止と搬送物の供給量の確保との両立を図ることができる。
【0037】
また、噛み込み防止体18の下端と誘導体29の上面との間には所定の隙間36を設けているので、横送り搬送装置Hによる搬送作業の終了間際で供給部2からの供給量が減少しても、噛み込み防止体18の手前側に搬送物が残留するのを防止する。
また、噛み込み防止体18の前端に対して、従動ローラー11による搬送体15の回転軌跡を平面視において可及的に接近させているので、横送り搬送装置Hの全長を短くする。
噛み込み防止体18と従動ローラー11の間には、空気噴風管38を設け、空気噴風管38は左右方向であり、ケース1の上部カバー33に取付けているので、空気噴風管38は下方に噴風し、従動ローラー11の噛み込み防止と誘導体29上の残留防止とを行うことができる。
【0038】
シャッター7は、ケース1に対して搬送方向と平行に移動させて開閉させる構成としているので、シャッター7の作動スペースを横送り搬送装置Hの左右幅内に納めることができ、横送り搬送装置Hの左右幅を小さくする。
従来の横送り搬送装置Hのシャッター7は搬送方向に対して交差方向にスライドさせて排出部6の落口5を開閉させるため、開いたシャッター7はケース1の側方に突出するので、シャッター7の作動スペースを横送り搬送装置Hのケース1より外側部分に突出させることになり、その分、横送り搬送装置Hの左右幅を大きくするが、本発明では、シャッター7を平板状に形成し、シャッター7の基部を回動軸40に固定状態に取付け、回動軸40にはリンク機構43を介して開閉アクチュエータ44を取付ているので、開閉アクチュエータ44の作動(ロッド45の伸縮)によりシャッター7を回動軸40中心に回動させて排出部6の落口5を開閉させる。
【0039】
回動軸40はシャッターフレーム41の側板側板42に回転自在に軸装し、シャッターフレーム41は側板42の上端に水平の上板47を固定し、上板47に排出部6の落口5の下方に位置する開口部48を設け、シャッター7を上方回動させると、開口部48と落口5を閉塞し、シャッター7を下方回動させると、落口5と開口部48を開口させる。
この場合、落口5の開口面積は開口部48の開口面積よりも小さく形成し、かつ、シャッター7の板厚をケース1の底板30とシャッターフレーム41の上板47の板厚と同じか厚く構成し、シャッター7を落口5に嵌合する嵌合部49とケース1の底板30下面に当接する当接部50とに形成しているので、シャッター7の当接部50がケース1の底板30の面に当接して供給部2の落口5をほぼ完全に閉塞させることができる。
【0040】
そして、シャッター7は左右一対のステー51を介して回動軸40に固定状態に取付けるから、回動軸40中心にシャッター7が円弧回動しても、シャッター7の嵌合部49はケース1の落口5に円滑・確実に嵌合する。
開閉アクチュエータ44は回動軸40に第一アーム53の中間部を固定し、第一アーム53の一端に第二アーム54の先端を回動自在に取付け、第二アーム54の基部を開閉アクチュエータ44のロッド45に回動自在に取り付けて構成し、回動軸40を挟んだ第一アーム53の他端には、シャッターの開閉状態を表示する開閉表示部57に形成しているので、開閉表示部57は水平状態ではシャッター7の閉塞状態を示し、シャッター7が回動軸40中心に下方回動して落口5を開口すると、開閉表示部57はシャッター7と共に斜め下向きに回動軸40中心に回動し、シャッター7が開口状態であることを表示する。
【0041】
したがって、リンク機構43の一部を利用して特別な作動機構を用いることなく、機械的にシャッター7の開閉を開閉表示部57により表示させることができ、横送り搬送装置H全体を安価に提供できる。
この場合、リンク機構43の第一アーム53と第二アーム54は、正面視において、ケース1の側板34の側方に配置した開閉アクチュエータ44の左右幅内に配置しているので、横送り搬送装置Hの左右幅を一層小さくすることができ、また、横送り搬送装置Hを設置した施設内の作業者の移動を容易にし、施設のメンテナンスを容易にすることができるができる。
【0042】
しかして、ケース1は、ケース底板30の左右側に略垂直に起立する下側側板60を設けて穀粒流路穀粒流路61を形成し、下側側板60の上端より上方に至るに従い側方に広がるように設けた傾斜支持板部62を形成し、一方、前記各搬送体15は、合成樹脂の縦状の板部材により、前記左右の傾斜支持板部62の上面に常時摺接する左右の傾斜摺接面63と左右の傾斜摺接面63の中央の中央部64を有して構成しているので、搬送体15をケース1の傾斜支持板部62にて支持させた状態で移動させられ、搬送物の搬送を確実に行える。
【0043】
また、搬送路の始端部と終端部の中間位置に排出部6の落口5を設けた場合、排出部6の部分に特別な支持機構を設けることなく、搬送体15が落口5より下方に落ちることなく移動させられ、落口5を含めた排出部6に搬送体15の支持機構を設けることを省略でき、排出部6を簡素に構成できる。
横送り搬送装置Hでは、側面視において、図の左側から右側へ搬送物を搬送する場合、ケース1の始端側に従動ローラー11を設け、終端側に駆動歯車13を設け、底板30上を移動する下側無端チェン16が搬送体15を搬送移動させ、上側無端チェン16が戻り移動となる。
【0044】
この上側無端チェン16の弛み具合(張り具合)を検出する弛み検出装置65を設け、弛み検出装置65は上側無端チェン16の下側から当接する弛み検知ローラー66を上側無端チェン16の移動路の下方に設け、弛み検知ローラー66はアーム67の先端に回転のみ自在に取付け、アーム67の基部は左右方向の検知軸68に固定状態に取付け、検知軸68の左右両側はケース1の側板34に回転自在に取付け、検知軸68の左右何れか一方の端部には弛み表示体69の基部を固定状態に取付けているので、弛み検知ローラー66は上側無端チェン16が弛んで下降すると、アーム67の反対側の表示部70を所定位置より上方移動させて上側無端チェン16が弛んだことを表示する。
【0045】
この場合、表示部70の表示方法は、弛み検知ローラー66の下方回動により表示部70が検知軸68中心に上方移動し、弛み検出装置65に設けたカバー71より通常表示部70を隠蔽させておき、表示部70が上方移動するカバー71より上方に移動して露出表示状態になるので、カバー71の存在を視覚で確認して、無端チェン16の弛みを確認することができる。
また、側面視において、後側に弛み検知ローラー66を、前側に表示部70を、弛み検知ローラー66と表示部70の中間に検知軸68を配置しているので、弛み検知ローラー66の下降を表示部70により表示しやすく、合理的構成となる。
また、アーム67の前端側には複数の錘体74を着脱自在に取付け可能にしているので、錘体74の数を変更することにより、弛み検知ローラー66の上側無端チェン16を支持する支持荷重を変更させることができ、弛み検出装置65の検出感度を変更することができる。
【0046】
また、アーム67の前側所定位置には、表示部70とは別に弛み検知ローラー66による弛みを示す弛み検知用突起75を設け、カバー71の所定位置には弛み検知用突起75の高さ位置を電気的に検出する検出部76を設けているので、検出部76をにより弛み表示ランプ(図示省略)を点灯させたり、あるいは、表示部70以外に電気的に上側無端チェン16の弛みを検出して駆動モーター77を自動停止制御させることができる。
【0047】
ケース1の前部の駆動歯車13を設ける部分の、ケース1の側板34には無端チェン16を駆動回転させる駆動歯車13の駆動軸14を挿通する前後に長い挿通孔84を設け、挿通孔84に駆動軸14を挿通し、ケース1の側板34から突出する駆動軸14の左右両端は、縦板状の左右一対のスライド板80に軸装し、左右のスライド板80の前側部分には、ケース1の中心に向けて突出する取付部85を設け、取付部85には左右のスライド板80を連結する連結板81を着脱自在に取付け、連結板81の左右中央位置には前後方向の移動螺子軸82の後部を螺合させ、螺子軸82の前側部分はケース1の前板86に回転のみ自在に軸装し、前板86より前側に突出する螺子軸82に調節ダイヤル83を取付けているので、調節ダイヤル83を一方側に回すと、螺子軸82が一方回転して連結板81を前側移動させ、連結板81の前側移動によりスライド板80は前側スライドし、これにより、駆動軸14は前側移動して無端チェン16のテンションを張り方向に調節する。
【0048】
反対に、調節ダイヤル83を他方側に回すと、螺子軸82が他方回転して連結板81を後側移動させ、連結板81の後側移動によりスライド板80は後側スライドし、これにより、駆動軸14は後側移動して無端チェン16のテンションを弛み方向に調節する。
左右のスライド板80のうち、何れか一方には駆動モーター77を取付け、図示は省略するが、駆動モーター77の出力軸の駆動回転を駆動軸14にギヤボックスギヤボックス87内で減速して伝達する構成としているので、調節ダイヤル83により駆動軸14をテンション調節すると、駆動軸14と共に駆動モーター77も一体で前後動し、テンション調節を容易にする。
【0049】
前板86より突出する螺子軸82に挿通した筒部材90をピン91により螺子軸82に固定し、前板86の内側の螺子軸82にナット92を螺合させ、このナット92をピン91により螺子軸82に固定しているので、螺子軸82は筒部材90とナット92により前板86を挟んでその場で共回りし、調節ダイヤル83は常時同じ位置にて回転し、連結板81が螺子軸82に対して前後移動する。
また、螺子軸82と調節ダイヤル83は前板86ごと、ケース1に対して着脱自在であるので、螺子軸82と調節ダイヤル83は前板86ごとケース1側から取外ずことができ、駆動歯車13周辺を分解してメンテナンス可能になる。
【符号の説明】
【0050】
1…ケース 、2…供給部 、5…落口 、6…排出部 、7…シャッター、10…搬送コンベア、11…従動ローラー、12…従動軸、13…駆動歯車、14…駆動軸、15…搬送体、16…無端チェン、18…噛み込み防止体、19…後板、20…供給口、21…供給シュート、22…左右側板、23…底板、24…取付板、25…供給用開口部、26…口金部、27…搬送手段、29…誘導体、30…底板、31…縦板、32…取付板、33…上部カバー、34…側板、35…搬送物流路、36…隙間、38…空気噴風管、39…噴風ノズル、40…回動軸、41…シャッターフレーム、42…側板、43…リンク機構、44…開閉アクチュエータ、45…ロッド、47…上板、48…開口部、49…嵌合部、50…当接部、51…ステー、53…第一アーム、54…第二アーム、55…ステー、57…開閉表示部、60…下側側板、61…穀粒流路、62…傾斜支持板部、63…傾斜摺接面、64…中央部、64A…取付部、65…弛み検出装置、66…弛み検知ローラー、67…アーム、68…検知軸、69…弛み表示体、70…表示部、71…カバー、73…テンション機構、74…錘体、75…弛み検知用突起、76…検出部、77…駆動モーター、80…スライド板、81…連結板、82…螺子軸、83…調節ダイヤル、84…挿通孔、85…取付部、86…前板、87…ギヤボックス、90…筒部材、91…ピン、92…ナット、93…ガイド部、95…戻し板部、97…横供給口、98…防止板。