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特許7222599プラスチック溶融体から汚染物質を分離するフィルタキャンドル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】プラスチック溶融体から汚染物質を分離するフィルタキャンドル
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/33 20060101AFI20230208BHJP
   B29C 48/694 20190101ALI20230208BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20230208BHJP
   B01D 29/66 20060101ALI20230208BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B01D29/32 A
B29C48/694
B01D29/10 510C
B01D29/10 520B
B01D29/38 510C
B01D35/02 L
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017173950
(22)【出願日】2017-09-11
(65)【公開番号】P2018039006
(43)【公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】20 2016 105 013.8
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴォストマン
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ シャーマン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ミドラー
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0188345(US,A1)
【文献】特表平02-500421(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0206691(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0070181(US,A1)
【文献】実開昭52-113875(JP,U)
【文献】国際公開第90/000434(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3186132(JP,U)
【文献】米国特許第05279733(US,A)
【文献】米国特許第05200077(US,A)
【文献】米国特許第04812235(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0270229(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/69 - 48/694
B01D 29/31 - 29/37
B01D 29/11
B01D 29/66
B01D 35/02
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック溶融体から汚染物質を分離するフィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)であって、
溶融体流動が通過するように誘導され得て、前記溶融体流動中に含有される汚染物質を保持するように設置された、少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)と、
前記溶融体流動のための複数の通路がある壁領域を有する中空体形状であって、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)を支持する支持体(2、2’、2”)と、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)の前記支持体(2、2’、2”)と反対側で前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)と関連付けられた少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)と、
を備え、
前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)は、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)の表面領域に作用するように、及び/又は、それらを収容するように、設置されており、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は通常の濾過方向と反対方向に流れる前記溶融体流動を介して逆洗されるように構成されており、
前記支持体(2、2’、2”)または前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)は、当該支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)の互いに対する長手方向の整合のためにそれぞれの他方の支持体に対する当接部品(20、20’)を有しており、
締付リング(22)及びねじ山付き取り付け部品(24、24’)が設けられ、
前記取り付け部品は、前記締付リングと相互作用し、
前記取り付け部品(24、24’)は、前記支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)のうちの一方にねじ込みにより収容され、それぞれの他方の支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)を前記一方の支持体に固定するために設置されており、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は、その表面が互いに逆の方向を向いていて、前記支持体(2、2’、2”)または前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)に支えられており、
濾過工程中、前記プラスチック溶融体は、前記濾過方向に前記追加の支持体(4、4’、4”)の通路(10、10’)を通過し、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6)を通過して、前記支持体(2、2’、2”)の通路(10、10’)を通過するように流れ、
逆洗工程中、前記プラスチック溶融体は、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6)を洗浄するために、前記濾過方向とは反対方向に流れ、
前記支持体(2、2’、2”)は、内側支持体であり、
前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)は、外側支持体であり、前記溶融体流動のための通路(10、10’)があり、
前記取り付け部品は、前記内側支持体(2、2’、2”)の自由内部空間に突入する円錐形セグメント(26、26’)を有する
ことを特徴とするフィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)。
【請求項2】
プラスチック溶融体から汚染物質を分離するフィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)であって、
溶融体流動が通過するように誘導され得て、前記溶融体流動中に含有される汚染物質を保持するように設置された、少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)と、
前記溶融体流動のための複数の通路がある壁領域を有する中空体形状であって、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)を支持する支持体(2、2’、2”)と、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)の前記支持体(2、2’、2”)と反対側で前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)と関連付けられた少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)と、
を備え、
前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)は、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)の表面領域に作用するように、及び/又は、それらを収容するように、設置されており、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は通常の濾過方向と反対方向に流れる前記溶融体流動を介して逆洗されるように構成されており、
前記支持体(2、2’、2”)または前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)は、当該支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)の互いに対する長手方向の整合のためにそれぞれの他方の支持体に対する当接部品(20、20’)を有しており、
締付リング(22)及びねじ山付き取り付け部品(24、24’)が設けられ、
前記取り付け部品は、前記締付リングと相互作用し、
前記取り付け部品(24、24’)は、前記支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)のうちの一方にねじ込みにより収容され、それぞれの他方の支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)を前記一方の支持体に固定するために設置されており、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は、その表面が互いに逆の方向を向いていて、前記支持体(2、2’、2”)または前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)に支えられており、
濾過工程中、前記プラスチック溶融体は、前記濾過方向に前記追加の支持体(4、4’、4”)の通路(10、10’)を通過し、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6)を通過して、前記支持体(2、2’、2”)の通路(10、10’)を通過するように流れ、
逆洗工程中、前記プラスチック溶融体は、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6)を洗浄するために、前記濾過方向とは反対方向に流れ、
前記支持体(2、2’、2”)は、内側支持体であり、
前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)は、外側支持体であり、前記溶融体流動のための通路(10、10’)があり、
前記取り付け部品(24、24’)は、前記フィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)の一方の端部から前記フィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)の他方の端部まで、前記内側支持体(2、2’、2”)の自由空洞(28)を通って延びているタイロッド(33)である
ことを特徴とするフィルタキャンドル。
【請求項3】
前記外側支持体(4、4’、4”)は、壁領域において通路を有する中空体として設計され、
前記内側支持体(2、2’、2”)及び前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は、前記外側支持体(4、4’、4”)の空洞内に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタキャンドル。
【請求項4】
前記外側支持体(4、4’、4”)は、前記内側支持体(2、2’、2”)と同様に設計され、
前記内側支持体は、円筒状の外側形状を有し、
前記外側支持体(4、4’、4”)は、円筒状の内側形状を有し、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は、前記内側支持体と前記外側支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)との間の間隙内に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項5】
前記内側支持体及び前記外側支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)は、同軸状に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項6】
前記内側支持体及び前記外側支持体の各々は、多辺形からなる群から選択される、外側形状及び内側形状を有しており、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は、多辺形の断面を有している
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は、管体形状を有し、
前記フィルタエレメント(6’)は、周方向にプリーツがある
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項8】
その壁領域の外側面が前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6’)に対面している前記内側支持体(2、2’、2”)、及び/又は、その壁領域の内側面が前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6’)に対面している前記外側支持体(4、4’、4”)が、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6’)の前記プリーツ付き周辺の折り目の間に延びる固定エレメントを有する
ことを特徴とする請求項7に記載のフィルタキャンドル。
【請求項9】
前記内側支持体及び前記外側支持体(2”、4”)の各々は、周方向にプリーツがあり、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6”)は、前記内側及び外側支持体(2”、4”)の間の波形の(corrugated)間隙内に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項10】
前記内側支持体及び外側支持体(2、2’、2”、4、4’、4”)は、リバーシブルの着脱可能な接続部を介して互いに結合されており、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)が交換可能となるように設計されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項11】
前記取り付け部品は、前記内側支持体(2、2’、2”)の自由内部空間に突入する円錐形セグメント(26、26’)を有する
ことを特徴とする請求項2乃至10のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項12】
前記取り付け部品(24、24’)は、前記フィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)の一方の端部から前記フィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)の他方の端部まで、前記内側支持体(2、2’、2”)の自由空洞(28)を通って延びているタイロッド(33)である
ことを特徴とする請求項1、3乃至11のいずれか一項に記載のフィルタキャンドル。
【請求項13】
プラスチック加工機械又は装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内部のプラスチック溶融体流動のための流路と、
を備え、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の逆洗可能なフィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)が、前記流路内に配置されている
ことを特徴とするプラスチック加工機械又は装置。
【請求項14】
プラスチック加工機械又は装置内で、プラスチック溶融体から汚染物質を分離するための、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の逆洗可能なフィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)の使用。
【請求項15】
プラスチック溶融体から汚染物質を分離するフィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)であって、
溶融体流動が通過するように誘導され得て、前記溶融体流動中に含有される汚染物質を保持するように設置された、少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)と、
前記溶融体流動のための複数の通路がある壁領域を有する中空体形状であって、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)を支持する支持体(2、2’、2”)と、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)の前記支持体(2、2’、2”)と反対側で前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)と関連付けられた少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)と、
を備え、
前記少なくとも1つの追加の支持体(4、4’、4”)は、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)の表面領域に作用するように、及び/又は、それらを収容するように、設置されており、前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は通常の濾過方向と反対方向に流れる前記溶融体流動を介して逆洗されるように構成されており、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6、6’、6”)は、管体形状を有し、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6’)は、周方向にプリーツがあり、
前記支持体(2”)及び前記追加の支持体(4”)は、周方向にプリーツがあり、
前記少なくとも1つのフィルタエレメント(6”)は、前記支持体(2”、4”)及び前記追加の支持体(4”)の間の波形の(corrugated)間隙内に配置されている
ことを特徴とするフィルタキャンドル(1、1’、1”、1”’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック溶融体から汚染物質を分離するためのフィルタキャンドルであって、溶融体流動が可能であり、製品流動中に含有される汚染物質を保持するために設置された少なくとも1つのフィルタエレメントと、フィルタエレメントを支持する支持体とを有し、該支持体が、溶融体流動のための複数の通路がある壁領域を有する中空体形状である、フィルタキャンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、溶融体流動中の汚染物質を除去するために、そして、溶融体流動から製造される中間及び最終製品の高い製品品質を確保するために、フィルタキャンドルが、プラスチック溶融体の濾過に使用されることが知られている。更に、プラスチック溶融体を更に加工する成形用及び/又は射出成形用の型の長寿命化を、プラスチック溶融体の濾過によって実現しようとしている。
【0003】
そのような濾過装置(そのデザインのためフィルタキャンドルと称される)は、プラスチック溶融体が誘導される、少なくとも1つのフィルタエレメントを有する。フィルタエレメントは、溶融体流動に含有される汚染物質を保持するように設置され、その結果プラスチック溶融体の更に先の加工に影響を及ぼさないようにしている。その上、既知のフィルタキャンドルは、フィルタエレメントを支持するために支持体を備える。フィルタエレメントの前後の溶融体の流動方向での圧力差から生じる力は、該支持体によって吸収される。この力は、フィルタエレメントのフィルタ面積に作用し、支持体なしではフィルタエレメントの変形をもたらすことになる。支持体に対してフィルタエレメントを固定するために、フィルタエレメントの端部領域は、例えば支持体に溶接される。プラスチック溶融体の濾過工程中、フィルタエレメントは、保持された汚染物質によって徐々に目詰まりし、その結果、対応する濾過期間後、フィルタキャンドル全体を交換しなければならない。取り外したフィルタキャンドルの目詰まりしたフィルタエレメントは、高コストで洗浄することが可能であり、既知のフィルタキャンドルは、プラスチック溶融体の濾過に約10回まで使用できる可能性がある。洗浄工程中にフィルタエレメントのフィルタ材が損傷されていないか、洗浄後、注意しなければならない。特別で、精巧な試験が、この目的のため実行される。
【0004】
例えば、フィルタハウジングの内側に挿入される、プラスチック溶融体の濾過用のフィルタキャンドルは、DE199 12 433 A1で知られている。フィルタキャンドルは、プラスチック溶融体用の支持管壁に通路を有する支持管で支持された、中空の円筒状フィルタエレメントを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術による既知のフィルタキャンドルの不利な点は、可能性がある再利用前の、目詰まりしたフィルタエレメントの複雑な洗浄にある。そのような洗浄は、フィルタキャンドルからプラスチックを抽出するために、化学溶剤又は加熱方法で行われる可能性がある。一般に、これは、複数回の洗浄サイクルで生じる。更に、フィルタエレメントからの汚染物質の除去は、例えば超音波洗浄によって、なお必要とされることがある。洗浄実行後、フィルタ材が効率的に洗浄されたか、損傷はないか、異なる試験方法によって、それぞれなお分析しなければならない。これは、また、プラスチック溶融体から製造された製品の製造コストに影響を及ぼす。
【0006】
したがって、本発明は、フィルタエレメントの簡易化された洗浄と、長い使用可能寿命と、を可能にする上記のタイプのフィルタキャンドルを提供するという課題に基づいている。詳細には、少なくとも1つの既知のフィルタキャンドルの代替を実現しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1に記載の特徴を有する、プラスチック溶融体から汚染物質を分離するためのフィルタキャンドルを用いて、根本的な目的を達成する。少なくとも1つの追加の支持体が、フィルタエレメントの支持体と反対側で該フィルタエレメントと特に関連付けられ、該追加の支持体は、フィルタエレメントの表面領域に作用するように設置され、及び/又は、フィルタエレメントが逆洗可能になるようにそれらを収容するように設置されている。
【0008】
本発明は、少なくとも1つの追加の支持体を用いて、支持力が、フィルタエレメントの側から、プラスチック溶融体が通常濾過工程中に流動するフィルタエレメントの好ましくは複数の表面領域に作用する可能性がある、という認識を利用する。したがって、フィルタエレメントは、洗浄の際フィルタキャンドルの取り外しの必要性が無く、通常の濾過と逆方向の溶融体流動によって、逆洗され得る。少なくとも1つの追加の支持体又は複数の追加の支持体が提供される。追加の支持体は、好ましくは、フィルタエレメントが支持体と反対側の複数の表面領域で収容され及び/又は支持されるように、配置され、設計される。したがって、フィルタエレメントが、その通常の濾過方向の反対方向に、変形及び/又は転置することを回避する。フィルタエレメントを形成するために使用されるフィルタ材は、損傷を受けないままである。フィルタエレメントにある汚染物質は、通常の濾過方向の反対方向の溶融体流動を介する簡易化された方法で、フィルタエレメントから放出される。本発明により実現する逆洗の可能性のため、標準洗浄工程間の時間間隔が顕著に増大する可能性がある。それによって、本発明によればフィルタキャンドルの有効寿命が標準のフィルタキャンドルに比較して複数倍延長する。例えば、フィルタ材のみが交換され、支持体、取り付け部品、及び取り付け装置はシステムに長く留まる状況が現われる可能性がある。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの追加の支持体は、好ましくは互いに平行に、距離を置いて配置される複数の保持支柱を有する。保持支柱は、好ましくは、通常の濾過工程中に、前記支持体によって支持される側とは反対側のフィルタエレメント上で、フィルタエレメントの表面領域にわたって均一な分布で配置される。
【0010】
本発明の好ましい発展形態では、支持体が内側支持体であって、少なくとも1つの追加の支持体が外側支持体であり、溶融体流動のための通路があることが規定されている。逆洗工程中にフィルタエレメントに作用する力は、好ましくは単一部品である外側支持体によって安全に吸収される可能性がある。外側支持体は、横方向及び長手方向に互いに対して延びる保持支柱又は棒を有する支持格子の一種として設計することができる。外側支持体は、好ましくは、フィルタエレメントの外側寸法に適合する寸法を有し、好ましくは、逆洗工程中にフィルタエレメントの表面領域全体にわたって均一な力の導入が行われる。好ましくは中空体として設計される内側支持体は、少なくとも1つの表面領域において、濾過される溶融体流動のための通路を有する。フィルタエレメントは、その壁がプラスチック溶融体のための通路を備えた、少なくとも内側支持体の領域が覆われるようなサイズを有する。
【0011】
外側支持体が、好ましくは、壁領域において通路を有する中空体として設計され、内側支持体及びフィルタエレメントが、外側支持体の空洞内に配置される。本発明のフィルタキャンドルのコンパクトな実施形態は、内側支持体とフィルタエレメントが外側支持体の空洞内に配置される、中空体としての外側支持体の設計によって実現される。中空体として設計された内側及び外側支持体は、好ましくは、壁領域内に、好ましくは適合して互いに対して延びる通路を有する。これにより、相対的に大きな表面領域がプラスチック溶融体の通路のために設置される。これにより、フィルタキャンドルの圧力損失が低くなる。プラスチック溶融体は、好ましくは、通常の濾過工程中に外側から内側に本発明によるフィルタ体を通って流動し、逆に逆洗工程は内側から外側に行われる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、内側支持体は外側支持体と同様に設計され、内側支持体は好ましくは円筒形の外側形状を有し、外側支持体は好ましくは円筒状の内側形状を有し、フィルタエレメントは内側支持体と外側支持体との間の間隙に配置される。円筒形状として理解されるのは、略円筒形状であり、その結果、内側支持体と外側支持体が異なる横断面を有する可能性がある。本発明の好ましい実施形態によれば、内側及び外側支持体は中空円筒として設計される。フィルタエレメントは、内側及び外側支持体の間の間隙内に配置され、フィルタエレメントは、支持体が中空円筒として設計された仮定すると、好ましくは、間隙中の円周であり及び一種のフィルタ管として設計される。
【0013】
本発明の別の好ましい発展形態では、内側及び外側支持体が同軸状に配置され、それによって外側支持体の内側殻表面と内側支持体の外側殻表面との間に均一な間隙が形成される。フィルタエレメントが均一な材料厚さで円周方向に好ましく設計又は配置される均一な間隙は、本発明によるフィルタキャンドルの均一なフィルタ機能をもたらす。内側及び外側支持体は、少なくともプラスチック溶融体が通過する通路を有する壁領域において、均一な壁厚を有する。
【0014】
フィルタエレメントは、その表面が互いに逆の方向を向いて、好ましくは、内側及び外側支持体に当接する。フィルタエレメントは、特に、外側支持体の内側殻表面と内側支持体の外側殻表面との間の間隙を完全に占める。したがって、フィルタエレメントは、通常の濾過工程中、好ましくは逆洗工程中も、それぞれの支持体のそれぞれの関連する壁表面に既に直接当接するということがもたらされる。したがって、支持体とそれら支持体の間に配置されたフィルタエレメントとの間の相対運動は、打ち消される。これにより、フィルタエレメントに作用する力は、それぞれに関連する壁表面によって直接吸収され、フィルタエレメントの望ましくない変形が打ち消される。もし、それが円錐形で、工作機械設計の分野におけるモールスコーン(Morse cone)の設計に匹敵する設計の場合、特に簡単なフィルタ材の取り付け及び取り外しが提供される。
【0015】
内側支持体と外側支持体は、好ましくは、多辺形又は星形からなる群より選択される、外側又は内側形状を有する。多辺形又は星形の実施形態は、特に、溶融体流動が通過する支持体の表面が、中空円筒として設計された内側又は外側支持体と比較して増加するという利点を有する。内側及び外側支持体は、好ましくは、均一な壁厚を有し、その結果内側及び外側支持体のそれぞれの内側及び外側殻表面が互いに同様に設計される。更に、それぞれの支持体の全周にわたって均一な圧力損失が、溶融体流動の通路を有する壁領域上の支持体上の均一な壁厚によって実現される。したがって、フィルタキャンドルの全円周にわたる溶融体流動の均一な流動挙動が、好ましくは保証される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、フィルタエレメントが、本質的に管体形状を有し、フィルタエレメントが、好ましくは、周方向にプリーツがある。このようにフィルタエレメントは、好ましくは、周方向に折り畳まれて配置され、その結果、フィルタエレメント自体のフィルタ面積がフィルタキャンドルの内側支持体と外側支持体との間で増加する。フィルタキャンドルの外側寸法が同じであると仮定すると、フィルタキャンドルを通過する溶融体流動の流動体積が一定であれば、濾過率が向上し、濾過品質が不変であれば、流動体積が増加する可能性がある。プリーツ加工、すなわち周方向へのフィルタエレメントの折り畳みによって、フィルタキャンドルの外形寸法を大きくすることなく、濾過工程を更に改善することができる。プリーツ付きフィルタエレメントによって理解されるのは、互いに対してある角度をなして延びる表面領域を有する少なくとも1つの面積を有するフィルタエレメントである。しかしながら、この場合、表面領域は互いに支えられない。
【0017】
本発明の発展形態によれば、その外側壁表面がフィルタエレメントに関連付けられている内側支持体、及び/又は、その内側壁表面がフィルタエレメントに関連付けられている外側支持体が、プリーツ付きフィルタエレメントの折り目の間に延びる固定エレメントを有することが規定されている。固定エレメントを用いて、プリーツがあるフィルタエレメントの個々の折り目は、工程中のフィルタエレメントの前後の圧力差のために互いに対して固定された整合が保持される。したがって、フィルタ材のフィルタ面積の配置又は折り畳みは、互いに打ち消される。固定エレメントは、本発明に従って設計されたフィルタキャンドルの持続的な機能性を確保する。固定エレメントは、好ましくは、外側支持体の内側殻表面上で放射線状に内向きに、内側支持体の外側殻表面上で本質的に放射線状に外向きに位置する。本発明の一実施形態では、固定エレメントは保持ピンのように設計され、1つ以上の保持ピンがフィルタエレメントの各折り目に突入する。あるいは、本発明の別の実施形態では、固定エレメントは、内側及び外側支持体の壁表面上に配置され、中心軸に本質的に平行に延びる保持棒として設計される。
【0018】
本発明の好ましい代替の実施形態では、内側支持体と外側支持体は、フィルタエレメントが支持体間のプリーツ状の間隙に配置される、フィルタキャンドルを形成するために使用される内側支持体と外側支持体の外側又は内側の形状に応じて周方向プリーツがある。プリーツ付きフィルタエレメントと比較して、内側及び外側支持体のプリーツ設計は、本発明によるフィルタキャンドル上に増加したフィルタ面積を設計する別の可能性を表す。したがって、実行しなければならない逆洗工程間の時間間隔を延長することができ、その結果、使用中のフィルタエレメントの運転上信頼できる長期機能性を更に改善することができる。内側及び外側プリーツ付き支持体の間に使用されるフィルタエレメントは、内側及び外側支持体の形状に適合した表面領域を有していてもよく、又は本発明の別の実施形態では更に折り畳まれていてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、内側及び外側支持体は、リバーシブルの着脱可能な接続部を介して互いに結合されており、フィルタエレメントは交換可能なように設計されていることが規定されている。前もって決められた有効寿命後にフィルタエレメントがもはや清掃することができない、本発明によって設計されたフィルタキャンドルのフィルタエレメントは、その後、簡易化された方法でそのままで交換することができる。汚染されたフィルタエレメントは、洗浄することなく更に交換することができる。したがって、本発明によるフィルタキャンドルでは、実際に摩耗を受けやすい部品のみが交換される。この目的のために、内側及び外側の支持体は、必要に応じて設置及び再度解除もできる接続、好ましくはねじ込み式接続、を介して互いに取り付け及び取り外しすることができる。この場合、内側及び外側支持体は、当該内側及び外側支持体の間にフィルタエレメントに必要な間隙がそれぞれ形成されるように、前もって決められた整合で互いに固定される。内側及び外側支持体は、好ましくは、互いに同軸状に配置される。更に、内側支持体に対する外側支持体の軸の整合又は固定が行われる。プラスチック溶融体がフィルタエレメントの周りを流動するのを防止するために、フィルタエレメントの両端部を封止することも、アセンブリのプリストレスのため行われる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、フィルタキャンドルの内側支持体は、当該内側支持体上に形成された取り付けセグメントを介してプラスチック加工機械又は装置のハウジング内に収容される。当該機械又は装置のハウジング内に、フィルタキャンドルを通って誘導され濾過されるプラスチック溶融体のための流路が形成される。取り付けセグメントは、好ましくは、フィルタキャンドルの出口領域に設けられ、取り付けセグメントは、好ましくは、ねじ山を有する接続パイプを備え、当該接続パイプの内径は出口領域の直径を定める。
【0021】
代替実施形態では、内側支持体の代わりに外側支持体がプラスチック加工機械又は装置のハウジングに取り付けられる。
【0022】
内側又は外側の支持体は、好ましくは、それぞれ他方の支持体のための当接部品を有し、この当接部品を介して、整合が支持体の長手方向に互いに対して定められる。当接部品により、通路を有する壁領域が好ましくは互いに適合又は整合するように、又は支持体間に本質的に均一な間隙が存在するように、支持体は、特に互いに対して軸方向及び放射方向に整合する。好ましくは可動支持体のためのセンタリング凹部を有するフランジ体が、2つの支持体のうち可動のもののための当接部品として使用され、本発明の一実施形態では、当該フランジ体は、内側支持体又は外側支持体の一部分として形成される。別の実施形態では、支持体及び当接部品は、別個の部品として形成される。
【0023】
本発明の発展形態によれば、締付リング及び当該締付リングと相互作用する取り付け部品が、ねじ山付きで提供され、取り付け部品はねじ込みにより支持体のうちの一方に収容され、それぞれの支持体をもう一方の支持体に固定するために設置される。締付リング及び取り付け部品は、特に、それぞれの可動支持体を固定する当接部品を有する支持体に、ねじ込みにより収容される。可動体及び締付リングの当接部品並びに締付リングと相互作用する取り付け部品は、好ましくは、互いに対して整合されるべき支持体の両端部に配置される。本発明の一実施形態によれば、当接部品は、通常の濾過工程中に溶融体流動のための出口領域が配置された内側支持体の端部と関連付けられている。締付リング及び取り付け部品は、好ましくは、別々の部品として設計されており、これにより、取り付け部品をねじ止めする際に、締付リングは、好ましくは、外側支持体に回転固定方法で固定する。締付リングは、フィルタエレメントの端部を封止するために更に必要な力を提供する。一実施形態では、取り付け部品は、ツールを配置するためのツールショルダーを有し、ツールショルダーは、好ましくは、フラットを横切る幅として設計される。
【0024】
取り付け部品は、好ましくは、支持体の自由内部空間に突入する円錐形セグメントを有し、当該円錐形セグメントは、好ましくは、一方の端部から内側支持体の少なくとも約4分の1長さまで自由内部空間へわたって延びる。支持体内の自由内部空間内の円錐形セグメントは、プラスチック溶融体が誘導されたように流動しないデッドスペースを自由流動断面内で回避又は低減することを、確保する。内部空間中の円錐形セグメントは、フィルタキャンドル内部のすべての領域を通って出口に向かって濾過されるプラスチック溶融体の均一な流動を生成する。本発明の一実施形態では、円錐形セグメントは、通路が設けられた内側支持体の壁領域の全長の少なくとも約4分の1にわたって延びる。
【0025】
本発明の特に好ましい実施形態では、取り付け部品は、内側支持体の一方の端部から他方の端部まで延びるタイロッドとして設計される。実際には、高粘度のプラスチック溶融体の逆洗を仮定すると、必然的にフィルタエレメントと支持体の長手方向の伸長を招くおそれがある非常に高い圧力負荷が生じることがある。タイロッドを介してこれらの力を吸収し、大きな壁厚の支持体を設計しないことが有利である。これにより、濾過工程及び逆洗工程中に、より高い流動抵抗が回避される。タイロッドとして設計された取り付け部品は、好ましくは、その全長にわたって円錐形状を有する。
【0026】
更に、追加の態様では、本発明は、ハウジングと、当該ハウジング内を流動するプラスチック溶融体のための流路と、当該流路内に配置されたプラスチック溶融体の濾過のためのフィルタキャンドルと、を有するプラスチック加工機械又は装置に関する。
【0027】
本発明は、流路内に配置されたフィルタキャンドルが、上記の好ましい実施形態に従って設計され、したがって逆洗することができることにより、本発明によるプラスチック加工機械又は装置の基本的な課題を解決する。本発明によるこのような逆洗可能なフィルタキャンドルは、プラスチック加工機械又は装置のハウジングから取り外されることなく、時折、逆洗工程によって簡易化された方法で洗浄され得る。したがって、フィルタエレメントの流入領域は特に洗浄され、閉塞物は除去され、その結果フィルタキャンドルは長期間にわたる有効寿命を有し、プラスチック加工機械は、断続的な中断なしに、長時間にわたり運転される可能性がある。本発明によるフィルタキャンドルは、好ましくは、ねじ山を有する取り付けセグメントを介して、機械又は装置のハウジングに堅く接続される。取り付けセグメントは、内側又は外側支持体上に形成される。
【0028】
本発明によるフィルタキャンドルに関して記載された好ましい実施形態又は発展形態は、また、プラスチック溶融体からプラスチック部品を製造するための本発明によるプラスチック加工機械又は装置の同時に好ましい実施形態又は設計である。
【0029】
さらなる態様において、本発明は、プラスチック加工機械又は装置を通るプラスチック溶融体から汚染物質を分離するための、上述の好ましい実施形態のいずれかによる逆洗可能なフィルタキャンドルの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明によるフィルタキャンドルの第1の例示的な実施形態の分解図での斜視図である。
図2図1によるフィルタキャンドルの縦断面図である。
図3】本発明によるフィルタキャンドルの別の実施形態の横断面図である。
図4】本発明によるフィルタキャンドルの第3の例示的な実施形態の斜視図である。
図5図4によるフィルタキャンドルの縦断面図である。
図6】本発明によるフィルタキャンドルの第4の例示的な実施形態の分解図での斜視図である。
図7図6によるフィルタキャンドルの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明を、様々な例示的実施形態を用いて添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0032】
図1は、内側支持体2、及び、内側支持体2と外側支持体4との間に配置されるフィルタエレメント6のための外側支持体4、を有するフィルタキャンドル1を示す。内側支持体2及び外側支持体4は、好ましくは、壁に複数の通路10、10’を有する中空円筒8、8’として設計される。フィルタエレメント6は、内側及び外側支持体2、4の通路10、10’を覆うフィルタ材12を有し、フィルタ材12は、内側支持体2の外側壁表面14と外側支持体4の内側壁表面16との間に、フィルタ管の形状で配置されている。フィルタエレメント6は、内側殻表面18及び外側殻表面18’を有し、支持体2、4の壁表面14、16に支えられている。
【0033】
内側支持体2上には、フィルタエレメント6と外側支持体4とのためのフランジ状の止め部20が配置されており、止め部20によって、少なくとも、フィルタエレメント6の長手方向の整合と内側支持体2に対する外側支持体4の整合が行われる。止め部20は、通常の濾過プロセス中の溶融体流動のための出口21を有する内側支持体2の端部に配置されている。内側支持体2の他方の端部に、締付リング22及びこの締付リング22と相互作用する取り付け部品24が配置されている。取り付け部品24は、内側支持体2の他方の端部とねじ留めされている。フィルタエレメント6と外側支持体4は、当接部品20と締付リング22との間に固定されている。当接部品20と締付リング22とにより、支持体2、4とフィルタエレメント6との放射線状方向の互いに対しての整合が同様に行われている。
【0034】
図2は、図1によるフィルタキャンドル1の縦断面図を示す。図2が示すように、内側支持体2、外側部支持体4、及び、支持体2、4の間に配置されたフィルタエレメント6は、同軸状に配置されている。支持体2、4の通路10、10’は、それぞれ、フィルタエレメント6のフィルタ材12によって完全に覆われている。取り付け部品24は、プラスチック溶融体のための出口21の反対側に位置して内側支持体2の自由内部空洞28内に突入して内側支持体2の端部を封止する円錐形セグメント26を有している。円錐形セグメント26は、空洞28内に無流動領域が生じないか最小限になることを確保し、したがって、溶融体は目標として設定した態様で出口21に供給される。
【0035】
プラスチック溶融体の濾過工程の間、当該溶融体は、本質的に放射線状に誘導される流動方向30で、外側から、外側支持体4の通路10’を通って、フィルタエレメント6を通って、内側支持体2の通路10を通って、自由空洞28へ流動する。そこから、プラスチック溶融体は、フィルタキャンドル1の内側支持体2の出口21を介して、自由空洞28から本質的に軸方向に誘導される流動方向32に流動する。逆洗工程の間、プラスチック溶融体は、フィルタエレメント6を洗浄するために、流動方向32、30とは反対方向に流動する。
【0036】
図3には、内側支持体2の外側壁表面14と外側支持体4の内側壁表面16との間に配置されたフィルタエレメント6’を有するフィルタキャンドル1’の追加の例示的な実施形態が示されている。フィルタエレメント6’は周方向にプリーツがある。フィルタエレメント6’は周方向にプリーツを有し、それによって、図2に示すフィルタエレメント6と比較してそのフィルタ面積が増加している。
【0037】
図4及び図5は、内側支持体2’と、外側支持体4’と、を有する第3の実施形態のフィルタキャンドル1”を示す。管体として設計されたフィルタエレメント6は、中空円筒8、8’として設計されている内側支持体2’の外側壁表面14と外側支持体4’の内側壁表面16との間に配置されている。フィルタキャンドル1”は、更に、内側支持体2’とは別個に設計された当接部品20’を備えている。当接部品20’は、プラスチック溶融体のための出口21’を有する内側支持体2’の端部に配置し、取り付けることができる。当接部品20’を介して、ここに示す実施形態のフィルタエレメント6及び外側支持体4’もまた、軸方向及び放射線状方向に整合されて固定され、端部で封止されている。出口21’の反対側の端部には、図示された実施形態では、タイロッド33を有する取り付け部品24’を介してフィルタエレメント6と外側支持体4’を固定する締付リング22が再度設けられている。図2の取り付け部品24と同様に、出口21’を有する端部まで延びるタイロッド33は、円錐形セグメント26’を有している。
【0038】
更に図5に示すように、タイロッド33の端部に配置されたねじ山付きピン36用のねじ込み軸受け筒34もまた、出口21’の領域に設けられている。支持体2’の内側の空洞28からプラスチック溶融体が流動することができる複数の通路チャネル38が、出口21’を取り囲む取り付けセグメント37とねじ込み軸受け筒34との間に形成されている。
【0039】
本発明の第4の例示的な実施形態によるフィルタキャンドル1”’を図6及び図7に示す。フィルタキャンドル1”’は、内側支持体2”、外側支持体4”及びフィルタエレメント6”を有し、支持体2”、4”及びフィルタエレメント6”は中空体として設計され、周方向にプリーツ付きの、すなわち折り畳まれた本体壁40、40’、42を有している。図示された実施形態では、支持体2”、4”及びフィルタエレメント6”は、横断面が星形である。折り畳まれた実施形態では、汚染物質が除去されるプラスチック溶融体のための増加したフィルタ面積が生成されている。
【0040】
外側支持体4”及びフィルタエレメント6”は、内側支持体2”内に配置又は取り付け可能な当接部品20を介して、並びに、締付リング22及び取り付け部品24を介して、内側支持体2”に対して軸方向及び放射線状方向に、再度整合され、及び/又は、後で取り付けられ又は止められる。取り付け部品24は、内側支持体2”の空洞28’内にセグメントで突入する円錐状セグメント26を有している。同一の構成要素は同じ参照番号で示されている。
【符号の説明】
【0041】
1,1’,1”,1”’ フィルタキャンドル
2,2’,2” 内側支持体
4,4’,4” 外側支持体
6,6’,6” フィルタエレメント
8,8’ 中空円筒
10,10’ 通路
12 フィルタ材
14,14’ 外側壁表面
16,16’ 内側壁表面
18,18’ 殻表面
20,20’ 当接部品
21,21’ 出口
22 締付リング
24,24’ 取り付け部品
26,26’ 円錐形セグメント
28,28’ 空洞
30,32 流動方向
33 タイロッド
34 ねじ込み軸受け筒
36 ねじ山付きピン
37 取り付けセグメント
38 通路チャネル
40,40’ 本体壁
42 本体壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7