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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】感圧スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20230208BHJP
   H01H 13/00 20060101ALI20230208BHJP
   G01L 1/14 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H01H36/00 K
H01H36/00 J
H01H13/00 C
G01L1/14 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019014364
(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公開番号】P2020123481
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 敬久
(72)【発明者】
【氏名】藤江 吉弘
(72)【発明者】
【氏名】三浦 充紀
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-119621(JP,A)
【文献】特開2000-292271(JP,A)
【文献】国際公開第2018/150739(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
H01H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された導電性の第1ランドと、
前記第1ランド上に配置された誘電部材と、
上方から押下されていないときの前記誘電部材との間の距離が所定の離隔距離となるように前記誘電部材の上方に前記誘電部材から離隔して配置され、上方から押下されることに応じて前記誘電部材との間の距離が前記離隔距離よりも短くなる可とう性の導電部材と、
前記基板上に配置され、前記第1ランド、前記誘電部材及び前記導電部材を封止する封止シートと、
前記第1ランドに電気的に接続された第1電極と、
前記導電部材に電気的に接続された第2電極と、を有し、
前記導電部材は、前記封止シートから少なくとも一部が離隔して配置される、
感圧スイッチ。
【請求項2】
高さが前記離隔距離である枠状の平面形状を有し、前記誘電部材と前記導電部材との間に配置されることで、前記誘電部材と前記導電部材とを前記離隔距離だけ離隔するスペーサ枠部材を更に有する、請求項に記載の感圧スイッチ。
【請求項3】
前記基板と前記封止シートの間に上枠部材を更に有する、請求項1又は2に記載の感圧スイッチ。
【請求項4】
前記第1ランドと絶縁されるように前記基板上に配置された導電性の第2ランドと、
前記基板上に配置され、前記第1ランド、前記第2ランド、前記誘電部材及び前記導電部材を収容する収容部が形成される外枠部材と、
前記第2ランドと前記導電部材とを電気的に接続する接続部材と、を更に有し、
前記接続部材は、前記外枠部材の内側面に沿って配置され、
前記導電部材は、前記誘電部材上に配置される本体部、及び前記本体部から前記外枠部材の方向に延伸して前記接続部材に電気的に接続する突出部を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の感圧スイッチ。
【請求項5】
前記基板上に配置され、前記第1ランド、前記誘電部材及び前記導電部材を収容する収容部が形成される外枠部材と、
前記基板、前記第1ランド、前記外枠部材、前記誘電部材、及び前記導電部材を収納する導電性の収納ケースと、を更に有し、
前記導電部材は、前記誘電部材上に配置される本体部、及び前記本体部から前記外枠部材の外側面まで延伸して収納ケースに電気的に接続する突出部を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の感圧スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧スイッチ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の移動体通信機器や、ペンタブレット装置等の電子機器に使用される操作スイッチとして感圧スイッチが使用されている。感圧スイッチは、内部に誘電部材と、誘電部に空隙を介して隣接して配置される導電部材を有し、上方から押下されたときの誘電部材と導電部材間の空隙の距離変化による静電容量変化を検出するスイッチである。
【0003】
誘電部材と導電部材が接触した時の静電容量は表面状態により変化するため、感圧スイッチは、防塵性、防水性が求められる。
【0004】
特許文献1には、誘電体と、誘電体の一の面に取り付けられた第1の電極と、他の面側に配置された可撓性を有する第2の電極と、第2電極と他の面との間を離隔するスペーサとを有する可変容量コンデンサが開示されている。可変容量コンデンサは、第2電極と他の面との間の距離を変化させる押圧体とを更に有し、感圧スイッチとして機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平05-275283号公報
【0006】
しかし、特許文献1に記載された、可変容量コンデンサは、防塵性、防水性を有さず、誘電体と第2の電極の間の静電容量は、接触面の表面状態により大きく変化、又は検出不能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、製造が容易で防塵性、及び防水性に優れた感圧スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る感圧スイッチは、基板と、基板上に配置された導電性の第1ランドと、第1ランドと絶縁されるように基板上に配置された導電性の第2ランドと、第1ランド上に配置された誘電部材と、上方から押下されていないときの誘電部材との間の距離が所定の離隔距離となるように誘電部材の上方に誘電部材から離隔して配置され、上方から押下されることに応じて誘電部材との間の距離が隔離距離よりも短くなる可とう性の導電部材と、第2ランドと導電部材とを電気的に接続する接続部材と、基板上に配置され、第1ランド、第2ランド、誘電部材及び導電部材を収容する収容部が形成される外枠部材と、外枠部材上に配置され、収容部に収容された第1ランド、第2ランド、誘電部材及び導電部材を封止する封止シートと、第1ランドに電気的に接続された第1電極と、第2ランドに電気的に接続された第2電極と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る感圧スイッチは、導電部材が、上に凸な導電性バネであることが好ましい。
【0010】
本発明に係る感圧スイッチは、高さが隔離距離である枠状の平面形状を有し、誘電部材と導電部材との間に配置されることで、誘電部材と導電部材とを離隔距離だけ離隔するスペーサ枠部材を更に有することが好ましい。
【0011】
本発明に係る感圧スイッチは、外枠部材と封止シートの間に上枠部材を更に有することが好ましい。
【0012】
本発明に係る感圧スイッチは、外枠部材が、上面と下面とを貫通する貫通孔が形成され、接続部材は、上端が導電部材に接し、且つ、下端が第2ランドに接するように貫通孔に挿入されることが好ましい。
【0013】
本発明に係る感圧スイッチは、接続部材が外枠部材の内側面に沿って貼り付けられていることが好ましい。
【0014】
本発明に係る感圧スイッチは、接続部材が、基板、第1ランド、第2ランド、誘電部材、導電部材、封止シート及び外枠部材を収納し、外枠部材の外側面に沿った導電性の収納ケースであることが好ましい。
【0015】
本発明に係る感圧スイッチは、下方に凸状の形状を有する底部、底部から上方に向かって延伸する棒状の軸部、及び軸部の側面から軸部の延伸方向と直交する方向に延伸するフランジを有し、底部が封止シートと接するように配置されるプランジャーと、軸部が貫通可能な開口が形成された上面、及び上面の端部から上面に直交する方向に延伸する側面を有するプランジャーケースと、を更に有し、フランジは、上面と封止シートとの間に配置されることが好ましい。
【0016】
本発明に係る感圧スイッチは、第1ランド、及び第1ランドと絶縁された第2ランドが配置された基板が複数連接した形状の集合基板に、複数の基板が連接した形状に対応して、感圧スイッチを構成する外枠部材が複数連接された形状の集合外枠部材を配置し、各第1ランド上に誘電部材をそれぞれ配置し、各第2ランドと導電部材とを電気的に接続する接続部材を配置し、各誘電部材と隔離して導電部材をそれぞれ配置し、各導電部材を覆い、集合外枠部材上に集合封止シートを配置し、集合外枠部材上に集合封止シートが配置された集合基板を加熱して、集合基板及び集合封止シートと外枠部材とを接着すると共に、第2ランド及び電動部材と接続部材とを接着し、集合外枠部材上に集合封止シートが配置された集合基板を切断することを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製造が容易で防塵性、及び防水性に優れた感圧スイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態の感圧スイッチの一例の構成の概要を説明する図であり、(a)は、感圧スイッチ1の斜視図であり、(b)は感圧スイッチ1の分解斜視図であり、(c)は(a)に示したA-A′線における断面図である。
図2】第1実施形態の感圧スイッチが上方からの押下によって、変化する状態を説明する断面図であり、(a)は感圧スイッチ1が上方から押下されていないときの断面図であり、(b)は感圧スイッチ1が上方から押下されたときの断面図である。
図3】感圧スイッチの製造方法の一例を示す図である。
図4】第2実施形態の感圧スイッチの一例の構成の概要を説明する図であり、(a)は感圧スイッチの3斜視図であり、(b)は感圧スイッチ3の分解斜視図であり、(c)は(a)に示したA-A′線における断面図である。
図5】第2実施形態の感圧スイッチが上方からの押下によって、変化する状態を説明する断面図である。(a)は感圧スイッチ3が上方から押下されていないときの断面図であり、(b)は感圧スイッチ3が上方から押下されたときの断面図である。
図6】第3実施形態の感圧スイッチの一例の構成の概要を説明する図であり、(a)は感圧スイッチ4の斜視図であり、(b)は感圧スイッチ4の分解斜視図であり、(c)は(a)に示したA-A′線における断面図である。
図7】第3実施形態の感圧スイッチが上方からの押下によって、変化する状態を説明する断面図である。(a)は感圧スイッチ4が上方から押下されていないときの断面図であり、(b)は感圧スイッチ4が上方から押下されたときの断面図である。
図8】感圧スイッチの接続部材の変形例を示す図であり、(a)は変形例1の感圧スイッチ5の一例を示す断面図であり、(b)は変形例2の外枠部材の外側面に沿った内側面を有する一例を示す断面図である。
図9】上方からの押下に対応した本発明の感圧スイッチの第1電極と第2電極間の電圧を検出する電圧検出システムの一例を示し、(a)は感圧スイッチと等価な感圧コンデンサを示し、(b)は電圧検出システムのブロックダイヤグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の一側面に係る感圧スイッチについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。尚、以下の説明及び図において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
[第1実施形態の感圧スイッチの構成の概要]
図1は、第1実施形態の感圧スイッチの一例の構成の概要を説明する図であり、(a)は、感圧スイッチの斜視図であり、(b)は感圧スイッチの分解斜視図であり、(c)は(a)に示したA-A′線における断面図である。
【0021】
感圧スイッチ1は、基板10、第1ランド11、第2ランド12、外枠部材13、誘電部材14、スペーサ枠部材15、接続部材16、導電部材17、上枠部材18、及び封止シート19を有する。感圧スイッチ1の製造工程において、例えば熱硬化性樹脂製接着剤を使用して各部材を接着するため、感圧スイッチ1を構成する部材は、リフローに対応できる耐熱性を有することが好ましい。
【0022】
基板10は、例えば絶縁性樹脂材料により形成された平板状の部材であり、矩形の表面を有する。基板10上には、導電性の第1ランド11が配置される。第1ランド11は、例えば矩形の平板導体であり、基板10の上面中央部に配置され、上面に誘電部材14を載置する。第1ランド11の外周側に、第1ランド11と絶縁されるように導電性の第2ランド12が配置される。第2ランド12は、例えば円形の平板導体である。尚、第2ランド12は、例えば、円形の代わりに、矩形でもよく、また第1ランド11を囲む矩形枠状の平板導体でもよい、さらに平板導体を複数設けてもよい。第1ランド11及び第2ランド12は、導電性プラスチック等の導電性部材により形成され、基板10の表面に配置される。尚、第1ランド11及び第2ランド12は、金属箔、例えば銅箔が蒸着された基板をエッチングすることにより形成されてもよい。
【0023】
外枠部材13は、第1ランド11を囲み、第2ランド12を覆うように、基板10上面に配置される。外枠部材13は、基板10の外周に合わせて樹脂材料により構成される、例えば矩形の枠状の部材であり、接着剤又は接着部材、例えば接着シート20を介して基板10の上面に接着される。接着剤又は接着部材は熱硬化性樹脂を素材とすることが好ましい。各部材の配置後に加熱して接着することができるからである。
【0024】
外枠部材13が基板10上面に配置されることにより、外枠部材13は、第1ランド11を囲み、第2ランド12、誘電部材14、スペーサ枠部材15及び導電部材17を収容する収容部131を形成する。
【0025】
外枠部材13は、貫通孔132と切欠きガイド133を有する。貫通孔132は、第2ランドと導電部材17とを電気的に接続するための接続部材16を挿入するための孔であり、外枠部材13の上面から下面に抜けるように設けられている。貫通孔132は、貫通孔132の下面側開口が、第2ランド12の少なくとも一部分と重なるように設けられている。尚、貫通孔132の開口形状は、接続部材の形状に対応すれば、円以外の、例えば矩形形状であってもよい。
【0026】
又、基板10上面に外枠部材13を接着するための接着シート20は、貫通孔132の下面側開口と第2ランド12の重なる部分に対応する部分が開口している。第2ランド12と導電部材17とを電気的に接続するためである。同様に、接着剤、例えば熱硬化性樹脂製接着剤を塗布して、基板10上面に外枠部材13を配置するときも、貫通孔132の下面側開口と第2ランド12の重なる部分に対応する部分には接着剤は塗布されない。
【0027】
切欠きガイド133は、導電部材17の突出部172と嵌合する溝であり、突出部172を外枠部材13上面の貫通孔132の開口に導く。
【0028】
誘電部材14は平板状の部材であり、第1ランド11上に配置される、例えば比誘電率1,000以上、厚さ0.2mm以上の誘電体である。誘電体は、例えばチタン酸バリウムである。誘電部材14は、感圧スイッチが上方から押下されたときの誘電部材14と導電部材17間の空隙の距離変化による静電容量変化の感度を高める作用をする。誘電部材14は不図示の接着剤又は接着部材を介して第1ランド11の上面に接着される。
【0029】
スペーサ枠部材15は、絶縁性を有する平板状の枠部材であり、上平面の高さが所定の隔離距離となるように誘電部材14上に配置され、誘電部材14と導電部材17とを隔離して空隙を形成する。スペーサ枠部材15は、例えば厚さ0.005mm以上0.5mm以下の絶縁性樹脂である。スペーサ枠部材15は不図示の接着剤又は接着部材を介して誘電部材14の上面に接着される。
【0030】
接続部材16は、貫通孔132に挿入され、第2ランド12と導電部材17とを電気的に接続する、例えば円柱状の導電性樹脂により形成される。一例として、接続部材16は立方体形状や、略円錐形状でもよい。又、貫通孔132に、例えば導電性熱硬化性樹脂ペースト、ハンダペーストを注入し、導電部材17を配置した後に、加熱処理により接続部材16が形成されてもよい。第2ランド12と導電部材17との電気的接続を確実にすることが容易にできる。
【0031】
導電部材17は、本体部171と突出部172を有し、可とう性を有する、例えば平板状の導電性ゴムにより形成される。導電部材17の厚さは0.1mm以上1.0mm以下である。本体部171は、スペーサ枠部材15上に配置され、突出部172は、本体部171から外枠部材13方向に延伸し、切欠きガイド133と嵌合して、外枠部材13上面の貫通孔132開口に達し、接続部材16と電気的に接続する。
【0032】
導電部材17は、感圧スイッチ1が上方から押下されていないときの誘電部材14との間の距離が所定の離隔距離となるように誘電部材14の上方に離隔して配置される。導電部材17は、上方から押下されることに応じて誘電部材14との間の距離が所定の隔離距離よりも短くなり、誘電部材14と導電部材17の間の静電容量が変化する。
【0033】
上枠部材18は、基板10の外周に合わせて樹脂材料により構成される、例えば矩形の枠状の部材であり、不図示の接着剤又は接着部材を介して外枠部材13の上面に接着される。切欠きガイド133と嵌合する突出部172の固定を強化するためである。尚、上枠部材18は、外枠部材13の切欠きガイド133に代えて、又は、同じく切欠きガイドを下面側に設けてもよい。尚、上枠部材18は省略されてもよい。
【0034】
封止シート19は、導電部材17を覆うように、不図示の接着剤又は接着部材を介して上枠部材18の上面に接着される。封止シート19は、防水性と可とう性を有する、例えばポリイミド製のシートで成形されている。封止シート19を使用することにより、収容部131に収容された第1ランド11、第2ランド12、誘電部材14、スペーサ枠部材15、及び導電部材17を封止することができ、感圧スイッチ1の防塵、及び防水性が確保される。更に、各部材を接着する接着剤又は接着部材は防塵性、防水性を有することが好ましい。
【0035】
図1(c)は図1(a)に示したA-A′線における断面図である。基板10上面に外枠部材13が配置されることにより、第1ランド11を囲み、第2ランド12、誘電部材14、スペーサ枠部材15及び導電部材17を収容する収容部131が形成される。
【0036】
基板10の下面には、第1ランド11とビアホール101を介して接続する第1電極102と、第2ランド12とビアホール103を介して接続する第2電極104が形成される。第1電極102と第2電極104を介して感圧スイッチ1は外部機器と接続される。外部機器から第1電極と第2電極間に所定の電圧が印加される。第2電極は、誘電部材14と導電部材17との間の距離が所定の離隔距離よりも短くなることに応じて変化する第1電極との間の電圧を出力する。
【0037】
図2は、第1実施形態の感圧スイッチが上方からの押下によって、変化する状態を説明する断面図である。(a)は感圧スイッチ1が上方から押下されていないときの断面図であり、(b)は感圧スイッチ1が上方から押下されたときの断面図である。
【0038】
感圧スイッチ1が上方から押下されていないとき、誘電部材14と導電部材17との間の所定の隔離距離はdである。感圧スイッチ1は、押下体200、例えば、指、非誘電性樹脂製ペンによって封止シート19の上方から押下されると、封止シート19は下に凸となり、導電部材17の本体部171を押し下げる。導電部材17は、可とう性を有する、例えば平板状の導電性ゴムにより形成されているので、本体部171が下に凸に湾曲する。本体部171が下に凸に湾曲することにより、誘電部材14と導電部材17の間の距離は所定の隔離距離よりも短いd-Δdとなり、誘電部材14と導電部材17の間の静電容量が変化する。
【0039】
[感圧スイッチの製造方法の一例の概要]
第1実施形態の感圧スイッチを一例として、本発明に係る感圧スイッチを複数個まとめて製造する工程を説明する。
【0040】
図3は感圧スイッチの製造方法の一例を示す図である。(a)は複数の基板が連接した形状の集合基板21上に複数の接着シートが連接した形状の集合接着シート22を介して複数の外枠部材が連接した形状の集合外枠部材23が配置される工程を示す図である。(b)は集合基板21と集合外枠部材23により形成された各ボックス24内に誘電部材14、スペーサ枠部材15、接続部材16、及び導電部材17がそれぞれ配置される工程を示す図である。(c)は上枠部材が連接した形状の集合上枠部材25が配置され、更に複数の封止シートが連接した形状の集合封止シート26が配置される工程を示す図である。(d)は、集合基板を切断する工程を示す図である。
【0041】
まず、感圧スイッチ1の基板10が複数個、例えば2×3の計6個の基板10が連接した形状の一枚の集合基板21が用意される。各基板10の上面には、例えばパターンエッチングで形成された第1ランド11と第2ランド12がそれぞれ配置されている。
【0042】
集合基板21の上面に集合接着シート22が配置される。集合接着シート22は、各基板10の第1ランドと第2ランドに対応する部分が開口している接着シートである。集合接着シート22の上に、集合外枠部材23が配置される。集合外枠部材23は、集合基板21の各基板10の配列と同じ配列で複数の外枠部材13が連接した形状の集合外枠部材である。集合基板21と集合外枠部材23を配置することにより複数の、本例では2×3の計6個のボックス24が形成される。各ボックス24は、第1ランド11を囲み、第2ランド12、誘電部材14、スペーサ枠部材15及び導電部材17を収容する収容部131に相当する。
【0043】
次に、各ボックス24内に、誘電部材14、スペーサ枠部材15、接続部材16、及び導電部材17がそれぞれ配置される。誘電部材14は第1ランド11上に配置され、スペーサ枠部材15は誘電部材14上に、例えば熱硬化性樹脂製接着剤又は接着シートを介して配置される。接続部材16は、貫通孔132に挿入される。接続部材16が、例えば導電性熱硬化性樹脂ペースト、ハンダペーストのときは、ペーストはディスペンサを使用して貫通孔132に注入される。導電部材17は切欠きガイド133に勘合するように配置される。
【0044】
更に、上枠部材が連接した形状の集合上枠部材25が配置され、更に複数の封止シートが連接した形状の集合封止シート26が例えば熱硬化性樹脂製接着剤又は接着シートを介して配置され、感圧スイッチ1が連接する集合感圧スイッチ27ができる。尚、感圧スイッチ1が上枠部材を使用しないときは、集合上枠部材25は配置されない。集合感圧スイッチ27は、接着剤又は接着シートの熱硬化、及び接続部材16に使用する導電性熱硬化性樹脂ペースト、ハンダペーストの溶融のために加熱処理が行われる。加熱処理後、集合感圧スイッチ27が常温となった後、集合感圧スイッチ27は、図3(d)の破線に示すように切断され、本例では、2×3の計6個の感圧スイッチ1となる。
【0045】
[第2実施形態の感圧スイッチの構成の概要]
第1実施形態の感圧スイッチでは、上方からの押下は封止シートに対して行われる。第2実施例の感圧スイッチでは、封止シートの上にプランジャーを設け、上方からの押下はプランジャーに対して行われるようにしている。
【0046】
図4は、第2実施形態の感圧スイッチの一例の構成の概要を説明する図であり、(a)は感圧スイッチの斜視図であり、(b)は感圧スイッチの分解斜視図であり、(c)は(a)に示したA-A′線における断面図である。
【0047】
感圧スイッチ3は、基板10、第1ランド11、第2ランド12、外枠部材13、誘電部材14、スペーサ枠部材15、接続部材16、導電部材17、上枠部材18、封止シート19、プランジャー31、及びプランジャーケース32を有する。
【0048】
基板10、第1ランド11、第2ランド12、外枠部材13、誘電部材14、スペーサ枠部材15、接続部材16、導電部材17、上枠部材18、及び封止シート19については、実施形態1の感圧スイッチ1と同じであるため、説明を省略する。
【0049】
プランジャー31は封止シート19の上に配置される。プランジャー31は、封止シート19と接する凸状の形状を有する底部311、底部311から上方に向かって延伸する棒状の軸部312、及び軸部312の側面から軸部312の延伸方向と直交する方向に延伸するフランジ313とを有する。プランジャー31は、例えばポリフタルアミド製の樹脂モールドで形成される。
【0050】
プランジャーケース32は、基板10の外周に合わせて樹脂材料により構成される、例えば矩形の枠状のケースであり、不図示の接着剤又は接着部材を介して封止シート19の上面に接着される。プランジャーケース32は、開口321が形成された上面、及び上面の端部から上面に直交する方向に延伸する側面を有し、開口321からプランジャー31のフランジ313より上の部分を突出させ、プランジャー31のフランジ313を含む下の部分を収納する。
【0051】
プランジャー31は、上方から押圧が加わると基板10に垂直な方向に移動して、封止シート19に押圧が伝わる。プランジャー31を介することにより、微妙な押圧変化の検出が可能となる。
【0052】
図5は、第2実施形態の感圧スイッチが上方からの押下によって、変化する状態を説明する断面図である。(a)は感圧スイッチ3が上方から押下されていないときの断面図であり、(b)は感圧スイッチ3が上方から押下されたときの断面図である。
【0053】
感圧スイッチ3が上方から押下されていないとき、誘電部材14と導電部材17との間の所定の隔離距離はdである。感圧スイッチ3は、押下体200によってプランジャー31の頭部が押されると、プランジャー31の底部311と接する封止シート19が上方から押下されることになるので封止シート19は下に凸となり、導電部材17の本体部171を押し下げる。導電部材17は、可とう性を有する、例えば平板状の導電性ゴムにより形成されているので、本体部171が下に凸に湾曲する。本体部171が下に凸に湾曲することにより、誘電部材14と導電部材の間の距離は所定の隔離距離よりも短いd-Δdとなり、誘電部材14と導電部材17の間の静電容量が変化する。
【0054】
[第3実施形態の感圧スイッチの構成の概要]
第1及び第2実施形態の感圧スイッチは、平坦な板状の導電部材を使用する。第2実施例の感圧スイッチは、上に凸な導電性バネを導電部材として使用する。
【0055】
図6は、第3実施形態の感圧スイッチの一例の構成の概要を説明する図であり、(a)は感圧スイッチの斜視図であり、(b)は感圧スイッチの分解斜視図であり、(c)は(a)に示したA-A′線における断面図である。
【0056】
感圧スイッチ4は、基板40、第1ランド41、第2ランド42、外枠部材43、誘電部材44、接続部材45、導電部材46、封止シート47を有する。
【0057】
基板40は、例えば絶縁性樹脂材料により形成された平板状の部材であり、矩形の表面を有する。基板40上には、導電性の第1ランド41が配置される。第1ランド41は、例えば矩形の平板導体であり、基板40の上面中央部に配置され、上面に誘電部材44を載置する。第1ランド41の外周側に、第1ランド41と絶縁されるように導電性の第2ランド42が配置される。第2ランド42は、例えば円形の平板導体である。尚、第2ランド42は、例えば第1ランド41を囲む矩形枠状の平板導体でもよい。第1ランド41及び第2ランド42は、導電性プラスチック等の導電性部材により形成され、基板40の表面に配置される。尚、第1ランド41及び第2ランド42は、金属箔、例えば銅箔が蒸着された基板をエッチングすることにより形成されてもよい。
【0058】
外枠部材43は、第1ランド41を囲み、第2ランド42を覆うように、基板40上面に配置される。外枠部材43は、基板40の外周に合わせて樹脂材料により構成される、例えば矩形の枠状の部材であり、接着剤又は接着部材、例えば接着シート20を介して基板40の上面に接着される。
【0059】
外枠部材43が基板40上面に配置されることにより、外枠部材43は、第1ランド41を囲み、第2ランド42、誘電部材44、及び導電部材46を収容する収容部431を形成する。
【0060】
外枠部材43は、貫通孔432と、外枠部材の内側面を切欠いた対向する2つの切欠き部433、434を有する。貫通孔432は、第2ランド42と導電部材46とを電気的に接続するための接続部材45を挿入するための孔であり、切欠き部433の上面から外枠部材43の下面に抜けるように設けられている。貫通孔432は、貫通孔432の下面側開口が、第2ランド42の少なくとも一部分と重なるように設けられている。尚、貫通孔432の開口形状は、円以外の、例えば矩形形状であってもよい。接続部材45の形状に対応するためである。
【0061】
又、基板40上面に外枠部材43を接着するための接着シート48は、貫通孔432の下面側開口と第2ランドの重なる部分に対応する部分が開口している。第2ランドと導電部材46とを電気的に接続するためである。同様に、接着剤、例えば熱硬化性接着剤を塗布して、基板40上面に外枠部材43を接着するときも、貫通孔432の下面側開口と第2ランド42の重なる部分に対応する部分には接着剤は塗布されない。
【0062】
2つの切欠き部433、434は、誘電部材44の上に架橋される導電部材46の2つの端部を配置するために外枠部材43の内側面を切欠いて対向するように設けられている。
【0063】
誘電部材44は平板状の部材であり、第1ランド41上に配置される、例えば比誘電率1,000以上、厚さ0.2mm以上の誘電体である。誘電部材44は、感圧スイッチ4が上方から押下されたときの誘電部材44と導電部材46間の空隙の距離変化による静電容量変化の感度を高める作用をする。誘電部材44は不図示の接着剤又は接着部材を介して第1ランド41の上面に接着される。
【0064】
接続部材45は、貫通孔432に挿入され、第2ランド42と導電部材46とを電気的に接続する、例えば、円柱状の導電性樹脂により形成される。一例として、接続部材45は立方体形状でもよい。又、貫通孔432に、例えば導電性熱硬化性樹脂ペースト、ハンダペーストを注入し、導電部材46を配置した後に、加熱処理により接続部材45が形成されてもよい。
【0065】
導電部材46は、上方からの押下に応じて湾曲可能な弾性を有する導電性の板バネ部材であり、例えばステンレス鋼により構成される。また、導電部材46は、導電性樹脂材料で構成されるバネ部材であってもよい。導電部材46は、湾曲したバネ形状を有する本体部461と本体部461の端部から本体部の内側方向に折り曲げられて延伸する突出部462を有する。導電部材46は、誘電部材44に対して上に凸となるように2つの切欠き部433、434に配置される。
【0066】
導電部材46は、誘電部材44の上に架橋され、感圧スイッチ4が上方から押下されていないとき誘電部材44との間の距離が所定の離隔距離となるように誘電部材44の上方に誘電部材44から離隔して配置され、誘電部材44と隔離した空隙を形成する。感圧スイッチ4が上方から押下されたとき、誘電部材44と導電部材46の本体部461間の隔離距離変化により第1ランド41と導電部材46の本体部461間の静電容量が変化する。
【0067】
突出部462は、本体部461の端部から本体部の内側方向に折り曲げられて延伸し、切欠き部433上面の貫通孔432の開口に達しているので、接続部材45と電気的に接続する。
【0068】
封止シート47は、導電部材46を覆うように、不図示の接着剤又は接着部材を介して外枠部材43の上面に接着される。封止シート47は、防水性と可とう性を有する、例えばポリイミド製のシートで成形されている。封止シート47を使用することにより、収容部431に収容された第1ランド41、第2ランド42、誘電部材44、及び導電部材46を封止することができ、感圧スイッチ4の防塵性、防水性が確保される。更に、各部材を接着する接着剤又は接着部材は防塵性、防水性を有することが好ましい。
【0069】
図6(c)は図6(a)に示したA-A′線における断面図である。基板40上面に外枠部材43が配置されることにより、第1ランド41を囲み、第2ランド42、誘電部材44、及び導電部材46を収容する収容部431が形成される。
【0070】
基板40の下面には、第1ランド41とビアホール401を介して接続する第1電極402と、第2ランド42とビアホール403を介して接続する第2電極404が形成される。第1電極402と第2電極404を介して感圧スイッチ4は外部機器と接続される。
【0071】
図7は、第3実施形態の感圧スイッチが上方からの押下によって、変化する状態を説明する断面図である。(a)は感圧スイッチが上方から押下されていないときの断面図であり、(b)は感圧スイッチが上方から押下されたときの断面図である。
【0072】
感圧スイッチ4が上方から押下されていないとき、誘電部材44と導電部材46との間の所定の隔離距離はdである。押下体200によって封止シート47が上方から押下されると封止シート47は下に凸となり導電部材46の本体部461を押し下げる。導電部材46は、湾曲可能な弾性を有する導電性の板バネ部材であるので、本体部461が下に湾曲して、外枠部材43の対向する2つの切欠き部433、434のそれぞれの側面方向に広がり、切欠き部433、434のそれぞれの側面に接触する。本体部461が湾曲することにより、誘電部材44と導電部材46の間の距離は所定の隔離距離よりも短いd-Δdとなり、誘電部材14と導電部材17の間の静電容量が変化する。
【0073】
[接続部材の変形例]
第1~3実施形態の感圧スイッチは、接続部材を外枠部材の貫通孔に挿入していた。変形例1の感圧スイッチは、接続部材を外枠部材の内側面に沿わせた例である。変形例2の感圧スイッチは、接続部材を導電性の収納ケースとして外枠部材の外側面に沿わせた例である。説明を簡単にするため第1実施形態の感圧スイッチ1の変形例として説明するが、接続部材の変形例は第1実施形態の感圧スイッチに限定されるわけではない。
【0074】
図8は、感圧スイッチの接続部材の変形例を示す図であり、(a)は変形例1の感圧スイッチの一例を示す断面図であり、(b)は変形例2の感圧スイッチの一例を示す断面図である。
【0075】
変形例1の感圧スイッチ5は、基板10、第1ランド11、第2ランド52、外枠部材53、誘電部材14、スペーサ枠部材15、接続部材56、導電部材57、上枠部材18、及び封止シート19を有する。外枠部材53の内側面に沿って接続部材56が貼り付けられている。したがって、基板10上の第2ランド52は、接続部材56に接続するように、第1ランド11寄りに移動する。ビアホール503と第2電極504は、第2ランド52の移動に対応するように移動する。導電部材57の突出部572は、接続部材56に接続するように短くなっている。更に、外枠部材53に貫通孔と切欠きガイドは設けられていない。
【0076】
変形例2の感圧スイッチ6は、基板10、第1ランド11、第2ランド62、外枠部材63、誘電部材14、スペーサ枠部材15、導電部材67、上枠部材18、及び封止シート19を収納する導電性の収納ケース66を有する。収納ケース66は、例えば金属製又は導電性樹脂製のケースである。収納ケース66は、封止シート19を覆い外枠部材63と上枠部材18の外側面に沿って基板10の下面に達する。第2ランド62は、収納ケース66と電気的に接続するように基板10の外周まで延伸し、突出部672は、収納ケース66と電気的に接続するように外枠部材63の外側面まで延伸している。導電性の収納ケース66は接続部材として機能する。
【0077】
収納ケース66と封止シートとの間、収納ケース66と基板10の外周との間を防水性接着剤で固着することにより、感圧スイッチ6の防塵性、防水性は更に高くなる。尚、第2電極604から導体パターンを収納ケース66にまで延伸して電気的に接続するようにすれば、第2ランド62は不要となる。
【0078】
[感圧スイッチの電圧検出システム]
上方からの押下に対応した本発明の感圧スイッチの第1電極と第2電極間の電圧を検出する電圧検出システムの一例を説明する。説明を簡単にするために、第1実施形態1の感圧スイッチ1を例として説明するが、電圧検出システムは第1実施形態の感圧スイッチ1に限定されるものではない。
【0079】
図9は、上方からの押下に対応した本発明の感圧スイッチの第1電極と第2電極間の電圧を検出する電圧検出システムの一例を示し、(a)は感圧スイッチと等価な感圧コンデンサを示し、(b)は電圧検出システムのブロックダイヤグラムを示す。
【0080】
感圧スイッチ1は、上方からの押下に応じて誘電部材14と導電部材17との間の隔離距離の変化に対応して静電容量が変化することから、可変容量コンデンサ7と等価である。第1電極102と第2電極104はそれぞれ可変容量コンデンサ7の端子に相当する。可変容量コンデンサ7の静電容量をCsと表わす。
【0081】
電圧検出システム8は、発振回路81、発振回路81の出力端子に接続されているスイッチトキャパシタ回路82、スイッチトキャパシタ回路82の出力端子に接続されているサンプルホールド回路83、発振回路81の出力端子とサンプルホールド回路83との間に接続されているモノステーブルマルチバイブレータ84、及びサンプルホールド回路83の出力端子に接続されている増幅器85とを有する。
【0082】
スイッチトキャパシタ回路82は、オペアンプ86、オペアンプ86の反転入力端子と発振回路81との間に接続されている静電容量がCrである基準コンデンサ87、オペアンプ86の反転入力端子と出力端子の間に接続されている静電容量がCsである可変容量コンデンサ7、及び可変容量コンデンサ7に並列に接続されていると共に発振回路81に接続されているアナログスイッチ88とを有する。
【0083】
アナログスイッチ88を発振回路81と同期してスイッチングさせると、可変容量コンデンサ7と基準コンデンサ87の静電容量の商に比例した半波の振幅変調の出力が得られる。この出力電圧Voutは,
Vout=-Vp・(Cr/Cs)
と表わされる。ここで、Vpは可変容量コンデンサ7と基準コンデンサ87への印加電圧である。
【0084】
発振回路81の出力信号を受けるモノステーブルマルチバイブレータ84は、タイミングパルスを生成してサンプルホールド回路83に与える。このサンプルホールド回路83は、タイミングパルスを受けた時点のオペアンプ86の出力を保持して増幅器85に与える。電圧検出システム8により、可変容量コンデンサ7の静電容量Crに比例した出力電圧Voutを検出することが可能となる。
【0085】
本発明に係る感圧スイッチは、基板の平面形状を矩形として説明したが、他の平面形状、例えば円形としてもよい。又、基板形状にあわせて配置される、第1ランド、外枠部材、誘電部材、スペーサ枠部材、導電部材の本体部、上枠部材、及び封止シートの少なくとも1つの平面形状が円形状であってもよい。
【0086】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0087】
1、3、4、5,6 感圧スイッチ
10、40 基板
102、402 第1電極
104、404、504,604 第2電極
11、41 第1ランド
12、42、52,62 第2ランド
13、43、53,63 外枠部材
14、44 誘電部材
15 スペーサ枠部材
16、45、56、66 接続部材
17、46 導電部材
18 上枠部材
19、47 封止シート
21 集合基板
22 集合接着シート
23 集合外枠部材
24 ボックス
25 集合上枠部材
26 集合封止シート
27 集合感圧スイッチ
8 電圧検出システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9