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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】冷蔵庫、ガラス部材
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
F25D23/02 304A
F25D23/02 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019015636
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020122633
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-09-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】磯野 啓博
(72)【発明者】
【氏名】尾渡 謙児
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/098614(WO,A1)
【文献】特開2012-207857(JP,A)
【文献】意匠登録第1332154(JP,S)
【文献】意匠登録第1446529(JP,S)
【文献】意匠登録第1288184(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
日本意匠分類 C6-51333 ~ C6-51342
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ部を有するガラス部材を備え、
前記ガラス部材の側面部は、貯蔵室扉の回動軸部よりも後側まで延びており、
前記貯蔵室扉を複数備え、
前記ガラス部材は、複数の前記貯蔵室扉にそれぞれ備えられており、
上下に並ぶ前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、前記曲げ部の形状が同じであり、
上下に並ぶ前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、それぞれ切欠き部を有し、
上下に並ぶ前記貯蔵室扉のうち上側の前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、当該ガラス部材の下部に前記切欠き部を有し、
上下に並ぶ前記貯蔵室扉のうち下側の前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、当該ガラス部材の上部に前記切欠き部を有し、
上側の前記切欠き部の左右方向における端部と下側の前記切欠き部の左右方向における端部が上下方向において対応している冷蔵庫。
【請求項2】
前記ガラス部材は、ガラス製の平面状の部材を曲げたものである請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記ガラス部材は、前記曲げ部の少なくとも一方側に平面部を有する請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記ガラス部材は、端部に前記曲げ部を有する請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記曲げ部の曲げ角度は90°以上である請求項1から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記曲げ部の曲げ半径は20mm以上である請求項1から5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記曲げ部の厚さは、当該曲げ部以外の部分の厚さよりも薄い請求項1から6の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記曲げ部は、内径と外径の長さが異なる請求項1から7の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記曲げ部は、内面側において曲がり始める始点と外面側において曲がり始める始点とが異なる請求項1から8の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記ガラス部材は、一端側に設けられる前記曲げ部の形状と、他端側に設けられる前記曲げ部の形状とが異なる請求項1からの何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記ガラス部材は、前記曲げ部の一部に平面部を有する請求項1から10の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記ガラス部材は、前記曲げ部の一方側にある端面が前記曲げ部の他方側にある表面に対して垂直ではない非垂直形状となっている請求項1から11の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
請求項1から12の何れか1項の冷蔵庫に備えられるガラス部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫、および、冷蔵庫に備えられるガラス部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば意匠性を高めるために筐体の表面に化粧板を設けることがある。例えば冷蔵庫であれば、貯蔵室を開閉する貯蔵室扉の前面に板状のガラス部材を設けることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-50760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来では、この種のガラス部材は、貯蔵室扉の前面において上下左右の四方から別部材により囲むことで固定されている。そのため、ガラス部材と別部品との寸法管理が必須となり、その寸法管理が不十分であると、ガラス部材と別部品との間に隙間が生じたり、ガラス部材と別部品とがずれたりして冷蔵庫の外観が損なわれてしまう。また、ガラス部材と別部品は、それぞれ異なる素材で形成されている。そのため、素材の相違からガラス部材と別部品との間に質感などの相違が生じてしまい、この点も、冷蔵庫の外観が損なわれる一要因となっている。
【0005】
そこで、本実施形態は、別部品を用いることなくガラス部材を備えるようにした冷蔵庫、および、冷蔵庫に備えられるガラス部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、曲げ部を有するガラス部材を備え、前記ガラス部材の側面部は、貯蔵室扉の回動軸部よりも後側まで延びており、前記貯蔵室扉を複数備え、前記ガラス部材は、複数の前記貯蔵室扉にそれぞれ備えられており、上下に並ぶ前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、前記曲げ部の形状が同じであり、上下に並ぶ前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、それぞれ切欠き部を有し、上下に並ぶ前記貯蔵室扉のうち上側の前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、当該ガラス部材の下部に前記切欠き部を有し、上下に並ぶ前記貯蔵室扉のうち下側の前記貯蔵室扉に備えられる前記ガラス部材は、当該ガラス部材の上部に前記切欠き部を有し、上側の前記切欠き部の左右方向における端部と下側の前記切欠き部の左右方向における端部が上下方向において対応している
【0007】
本実施形態に係るガラス部材は、曲げ部を有しており、本実施形態に係る冷蔵庫に備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る冷蔵庫の全体の構成例を概略的に示す正面図
図2】本実施形態に係るガラス部材の要部の構成例を概略的に示す図
図3】本実施形態に係るガラス部材の曲げ部およびその周辺部分の構成例を拡大して概略的に示す図
図4】本実施形態に係る観音開き式の貯蔵室扉の構成例を概略的に示す図
図5】本実施形態に係る引き出し式の貯蔵室扉の構成例を概略的に示す図
図6】本実施形態に係る冷蔵庫の一部の構成例を概略的に示す斜視図
図7】本実施形態に係るガラス部材の変形例を概略的に示す図(その1)
図8】本実施形態に係るガラス部材の変形例を概略的に示す図(その2)
図9】本実施形態に係るガラス部材の側面部の構成例を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、冷蔵庫に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する冷蔵庫1は、その外郭を構成する矩形箱状の断熱箱体2の内部に複数の貯蔵室、この場合、冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、小冷凍室6、大冷凍室7を備えている。この場合、冷蔵室3は、断熱箱体2の最上部に設けられている。野菜室4は、冷蔵室3の下部に設けられている。製氷室5および小冷凍室6は、野菜室4の下部において左右に並べて設けられている。大冷凍室7は、製氷室5および小冷凍室6の下部、換言すれば、断熱箱体2の最下部に設けられている。断熱箱体2は、内箱および外箱の間に真空断熱パネルや発泡ウレタンなどの断熱材を備えた構成である。
【0010】
また、複数の貯蔵室3,4,5,6,7は、それぞれ貯蔵室扉によって開閉されるようになっている。この場合、冷蔵室3は、冷蔵庫1の左右方向に回動可能に設けられた、いわゆる観音開き式の左冷蔵室扉3Lおよび右冷蔵室扉3Rによって開閉されるようになっている。この種の観音開き式の左冷蔵室扉3Lおよび右冷蔵室扉3Rは、フレンチタイプの扉と称される場合もある。
【0011】
一方、野菜室4は、冷蔵庫1の前後方向に沿って出し入れ可能に設けられた、いわゆる引き出し式の野菜室扉4Dによって開閉されるようになっている。また、製氷室5は、冷蔵庫1の前後方向に沿って出し入れ可能に設けられた、いわゆる引き出し式の製氷室扉5Dによって開閉されるようになっている。また、小冷凍室6は、冷蔵庫1の前後方向に沿って出し入れ可能に設けられた、いわゆる引き出し式の小冷凍室扉6Dによって開閉されるようになっている。また、大冷凍室7は、冷蔵庫1の前後方向に沿って出し入れ可能に設けられた、いわゆる引き出し式の大冷凍室扉7Dによって開閉されるようになっている。
【0012】
本実施形態に係る冷蔵庫1は、複数の貯蔵室扉3L,3R,4D,5D,6D,7Dの前面に、それぞれガラス部材100を備えている。次に、このガラス部材100について、詳細に説明する。
【0013】
図2に例示するように、ガラス部材100は、いわゆる強化ガラス製の平面状の板材を曲げ加工することにより構成されている。ガラス部材100を構成する強化ガラスは、所定の板厚、例えば、少なくとも板厚3.2mm以上を有する物理的に強化されている物理的強化ガラスや、所定の液体によって化学的に強化処理が施されている化学的強化ガラスなどを用いることができる。平面状の板材を曲げ加工することにより構成されるガラス部材100は、その内面側が中実となる、いわゆる蒲鉾型の部材ではなく、その内面と外面とが全体にわたってほぼあるいは完全に平行に延びる薄い部材となっている。
【0014】
ガラス部材100の長手方向の寸法は、例えば当該ガラス部材100が取り付けられる部位の大きさや形状などに応じて、適宜変更して設定することができる。また、ガラス部材100の短手方向の寸法は、例えば当該ガラス部材100が取り付けられる部位の大きさや形状などに応じて、適宜変更して設定することができる。また、ガラス部材100は、長手方向と短手方向の区別が無い正方形状に形成してもよい。また、ガラス部材100は、矩形状に限られず、種々の形状に形成することができる。
【0015】
ガラス部材100は、少なくとも一部に曲げ部101を有している。曲げ部101は、強化ガラス製の平面状の板材に曲げ加工を施すことにより形成されたものである。曲げ加工の手法としては、例えば、加熱した板材を型に沿わせて自重により曲げる手法、加熱した板材をローラにより曲げる手法など、種々の手法を用いることができる。
【0016】
ガラス部材100は、この曲げ部101を利用して、当該ガラス部材100の一部を貯蔵室扉の図示しない係止部に引っ掛けるようにして取り付けられるようになっている。よって、ガラス部材100は、従来の別部品を用いなくとも、貯蔵室扉の前面に強固に固定することができる。
【0017】
ガラス部材100は、曲げ部101の両端部に平面部102,103を備えている。つまり、ガラス部材100は、平面部102,103の間に曲げ部101を有する構成となっている。平面部102は、ガラス部材100が貯蔵室扉に取り付けられた状態で冷蔵庫1の前面側となる面部である。以下、平面部102を前面部102と称する。一方、平面部103は、ガラス部材100が貯蔵室扉に取り付けられた状態で冷蔵庫1の側面側となる面部である。以下、平面部103を側面部103と称する。なお、ガラス部材100は、曲げ部101の少なくとも一方に平面部を有する構成としてもよい。
【0018】
ガラス部材100は、冷蔵庫1の左右方向に沿う長手方向の端部に曲げ部101を有している。この場合、ガラス部材100は、長手方向の両端部に曲げ部101を有する構成としてもよいし、長手方向の一端部に曲げ部101を有し、他端部に曲げ部101を有しない構成としてもよい。
【0019】
曲げ部101の曲げ角度αは、適宜変更して設定することができるが、少なくとも、例えば90°以上であることが好ましく、より好ましくは、例えば95°以上であるとよい。また、曲げ部101の曲げ角度αは、180°よりも小さい角度範囲内において、適宜変更して設定することができる。
【0020】
曲げ部101の曲げ半径Rは、適宜変更して設定することができるが、少なくとも、例えば20mm以上であることが好ましく、より好ましくは、例えば25mm以上であるとよい。また、曲げ部101の曲げ半径Rの上限値は、適宜変更して設定することができる。
【0021】
平面部102の長手方向の寸法は、例えばガラス部材100が取り付けられる部位の大きさや形状などに応じて、適宜変更して設定することができる。また、平面部102の短手方向の寸法は、例えばガラス部材100が取り付けられる部位の大きさや形状などに応じて、適宜変更して設定することができる。
【0022】
側面部103の長さLは、適宜変更して設定することができるが、本開示に係るガラス部材100では、例えば35mm以下となっている。なお、側面部103の長さLについては、例えば35mm以下が好ましいというわけではなく、例えばガラス部材100が取り付けられる部位の大きさや形状などに応じて、例えば35mmよりも短くしてもよいし長くしてもよい。つまり、側面部103の長さLは、例えばガラス部材100が取り付けられる部位の大きさや形状などに応じて最適な長さを設定するとよい。
【0023】
また、図3に例示するように、曲げ部101の厚さT1は、当該曲げ部101以外の部分、例えば、前面部102や側面部103の厚さT2よりも薄くなっている。なお、曲げ部101の厚さT1と前面部102や側面部103の厚さT2との差は、例えば、曲げ部101の曲げ角度α、曲げ半径R、ガラス部材100の強度、ガラス部材100を構成する材料の性質など応じて異なる。
【0024】
また、曲げ部101は、内径K1と外径K2の長さが異なっている。この場合、曲げ部101は、外径K2の方が内径K1よりも大きくなっている。なお、曲げ部101の内径K1と外径K2との差は、例えば、曲げ部101の曲げ角度α、曲げ半径R、ガラス部材100の強度、ガラス部材100を構成する材料の性質など応じて異なる。
【0025】
また、曲げ部101は、内面側において曲がり始める始点S1と外面側において曲がり始める始点S2とが前後において異なっている。この場合、曲げ部101は、始点S1の方が始点S2よりも後側に位置するようになっている。なお、曲げ部101は、始点S2の方が始点S1よりも後側に位置するように構成してもよい。
【0026】
また、曲げ部101は、内面側において曲がり始める始点S3と外面側において曲がり始める始点S4とが左右において異なっている。この場合、曲げ部101は、始点S3の方が始点S4よりも左右方向の内側に位置するようになっている。なお、曲げ部101は、始点S4の方が始点S3よりも左右方向の内側に位置するように構成してもよい。
【0027】
また、曲げ部101は、始点S1と始点S2とを結ぶ直線L1、および、始点S3と始点S4とを結ぶ直線L2が、ガラス部材100の内側において交わり、外側において交わらない関係となっている。
【0028】
また、図2に例示するように、ガラス部材100は、その端面、この場合、曲げ部101の一方側にある側面部103の端面100Eが表面、この場合、曲げ部101の他方側にある前面部102の表面100Hに対して平行な形状となっている。つまり、ガラス部材100は、側面部103の端面100Eつまり曲げ部101の一方側にある端面100Eが前面部102の表面100Hつまり曲げ部101の他方側にある表面100Hに対して垂直ではない非垂直形状となっている。なお、ガラス部材100は、その端面100Eが表面100Hに対して垂直ではない構成となっていればよく、従って、端面100Eが表面100Hに対して傾斜した構成となっていてもよい。
【0029】
また、図4に例示するように、例えば冷蔵室3の左冷蔵室扉3Lおよび右冷蔵室扉3Rのような観音開き式の貯蔵室扉に取り付けるガラス部材100は、長手方向の一端部、この場合、基端側の端部に曲げ部101を有し、他端部、この場合、自由端側の端部に曲げ部101を有しない構成とするとよい。
【0030】
また、図5に例示するように、例えば野菜室4の野菜室扉4Dのような引き出し式の貯蔵室扉に取り付けるガラス部材100は、長手方向の両端部に曲げ部101を有する構成とするとよい。
【0031】
また、複数の貯蔵室扉にそれぞれガラス部材100を取り付ける場合には、隣接する貯蔵室扉に備えられるガラス部材100の曲げ部101の形状を、同じ曲げ形状とするとよい。図6に例示する構成例では、左冷蔵室扉3Lおよび右冷蔵室扉3Rに取り付けられているガラス部材100の曲げ部101の曲げ形状が、これら左冷蔵室扉3Lおよび右冷蔵室扉3Rの下方に隣接する野菜室扉4Dに取り付けられているガラス部材100の曲げ部101の曲げ形状と同じ形状となっている。
【0032】
このように、隣接する貯蔵室扉に備えられるガラス部材100の曲げ部101の形状を同じ曲げ形状にすることで、隣接する貯蔵室扉の間で一体感あるいは連続感を形成することができ、冷蔵庫1の外観の向上やデザイン性の向上を図ることができる。
【0033】
また、左冷蔵室扉3L,右冷蔵室扉3R,野菜室扉4Dには、それぞれ、取手部3LT,3RT,4DTが設けられている。そのため、ガラス部材100は、これら取手部3LT,3RT,4DTに対応する切欠き部100Kを有する構成とするとよい。
【0034】
また、図7に例示するように、ガラス部材100は、一端側に設けられる曲げ部101の形状と、他端側に設けられる曲げ部101の形状とを異ならせてもよい。つまり、ガラス部材100は、一端側と他端側とで、曲げ部101の曲げ角度αや曲げ半径Rを異ならせてもよい。
【0035】
また、図8に例示するように、ガラス部材100は、曲げ部101の一部に平面部104を有する構成としてもよい。曲げ部101の一部に形成する平面部の数は、1つでもよいし、2つ以上の複数であってもよい。そして、1つの曲げ部101に対し複数の平面部を形成する場合、それら複数の平面部の傾斜角度を異ならせるようにしてもよい。
【0036】
また、図9に例示するように、例えば冷蔵室3の左冷蔵室扉3Lおよび右冷蔵室扉3Rのような観音開き式の貯蔵室扉にガラス部材100を取り付ける場合には、側面部103の長さLを、左冷蔵室扉3Lおよび右冷蔵室扉3Rを回動可能に支持するヒンジ部材10の回動軸部10aを基準に設定するようにしてもよい。図9に例示する構成例では、側面部103は、ヒンジ部材10の回動軸部10aよりも後側まで延びる長さとなっている。なお、側面部103は、ヒンジ部材10の回動軸部10aよりも前側まで延びる長さとしてもよいし、ヒンジ部材10の回動軸部10aまで延びる長さとしてもよい。
【0037】
以上に説明した本開示に係る冷蔵庫1によれば、ガラス部材100は、曲げ部101を有しているので、その曲げ部101を利用して当該ガラス部材100を貯蔵室扉の前面に取り付けることができる。よって、別部品を用いることなくガラス部材100を備えることができる。
【0038】
なお、本開示に係るガラス部材100の構成例は、冷蔵庫1を構成する部材であれば、ガラス製以外の部材、例えば、樹脂製の部材、金属製の部材、透明な部材、不透明な部材などの種々の部材にも適用することができる。また、本開示に係るガラス部材100の構成例は、貯蔵室扉の前面に取り付けられる部材に限られるものではなく、冷蔵庫1を構成する部材であれば、例えば、チルド室の前部を開閉するチルド室扉、庫内灯のカバー、貯蔵室の背面に取り付けられるパネル部材、冷気ダクトを形成するダクト形成部材、貯蔵室の裏面に設けられるドアポケット、貯蔵室内や貯蔵容器内に設けられる仕切り部材などの種々の部材にも適用することができる。即ち、本開示に係る技術思想は、曲げ部を有する冷蔵庫構成部材に適用可能である。
【0039】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
図面中、1は冷蔵庫、3Lは左冷蔵室扉(貯蔵室扉)、3Rは右冷蔵室扉(貯蔵室扉)、4Dは野菜室扉(貯蔵室扉)、5Dは製氷室扉(貯蔵室扉)、6Dは小冷凍室扉(貯蔵室扉)、7Dは大冷凍室扉(貯蔵室扉)、100はガラス部材、101は曲げ部、102は前面部(平面部)、103は側面部(平面部)、104は曲げ部の一部に設けられる平面部を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9