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  • 特許-ピースの高さを調整するためのデバイス 図1a
  • 特許-ピースの高さを調整するためのデバイス 図1b
  • 特許-ピースの高さを調整するためのデバイス 図2
  • 特許-ピースの高さを調整するためのデバイス 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ピースの高さを調整するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   E05F 5/02 20060101AFI20230208BHJP
   F16B 21/06 20060101ALI20230208BHJP
   B60J 5/10 20060101ALN20230208BHJP
【FI】
E05F5/02 Z
F16B21/06 Z
B60J5/10 D
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019067563
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2019183630
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】1852782
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505003193
【氏名又は名称】アー レイモンド エ シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィッド ラムルー
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102011101393(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02840215(EP,A1)
【文献】特開2002-021900(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第03002574(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 5/02
F16B 21/06
B60J 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピース(8)の高さを調整するための調整デバイス(1)であって、前記調整デバイスは、
持体に固定されるように意図される本体(2)であって、雌螺子山が備わっている中央円筒を含む、本体(2)、
の長さの1つの区画にわたって、雄螺子山(7a)、および前記ピース(8)を軸受けするための第1の端部(7c)を有するピン(7)、
を含み、
前記ピン(7)および前記本体(2)は、それらのそれぞれの螺子山を介して互いに接続され、および前記ピン(7)は、回転させられたときに、長手方向軸に沿って移動して、その第1の端部の高さを調整することができ、前記調整デバイスは、前記本体(2)が、側窓(5)が備わっているヘッド(3)を含み、および前記ピン(7)が、その長さの1つの区画にわたって、前記本体(2)の前記側窓(5)と対向して配置されノッチ(7b)を含み、前記調整デバイスが、前記ピン(7)の前記ノッチ(7b)と協働しおよびその動きをインデックス付けするように前記本体(2)の前記側窓(5)内に挿入され得るロック(6)を含む調整デバイス(1)。
【請求項2】
前記ピース(8)は、前記ピン(7)の前記第1の端部(7c)において組み立てられる止め具である
請求項1に記載の調整デバイス(1)。
【請求項3】
前記ピース(8)は、主マーク(8a)を含み、および前記ヘッド(3)には、複数の副マーク(3a、3b)が備わっている
請求項2に記載の調整デバイス(1)。
【請求項4】
前記ロック(6)は、各々可撓性タブ(9)を形成するまたは担持する2つの分枝(6a、6b)を含むU字形ステープルによって形成される
請求項1から3のいずれか一項に記載の調整デバイス(1)。
【請求項5】
各可撓性タブ(9)は、前記ピン(7)のノッチ(7b)内に収容され得るボス(9a)を含む
請求項4に記載の調整デバイス(1)。
【請求項6】
前記ロック(6)は、前記ピン(7)の回転をブロックするための可動南京錠(10)を含む
請求項1から5のいずれか一項に記載の調整デバイス(1)。
【請求項7】
前記可動南京錠(10)は、2つのアームによって形成されるV字形(10b)を有し、前記アームは、前記ノッチ7b)の歯のいずれの側にも配置され得る
請求項6に記載の調整デバイス(1)。
【請求項8】
前記調整デバイス(1)には、6つのノッチが備わっている
請求項1から7のいずれか一項に記載の調整デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドピースの高さを調整するためのデバイスに関する。ピースは、例えば、ボンネット(hood)、トランクドア、後尾扉(tailgate)のような自動車の開口部のための止め具(stop)であり得る。ピースの高さ を調整することによって、開口部は、本体の残りの部分と共に閉位置に正確に位置付けられ得る。
【背景技術】
【0002】
そのようなデバイスは、文献FR3002574(特許文献1)から知られている。それは、車両に固定されるように意図されるスリーブ、および止め具を所定高さ(a given height)に配置するためにスリーブ内にスライド可能である、止め具を軸受けする(bearing)調整要素(adjusting element)、を含む。デバイスは、次いで、調整要素に動き(movement)を与えて、保持ラグを係止溝(locking grooves)内に配置し、ならびに調整要素上およびスリーブ上にそれぞれ配置された歯および溝を合わせることによって、調整要素の任意の動きを係止しおよび止め具の高さ(height)を固定するように、係止される。
【0003】
この文献において提案される解決策は、止め具が特定の高さに配置されることを効果的に可能にする。しかしながら、この高さを、特にデバイスが係止位置(locking position)に配置された後に、簡単に調整することを可能にしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】仏国特許第3002574号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、この問題を改善することである。それは、特に、ピースの高さの例えばインデックス付けによって、簡単な調整を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも部分的に本目的を達成するために、本発明の主題は、ピースの高さを調整するためのデバイスであって、
- 支持体に固定されることが意図される本体であって、雌螺子山が備わっている中央円筒を含む、本体、
- その長さの1つの区画にわたって、雄螺子山、およびピースを軸受けするための第1の端部を有する、ピン、
を含むデバイスを提案する。
【0007】
ピンおよび本体は、それらのそれぞれの螺子山を介して互いに接続され、およびピンは、回転させられたときに、長手方向軸に沿って移動して、その第1の端部の高さを調整することができる。
【0008】
本体は、側窓を備えるヘッドを含み、およびピンは、その長さの1つの区画にわたって、本体の側窓と対向して配置される周囲ノッチ(peripheral notches)を有する。調整デバイスは、本体の側窓内に配置されるロックを含み、ロックは、ピンのノッチと協働して、その動きをインデックス付け(index)する。
【0009】
別個にまたは任意の技術的に実行可能な組み合わせにおいてのいずれかで得られる、本発明の他の有利なおよび非限定的な特徴によると、
- ピースは、ピンの第1の端部において組み立てられる止め具であり、
- 止め具は、主マークを含み、およびヘッドには、複数の副マークが備わっており、
- ロックは、各々可撓性タブを形成するまたは担持する2つの分枝を含むU字形のステープルによって形成され、
- 各可撓性タブは、ピンのノッチ内に受け入れられ得るボスを含み、
- ロックは、ピンの回転をブロックするための可動南京錠(movable padlock)を含み、
- 南京錠は、2つのアームを備えるV字形を有し、アームは、ノッチ領域(notched area)内において歯のいずれの側にも配置され得、
- ノッチ領域には、6つのノッチが備わっている。
【0010】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照してなされた本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】本発明によるデバイスの分解図を示す図である。
図1b】本発明によるデバイスの分解図を示す図である。
図2】本発明によるデバイスの別のビューを示す図である。
図3】本発明によるデバイスのピンのノッチ領域における区画(section)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1a、図1b、図2および図3を参照して、エンドピース8の高さを調整するためのデバイス1は、支持体に強固に接続されるように意図される本体2を含む。「高さ」は、本願においてエンドピース8と本体2上の基準点との間の距離をいうために使用される。デバイス1が自動車開口部の止め具を構成する場合において、支持体は、本体要素または車両シャーシから構成されていてもよい。
【0013】
支持体の種類(nature)がどんなものであったとしても、それには、調整デバイス1の本体2がその中に挿入されて保持され得る開口が備わっている。本目的のために、本体2には、本体2が支持体内に弾性的にインターロックされることを可能にする可撓性タブ、または本体2を支持体上にしっかりと保持するための係止手段、のような保持デバイスが装備されていてもよい。
【0014】
本体2は、長手方向に延び、および雌螺子山を備える中央円筒を画定する。円筒の第1の端部において、本体2は、ヘッド3を含み、その横寸法(transverse dimension)は、その上に支持体を接触して配置することのできる支持体表面を形成する肩を画定するように、円筒のものよりも大きい。本提示において後に詳述されるように、ヘッド3は、ピン7をその中にねじ込むための、円筒の内部に至る主開口を有する。ヘッド3と対向する円筒の他の端部は、閉鎖されていてもよい。
【0015】
任意選択的に、ヘッド3には、図1においてデバイス1上に示されるように、デバイス1と支持体との間の接続がシールされるように、シーリングワッシャ4が取り付けられていてもよい。
【0016】
側窓5は、ロック6を受け入れるために、本体2のヘッド3に設けられている。
【0017】
調整デバイスは、また、ピン7を含む。このピン7は、その長さの1つの区画にわたって、雄螺子山7aを有する。ピンの1つの第1の端部上には、上部接続領域(connecting area)7cが、例えば押込嵌め(push-fit)接続によって、その高さが調整されるべきエンドピース8を受け入れるように、設けられる。図に示される実施例において、この部品8は、エラストマー材料製の止め具から構成される。
【0018】
止め具8は、特に、ピン7の回転の動きのために、その把持を容易にする周囲ノッチ領域(peripheral notched area)8aを有する。
【0019】
ピン7の寸法および本体2の円筒の寸法は、2つの部品が、それらのそれぞれの螺子山を用いてそれらを螺合することによって一緒に組み立てられ得るように選択される。ピン7は、回転して駆動されたときに(when driven in rotation)、次いで長手方向に移動することができ、これは、エンドピース、この場合においてエラストマー止め具8、の高さを調整可能にする。
【0020】
それ自体が良く知られているように、円筒の雌螺子山およびピン7の雄螺子山のピッチは、本体2内におけるピン7の各完全回転に関するエンドピース8の高さの変動を決定するように選択される。例えば、6mmピッチを選択することによって、エンドピース8の高さは、ピン5の回転の6分の1の回転をいずれかの方向に課すことによって、公称高さから+または-1mmずつ変更させられることとなる。
【0021】
調整デバイス1の使用を容易にするために、弾性止め具8上に第1のマーク8bをおよび本体2のヘッド3上に1組の副マーク3a、3bを形成することが計画される。副基準マーク3aは、第1の基準マーク8bがデバイス1の調整構成においてそれと位置合わせされる基準を形成し得る。副マークは、一定角度オフセット(constant angular offset)、この場合において60°ずつ互いから分離される。ピン7を回転させることによって、第1のマーク8bを、副マーク3a、3bのうちの1つと対向して位置付けることができ、およびエンドピースの高さ調整を、正確に制御することができる。
【0022】
調整デバイス1の概説に戻って、ピン7は、また、その長さの区画内にノッチ7bを含む。図3に見られるように、これらのノッチ7bは、ギアのようにピン7の周囲に配置される歯間の空間によって画定され得る。図に示される調整デバイス1は、ピン7の周囲輪郭(peripheral contour)にわたって均一に分布させられた、6つのこれらのノッチを含む。
【0023】
ピン7が、調整位置に、本体2に対して、この本体2内にねじ込まれて、適切に組み立てられたときに、本体2のヘッド3に取り付けられた側窓5は、ピン7のノッチ区画7b内において開かれている。
【0024】
ロック6は、次いで、ヘッド3の側窓5内に挿入され得る。このボルト6は、ピン7のノッチ7bと協働しおよびピン7の回転の動きをインデックス付けするように構成され、したがって、エンドピースの高さをインデックス付けする。
【0025】
ノッチ7bおよびマーク8b、3a、3bの配置を連係させることによって(By coordinating)、エンドピース8の高さを非常に簡単に調整することを可能にする機構があり、ここではピン7の回転の6分の1の回転による。各4分の1回転の回転は、選択された螺子山ピッチによって、例えば1mmまたは2mmずつの、エンドピースの高さの特定の変動に対応する。
【0026】
ロック6は、U字形ステープルの形状を取ることができ、およびしたがって、2つの分枝6a、6bを有する。各分枝6a、6bは、ここではそれを担持する分枝6a、6bの自由端に接続される可撓性タブ9を、形成しまたは担持する。各可撓性タブ9は、ボス9aを含む。ロック6が調整デバイス1の側窓5内に挿入されたときに、調整位置において、分枝6a、6bは、ピン7のノッチ区画(notched section)7bの両側に配置される。ピン7が回転させられるときに、ノッチ区画7bの歯は、可撓性タブ9と、および特にこれらのタブ9の各々の上に配置されるボス9aと、接触して、それらを屈曲させ、およびしたがってピン7が回転するのを可能にする。ピン7の固定された位置(stationary position)は、可撓性タブ9のボス9aがピン7のノッチ7bのうちのいくつかの中に位置付けられたときに得られる。
【0027】
ピン7の回転変位、およびしたがって高さ変位は、このようにインデックス付けされ得る。ボス9を1つのノッチ7bから他方まで移動させるために必要とされる回転力は、ロック6のタブ9の剛性(rigidity)によって決定される。
【0028】
調整デバイス1の有利な代替的な解決策において、およびエンドピース8の高さを確実にブロックするために、ロック6のための係止デバイスが設けられ得る。
【0029】
本目的のために、ロック6は、南京錠10のプッシュゾーン10aに力を働かせることによってロック6内で横方向に移動し得る可動南京錠10を担持する。南京錠10は、ピンが上述のように本体2内において自由に回転して動かされ可撓性のボスタブ9と協働するノッチ6によってインデックス付けされる開放位置を選択的に取ることができる。南京錠10は、また、それが横方向に移動させられたときに、ロック6に入りおよびピン7の回転をブロックする閉位置を取ることもできる。南京錠10は、その端部に、ロック6の2つの分枝6a、6b間を通ることが意図されたV字形10bを有していてもよい。V字形10bのアームは、その回転を防止するために、ピン7のノッチ6と協働するように設計され、V字形の2つのアームは、ピン7のノッチ領域7bの歯の両側に配置される。
【0030】
このようにして、例えばデバイス1がその上に位置付けられる支持体の振動によって引き起こされ得るピン7の何らかの回転の動きおよびエンドピース8の選択された高さの乱れ(disruption)は、防止される。
【0031】
調整デバイス1を使用することは、特に簡単である。それは、すなわち、ノッチ7bが本体2の側窓5と対向して位置付けられるように本体2内にねじ込まれるピンを用いて、調整位置に送達される。ロック6は、可撓性タブのボス9がピン7のノッチ6内にそれぞれ受け入れられるように、窓5内に挿入される。南京錠は、開放位置にある。有利には、エンドピース8上の第1のマーク8bは、本体2のヘッド3上の基準マーク3aと対向する。
【0032】
調整デバイス1は、次いで、支持体上に位置付けられる。エンドピース8、ここではエラストマー止め具、の高さは、次いで、このピースをそのノッチ領域8aにおいて把持することによって、および第1の主マーク8aを副マーク3bのうちの1つの上に配置するようにピン7を回転させることによって、調整され得る。6分の1回転の動きは、ノッチ7bとタブ9のボス9aとの協働によってインデックス付けされる。
【0033】
端部要素(end element)8が選択された高さに位置付けられたときに、デバイス1を、南京錠10の押し付けゾーン(thrust zone)10aに力を働かせることによって係止することができ、これは、南京錠10のV字形アーム10bの各々を、 ピン7のノッチゾーン(notched zone)7b において歯の両側に配置するのに役立つ(tends to)。これは、任意の望ましくないピン7の回転の動きを防止する。
【0034】
今提示されたデバイス1の部品は、プラスチック材料製であってもよく、および射出によってまたは三次元構築(additive construction)によって製造されるデバイスであってもよい。
【0035】
もちろん、本発明は、記載された実地形態に限定されず、および代替的な解決策を、特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、使用することができる。
図1a
図1b
図2
図3