(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230208BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230208BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20230208BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20230208BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/38
B41J29/46 Z
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G21/00 398
H04N1/00 885
(21)【出願番号】P 2019130256
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健二
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-088252(JP,A)
【文献】特開平09-212043(JP,A)
【文献】特開2010-120322(JP,A)
【文献】特開2011-003067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/46
B41J 29/42
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部を備えた本体と、
前記画像形成部の動作に必要なプログラムが記憶された記憶部と、
前記本体への電力の供給を停止する手動スイッチと、
前記手動スイッチを覆う位置に開閉可能に設けられたカバーと、
前記カバーの開閉状態を検知するカバー開閉センサと、
予め定められた操作画面を表示してユーザーの操作を受け付ける操作パネルと、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記手動スイッチの操作のために前記カバーが開かれたことを前記カバー開閉センサが検知した場合、前記画像形成部の動作を終了させる終了スイッチを前記操作パネルに表示させ、
前記終了スイッチによる終了操作を前記操作パネルが受け付けた場合、前記制御部は、前記画像形成部の動作を終了させ、
その後、前記手動スイッチによる停止操作が行われた場合、前記本体への電力の供給を停止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記操作パネルが予め定められた操作を受け付けた場合、前記終了スイッチを前記操作パネルに表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ネットワークを介して接続された予め定められた外部機器からの指令を受信する通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記終了スイッチを前記操作パネルに表示すべき指令を前記通信部が受信した場合、前記終了スイッチを前記操作パネルに表示させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体は、物理的なハードキーとしての前記終了スイッチを備え、
前記制御部は、前記手動スイッチの操作のために前記カバーが開かれたことを前記カバー開閉センサが検知した場合にのみ、前記終了スイッチの操作を有効にし、それ以外の場合は無効にする請求項1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量のハードディスク装置(HDD)を搭載した各種の複合機が普及している。
一般に、複合機は、本体への電力の供給をオン・オフする手動の主電源スイッチを本体前部などに備えている。
【0003】
このような大容量のHDDを搭載した複合機において、複合機用のシステムの起動中に主電源スイッチをオフにした場合、HDDの電力の供給が断たれてシステムが強制終了するため、HDDの記憶領域が壊れてしまうことがある。
【0004】
このような問題を防止するため、従来の複合機は、操作部にシステムの起動・終了用の操作部電源スイッチを設けている。
ユーザーは、操作部電源スイッチをオフにして、システムを終了した上で、主電源スイッチをオフにする正規の手順を経ることにより、HDDの記憶領域が壊れることなく、複合機の電源を安全にオフすることができる。
【0005】
このような問題に関連して、従来、HDDの書き込みエラーが正規手順でオフされた電源オフによるものか否かを判別し、システムを正常復帰できるようにする画像形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、コンビニエンスストアに設置された複合機など、24時間の稼働を想定した複合機の場合、ユーザーが間違って操作部電源スイッチを押下してシステムを終了してしまうおそれがある。
【0008】
このような事情から、ユーザーが勝手に操作部電源スイッチを押下することがないように、操作部電源スイッチを設けず、主電源キーのみを備えた複合機が採用されている。
【0009】
このような操作部電源スイッチを設けていない複合機は、メンテナンスのためにサービスマンが複合機の電源をオフにしたり、コンビニエンスストア等の管理者が一時的に複合機の電源をオフにしたりする場合、正規の手順で電源をオフすることができないため、利便性が高いものとはいえなかった。
【0010】
この発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置のシステム終了用の操作部電源スイッチをユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチを利用可能にする画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)この発明は、画像形成部を備えた本体と、前記画像形成部の動作に必要なプログラムが記憶された記憶部と、前記本体への電力の供給を停止する手動スイッチと、前記手動スイッチを覆う位置に開閉可能に設けられたカバーと、前記カバーの開閉状態を検知するカバー開閉センサと、予め定められた操作画面を表示してユーザーの操作を受け付ける操作パネルと、制御部とを備え、前記制御部は、前記手動スイッチの操作のために前記カバーが開かれたことを前記カバー開閉センサが検知した場合、前記画像形成部の動作を終了させる終了スイッチを前記操作パネルに表示させ、前記終了スイッチによる終了操作を前記操作パネルが受け付けた場合、前記制御部は、前記画像形成部の動作を終了させ、その後、前記手動スイッチによる停止操作が行われた場合、前記本体への電力の供給を停止することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、前記制御部は、前記手動スイッチの操作のために前記カバーが開かれたことを前記カバー開閉センサが検知した場合、前記画像形成部の動作を終了させる終了スイッチを前記操作パネルに表示させ、前記終了スイッチによる終了操作を前記操作パネルが受け付けた場合、前記制御部は、前記画像形成部の動作を終了させるため、画像形成装置のシステム終了用の操作部電源スイッチをユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチを利用可能にする画像形成装置を実現できる。
【0013】
この発明において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー機能)機能を有する複写機や複写以外の機能をも含むMFP(Multifunctional Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
【0014】
この発明の「手動スイッチ」は、主電源スイッチ18によって実現される。また、この発明の「カバー」は、前カバー19によって実現される。また、この発明の「カバー開閉センサ」は、前カバー開閉センサ191によって実現される。また、この発明の「終了スイッチ」は、操作部電源スイッチ1711によって実現される。
【0015】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0016】
(2)この発明の画像形成装置において、前記制御部は、前記操作パネルが予め定められた操作を受け付けた場合、前記終了スイッチを前記操作パネルに表示させるものであってもよい。
【0017】
このようにすれば、所定の操作がなされた場合のみに、画像形成装置のシステム終了用の操作部電源スイッチを表示させることにより、操作部電源スイッチをユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチを利用可能にする画像形成装置を実現できる。
【0018】
(3)ネットワークを介して接続された予め定められた外部機器からの指令を受信する通信部をさらに備え、前記制御部は、前記終了スイッチを前記操作パネルに表示すべき指令を前記通信部が受信した場合、前記終了スイッチを前記操作パネルに表示させるものであってもよい。
【0019】
「予め定められた外部機器」として、ネットワーク3を介して接続された所定の画像形成装置やサーバーなどがあげられる。
【0020】
このようにすれば、所定の外部機器からの通知を受信した場合においてのみ、操作部電源スイッチを表示させることにより、操作部電源スイッチをユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチを利用可能にする画像形成装置を実現できる。
【0021】
(4)この発明の画像形成装置において、前記本体は、物理的なハードキーとしての前記終了スイッチを備え、前記制御部は、前記手動スイッチの操作のために前記カバーが開かれたことを前記カバー開閉センサが検知した場合にのみ、前記終了スイッチの操作を有効にし、それ以外の場合は無効にするものであってもよい。
【0022】
このようにすれば、ハードキーとしての操作部電源スイッチが設置された場合であっても、カバーが開かれた場合においてのみ、操作部電源スイッチを有効にすることで、画像形成装置のシステム終了用の操作部電源スイッチをユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチを利用可能にする画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】この発明の実施形態1に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のデジタル複合機の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図1のデジタル複合機の表示操作部に表示された操作部電源スイッチの一例を示す説明図である。
【
図5】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の表示操作部に表示された操作部電源スイッチの一例を示す説明図である。
【
図8】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】この発明の実施形態5に係るデジタル複合機を含むデジタル複合機システムの概略を示すフローチャートである。
【
図10】この発明の実施形態5に係るデジタル複合機の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】この発明の実施形態6に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図12】
図11のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図13】
図11のデジタル複合機の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。
なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0025】
〔実施形態1〕
図1および
図2に基づき、この発明の画像形成装置を備えた画像形成装置の一例としてのデジタル複合機1の概要について説明する。
【0026】
図1は、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。また、
図2は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
デジタル複合機1は、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有し、原稿から読み取った画像データをデジタル処理して出力する装置である。
【0028】
図1に示すように、デジタル複合機1は、本体100の上部に操作パネル17、本体100の前部に主電源スイッチ18および前カバー19を備える。
なお、前カバー19を閉じたとき、主電源スイッチ18は、前カバー19に覆われて隠されていることを示すため、
図1では主電源スイッチ18を点線で示している。
【0029】
次に、
図2に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
図2は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像読取部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、操作パネル17、主電源スイッチ18および前カバー19を備える。
【0031】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0032】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御する部分であって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0033】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
制御部10は、例えば、表示操作部171への操作部電源スイッチ1711の表示・非表示の制御を行う。
また、制御部10は、操作部電源スイッチ1711によるデジタル複合機1のシステムの起動・終了動作等を制御する。
【0034】
また、制御部10は、画像読取部11からの入力データを記憶部13に保存し、記憶部13からデータを取り出し、画像処理部14への送信指示や、画像形成部12への印刷指示、コピー等の制御を行う。
【0035】
画像読取部11は、原稿を読み取るスキャナを走査させて原稿載置台に載置された原稿または用紙トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
【0036】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを印刷用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
【0037】
LSU121は、画像読取部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0038】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要なシステムのプログラム131や、制御部10の制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。
【0039】
記憶部13は、ユーザーデータを保持したり、読取データや印刷データなどの画像データを一時保存したり、各種設定値を保存したりする。
例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0040】
また、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されていてもよい。
【0041】
なお、記憶部13は、EEPROMなど、主電源スイッチ18がオフされても、残電圧で正常にデータ保存できるメモリを備えてもよい。
【0042】
画像処理部14は、画像読取部11によって読み取られた原稿の画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成する部分である。
また、画像読取部11から入力された画像データを表示操作部171からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0043】
通信部15は、有線または無線LAN等によるネットワーク等を介して、コンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0044】
給紙部16は、手差トレイおよび給紙カセットに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0045】
操作パネル17は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)を備えたユニットであり、表示操作部171および物理操作部172を備える。
【0046】
表示操作部171は、各種情報の表示を行い、タッチパネル機能によりユーザーからの指令を受け付ける部分である。
表示操作部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示操作部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0047】
表示操作部171は、操作部電源スイッチ1711を備える。
ただし、表示操作部171は、前カバー19が開かれるなど、予め定められた表示条件に従って操作部電源スイッチ1711を表示させ、それ以外の場合は、表示させないものとする。
【0048】
物理操作部172は、テンキーや矢印キーなど、物理的なハードキーの押下により、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0049】
なお、実施形態1においては、物理操作部172は、ハードキーとしての操作部電源スイッチは設けられていない。
これは、ユーザーが間違って操作部電源スイッチをオフすることによるシステムの終了を防止するためである。
【0050】
主電源スイッチ18は、本体への電源の供給のオン・オフを切り替えるスイッチである。
【0051】
前カバー19は、トナー等を交換するためのカバーであり、開閉可能に設けられる。
なお、前カバー19には、管理者のみが開けられるように鍵がつけられており、ユーザーによって開けられることはないものとする。
【0052】
前カバー19は、前カバー開閉センサ191を備える。
前カバー開閉センサ191は、前カバー19が開けられたか否かを検知するセンサである。
【0053】
なお、前カバー19が閉じられたとき、主電源スイッチ18は、前カバー19によって覆われ、隠される位置に設けられるものとする。
これは、ユーザーが間違って主電源スイッチ18を操作してデジタル複合機1の電源を落としてしまうことを防止するためである。
【0054】
<デジタル複合機1の電源遮断手順の一例>
次に、
図3および
図4に基づき、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例について説明する。
【0055】
図3は、
図1のデジタル複合機1の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
また、
図4は、
図1のデジタル複合機1の表示操作部171に表示された操作部電源スイッチ1711の一例を示す説明図である。
【0056】
図3のステップS1において、前カバー19が開かれたことを前カバー開閉センサ191が検知すると(ステップS1)、制御部10は、ステップS2において、実行中のジョブがあるか否かを判定する(ステップS2)。
【0057】
実行中のジョブがある場合(ステップS2の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS3において、当該ジョブを停止する(ステップS3)。
【0058】
続いて、制御部10は、ステップS4において、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させる(ステップS4)。
【0059】
具体的には、
図4に示すように、「前カバーが開いています。本体の前カバーを閉じてください。」というメッセージとともに、操作部電源スイッチ1711としての「電源OFF」キーが表示される。
【0060】
なお、前カバー19以外のカバーが開かれたとしても、操作部電源スイッチ1711は表示されないものとする。
【0061】
その後、制御部10は、ステップS5の判定を行う(ステップS5)。
【0062】
一方、
図5のステップS2において、実行中のジョブがない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS4の処理を行う(ステップS4)。
【0063】
次に、ステップS5において、制御部10は、ユーザーによって前カバー19が閉じられたことを前カバー開閉センサ191が検知したか否かを判定する(ステップS5)。
【0064】
前カバー19が閉じられたことを前カバー開閉センサ191が検知した場合(ステップS5の判定がYesの場合)、ステップS6において、制御部10は、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を消去させる(ステップS6)。
【0065】
具体的には、前カバー19を閉じると、
図4のポップアップ表示が消え、コピー等のジョブが実行可能な状態となる。
【0066】
その後、制御部10は、処理をステップS1に戻す(ステップS1)。
【0067】
一方、
図3のステップS5において、前カバー19が閉じられたことを前カバー開閉センサ191が検知していない場合(ステップS5の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS7に進める(ステップS7)。
【0068】
ステップS7において、ユーザーにより操作部電源スイッチ1711が押下されたとき(ステップS7)、制御部10は、続くステップS8において、デジタル複合機1のシステムをシャットダウンする(ステップS8)。
シャットダウンの完了後、表示操作部171は消灯する。
【0069】
次に、ステップS9において、主電源キーが押下されると(ステップS9)、制御部10は、ステップS10において、電源をオフにし、デジタル複合機1の本体100への電力の供給を遮断して(ステップS10)、電源遮断処理を終了する。
【0070】
このようにして、デジタル複合機1のシステム終了用の操作部電源スイッチ1711をユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチ1711を利用可能にするデジタル複合機1を実現できる。
【0071】
〔実施形態2〕
次に、
図5に基づき、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例について説明する。
【0072】
図5は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【0073】
図5のステップS21およびS23~S31の処理は、
図3のステップS1~S10の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0074】
ここでは、
図3に記載のない
図5のステップS22の処理について説明する。
【0075】
また、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0076】
図5のステップS21において、前カバー19が開かれたことを前カバー開閉センサ191が検知すると(ステップS21)、ステップS22において、制御部10は、デジタル複合機1が省エネモード中であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0077】
省エネモード中の場合(ステップS22の判定がYesの場合)、ステップS30において、制御部10は、主電源キーが押下されるのを待つ(ステップS30)。
【0078】
そして、ステップS30において、主電源キーが押下されると(ステップS30)、制御部10は、ステップS31において、電源をオフにし、デジタル複合機1の本体100への電力の供給を遮断して(ステップS31)、電源遮断処理を終了する。
【0079】
一方、省エネモード中でない場合(ステップS22の判定がNoの場合)、ステップS23において、制御部10は、実行中のジョブがあるか否かの判定を行う(ステップS23)。
【0080】
省エネモード中は、デジタル複合機1のシステムは待機状態にあり、バックアップがなされているため、その状態で主電源スイッチ18をオフしても、特に不都合は生じない。
それゆえ、この場合は、前カバー19が開かれたことを前カバー開閉センサ191が検知したとしても、操作部電源スイッチ1711を表示させない。
【0081】
このようにして、省エネモード中でない場合においてのみ、前カバー19が開かれたことに連動して表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させるため、デジタル複合機1のシステム終了用の操作部電源スイッチ1711をユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチ1711を利用可能にするデジタル複合機1を実現できる。
【0082】
〔実施形態3〕
次に、
図6~
図7に基づき、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例について説明する。
【0083】
図6は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。また、
図7は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の表示操作部171に表示された操作部電源スイッチ1711の一例を示す説明図である。
【0084】
図6のステップS42~S50の処理は、
図3のステップS2~S10の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0085】
ここでは、
図3に記載のない
図6のステップS41の処理について説明する。
【0086】
また、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0087】
実施形態3においては、前カバー191の開放動作の代わりに、予め定められた操作がなされたことをトリガーとして(ステップS41)、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させるものとする。
【0088】
ここで、予め定められた操作としては、例えば、パスワード入力等によりサービスマンが使用する表示操作部171上の特殊な設定画面を表示させる操作がなされた場合や、ソフトキー・ハードキーを問わず、所定のキーの組合せによる操作、表示操作部171に表示された画面において、予め定められた位置(例えば、画面のコーナー部分など)を所定回数タッチした場合などの操作があげられる。
【0089】
図7において、サービスマンが使用する特殊画面上に操作部電源スイッチ1711としての「電源OFF」キーが表示される。
【0090】
このようにして、所定の操作がなされた場合においてのみ、デジタル複合機1のシステム終了用の操作部電源スイッチ1711を表示させることにより、操作部電源スイッチ1711をユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチ1711を利用可能にするデジタル複合機1を実現できる。
【0091】
〔実施形態4〕
次に、
図8に基づき、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例について説明する。
【0092】
図8は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【0093】
図8のステップS51,S52およびS57~S63の処理は、
図3のステップS1,S2およびS4~S10の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0094】
ここでは、
図3に記載のない
図8のステップS53~S56の処理について説明する。
【0095】
また、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0096】
図8のステップS52において、実行中のジョブがある場合(ステップS52の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS53において、ジョブの停止まで予め定められた以上の時間(例えば、10秒以上など)を要するか否かを判定する(ステップS53)。
【0097】
ジョブの停止まで予め定められた以上の時間を要する場合(ステップS53の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS54において、ジョブの停止を開始するとともに、表示操作部171にジョブ停止中の表示をさせる(ステップS54)。
【0098】
ジョブ停止中の表示としては、例えば、「ジョブを停止中です。」等のメッセージを表示操作部171にポップアップ表示する。
【0099】
続いて、ステップS55において、制御部10は、ジョブの停止が完了したか否かを判定する(ステップS55)。
【0100】
ジョブの停止が完了した場合(ステップS55の判定がYesの場合)、ステップS56において、制御部10は、表示操作部171にジョブ停止中の表示を消去させる(ステップS56)。
【0101】
その後、制御部10は、ステップS57において、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させる(ステップS57)。
【0102】
一方、ジョブの停止が完了していない場合(ステップS55の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS55の判定を繰り返す(ステップS55)。
【0103】
また、ステップS53において、ジョブの停止まで予め定められた以上の時間を要しない場合(ステップS53の判定がNoの場合)、ステップS57において、制御部10は、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させる(ステップS57)。
【0104】
このようにして、ジョブの停止に時間を要する場合は、ジョブの停止の完了後にデジタル複合機1のシステム終了用の操作部電源スイッチ1711を表示させることにより、操作部電源スイッチ1711をユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチ1711を利用可能にするデジタル複合機1を実現できる。
【0105】
〔実施形態5〕
次に、
図9および
図10に基づき、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例について説明する。
【0106】
図9は、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1を含むデジタル複合機システム1000の概略を示すフローチャートである。
【0107】
図9に示すように、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機システム1000は、複数のデジタル複合機1およびサーバー2がネットワーク3を介して接続されている。
【0108】
図10は、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【0109】
図10のステップS77~S81の処理は、
図3のステップS4およびS7~S10の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0110】
ここでは、
図3に記載のない
図10のステップS71~S76の処理について説明する。
【0111】
また、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0112】
図10のステップS71において、デジタル複合機1のシステムの起動後(ステップS71)、ステップS72において、制御部10は、主システムとの接続を確認したか否かを判定する(ステップS72)。
【0113】
ここで、主システムとしては、ネットワーク3を介して接続された複数のデジタル複合機1のうち、設定により予め定められたデジタル複合機1のシステムやサーバー2のシステム等があげられる。
【0114】
通信部15が主システムとの接続を確認した場合(ステップS72の判定がYesの場合)、ステップS73において、制御部10は、主システムに接続済みである旨の画面を表示操作部171に表示させる(ステップS73)。
【0115】
続くステップS74において、制御部10は、主システムから操作部電源スイッチ1711を表示操作部171に表示すべき旨の通知を通信部15が受信したか否かを判定する(ステップS74)。
【0116】
主システムから操作部電源スイッチ1711を表示操作部171に表示すべき旨の通知を通信部15が受信した場合(ステップS74の判定がYesの場合)、ステップS77において、制御部10は、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させる(ステップS77)。
【0117】
一方、主システムから操作部電源スイッチ1711を表示操作部171に表示すべき旨の通知を通信部15が受信していない場合(ステップS74の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS75の判定を行う(ステップS75)。
【0118】
ステップS75において、制御部10は、主システムとの接続が解除されたことを確認したか否かを判定する(ステップS75)。
【0119】
主システムとの接続が解除されたことを確認した場合(ステップS75の判定がYesの場合)、制御部10は、処理をステップS72の判定に戻す(ステップS72)。
【0120】
一方、主システムとの接続が解除されたことを確認していない場合(ステップS75の判定がYesの場合)、制御部10は、処理をステップS74の判定に戻す(ステップS74)。
【0121】
一方、ステップS72において、主システムとの接続を確認していない場合(ステップS72の判定がNoの場合)、ステップS76において、制御部10は、予め定められた操作部電源スイッチ1711の表示条件が満たされたか否かを判定する(ステップS76)。
【0122】
ここで、操作部電源スイッチ1711の表示条件としては、前カバー19が開かれた(実施形態1)、所定の操作がなされた(実施形態3)等の条件があげられる。
【0123】
操作部電源スイッチ1711の表示条件が満たされた場合(ステップS76の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS77において、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させる(ステップS77)。
【0124】
一方、操作部電源スイッチ1711の表示条件が満たされていない場合(ステップS76の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS72の判定に戻す(ステップS72)。
【0125】
このようにすることで、主システムは、ネットワーク3を介して接続された複数のデジタル複合機1のシステムをシャットダウンする通知を送信した後、主システム自身をシャットダウンすることが可能となる。
【0126】
このようにして、主システムからの通知を受信した場合のみに、操作部電源スイッチ1711を表示させることにより、操作部電源スイッチ1711をユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチ1711を利用可能にするデジタル複合機1を実現できる。
【0127】
(実施形態6)
次に、
図11~
図13に基づき、この発明の実施形態6に係るデジタル複合機1の電源遮断手順の一例について説明する。
【0128】
図11は、この発明の実施形態6に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。また、
図12は、
図11のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0129】
図11および
図12に示すように、この発明の実施形態6に係るデジタル複合機1は、物理操作部172がハードキーとしての操作部電源スイッチ1721を備える点で、実施形態1と異なる。
【0130】
また、操作部電源スイッチ1721は、前カバー19を閉じた状態では無効であり、前カバー19を開いた状態で有効になるものとする。
それゆえ、前カバー19を閉じた状態で、ユーザーが操作部電源スイッチ1721を押下しても反応しないものとする。
【0131】
図13は、
図11のデジタル複合機1の電源遮断手順の一例を示すフローチャートである。
【0132】
図13のステップS91~S93,S95およびS98~S100の処理は、
図3のステップS1~S3,S5およびS8~S10の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0133】
ここでは、
図3に記載のない
図13のステップS94,S96およびS97の処理について説明する。
【0134】
図13のステップS93において、実行中のジョブを停止した後(ステップS93)か、あるいは、実行中のジョブがない場合(ステップS92の判定がNoの場合)、ステップS94において、制御部10は、物理操作部172の操作部電源スイッチ1721を有効にする(ステップS94)。
【0135】
その後、ステップS95において、前カバー19が閉じられたことを前カバー開閉センサ191が検知した場合(ステップS95の判定がYesの場合)、ステップS96において、制御部10は、操作部電源スイッチ1721を無効にする(ステップS96)。
【0136】
一方、前カバー19が閉じられたことを前カバー開閉センサ191が検知していない場合(ステップS95の判定がNoの場合)、続くステップS97においてユーザーにより操作部電源スイッチ1721が押下されたとき(ステップS97)、ステップS98において、制御部10は、デジタル複合機1のシステムをシャットダウンする(ステップS98)。
【0137】
このようにして、物理操作部172にハードキーとしての操作部電源スイッチ1721が設置された場合であっても、前カバー19が開かれた場合においてのみ、操作部電源スイッチ1721を有効にすることで、デジタル複合機1のシステム終了用の操作部電源スイッチ1721をユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチ1721を利用可能にするデジタル複合機1を実現できる。
【0138】
(変形例)
実施形態6の変形例として、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711を表示させた状態で、前カバー19の開閉状態に応じて、操作部電源スイッチ1711の有効・無効を切り替えるようにしてもよい。
【0139】
この場合、例えば、操作部電源スイッチ1711をグレーアウト表示することによって、無効であることを示すようにしてもよい。
【0140】
このようにして、表示操作部171に操作部電源スイッチ1711が常時表示された場合であっても、前カバー19が開かれた場合においてのみ、操作部電源スイッチ1711を有効にすることで、デジタル複合機1のシステム終了用の操作部電源スイッチ1711をユーザーが間違って押下することを防止し、かつ、正規の手順での電源オフを実行するため、必要に応じて操作部電源スイッチ1711を利用可能にするデジタル複合機1を実現できる。
【0141】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0142】
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0143】
1:デジタル複合機、 2:サーバー、 3:ネットワーク、 10:制御部、 11:画像読取部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:操作パネル、 18:主電源スイッチ、 19:前カバー、 100:本体、 121:LSU、 131:プログラム、 171:表示操作部、 172:物理操作部、 191:前カバー開閉センサ、 1711,1721:操作部電源スイッチ、 1000: デジタル複合機システム