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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】充放電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/34 20060101AFI20230208BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230208BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230208BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230208BHJP
   H02J 9/04 20060101ALI20230208BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20230208BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20230208BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20230208BHJP
【FI】
H02J7/34 G
H02J7/00 P
H02J7/34 B
H02J7/35 K
H02J3/38 130
H02J3/38 120
H02J9/04
B60L55/00
B60L53/30
B60L53/67
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019204145
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2021078266
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000242644
【氏名又は名称】北陸電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002712
【氏名又は名称】弁理士法人みなみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀田 剛
(72)【発明者】
【氏名】村上 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 剛史
(72)【発明者】
【氏名】田辺 大太郎
(72)【発明者】
【氏名】板山 公二
(72)【発明者】
【氏名】豊田 一穂
(72)【発明者】
【氏名】細見 昂矢
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-182925(JP,A)
【文献】特開2014-212659(JP,A)
【文献】特開2016-214003(JP,A)
【文献】特表2007-535282(JP,A)
【文献】特開2015-092798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/34
H02J 7/00
H02J 7/35
H02J 3/38
H02J 9/04
B60L 55/00
B60L 53/30
B60L 53/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の商用電源と下流側の負荷とを接続する幹線と、前記幹線に対して互いに独立に接続される複数の充放電器と、を備えるものであって、
前記の各充放電器は、電気自動車を接続して充放電可能な充放電器本体と、前記幹線と前記充放電器本体とを接続する接続線と、前記幹線に取り付けられるものであって前記幹線の通電状態を検知する通電検知手段と、を有するものであり、
前記充放電器本体は、稼働のための電力が前記幹線側から供給される通常運転と前記電気自動車から供給される非常運転が可能であって、前記通電検知手段が通電を検知した状態でのみ通常運転するものであり、
前記幹線の上流側からN+1番目(Nは1以上の整数)の前記充放電器の前記通電検知手段は、N番目の前記充放電器の前記接続線の前記幹線に対する接続部よりも下流側に位置していることを特徴とする充放電システム。
【請求項2】
前記接続線は、通常運転時に用いられる系統線と、非常運転時に用いられる自立線からなり、
前記の各充放電器は、前記幹線の下流側に対して、前記幹線の上流側と前記自立線の一方を接続し他方を遮断できる幹線側切替手段を有するものであることを特徴とする請求項1記載の充放電システム。
【請求項3】
非商用電源と、前記非商用電源に接続されるものであって前記幹線に取り付けられる逆潮流検知センサと、を備えるものであって、
前記逆潮流検知センサは、前記幹線の上流側から1番目の前記充放電器の前記自立線の接続部の下流側かつ2番目の前記充放電器の前記自立線の接続部の上流側に位置していることを特徴とする請求項2記載の充放電システム。
【請求項4】
前記充放電器本体は、通常運転用入出力部と、非常運転用入出力部と、前記接続線に対して、前記通常運転用入出力部と前記非常運転用入出力部の一方を接続し他方を遮断できる本体側切替手段を有するものであることを特徴とする請求項1記載の充放電システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源の停電時に電気自動車の蓄電池を電源として用いるための充放電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭などにおいて、V2H(Vehicle to Home)とよばれるシステムが普及し始めている。これは、家で電気自動車を充電して移動のために用いるだけではなく、電気自動車が家に駐車されているときに、搭載された蓄電池に蓄えられた電気を家で使用するためのものである。V2Hシステムには、電気自動車と接続可能な充放電器が用いられ、この充放電器を介して、商用電源や太陽光発電装置などの自家発電手段から電気自動車に充電をしたり、逆に電気自動車の蓄電池から家庭内の一般負荷へ給電したりすることができる。これにより、夜間に充電した電力を昼間に使用するピークシフトを実現することができる。また、地震や台風などの自然災害による停電時において、電気自動車の蓄電池を非常用電源として用いることもできる。
【0003】
ところで、今日では電気自動車の普及が進んでおり、1つの家庭が複数台の電気自動車を所有している場合もある。また、マンションや社宅などの集合住宅において、複数台の電気自動車を共有してカーシェアリングが行われている場合もある。このような場合にV2Hシステムが導入されると、たとえば特許文献1に示すように、1つのV2Hシステムに対して複数台の電気自動車が接続されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-212659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の複数台の電気自動車が接続されたV2Hシステムにおいて、停電により商用電源からの電力供給がなくなると、各充放電器が、接続された電気自動車から電力供給される非常運転(自立運転)を行う。ここで、通常運転であれば、商用電源の周波数や電圧を基準とした制御が行われるが、非常運転の場合、別途充放電器間の周波数や電圧を調整する制御が必要となっていた。そこで、特許文献1の発明では、商用電源の替わりに周波数や電圧の基準とするためのマスター電源を設けているが、何れにしても、制御方法や機器構成が複雑化してしまうことが問題であった。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みたものであり、複数台の電気自動車が接続されるものであって、複雑な制御や構成を要しない充放電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上流側の商用電源と下流側の負荷とを接続する幹線と、前記幹線に対して互いに独立に接続される複数の充放電器と、を備えるものであって、前記の各充放電器は、電気自動車を接続して充放電可能な充放電器本体と、前記幹線と前記充放電器本体とを接続する接続線と、前記幹線に取り付けられるものであって前記幹線の通電状態を検知する通電検知手段と、を有するものであり、前記充放電器本体は、稼働のための電力が前記幹線側から供給される通常運転と前記電気自動車から供給される非常運転が可能であって、前記通電検知手段が通電を検知した状態でのみ通常運転するものであり、前記幹線の上流側からN+1番目(Nは1以上の整数)の前記充放電器の前記通電検知手段は、N番目の前記充放電器の前記接続線の前記幹線に対する接続部よりも下流側に位置していることを特徴とする。なお、複数の充放電器が幹線に対して互いに独立に接続される、とは、各充放電器の接続線が、他の充放電器の接続線と集合することなく、それぞれ幹線に直接接続されていることをいう。よって、接続線の幹線に対する接続部が、充放電器の数だけ幹線の上流側から下流側にかけて並ぶことになる。また、接続線は、1本の配線からなる場合と、複数本の配線からなる場合がある。接続線が1本の配線からなる場合、接続部は、その配線と幹線との接続点のことであり、接続線が複数本の配線からなる場合、接続部は、それらの各配線と幹線との複数の接続点全体のことである。さらに、通常運転と非常運転とは、充放電器本体を稼働させるための電力の供給源により区別されるものであり、通常運転と非常運転の何れにおいても、充電と放電の両方が可能である。
【0008】
また、本発明は、前記接続線は、通常運転時に用いられる系統線と、非常運転時に用いられる自立線からなり、前記の各充放電器は、前記幹線の下流側に対して、前記幹線の上流側と前記自立線の一方を接続し他方を遮断できる幹線側切替手段を有するものであってもよい。なお、幹線側切替手段は、たとえば1つの切替スイッチにより幹線の上流側と自立線とを切り替えるものであってもよいし、幹線と自立線のそれぞれに開閉器が設けられたものであって、その一方を入、他方を切とするものであってもよい。
【0009】
また、本発明は、非商用電源と、前記非商用電源に接続されるものであって前記幹線に取り付けられる逆潮流検知センサと、を備えるものであって、前記逆潮流検知センサは、前記幹線の上流側から1番目の前記充放電器の前記自立線の接続部の下流側かつ2番目の前記充放電器の前記自立線の接続部の上流側に位置しているものであってもよい。なお、非商用電源とは、太陽光発電装置、蓄電池、風力発電装置や燃料電池装置など、商用電源以外の電源となり得る種々の手段を含む。また、自立線の接続部とは、自立線が幹線に対して切替スイッチなどを介して接続されている場合は、その切替スイッチのことであり、自立線が幹線に対して直接接続されている場合は、その接続点のことである。
【0010】
また、本発明は、前記充放電器本体は、通常運転用入出力部と、非常運転用入出力部と、前記接続線に対して、前記通常運転用入出力部と前記非常運転用入出力部の一方を接続し他方を遮断できる本体側切替手段を有するものであってもよい。なお、本体側切替手段は、たとえば1つの切替スイッチにより通常運転用入出力部と非常運転用入出力部とを切り替えるものであってもよいし、通常運転用入出力部と非常運転用入出力部のそれぞれに開閉器が接続されたものであって、その一方を入、他方を切とするものであってもよい。また、本体側切替手段は、充放電器本体に組み込まれたものであってもよいし、充放電器本体に別途取り付けたものや、充放電器本体とは離隔して設けられたものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、停電により商用電源からの電源供給がなくなると、一旦全ての充放電器が停止するが、その後に幹線の上流側から1番目の充放電器について、電気自動車から電力供給を受けて非常運転させれば、その他の充放電器については、1番目の充放電器から電力が供給され、通電検知手段が通電を検知するので、通常運転させることができる。1つの充放電器のみが非常運転となり、残りの充放電器は通常運転となるので、通常運転時とは異なる充放電器間の周波数や電圧の制御は必要なく、また別途の電源などの機器も不要であり、複雑な制御や構成を要しない。
【0012】
また、接続線が系統線と自立線からなり、幹線側切替手段を有するものであれば、充放電器を非常運転させる場合には、幹線側切替手段を幹線の上流側から自立線側に切り替えて、その幹線側切替手段より上流側とは遮断されるので、上流側の状態に影響されることなく、負荷に対して安定的に電力供給できる。
【0013】
また、非商用電源と、1番目の充放電器の自立線の接続部の下流側かつ2番目の充放電器の自立線の接続部の上流側に位置する逆潮流検知センサと、を備えるものであれば、停電時において、1番目の充放電器を非常運転させることで、逆潮流検知センサが通電を検知するので、非商用電源も通常どおり電力供給電源として利用できる。
【0014】
また、充放電器本体が本体側切替手段を有するものであれば、接続線が1本の配線からなるので、配線工事量が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】充放電システムの第一実施形態の配線図であり、健全時を示す。
図2】充放電器本体を示す模式図である。
図3】第一実施形態における停電時を示す説明図である。
図4】第一実施形態における停電後の電力供給手順(1)を示す説明図である。
図5】第一実施形態における停電後の電力供給手順(2)を示す説明図である。
図6】充放電システムの第二実施形態の配線図であり、健全時を示す。
図7】第二実施形態における停電時を示す説明図である。
図8】第二実施形態における停電後の電力供給手順(1)を示す説明図である。
図9】第二実施形態における停電後の電力供給手順(2)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の充放電システムの具体的な内容について説明する。この充放電システムは、種々の場所に設置され得るものであるが、ここで例示するのは、マンションや社宅などの集合住宅において、複数台の電気自動車を共有してカーシェアリングが行われる場合を想定したものであって、3つの充放電器2を有しており、3台の電気自動車Eに対応するものである。以下において、3つの充放電器2に共通の説明をする際には、3つをまとめて充放電器2とよび、個々の充放電器2について説明をする際には、それぞれ第一充放電器2a、第二充放電器2b、第三充放電器2cとよぶ。また、第一充放電器2a、第二充放電器2b、第三充放電器2cのそれぞれの構成要素の符号にも、a,b,cを付すものとする。同様に、3台の電気自動車Eに共通の説明をする際には、3台をまとめて電気自動車Eとよび、個々の電気自動車Eについて説明をする際には、それぞれ1号車EA、2号車EB、3号車ECとよぶ。
【0017】
まず、この充放電システムの第一実施形態について説明する。図1に示すように、第一実施形態は、商用電源Pと集合住宅内の負荷Lとを接続する幹線1と、この幹線1に対して互いに独立に接続される3つの充放電器2を備える。幹線1において、商用電源P側が上流側、負荷L側が下流側となる。幹線1の最上流側には、スマートメータ101が取り付けられており、スマートメータ101の下流側に、主開閉器102が取り付けられている。そして、幹線1の、主開閉器102の下流側に、3つの充放電器2が上流側から下流側にかけて並んで接続されている。さらに、第一実施形態は、非商用電源Rとしての太陽光発電装置200および蓄電池300を備えている。幹線1の、3つの充放電器2の接続部の下流側に、太陽光発電装置200が接続されており、その下流側に、蓄電池300が接続されている。さらに、幹線1の、蓄電池300の接続部よりも下流側に、漏電遮断器103が取り付けられている。そして、漏電遮断器103の下流側において幹線1が分岐しており、分岐したそれぞれの先に、分岐線遮断器104を介して種々の負荷Lが取り付けられている。
【0018】
充放電器2は、幹線1の上流側に接続されたものから順に、第一充放電器2a、第二充放電器2b、第三充放電器2cである。何れも同じ構成であるので、ここではまとめて説明する。充放電器2は、充放電器本体21と、幹線1と充放電器本体21とを接続する接続線3である系統線31および自立線32と、幹線1に取り付けられた通電検知手段4と、系統線31の中間部分に取り付けられた遮断器5と、幹線1と自立線32の間に取り付けられた幹線側切替手段6と、を有するものである。よって、第一実施形態において、接続線3の幹線1に対する接続部とは、幹線側切替手段6と、系統線31の幹線に対する接続点とを合わせた部分のことである。
【0019】
充放電器本体21は、市販品であって、電気自動車Eの駐車場の傍に設置されている。図2(逆潮流検知センサ7については、後述のとおり、第一充放電器2aのみに取り付けられるものである)に示すように、充放電器本体21は、箱形の筐体210を有しており、筐体210の内部に、AC/DCコンバータを有する変換部215と、変換部215に接続された制御部216を有している。また、筐体210の外側部分に、充放電ケーブル211と、通常運転用入出力部212および非常運転用入出力部213と、操作ボタン217(充電ボタン、放電ボタンおよび停止ボタンや、後述のコネクタ214をロックするためのボタンなど)が設けられている。充放電ケーブル211は、根元が変換部215に接続されており、先端にコネクタ214が取り付けられていて、このコネクタ214を電気自動車Eの充放電口に差し込んで接続できる。通常運転用入出力部212および非常運転用入出力部213は、変換部215に接続されている。操作ボタン217は、筐体210の上部に設けられており、制御部216に接続されている。この充放電器本体21を介して、幹線1側から電気自動車Eの蓄電池へ充電し、また電気自動車Eの蓄電池から幹線1側へ放電することができる。なお、以下において、電気自動車Eの蓄電池へ充電する、または電気自動車Eの蓄電池から放電することを、単に電気自動車Eへ充電する、または電気自動車Eから放電するともいう。そして、この充放電器本体21は、幹線1側から電力供給される通常運転と、電気自動車Eから電力供給される非常運転が可能である。
【0020】
充放電器本体21の変換部215は、商用電源Pから供給される交流電力を直流化して電気自動車Eに供給し、また逆に電気自動車Eから供給される直流電力を交流化して負荷Lに供給するためのものである。制御部216は、操作ボタン217による入力や、後述の通電検知手段4から得られる情報に基づき、変換部215の動作を制御する。通常運転時において、電気自動車Eから負荷Lへ電力を供給する際には、商用電源Pの周波数や電圧を基準として、変換部215の出力を制御する。また、電気自動車Eからの放電について、通常運転の場合、変換部215から通常運転用入出力部212へ出力され、非常運転の場合、変換部215から非常運転用入出力部213へ出力される。
【0021】
系統線31と自立線32は、何れも幹線1と充放電器本体21とを接続している。幹線1側においては、自立線32が系統線31よりも上流側に接続されている。また、充放電器本体21側において、系統線31は、通常運転用入出力部212に接続されており、自立線32は、非常運転用入出力部213に接続されており、系統線31は通常運転時に用いられ、自立線32は非常運転時に用いられる。系統線31に取り付けられた遮断器5は、漏電遮断器である。また、幹線1と自立線32の間に取り付けられた幹線側切替手段6は、切替スイッチからなるものであって、商用電源P側(幹線1の上流側)と充放電器2側(自立線32側)とを切替可能なものである。すなわち、幹線側切替手段6において、商用電源P側を選択すると、その幹線側切替手段6の上流側と下流側の幹線1が接続されて、自立線32が幹線1から遮断される。一方、充放電器2側を選択すると、その幹線側切替手段6の下流側の幹線1と自立線32が接続されて、上流側の幹線1が遮断される。
【0022】
通電検知手段4は、CT(Current Transformer)方式の電流センサからなるものであって、幹線1の、幹線側切替手段6と、系統線31の接続点の間に取り付けられており、充放電器本体21の制御部216に接続されている。この通電検知手段4により、充放電器本体21が、幹線1の通電状態を検知する。そして、充放電器本体21は、通電検知手段4が通電を検知した状態でのみ、通常運転するものである。なお、充放電器2同士の通電検知手段4の位置関係について、第二充放電器2bの通電検知手段4bは、第一充放電器2aの接続線3aの幹線1に対する接続部(幹線側切替手段6aおよび系統線31aの接点)よりも下流側に位置していることになり、第三充放電器2cの通電検知手段4cは、第二充放電器2bの接続線3bの幹線1に対する接続部(幹線側切替手段6bおよび系統線31bの接点)よりも下流側に位置していることになる。また、通電検知手段4は、幹線側切替手段6の上流側に取り付けられてもよい。ただしその場合、上流側に隣接する充放電器2の接続線3の幹線1に対する接続部よりも下流側に位置していなければならない。
【0023】
非商用電源Rとしての太陽光発電装置200は、ソーラーパネル201と、パワーコンディショナ202と、PV通電検知手段203を有するものである。幹線1に対して、遮断器204を介してパワーコンディショナ202が接続され、パワーコンディショナ202にソーラーパネル201が接続されている。そして、パワーコンディショナ202と遮断器204の間にPV通電検知手段203が取り付けられている。ソーラーパネル201によって発電される電気は直流であり、パワーコンディショナ202はこれを交流の電気に変換して出力するものである。また、PV通電検知手段203は、CT(Current Transformer)方式の電流センサからなるものであって、パワーコンディショナ202から幹線1側へ出力される電流を検知するものであり、蓄電池300に接続されている。なお、遮断器204は、漏電遮断器である。
【0024】
非商用電源Rとしての蓄電池300は、幹線1に対して、遮断器301を介して接続されている。蓄電池300は、PV通電検知手段203により太陽光発電装置200の出力を検知しており、太陽光発電装置200が発電した電気を充電できる。また、商用電源Pから充電することも可能であり、夜間に充電した電力を昼間に使用するピークシフトのために用いることもできる。なお、遮断器301は、漏電遮断器である。また、蓄電池300から重要負荷へ直接給電できる配線が設けられていてもよい。さらに、太陽光発電装置200のパワーコンディショナ202が、蓄電池300のパワーコンディショナとしても機能するハイブリッド型のものであってもよい。
【0025】
そして、幹線1の、第一充放電器2aの幹線側切替手段6aと系統線31aの接続点の間の位置(第一充放電器2aの通電検知手段4aと同じ区間)には、逆潮流検知センサ7が取り付けられている。すなわち、逆潮流検知センサ7は、幹線1の、第一充放電器2aの幹線側切替手段6aの下流側かつ第二充放電器2bの幹線側切替手段6bの上流側に位置している。そして、逆潮流検知センサ7は、蓄電池300に接続されている。この逆潮流検知センサ7は、非商用電源R側から商用電源P側(下流側から上流側)へ電流が流れることを検知するためのものであり、蓄電池300の制御に用いられるものであるが、一般に、このような蓄電池300は、逆潮流検知センサ7により通電が検知されない場合、すなわち停電状態と判断した場合は、その出力が制限または停止されるものである。
【0026】
なお、主開閉器102、3つの幹線側切替手段6、遮断器5および通電検知手段4、逆潮流検知センサ7、太陽光発電装置200に接続された遮断器204、PV通電検知手段203および蓄電池300に接続された遮断器301は、開閉器盤400に納まっている。また、漏電遮断器103および分岐線遮断器104は、宅内の分電盤500に納まっている。
【0027】
続いて、このように構成された充放電システムの第一実施形態の動作について示す。なお、各図において、配線のうち太線で描かれている部分は、電流が流れていることを表す。まず、通常時、すなわち商用電源Pから電力供給されている状態について説明する。この場合、図1に示すように、各充放電器2の幹線側切替手段6において商用電源P側が選択されている。よって、幹線1が上流側の商用電源Pから下流側の負荷Lまで繋がっており、この幹線1に対して各充放電器2が系統線31により接続された状態である。そして、各充放電器2の充放電器本体21は、幹線1側(商用電源P)から電力供給される通常運転をしている。この際、充放電器本体21が通常運転するには、通電検知手段4が通電を検知した状態でなければならないが、上記のとおり、通常時には幹線1に電流が流れているので、通電検知手段4は通電を検知する。
【0028】
この状態では、商用電源Pから充放電器2を介して電気自動車Eへ充電することが可能であり、逆に電気自動車Eから充放電器2を介して幹線1側へ放電して負荷Lに電力供給することもできる。また、非商用電源Rである太陽光発電装置200や蓄電池300から、負荷Lに電力供給したり充放電器2を介して電気自動車Eへ充電したりすることもできる。さらに、一の電気自動車Eから他の電気自動車Eへ給電することもできる。なお、充放電器2は、電気自動車Eへの充電する際、この充放電システムが設置された集合住宅の契約電力を超えないように、自動的に充電量を調整するものである。
【0029】
次に、非常時、すなわち商用電源Pからの電力供給がなくなる停電状態について説明する。この場合、まず充放電器2に供給されていた電力が停止するので、全ての充放電器2が停止する。そこで、図3に示すように、本システムの使用者が第一充放電器2aの遮断器5aを手動操作して系統線31aを遮断し、幹線側切替手段6aを、手動操作により商用電源P側から充放電器2側へ切り替える。これにより、第一充放電器2aの幹線側切替手段6aから下流側が、上流側(商用電源P側)から切り離されて、独立した配線となり、第一充放電器2aの充放電器本体21aは、自立線32aにより幹線1と接続された状態となる。なお、何れの充放電器2にも電気自動車Eが接続されているものとし、第一充放電器2aに接続された電気自動車Eを1号車EA、第二充放電器2bに接続された電気自動車Eを2号車EB、第三充放電器2cに接続された電気自動車Eを3号車ECとする。
【0030】
次に、図4に示すように、使用者が電気自動車Eの1号車EAのキーを回して起動すると、1号車EAから第一充放電器2aの充放電器本体21aに電力が供給される。そして、使用者が充放電器本体21aの放電ボタンを押すと、充放電器本体21aが非常運転し、自立線32aを通して幹線1側へ電力が供給される。これにより、負荷Lに電力が供給されるとともに、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cにも電力が供給される。そして、幹線1に電流が流れるので、第二充放電器2bの通電検知手段4bおよび第三充放電器2cの通電検知手段4cは、通電を検知する。よって、第二充放電器2bの充放電器本体21bおよび第三充放電器2cの充放電器本体21cは、通常時であると判断し、使用者が充電ボタンまたは放電ボタンを押して起動させると通常運転する。なお、充放電器2の仕様によっては、非常運転に際して、充放電器本体21と電気自動車Eを、充放電ケーブル211とは別のケーブル(たとえば、12V電源ケーブル)で接続する場合もある。
【0031】
その後、図5に示すように、負荷Lの電力消費量に応じて、2号車EB(第二充放電器2b)または3号車EC(第三充放電器2c)からも放電し(ここでは2号車EBとする)、負荷Lに電力が供給される。供給される電力は、第一充放電器2aと第二充放電器2bの最大出力の合計が上限となる。最大出力合計値が負荷Lの消費電力よりも大きい場合は、負荷Lに対して電力供給しながら、余剰電力分が第一充放電器2aを介して1号車EAに充電される(一般的な充放電器2の機能に基づき、そのように自動的に制御される)。また、必要に応じて、2号車EBまたは3号車ECにも充電できる。すなわち、通常運転か非常運転かを問わず、電気自動車Eから他の電気自動車Eへ電力を供給することができる。このようにして電力供給を続け、2号車EBの電池残量が少なくなったら、3号車EC(第三充放電器2c)から放電を開始し、2号車EBの放電を停止する。そして、2号車EBから充放電ケーブル211bを取り外し、2号車EBを別の電池残量の多い電気自動車に入れ替える。または、2号車EBを停電していない地域に移動させて充電し、戻してもよい。さらに、3号車ECの電池残量が少なくなったら、2号車EBから放電を開始して3号車ECを入れ替えればよく、これを2号車EBと3号車ECで繰り返すことにより、非常時においても長時間の連続的な電力供給が可能となる。特に最近の災害は威力が強く復旧に時間がかかり、それに伴う停電時間が数日間に及ぶこともあり、そのような場合に非常に有用である。
【0032】
また、このように第一充放電器2aが非常運転している状態においては、第一充放電器2aの幹線側切替手段6aの下流側に位置する逆潮流検知センサ7が通電を検知するので、蓄電池300も通常どおり稼働し、電源として用いることができる。
【0033】
なお、非常時における遮断器5や幹線側切替手段6の操作および充放電器本体21の起動操作は、上記のように手動で行われるものであってもよいし、停電状態を検知して自動で行われるものであってもよい。また、上記の説明は3台の電気自動車Eがそれぞれ充放電器2に接続された状態を前提にしたものであるが、2号車EBまたは3号車ECが不在の場合も、同様に第一充放電器2aの幹線側切替手段6aを切り替えて、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cを通常運転させればよい。そして、1号車EAが不在の場合は、2号車EBまたは3号車ECを第一充放電器2aに接続して同様にしてもよいし、第二充放電器2bの幹線側切替手段6bを切り替えて、第三充放電器2cを通常運転させてもよい。さらに、1号車EAと2号車EBが不在であれば、第三充放電器2cの幹線側切替手段6cを切り替えて、第三充放電器2cのみを非常運転させればよい。ただし、第二充放電器2bの幹線側切替手段6bまたは第三充放電器2cの幹線側切替手段6cを切り替えた場合、逆潮流検知センサ7が電流を検知しないので、蓄電池300は稼働しない。
【0034】
このような本発明の充放電システムの第一実施形態によれば、停電により商用電源Pからの電源供給がなくなると、一旦全ての充放電器2が電源を失い停止するが、その後に第一充放電器2aについて、電気自動車Eから電力供給を受けて非常運転させれば、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cについては、第一充放電器2aから電力が供給され、通電検知手段4b,4cが通電を検知するので、通常運転させることができる。すなわち、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cは、第一充放電器2aからの電力供給を商用電源Pからの電力供給とみなして、通常時と同じ動作をするものである。1つの充放電器2のみが非常運転となり、残りの充放電器2は通常運転となるので、通常運転時とは異なる充放電器2間の周波数や電圧の制御は必要なく、また別途の電源などの機器も不要であり、複雑な制御や構成を要しない。また、充放電器2を非常運転させる場合に、幹線側切替手段6を商用電源P側から充放電器2側に切り替えて、その幹線側切替手段6より上流側とは遮断されるので、上流側の状態に影響されることなく、負荷Lに対して安定的に電力供給できる。また、停電時において、第一充放電器2aを非常運転させることで、逆潮流検知センサ7が通電を検知するので、非商用電源Rも通常どおり電力供給電源として利用できるものであって、太陽光発電装置200から蓄電池300や電気自動車Eへの充電、蓄電池300と電気自動車Eの間の相互の充放電ができる。
【0035】
また、充放電器本体21は、市販品であって、本発明において特別な動作をさせるものではないから、メーカーや仕様を問わず、種々の充放電器本体21を用いることができる。また、構築された本発明の充放電システムの第一実施形態に対して、充放電器2の数を後から増やしたり、太陽光発電装置200や蓄電池300を追加したりすることもできるし、太陽光発電装置200や蓄電池300が設置されているところに、本システムを追加することもできる。このように、本システムは拡張性にも優れたものとなっている。
【0036】
次に、この充放電システムの第二実施形態について説明する。図6に示すように、第二実施形態は、第一実施形態と比較して、各充放電器2が幹線1に対して1本の配線で接続されている点および非商用電源(太陽光発電装置および蓄電池)を有しない点が異なっており、その他の構成は同じである。以下、第二実施形態の構成について、第一実施形態と異なる点のみ説明する。
【0037】
充放電器2は、充放電器本体21と、幹線1と充放電器本体21とを接続する接続線3と、幹線1に取り付けられた通電検知手段4と、接続線3の中間部分に取り付けられた遮断器5と、を有するものである。よって、第二実施形態において、接続線3の幹線1に対する接続部とは、正に接続線3の幹線1に対する接続点のことである。
【0038】
充放電器本体21は、第一実施形態のものと同じものであって、通常運転用入出力部212と、非常運転用入出力部213を有しており、さらに、通常運転用入出力部212と非常運転用入出力部213とを切替可能な切替スイッチからなる本体側切替手段8を有している。そして、接続線3は、幹線1と本体側切替手段8とを接続するものである。
【0039】
通電検知手段4は、幹線1の、接続線3の接続点よりも上流側に取り付けられており、充放電器本体21の制御部216に接続されている。なお、充放電器2同士の通電検知手段4の位置関係について、第二充放電器2bの通電検知手段4bは、第一充放電器2aの接続線3aの幹線1に対する接続点よりも下流側に位置していることになり、第三充放電器2cの通電検知手段4cは、第二充放電器2bの接続線3bの幹線1に対する接続点よりも下流側に位置していることになる。
【0040】
なお、主開閉器102、3つの遮断器5および通電検知手段4は、開閉器盤400に納まっている。
【0041】
続いて、このように構成された充放電システムの第二実施形態の動作について示す。まず、通常時、すなわち商用電源Pから電力供給されている状態について説明する。この場合、図6に示すように、各充放電器2の本体側切替手段8において通常運転用入出力部212が選択されている。そして、各充放電器2の充放電器本体21は、幹線1側(商用電源P)から電力供給される通常運転をしている。この際、充放電器本体21が通常運転するには、通電検知手段4が通電を検知した状態でなければならないが、上記のとおり、通常時には幹線1に電流が流れているので、通電検知手段4は通電を検知する。
【0042】
この状態では、商用電源Pから充放電器2を介して電気自動車Eへ充電することが可能であり、逆に電気自動車Eから充放電器2を介して幹線1側へ放電して負荷Lに電力供給することもできる。さらに、一の電気自動車Eから他の電気自動車Eへ給電することもできる。
【0043】
次に、非常時、すなわち商用電源Pからの電力供給がなくなる停電状態について説明する。この場合、まず充放電器2に供給されていた電力が停止するので、全ての充放電器2が停止する。そこで、図7に示すように、本システムの使用者が第一充放電器2aの本体側切替手段8aを、手動操作により通常運転用入出力部212a側から非常運転用入出力部213a側へ切り替える。なお、何れの充放電器2にも電気自動車Eが接続されているものとする。
【0044】
次に、図8に示すように、使用者が電気自動車Eの1号車EAのキーを回して起動すると、1号車EAから第一充放電器2aの充放電器本体21aに電力が供給される。そして、使用者が充放電器本体21aの放電ボタンを押すと、充放電器本体21aが非常運転し、非常運転用入出力部213aから接続線3aを通して幹線1側へ電力が供給される。これにより、負荷Lに電力が供給されるとともに、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cにも電力が供給される。そして、幹線1に電流が流れるので、第二充放電器2bの通電検知手段4bおよび第三充放電器2cの通電検知手段4cは、通電を検知する。よって、第二充放電器2bの充放電器本体21bおよび第三充放電器2cの充放電器本体21cは、通常時であると判断し、使用者が充電ボタンまたは放電ボタンを押して起動させると通常運転する。
【0045】
その後、図9に示すように、負荷Lの電力消費量に応じて、2号車EB(第二充放電器2b)または3号車EC(第三充放電器2c)からも放電し(ここでは2号車EBとする)、負荷Lに電力が供給される。供給される電力は、第一充放電器2aと第二充放電器2bの最大出力の合計が上限となる。最大出力合計値が負荷Lの消費電力よりも大きい場合は、負荷Lに対して電力供給しながら、余剰電力分が第一充放電器2aを介して1号車EAに充電される。また、必要に応じて、2号車EBまたは3号車ECにも充電できる。すなわち、通常運転か非常運転かを問わず、電気自動車Eから他の電気自動車Eへ電力を供給することができる。このようにして電力供給を続け、2号車EBの電池残量が少なくなったら、3号車EC(第三充放電器2c)から放電を開始し、2号車EBの放電を停止する。そして、2号車EBから充放電ケーブル211bを取り外し、2号車EBを別の電池残量の多い電気自動車に入れ替える。または、2号車EBを停電していない地域に移動させて充電し、戻してもよい。さらに、3号車ECの電池残量が少なくなったら、2号車EBから放電を開始して3号車ECを入れ替えればよく、これを2号車EBと3号車ECで繰り返すことにより、非常時においても長時間の連続的な電力供給が可能となる。
【0046】
なお、上記の説明は3台の電気自動車Eがそれぞれ充放電器2に接続された状態を前提にしたものであるが、2号車EBまたは3号車ECが不在の場合も、同様に第一充放電器2aの本体側切替手段8aを切り替えて、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cを通常運転させればよい。そして、1号車EAが不在の場合は、2号車EBまたは3号車ECを第一充放電器2aに接続して同様にしてもよいし、第二充放電器2bの本体側切替手段8bを切り替えて、第三充放電器2cを通常運転させてもよい。さらに、1号車EAと2号車EBが不在であれば、第三充放電器2cの本体側切替手段8cを切り替えて、第三充放電器2cのみを非常運転させればよい。
【0047】
このような本発明の充放電システムの第二実施形態によれば、停電により商用電源Pからの電源供給がなくなると、一旦全ての充放電器2が電源を失い停止するが、その後に第一充放電器2aについて、電気自動車Eから電力供給を受けて非常運転させれば、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cについては、第一充放電器2aから電力が供給され、通電検知手段4b,4cが通電を検知するので、通常運転させることができる。すなわち、第二充放電器2bおよび第三充放電器2cは、第一充放電器2aからの電力供給を商用電源Pからの電力供給とみなして、通常時と同じ動作をするものである。1つの充放電器2のみが非常運転となり、残りの充放電器2は通常運転となるので、通常運転時とは異なる充放電器2間の周波数や電圧の制御は必要なく、また別途の電源などの機器も不要であり、複雑な制御や構成を要しない。また、充放電器本体21が本体側切替手段8を有しており、1本の接続線3が幹線1と本体側切替手段8とを接続するので、配線工事量が少なくて済む。
【0048】
また、充放電器本体21は、市販品であって、本発明において特別な動作をさせるものではないから、メーカーや仕様を問わず、種々の充放電器本体21を用いることができる。また、構築された本発明の充放電システムの第二実施形態に対して、充放電器2の数を後から増やしたり、太陽光発電装置200や蓄電池300を追加したりすることもできるし、太陽光発電装置200や蓄電池300が設置されているところに、本システムを追加することもできる。
【0049】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で適宜変更できる。たとえば、充放電器の数は、2つ以上であればいくつであってもよい。また、通電検知手段は、CT方式の電流センサ以外に、電流や電圧に基づいて通電を検知できるものであれば、どのようなものであってもよい。また、幹線側切替手段は、1つの切替スイッチからなるもの以外に、自立線が幹線に直接接続されていて、幹線の接続点より上流側と自立線のそれぞれに開閉器が設けられたものであってもよい。この場合、通常運転時は、幹線側の開閉器を入、自立線側の開閉器を切とし、非常運転時は、幹線側の開閉器を切、自立線側の開閉器を入とすればよい。本体側切替手段についても同様に、2つの開閉器からなるものであってもよい。さらに、非商用電源としては、風力発電装置や燃料電池装置など、種々の手段を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、自然災害などによる停電発生時に、個人宅のみならず、公民館や体育館など避難場所となる公共施設においても活用可能であり、地域単位でのBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)およびBCM(Business Continuity Management、事業継続マネジメント)対策に有用である。
【符号の説明】
【0051】
1 幹線
2(2a,2b,2c) 充放電器
3(3a,3b,3c) 接続線
4(4a,4b,4c) 通電検知手段
6(6a,6b,6c) 幹線側切替手段
7 逆潮流検知センサ
8(8a,8b,8c) 本体側切替手段
21(21a,21b,21c) 充放電器本体
31(31a,31b,31c) 系統線
32(32a,32b,32c) 自立線
212(212a,212b,212c) 通常運転用入出力部
213(213a,213b,213c) 非常運転用入出力部
E(EA,EB,EC) 電気自動車
L 負荷
P 商用電源
R 非商用電源

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9