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特許7222886塞栓防止用システム、方法、およびデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】塞栓防止用システム、方法、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/01 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
A61F2/01
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019516602
(86)(22)【出願日】2017-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 IL2017051157
(87)【国際公開番号】W WO2018073830
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】62/411,353
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/471,676
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514303673
【氏名又は名称】ジャベリン メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダン, ヤイール
(72)【発明者】
【氏名】ネタ, アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】シャイナー, ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨトファト, オフェル
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン, エヤル
(72)【発明者】
【氏名】シトリット, サギ
(72)【発明者】
【氏名】ブローダー, サジット
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05649949(US,A)
【文献】特表2015-518754(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0183206(US,A1)
【文献】国際公開第2008/127328(WO,A1)
【文献】米国特許第06059825(US,A)
【文献】米国特許第05733329(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内に配列するように構成された塞栓防止用デバイス(EPD)であって、前記EPDが、
フィラメントであって、
針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を含む非展開状態と、
前記フィラメントが支持部分およびフィルタ部分を備えるらせんを自動的に形成する、展開状態と、を含むように構成された、フィラメントを備え、
前記支持部分が、細長いコイルを備える、軸を含む前記らせんの第1の部分を備え、前記細長いコイルの連続したコイル間のピッチは、前記展開状態におけるその直径を超え、
前記フィルタ部分が、漏斗を含み、前記漏斗は、前記漏斗の端部に向かう方向に直径が減少するように構成され、前記漏斗がまた、前記軸から外れた中心を有する少なくとも1つの低減コイルを含み、
前記支持部分が、血管に対して前記EPDを固定するように構成され、
前記支持部分が、軸方向の圧縮に耐えるように構成され、
前記少なくとも1つの低減コイルが、所定のサイズよりも大きい塞栓を捕捉するように構成される、塞栓防止用デバイス(EPD)。
【請求項2】
前記展開状態が、前記血管の壁を横断するように構成されたステムをさらに備える、請求項1に記載のEPD。
【請求項3】
患者の皮膚を横断し、かつ前記血管から前記デバイスを引き出すことによる前記デバイスの引き込みを可能にするように構成された、プルワイヤをさらに備える、請求項1に記載のEPD。
【請求項4】
前記フィラメントが前記血管内の穿刺を通して前記血管の内腔から外方に移動することを防止するように構成されたストッパをさらに備える、請求項1に記載のEPD。
【請求項5】
前記血管の内腔に対して外部から組織に係合するように構成されたアンカーをさらに備える、請求項1に記載のEPD。
【請求項6】
第2の支持部分をさらに備え、前記フィルタ部分が、前記支持部分と前記第2の支持部分との間に間置される、請求項1に記載のEPD。
【請求項7】
第2の低減コイルであって、その中心が前記軸から外れた、前記第2の低減コイルをさらに備える、請求項1に記載のEPD。
【請求項8】
前記少なくとも1つの低減コイルおよび前記第2の低減コイルの前記中心を接続する線分が、前記軸と交差する、請求項7に記載のEPD。
【請求項9】
前記フィラメントが、ニチノールから作製される、請求項1に記載のEPD。
【請求項10】
前記フィラメント断面が、円形であり、前記断面の直径が、0.05~0.3mmの範囲内にある、請求項1に記載のEPD。
【請求項11】
患者に塞栓防止を提供するためのシステムであって、前記システムが、
塞栓防止用デバイス(EPD)と、
針と、
プッシャと、
駆動機構と、
制御ユニットと、
電力供給装置と、
入力/出力デバイスと、を備え、
前記EPDの端が、最初に、前記針の前記内腔内に配列され、
前記プッシャの遠位端が、最初に、前記針の前記内腔内に、かつ前記EPDの前記端に対して近位に配列され、
前記入力/出力デバイスを通した操作者の命令時に、前記制御ユニットが、前記電力供給装置および前記駆動機構の手段によって、前記プッシャに前記針の前記内腔から前記EPDの少なくとも一部分を押し出させ、前記EPDが、請求項1に記載のEPDを備える、システム。
【請求項12】
患者に塞栓防止を提供するためのシステムであって、前記システムが、
塞栓防止用デバイス(EPD)と、
針と、
プッシャと、
駆動機構と、
制御ユニットと、
電力供給装置と、
入力/出力デバイスと、を備え、
前記EPDの端が、最初に、前記針の前記内腔内に配列され、
前記プッシャの遠位端が、最初に、前記針の前記内腔内に、かつ前記EPDの前記端に対して近位に配列され、
前記入力/出力デバイスを通した操作者の命令時に、前記制御ユニットが、前記電力供給装置および前記駆動機構の手段によって、前記プッシャに前記針の前記内腔から前記EPDの少なくとも一部分を押し出させ、前記EPDが、請求項1~10のいずれかに記載のEPDを備える、システム。
【請求項13】
患者に塞栓防止を提供するためのシステムであって、前記システムが、
塞栓防止用デバイス(EPD)と、
針と、
中空内腔を有するプッシャと、
駆動機構と、
制御ユニットと、
電力供給装置と、
入力/出力デバイスと、を備え、
前記EPDのフィラメントの端が、最初に、前記針の前記内腔内に配列され、
前記プッシャの遠位端が、最初に、前記針の前記内腔内に、かつ前記EPDの近位端に対して近位に配列され、
前記EPDのプルワイヤの少なくとも一部分が、前記プッシャの内腔内に配列され、
前記入力/出力デバイスを通した操作者の命令時に、前記制御ユニットが、前記電力供給装置および前記駆動機構の手段によって、前記プッシャに前記針の前記内腔から前記EPDの少なくとも一部分を押し出させ、前記EPDが、請求項1に記載のデバイスを備える、システム。
【請求項14】
患者に塞栓防止を提供するためのシステムであって、前記システムが、
塞栓防止用デバイス(EPD)と、
針と、
中空内腔を有するプッシャと、
駆動機構と、
制御ユニットと、
電力供給装置と、
入力/出力デバイスと、を備え、
前記EPDのフィラメントの端が、最初に、前記針の前記内腔内に配列され、
前記プッシャの遠位端が、最初に、前記針の前記内腔内に、かつ前記EPDの前記端に対して近位に配列され、
前記EPDのプルワイヤの少なくとも一部分が、前記プッシャの前記内腔内に配列され、
前記入力/出力デバイスを通した操作者の命令時に、前記制御ユニットが、前記電力供給装置および前記駆動機構の手段によって、前記プッシャに前記針の前記内腔から前記EPDの少なくとも一部分を押し出させ、前記EPDが、請求項1~10のいずれかに記載のデバイスを備える、システム。
【請求項15】
塞栓捕捉のためのシステムであって、
塞栓防止用デバイス(EPD)と、
前記塞栓防止用デバイス(EPD)の少なくとも一部分を収容する内腔を含む針と
を備え、前記針は、経皮的に血管の壁を穿刺するように構成された端を有し、
前記EPDが、フィラメントであって、前記の前記内腔内に嵌合するように構成された一部分を有する非展開状態と、前記フィラメントが支持部分およびフィルタ部分を備えるらせんを自動的に形成する、展開状態と、を含むように構成された、フィラメントを備え、
前記支持部分が、細長いコイルを備える、軸を含む前記らせんの第1の部分を備え、前記細長いコイルの連続したコイル間のピッチは、前記支持部分が軸方向に圧縮されていないときにその直径を超え、
前記フィルタ部分が、漏斗を含み、前記漏斗は、前記漏斗の端に向かう方向に直径が減少するように構成され、前記漏斗がまた、前記軸から外れた中心を有する少なくとも1つの低減コイルを含み、
遠位先端は、皮膚を通して血管内に方向付けられるように構成され、
前記フィラメントは、前記針から展開されるように構成され、
前記フィラメントが、前記展開状態を形成し、
前記軸が、少なくともほぼ前記血管内の血液の流れの方向と整列し、
前記遠位先端は、前記血管および前記皮膚から除去されるように構成されている、システム。
【請求項16】
前記EPDが、ステムをさらに含み、前記ステムは、前記血管の壁内に存在するか、または前記血管の壁を横断するように配列されるように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
アンカー、プルワイヤ、およびストッパのうちの少なくとも1つをさらに備え、前記アンカー、前記プルワイヤ、および前記ストッパのうちの前記少なくとも1つは、展開中または後に、前記フィラメントと配列されるように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
血管内に配列するように構成された塞栓防止用デバイス(EPD)であって、前記EPDが、
フィラメントであって、
針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を備える非展開状態と、
支持部分およびフィルタ部分を備える展開状態と、を含むように構成され、
前記支持部分が、軸を有するらせんとして成形され、
前記らせんが、前記らせんのコイルの少なくとも一部分を含み、前記コイルの前記一部分の連続したコイル間のピッチは、前記支持部分が軸方向に圧縮されていないときにその直径を超え、
前記フィルタ部分が、複数のコイルであって、その直径が前記EPDの端に向かう方向に低減する、前記複数のコイルを備える、フィラメントと、
少なくとも1つの低減コイルであって、その中心が前記らせんの軸から外れた少なくとも1つの低減コイルを備える、低減要素と、を備え、
前記複数のコイルおよび前記少なくとも1つの低減コイルの直径が、前記EPDが埋め込まれる血管の直径よりも小さい、塞栓防止用デバイス(EPD)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年10月21日に出願された、米国仮特許出願第62/411,353号、および2017年3月15日に出願された、同第62/471,676号の優先権利益を主張し、かつ2013年5月30日に出願された、PCT出願第PCT/IB2013/001336号、2013年11月27日に出願された、同第PCT/IL2013/050979号、2013年11月27日に出願された、同第PCT/IL2013/050981号、および2016年1月6日に出願された、同第PCT/IL2016/050016号、ならびに2014年12月8日に出願された、米国特許出願第14/563,513号にも関連している。これらの述べられている開示の各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の分野は、塞栓防止用デバイスである。より具体的には、本開示の分野は、脳卒中および/または肺塞栓の防止のための塞栓防止である。
【背景技術】
【0003】
塞栓は、狭窄した血管内に塞栓(遊離した血管内の塊)が留まる事象であり、これにより、体の末端部位内に閉塞が生じる。塞栓は、動脈または静脈内の血液循環に進入するかどうかに関して分類することができる。動脈塞栓は、心臓または大動脈内で始まる場合があり、かつ体の任意の部位内に閉塞および/または梗塞を引き起こす可能性がある。心臓または頸動脈のいずれかからの塞栓が脳内に留まると、虚血性脳卒中を引き起こす可能性がある。体静脈内に形成する静脈塞栓は、心臓の右側部を通過した後、肺内に留まる可能性がある。この有害な状態は、肺塞栓として知られている。
【0004】
末端の塞栓は、自然発生的に生じ得るか、あるいは開腹手術の設定またはバルーン血管形成もしくはステント留置などの血管内操作のいずれかで、心臓、大動脈、もしくは静脈の操作によって誘発され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本開示の実施形態を使用して、体の血管内の塞栓事象に対処することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、近位端および遠位端、ならびに非展開状態および展開状態を含む、塞栓防止用デバイス(「EPD」、「デバイス」、または「フィルタ処理デバイス」)を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、EPDを提供し、EPDは、超弾性合金(例えば、ニチノール)から作製され得る、ワイヤまたはフィラメントを備える。近位端および遠位端を有するデバイスは、2つの状態-拘束された非展開状態(直線状、実質的に直線状、非直線状、またはそれらの組み合わせ)、およびフィラメントが巻回されるかまたはコイル状(このような用語は互換的に使用され得る)であり得る、拡張された展開状態をとり得る。コイル状の展開形状は、らせんとして成形される支持部分と、フィルタ部分と、を含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、支持部分は、その高さまたはピッチがコイルの直径よりも大きい、少なくとも1つの細長いコイルを含み得る。このような細長いコイルは、支持部分の軸方向の圧縮に耐えるように構成されており、細長いコイルが圧縮されると、その直径が増大し、それによって、さらなる圧縮に対向する血管壁からの支持が、生成される。いくつかの実施形態では、支持部分の少なくとも1つのコイルは、標的血管径と比較して、0.1~2.0mm、サイズが大きい可能性がある。
【0009】
フィルタ部分は、漏斗として成形された部分(例えば、テーパ状であるらせんのコイル)と、漏斗部分内の最大開口の穴(漏斗内の最小コイルである)を低減するように構成された低減要素と、を含み得る。いくつかの実施形態では、低減要素は、フィラメントと一体的であり得る。いくつかの実施形態では、低減要素は、らせん状支持部分の軸から外れた少なくとも1つのコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、低減要素は、内向き突出部を有する、ロッド、ジグザグ、曲線、またはリングとして成形され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、フィラメントの展開形状は、近位端でステム部分を含み得る。ステム部分は、直線状であり得、血管壁を横断するように構成され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、デバイスは、近位フィラメント端の近くに取り付けられたストッパを含み得る。ストッパは、血管内腔内から外方へのフィラメントの移動を防止し得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、血管内腔に対して外部から組織に係合するように構成されたアンカーを含み得る。いくつかの実施形態では、アンカーは、ステムの周りで回転可能であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの展開後に、患者の皮膚の外側に延在するように構成されたプルワイヤを含み得る。プルワイヤを使用して、血管壁を通してデバイスを回収することができる。いくつかの実施形態では、プルワイヤは、軸受と共に構成され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.5mm(約1.5French、0.02インチ)未満の外径および鋭い遠位端を有する剛性針(いくつかの実施形態では、全体を通して、少なくともいくつかの実施形態に関して互換的に使用される両用語「管」または「カニューレ」とも称され得る)を備える送達システムを使用して、血管内に埋め込まれ得る。デバイスは、針内で予め組み立てられ、遠位端に位置付けられ得、その非展開をとるように拘束され得る。細長いロッドの形態のプッシャも、針内で予め組み立てられ得、針の近位端からデバイスの近位端まで延在する。デバイスの埋め込みは、皮膚および下部組織を刺し通し、かつ超音波誘導下で血管内に針を前進させることによって行われ得る。血管内で、デバイスは、プッシャを押すことによって針から露出させることができる。針からデバイスを露出させた後、デバイスは、遠位端が血管内腔内に存在し、かつ近位端が血管壁内にまたはその外側に存在するように、拡張された展開状態をとり得る。いくつかの実施形態では、らせん状支持部分の軸は、血管内の流体流に対してほぼ平行に配列される。
【0014】
いくつかの実施形態では、プッシャは、駆動機構、コントローラ、電力供給装置、および入力/出力デバイスを備える電気機械システムを使用して駆動され得る。駆動機構は、モータ、ギア、およびラックを含み得る。操作者は、入力/出力デバイスに好適な入力を提供することによって、デバイスを針から露出させることができる。入力信号を受信すると、コントローラは、電力供給装置から駆動機構に電力を方向付けることができ、それによってプッシャに針からデバイスを押し出させる。
【0015】
いくつかの実施形態では、プッシャは、駆動機構、ドラム、コントローラ、電力供給装置、および入力/出力デバイスを備える電気機械システムを使用して駆動され得る。駆動機構は、モータ、ピニオン、および平歯車を含み得る。平歯車は、ドラムに剛性接続され得、プッシャの近位端は、ドラムに接続され得る。操作者は、入力/出力デバイスに好適な入力を提供することによって、デバイスを針から露出させることができる。入力信号を受信すると、コントローラは、電力供給装置から駆動機構に電力を方向付けることができ、それによって、ピニオンが一方向に回転し、平歯車およびドラムが反対方向に回転し、プッシャに針からデバイスを押し出させる。
【0016】
いくつかの実施形態では、針またはその一部分は、経カテーテル形態で埋め込み部位に送達されるように構成された可撓性管と相互置換され得る。いくつかの実施形態では、プッシャは、中空であり得、かつその内腔内でプルワイヤを受容するように構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、血管内に配列するように構成された塞栓防止用デバイス(EPD)を提供する。EPDは、針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を含む非展開状態と、フィラメントが支持部分およびフィルタ部分を備えるらせんを自動的に形成する、展開状態と、を有するように構成された、フィラメントを含む。支持部分は、細長いコイルであって、その直径を超える高さを有する、細長いコイルを備える、軸を有するらせんの第1の部分を含み得る。フィルタ部分は、第1の方向にテーパ状であるように構成された漏斗を含み、漏斗はまた、軸から外れた中心を有する少なくとも1つの低減コイルを含む。支持部分は、血管内のフィルタ部分を配向すること、および血液に対してEPDを固定することの少なくとも一方を行うように構成されている。細長いコイルの少なくとも一部分は、支持部分の軸方向の圧縮に耐えるように構成され得、低減コイルは、所定のサイズよりも大きい塞栓を捕捉するように構成され得る。そのような実施形態(ならびに他の実施形態)はまた、以下の特徴のうちの1つおよび/もしくは別のもの、機能性、ならびに/または明確化を含み得、本開示のまた他のさらなる実施形態を生じる。
-展開形状が、血管壁を横断するように構成されたステムをさらに備えること、
-患者の皮膚を横断し、かつ血管からデバイスを引き出すことによるデバイスの引き込みを可能にするように構成された、プルワイヤ、
-フィラメントが血管内の穿刺を通して血管内腔から外方に移動することを防止するように構成されたストッパ、
-血管内腔に対して外部から組織に係合するように構成されたアンカー、
-フィルタ部分が支持部分と第2の支持部分との間に間置される、第2の支持部分、
-第2の低減コイルであって、その中心が軸から外れた、第2の低減コイル、
-低減コイルおよび第2の低減コイルの中心を接続する線分が軸と交差すること、
-フィラメントがニチノールから作製されること、および/または
-フィラメント断面が円形であり、断面の直径が0.05~0.3mmの範囲であること。
【0018】
いくつかの実施形態では、患者に塞栓防止を提供するためのシステムを提供し、本システムは、塞栓防止用デバイス(EPD)、針、プッシャ、駆動機構、制御ユニット、電力供給装置、および入力/出力デバイスを含む。EPDの近位端は、最初に、針の内腔内に配列され得、プッシャの遠位端は、最初に、針の内腔内に、かつEPDの近位端に対して近位に配列され得、入力/出力EPDを通した操作者の命令時に、コントローラは、電力供給装置および駆動機構の手段によって、プッシャに針内腔からEPDの少なくとも一部分を押し出させるように構成され得る。EPDは、本出願に開示されるEPD実施形態のうちのいずれかを構成し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、患者に塞栓防止を提供するためのシステムを提供し、本システムは、塞栓防止用デバイス(EPD)、針、中空内腔を有するプッシャ、駆動機構、制御ユニット、電力供給装置、および入力/出力デバイスを含む。EPDのフィラメントの近位端は、最初に、針の内腔内に配列され得、プッシャの遠位端は、最初に、針の内腔内に、かつEPDの近位端に対して近位に配列され得、EPDのプルワイヤの少なくとも一部分は、プッシャの内腔内に配列され得、入力/出力EPDを通した操作者の命令時に、コントローラは、電力供給装置および駆動機構の手段によって、プッシャに針内腔からEPDの少なくとも一部分を押し出させるように構成され得る。EPDは、本出願に開示されるEPD実施形態のうちのいずれかを構成し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、塞栓捕捉方法を提供し、本方法は、針の端により血管の壁を経皮的に穿刺することを含み、針は、塞栓防止用デバイス(EPD)の少なくとも一部分を収容する内腔を含む。EPDは、針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を有する非展開状態と、フィラメントが支持部分およびフィルタ部分を備えるらせんを自動的に形成する、展開状態と、を含むように構成された、フィラメントを備え得る。支持部分は、軸を含むらせんの第1の部分を含み得、かつ細長いコイルであって、その直径を超える高さを有する、細長いコイルを備え得る。フィルタ部分は、第1の方向にテーパ状であるように構成された漏斗を含み得、漏斗はまた、軸から外れた中心を有する少なくとも1つの低減コイルを含む。本方法は、皮膚を通して血管内に遠位先端を方向付けることと、針からフィラメントを展開することと、をさらに含み得る。フィラメントは、それによって展開状態を形成し、軸は、好ましくは、少なくともほぼ血管内の血液の流れの方向と整列する。本方法は、血管および皮膚から遠位先端を除去することをさらに含み得る。そのような実施形態のEPDは、ステムを含み得、本方法は、血管壁内に存在するかまたは血管壁を横断するようにステムを配列することをさらに含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、本方法はまた、展開中または後に、アンカー、プルワイヤ、およびストッパのうちの少なくとも1つをフィラメントと配列することを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、患者に塞栓防止を提供するための塞栓防止用システムを提供し、本システムは、針(曲線部分を含み得る)、単一フィラメントを含むEPDを含み、EPDは、単一フィラメントの一部分が針の内腔内に嵌合するように構成される非展開形状と、単一フィラメントが少なくとも1つの曲線を有する展開形状と、を含む。本システムは、プッシャ、駆動機構、制御ユニット、電力供給装置、および入力/出力デバイスをさらに含み得る。いくつかのそのような実施形態では、EPDの近位端は、最初に、針の内腔内に配列され得、プッシャの遠位端は、最初に、針の内腔内に、かつEPDの近位端に対して近位に配列され得る。入力/出力デバイスを通した操作者の命令時に、コントローラは、電力供給装置および駆動機構の手段によって、プッシャに針内腔からEPDの少なくとも一部分を押し出させるように構成され得る。EPDが針から押し出される速度は、いくつかの実施形態では、約2cm/秒未満である。
【0022】
いくつかの実施形態では、血管内に配列するように構成された塞栓防止用デバイス(EPD)を提供し、本デバイスは、針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を備える非展開状態と、支持部分およびフィルタ部分を備える展開状態と、を有するフィラメントを含む。支持部分は、軸を有するらせんとして成形され得、らせんは、らせんのコイルの少なくとも一部分であって、その高さがその直径を超える、らせんのコイルの少なくとも一部分を含む。らせんの少なくとも1つのコイルは、EPDが配置される血管の直径を超える直径を含み得る。フィルタ部分は、EPDの近位端または遠位端に向かう方向に低減する直径を有する複数のコイルを備え得る。EPDはまた、らせんの少なくとも1つの低減コイルであって、その中心がらせん軸から外れた、らせんの少なくとも1つの低減コイルを備える、低減要素を含み得る。複数のテーパ状コイルおよび少なくとも1つの低減コイルの直径は、いくつかの実施形態では、動脈の直径よりも小さい。
【0023】
いくつかの実施形態では、体の血管内に塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用埋め込みシステムを提供し、本システムは、ハウジング、および内腔を有する針を含む。針は、EPDを少なくとも部分的に収容すること、および患者の体の血管内にEPDを誘導することの少なくとも一方を行うように構成され得る。本システムは、針に対して少なくともEPDを押すか、または別様に移動させるように構成された、プッシャと、血管内にEPDを展開するように、プッシャおよびEPDの少なくとも一方を移動させるように構成された、駆動機構と、をさらに含み得る。そのような実施形態(ならびに他の実施形態)はまた、以下の特徴のうちの1つおよび/もしくは別のもの、機能性、ならびに/または明確化を含み得、本開示のまた他のさらなる実施形態を生じる。
-曲線部分を含む非展開形状をとるように構成されたEPD、
-駆動機構が、モータ、ピニオン、平歯車、および遊星ギアのうちの少なくとも1つを備えること、
-針がハウジングに接続されていること、
-針が直線部分および曲線部分を含むこと、
-針の直線部分の少なくとも一部がハウジングに対して外部に配列され得、かつ/または曲線部分の少なくとも一部がハウジング内に配列され得ること、
-EPDの曲線部分が1つ以上のコイルまたは捲れを含み得ること、
-ドラム、
-ドラム(上記を参照のこと)が回転することを可能にするように構成された軸であって、ハウジングに接続され得る、軸、
-ドラム(上記を参照のこと)に接続され得る平歯車、
-EPDの非展開状態が針の構成から引き継がれること、
-EPDが針の内腔内に少なくとも部分的に収容されること、
-電力供給装置、コントローラ、ならびに入力および/または出力デバイスのうちの少なくとも1つ、
-プッシャの少なくとも一部が針の内腔内に収容され得ること、
-プッシャが最初に針の内腔に対して外部に存在するように構成され得ること、
-プッシャの遠位端がEPDの近位端に対して近位に配列され得ること、
-プッシャの近位端がドラム(上記を参照のこと)に接続され得ること、
-プッシャがガイドまたはチャネルを通して針の近位端に向かって延在するように構成され得ること、
-プッシャが内腔を含み得るか、または固体であり得ること、
-プッシャが内腔を含み得、EPDのプルワイヤがプッシャの内腔内に配列され得ること、
-プルワイヤの近位端がプッシャの近位端から近位に突出し得ること、
-第1の方向での駆動機構の回転が第2の方向でのドラムの回転に影響を与え得ること、
-入力/出力デバイスが、少なくとも、システムを操作するためのボタンを備え得ること、
-システムが、使い捨て可能であるように構成された第1の部分と、再使用可能であるように構成された第2の部分と、を含み得、それによって再使用可能な部分が、ハウジング、入力/出力デバイス、コントローラ、電力供給装置、および駆動機構の全部または一部分のうちの1つ以上を含み、
○使い捨て可能な部分が、針、塞栓防止用デバイスおよび駆動機構の少なくとも一部分のうちの1つ以上を含み得、
○再使用可能な部分および使い捨て可能な部分が互いに可逆的に接続され得ること、
-LEDもしくは音声出力デバイスの少なくとも一方であって、一方および/もしくは他方が、EPDが針から完全に露出されていることを示すように構成され得、
○完全な露出が、いくつかの実施形態では、EPDのステム、アンカー、およびプルワイヤのうちの1つ以上の露出を含むこと、
-針の少なくとも一部分が可撓性管を備えること、
-可撓性管がニチノールおよびポリマーの少なくとも一方を備え得、それによって針の遠位部分が、針の先端が可撓性であり得るように、可撓性管を備え得ること、
-患者の皮膚上の進入部位に近接する血管の内腔への経皮的なアクセスを提供するように構成されたカテーテル、および/または
-可撓性管(上記を参照のこと)が、曲線部分および遠位端を伴って構成され得、遠位端が、任意選択的に、遠位端が内側から外側に血管を刺し通し得るように、血管の壁を穿刺するように構成され得ること。
【0024】
いくつかの実施形態では、体の血管内に塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込みシステムであって、ハウジングと、内腔を有する可撓性管であって、EPDを少なくとも部分的に収容すること、および患者の体の血管内にEPDを誘導することの少なくとも一方を行うように構成され得る、可撓性管と、可撓性管に対して少なくともEPDを押すか、または別様に移動させるように構成された、プッシャと、ドラムと、血管内にEPDを展開するように、プッシャ、ドラム、可撓性管、およびEPDのうちの少なくとも1つを移動させるように構成された、駆動機構と、を含む、塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込みシステムを提供する。
【0025】
いくつかの実施形態では、血管内に塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込み方法であって、EPD埋め込みシステムを提供することであって、それによってEPDの埋め込みを支援するように構成された針の少なくとも一部分が可撓性管を備える、EPD埋め込みシステムを提供することと、カテーテルを提供することと、進入部位で患者の皮膚を刺し通すことであって、進入部位が患者の血管に近接している、刺し通すことと、カテーテルを、その遠位端が血管の内腔内の埋め込み部位に隣接して配置され、かつその近位端が進入部位で皮膚の外側に突出するように、患者に対して配列することと、を含む、塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込み方法を提供する。本方法はまた、可撓性管の遠位端が血管内の埋め込み部位に、またはその近くに配列されるまで、可撓性管を、その近位端を通してカテーテルの内腔内に誘導することと、埋め込み部位に、またはその近くにEPDを展開することと、可撓性管を引き抜き、かつ埋め込み部位にEPDを留置することと、および/またはカテーテルを引き抜くことと、を含み得る。このような方法の実施形態では、EPD埋め込みシステムは、本明細書に開示されるEPD埋め込みシステムのうちのいずれかによるものであり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込み方法であって、EPD埋め込みシステムを提供することと、カテーテルを提供することと、進入部位で患者の皮膚を刺し通すことであって、進入部位が患者の血管に近接している、刺し通すことと、カテーテルを、その遠位端が血管の内腔内の埋め込み部位に隣接して配置され、かつその近位端が進入部位で皮膚の外側に突出するように、患者に対して配列することと、可撓性管の遠位端が血管内の埋め込み部位に、またはその近くに配列されるまで、可撓性管を、その近位端を通してカテーテルの内腔内に誘導することと、埋め込み部位に、またはその近くにEPDを展開することと、可撓性管を引き抜き、かつ埋め込み部位にEPDを留置することと、および/またはカテーテルを引き抜くことと、を含む、塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込み方法を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態による「実質的に」という用語は、例えば、総量、限界、または構造(など)に近いかまたは近似しているかまたはほぼ等しいものとして定義され得る。いくつかの実施形態では、「実質的に」という用語は、「本質的に」(例えば)として定義され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、血管内の埋め込み部位で展開するための血管塞栓防止用デバイスを提供し、本デバイスは、ある長さ、近位端および遠位端、ならびに約0.025mm~約1mm(およびいくつかの実施形態では、例えば、約0.05~0.3mm)の直径を有するフィラメントを含み得、かつ非展開状態および展開状態を含むように構成される。非展開状態では、デバイスの少なくとも一部分は、送達管または針の内腔内に嵌合するように構成され、展開状態では、デバイスは、血管内の流体流に対してほぼ平行である軸を含む。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
血管内に配列するように構成された塞栓防止用デバイス(EPD)であって、前記EPDが、
フィラメントであって、
針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を含む非展開状態と、
前記フィラメントが支持部分およびフィルタ部分を備えるらせんを自動的に形成する、展開状態と、を含むように構成された、フィラメントを備え、
前記支持部分が、細長いコイルであって、その直径を超える高さを有する、前記細長いコイルを備える、軸を含む前記らせんの第1の部分を備え、
前記フィルタ部分が、第1の方向にテーパ状であるように構成された漏斗を含み、前記漏斗がまた、前記軸から外れた中心を有する少なくとも1つの低減コイルを含み、
前記支持部分が、血管内の前記フィルタ部分を配向すること、および前記血管に対して前記EPDを固定することの少なくとも一方を行うように構成され、
前記細長いコイルの少なくとも一部分が、前記支持部分の軸方向の圧縮に耐えるように構成され、
前記低減コイルが、所定のサイズよりも大きい塞栓を捕捉するように構成される、塞栓防止用デバイス(EPD)。
(項目2)
前記展開形状が、前記血管壁を横断するように構成されたステムをさらに備える、項目1に記載のEPD。
(項目3)
患者の皮膚を横断し、かつ前記血管から前記デバイスを引き出すことによる前記デバイスの引き込みを可能にするように構成された、プルワイヤをさらに備える、項目1に記載のEPD。
(項目4)
前記フィラメントが前記血管内の穿刺を通して前記血管内腔から外方に移動することを防止するように構成されたストッパをさらに備える、項目1に記載のEPD。
(項目5)
前記血管内腔に対して外部から組織に係合するように構成されたアンカーをさらに備える、項目1に記載のEPD。
(項目6)
前記フィルタ部分が、前記支持部分と前記第2の支持部分との間に間置される、第2の支持部分をさらに備える、項目1に記載のEPD。
(項目7)
第2の低減コイルであって、その中心が前記軸から外れた、前記第2の低減コイルをさらに備える、項目1に記載のEPD。
(項目8)
前記低減コイルおよび前記第2の低減コイルの前記中心を接続する線分が、前記軸と交差する、項目7に記載のEPD。
(項目9)
前記フィラメントが、ニチノールから作製される、項目1に記載のEPD。
(項目10)
前記フィラメント断面が、円形であり、前記断面の直径が、0.05~0.3mmの範囲内にある、項目1に記載のEPD。
(項目11)
患者に塞栓防止を提供するためのシステムであって、前記システムが、
塞栓防止用デバイス(EPD)と、
針と、
プッシャと、
駆動機構と、
制御ユニットと、
電力供給装置と、
入力/出力デバイスと、を備え、
前記EPDの近位端が、最初に、前記針の前記内腔内に配列され、
前記プッシャの遠位端が、最初に、前記針の前記内腔内に、かつ前記EPDの前記近位端に対して近位に配列され、
前記入力/出力EPDを通した操作者の命令時に、コントローラが、前記電力供給装置および前記駆動機構の手段によって、前記プッシャに前記針内腔から前記EPDの少なくとも一部分を押し出させる、システム。
(項目12)
前記EPDが、項目1に記載のEPDを備える、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記EPDが、項目1~10のいずれかに記載の前記EPDを備える、項目11に記載のシステム。
(項目14)
患者に塞栓防止を提供するためのシステムであって、前記システムが、
塞栓防止用デバイス(EPD)と、
針と、
中空内腔を有するプッシャと、
駆動機構と、
制御ユニットと、
電力供給装置と、
入力/出力デバイスと、を備え、
前記EPDのフィラメントの近位端が、最初に、前記針の前記内腔内に配列され、
前記プッシャの前記遠位端が、最初に、前記針の前記内腔内に、かつ前記EPDの前記近位端に対して近位に配列され、
前記EPDのプルワイヤの少なくとも一部分が、前記プッシャの前記内腔内に配列され、
前記入力/出力EPDを通した操作者の命令時に、コントローラが、前記電力供給装置および前記駆動機構の手段によって、前記プッシャに前記針内腔から前記EPDの少なくとも一部分を押し出させる、システム。
(項目15)
前記EPDが、項目1に記載のデバイスを備える、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記EPDが、項目1~10のいずれかに記載のデバイスを備える、項目14に記載のシステム。
(項目17)
塞栓捕捉方法であって、
針の端により経皮的に血管の壁を穿刺することであって、前記針が、塞栓防止用デバイス(EPD)の少なくとも一部分を収容する内腔を含み、
前記EPDが、針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を有する非展開状態と、前記フィラメントが支持部分およびフィルタ部分を備えるらせんを自動的に形成する、展開状態と、を含むように構成された、フィラメントを備え、
前記支持部分が、細長いコイルであって、その直径を超える高さを有する、細長いコイルを備える、軸を含む前記らせんの第1の部分を備え、
前記フィルタ部分が、第1の方向にテーパ状であるように構成された漏斗を含み、前記漏斗がまた、前記軸から外れた中心を有する少なくとも1つの低減コイルを含む、穿刺することと、
前記皮膚を通して血管内に前記遠位先端を方向付けることと、
前記針から前記フィラメントを展開することであって、
前記フィラメントが、前記展開状態を形成し、
前記軸が、すくなくともほぼ前記血管内の血液の流れの方向と整列する、展開することと、
前記血管および前記皮膚から前記遠位先端を除去することと、を含む、方法。
(項目18)
前記EPDが、ステムをさらに含み、前記方法が、前記血管壁内に存在するか、または前記血管壁を横断するように前記ステムを配列することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
展開中または後に、アンカー、プルワイヤ、およびストッパのうちの少なくとも1つを前記フィラメントと配列することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
患者に塞栓防止を提供するための塞栓防止用システムであって、前記システムが、
針と、
単一フィラメントを含むEPDであって、前記単一フィラメントの一部分が前記針の前記内腔内に嵌合するように構成された非展開状態と、前記単一フィラメントが少なくとも1つの曲線を有する展開状態と、を有する、EPDと、
プッシャと、
駆動機構と、
制御ユニットと、
電力供給装置と、
入力/出力デバイスと、を備え、
前記EPDの前記近位端が、最初に、前記針の前記内腔内に配列され、
前記プッシャの前記遠位端が、最初に、前記針の前記内腔内に、かつ前記EPDの前記近位端に対して近位に配列され、
前記入力/出力デバイスを通した操作者の命令時に、前記コントローラが、前記電力供給装置および前記駆動機構の手段によって、前記プッシャに前記針内腔から前記EPDの少なくとも一部分を押し出させ、
前記EPDが前記針から押し出される速度が、約2cm/秒未満である、塞栓防止用システム。
(項目21)
前記針が、曲線である一部分を備える、項目20に記載のシステム。
(項目22)
血管内に配列するように構成された塞栓防止用デバイス(EPD)であって、前記EPDが、
フィラメントであって、
針または管の内腔内に嵌合するように構成された一部分を備える非展開状態と、
支持部分およびフィルタ部分を備える展開状態と、を含むように構成され、
前記支持部分が、軸を有するらせんとして成形され、
前記らせんが、前記らせんのコイルの少なくとも一部分であって、その高さがその直径を超える、前記らせんのコイルの少なくとも一部分を含み、
前記らせんの少なくとも1つのコイルが、前記EPDが配置される前記血管の直径を超える直径を含み、
前記フィルタ部分が、複数のコイルであって、その直径が前記EPDの前記近位端または前記遠位端に向かう方向に低減する、前記複数のコイルを備える、フィラメントと、
前記らせんの少なくとも1つの低減コイルであって、その中心が前記らせん軸から外れた、前記らせんの少なくとも1つの低減コイルを備える、低減要素と、を備え、
前記複数のテーパ状コイルおよび前記少なくとも1つの低減コイルの直径が、動脈の直径よりも小さい、塞栓防止用デバイス(EPD)。
(項目23)
体の血管内に塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用埋め込みシステムであって、
ハウジングと、
内腔を有する針であって、EPDを少なくとも部分的に収容すること、および患者の体の血管内にEPDを誘導することの少なくとも一方を行うように構成された、針と、
前記針に対して少なくとも前記EPDを押すか、または別様に移動させるように構成された、プッシャと、
前記血管内に前記EPDを展開するように、前記プッシャおよび前記EPDの少なくとも一方を移動させるように構成された、駆動機構と、を備える、塞栓防止用埋め込みシステム。
(項目24)
曲線部分を含む非展開形状をとるように構成されたEPDをさらに備える、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記駆動機構が、モータ、ピニオン、平歯車、および遊星ギアのうちの少なくとも1つを備える、項目23に記載のシステム。
(項目26)
前記針が、前記ハウジングに接続される、項目23に記載のシステム。
(項目27)
前記針が、直線部分および曲線部分を含む、項目23に記載のシステム。
(項目28)
前記直線部分の少なくとも一部が、前記ハウジングに対して外部に配列され、かつ/または前記曲線部分の少なくとも一部が、前記ハウジング内に配列される、項目27に記載のシステム。
(項目29)
前記曲線部分が、1つ以上のコイルまたは捲れを含む、項目27に記載のシステム。
(項目30)
ドラムをさらに備える、項目23に記載のシステム。
(項目31)
前記ドラムがそのうえで回転することを可能にするように構成された軸をさらに含む、項目30に記載のシステム。
(項目32)
前記軸が、前記ハウジングに接続される、項目31に記載のシステム。
(項目33)
ドラムをさらに備え、前記平歯車が、前記ドラムに接続される、項目25に記載のシステム。
(項目34)
前記EPDの前記非展開状態が、前記針の前記構成から引き継がれる、項目23に記載のシステム。
(項目35)
前記EPDが、前記針の前記内腔内に少なくとも部分的に収容される、項目23に記載のシステム。
(項目36)
電力供給装置、コントローラ、ならびに入力および/または出力デバイスのうちの少なくとも1つをさらに備える、項目23に記載のシステム。
(項目37)
前記プッシャの少なくとも一部が、前記針の前記内腔内に収容される、項目23に記載のシステム。
(項目38)
前記プッシャが、最初に、前記針の前記内腔に対して外部に存在するように構成される、項目23に記載のシステム。
(項目39)
前記プッシャの遠位端が、前記EPDの近位端に対して近位に配列される、項目23に記載のシステム。
(項目40)
前記プッシャの近位端が、前記ドラムに接続される、項目30に記載のシステム。
(項目41)
前記プッシャが、ガイドまたはチャネルを通して前記針の近位端に向かって延在するように構成される、項目23に記載のシステム。
(項目42)
前記プッシャが、内腔を含むか、または固体である、項目23に記載のシステム。
(項目43)
前記プッシャが、内腔を含み、前記EPDのプルワイヤが、前記プッシャの前記内腔内に配列される、項目42に記載のシステム。
(項目44)
前記プルワイヤの近位端が、前記プッシャの近位端から近位に突出する、項目42に記載のシステム。
(項目45)
第1の方向の前記駆動機構の回転が、第2の方向の前記ドラムの回転に影響を与える、項目23に記載のシステム。
(項目46)
前記入力/出力デバイスが、少なくとも、前記システムを操作するためのボタンを備える、項目36に記載のシステム。
(項目47)
使い捨て可能であるように構成された第1の部分と、再使用可能であるように構成された第2の部分と、を備える、項目23に記載のシステム。
(項目48)
前記再使用可能な部分が、前記ハウジング、入力/出力デバイス、コントローラ、電力供給装置、および前記駆動機構の全部または一部分のうちの1つ以上を含む、項目48に記載のシステム。
(項目49)
前記使い捨て可能な部分が、前記針、前記塞栓防止用デバイス、および前記駆動機構の少なくとも一部分のうちの1つ以上を含む、項目48に記載のシステム。
(項目50)
前記再使用可能な部分および使い捨て可能な部分が、互いに可逆的に接続される、項目48に記載のシステム。
(項目51)
LEDまたは音声出力デバイスの少なくとも一方をさらに備え、一方および/または他方が、前記EPDが前記針から完全に露出されたことを示すように構成される、項目23に記載のシステム。
(項目52)
前記完全な露出が、前記EPDのステム、アンカー、およびプルワイヤのうちの1つ以上の露出を含まない、項目23に記載のシステム。
(項目53)
前記針の少なくとも一部分が、可撓性管を備える、項目23に記載のシステム。
(項目54)
前記可撓性管が、ニチノールおよびポリマーの少なくとも一方を含み、前記針の前記遠位部分が、前記針の先端が可撓性であるように、前記可撓性管を備える、項目53に記載のシステム。
(項目55)
患者の皮膚上の進入部位に近接する血管の内腔への経皮的なアクセスを提供するように構成されたカテーテルをさらに備える、項目53に記載のシステム。
(項目56)
前記可撓性管が、曲線部分および遠位端を伴って構成され、前記遠位端が、任意選択的に前記遠位端が内側から外側に前記血管を刺し通し得るように、前記血管の前記壁を穿刺するように構成される、項目53に記載のシステム。
(項目57)
体の血管内に塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込みシステムであって、
ハウジングと、
内腔を有する可撓性管であって、EPDを少なくとも部分的に収容すること、および患者の体の血管内にEPDを誘導することの少なくとも一方を行うように構成された、可撓性管と、
前記可撓性管に対して少なくとも前記EPDを押すか、または別様に移動させるように構成された、プッシャと、
ドラムと、
前記血管内に前記EPDを展開するように、前記プッシャ、前記ドラム、前記可撓性管、および前記EPDのうちの少なくとも1つを移動させるように構成された、駆動機構と、を備える、塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込みシステム。
(項目58)
血管内に塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込み方法であって、
EPD埋め込みシステムを提供することであって、前記EPDの埋め込みを支援するように構成された針の少なくとも一部分が、可撓性管を備える、EPD埋め込みシステムを提供することと、
カテーテルを提供することと、
進入部位で患者の皮膚を刺し通すことであって、前記進入部位が、患者の血管に近接している、刺し通すことと、
前記カテーテルを、その遠位端が前記血管の前記内腔内の埋め込み部位に隣接して配置され、かつその近位端が前記進入部位で前記皮膚の外側に突出するように、前記患者に対して配列することと、
前記可撓性管の遠位端が前記血管内の前記埋め込み部位に、またはその近くに配列されるまで、前記可撓性管を、その前記近位端を通して前記カテーテルの前記内腔内に誘導することと、
前記埋め込み部位に、またはその近くに前記EPDを展開することと、
前記可撓性管を引き抜き、かつ前記埋め込み部位に前記EPDを留置することと、
前記カテーテルを引き抜くことと、を含む、方法。
(項目59)
前記EPD埋め込みシステムが、項目57に記載のシステムを備える、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記EPD埋め込みシステムが、項目20、21、および23~57のいずれかに記載のシステムを備える、項目58に記載のシステム。
(項目61)
塞栓防止用デバイス(EPD)を埋め込むための塞栓防止用デバイス(EPD)埋め込み方法であって、
EPD埋め込みシステムを提供することと、
カテーテルを提供することと、
進入部位で患者の皮膚を刺し通すことであって、前記進入部位が、患者の血管に近接している、刺し通すことと、
前記カテーテルを、その遠位端が前記血管の前記内腔内の埋め込み部位に隣接して配置され、かつその近位端が前記進入部位で前記皮膚の外側に突出するように、前記患者に対して配列することと、
前記可撓性管の遠位端が前記血管内の前記埋め込み部位に、またはその近くに配列されるまで、前記可撓性管を、その前記近位端を通して前記カテーテルの前記内腔内に誘導することと、
前記埋め込み部位に、またはその近くに前記EPDを展開することと、
前記可撓性管を引き抜き、かつ前記埋め込み部位に前記EPDを留置することと、
前記カテーテルを引き抜くことと、を含む、方法。
(項目62)
前記EPD埋め込みシステムが、項目57に記載のシステムを備える、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記EPD埋め込みシステムが、項目20、21、および23~57のいずれかに記載のシステムを備える、項目61に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
いくつかの実施形態の詳細な説明は、以下の図を参照することによってより良く理解され得る。
図1A】いくつかの実施形態による、(例えば)2つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの非展開状態を図示する。
図1B】いくつかの実施形態による、2つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの非展開状態を図示する。
図2A図2A~Cは、いくつかの実施形態による、(例えば)2つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図2B図2A~Cは、いくつかの実施形態による、(例えば)2つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図2C図2A~Cは、いくつかの実施形態による、(例えば)2つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図3】いくつかの実施形態による、2つの軸外し低減コイル、ステム、ストッパ、アンカー、およびプルワイヤを含む塞栓防止用デバイスの非展開状態を図示する。
図4A図4A~Cは、いくつかの実施形態による、2つの軸外し低減コイル、ステム、ストッパ、アンカー、およびプルワイヤを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図4B図4A~Cは、いくつかの実施形態による、2つの軸外し低減コイル、ステム、ストッパ、アンカー、およびプルワイヤを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図4C図4A~Cは、いくつかの実施形態による、2つの軸外し低減コイル、ステム、ストッパ、アンカー、およびプルワイヤを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図5】いくつかの実施形態による、2つのセットの支持部分間に間置されたフィルタ部分を含む塞栓防止用デバイスの非展開状態を図示する。
図6A図6A~Dは、いくつかの実施形態による、2つのセットの支持部分間に間置されたフィルタ部分を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、背面図、および正面図を図示する。
図6B図6A~Dは、いくつかの実施形態による、2つのセットの支持部分間に間置されたフィルタ部分を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、背面図、および正面図を図示する。
図6C図6A~Dは、いくつかの実施形態による、2つのセットの支持部分間に間置されたフィルタ部分を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、背面図、および正面図を図示する。
図6D図6A~Dは、いくつかの実施形態による、2つのセットの支持部分間に間置されたフィルタ部分を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、背面図、および正面図を図示する。
図7A図7A~Cは、いくつかの実施形態による、3つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図7B図7A~Cは、いくつかの実施形態による、3つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図7C図7A~Cは、いくつかの実施形態による、3つの軸外し低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図8】いくつかの実施形態による、低減コイルを含む塞栓防止用デバイスの非展開状態を図示する。
図9A図9A~Cは、いくつかの実施形態による、低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図9B図9A~Cは、いくつかの実施形態による、低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図9C図9A~Cは、いくつかの実施形態による、低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図10】いくつかの実施形態による、リング状低減要素を含む塞栓防止用デバイスの非展開状態を図示する。
図11A図11A~Cは、いくつかの実施形態による、リング状低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図11B図11A~Cは、いくつかの実施形態による、リング状低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図11C図11A~Cは、いくつかの実施形態による、リング状低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図12】いくつかの実施形態による、ステムおよびステムと同一直線上の低減要素を含む塞栓防止用デバイスの非展開状態を図示する。
図13A図13A~Cは、いくつかの実施形態による、ステムおよびステムと同一直線上の低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図13B図13A~Cは、いくつかの実施形態による、ステムおよびステムと同一直線上の低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図13C図13A~Cは、いくつかの実施形態による、ステムおよびステムと同一直線上の低減要素を含む塞栓防止用デバイスの展開状態の等角図、側面図、および正面図を図示する。
図14A図14A~Eは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを送達する/埋め込むためのシステムおよび方法を図示する。
図14B図14A~Eは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを送達する/埋め込むためのシステムおよび方法を図示する。
図14C図14A~Eは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを送達する/埋め込むためのシステムおよび方法を図示する。
図14D図14A~Eは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを送達する/埋め込むためのシステムおよび方法を図示する。
図14E図14A~Eは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを送達する/埋め込むためのシステムおよび方法を図示する。
図15A図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図15B図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図15C図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図15D図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図15E図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図15F図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図15G図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図15H図15A~Hは、いくつかの実施形態による、患者の血管内に塞栓防止を送達する/埋め込むためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤを装着された塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16A図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16B図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16C図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16D図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16E図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16F図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16G図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図16H図16A~Hは、患者の血管内に塞栓防止を提供するためのシステムおよび方法であって、本システムが、いくつかの実施形態による、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17A図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17B図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17C図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17D図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17E図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17F図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17G図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図17H図17A~Hは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび方法であって、本システムがまた、プルワイヤ、ストッパ、およびアンカーを装着され得る塞栓防止用デバイスを含み得る、システムおよび方法を図示する。
図18A図18A~Eは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するための経カテーテルシステムおよび方法を図示する。
図18B図18A~Eは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するための経カテーテルシステムおよび方法を図示する。
図18C図18A~Eは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するための経カテーテルシステムおよび方法を図示する。
図18D図18A~Eは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するための経カテーテルシステムおよび方法を図示する。
図18E図18A~Eは、患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するための経カテーテルシステムおよび方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示のいくつかの実施形態による、塞栓防止用デバイス/EPD1を、図1および2A~Cに図示する。
【0031】
デバイス1の実施形態をその非展開状態で図示する、図1Aを参照する。デバイス1は、単一フィラメント2から構築され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント2は、ニチノールなどの形状記憶合金から作製され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント2は、形状記憶ポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント2は、ポリ乳酸もしくはポリグリコール酸などの生分解性もしくは生体吸収性ポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント2の長さは、5cm~25cmであり得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント2は、円形断面を有し得る。円形断面の直径は、0.05mm~0.3mmであり得る。いくつかの実施形態では、直径は、1.2~2.8mmであり得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント2の断面は、円形ではない場合がある。例えば、断面の形状は、正方形または長方形であり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、デバイス1の非展開形状は、直線状または実質的に直線状である一部分3を含み得る。部分3は、カニューレまたは針4の内腔内に嵌合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、デバイス1全体が、直線状または実質的に直線状の非展開形状(および他の実施形態では、非直線状の)を有し得る。いくつかの実施形態では、針4は、0.3mm~1.0mmの範囲内の外径を有し得る。
【0033】
デバイス1の別の実施形態をその非展開状態で図示する、図1Bを参照する。いくつかの実施形態では、デバイス1の非展開形状は、非直線状であり得る。いくつかの実施形態では、デバイス1の非展開形状は、曲線を含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス1またはその一部分は、形状が曲線を含み得る針4の内腔内に部分的または全体的に存在するように、その非展開形状で構成され得る。いくつかの実施形態では、デバイス1は、その非展開状態において、針の内腔の外側全体に巻回され得るか、またはコイル状であり得る。
【0034】
身体血管5内に展開されたデバイス1の実施形態を図示する、図2A~Cを参照する。身体血管5は、頸動脈などの動脈または浅大腿動脈もしくは大静脈などの静脈であり得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、フィラメント2の展開形状は、様々なサイズの捲れを含む巻線の形状であり得る。いくつかの実施形態では、全ての捲れは、同じ方向、例えば、時計回りの方向または反時計回りの方向に巻回され得る。いくつかの実施形態では、フィラメント2の展開形状は、支持部分6およびフィルタ部分7を含み得る。いくつかの実施形態では、フィルタ部分7は、漏斗部分8および低減部材9を含み得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、支持部分6は、直径Dを有するらせんとして成形され得る。いくつかの実施形態では、支持部分6の直径は、血管5の直径よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、支持部分6の直径は、血管5の直径と等しい場合がある。またいくつかの実施形態では、支持部分6の直径は、血管5の直径よりも小さい場合がある。いくつかの実施形態では、支持部分6は、様々な直径のコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、高さまたはピッチZ(すなわち、連続したコイル間の垂直距離)が、一定であり得る。他の実施形態では、ピッチは、変化し得る。いくつかの実施形態では、フィラメント2の近位端10の近くのピッチは、遠位端11の近くのピッチよりも小さい場合がある。いくつかの実施形態では、遠位端の近くのピッチは、近位端の近くのピッチよりも大きい場合がある。
【0037】
いくつかの実施形態では、支持部分6のコイルは、血管5の内壁に接触するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コイルは、血管5の内壁に径方向の力を適用するように構成され得、それによって血管壁から成長する細胞による支持部分6の被覆を促進する。
【0038】
いくつかの実施形態では、支持部分6は、少なくとも1つのコイルであって、その高さZがコイルの直径D未満であり得る、少なくとも1つのコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dと等しい場合がある。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dの1.5倍超であり得る。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dの2倍超であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、フィルタ7の漏斗部分8は、直径が変化する捲れを有し得る。いくつかの実施形態では、コイルの直径は、遠位端に向かってテーパ状であり得るか、または直径が低減し得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分の連続したコイル間の最小距離は、0.3~1.5mmの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分の連続したコイル間の最小距離は、約1.5mm未満であり得、それによって重症脳卒中を引き起こし得る塞栓が漏斗部分のコイル間を通過することを防止する。
【0040】
いくつかの実施形態では、支持部分6および漏斗部分7は、共通のらせん軸12を有し得る。いくつかの実施形態では、低減部材9は、少なくとも1つの軸外しコイルであって、その中心が軸12上にない、少なくとも1つの軸外しコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、低減部材9は、2つの軸外しコイル13および14であって、それらの中心15および16が、それぞれ、軸12上になく、かつ互いに異なる、2つの軸外しコイル13および14を含み得る。いくつかの実施形態では、図2Cにおけるように、中心15および16を接続する線分は、軸12と交差し得、結果として、ベン図として成形される低減要素を生じる。
【0041】
いくつかの実施形態では、デバイス1内に低減要素9を含むことで、デバイス1を通過し得る最大塞栓サイズを低減するという利点を有する。低減部材9を有しない場合、最大塞栓サイズは、はるかに大きく、漏斗部分7の最小コイルの直径におよそ等しいことに留意されたい。以下の実施例が明らかにするように、漏斗部分の最小コイルをいかに小さく作製し得るかに対する限界があることにも留意されたい。
【0042】
実施例フィラメント2は、ニチノールから作製される。単一フィラメント2の直径は、0.22mmであり、拍動頸動脈環境でその形状を維持するのに十分な剛性をデバイス1に提供し、また、針内への装填を可能にするのに十分な可撓性を提供する。単一フィラメント2の最大許容歪みは、ε=8%であり、別様に、ニチノールの形状記憶は、失われ、デバイス1の所望の展開形状の回復は、不可能である。特定のパラメータを仮定すると、漏斗7の最小コイルの最小許容直径は、d/ε=0.22/0.08=2.75mmである。したがって、2.75mm以下のサイズの全ての塞栓が、デバイス1を通過することができ、重症脳卒中が、これらの塞栓によって引き起こされ得る。対照的に、図2A~Cにおけるような、それらの中心が互いに異なる状態で配列される2つの軸外しコイル13および14を有する低減部材9の出現により、約1.1mmまで通過することができる最大塞栓サイズが低減される。これにより、非展開状態と展開状態との間の移行時に、フィラメント2の塑性変形を伴わずに、単一フィラメント2の直径を0.22mmに維持しながら、重症脳卒中を防止するためのデバイス1の能力が有意に改善される。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態による塞栓防止用デバイス17を、図3および4A~Cに図示する。デバイス17は、単一フィラメント2が単一フィラメント26と置換され、任意選択的に、ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20の各々を追加し得ることを除いて、デバイス1よりも小さい。いくつかの実施形態では、ストッパ18は、その近位端21の近くの単一フィラメント26に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、アンカー19は、その近位端21の近くの単一フィラメント26に、かつストッパ18に対して近位に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、プルワイヤ20は、その近位端21のフィラメント26に、かつストッパ18および/またはアンカー19に対して近位に取り付けられ得る。ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20の各々の取り付けは、溶接、圧着、または糊付けなどの当該技術分野で知られている任意の取り付け方法を使用して行われ得る。プルワイヤ20の取り付けは、その近位端にプルワイヤを、かつその遠位端に単一フィラメント26を受容するコネクタを使用して行われ得る。いくつかの実施形態では、デバイス17は、単一フィラメント2のみを含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス17は、単一フィラメント2、プルワイヤ20、および任意選択的に、単一フィラメントおよびプルワイヤを接続するコネクタを含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、ストッパ18は、ニチノールまたは形状記憶ポリマーなどの形状記憶材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、ストッパ18は、針4の内腔内の単一フィラメント26の周りに、またはそれと並行に嵌合するように構成された非展開形状を有し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、アンカー19は、ニチノールまたは形状記憶ポリマーなどの形状記憶材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、アンカー19は、針4の内腔内の単一フィラメント26の周りに、またはそれと並行に嵌合するように構成された非展開形状を有し得る。
【0046】
いくつかの実施形態による、デバイス17の非展開状態を図示する、図3を参照する。いくつかの実施形態では、単一フィラメント26の少なくとも一部分は、針4の内腔内に嵌合するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス17は、その全体において、針の内腔内に嵌合するように構成される。
【0047】
身体血管内に展開される塞栓防止用デバイス17を図示する、図4A~Cを参照する。いくつかの実施形態では、単一フィラメント26の展開形状は、ステム25を追加すると、単一フィラメント2の展開形状と同様である。いくつかの実施形態では、ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20は、各々、ステム25に取り付けられ得る。支持部分6およびフィルタ部分7は、すでに上記に詳細に記載されており、したがって、それらの詳細な説明は省略される。
【0048】
いくつかの実施形態では、支持部分6は、少なくとも1つのコイルであって、その高さまたはピッチZがコイルの直径D未満であり得る、少なくとも1つのコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dと等しい場合がある。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dの1.5倍超であり得る。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dの2倍超であり得る。Z/D>1.5である少なくとも1つ細長いコイルを有することで、血管収縮による支持部分6の軸方向の圧縮に耐えるという利点を有し得る。軸方向の圧縮は、フィルタ部分7が血管収縮または拍動によってステム25(血管壁内に固定される)の方向に押されるときに生じ得る。支持部分の圧縮に耐えることは、ステムおよびその後のデバイス延長部の周りの圧縮されたデバイスの枢動による、デバイス17の展開形状の歪曲またはさらには漏斗部分7の方向の反転などの現象を防止する助けとなるため、重要である。Z/Dの比率が大きい(細長いコイル)ことで、細長いコイルの最初の圧縮により、コイルの直径が有意に増加し、その後、コイルが血管壁からの抵抗に直面し、それによってさらなるコイルの圧縮(および結果として生じるコイルの直径の増大)がより困難になるため、支持部分の圧縮に耐える。
【0049】
いくつかの実施形態では、ステム25は、血管5の壁を横断するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ステム25は、血管5の壁を破るが、横断しないように構成され得る。いくつかの実施形態では、ステム25は、血管壁に対してほぼ垂直に構成され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、ストッパ18は、血管内腔内に存在するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ストッパ18の少なくとも一部分が、血管壁内に存在するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ストッパ18は、1つ以上の突出部23を有する展開形状を有し得る。1つ以上の突出部23は、血管5の内腔の内側から血管5の壁にわたって血管の外側に向かう単一フィラメント26の移動に耐えるように構成され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、アンカー19は、血管5の外側に存在するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アンカー19の少なくとも一部分が、血管壁内に存在するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アンカー19の少なくとも一部分が、血管5の外側に存在するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アンカー19は、1つ以上の突出部24を有する展開形状を有し得る。1つ以上の突出部24は、血管の外側から血管5の壁にわたって血管の内腔に向かう単一フィラメント2の移動に耐えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ストッパ18およびアンカー19の両方が、デバイス17の遊走を防止するように構成される。
【0052】
いくつかの実施形態では、プルワイヤ20は、患者の皮膚の外側に延在し得る。いくつかの実施形態では、プルワイヤを使用して、血管および患者の体からデバイス17を引き出すことができる。いくつかの実施形態では、プルワイヤ20は、ニチノールなどの金属もしくは合金、またはナイロンなどのポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、プルワイヤ20は、ポリ乳酸もしくはポリグリコール酸などの生分解性もしくは生体吸収性ポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、プルワイヤ20は、円形断面を有し得る。いくつかの実施形態では、プルワイヤの断面の直径は、0.025mm~0.25mmの範囲内にあり得る。
【0053】
本開示のいくつかの実施形態による塞栓防止用デバイス27を、図5および6A~Dに図示する。いくつかの実施形態では、デバイス27は、単一フィラメント26が近位端21および遠位端22を有する単一フィラメント28と置換されることを除いて、デバイス17と同様であり得る。ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20の各々は、任意選択的であることに留意されたい。ステム25も、任意選択的である。
【0054】
いくつかの実施形態によるデバイス27の非展開状態を図示する、図5を参照する。いくつかの実施形態では、デバイス27の非展開状態は、デバイス17の非展開状態と実質的に同様であり、したがって、その詳細な説明は省略される。
【0055】
デバイス27の展開状態を図示する、図6A~Dを参照する。デバイス27の展開状態は、単一フィラメント26が単一フィラメント28と置換されることを除いて、デバイス17の展開状態と同様である。
【0056】
単一フィラメント28は、その展開形状を除いて、全ての態様の単一フィラメント26と同様である。いくつかの実施形態では、単一フィラメント28の展開形状は、様々なサイズの捲れを含む巻線の形状であり得る。いくつかの実施形態では、全ての捲れは、同じ方向、例えば、時計回りの方向または反時計回りの方向に巻回され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント28の展開形状は、任意選択的に、遠位支持部分29を含み得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント28の展開形状は、フィルタ部分30および近位支持部分31を含み得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント28の展開形状は、ステム25を含む。いくつかの実施形態では、フィルタ部分30は、漏斗部分32および低減部材33を含み得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、遠位支持部分29は、直径を有するらせんとして成形され得る。いくつかの実施形態では、遠位支持部分29の最遠位コイルは、血管5の直径よりも小さい直径を有し得る。いくつかの実施形態では、遠位支持部分29のいくつかのコイルの直径は、血管5の直径よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、遠位支持部分29のいくつかのコイルの直径は、血管5の直径と等しい場合がある。また他の実施形態では、遠位支持部分29のいくつかのコイルの直径は、血管5の直径よりも小さい場合がある。いくつかの実施形態では、遠位支持部分29は、様々な直径のコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、ピッチは、一定であり得る。他の実施形態では、ピッチは、変化し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、遠位支持部分29のコイルは、血管5の内壁に接触するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コイルは、血管5の内壁に径方向の力を適用するように構成され得、それによって血管壁から成長する細胞による支持部分29の被覆を促進する。
【0059】
いくつかの実施形態では、近位支持部分31は、直径を有するらせんとして成形され得る。いくつかの実施形態では、近位支持部分31のいくつかのコイルの直径は、血管5の直径よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、支持部分31のいくつかのコイルの直径は、血管5の直径と等しい場合がある。また他の実施形態では、近位支持部分31のいくつかのコイルの直径は、血管5の直径よりも小さい場合がある。いくつかの実施形態では、近位支持部分31は、様々な直径のコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、ピッチは、一定であり得る。他の実施形態では、ピッチは、変化し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、支持部分29および31の各々は、少なくとも1つのコイルであって、その高さまたはピッチZがコイルの直径D未満であり得る、少なくとも1つのコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dと等しい場合がある。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dの1.5倍超であり得る。いくつかの実施形態では、高さZは、直径Dの2倍超であり得る。Z/D>1.5である少なくとも1つのコイルを有することで、血管収縮または拍動による支持部分29または31の軸方向の圧縮に耐えるという利点を有し得る。この重要性は、すでに上記で考察している。
【0061】
いくつかの実施形態では、フィルタ部分30は、近位支持部分31に対して遠位にあり得る。いくつかの実施形態では、フィルタ部分30は、遠位支持部分29と近位支持部分31との間に間置され得る。いくつかの実施形態では、フィルタ部分30の漏斗部分32は、直径が変化する捲れを有し得る。いくつかの実施形態では、コイルの直径は、フィラメント28の遠位端22に向かって増加し得る。いくつかの実施形態では、コイルの直径は、フィラメント28の遠位端22に向かって直径が低減し得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分の連続したコイル間の最小距離は、0.3~1.5mmの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分の連続したコイル間の最小距離は、約1.5mm未満であり得、それによって重症脳卒中を引き起こし得る塞栓が漏斗部分のコイル間を通過することを防止する。
【0062】
いくつかの実施形態では、近位支持部分31および漏斗部分32は、共通のらせん軸34を有し得る。いくつかの実施形態では、低減部33は、少なくとも1つの軸外しコイルであって、その中心が軸34上にない、少なくとも1つの軸外しコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、低減部材33は、2つの軸外しコイル35および36であって、それらの中心37および38が、それぞれ、軸34上になく、かつ互いに異なる、2つの軸外しコイル35および36を含み得る。いくつかの実施形態では、図6Dにおけるように、中心37および38を接続する線分は、軸34と交差し得、結果として、ベン図として成形される低減要素を生じる。
【0063】
いくつかの実施形態では、デバイス27は、任意選択的に、ステム25を有し得る。いくつかの実施形態では、ステム25は、任意選択的に、ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20のうちの1つ以上と共に構成され得る。いくつかの実施形態では、ステム、ストッパ、アンカー、およびプルワイヤは、デバイス17と実質的に同じであり得る。したがって、それらの詳細な説明は、省略される。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態による塞栓防止用デバイス35を、図7A~Cに図示する。いくつかの実施形態では、デバイス35の非展開状態は、デバイス17の非展開状態と実質的に同様であり、したがって、その詳細な説明は、省略される。
【0065】
いくつかの実施形態では、デバイス35の展開状態は、単一フィラメント26が単一フィラメント36と置換されることを除いて、デバイス17の展開状態と同様である。
【0066】
いくつかの実施形態では、単一フィラメント36は、その展開形状を除いて、全ての点で単一フィラメント28と同様であり得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント36の展開形状は、フィルタ部分7がフィルタ部分37と置換され得ることを除いて、全ての点で単一フィラメント26の展開形状と同様であり得る。フィルタ部分37は、漏斗部分38、およびフィラメント26の低減部材9とは異なり得る低減部材39を含み得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分38は、単一フィラメント26の漏斗部分8と実質的に同様であり得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、近位支持部分6および漏斗部分38は、共通のらせん軸40を有し得る。いくつかの実施形態では、低減部材39は、3つの軸外しコイル41、42、および43であって、それらの中心44、45、および46が、それぞれ、軸40上になく、かつ互いに異なる、3つの軸外しコイル41、42、および43を含み得る。いくつかの実施形態では、図7Cにおけるように、3つの中心が、正三角形の形状を画定し得、結果として、ベン図として成形される低減要素を生じる。
【0068】
いくつかの実施形態では、デバイス35は、任意選択的に、ステム25を有し得る。いくつかの実施形態では、ステム25は、任意選択的に、ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20のうちの1つ以上と共に構成され得る。いくつかの実施形態では、ステム、ストッパ、アンカー、およびプルワイヤは、デバイス17と実質的に同じである。したがって、それらの詳細な説明は、省略される。
【0069】
本開示のいくつかの実施形態による塞栓防止用デバイス47を、図8および9A~Cに図示する。
【0070】
いくつかの実施形態によるデバイス47の非展開状態を図示する、図8を参照する。いくつかの実施形態では、デバイス47は、単一フィラメント26が単一フィラメント48と置換され、かつ低減要素9が低減部材50と置換されることを除いて、デバイス17と実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント48は、単一フィラメント26と一体的である低減部材9を有しないことを除いて、全ての点で単一フィラメント26と同様であり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、低減部材50は、管上部分51およびスラブ部分52を有し得る。非展開状態では、スラブ部分52は、単一フィラメント48が針4の内腔内にある状態で並んで嵌合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、低減部材50は、単一フィラメント48の遠位端49に取り付けられ得る。低減部材50の管状部分51は、単一フィラメント48の遠位端49を受容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント48への低減部材50の取り付けは、溶接、圧着、または糊付けなどの当該技術分野で知られている任意の手段を使用して行われ得る。いくつかの実施形態では、低減部材50は、ニチノール管から切断され得る。
【0072】
いくつかの実施形態によるデバイス47の展開状態を図示する、図9A~Cをこれより参照する。いくつかの実施形態では、単一フィラメント48の展開形状は、支持部分6およびフィルタ部分53を含む。単一フィラメント48はまた、任意選択的に、ステム25を含み得る。任意選択的に、ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20のうちの1つ以上を含んでもよい。支持部分6、ストッパ18、アンカー19、およびプルワイヤ20は、すでに記載されており、したがって、それらの詳細な説明は省略される。
【0073】
いくつかの実施形態では、フィルタ部分53の展開形状は、低減部材50のスラブ部分52が漏斗部分54の最遠位コイル55を2等分するように配向され得るように、遠位先端49が捲れ得るか、または捻れ得ることを除いて、デバイス17の漏斗部分8と実質的に同様の漏斗部分54を有し得る。したがって、スラブ部分52は、約2の因数によってデバイス47を通過し得る最大塞栓のサイズを低減し得る。
【0074】
実施例単一フィラメント48は、ニチノールから作製される。単一フィラメント48の直径は、0.22mmであり、これが、拍動頸動脈環境でその形状を維持するのに十分な剛性をデバイス47に提供し、また、針内への装填を可能にするのに十分な可撓性を提供する。単一フィラメント48の最大許容歪みは、ε=8%であり、別様に、ニチノールの形状記憶は、失われ、デバイス48の所望の展開形状の回復は、不可能である。特定のパラメータを仮定すると、最小コイルの最小許容直径は、d/ε=0.22/0.08=2.75mmである。したがって、2.75mm以下のサイズの全ての塞栓が、デバイス47を通過し、重症脳卒中が、これらの塞栓によって引き起こされ得る。対照的に、コイル55を2等分する低減部材50の出現により、約1.4mmまで通過し得る最大塞栓サイズが低減される。これにより、単一フィラメント48の直径を0.22mmに維持しながら、重症脳卒中を防止するためのデバイス47の能力が有意に改善される。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態による塞栓防止用デバイス56を、図10および11A~Cに図示数する。
【0076】
いくつかの実施形態によるデバイス56の非展開状態を図示する、図10を参照する。いくつかの実施形態では、デバイス56は、単一フィラメント48が単一フィラメント57と置換され、かつ低減要素50が低減部材59と置換されることを除いて、デバイス47と実質的に同様であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、低減部材59は、1つ以上の管状部分60および1つ以上の突出部分61が形成されるように、管内に溝を作製することによって形成され得る。管は、ニチノールなどの形状記憶合金から作製され得る。非展開状態では、低減部材59は、針4の内腔内に存在するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の突出部61は、単一フィラメント57とほぼ同一直線上にあるように構成され得る。いくつかの実施形態では、低減部材59は、単一フィラメント57の遠位端58に取り付けられ得る。低減部材59の最近位の管状部分60は、単一フィラメント57の遠位端58を受容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント48への低減部材59の取り付けは、溶接、圧着、または糊付けなどの当該技術分野で知られている任意の手段を使用して行われ得る。
【0078】
いくつかの実施形態によるデバイス56の展開状態を図示する、図11A~Cをこれより参照する。いくつかの実施形態では、単一フィラメント57は、最遠位のコイル55を有しない場合があることを除いて、全ての点で単一フィラメント48と同様であり得る。いくつかの実施形態では、低減部材50は、低減部材59と置換され得る。デバイス56の展開状態では、低減部材59は、コイルとして成形される。1つ以上の突出部分61は、コイルの中心に向かって延在し、それによってデバイス56を通過し得る塞栓の最大サイズを低減する。
【0079】
本開示のいくつかの実施形態による塞栓防止用デバイス62を、図12および13A~Cに図示する。デバイス62は、単一フィラメント63から構築され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント63は、材料、長さ、直径、および断面の点で単一フィラメント2と同様であり得る。いくつかの実施形態では、デバイス62は、任意選択的なストッパ65および低減部材66を含み得る。いくつかの実施形態では、任意選択的なストッパ65および低減部材66は、互いに一体的であり得る。いくつかの実施形態では、ストッパ66は、ニチノールなどの形状記憶合金から作製された管から切断され得る。いくつかの実施形態では、低減部材66は、ニチノールなどの形状記憶合金から作製された管から切断され得る。いくつかの実施形態では、ストッパ65および低減部材66は、同じ管から切断され得る。いくつかの実施形態では、ストッパ65および低減部材66は、両方とも、一般的な管状部材67を一体的であり得、一緒にストッパ/低速機64を形成する。いくつかの実施形態では、デバイス62は、任意選択的に、アンカー19およびプルワイヤ20を含み得る。アンカーおよびプルワイヤの両方が、この開示の先に記載されているため、それらの詳細な説明は省略される。
【0080】
いくつかの実施形態によるその非展開形状のデバイス62を図示する、図12を参照する。いくつかの実施形態では、デバイス62またはその一部分は、その非展開状態において、針の内腔内に嵌合するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス62全体が、直線状または実質的に直線状の非展開形状(およびいくつかの実施形態では、非直線状または実質的に非直線状であり得る)を有し得る。いくつかの実施形態では、ストッパ65は、非展開状態および展開状態を有し得る。非展開状態では、ストッパ65は、針4の内腔内で単一フィラメント63と並んで存在し得る。いくつかの実施形態では、低減部材66は、針4の内腔内で単一フィラメント66と並んで存在し得る。
【0081】
いくつかの実施形態によるデバイス62の展開形状を図示する、図13A~Cを参照する。いくつかの実施形態では、単一フィラメント63の展開形状は、様々なサイズのコイルまたは捲れを含む巻線の形状を含み得る。いくつかの実施形態では、全ての捲れは、同じ方向、例えば、時計回りの方向または反時計回りの方向に巻回され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント63の展開形状は、リード部分69、支持部分70、漏斗部分72、およびステム25を含み得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分72および低減部材66は、一緒に、フィルタ部分71を形成する。
【0082】
いくつかの実施形態では、リード部分69は、単一フィラメント63の遠位端68の近くに設置され得る。いくつかの実施形態では、リード部分69は、1つ以上のコイルであって、その直径が血管5の直径よりも小さい、1つ以上のコイルを含み得る。いくつかの実施形態では、リード部分69の機能は、血管5の内腔内で針4から展開されるときに、単一フィラメント63の退出を順番に誘導することである。
【0083】
いくつかの実施形態では、支持部分70は、拘束されていないとき、血管5の内腔の直径未満、等しい、またはより大きい場合がある、直径を有するらせんとして成形され得る。いくつかの実施形態では、支持部分70は、血管5内のデバイスのフィルタ部分71の適切な配向を支援すること、および径方向の圧力および/または血管壁からの細胞のその後の成長を介して血管壁にデバイス62を固定することの少なくとも一方を行うように構成され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、漏斗部分72は、単一フィラメント63の遠位端68からその近位端21への方向に下方にテーパ状であるらせんとして成形され得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分の連続したコイル間の最小距離は、0.3~1.5mmの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、漏斗部分の連続したコイル間の最小距離は、約1.5mm未満であり得、それによって大きな脳卒中を引き起こし得る塞栓が漏斗部分のコイルを通過することを防止し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、ほぼ直線状の形状であり得、かつ血管の壁を横断するように構成され得る、ステム25を含み得る。いくつかの実施形態では、ステム25は、血管および血管壁の縦軸に対して垂直に配列される。ステムは、血管の断面の2等分線に沿って配列され得る(図13Cを参照のこと)。
【0086】
いくつかの実施形態では、ステムの機能は、デバイス62のその埋め込み位置からの遊走を防止すること、および/またはフィラメント63が血管内腔で展開される血管壁内の穿刺に近接する血管壁に対する外部の組織内のデバイス62の固着を可能にすることである。
【0087】
いくつかの実施形態では、デバイス62の展開状態において、低減部材66は、ステム25と同一直線上にあるように構成される。いくつかの実施形態では、低減部材66は、デバイス62内の最大間隙が、臨床的に関連するサイズの塞栓がテーパ状であることを可能にするのに十分小さいことを確実にするように構成される。いくつかの実施形態では、低減部材は、形状記憶合金から作製されるフィラメント63内に、超えた場合に、針からの展開の形状回復を不可能にする、最大歪みがある。典型的に、ニチノールを用いると、最大歪みは、約8%である。この最大歪みおよびワイヤ直径は、デバイスが有し得る最小曲率半径を決定する。例えば、180ミクロンの直径のニチノールワイヤの最小曲率半径は、1.1mmである。したがって、約2.2mm未満の全ての粒子は、漏斗部分72内の最近位の捲れを通過することができる。したがって、低減部材66は、漏斗部分72の最近位の捲れを2等分し、それによって最大間隙を半分(ほぼ)にして、1.1mmより大きいサイズの全ての塞栓が通過することを防止する。いくつかの実施形態では、展開状態において、低減部材66は、ループ、フック、ジグザグ、または漏斗部分72の最近位のコイル内の最大間隙を低減するように構成された、任意の他の構造であり得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、展開状態では、ストッパ65は、翼または花弁のように、ステム25から横方向に突出し得る。いくつかの実施形態では、ストッパは、血管の内腔から血管の外側への移行に耐えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ストッパは、フィラメント63が血管壁内の穿刺を通して血管内腔から移動することを防止するように構成され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、アンカー19を含み得る。アンカーは、上記に詳細に記載されているため、その詳細な説明は、ここでは省略される。いくつかの実施形態では、アンカーは、ステムの周りで回転するように構成され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、プルワイヤを含み得る。プルワイヤは、上記に詳細に記載されているため、その詳細な説明は、ここでは省略される。
【0091】
いくつかの実施形態では、軸受73を含み得、軸受け73は、鋼などの金属、またはニチノールなどの形状記憶合金から作製され得、かつ単一フィラメント63に対するプルワイヤ20の回転を可能にするように構成され、それによってプルワイヤ20もしくは単一フィラメント63内の捻れの構築を防止する。
【0092】
いくつかの実施形態では、デバイス1、17、27、35、47、56、および62は、以下の属性のうちの1つ以上(任意の組み合わせ)を含み得る。
-単一フィラメントであって、その直径が約0.3mm未満である、単一フィラメントから作製される、血液適合性構造、
-塑性変形を伴わずに、展開形状から非展開形状に戻るように移行する能力、
-血管、具体的には、頸動脈内の厳しい血流および拍動条件に耐えるのに十分な構造的剛性、
-遊走に対する耐性、
-重症脳卒中を防止するために必要とされる、約1.5mm未満の最大開口サイズ、
-少なくとも1つのコイルであって、その高さまたはピッチがその直径よりも大きいか、またはさらに直径の1.5倍であり、これにより、支持部分の軸方向の圧縮に耐える、少なくとも1つのコイルを有する支持部分、
-1つのコイルの少なくとも一部分であって、その高さまたはピッチがその直径よりも大きいか、またはさらに直径の1.5倍であり、これにより、支持部分の軸方向の圧縮に耐える、1つのコイルの少なくとも一部分を有する支持部分、例えば、コイルの4分の1または2分の1であって、その高さがその直径よりも大きい、コイルの4分の1または2分の1が、可能であり、
-拍動流内の安定性(例えば、動揺および/偏向がない)、
-支持部分であって、その径方向の強度のおかげで血管攣縮に耐える、支持部分、
-血管直径の動的な低減に対する堅牢性、
-血栓形成がより少ないこと、例えば、血流内の金属がより少なく、大部分の金属が血管壁に近接して位置し、それが組織によって被覆されること。
【0093】
デバイス1、17、27、35、47、56、および62の実施形態のうちのいくつかは、以下の特徴のうちの1つ以上(任意の組み合わせ)を含み得る。
-約70mm~約300mmの長さを有するフィラメント、
-デバイスの針端および遠位端の少なくとも一方が、埋め込み部位の近傍で血管を穿刺するように構成されること、
-単一フィラメントが、実質的に円形の断面を含むこと、
-単一フィラメントの直径が、約0.25mm未満であること、
-単一フィラメントが、中空内腔を備えること、
-放射線不透過性マーカー、エコー源性マーカー、放射性マーカー、磁気マーカー、および磁気共鳴マーカーのうちの1つ以上、
-アンカーが、ループ、粗面、バーブ、マイクロバーブ、フック、バルジ、および水性環境との接触時に拡大するように構成された材料のうちの少なくとも1つを備え得ること、
-アンカーが、ステムの周りで回転可能であり得ること、
-軸受が、ハウジングと、任意の程度の摩擦を有する当該ハウジング内で回転するように構成され得、かつフィラメントと一体的であり得る、軸と、を備え得ること、
-軸受が、蓄積された捻れを解放するか、またはフィラメント内の捻れの構築を防止するように構成され得ること、
-デバイスが、2つ以上のフィラメントをさらに備え得、各フィラメントが、実施形態などに応じて、長さ、直径、近位フィラメント端、および遠位フィラメント端を有し、フィラメントが、デバイスの近位端または遠位端で接合され得、2つ以上のフィラメントが、各々らせん形状を有すること、
-支持部分が、コイルの直径Dよりも小さい、等しい、またはよりも大きい、高さZを有する、少なくとも1つのコイルもしくはその一部分を含み得ること、
-少なくとも1つのコイルが、1よりも大きい、高さZと直径Dとの比率を有し得ること、
-少なくとも1つのコイルが、1.5よりも大きい、高さZと直径Dとの比率を有し得ること、
-少なくとも1つのコイルが、2よりも大きい、高さZと直径Dとの比率を有し得ること、
-ステムと軸との間の角度が、約30度~約150度の範囲内にあり得ること。
【0094】
例えば、塞栓防止用デバイスの実施形態1、17、27、35、47、56、および62などのいくつかの実施形態では、1つおよび/または別のデバイスの実施形態のための送達デバイス(例えば)を提供し、本送達デバイスは、内腔、鋭い遠位端、および約1mm未満の外径を有する針、ならびに針内で摺動可能なプッシャを備え得る。送達デバイスはまた、針ハンドルおよびプッシャハンドルの少なくとも一方を含み得る。いくつかの実施形態では、流体流を含む患者の血管内に塞栓防止用デバイスを埋め込むための方法を提供し、本方法は、以下のステップ、内腔および鋭い遠位端を有する針を提供するステップ、針の内腔内で摺動可能なプッシャを提供するステップ、遠位端、非展開状態、および展開状態を有するデバイスであって、非展開状態では、デバイスの少なくとも一部分が内腔内に装填される、デバイスを提供するステップ、針の鋭い遠位端もしくはデバイスの遠位端を使用して血管の壁内に穿刺を作製するステップ、および支持コイルの軸が流体流の方向に対してほぼ平行に終端するように、プッシャを前進させるか、針を引き込むか、または両方を行うことによって、当該針および当該穿刺を通してデバイスを露出させること、のうちの1つ以上、およびいくつかの実施形態では、それらのうちのいくつか、ならびにいくつかの実施形態では、それらのうちの全てを含み得る。
【0095】
塞栓防止用システムおよび方法73のいくつかの実施形態を、図14A~Eに図示する。
【0096】
いくつかの実施形態では、塞栓防止用システム73は、塞栓防止用デバイス1、針4、プッシャ78、押管79、ラック77、平歯車76、モータ75、電力供給装置82、コントローラ74、入力/出力デバイス84、およびハウジング85を含み得る。いくつかの実施形態では、モータ75、平歯車76、およびラック77は、駆動機構86を形成し得る。いくつかの実施形態では、デバイス1またはその少なくとも一部分は、針4の内腔内にその非展開状態で位置付けられ得る。プッシャ78またはその少なくとも一部分がまた、針4の内腔内に配列され得る。いくつかの実施形態では、プッシャ78の遠位端87は、デバイス1の近位端10に対して近位に配列され得る。いくつかの実施形態では、押管79は、その近位端88で押管78の近位端89に機械的に接続され得る。いくつかの実施形態では、押管およびプッシャの近位端は、一緒に溶接され得る。いくつかの実施形態では、押管79は、その外側ラック77上で収容し得る。いくつかの実施形態では、ラック77の歯は、平歯車76の歯と噛み合い係合し得る。いくつかの実施形態では、平歯車76は、モータ75によって時計回りおよび/または反時計回りの方向に回転され得る。いくつかの実施形態では、モータ75は、電力供給装置82から電力を受容し得る。いくつかの実施形態では、電力供給装置82およびモータ75は、コントローラ83によって制御され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ83は、入力を受信し、かつ/または入力/出力デバイス84に出力を提供し得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、針4は、ステンレス鋼などの金属、またはポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、針4の先端80は、先鋭化され得る。いくつかの実施形態では、針4は、皮下注射針、硬膜外針、または生検針であり得る。いくつかの実施形態では、針4の外径は、約1mm未満であり得る。いくつかの実施形態では、針4の外径は、0.7mm未満であり得る。いくつかの実施形態では、針4の内径は、約0.2mmよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、針4は、直線状である一部分を有し得る。いくつかの実施形態では、針4は、曲線である一部分を有し得る。いくつかの実施形態では、針4は、ドラム上に巻回され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、プッシャ78は、ステンレス鋼などの金属、またはポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、プッシャ78は、円形断面を有し得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、押管79は、押管79の内腔の遠位端内で針4の近位端を受容し得る。いくつかの実施形態では、押管79は、針4の内腔からデバイス1を押し出すときに曲がる場合であっても、プッシャ78を含有および拘束し得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、ラック77は、ポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、ラック77は、押管79得と一体的であり得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、モータ75は、ACモータ、DCモータ、またはステッパモータなどの電機モータであり得る。いくつかの実施形態では、電力供給装置82は、再充電可能であり得るか、または再充電可能でない場合がある、バッテリであり得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、コントローラ83は、印刷回路基板、メモリ、および中央処理装置を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ83は、メモリ内に存在するソフトウエアと共に構成され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、入力/出力デバイス84は、操作ボタンを含み得る。いくつかの実施形態では、入力/出力デバイス84は、音声操作され得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、ハウジング85は、針4の少なくとも一部分、モータ75、電力供給装置82、コントローラ83、および入力/出力デバイス84を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング85は、プラスチックから作製され得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、システム73は、ハウジング、入力/出力デバイス、コントローラ、電力供給装置、モータ、および平歯車を含む、再使用可能な部分を含み得る。いくつかの実施形態では、使い捨て可能な部分は、針4、デバイス1、およびプッシャ78、押管79、ならびにラック77を含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス73は、無菌で提供され得る。いくつかの実施形態では、使い捨て可能な部分は、無菌で提供され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、デバイス1は、様々なサイズで提供され得る。例えば、デバイスは、0.5mmの躍動運動で4mm~10mmの範囲の直径で提供され得る。
【0107】
操作のいくつかの方法では、操作者は、最初に、超音波、CT、MRI、またはX線蛍光透視法などの撮像様式を使用して、埋め込み部位の標的血管5の直径を評価し得る。いくつかの方法では、次に、操作者は、標的血管5の直径を超える、0~2mmの直径Dを有する埋め込み物1と共に構成されたシステム73を選択し得る。いくつかの方法では、操作者は、局所麻酔を使用して標的埋め込み部位の近傍を局所的に麻酔し得る。その後、操作者は、標的埋め込み部位、穿刺皮膚81、および血管5に向かってシステム73を前進させ得る。いくつかの方法では、操作者は、血管の断面の2等分線に沿って、血管壁に対して垂直に血管5を穿刺し得る(図14B)。血管の穿刺は、超音波、X線蛍光透視法、CT、またはMRIなどの撮像誘導下で行われ得る。
【0108】
いくつかの方法では、いったん針4の遠位先端80が血管内腔内にくると、操作者は、針4からデバイス1を露出させるようにシステム73に命令し得る(図14C)。システム73のいくつかの実施形態では、命令は、入力/出力デバイス84を使用して与えられ得る。いくつかの実施形態では、入力信号は、ボタンの押下であり得る。いくつかの実施形態では、入力信号は、音声命令であり得る。いくつかの実施形態では、入力信号により、コントローラ83が電力供給装置82からモータ75に電力を供給し得る。いくつかの実施形態では、モータ75により、平歯車76が回転し得、それによってプッシャ78が針4の先端80に向かって移動し得る。いくつかの実施形態では、プッシャの遠位端は、デバイス1の近位端上で押すことができ、それによってそれが針4から露出され得る。いくつかの実施形態では、デバイス1が針4から露出されると、支持コイルの軸が血管5の内壁と接触する状態で、その展開形状をとる。いくつかの方法では、フィルタ部分は、尾部または頭部に向いている場合がある。いくつかの実施形態では、デバイス1が完全に露出されると(図12D)、入力/出力デバイス84は、LEDの照明などの視覚的指示を鳴らすか、または行い得る。
【0109】
いくつかの方法では、いったん露出が完了すると、システム73は、デバイス1が血管5内に固定して埋め込まれた状態で、患者の血管から除去され得る(図14E)。
【0110】
塞栓防止用システム74およびその使用方法のいくつかの実施形態を、図15A~Gに図示する。
【0111】
いくつかの実施形態では、システム74は、以下であることを除いて、システム73と同等である。(1)デバイス1が、単一フィラメント28、ステム25、およびプルワイヤ20を含むが、アンカー、およびストッパを有しない、ある型のデバイス17と置換されること、ならびに(2)プッシャ78が、中空内腔を有するプッシャ90と置換される。いくつかの実施形態では、デバイス17のプルワイヤ20またはその一部分は、最初に、プッシャ20の内腔内に存在し得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、デバイス17は、様々なサイズで提供され得る。例えば、デバイスは、0.5mmの躍動運動で4mm~10mmの範囲の直径で提供され得る。
【0113】
操作のいくつかの方法では、操作者は、最初に、超音波、CT、MRI、またはX線蛍光透視法などの撮像様式を使用して、埋め込み部位の標的血管5の直径を評価し得る。いくつかの方法では、次に、操作者は、標的血管5の直径を超える、0~2mmの直径Dを有する埋め込み物17と共に構成されたシステム74を選択し得る。いくつかの方法では、操作者は、局所麻酔を使用して標的埋め込み部位の近傍を局所的に麻酔し得る。その後、操作者は、標的埋め込み部位、穿刺皮膚81、および血管5に向かってシステム74を前進させ得る。いくつかの方法では、操作者は、血管の断面の2等分線に沿って、血管壁に対して垂直に血管5を穿刺し得る(図15B)。いくつかの方法では、血管穿刺は、超音波、X線蛍光透視法、CT、またはMRIなどの撮像誘導下で行われ得る。
【0114】
いくつかの方法では、いったん遠位先端80が血管内腔内にくると(図15B)、操作者は、針4からデバイス17を露出させるようにシステム74に命令し得る(図15C)。いくつかの実施形態では、命令は、入力/出力デバイス84を使用して与えられ得る。いくつかの実施形態では、入力信号は、ボタンの押下であり得る。いくつかの実施形態では、入力信号は、音声命令であり得る。いくつかの実施形態では、入力信号により、コントローラ83が電力供給装置82からモータ75に電力を供給し得る。いくつかの実施形態では、モータ75により、平歯車76が時計回りの方向に回転し得、それによってプッシャ78が針4の先端80に向かって移動し得る。いくつかの実施形態では、プッシャの遠位端は、単一フィラメント28の近位端上で、または単一フィラメント28およびプルワイヤ20を接続するコネクタの近位端上で押すことができ、それによって単一フィラメント28が針4から露出され得る。いくつかの実施形態では、単一フィラメント28が針4から露出されると、支持コイルが血管5の内壁と接触する状態で、その展開形状をとる。いくつかの実施形態では、フィルタ部分は、尾部または頭部に向いている場合がある。いくつかの実施形態では、デバイス17が完全に露出されると、ステム25およびプルワイヤ20を除いて(図15D)、入力/出力デバイス84は、LEDの照明などの視覚的指示を鳴らすか、または行い得る。
【0115】
いくつかの方法では、ステム25を除いて、いったんフィラメント28の露出が完了すると、システム74は、引き込まれ得る。システム74の引き込みにより、ステム25が露出され、ステム25は、血管5の壁を横断し得る。プルワイヤ20は、患者の皮膚81から延出し得る(図15E)。
【0116】
いくつかの方法では、患者は、数分~数週間の範囲の観察期間の間、観察下に置かれ得る。操作の終了時に、デバイス17は、超音波、CT、MRI、またはX線蛍光透視法などの撮像様式を使用して、調査され得る。いくつかの方法では、操作者が調査結果が満足のいくものであると見出した場合、プルワイヤ20が、皮膚のレベルで切断され得る。次に、皮膚が、切断されたプルワイヤ20の近位端上に持ち上げられ得(図15F)、患者は解放され得る。いくつかの方法では、操作者が、デバイス17が除去されるべきであると結論付け得る場合、操作者は、プルワイヤ20を引っ張ることによって血管5からデバイス17を引き込め得る(図15G)。したがって、デバイス17は、患者の体から完全に除去され得る(図15H)。
【0117】
塞栓防止用システム91およびその使用方法のいくつかの実施形態を、図16A~Gに図示する。
【0118】
いくつかの実施形態では、システム91は、ストッパおよびアンカーを有しないデバイス17が、ストッパ18、アンカー19、ステム25、およびプルワイヤ20のうちの少なくとも1つを含む、デバイス17、27、35、47、56、および62のうちのいずれかと置換され得ることを除いて、システム74と同様である。いくつかの実施形態では、プルワイヤ20またはその一部分は、最初に、プッシャ90の内腔内に存在し得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、システム91は、様々なサイズで提供され得るデバイス17を含み得る。例えば、デバイスは、0.5mmの躍動運動で4mm~10mmの範囲の直径で提供され得る。
【0120】
操作のいくつかの方法では、ストッパ18およびアンカー19を装着されたデバイス17の埋め込みは、ストッパおよびアンカーを有しないデバイス17の埋め込みと実質的に同様である。いくつかの方法では、以下のうちの1つ以上を含み得る(任意の組み合わせ)。
-ストッパ18およびアンカー19が、最初に、それらの非展開状態で、針4の内腔内に存在し得る(図16A)こと、
-皮膚81および血管5が、針4の遠位先端80を使用して穿刺され得、先端80が、血管5の内腔内に配置され得る(図16B)こと、
-システム91が、操作者によって命令されて、コントローラ83が駆動機構86に針4の先端80に向かってプッシャ90を前進させるように命令する、入力/出力デバイス84からの命令を使用して、針4の内腔からデバイス17を露出させることができる(図16C)。
-フィラメント28が血管5の内腔内で大部分が露出されると、モータ75の動作がコントローラ83によって停止され得、ストッパ18が血管5の内腔内で露出されるが、アンカー19およびプルワイヤ20、またはそれらの一部分が、針4の内腔内に依然として存在する(図16D)こと、
-システム91が、引き込まれ得、フィルタ部分7および支持コイル6が血管5の内腔内にあり、ステム25が血管壁を横断し、ストッパ18が血管内腔内で展開状態にあり、アンカー19が血管を囲む組織内で展開形状にあり、かつプルワイヤ20が患者の皮膚81を横断する状態で、デバイス17を留置し得る(図16E)こと、
-患者を数分~数か月間、追跡調査し得、追跡調査の終了時に、デバイス17を、撮像様式を使用して調査し得ること。操作者は、結果を許容可能でありと判断し、プルワイヤを皮膚レベルでクリップ留めし、切断されたプルワイヤ20の近位端上に皮膚を持ち上げることができる。患者は、解放され得(図16F)、および/または
-追跡調査の終了時に、操作者が結果を満足できないと判断した場合、デバイス17が患者の体から引き込まれる(図16H)まで、デバイス17が、プルワイヤ20上で引っ張ることによって引き込まれ得る(図16G)。
【0121】
いくつかの方法では、血管穿刺中の針と血管の軸との間の角度は、約30度~150度であり得る。
【0122】
塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび対応する方法のいくつかの実施形態を、図17A~Hに図示する。
【0123】
いくつかの実施形態では、送達デバイスおよび塞栓防止用デバイスは、それら自体で、塞栓防止用デバイス17、針93、プッシャ94、ドラム95、モータ96、ピニオン101、平歯車102、軸103、電力供給装置97、コントローラ98、入力/出力デバイス99、およびハウジング100を含み得る、塞栓防止用システム92を形成することができる(他の同様の実施形態は、より少ない構成要素を含み得る)。いくつかの実施形態では、モータ96、ピニオン101、および平歯車102は、駆動機構104を形成し得る。いくつかの実施形態では、遊星ギアは、ピニオンおよび平歯車のうちの1つ以上に加えて、またはそれらを置換するかのいずれかで、含まれ得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、針93は、ハウジング100に剛性接続され得、針93は、直線部分105および/または曲線部分106を含み得る。直線部分105は、ハウジング100に対して外部に存在するように配列される一部分を含み得、かつ/または曲線部分106は、ハウジング100内に存在するように配列され得る。直線部分105は、皮膚81および血管5を穿刺するように構成された鋭い遠位端107を含み得る。曲線部分106は、1つ以上のコイルまたは捲れを含み得る。針93は、ステンレス鋼などの金属、またはポリマーから作製され得、先端107も、先鋭化され得る。いくつかの実施形態では、針93は、皮下注射針、硬膜外針、または生検針であり得る。針93の外径は、約1mm未満であり得、いくつかの実施形態では、針93の直径は、0.7mm未満であり得る。針93の内径は、約0.2mmよりも大きい場合がある。
【0125】
いくつかの実施形態では、軸103は、ハウジング100に剛性接続され得、平歯車102は、ドラム95に剛性接続され得る。平歯車102およびドラム95は、互いに同心であり得、ならびにドラム95は、軸103の周りで回転可能であるように構成され得る。いくつかの実施形態では、平歯車102およびピニオン101は、ポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、平歯車102は、ドラム95と一体的であり得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、デバイス17は、針93の内腔内に非展開状態で位置付けられ得、デバイス17の非展開状態の形状は、針93の形状から「引き継がれ」得るか、またはこれに対応し得る。いくつかの実施形態では、デバイス17は、非展開状態であるとき、全体的または部分的に、針93の内腔内にあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、
-デバイス17の少なくとも一部分は、非展開状態であるとき、針93の直線部分105の内腔内に存在し得、
-デバイス17の少なくとも一部分は、非展開状態であるとき、針93の曲線部分106の内腔内に存在し得、かつ/または
-デバイス17の少なくとも一部分は、非展開状態であるとき、針93の内腔に対して外部に存在し得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、プッシャ94またはその少なくとも一部分は、針93の内腔内に配列され得、また最初に、針93の内腔に対して外部に存在し得る。プッシャ94の遠位端109は、デバイス17のアンカー19に対して近位に配列され得、プッシャ94の近位端110は、例えば、溶接、糊付け、または当該技術分野で知られている任意の機械的接続もしくは機械と同様の接続によって、ドラム95に剛性接続され得る。いくつかの実施形態では、プッシャ94は、ガイドまたはチャネルを通して針93の近位端に向かって延在し得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、プッシャ94は、ステンレス鋼などの金属、ニチノールなどの超弾性合金、またはポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、プッシャ94は、円形断面を有し得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、プッシャ94は、中空内腔を含み得、それによって、デバイス17のプルワイヤ20は、中空内腔内に配列され得、プルワイヤ20の近位端111は、プッシャ94の近位端110から近位に突出し得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、モータ96により、デバイス17が針93の外側に押し出されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ピニオン101は、モータ96によって時計回りの方向に回転し得、それによって平歯車102およびドラム95が反時計回りの方向に回転し、これが、針93の先端107の方向にプッシャ94を駆動させる効果を与え得、それによって針からデバイス17を押し出し得る。
【0131】
モータ96は、電力供給装置97から電力を受容し得る。いくつかの実施形態では、電力供給装置97およびモータ96は、コントローラ98によって制御され得、コントローラ98は、入力を受信し得、かつ/または入力/出力デバイス99に出力を提供し得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、モータ96は、ACモータ、DCモータ、またはステッパモータなどの電機モータであり得、電力供給装置97は、再充電可能であり得るか、または再充電可能でない場合がある、バッテリであり得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、コントローラ98は、印刷回路基板、メモリ、および中央処理装置を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ98は、メモリ内に埋め込まれたソフトウエアと共に構成され得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、入力/出力デバイス99は、操作ボタンを含み得る。いくつかの実施形態では、入力/出力デバイス99は、音声操作され得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、ハウジング100は、針93の少なくとも一部分、モータ96、電力供給装置97、コントローラ98、および入力/出力デバイス99を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング100は、プラスチックから作製され得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、デバイス92は、無菌で提供され得る。例えば、デバイス92は、再使用可能な部分および使い捨て可能な部分を備え得、再使用可能な部分は、ハウジング、入力/出力デバイス、コントローラ、電力供給装置、モータ、およびピニオンのうちの1つ以上を含み得る。使い捨て可能な部分は、針、塞栓防止用デバイス、ドラム、および平歯車のうちの1つ以上を含み得る。再使用可能な部分および使い捨て可能な部分は、互いに可逆的に接続され得る。
【0137】
図17A~Hのシステムなどのシステムを使用して、塞栓防止用デバイスを埋め込むための操作方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、操作者は、最初に、超音波、CT、MRI、またはX線蛍光透視法などの撮像様式を使用して、埋め込み部位の標的血管5の直径を評価し得る。次に、操作者は、標的血管5の直径を超える、0~2mmの直径Dを有する埋め込み物17と共に構成されたシステム92を選択し得る。操作者は、局所麻酔を使用して、標的埋め込み部位の近傍を局所的に麻酔し得る。その後、操作者は、標的埋め込み部位、穿刺皮膚81、および血管5に向かってシステム92を前進し得る。操作者は、血管の断面の2等分線に沿って、血管壁に対して垂直に血管5を穿刺することができる(図17B)。血管の穿刺は、超音波、X線蛍光透視法、CT、またはMRIなどの撮像誘導下で行われ得る。
【0138】
いったん針93の遠位先端107が血管内腔内にくると、操作者は、針93からデバイス17を露出させるようにシステムに命令し得る(図17C)。次に、入力/出力デバイス99を使用して、命令が与えられ得る。入力信号は、ボタンの押下などであり得るが、コントローラ98に電力供給装置97からモータ96に電力を供給させる、音声命令であってもよい。次に、モータ96により、ピニオン101が時計回りの方向に回転し得、それによって平歯車102およびドラム95が反時計回りの方向に回転し、結果として、プッシャ94が針93の遠位端108に向かって前進する。プッシャの遠位端は、デバイス17のアンカー上で押すことができ、それによってそれが針93から露出される。デバイス17が針93から露出されると、支持コイルの軸が血管5の内壁と配向に配列され、かつ支持コイルが血管5の壁と接触する状態で、その展開形状をとる。いくつかの実施形態では、フィルタ部分は、尾部または頭部に向いている場合がある。デバイス17が完全に露出されると、ステム25、アンカー19、およびプルワイヤ20を除いて(図17D)、入力/出力デバイス99は、LEDの照明などの視覚的指示を鳴らすか、または行い得る。
【0139】
いったんフィラメント28が露出されると、ステム25を除いて、システム92は、引き込まれ得る。システム92の引き込みにより、ステム25が露出され得、ステム25は、血管5の壁を横断し得る。プルワイヤ20は、患者の皮膚81から延出し得る(図17E)。アンカー19は、例えば、その翼または花弁が開いた状態で、その展開状態をとり得る。
【0140】
患者は、数分~数週間の範囲の観察期間の間、観察下に置かれ得る。観察期間の終了時に、デバイス17は、超音波、CT、MRI、X線、またはX線蛍光透視法などの撮像様式を使用して、調査され得る操作者が調査の結果を満足のいくものであると見出した場合、プルワイヤ20は、皮膚のレベルで切断され得る。次に、皮膚が、切断されたプルワイヤの近位端上に持ち上げられ得(図17F)、患者は解放され得る。操作者は、デバイス17を除去するべきであると結論付け得る場合、操作者は、プルワイヤ20を引っ張ることによって、血管5からデバイス17を引き込み得る(図17G)。したがって、デバイス17は、患者の体から完全に除去され得る(図17H)。
【0141】
システム92のいくつかの実施形態では、コントローラ、電力供給装置、および駆動機構を、ドラムに針の端に向かってプッシャを回転および前進させ、それによって塞栓防止用デバイスを露出させるように構成された手動の機構と置換することが可能であり得る。
【0142】
システム92のいくつかの実施形態では、塞栓防止用デバイス17は、例えば、デバイス1、27、35、47、56、または62のうちのいずれかと相互置換され得る。
【0143】
塞栓防止用デバイスを埋め込む/送達するためのシステムおよび送達/埋め込む関連方法を、図18A~Dに図示する。塞栓防止用システム112は、経カテーテル形態でその塞栓防止用デバイスの埋め込み部位にアクセスするように構成され得る。したがって、その皮膚穿刺部位および塞栓デバイス埋め込み部位を、互いから除去することができる。いくつかの実施形態では、例えば、皮膚穿刺部位は、鼠径部もしくは腕内にあり得、埋め込み部位は、総頸動脈、鎖骨下動脈、腕頭動脈、もしくは椎骨動脈内にあり得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、塞栓防止用システム112は、例えば、以下の差(図18A)のうちの1つおよび/または別のものを除いて、システム92と同様であり得る。
-針93の直線部分105を、可撓性管またはカテーテル113と置換し得、代替的に、針93を、針可撓性管またはカテーテルとその全体において置換し得ること、
-塞栓防止用デバイス17を、塞栓防止用デバイス1と置換し得ること、および/または
-中空プッシャ94を、固体のプッシャ114と置換し得ること。
【0145】
いくつかの実施形態では、可撓性管113は、ニチノールなどの金属、ポリマー、または金属強化ポリマーから作製され得る。いくつかの実施形態では、可撓性管113の長さは、50~150cmの範囲内にあり得、可撓性管113の外径は、0.5~2.5mmであり得る。いくつかの実施形態では、可撓性管113の先端は、軟性であり得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、システム112は、当該技術分野で知られているような患者の体内に導入され得る、カテーテル115を介して埋め込み部位116にアクセスするように構成され得る。埋め込み部位116は、体内へのカテーテルの進入点118から除去され得、埋め込み部位116は、例えば、総頸動脈、腕頭動脈、鎖骨下動脈、または椎骨動脈内にあり得、進入点118は、例えば、鼠径部もしくは腕内にあり得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、塞栓防止用デバイス1は、提供される以下の例示的な方法を使用して、埋め込み部位116内に埋め込まれ得る。
-カテーテル115が、血管5の内腔内の埋め込み部位116の近くにその遠位端117と共に配置され得る(図18A)こと。カテーテル115の近位端119は、進入部位118の近傍で患者の皮膚の外側に突出し得る。患者の体内へのカテーテル115の挿入は、例えば、動脈、導入器シースおよび誘導ワイヤなどの付属品デバイスを使用して、当該技術分野で知られているように行われ得る。
-可撓性管113は、その近位端119を通してカテーテル115の内腔内に挿入され得、かつ管113の遠位端が埋め込み部位116の近傍にくるまで前進され得(図18B)、
-システム112は、入力/出力デバイス99によって命令されて、モータ96にプッシャ114を前進させ、それによって可撓性管113の内腔からデバイス1を露出させ得(図18C)、かつ/または
-いったんデバイス1が管113から完全に露出されると、システム112は、患者の体から引き抜かれ得(図18D)、その後、カテーテル115も、患者の体から引き抜かれ得る(図18E)。
【0148】
システム112のいくつかの実施形態では、コントローラ、電力供給装置、および駆動機構を、ドラムが可撓性管の端に向かってプッシャを回転および前進させ、それによって塞栓防止用デバイスを露出させるように構成された手動の機構と置換することが可能であり得る。
【0149】
システム112のいくつかの実施形態では、塞栓防止用デバイス1は、例えば、デバイス1、27(ステム、ストッパ、外部アンカー、および引っ張りワイヤを有しない)、35(ステム、ストッパ、外部アンカー、および引っ張りワイヤ)、47(ステム、ストッパ、外部アンカー、および引っ張りワイヤを有しない)、56(ステム、ストッパ、外部アンカー、および引っ張りワイヤを有しない)、または62(ステム、ストッパ、外部アンカー、および引っ張りワイヤを有しない)のうちのいずれかと置換され得る。いくつかの実施形態では、防止用デバイスは、尾部方向にテーパ状であるフィルタ区分と共に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、防止用デバイスは、頭部方向にテーパ状であるフィルタ区分と共に埋め込まれ得る。
【0150】
システム112のいくつかの実施形態では、可撓性管113は、曲線でする鋭い遠位端と共に構成され得、可撓性管113の鋭い遠位端は、血管の内側から外側に血管5の壁を穿刺するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、27(引っ張りワイヤを除く)などの塞栓防止用デバイスが、アンカーが可撓性管の鋭い遠位端に向いている状態で、可撓性管113内に装填され得る。いくつかの実施形態では、アンカーは、可撓性管113から血管壁に対して外部に解放され得、塞栓防止用デバイスのステムは、血管壁を横断し得る。いくつかの実施形態では、そのような「外部にアンカー留めされた」塞栓防止用デバイスを、患者の体からシステム112を引き出すことによって、可撓性管113からさらに露出させ得る。
【0151】
システム112のいくつかの実施形態では、可撓性管113は、ガイドワイヤ内腔を含み得、それによって、システム112は、ガイドワイヤ上の埋め込み部位に送達され得る(いくつかの実施形態では、可撓性管113は、ガイドカテーテルまたはガイドワイヤを必要とせずに、埋め込み部位に直接送達され得るが)。
【0152】
いくつかの実施形態では、埋め込み物1は、露出時に、支持コイルが、最初に、可撓性管の遠位端を退出するように、可撓性管113内に装填され得る。支持コイルは、血管の直径よりも大きい直径を有して構成され得る。埋め込み部位での可撓性管113の先端の配置時に、操作者は、プッシャに可撓性管113から埋め込み物1の支持コイルのみを押し出させることができる。支持コイル上の血管壁によって加えられる径方向の力は、それらが血管壁に対してぴったりと固定される状態を保つように構成され得る。次に、操作者は、患者の体からプルシステム112を引き出し得、それによって埋め込み物1の残りの部分を埋め込み位置で展開させ得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、システム112は、埋め込み部(塞栓防止用デバイス)、可撓性管、およびプッシャを含み得る。プッシャの近位端は、可撓性管の近位端から近位に延在し得る。ドラム、駆動機構、電力供給装置、コントローラ、入力出力デバイス、およびハウジングなどの他の構成要素は、全て、任意選択的である。操作者は、プッシャを手動で移動させることによって、プッシャに埋め込み物またはその一部分を可撓性管から押し出させることができる。操作者は、埋め込み物を全体的に露出させるために、プッシャを押すことができる。いくつかの実施形態では、埋め込み物は、可撓性管の遠位端を退出するように構成された支持コイルと共に装填され得る。操作者は、支持コイルのみを露出させるために、プッシャを押すことができ、次に、埋め込み部位で埋め込み物の残りの部分を露出させるために、可撓性管を戻すように引っ張ることができる。
【0154】
本開示のいくつかの実施形態による単一フィラメントフィルタ処理デバイスが、可能であり、展開状態では、単一フィラメントまたはプルワイヤの近位端は、患者の皮膚から外側に延在するか、または患者の皮膚のすぐ下に皮下的に埋め込まれることが理解される。そのようなデバイスは、外科手術または最小侵襲的手技などの一時的な塞栓誘引要因の直後にデバイスを回収することが所望される、一時的な使用に特に適している。
【0155】
脳卒中を防止するために、本開示のいくつかの実施形態によるフィルタ処理デバイスは、大動脈、総頸動脈、内頸動脈、鎖骨下動脈、腕頭動脈、または椎骨動脈などの、脳に血液を供給する動脈内に埋め込まれ得る。
【0156】
肺塞栓を防止するために、本開示のいくつかの実施形態によるフィルタ処理デバイスは、浅大腿静脈、深大腿静脈、膝窩静脈、腸骨静脈、下大静脈、または浅大静脈などの静脈内に埋め込まれ得る。
【0157】
本開示による埋め込みシステム内のプッシャは、固体である必要はなく、加圧流体、液体、またはガスを使用した本開示による塞栓防止用デバイスの露出が、可能である。
【0158】
例えば、システム73、74、および91などの上記に記載される塞栓防止用システムのいくつかの実施形態では、単一フィラメントが針から露出される速度を制限することができる。いくつかの実施形態では、露出速度の制限は、4cm/秒未満であり得る。いくつかの実施形態では、露出速度は、2cm/秒未満であり得る。いくつかの実施形態では、露出速度は、1cm/秒未満であり得る。いくつかの実施形態では、露出速度は、0.5cm/秒未満であり得る。単一フィラメントの露出速度を制限することで、適切な展開の可能性が増加し得、デバイスコイルの拡大を回避することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、上記に記載される塞栓防止用システム内で予め組み立てられたデバイスは、単一フィラメントの一部分が針の内腔内で嵌合するように構成される非展開形状、および単一フィラメントが、例えば、曲線、湾曲、または捻れている場合がある、機能的な展開形状を有する、任意の単一フィラメント埋め込み物であり得る。
【0160】
本出願において提示される、特許、特許出願、論文、ウェブページ、書籍などを含むが、限定されない、刊行物または他の文献に対する任意かつ全ての参照は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0161】
したがって、デバイス、システム、および方法の例示的な実施形態を、本明細書に記載している。他の箇所で述べられているように、これらの実施形態は、例証される目的のみのために記載されており、限定するものではない。他の実施形態が可能であり、かつ、本明細書に含まれる教示から明らかであろう、本開示に含まれる。したがって、本開示の広さおよび範囲は、上記に記載される実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきではないが、本開示およびそれらの等価物によって支持される請求項のみに従って定義されるべきである。さらに、主題開示の実施形態は、任意かつ全ての要素を含む、任意の他の開示される方法、システム、およびデバイスの任意かつ全ての要素をさらに含み得る、方法、システム、およびデバイスを含み得る。換言すると、1つまたは別の開示される実施形態由来の要素は、他の開示される実施形態由来の要素と相互置換され得、それによってさらに他の実施形態を支持し得る。参照によって組み込まれる関連出願に開示される実施形態と組み合されるか、または参照によって組み込まれる関連出願由来の実施形態の要素/特徴/機能性と組み合される、本明細書に開示される実施形態(またはそれらの特徴)を有する、さらに他の実施形態が、可能である。加えて、本開示の実施形態の1つ以上の特徴/要素は、除去することができ、さらに結果として、特許可能な主題事項を生じ得る(およびしたがって、結果として、主題開示のまたさらなる実施形態を生じ得る)。特定の実施形態は、先行技術で開示される実施形態の1つ以上の要素、特徴、および/または機能性を明確に有しない先行技術を超えて、特許可能であり得る。したがって、そのような特徴的な実施形態(本明細書に開示される多くの実施形態の中でも特に)を対象とする請求項は、1つ以上の負の限定を含み得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
図15H
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E