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  • 特許-ウォータースポーツ用カラー救命具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ウォータースポーツ用カラー救命具
(51)【国際特許分類】
   B63C 9/15 20060101AFI20230208BHJP
   B63C 9/18 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B63C9/15 100
B63C9/18 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019569942
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2018054008
(87)【国際公開番号】W WO2018229595
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521014146
【氏名又は名称】カラー4ライフ エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ケスタ サバラ,イグナシオ
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0146105(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0951194(KR,B1)
【文献】特開2002-127986(JP,A)
【文献】特開2006-69514(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0155264(US,A1)
【文献】国際公開第00/34116(WO,A1)
【文献】特開平2-241890(JP,A)
【文献】特表2010-508197(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0294382(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0313395(US,A1)
【文献】特表2018-520924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 9/15- 9/20
B63C 9/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータースポーツ用カラー救命具であって、圧縮された膨張可能な救命具(1)、COで充填されたカートリッジ(2)、前記カートリッジ(2)と接続した電磁弁(3)、膨張した前記救命具(1)を空にするための放出弁(4)、アルゴリズムでプログラムされたマイクロプロセッサ(6)と関連付けられたセンサ(5)、前記電磁弁(3)と前記マイクロプロセッサ(6)の間の発信/受信手段を含み、
前記マイクロプロセッサ(6)は、前記センサ(5)を用いて得られた情報に関する異常な信号を検出して、前記CO カートリッジ(2)の前記電磁弁(3)に前記救命具(1)を自動充填するように、前記発信/受信手段によって信号を送信し、
前記センサ(5)は、血液中の低レベルの酸素飽和度を検出するパルスオキシメータ、異常な心拍数を検出する心臓センサ、運動センサ、及び筋収縮を捕捉するセンサを含む、カラー救命具。
【請求項2】
前記カートリッジ(2)は、使用後毎に再充填できる、請求項1に記載のカラー救命具。
【請求項3】
前記センサ(5)は、絶えずユーザの身体機能に関する情報を受信し、所定の値を用いてユーザが気絶したときが分かるアルゴリズムでプログラムされた前記マイクロプロセッサ(6)と関連付けられる、請求項1に記載のカラー救命具。
【請求項4】
前記カラー救命具は、手動で前記COカートリッジを作動するための紐を備える、請求項1に記載のカラー救命具。
【請求項5】
前記センサ(5)は、深さセンサを含む、請求項1に記載のカラー救命具。
【請求項6】
前記センサ(5)は、救命士又は救急サービスによって捕捉できる外部無線信号を送信できるセンサを含む、請求項に記載のカラー救命具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮された膨張可能な救命具(1)で内部的に構成されたカラーと同様な装置であって、該カラーは、ユーザの首周りに装着され、COで充填されたカートリッジ(2)を用いて膨張できる、装置を公開する。膨張可能な救命具(1)は、絶えずユーザの身体機能に関する情報を受信し、ユーザが気絶したときを決定できるアルゴリズムでプログラムされたマイクロプロセッサ(6)と関連付けられるセンサ(5)を備え、COカートリッジに救命具を膨張させて、気絶したユーザの頭部を安全な位置に維持する。
【背景技術】
【0002】
水中スポーツ、特にサーフィンの練習は、真の危険を伴い、多数の事故を発生させる。一般に、事故は、意識消失に関連する。意識消失は突然で、サーファーは、危険に気付かない。
【0003】
海域における既知の保護要素の中には、細い管を通して空気を吹き込むことによって、又はCOカートリッジを作動させる紐を引張ることによって、膨張できる救命胴衣がある。この種の胴衣は、着用者が気絶しているときでも、頭部を水から出した状態に保つ。この種の胴衣には、水に接触すると自動的に膨張できる進化したものがある。しかしながら、これらの胴衣が提示する問題は、サーフィン等のスポーツを練習するのに、嵩張る装置であることから、ユーザが胴衣を着るのが極めて複雑で、調整しづらく、常にサーファーの可動性を低減させることである。
【0004】
良い解決手段は、ユーザの可動性を低減せず、危険時にユーザを保護するカラー式救命具となり得る、本発明において提案するものである。
【0005】
内部浮袋がない、最初の膨張可能なカラー式浮上システムは、1961年に、フランスのFenzy社によって紹介された。このシステムは、ゴム引布製で、継目は接着剤で封止めされた。別の顕著な特徴は、圧縮空気の小型ボンベを保持し、そのボンベから圧縮空気が補充されることであった。空気が、小型ボンベから小型弁を通りカラーに入り、それによりカラーを膨張させ、カラーを、少量の余分な空気を蓄えた状態に変えた。カラーの中身を解放するのに、ユーザは、手動の膨縮ノズルを使用していた。
【0006】
海上及び海中スポーツを練習する際の主な危険の一つは、身体の酸欠が原因で失神や意識消失となり、溺死を発生させることである。運動選手は、無呼吸の能力を超え、酸素不足になると、水中に居続ける間に、気付かずに溺死してしまったり、水面に上昇する間に失神したりするが、そうした場合では、救命具は、ユーザが覚醒状態である必要なしに作動される必要がある、つまり、救命具は、自動的に、且つユーザから独立して作動する必要がある;また、身体の重心によりユーザの頭部を浮かせる必要もある。
【0007】
別の従来品(predecessor)が、米国特許第7699679号明細書に示されており、該文献では、泳者用救命具として使用される膨張可能な水泳用衣類を公開しており、該衣類は、膨張可能な部分を含み、それにより泳者が危険に曝されると泳者が浮くことができるように、且つ、該部分が膨張すると、泳者の上半身と下半身間の体積差を生じるようにしてある。この衣類は、膨張システムを含み、該システムは、必要時に装置の膨張可能部を膨張するための圧縮ガスのガスタンク;必要時に圧縮ガスが膨張可能部を膨張できるようにするために、エアタンクと膨張可能部との間を接続する制御可能な弁;水中での泳者の状態を分析し、所定時間中、泳者が実際に切迫した危険な状態になった後弁を開くためのコントローラ;及び、コントローラと弁を機能させるためのエネルギーを供給するための電池から成る。
【0008】
前述した「装置」は、無呼吸のスキューバダイビングを練習するための、又は水中でシュノーケリングで釣りをするための安全システムとしてのみ、設計されている;爆発や過度の肺拡張の危険性があるため、ボンベを用いた自律的なスキューバダイビングには、決して使用されるべきでない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第7699679号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この種の救命具が提示する問題は、救命具衣類の一部が、確実にユーザの頭部を適切に指向しないために、確実にユーザの頭部が常に水の外で保持されないことである。
【0011】
背景情報として以上で言及された装置では、該装置のセンサは、タイマで始動し、該タイマは、泳者が水中に入るとカウントし始めるが、これは、救命具が膨張するように信号を送るためで、血中酸素濃度、異常な心拍数等の他の重要な変数を考慮に入れていない。
【0012】
行っている説明を補足するために、及び本発明の特徴についての一層良好な理解を助ける目的で、実用化の好適な実施例として、一組の図面が、本明細書の不可欠な部分として、本明細書に含まれるが、以下に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】部品の位置を特定する、ユーザの首周りに装着された装置の正面図と背面図の例。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の装置は、圧縮された膨張可能な救命具(1)によって内部的に構成されたカラーから始まり、カラーは、ユーザの首周りに装着され、COで充填されているカートリッジ(2)を用いて膨張でき、使い切ると、このカートリッジ(2)は、交換可能、即ち、再充填できる。
【0015】
膨張可能な救命具(1)は、救命具の充填が可能なカートリッジ(2)と接続した電磁弁(3)を提供する;加えて、膨張可能なカラー(1)は、使用後に膨張可能なカラー(1)を空にできる放出弁(4)を提供する。
【0016】
膨張可能なカラー(1)は、絶えずユーザの身体機能に関する情報を受信し、所定値によって、ユーザが気絶しているときが分かるアルゴリズムでプログラムされたマイクロプロセッサ(6)に関連付けられるセンサ(5)を提供する。
【0017】
本装置は、弁(3)とマイクロプロセッサ(6)間に発信/受信手段(emission/reception means)を有し、このセンサ(5)で、所定値の閾値と異なる信号を送信でき、マイクロプロセッサ(6)は、この装置が、救命具が使用される時にユーザの頭部を水の外に保ち、従って、ユーザが気絶していても、呼吸が維持できるように、自動充填するためにCOのカートリッジ(2)の電磁弁(3)に信号を送信できる。
【0018】
本装置は、必要な場合、手動でCOのカートリッジを作動するするための紐を提供可能である。
【0019】
また、本装置は、電子的要素を運転状態に保つ充電式電池も有する。
【0020】
所定のアルゴリズムでプログラムされたマイクロプロセッサ(6)は、センサ(5)を用いて、得られた情報に関する異常な信号を検出して、カートリッジ(2)を作動するための電磁弁(3)を開放するための信号を送信する。
【0021】
注目すべきは、センサ(5)が、ウォータースポーツ、特に、サーフィンを練習する運動選手のための深さセンサに加えて、血液中の低レベルの酸素飽和度を検出するパルスオキシメータ、異常な心拍数を検出する心臓センサ、筋収縮を捕捉するセンサ、運動センサを含む点である。
【0022】
本装置が有する最も重要なセンサの1つは、ユーザの気絶状態が検出されると、救命士又は救急サービスによって捕捉できる外部無線信号を送信できるセンサである。
【0023】
また、本発明のカラー救命具は、水中釣り等の、特別な保護が全く存在しない他のスポーツ用の、或いは子供や行動能力障害のある人用の代替手段としても使用でき、ユーザに安全を提供する代替手段となる。
【0024】
本発明の別の実施形態では、COカートリッジは、ガスを発生させる任意の他の手段、例えば、熱による固体の減圧と置換できる。
【0025】
本発明の本質、及び実際に本発明を使用する方法について十分に記載したが、前述され、添付図で表された装置は、以前の段落で確立され以下の請求項で纏められる基本原理を変えない限り、細部における変形も可能であることに、注意されるべきである。
図1