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特許7222990付加製造におけるウィンドウ可変性の補正
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】付加製造におけるウィンドウ可変性の補正
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20230208BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20230208BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230208BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230208BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20230208BHJP
   B29C 64/129 20170101ALI20230208BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/129
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020522322
(86)(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 US2018056668
(87)【国際公開番号】W WO2019083833
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-13
(31)【優先権主張番号】62/575,804
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515220524
【氏名又は名称】カーボン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】チマルギ,アナント
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジャイャオ
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,ジェイムズ・イアン
(72)【発明者】
【氏名】フェラー,ボブ・イー
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-165093(JP,A)
【文献】国際公開第2017/079774(WO,A2)
【文献】特表2017-523932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムアップのステレオリソグラフィ機器で物体を作製する方法において、前記機器は、光源と、駆動組立体と、前記光源および前記駆動組立体と動作可能に関連付けられたコントローラとを備え、前記光源および/または前記駆動組立体が、前記コントローラによって調整可能である少なくとも1つの調整可能なパラメータを有する、方法であって、
(a)前記機器上に取り外し可能なウィンドウカセットを前記光源が投光する構成で設置するステップであって、前記ウィンドウカセットは、物体が生成され得る造形面を有する光学的に透明な部材を備え、前記光学的に透明な部材は、そこに少なくとも1つの可変特性を有する、設置するステップと、次いで、
(b)前記ウィンドウの前記少なくとも1つの可変特性に基づいて前記コントローラによって前記少なくとも1つの調整可能なパラメータを修正するステップと、次いで、
(c)ボトムアップのステレオリソグラフィによって光重合性液体から前記造形面上に前記物体を生成するステップと
を含み、
前記ウィンドウカセットが、それらと動作可能に関連付けられた固有識別子を備え、
前記修正するステップが、
(i)前記固有識別子を検出するステップと、次いで、
(ii)前記少なくとも1つの可変特性についてのおよび前記固有識別子に対応する光学補正命令をデータ記憶媒体から前記コントローラへ伝達するステップと
によって実行される、方法。
【請求項2】
前記ウィンドウカセットが、その上にデータ記憶媒体を備え、前記データ記憶媒体が、前記少なくとも1つの可変特性についての光学補正命令を格納し、
前記修正するステップが、
(i)前記記憶媒体を前記コントローラと動作可能に関連付けるステップと、次いで、
(ii)前記光学補正命令を前記データ記憶媒体から前記コントローラへ伝達するステップと
によって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可変特性が、光学特性、物理特性、またはこれらの組合せを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記可変特性が、ウィンドウの厚さ、またはウィンドウの高さ(前記機器に取付けられた際の前記ウィンドウの上部の機械的位置)を含み、前記調整可能なパラメータが、(像の全体および/または像の部分についての)投影像の倍率、および/または光源の焦点面を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記可変特性が、ウィンドウの光透過性を含み、前記調整可能なパラメータが、光強度を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記可変特性が、光学的な欠陥領域を含み、前記調整可能なパラメータが、前記造形面に対する投光領域を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記可変特性が、前記ウィンドウ内の局部的な光学的歪みを含み、前記調整可能なパラメータが、前記局部的な光学的歪みにマッピングされる投光される光像の局部的な光学補正を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記可変特性が、重合抑制剤に対する透過性を含み、前記調整可能なパラメータが、光強度、生成の速度、またはこれらの組合せを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
各前記調整可能なパラメータが、前記ウィンドウの1つまたは複数の小部分、前記ウィンドウの主要部分、若しくは前記ウィンドウの全体、又はこれらの組合せに独立して適用される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記光学的に透明な部材が、複数の別個の層を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記光学的に透明な部材が、
(i)剛性または可撓性の半透過性または不透過性支持部材と、
(ii)前記支持部材上の半透過性部材、または前記支持部材上の不混和性層のいずれかと、
(iii)前記半透過性部材内の重合抑制剤と
(iii)前記不透過性支持部材と前記半透過性部材の間の緩衝部材と、
(v)前記不透過性支持部材と前記半透過性部材との間のフィード空間であって、追加の重合抑制剤を前記半透過性部材の中に供給するように構成されたフィード空間と
を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記修正するステップが、前記機器の少なくとも1つの性能特性を強化する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記生成するステップが、連続液界面製造(CLIP)によって実行される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ボトムアップのステレオリソグラフィ機器であって、
(a)光源と、
(b)駆動組立体と、
(c)前記光源および前記駆動組立体と動作可能に関連付けられたコントローラであって、前記光源および/または前記駆動組立体は、前記コントローラによって調整可能である少なくとも1つの調整可能なパラメータを有する、コントローラと、
(d)前記光源と動作可能に関連付けられるとともに、前記機器上に取り外し可能なウィンドウカセットを前記光源が投光する構成で固定するように構成された係合組立体であって、前記ウィンドウカセットは物体が生成され得る造形面を有する光学的に透明な部材を備え、前記光学的に透明な部材は少なくとも1つの可変特性を有する、係合組立体と、
(e)(i)前記コントローラと動作可能に関連付けられ、前記ウィンドウカセット上の固有識別子を読み取るように構成された固有識別子読取り装置、または(ii)前記コントローラと動作可能に関連付けられ、前記ウィンドウカセット上のデータ記憶媒体に結合するように構成されたデータ記憶媒体連結器のいずれかと
を備え
前記ウィンドウカセットが、それらと動作可能に関連付けられた固有識別子を備え、前記コントローラが、前記少なくとも1つの可変特性についてのおよび前記固有識別子に対応する光学補正命令をデータ記憶媒体から前記コントローラへ受信するように構成されている、ボトムアップのステレオリソグラフィ機器。
【請求項15】
前記コントローラが、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される、請求項14に記載の機器。
【請求項16】
ボトムアップのステレオリソグラフィ機器に取り外し可能に取り付けるのに役立つウィンドウカセットであって、
(a)円周フレームと、
(b)前記円周フレームに接続された光学的に透明な部材であって、前記光学的に透明な部材は物体が生成され得る造形面を有し、前記光学的に透明な部材はそこに少なくとも1つの可変特性を有する、光学的に透明な部材と、
(c)前記円周フレームに接続された固有識別子またはデータ記憶媒体のいずれかと
を備え
前記ウィンドウカセットが、それらと動作可能に関連付けられた前記固有識別子を備え、前記固有識別子が、前記データ記憶媒体に格納され、それらと関連付けられた前記少なくとも1つの可変特性についての光学補正命令を有するウィンドウカセット。
【請求項17】
前記光学的に透明な部材が、複数の別個の層を備える、請求項16に記載のウィンドウカセット。
【請求項18】
前記光学的に透明な部材が、
(i)剛性または可撓性の半透過性または不透過性支持部材と、
(ii)前記支持部材上の半透過性部材、または前記支持部材上の不混和性層のいずれかと、
(iii)前記半透過性部材内の重合抑制剤と
(iv)前記不透過性支持部材と前記半透過性部材の間の緩衝部材と、
(v)前記不透過性支持部材と前記半透過性部材との間のフィード空間であって、追加の重合抑制剤を前記半透過性部材の中に供給するように構成されたフィード空間と
を備える、請求項17に記載のウィンドウカセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2017年10月23日に出願した米国仮出願第62/575804号の優先権を主張するものであり、その開示については、引用することによってその全てが本明細書の一部を成すものとする。
【0002】
[技術分野]
本発明は、付加製造(additive manufacturing)に関し、より詳細には、連続液界面製造(CLIP:Continuous Liquid Interface Production)を含むステレオリソグラフィに関する。
【背景技術】
【0003】
一群の付加製造の技法は、「ステレオリソグラフィ(stereolithography)」と呼ばれる場合もあり、光重合性樹脂が逐次重合することにより、3次元物体を作り出すものである。このような技法は、成長する物体の底で光が光透過ウィンドウを通じて樹脂へ投光される「ボトムアップ(bottom-up)」の技法、または成長する物体の上部で光が樹脂へ投光され、次いで、成長する物体が樹脂のプールに沈降される「トップダウン(top down)」の技法であり得る。
【0004】
連続液界面製造(CLIP)として知られるより迅速なステレオリソグラフィ技法の最近の導入は、付加製造のために「二重硬化(dual cure)」樹脂を導入することと相まって、原型試作から製造までのステレオリソグラフィの有用性を拡大させた(例えば、DeSimoneらの米国特許第9211678号、同第9205601号、および同第9216546号、また(2015年3月16日にオンラインで刊行された)J.Tumbleston、D.Shirvanyants、N.ErmoshkinらのContinuous liquid interface production of 3D Objects、Science 347、1349~1352頁を参照されたい。また、Rollandらの米国特許第9676963号、同第9453142号、および同第9598606号)も参照されたい。
【0005】
ボトムアップのステレオリソグラフィ技法における速度および多用性が向上するにつれて、このような機器に用いられるウィンドウがより複雑となり、ウィンドウ中の欠陥がそこで生成される物体中に欠陥を引き起こす可能性が問題になってきている。ウィンドウが機器間で切り替えできる交換可能な「カセット(cassettes)」の形態である場合、他の方法で吸収できた光学的な変化さえも、生成プロセスを乱し得る。このように、ウィンドウの光学的な欠陥および変化性の問題に対処する新しい技法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施形態にて、本発明によれば、ボトムアップのステレオリソグラフィ機器で物体を作製する方法が提供される。この機器は、光源と、駆動組立体と、光源および駆動組立体と動作可能に関連付けられたコントローラとを備え、光源および/または駆動組立体は、コントローラによって調整可能である少なくとも1つの調整可能なパラメータを有する。上記方法は、(a)上記機器上に取り外し可能なウィンドウカセットを光源が投光する構成で設置するステップであって、ウィンドウカセットは、物体が生成され得る造形面を有する光学的に透明な部材を備え、光学的に透明な部材は、そこに少なくとも1つの可変特性を有する、設置するステップと、次いで、(b)ウィンドウの少なくとも1つの可変光学特性に基づいてコントローラによって少なくとも1つの調整可能なパラメータを修正するステップと、次いで、(c)ボトムアップのステレオリソグラフィによって光重合性液体から造形面上に物体を生成するステップと、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、ウィンドウカセットは、それらと動作可能に関連付けられた固有識別子(例えば、バーコード、QRコード、NFCタグ等)を備え、修正するステップは、(i)(例えば、固有識別子読取り装置を用いて)固有識別子を検出するステップと、次いで、(ii)少なくとも1つの可変光学特性についてのおよび固有識別子に対応する光学補正命令を(例えば、インターネットを介して)データ記憶媒体(例えば、クラウドデータベース)からコントローラへ伝達するステップと、によって実行される。
【0008】
いくつかの実施形態では、ウィンドウカセットは、その上にデータ記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ)を備え、データ記憶媒体は、少なくとも1つの可変光学特性についての光学補正命令を格納し、修正するステップは、(i)(例えば、USBインタフェースを通じて)記憶媒体をコントローラと動作可能に関連付けるステップと、次いで、(ii)光学補正命令をデータ記憶媒体からコントローラへ伝達するステップと、によって実行される。
【0009】
いくつかの実施形態では、可変特性は、光学特性、物理特性(例えば、重合抑制剤に対する透過性)、またはそれらの組合せを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、可変特性は、ウィンドウの厚さ、またはウィンドウの高さ(機器に取付けられたときのウィンドウの上部の機械的位置)を含み、調整可能なパラメータは、(像の全体および/または像の部分についての)投影像の倍率、および/または光源の焦点面を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、可変特性は、ウィンドウの光透過性(例えば、1つまたは複数の個別の傷、透過性勾配など)を含み、調整可能な特性は、光強度(例えば、より小さい光透過性を有する領域内の強度がより大きい)を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、可変特性は、光学的な欠陥領域を含み、調整可能なパラメータは、造形面に対する投光領域(例えば、その造形面上の物体の生成についての除外される領域または「非印刷ゾーン(no print zone)」)を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、可変特性は、ウィンドウ内の局部的な光学的歪み、調整可能なパラメータは、局部的な光学的歪みにマッピングされる投光される光像の局部的な光学補正を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、可変特性は、重合抑制剤(例えば、酸素)に対する透過性を含み、調整可能なパラメータは、光強度、生成の速度、またはそれらの組合せを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、各調整可能なパラメータは、ウィンドウの1つまたは複数の小部分、ウィンドウの主要部分、またはウィンドウの全体、あるいはそれらの組合せに独立して適用される。
【0016】
いくつかの実施形態では、光学的に透明な部材は、複数の別個の層を備えている。
【0017】
いくつかの実施形態では、光学的に透明な部材は、(i)剛性または可撓性の半透過性または不透過性支持部材と、(ii)支持部材(例えば、フッ素重合体部材)上の半透過性部材、または支持部材上の不混和性層(immiscible layer)(例えば、ヒドロゲル)のどちらかと、(iii)存在するとき、半透過性部材内の重合抑制剤(例えば、酸素)と、(iii)任意選択的だが好ましくは、不透過性支持部材と半透過性部材の間の緩衝部材と、(v)任意選択的だが好ましくは、(例えば、緩衝部材内または上の)不透過性支持部材と半透過性部材との間のフィード空間(例えば、フィードチャンネル)であって、追加の重合抑制剤(例えば、酸素)を半透過性部材の中に供給するように構成されたフィード空間と、を備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、修正するステップは、(例えば、機器に関する物体生成の精度を高めることによって、機器で生成された物体の欠陥形成を減少させることによって、それらの組合せを含むその他によってなど、機器での生成失敗の頻度を減少させることによって)機器の少なくとも1つの性能特性を強化する。
【0019】
いくつかの実施形態では、生成するステップは、連続液界面製造(CLIP)によって実行される。
【0020】
いくつかの実施形態では、ボトムアップのステレオリソグラフィ機器は、(a)光源と、(b)駆動組立体と、(c)光源および駆動組立体と動作可能に関連付けられたコントローラであって、光源および/または駆動組立体は、コントローラによって調整可能である少なくとも1つの調整可能なパラメータを有する、コントローラと、(d)光源と動作可能に関連付けられるとともに、機器上に取り外し可能なウィンドウカセットを光源が投光する構成で固定するように構成された係合組立体であって、ウィンドウカセットは物体が生成され得る造形面を有する光学的に透明な部材を備え、光学的に透明な部材は少なくとも1つの可変特性を有する、係合組立体と、(e)(i)コントローラと動作可能に関連付けられ、ウィンドウカセット上の固有識別子を読み取るように構成された固有識別子読取り装置(例えば、NFCタグ読取り装置)、または(ii)コントローラと動作可能に関連付けられ、ウィンドウカセット上のデータ記憶媒体に結合するように構成されたデータ記憶媒体連結器(coupling)(例えば、USB連結器)のどちらかを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、コントローラは、本明細書に記載の方法を実施するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、ボトムアップのステレオリソグラフィ機器に取り外し可能に取り付けるのに役立つウィンドウカセットは、(a)円周フレームと、(b)円周フレームに接続された光学的に透明な部材であって、光学的に透明な部材は物体が生成され得る造形面を有し、光学的に透明な部材はそこに少なくとも1つの可変特性を有する、光学的に透明な部材と、(c)円周フレームに接続された固有識別子(例えば、NFCタグ)またはデータ記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ)と、を備える。
【0023】
本発明に係る前述のおよび他の目的および態様は、本明細書に添付の図面および以下に記載により詳細に説明される。また、本明細書中で引用される全ての米国特許の開示は、引用することにより本明細書の一部を成すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】光学補正命令がインターネットを介してクラウドデータベースからコントローラへ伝達される、本発明に係る第1実施形態を概略的に示す図である。
図2】光学補正命令はローカル接続を介してウィンドウカセットに関連付けられた記憶媒体からコントローラへ伝達される、本発明に係る第2実施形態を概略的に示す図である。
図3a】ウィンドウの高さが均一である、ウィンドウカセットの横断面概略図である。
図3b】ウィンドウの湾曲によりウィンドウの高さが不均一である、ウィンドウカセットの横断面概略図である。
図3c】ウィンドウの厚さの違いによりウィンドウの高さが不均一である、ウィンドウカセットの横断面概略図である。
図3d】ウィンドウが取り付けられるフレームの高さの不規則さによりウィンドウの高さが不均一である、ウィンドウカセットの横断面概略図である。
図4a】高さのトポグラフィ(height topography)が5つの領域にわたって最低(h)から最高(h)まで変化する、ウィンドウの平面図である。
図4b】透過性がより小さい個別の領域(すなわち、「傷(blemishes)」)を含むウィンドウの平面図である。
図4c】透過性のトポグラフィが4つの領域にわたって最高の透過(t)から最低の透過(t)まで変化する、ウィンドウの平面図である。
図4d】2つの光学的歪み領域(すなわち、ウィンドウの残りの領域と比較して、ウィンドウを通じて像が歪んで投影された領域)を含むウィンドウの平面図である。
図4e】少なくともいくつかの物体(またはいくつかの物体の少なくともいくつかの部分)の生成にとって欠陥が適切でない位置にある、ウィンドウの領域を描写した4つの欠陥を含むウィンドウの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明を、本発明に係る各実施形態を示した添付の図面を参照し、より十分に説明する。なお、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書中に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように与えられるものである。
【0026】
本明細書にて、用語「および/または」は、関連して挙げられた項目のいずれかもしくは全ての可能な組合せまたは1つまたは複数を含むとともに、二者択一(「または」)で解釈されるときに組合せを欠くものである。
【0027】
本明細書にて、「固有識別子(unique identifier)」および「固有識別子読取り装置(unique identifier reader)」は、自動識別/データ収集システムの構成要素を意図している。適切な固有識別子には、限定されるものではないものの、バーコード(一次元バーコードおよび二次元バーコード(QRコード)を含む)、近距離無線通信(NFC)タグ、無線周波数識別(RFID)タグ(アクティブRDIDタグ、パッシブRDIDタグ、およびバッテリーアシストパッシブRFIDタグを含む。)、光学的文字認識(OCR)タグおよび読取り装置、磁気ストリップおよび読取り装置等が含まれる。以下にさらに説明されるように、このようなシステムは、例えば、米国特許第8120468号、同第8526910号、同第9373201号、同第9562429号、同第9576476号、同第9587487号、同第9589428号、および同第9595058号において知られており、説明されている。このような固有識別子は、樹脂提供業者からエンドユーザへ配給するために樹脂用の容器に取り付けられ得る。
【0028】
本明細書にて、「情報記憶媒体(information storage media)」は、以下に論じられるように、樹脂の固有の識別情報とは対照的に、樹脂の特性または修正された動作命令を記憶するために使用されることを除いて、「固有識別子」に関連して上述された同じデバイスのいずれかであり得る。
【0029】
[1.付加製造の方法および機器]
【0030】
付加製造機器および方法は、既知である。適切な機器は、重合性液体のプールが配置され、それを通じてパターン光が3次元物体を生成するように投影されるウィンドウ、または光学的に透明な部材もしくは「ビルドプレート(build plate)」を用いるボトムアップの機器を含む。このような方法および機器は、例えば、Hullの米国特許第5236637号、Lawtonの米国特許第5391072号および同第5529473号、Johnの米国特許第7438846号、Shkolnikの米国特許第7892474号、El-Siblaniの米国特許第8110135号、Joyceの米国特許出願公開第2013/0292862号、およびChenらの米国特許出願公開第2013/0295212号において知られており、説明されている。これらの特許および出願の開示は、引用することによってその全てが本明細書の一部を成すものとする。
【0031】
CLIPは、例えば、DeSimoneらの米国特許第9211678号、同第9205601号、および同第9216546号、ならびにさらにJ.Tumbleston、D.Shirvanyants、N.Ermoshkinらの3次元物体の連続液界面製造(Continuous liquid interface production of 3D Objects)、(2015年3月16日にオンラインで発行された)Science 347、1349~1352頁において知られており、説明されている。R.Janusziewczらの連続液界面製造に関するレイヤーレス製造(Layerless fabrication with continuous liquid interface production)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 113、11703~11708頁(2016年10月18日)も参照されたい。いくつかの実施形態では、上述したように、CLIPは、ボトムアップの3次元製造の特徴を用いるものの、照射ステップおよび/または前進ステップは、成長する物体と造形面またはウィンドウとの間の安定したまたは持続的な液体界面をやはり同時に維持しつつ、(i)重合性液体のデッドゾーンを造形面に接触した状態で継続的に維持すること、および(ii)デッドゾーンと固体ポリマーとの間の(活性表面等の)重合ゾーンの勾配をおよびその各々と接触した状態で継続的に維持することなどによって実行され、重合ゾーンの勾配は、部分的に硬化された形態において第1の成分を含む。CLIPのいくつかの実施形態では、光学的に透明な部材は、半透過性部材(例えば、フッ素重合体)を備え、デッドゾーンを継続的に維持することは、光学的に透明な部材を通じて重合抑制剤をフィードすることによって実行され、それによってデッドゾーン内に、および任意選択的で重合ゾーンの勾配の少なくとも一部に、抑制剤の勾配をもたらす。(上記参照された)DeSimoneらにおいて、およびさらにSunらの米国特許出願公開第2016/0288376号に説明されるように、抑制剤は、半透過性部材を完全に通過することができ、または抑制剤の「プール(pool)」は、半透過性部材内に存在し、その樹脂接触面を通過することができる。好ましい抑制剤は酸素であるが、DeSimoneらにて説明されるような、またはSunらにおいて説明されるようなもののような(アミンを含む)塩基などの他の抑制剤を使用することもできる。本発明に用いることができるとともに半透過性の「ウィンドウ(window)」またはウィンドウ構造の必要を潜在的になくすCLIPを実行するための他の手法は、非混和性液体を含む液体界面を利用すること(2015年10月29日に発行された、L.Robesonらの国際公開第2015/164234号を参照されたい。)、電解によって抑制剤としての酸素を発生させること(2016年8月25日に発行された、I Cravenらの国際公開第2016/133759号を参照されたい。)、および光活性剤(photoactivator)が重合性液体に結合される磁気的に配置可能な粒子を組み込むこと(2016年9月15日に発行された、J.Rollandの国際公開第2016/145182号を参照されたい。)を含む。本発明に係る実施形態に適用され得るステレオリソグラフィまたは「CLIP」プロセスのさらなる例は、2016年3月10日に発行された米国特許出願公開第2016/0067921号、および2018年8月30日に発行された同第2018/0243976号を含む。
【0032】
機器は、典型的に、ユーザによってコントローラに入力される物体データファイルに由来するその機器上で3次元物体を生成するための動作命令を格納および実行するローカルコントローラを備えることができる。典型的には、光重合のために投影される物体の基本的な3次元イメージとともに(Z方向に互いから離れるようなキャリアおよび造形面の移動とともに)、動作命令は光強度、露光時間、曝露間の時間、生成の速度、ステップの高さ、ステップまたはレシプロ動作モードにおける上昇ストロークの高さおよび/または時間、レシプロ動作モードにおける下降ストロークの高さおよび/または時間、粘性重合性液体をポンプ式に押し出すための回転速度、樹脂加熱温度および/または樹脂冷却温度、回転速度および周波数などのプロセスパラメータを含むまたは生成できる。(例えば、Ermoshkinら、Three-dimensional printing with reciprocal feeding of polymerizable liquid(2015年12月23日に発行された)国際公開第2015/195924号;Sutterら、Fabrication of three dimensional objects with multiple operating modes、(2016年9月9日に発行された)国際公開第2016/140886号;J.DeSimoneら、Methods and apparatus for continuous liquid interface production with rotation、(2016年1月14日に発行された)国際公開第2016/007495号;J.DeSimoneらの米国特許第9211678号、およびJ.BatchelderらのContinuous liquid interface production system with viscosity pump、(2017年5月11日に発行された)米国特許出願公開第2017/0129169号を参照されたい。
【0033】
非限定的な一実施形態では、機器は、Carbon,Inc.,1089 Mills Way,Redwood City,CA 94063 USAから市販のCarbon Inc.のM1またはM2付加製造機器とすることができる。
【0034】
[2.ビルドプレートおよびウィンドウカセット]
【0035】
本発明は、CLIPを実行するのに用いられるウィンドウカセットに考慮できる好ましい実施形態にあるものの、本発明は、そのウィンドウが光学的に透明な材料の単一の層から形成されてもよく、異なる材料から形成される光学的に透明な材料の複数の層から形成されてもよく、ウィンドウが光学補正により利益を受け得るいずれのボトムアップのステレオリソグラフィプロセスにも適用可能である。
【0036】
いくつかの実施形態では、ボトムアップのステレオリソグラフィ機器に取り外し可能に取り付けるのに役立つウィンドウカセットは、(a)円周フレームと、(b)この円周フレームに接続された光学的に透明な部材であって、光学的に透明な部材は物体が生成され得る造形面を有し、光学的に透明な部材はそこに少なくとも1つの可変特性を有する、光学的に透明な部材と、(c)円周フレームに接続された固有識別子(例えば、NFCタグ)またはデータ記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ)のいずれかを備える。光学的に透明な部材は、複数の別個の層を備えることができる。いくつかの実施形態では、光学的に透明な部材は、(i)剛性または可撓性の半透過性または不透過性支持部材と、(ii)支持部材(例えば、フッ素重合体部材)上の半透過性部材または支持部材上の不混和性層(例えば、ヒドロゲル)のどちらかと、(iii)存在するとき、半透過性部材内の重合抑制剤(例えば、酸素)と、(iii)任意選択的だが好ましくは、不透過性支持部材と半透過性部材の間の緩衝部材と、(v)任意選択的だが好ましくは、(例えば、緩衝部材内または上の)不透過性支持部材と半透過性部材との間のフィード空間(例えば、フィードチャンネル)であって、追加の重合抑制剤(例えば、酸素)を半透過性部材の中に供給するように構成されたフィード空間と、を備える。
【0037】
本発明を実施するために用いられ得るウィンドウの例は、限定されるものではないものの、以下に記載されているものを含む。
【0038】
J.DeSimone、A.Ermoshkin、およびE.Samulskiの米国特許第9498920号、J.DeSimone、A.Ermoshkin、N.Ermoshkin、およびE.Samulskiの米国特許第9360757号、ならびにJ.DeSimone、A.Ermoshkin、N.Ermoshkin、およびE.Samulskiの米国特許第9205601号。
【0039】
J.DeSimone、A.Ermoshkinらの米国特許出願公開第2016/0046075号、D.Moore、A.Ermoshkinらの米国特許出願公開第2016/0193786号、D.Moore、J.Tumblestonらの米国特許出願公開第2016/0200052号、ならびにSunおよびLichkusの米国特許出願公開第2016/0288376号。
【0040】
D.Moore、J.Tumblestonらの国際公開第2016/123499号、D. Moore、J.Tumblestonらの国際公開第2016/123506号、J.Tumbleston、E.Samulskiらの国際公開第2016/149097号、J.Tumbleston、E.Samulskiらの国際公開第2016/149014、R.FortierおよびD.Castanonの国際公開第2016/172783号、R.FortierおよびD.Castanonの国際公開第2016/172788号、R.FortierおよびD.Castanonの国際公開第2016/172804号、R.FortierおよびD.Castanonの国際公開第2016/172805号、ならびにL.Robeson、E.Samulskiらの国際公開第2015/164234号などである(これらの全ての開示は、引用によりその全てが本明細書の一部を成すものとする。)。
【0041】
[3.機器および方法の例]
【0042】
図1及び図2に、本発明を実施するのに役立つ機器の例を示す。いずれの場合も、機器は、取り外し可能なウィンドウカセット12と動作可能に関連付けられたライトエンジン(light engine)11を、駆動組立体14上の(典型的にはやはり取り外し可能な)キャリアプラットフォーム13と共に備えている。全てがシャシー16と動作可能に関連付けられている。(シャシーに「搭載(on-board)」されてまたは別々に備えられ得る)コントローラ15は、駆動組立体およびライトエンジンと動作可能に関連付けられている。典型的には、ウィンドウカセットは、係合または位置合わせ組立体17によって機器フレームに取り付けられる。
【0043】
ウィンドウカセット12は、典型的には、(上述の複数の層で構成され得る)光学的に透明なウィンドウ12aと、ウィンドウフレーム12bとを備える。機器係合組立体17は、ライトエンジン11と位置合わせされた構成でウィンドウフレーム12bを解除可能に固定するように構成される。
【0044】
図1に示す実施形態では、コントローラは、ウィンドウ固有識別子(または「タグ」)読取り装置22と動作可能に関連付けられており、このウィンドウ固有識別子読取り装置22は、ウィンドウカセット12に接続されているウィンドウ固有識別子または「タグ」)21から読むような構成で機器に位置決めされている。読取り装置は、コントローラ12と動作可能に関連付けられ、このコントローラ12は、ひいてはインターネットを介してその固有識別子を(クラウドデータベース23等の)データベースへ送信するように構成されるとともに、そのデータベースからカセット固有の光学補正命令を受信し、それにより、以下に論じられるように、適切な補正が局所的に行われ得る。
【0045】
図2に示す実施形態では、ウィンドウカセットは、ウィンドウデータ記憶媒体21’をさらに備えており、機器は、媒体連結器22’を備えている。記憶媒体は、カセット固有の光学補正命令を含む。機器に固定されるとき、記憶媒体は連結器22’に結合し、連結器22’はひいてはコントローラ15と動作可能に関連付けられ、それはひいてはカセット固有の光学補正命令をダウンロードおよび受信するように構成され、これによって、以下に議論されるように、適切な補正が局所的に行われ得る。
【0046】
図1及び図2に、システムアーキテクチャの非限定的な例を示すものの、様々な異なるアーキテクチャのいずれかを用いることができることを理解されたい。コントローラは、特定の機器に専用または搭載の汎用コンピュータ、ローカルエリアネットワーク(またはメトロポリタンエリアネットワーク)を介して機械群と動作可能に関連付けられたローカル汎用コンピュータ、ワイドエリアネットワークまたはインターネット接続を介して機械と動作可能に関連付けられた遠隔汎用コンピュータ、および(例えば、クライアントサーバアーキテクチャおよび/または分散アーキテクチャで組織化された)それらの組合せであり得る。同様に、データストレージまたはメモリは、単一のメモリデバイスなどの仕切られたセクションに局所的または遠隔に設けられる(これらの組合せ(例えば、ローカルメモリに加えて遠隔バックアップメモリ))を含む別個の(揮発性および/または不揮発性)メモリデバイスとすることができる。データの入力および表示のための周辺装置は、既知の様々なやり方のいずれかで実装され得、典型的なキーパッド入力、ビデオディスプレイ、および印刷機器、ならびにスマートフォンのタッチ画面を含むタッチパッド、タッチスクリーンなどのグラフィカルユーザインタフェースが含まれる。
【0047】
図3a~図3dに、光学補正命令が生成され得る第1のセットの例示的なウィンドウ光学特性を示し、ウィンドウ高さに関係する。図3aに示す実施形態では、ウィンドウ高さhは、ウィンドウカセットにわたってほぼ均一である。この状況のために、(平均的または「標準的」なウィンドウと比較して高さが予期されるものより大きくないまたは小さくない限り、ウィンドウに特有でない命令が必要とされる。高さが予期されるものより小さい(およびしたがって、ウィンドウが予期されるものよりライトエンジンに近い場合、投光される光像の倍率は、増加されてもよい。高さが予期されるものより大きい場合、投光される光像の倍率は、増加されてもよい。
【0048】
図3bに示す実施形態では、ウィンドウ高さhは中央領域内のhよりも周辺領域内で低く、図3aに関連して説明されるような補正命令がそれらの異なる領域について必要とされる。
【0049】
図3cに示す実施形態では、ウィンドウ高さが、ウィンドウ内の傾斜によりウィンドウにわたって変化し、上述したような補正命令が、異なる高さの領域に必要とされる。
【0050】
図3dに示す実施形態では、ウィンドウ高さが、ウィンドウフレーム内の不規則性によりウィンドウにわたって変化し、上述したような補正命令が、異なる高さのウィンドウ領域に結果として必要とされる。
【0051】
図3b~図3dには、対応する補正命令が与えられ得る2つの高さが示されているものの、図4aに示す実施形態における高さh、h、h、h、hによって示されるように、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの異なる高さ領域があってもよいことに留意されたい。ここで、補正命令は、ライトエンジンからさらに遠いウィンドウ領域についての投光される光像の減少した倍率、またはライトエンジンにより近い領域についての増加した倍率を含み得る。
【0052】
図4bに、ウィンドウの周囲領域に対して光透過性がより小さい複数の個別の領域(すなわち、傷)を有するウィンドウを概略的に表し、図4cは、tからt、tを通じてtへ減少する光透過性の漸進的な勾配を有するウィンドウを表す。やはり、補正命令は、光透過性がより少ない領域についての増加した光強度を含み得る。
【0053】
図4dに、光学像を歪ませる領域を有するウィンドウを概略的に表す。ここで、補正命令は、歪ませられた領域を通じて造形領域に近づく像が正しいように歪ませられた領域にマッピングされる投影像の対応または相当する歪みを含み得る。
【0054】
図4eに、それらの領域を通じた任意の投影像が、(少なくとも、特定の物体が生成されるのに特有の公差内で)内部で生成される物体内に受け入れられない欠陥がさらに生じるというとても傷つけられているまたはとても歪められている領域を有するウィンドウを概略的に表す。ここで、補正命令は、物体が生成されない、または光が投影されず、ウィンドウ上のどこかに投影される物体の像が生成されない除外領域を単純に定義しているものであり得る(例えば、複数の物体が同時に生成される場合、これらは、投影のために除外領域を利用しないやり方でコントローラによって自動的に配置され得る。)。
【0055】
同様の補正は、ウィンドウが重合抑制剤(例えば、酸素)に対して半透過性であるものであるとき、および可変特性が透過性、特に抑制剤に対して減少した透過性であるときに行われ得る。例えば、(ウィンドウの個別の領域における、ウィンドウにわたっての勾配における、またはウィンドウの全体における)透過性が、(例えば、従前のウィンドウ、従前のウィンドウの平均、または実際若しくは任意の標準的なウィンドウと比較して)予期されるものより小さいとき、ライトエンジンから投光される光強度は減少し得る、(駆動組立体によって実行されるときの)生成の速度は減少し得る、またはそれらの組合せとなり得る。一部の領域内の透過性があまりに低くて内部の物体を生成することが実現可能でない場合には、(上記図4に関連して説明されるもののような)除外領域が生成され得る。
【0056】
なお、前述したものは本発明の例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明は、以下の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲の均等物は、本明細書に含まれる。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
【図 】
図4a
図4b
図4c
図4d
【図 】
図4e