(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】複数のピクセルを含むディスプレイ用発光ダイオードユニット及びそれを有する表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20230216BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230216BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20230216BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 349Z
H01L33/50
(21)【出願番号】P 2020524640
(86)(22)【出願日】2017-11-08
(86)【国際出願番号】 KR2017012558
(87)【国際公開番号】W WO2019093533
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ,チョン フン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,チョン ヒョン
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0137985(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0108623(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294479(US,A1)
【文献】特開2016-218151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0256687(US,A1)
【文献】特表2014-507804(JP,A)
【文献】特開2011-171739(JP,A)
【文献】国際公開第2016/192939(WO,A1)
【文献】特開2016-154213(JP,A)
【文献】特開2002-217454(JP,A)
【文献】特開2002-118293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0228865(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0032735(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0083488(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H01L21/22-21/24
21/38-21/40
33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピクセルを含み、
それぞれのピクセルは、
それぞれ第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む第1発光セル、第2発光セル及び第3発光セル、
前記第1乃至第3発光セルの第2導電型半導体層上に配置されたオーミック層、
前記第1乃至第3発光セルを覆い、第1導電型半導体層を露出させる第1開口部、及び前記オーミック層を露出させる第2開口部を有する下部絶縁層、
前記下部絶縁層上に配置され、前記下部絶縁層の第1開口部を介して第1導電型半導体層に電気的に接続する第1パッド電極、
前記第1パッド電極から離隔して前記下部絶縁層上に配置され、前記第2開口部を介して前記オーミック層に電気的に接続する第2パッド電極、 前記第1乃至第3発光セルを独立して駆動できるように前記第1乃至第3発光セルに
前記第1及び第2パッド電極を介して電気的に接続された各バンプパッド、
前記第2発光セルから放射された光の波長を変換する第2波長変換器、及び
前記第3発光セルから放射された光の波長を変換する第3波長変換器、を含み、
前記第3波長変換器は、前記第2波長変換器より長い波長に光の波長を変換し、
前記第2発光セルは、前記第1発光セルより大きな面積を有し、
前記第3発光セルは、前記第2発光セルより大きな面積を有し、
前記各バンプパッドは、前記第1乃至第3発光セルにおいて、それぞれ個別に前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層と電気的に接続され、
前記各バンプパッドは、それぞれ対応する前記第1乃至第3発光セルの領域内に配置され、
前記各バンプパッドの最大幅は、対応する発光セルの最小幅の1/2を超えるディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項2】
前記第1乃至第3発光セルは青色光を放射し、
前記第2波長変換器は、前記青色光を緑色光に変換し、
前記第3波長変換器は、前記青色光を赤色光に変換する、請求項1に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項3】
前記第1発光セルに対する第2発光セル及び第3発光セルの面積比は、それぞれ前記第2波長変換器の光変換効率及び前記第3波長変換器の光変換効率に反比例する、請求項2に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項4】
前記第1発光セルから放射された光の波長を変換する第1波長変換器をさらに含み、前記第1波長変換器は、前記第2波長変換器より短い波長に光の波長を変換し、
前記第1乃至第3発光セルは紫外光を放射する、請求項1に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項5】
前記第1波長変換器は、紫外光を青色光に変換し、
前記第2波長変換器は、前記紫外光を緑色光に変換し、
前記第3波長変換器は、前記紫外光を赤色光に変換する、請求項4に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項6】
前記第1発光セルに対する第2発光セル及び第3発光セルの面積比は、それぞれ前記第1波長変換器に対する前記第2波長変換器の光変換効率比及び前記第3波長変換器の光変換効率比に反比例する、請求項5に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項7】
前記第1波長変換器上に配置された第1カラーフィルター、
前記第2波長変換器上に配置された第2カラーフィルター、及び
前記第3波長変換器上に配置された第3カラーフィルター、をさらに含む、請求項4に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項8】
前記第2波長変換器上に配置された第2カラーフィルター、及び
前記第3波長変換器上に配置された第3カラーフィルター、をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項9】
前記第1発光セル、第2発光セル及び第3発光セルの面積比は1:2:7である、請求項1に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項10】
前記第1及び第2パッド電極を覆う上部絶縁層、をさらに含み、
前記オーミック層はオーミック反射層であり、前記各バンプパッドは、前記上部絶縁層の各開口部を介して前記第1及び第2パッド電極に接続する、請求項1に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項11】
前記下部絶縁層は分布ブラッグ反射器を含む、請求項10に記載のディスプレイ用発光ダイオードユニット。
【請求項12】
回路基板、及び
前記回路基板上に配列された複数の発光ダイオードユニット、を含み、
前記複数の発光ダイオードユニットのそれぞれは、請求項1乃至請求項
11のいずれか1項のディスプレイ用発光ダイオードユニットである表示装置。
【請求項13】
前記第1乃至第3発光セルはパッシブマトリックス又はアクティブマトリックス方式で駆動する、請求項
12に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代ディスプレイ用発光ダイオード及びそれを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源であって、表示装置、車両用ランプ、一般照明などの多くの分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、消費電力が低く、応答速度が速いという長所を有するので、既存の光源に迅速に取って代わっている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、主に表示装置でバックライト光源として使用されてきた。しかし、近年、発光ダイオードを用いて画像を直接具現する次世代ディスプレイとしてマイクロLEDが開発されている。
【0004】
表示装置は、一般に、青色、緑色及び赤色の混合色を用いて多様な色相を具現する。表示装置の各ピクセルは、青色、緑色及び赤色のサブピクセルを備えており、これらの各サブピクセルの色相を通じて特定ピクセルの色相が定められ、これらの各ピクセルの組み合わせによって画像が具現される。
【0005】
マイクロLEDディスプレイの場合、各サブピクセルに対応してマイクロLEDが配置され、これによって、一つの基板上に数多くのマイクロLEDが配置される必要がある。ところが、マイクロLEDは、その大きさが200マイクロメートル以下、さらに100マイクロメートル以下であって非常に小さく、このような小ささによって多様な問題が発生する。特に、小さい発光ダイオードをハンドリングすることが難しいので、ディスプレイ用パネル上に発光ダイオードを実装することが容易でなく、また、実装された各マイクロLEDのうち不良品のLEDを良品のLEDに取り替えることも難しい。
【0006】
一方、発光ダイオードは、一般に紫外光又は青色光を放射し、蛍光体と組み合わせて緑色光及び赤色光を具現することができる。また、各色相の純度を向上させるためにサブピクセルごとにカラーフィルターが使用されるが、カラーフィルターにおいてもフィルター効率に差がある。これによって、同一の発光ダイオードを動作させることにより同一の強さの光を放射したとしても、青色サブピクセル、緑色サブピクセル及び赤色サブピクセルの光の強さに差が発生する。このような差を克服するために各発光ダイオードの動作電流密度を変化させることができるが、電流密度の変化による発光ダイオードにおける発光効率の低下が発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、実装及び交換が容易なディスプレイ用発光ダイオード及びそれを有する表示装置を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする他の課題は、各サブピクセルの各発光ダイオードを最適な発光効率で動作させることができるディスプレイ用発光ダイオード及びそれを有する表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットは、複数のピクセルを含む。さらに、それぞれのピクセルは、それぞれ第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む第1発光セル、第2発光セル及び第3発光セル、前記第1乃至第3発光セルを独立して駆動できるように前記第1乃至第3発光セルに電気的に接続された各パッド、前記第2発光セルから放射された光の波長を変換する第2波長変換器、及び前記第3発光セルから放射された光の波長を変換する第3波長変換器、を含み、前記第3波長変換器は、前記第2波長変換器より長い波長に光の波長を変換し、前記第2発光セルは、前記第1発光セルより大きな面積を有し、前記第3発光セルは、前記第2発光セルより大きな面積を有する。
【0010】
本発明の他の実施形態に係る表示装置は、回路基板、及び前記回路基板上に配列された複数の発光ダイオードユニットを含み、前記複数の発光ダイオードユニットのそれぞれは、上述した一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の各実施形態によると、第1乃至第3発光セルを含み、互いに異なる色相の光を放射する各サブピクセルを含む複数のピクセルを一つの発光ダイオードユニット内に配置することができ、実装及び交換が容易なディスプレイ用発光ダイオードユニットを提供することができる。さらに、第1乃至第3発光セルの面積を異ならせることによって、各サブピクセルの各発光セルを最適な発光効率で動作させることができる。
【0012】
本発明の他の長所及び特徴は、以下の詳細な説明を通じて明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置を説明するための概略的な断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図である。
【
図3】
図2のディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルを拡大して示した平面図である。
【
図4】
図3のA-A線に沿って切り取られた概略的な断面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルの概略的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【
図8】本発明の更に他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【
図9】本発明の更に他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【
図10】本発明の更に他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【
図11】本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルの概略的な断面図である。
【
図12】本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルの概略的な断面図である。
【
図13】本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルの概略的な断面図である。
【
図14】本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図である。
【
図18a】波長変換器を含むフィルムを説明するための断面図である。
【
図18b】波長変換器を含むフィルムを説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の各図面を参照して本発明の各実施形態を詳細に説明する。次に紹介する各実施形態は、本発明の属する技術分野で通常の技術者に本発明の思想を十分に伝達するために例として提供するものである。よって、本発明は、以下で説明する各実施形態に限定されるものではなく、他の形態に具体化されてもよい。そして、各図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは、便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載された場合、各部分が他の部分の「直上部」又は「直上」にある場合のみならず、各構成要素と他の構成要素との間に更に他の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体にわたって同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0015】
本発明の一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットは、複数のピクセルを含む。さらに、それぞれのピクセルは、それぞれ第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む第1発光セル、第2発光セル及び第3発光セル、前記第1乃至第3発光セルを独立して駆動できるように前記第1乃至第3発光セルに電気的に接続された各パッド、前記第2発光セルから放射された光の波長を変換する第2波長変換器、及び前記第3発光セルから放射された光の波長を変換する第3波長変換器、を含み、前記第3波長変換器は、前記第2波長変換器より長い波長に光の波長を変換し、前記第2発光セルは、前記第1発光セルより大きな面積を有し、前記第3発光セルは、前記第2発光セルより大きな面積を有する。
【0016】
一つの発光ダイオードユニット内に複数のピクセルを配置し、各ピクセル内に3個の発光セルを配置することによって各ピクセル内で互いに異なる色相の光を具現する。これによって、一つの発光ダイオードユニットを用いて3個のサブピクセルを含む複数のピクセルを形成することができる。よって、従来のマイクロLEDに比べて発光ダイオードユニットの大きさが相対的に増加するので、実装及び交換が容易になる。さらに、波長変換器の変換効率などを考慮して各発光セルの面積を互いに異ならせることによって、各発光セルを最適な発光効率条件下で動作させることができる。
【0017】
本明細書において、「発光ダイオードユニット」は、回路基板に実装される発光ダイオードの単位を示す。一つの発光ダイオードユニット内の各ピクセルは、互いに物理的に接続され、その結果、発光ダイオードユニット内の各ピクセルが共に実装又は交換される。よって、一つの発光ダイオードユニット内の各ピクセルは、個別的に分離して使用されない。したがって、一つの発光ダイオードユニットは、内部の各ピクセルを互いに接続する構成要素を含み、この構成要素は、他の発光ダイオードユニットから離隔する。
【0018】
特定の実施形態において、前記第1乃至第3発光セルは青色光を放射し、前記第2波長変換器は前記青色光を緑色光に変換し、前記第3波長変換器は前記青色光を赤色光に変換することができる。前記第1発光セルから放射された青色光は、波長変換することなく使用される。
【0019】
一方、前記第1発光セルに対する第2発光セル及び第3発光セルの面積比は、それぞれ前記第2波長変換器の光変換効率及び前記第3波長変換器の光変換効率を考慮して設定することができる。特に、波長変換器の光変換効率が低いほど該当の発光セルの面積が大きくなる。一例として、前記第1発光セルに対する第2発光セル及び第3発光セルの面積比は、それぞれ前記第2波長変換器の光変換効率及び前記第3波長変換器の光変換効率に反比例してもよい。
【0020】
他の実施形態において、前記ディスプレイ用発光ダイオードユニットは、前記第1発光セルから放射された光の波長を第1波長の光に変換する第1波長変換器をさらに含み、前記第1波長変換器は、前記第2波長変換器より短い波長に光の波長を変換し、前記第1乃至第3発光セルは紫外光を放射することができる。
【0021】
特に、前記第1波長変換器は紫外光を青色光に変換し、前記第2波長変換器は前記紫外光を緑色光に変換し、前記第3波長変換器は前記紫外光を赤色光に変換することができる。
【0022】
また、前記第1発光セルに対する第2発光セル及び第3発光セルの面積比は、第1波長変換器、第2波長変換器及び第3波長変換器の光変換効率を考慮して設定することができる。一例として、前記第1発光セルに対する第2発光セル及び第3発光セルの面積比は、それぞれ前記第1波長変換器に対する前記第2波長変換器の光変換効率比及び前記第3波長変換器の光変換効率比に反比例してもよい。
【0023】
また、前記ディスプレイ用発光ダイオードユニットは、前記第2波長変換器上に配置された第2カラーフィルター、及び前記第3波長変換器上に配置された第3カラーフィルター、をさらに含んでもよい。第2カラーフィルターは緑色光以外の光をフィルタリングし、第3カラーフィルターは赤色光以外の光をフィルタリングすることができる。さらに、前記ディスプレイ用発光ダイオードユニットは、前記第1波長変換器上に配置された第1カラーフィルターをさらに含んでもよく、前記第1カラーフィルターは青色光以外の光をフィルタリングする。
【0024】
特定の実施形態において、前記第1発光セル、第2発光セル及び第3発光セルの面積比は1:2:7であってもよい。
【0025】
一方、前記各ピクセルの第1乃至第3発光セルは第1導電型半導体層を共有してもよい。さらに、少なくとも二つのピクセルが第1導電型半導体層を共有してもよい。各発光セル又は各ピクセルが第1導電型半導体層を共有することによって、製造工程及び構造が単純な発光ダイオードユニットを提供することができる。
【0026】
一方、少なくとも一つのパッドは、第1乃至第3発光セルの第1導電型半導体層又は第2導電型半導体層に電気的に共通に接続されてもよい。これによって、必要なパッドの数を減少させることができる。
【0027】
前記ディスプレイ用発光ダイオードユニットは、前記第1乃至第3発光セルの第2導電型半導体層上に配置された各オーミック反射層、及び前記複数のピクセルの前記第1乃至第3発光セルを覆い、第1導電型半導体層を露出させる少なくとも一つの第1開口部、及び前記各オーミック反射層を露出させる第2開口部を有する下部絶縁層、をさらに含んでもよい。さらに、前記ディスプレイ用発光ダイオードユニットは、前記下部絶縁層上に配置され、前記下部絶縁層の第1開口部を介して第1導電型半導体層に電気的に接続する第1パッド電極、前記第1パッド電極から離隔して前記下部絶縁層上に配置され、前記第2開口部を介して前記オーミック反射層に電気的に接続する第2パッド電極、及び前記第1及び第2パッド電極を覆う上部絶縁層、をさらに含んでもよく、前記各パッドは、前記上部絶縁層の各開口部を介して前記第1及び第2パッド電極に接続してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、前記下部絶縁層は、分布ブラッグ反射器を含んでもよい。前記下部絶縁層は、各発光セルの側面を覆うことができ、その結果、各発光セル間の光の干渉を防止することができる。
【0029】
一実施形態において、前記各パッドは、前記第1乃至第3発光セルの第1導電型半導体層に共通に接続する一つの第1パッドと、第2導電型半導体層にそれぞれ接続する3個の第2パッドとを含んでもよい。さらに、前記一つの第1パッドは、少なくとも二つのピクセルの第1導電型半導体層に共通に接続してもよい。
【0030】
他の実施形態において、前記各パッドは、前記第1乃至第3発光セルの第1導電型半導体層にそれぞれ接続する第1パッドと、前記第2導電型半導体層に共通に接続する1個の第2パッドとを含んでもよい。さらに、前記一つの第2パッドは、少なくとも二つのピクセルの第2導電型半導体層に共通に接続してもよい。
【0031】
本発明の更に他の実施形態に係る表示装置は、回路基板、及び前記回路基板上に配列された複数の発光ダイオードユニット、を含み、前記複数の発光ダイオードユニットのそれぞれは、上述したディスプレイ用発光ダイオードユニットである。
【0032】
さらに、第1乃至第3発光セルは、パッシブマトリックス又はアクティブマトリックス方式で駆動することができる。
【0033】
以下、図面を参照して本発明の各実施形態に対して具体的に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を説明するための概略的な断面図で、
図2は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図で、
図3は、
図2のディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルを拡大して示した平面図で、
図4は、
図3のA-A線に沿って切り取られた概略的な断面図である。
【0035】
まず、
図1を参照すると、表示装置は、回路基板100及びディスプレイ用発光ダイオードユニット200を含む。本実施形態に係る表示装置は、複数の発光ダイオードユニット200が回路基板100上に配列されることに対して説明するが、本発明が必ずしもこれに限定されることはなく、単一の発光ダイオードユニット200が回路基板100上に配置されてもよい。
【0036】
回路基板100は、パッシブマトリックス又はアクティブマトリックス方式で発光ダイオードユニット200内の各発光セルを駆動するための回路を含む。例えば、パッシブマトリックス方式で駆動するために、回路基板100は、抵抗などの受動素子を含むプリント回路基板であってもよい。これと異なり、アクティブマトリックス方式で駆動するために、回路基板100は、薄膜トランジスタなどの能動素子を含んでもよい。
【0037】
ディスプレイ用発光ダイオードユニット200は、
図2に示したように、複数のピクセルF1、F2、F3、F4を含む。ここで、4個のピクセルを示しているが、これに限定されるものではなく、一つの発光ダイオードユニット200内に配置されるピクセルの数は2個又は3個であってもよく、5個以上であってもよい。各ピクセルF1、F2、F3又はF4は、3個の発光セルを含み、各発光セル上に各波長変換器が配置されることによって青色、緑色及び赤色光を具現する。各ピクセルF1、F2、F3、F4の構造は、概して同一又は類似している。以下では、
図3及び
図4を参照して代表的にピクセルF1に対して詳細に説明する。
【0038】
図3及び
図4を参照すると、ピクセルF1は、基板21、第1乃至第3発光セル30、30a、30b、30c、オーミック反射層31、下部絶縁層33、各パッド電極35a、35b、上部絶縁層37、第1波長変換器51a、第2波長変換器51b、第3波長変換器51c、第1カラーフィルター53a、第2カラーフィルター53b、第3カラーフィルター53c及び光遮断物質層(又は隔壁)55を含んでもよい。第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは、それぞれ第1導電型半導体層23、活性層25及び第2導電型半導体層27を含む。また、ピクセルF1は、各サブピクセル10B、10G、10Rを含むが、各サブピクセル10B、10G、10Rは、それぞれ発光セル30
a、30
b、30c、波長変換器51a、51b、51c及びカラーフィルター53a、53b、53cを含む。
【0039】
基板21は、窒化ガリウム系半導体層を成長できる基板であれば特に制限されない。基板21の例は、サファイア基板、窒化ガリウム基板、SiC基板などのように多様であり、パターニングされたサファイア基板であってもよい。一つの基板21に複数のピクセルF1、F2、F3、F4が設けられ、基板21は、長方形又は正方形の外形を有してもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。基板21の全体の大きさはピクセルの数によって変えることができる。
【0040】
第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは互いに離隔して配置される。ピクセルF1内の各発光セル間の間隔は、各ピクセルF1、F2、F3、F4間の間隔より小さくてもよいが、各ピクセルF1、F2、F3、F4間の間隔と同一であってもよい。
【0041】
一方、
図3及び
図4に示したように、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは互いに異なる面積を有する。第2発光セル30bは第1発光セル30aより大きな面積を有し、第3発光セル30cは第2発光セル30bより大きな面積を有する。第1乃至第3発光セル30a、30b、30cの面積は、各波長変換器51a、51b、51cの光変換効率を考慮して決定可能であり、これに対しては後で説明する。
【0042】
一方、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは互いに隣り合って配置されてもよい。すなわち、第1発光セル30aは第2及び第3発光セル30b、30cに隣り合い、第2発光セル30bは第1及び第3発光セル30a、30cに隣り合い、第3発光セル30cは第1及び第2発光セル30a、30bに隣り合ってもよい。
図3に示したように、第3発光セル30cの長軸に沿って第1及び第2発光セル30a、30bが配列されてもよい。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、他の形態で多様に配列させることができる。例えば、一つの発光セルが他の二つの発光セル間に配置されてもよい。また、前記第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは、長方形の形状を有してもよいが、これに限定されるものではなく、多様な形状を有することができる。
【0043】
第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは、それぞれ第1導電型半導体層23、活性層25及び第2導電型半導体層27を含む。第1導電型半導体層23は、基板21の下部に配置される。第1導電型半導体層23は、基板21上で成長した層であって、不純物、例えば、Siがドーピングされた窒化ガリウム系半導体層であってもよい。
【0044】
第1導電型半導体層23上に活性層25及び第2導電型半導体層27が配置される。活性層25は、第1導電型半導体層23と第2導電型半導体層27との間に配置される。活性層25及び第2導電型半導体層27は、第1導電型半導体層23より小さな面積を有してもよい。活性層25及び第2導電型半導体層27が部分的に除去され、第1導電型半導体層23の一部が露出してもよい。
図4に示したように、活性層25及び第2導電型半導体層27を貫通して第1導電型半導体層23を露出させる貫通孔が形成されてもよい。これと異なり、活性層25及び第2導電型半導体層27がメサ形状に形成され、メサの周囲の第1導電型半導体層23が露出してもよい。
【0045】
活性層25は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有してもよい。活性層25内における井戸層の組成及び厚さは、生成される光の波長を決定する。特に、井戸層の組成を調節することによって、紫外光又は青色光を生成する活性層を提供することができる。本実施形態において、第1発光セル30a、第2発光セル30b及び第3発光セル30cの各活性層25は、全て同一の条件下で同一の基板21上で成長したものであって、同一の組成及び厚さを有し、その結果、同一の波長の光を放射する。
【0046】
一方、第2導電型半導体層27は、p型不純物、例えば、Mgがドーピングされた窒化ガリウム系半導体層であってもよい。第1導電型半導体層23及び第2導電型半導体層27は、それぞれ単一層であってもよいが、これに限定されるものではなく、多重層であってもよく、超格子層を含んでもよい。第1導電型半導体層23、活性層25及び第2導電型半導体層27は、有機金属化学気相成長法(MOCVD)又は分子線エピタキシー(MBE)などの公知の方法を用いてチャンバー内で基板21上に成長させることにより形成することができる。
【0047】
オーミック反射層31は、各発光セル30a、30b、30cの第2導電型半導体層27にオーミック接触する。オーミック反射層31は、オーミック層及び反射層を含んでもよく、例えば、NiやITOなどのオーミック層及びAgやAlなどの反射層を含んでもよい。また、オーミック反射層31は、ITOなどの透明酸化物層と反射層との間にSiO2などの絶縁層を含んでもよく、反射層は絶縁層を介して透明酸化物層に接続してもよい。
【0048】
下部絶縁層33は、各発光セル30a、30b、30cを覆い、露出した第2導電型半導体層27及び活性層25の側面を覆う。下部絶縁層33は、第1導電型半導体層23及びオーミック反射層31を露出させる各開口部を有する。下部絶縁層33は、SiO2やSi3N4などの単一層に形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、多重層に形成されてもよい。特に、下部絶縁層33は分布ブラッグ反射器を含んでもよい。
【0049】
第1パッド電極35a及び第2パッド電極35bが下部絶縁層33上に配置される。第1パッド電極35a及び第2パッド電極35bは各発光セル上に配置され、第1パッド電極35aは第1導電型半導体層23に電気的に接続し、第2パッド電極35bはオーミック反射層31に電気的に接続する。第1パッド電極35a及び第2パッド電極35bは、同一の工程で共に形成されてもよく、その結果、同一のレベルに位置することができる。第2パッド電極35bは省略されてもよい。
【0050】
本実施形態において、第1パッド電極35aは、第2パッド電極35bを取り囲むように配置されてもよい。また、一つのサブピクセルの各パッド電極35a、35bは、隣り合うサブピクセルの各パッド電極35a、35bから離隔してもよい。よって、発光ダイオードユニット200内で、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは互いに電気的に分離される。さらに、ピクセルF1内の各パッド電極35a、35bは、他のピクセルF2、F3、F4内の各パッド電極35a、35bからも離隔される。しかし、本発明はこれに限定されることはなく、各発光セル30a、30b、30cが互いに電気的に接続される多様な実施形態が可能であり、また、各ピクセル間で各発光セルが電気的に接続される多様な実施形態が可能である。これに対しては、他の実施形態で詳細に説明する。
【0051】
一方、上部絶縁層37は、第1及び第2パッド電極35a、35bを覆い、これらを露出させる各開口部を有する。上部絶縁層37は、SiO2やSi3N4などの単一層に形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、複数の層で形成されてもよい。特に、下部絶縁層33は分布ブラッグ反射器を含んでもよい。
【0052】
一方、第1及び第2バンプパッド43a、43bが各発光セル30a、30b、30c上に形成され、上部絶縁層37の各開口部を介して第1及び第2パッド電極35a、35bに接続される。具体的に、第1バンプパッド43aは第1パッド電極35aに接続され、第2バンプパッド43bは第2パッド電極35bに接続される。各発光セル30a、30b、30cごとに2個のバンプパッド43a、43bが提供される。
【0053】
各バンプパッド43a、43bは、相対的に広い面積を占めるが、各バンプパッド43a、43bの最大幅は、少なくとも発光セルの最小幅の1/2を超えることができる。各バンプパッド43a、43bは、図示したように、長方形の形状を有してもよいが、これに限定されるものではなく、円形又は楕円形の形状を有してもよい。各バンプパッド43a、43bは、発光ダイオードユニット200を回路基板100に実装するために使用可能であり、例えば、Au又はAuSnを含んでもよい。
【0054】
一方、各バンプパッド43a、43b以外に、ダミーバンプパッド(図示せず)が少なくとも一つの発光セル上に配置されてもよい。特に、各発光セルは、互いに異なる面積を有するので、相対的に広い面積を有する各発光セル30b又は30c上にダミーバンプパッドが配置されてもよい。ダミーバンプパッドは、上部絶縁層37上に配置され、各バンプパッド43a、43bから電気的に孤立させることができる。ダミーバンプパッドは、各発光セルで生成された熱を放射するための放熱通路として利用可能であり、発光ダイオードユニット200の光効率を向上させることができる。
【0055】
支持部材45が各バンプパッド43a、43bの側面を覆うことができる。また、支持部材45は、ダミーバンプパッドの側面を覆ってもよい。支持部材45は、熱硬化性又は熱可塑性樹脂で形成されてもよい。
【0056】
一方、第1乃至第3波長変換器51a、51b、51cは、各発光セル30a、30b、30cに対向して基板21上に配置される。第1波長変換器51aは第1発光セル30aの上部に配置され、第2波長変換器51bは第2発光セル30bの上部に配置され、第3波長変換器51cは第3発光セル30cの上部に配置される。
【0057】
第1波長変換器51aは、第1発光セル30aから放射される光の波長を変換し、第2波長変換器51bは、第2発光セル30bから放射される光の波長を変換し、第3波長変換器51cは、第3発光セル30cから放射される光の波長を変換する。ここで、第2波長変換器51bは、第1波長変換器51aより長い波長に光を変換し、第3波長変換器51cは、第2波長変換器51bより長い波長に光を変換する。例えば、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは、紫外光を放射することができ、第1波長変換器51aは紫外光を青色光に変換し、第2波長変換器51bは紫外光を緑色光に変換し、第3波長変換器51cは紫外光を赤色光に変換することができる。
【0058】
一方、第1カラーフィルター53a、第2カラーフィルター53b及び第3カラーフィルター53cがそれぞれ第1乃至第3波長変換器51a、51b、51c上に配置され、波長変換器から放射される光をフィルタリングする。例えば、第1カラーフィルター53aは青色光以外の光をフィルタリングし、第2カラーフィルター53bは緑色光以外の光をフィルタリングし、第3カラーフィルター53cは赤色光以外の光をフィルタリングする。前記第1乃至第3カラーフィルター53a、53b、53cを使用することによって、青色光、緑色光及び赤色光の色純度を向上させることができる。
【0059】
本実施形態において、前記活性層25が紫外光を放射することを例に挙げて説明するが、前記活性層25は青色光を放射してもよい。この場合、前記第1波長変換器51aは省略されてもよく、透明樹脂が第1波長変換器51aの代わりに配置されてもよい。一方、第2波長変換器51bは青色光を緑色光に変換し、第3波長変換器51cは青色光を赤色光に変換する。
【0060】
一方、光遮断物質層55は、各波長変換器51a、51b、51cの間に配置されてもよい。光遮断物質層55は、一つの波長変換器から他の波長変換器に光が進行することを遮断し、各サブピクセル10B、10G、10R間の光干渉を防止する。光遮断物質層55は、光を反射できる白色樹脂又はPSRで形成されてもよい。一方、下部絶縁層33が分布ブラッグ反射器を含んだり、第1パッド電極235a及び/又は第2パッド電極235bが各発光セルの側壁を覆うように配置されることによって、各発光セル30a、30b、30c間の光干渉が防止される。
【0061】
本実施形態のピクセルF1は3個のサブピクセル10B、10G、10Rを有し、これらのサブピクセルが基板21上に固定される。例えば、サブピクセル10Bは、第1発光セル10aによって、又は第1発光セル10aと第1波長変換器51aとの組み合わせによって青色光を具現し、サブピクセル10Gは、第2発光セル10bと第2波長変換器51bとの組み合わせによって緑色光を具現し、サブピクセル10Rは、第3発光セル10cと第3波長変換器51cとの組み合わせによって赤色光を具現することができる。
【0062】
本実施形態において、各ピクセルF2、F3及びF4は、ピクセルF1と同一の構造の各サブピクセルを含む。また、基板、下部絶縁層33及び上部絶縁層37は、各ピクセルF1、F2、F3、F4の全てにわたって連続的に形成されてもよい。
【0063】
本実施形態によると、フリップ型構造の各発光セルを有する発光ダイオードユニット200を提供することができ、その結果、各発光セルの発光効率を向上させることができる。
【0064】
また、基板21と共に、複数のピクセルF1、F2、F3、F4が共に回路基板100上に実装されてもよい。従来のマイクロLEDの場合は、個別的なサブピクセルを実装するので、工程数が多く、実装工程を行うことが難しい。その一方で、本実施形態では、一つの発光ダイオードユニットが複数のピクセルF1、F2、F3、F4を含むので、発光ダイオードユニットの大きさがマイクロLEDに比べて相対的に大きくなり、その結果、実装工程数が減少し、実装が容易になる。
【0065】
一方、本実施形態において、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cは、互いに異なる面積を占有する。また、これらの各発光セル上に配置される波長変換器51a、51b、51cも互いに異なる面積を占有する。各発光セルの相対的な面積は、各波長変換器の光変換効率と密接に関連しており、さらに、各カラーフィルター53a、53b、53cのカラーフィルタリング効率を関連させることができる。
【0066】
各波長変換器は、一般に蛍光体を含んでもよい。例えば、βサイアロン(SiAlON)は緑色光を放射するのに適しており、CASN(CaAlSiN)系列の蛍光体は赤色光を放射するのに適している。
【0067】
ところが、蛍光体は、全ての青色光を緑色光又は赤色光に変換することができなく、各蛍光体ごとに一定の光変換効率を有する。特に、同一の波長の紫外光又は青色光を赤色光に変換する赤色蛍光体は、緑色光に変換する緑色蛍光体に比べて光変換効率が小さい。さらに、赤色光は緑色光に比べて視感度も低い。そのため、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cを同一の面積で形成する場合、赤色光を具現するサブピクセル10Rの第3発光セル30cは、他のサブピクセル10B又は10Gと類似する強さの感度を具現するために、さらに高い電流密度の下で駆動しなければならない。緑色光を具現するサブピクセル10Gの第2発光セル30bも、第1発光セル30aより高い電流密度の下で駆動しなければならない。すなわち、通常の画像を具現するために必要な電流密度が各発光セルごとに異なっており、その結果、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cを最適な発光効率条件で駆動できないという問題が発生する。
【0068】
本実施形態では、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cの面積を異ならせ、各発光セルを駆動するための電流密度を同一又は類似するものにし、各発光セルを最適な発光効率条件で駆動させることができる。
【0069】
第1乃至第3発光セル30a、30b、30cの相対的な面積は、第1乃至第3波長変換器51a、51b、51cの相対的な光変換効率を考慮して決定することができる。波長変換器の光変換効率が小さいほど、対応する発光セルの面積が大きくなる。
【0070】
例えば、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cが青色光を放射する場合、第1波長変換器51aは省略され、第1発光セル30aに対する第2発光セル30b及び第3発光セル30cの面積比は、それぞれ第2波長変換器51bの光変換効率及び第3波長変換器51cの光変換効率に反比例してもよい。特定の例において、第2波長変換器51bがβサイアロンを含み、第3波長変換器がCASNを含む場合、第1発光セル30a、第2発光セル30b及び第3発光セル30cの相対的な面積比は1:2:7であってもよい。
【0071】
また、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cが紫外光を放射する場合、第1発光セル30aに対する第2発光セル30b及び第3発光セル30cの面積比は、それぞれ第1波長変換器51aに対する前記第2波長変換器51bの光変換効率比及び第3波長変換器51cの光変換効率比に反比例してもよい。
【0072】
本実施形態において、各波長変換器の光変換効率を考慮して各発光セルの面積を決定することについて説明するが、第1乃至第3カラーフィルター53a、53b、53cのフィルタリング効率が互いに異なる場合、これらの効率差も考慮して各発光セルの面積を決定することができる。
【0073】
本実施形態によると、第1乃至第3発光セル30a、30b、30cの面積を互いに異ならせ、これらの発光セルが同一の電流密度下で駆動することができる。よって、各発光セルを駆動する電流密度を最適な条件で設定することができ、発光効率を向上させることができる。
【0074】
図5は、本発明の他の実施形態に係る発光ダイオードユニットを説明するためのピクセルの概略的な断面図である。
【0075】
図5を参照すると、本実施形態に係る発光ダイオードユニットは、
図3及び
図4を参照して説明した発光ダイオードユニットと概して類似しているが、基板21が省略された点で異なっている。第1乃至第3波長変換器51a、51b、51cは、基板21上に配置される代わりに、各発光セル30a、30b、30c上に配置される。基板21は、レーザーリフトオフなどの技術を用いて除去されてもよく、露出した第1導電型半導体層23の表面にラフネスが形成されてもよい。
【0076】
本実施形態によると、基板21を除去することによって、基板21を介して光が側面方向に伝達され、隣接した各サブピクセル間及び隣接した各ピクセルF1、F2、F3、F4間で発生し得る光干渉をさらに抑制することができる。
【0077】
図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。ここで、太線で表示した領域は、三つの発光セルを有するピクセルを示す。
【0078】
図6を参照すると、回路基板100(
図1を参照)上に複数の発光ダイオードユニットが配列されてもよく、その結果、各発光セルをマトリックス状に配列することができる。一つの発光ダイオードユニット200内の各ピクセルF1、F2、F3、F4は、
図6に示したように、走査ライン(scan line)及びデータライン(data line)に接続されてもよい。走査ライン及びデータラインは回路基板100内に提供されてもよく、各
電極パッド35a、35bが回路基板100上にボンディングされることによって、
図6のような回路を形成することができる。すなわち、ピクセルF1内の3個の発光セル及びピクセルF3内の3個の発光セルの各アノードは、データラインVdata1に共通に接続され、各カソードは、互いに異なる各走査ラインVscan1、Vscan2、Vscan3、Vscan4、Vscan5、Vscan6に接続される。また、ピクセルF2内の3個の発光セル及びピクセルF4内の3個の発光セルの各アノードは、データラインVdata2に共通に接続され、各カソードは、互いに異なる各走査ラインVscan1、Vscan2、Vscan3、Vscan4、Vscan5、Vscan6に接続される。図示したように、ピクセルF1の各発光セルのカソードは、ピクセルF2の各発光セルのカソードと共に同一の走査ラインに接続される。
【0079】
走査ライン及びデータラインによって光を放射するサブピクセルが選択されてもよく、順次駆動するサブピクセルを選択することによって画像を具現することができる。また、一つのサブピクセルから放射される光度は、パルス幅変造(PWM)方式を用いたり、データラインと走査ラインとの間の電圧(又は電流)を変化させることによって調節することができる。
【0080】
図7は、本発明の他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【0081】
図7を参照すると、前記実施形態では、一つのピクセル内の各発光セルの各アノードが同一のデータラインに接続され、各カソードが互いに異なる走査ラインに接続されることを説明したが、本実施形態では、一つのピクセル内の各発光セルの各アノードが互いに異なるデータラインに接続され、各カソードが同一の走査ラインに接続される。また、発光ダイオードユニット内の各ピクセルF1、F2、F3、F4は、駆動回路内でマトリックス状に配列される。
【0082】
図8は、本発明の更に他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【0083】
図8を参照すると、
図6及び
図7の実施形態では、各ピクセルF1、F2、F3、F4が駆動回路内でマトリックス状に配列されるが、本実施形態では、全ての発光セルの各アノードが同一のデータラインに接続される。各ピクセルF1、F2、F3、F4は、基板21上にマトリックス状に配列されてもよいが、各ピクセルF1、F2、F3、F4と回路基板100との間の電気的接続を通じて
図8のような回路を形成することができる。
【0084】
図9は、本発明の更に他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。
【0085】
図9を参照すると、
図8の実施形態では、各ピクセルF1、F2、F3、F4の全ての発光セルの各アノードが同一のデータラインに接続されるが、本実施形態では、全ての発光セルの各アノードが駆動回路内で互いに異なるデータラインに接続され、各カソードが同一の走査ラインに接続される。
【0086】
図10は、本発明の更に他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略的な回路図である。上述した各実施形態は、パッシブマトリックス(Passive matrix)駆動に対するものである一方、本実施形態は、アクティブマトリックス(Active matrix)駆動に対するものである。
【0087】
図10を参照すると、本実施形態に係る駆動回路は、2個以上のトランジスタTr1、Tr2及びキャパシタを含む。選択ラインVrow1~Vrow3に電源が接続され、データラインVdata1~Vdata3にデータ電圧が印加されると、該当の発光セルに電圧が印加される。また、Vdata1乃至Vdata3の値によって該当のキャパシタに電荷が充電される。キャパシタの充電電圧によってTr2のターンオン状態を維持できるので、Vrow1の電源が遮断されたとしてもキャパシタの電圧が維持され、発光セルLED1乃至LED3に電圧を印加することができる。また、Vdata1乃至Vdata3の値により、LED1乃至LED3に流れる電流を変化させることができる。Vddを通じて常に電流が供給され、その結果、連続発光が可能である。
【0088】
各トランジスタTr1、Tr2及びキャパシタは回路基板100内に形成されてもよい。例えば、シリコーン基板上に形成された薄膜トランジスタがアクティブマトリックス駆動のために使用されてもよい。
【0089】
一方、各発光セルの各アノードはトランジスタTr2に接続され、各カソードは接地される。
【0090】
本実施形態において、アクティブマトリックス駆動のための一つの実施形態を例示するが、他の回路が使用されてもよい。また、各発光セルの各アノードが互いに異なる各トランジスタTr2に接続され、各カソードが接地されたことを説明するが、複数の発光セルの各アノードが同一の共通電流供給器Vddに接続され、各カソードが互いに異なる各トランジスタに接続されてもよい。
【0091】
以上では、パッシブマトリックス駆動及びアクティブマトリックス駆動のための多様な回路に対して説明した。これらの各回路において、各発光セルの各アノード又は各カソードは共通に電気的に接続されてもよい。上述した発光ダイオードユニット200の第1乃至第3各発光セル30a、30b、30cは、発光ダイオードユニット200内で互いに電気的に分離し、回路基板100を介して互いに電気的に接続される。しかし、発光ダイオードユニット200内の各発光セルは、その一部又は全部が発光ダイオードユニット内で互いに電気的に接続されてもよく、以下では、これらの電気的接続に対して説明する。
【0092】
図11は、本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルF1の概略的な断面図である。
【0093】
図11を参照すると、本実施形態に係るピクセルF1は、
図4を参照して説明したピクセルと概して類似しているが、各発光セル30a、30b、30cの第1導電型半導体層23が第1電極パッド35aによって互いに接続された点において差がある。
【0094】
すなわち、単一の第1電極パッド35aは、各発光セル30a、30b、30c上に形成され、各発光セル領域の第1導電型半導体層23に電気的に接続する。これによって、各発光セル30a、30b、30cの各カソードが互いに電気的に接続される。
【0095】
一方、第1電極パッド35aによって各発光セル30a、30b、30cの第1導電型半導体層23が互いに接続されるので、各発光セル上に第1バンプパッド43aを配置する必要がなく、一つの第1バンプパッド43aを用いて各発光セル30a、30b、30cに電流を供給することができる。
【0096】
さらに、各ピクセルF1、F2、F3、F4のうち少なくとも二つのピクセル内の各発光セルの各カソードが第1電極パッド35aによって互いに接続されてもよく、その結果、発光ダイオードユニット200内に要求される第1バンプパッド43aの数をさらに減少させることができる。
【0097】
第1バンプパッド43aの数を減少させることができ、発光ダイオードユニット200を回路基板100に実装すると、実装不良が発生する可能性を減少させることができる。
【0098】
一方、本実施形態において、基板21の下部に各発光セル30a、30b、30cが配置されたことを図示及び説明するが、
図5を参照して説明したように、基板21は省略されてもよい。
【0099】
図12は、本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルの概略的な断面図である。
【0100】
図12を参照すると、
図11の実施形態では、第1電極パッド35aを用いて各発光セル30a、30b、30cの第1導電型半導体層23を電気的に接続することに対して説明したが、本実施形態では、各発光セル30a、30b、30cが第1導電型半導体層23を共有する。すなわち、
図11の実施形態では、第1導電型半導体層23が互いに離隔し、第1電極パッド35aが第1導電型半導体層23を電気的に接続するが、本実施形態では、各発光セル30a、30b、30cが第1導電型半導体層23を共有するので、第1電極パッド35aは、任意の箇所で第1導電型半導体層23に接続することができる。例えば、第1電極パッド35aは、
図11に示したように、貫通孔を介して第1導電型半導体層23に接続してもよく、
図12に示したように、各発光セル30a、30b、30c間の領域や各発光セル30a、30b、30c周囲の領域で第1導電型半導体層23に接続してもよい。
【0101】
本実施形態によると、各発光セル30a、30b、30cが第1導電型半導体層23を共有するので、第1電極パッド35aの接続領域を多様に選択することができ、制限された発光ダイオードユニット200内で各発光セル30a、30b、30cの発光面積を増加させることができる。
【0102】
各ピクセルF1、F2、F3、F4も第1導電型半導体層23を共有できるが、これに対しては、
図14乃至
図17を参照して後で詳細に説明する。
【0103】
一方、本実施形態において、基板21の下部に各発光セル30a、30b、30cが配置されたことを図示及び説明するが、
図5を参照して説明したように、基板21は省略されてもよい。
【0104】
図13は、本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット内のピクセルF1の概略的な断面図である。
【0105】
図13を参照すると、上述した各実施形態は、各発光セル30a、30b、30cの各カソードが互いに電気的に接続されることに対して説明したが、本実施形態では、各発光セル30a、30b、30cの各アノードが互いに電気的に接続される点において差がある。
【0106】
すなわち、各発光セル30a、30b、30cの第2導電型半導体層27が第2電極パッド35bによって互いに電気的に接続される。その一方で、各発光セル30a、30b、30cの第1導電型半導体層23は互いに電気的に分離される。
【0107】
第2電極パッド35bは、第1乃至第3発光セル30a、30b、30c上に連続的に形成されてもよく、各発光セル上の各オーミック反射層31に電気的に接続されてもよい。また、本実施形態において、第2電極パッド35bは、第1電極パッド35aを取り囲むことができる。
【0108】
一方、第2電極パッド35bによって各発光セル30a、30b、30cの第2導電型半導体層27が互いに接続されるので、各発光セル上にバンプパッド43bを配置する必要がなく、一つの第2バンプパッド43bを用いて各発光セル30a、30b、30cに電流を供給することができる。
【0109】
さらに、各ピクセルF1、F2、F3、F4のうち少なくとも二つのピクセル内の各発光セルの各アノードが第2電極パッド35bによって互いに接続されてもよく、その結果、発光ダイオードユニット200内に要求される第2バンプパッド43bの数をさらに減少させることができる。
【0110】
第2バンプパッド43bの数を減少させることができ、発光ダイオードユニット200を回路基板100に実装すると、実装不良が発生する可能性を減少させることができる。
【0111】
一方、本実施形態において、基板21の下部に各発光セル30a、30b、30cが配置されたことを図示及び説明するが、
図5を参照して説明したように、基板21は省略されてもよい。
【0112】
図14は、本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図である。
【0113】
既に
図12を参照して説明したように、各ピクセルF1、F2、F3、F4内の各発光セル30a、30b、30cは、第1導電型半導体層23を共有してもよい。但し、図示したように、各ピクセル間で第1導電型半導体層を互いに離隔してもよい。
【0114】
本実施形態によると、一つのピクセル内の各発光セルの各カソードが互いに接続されるので、これらを接続するための回路が回路基板100内に設けられる必要がなく、また、第1バンプパッド43aの数を減少させることができる。すなわち、各ピクセルごとに一つの第1バンプパッド43a及び3個の第2バンプパッド43bが配置されてもよい。
【0115】
一方、パッシブマトリックス駆動のために、同一のピクセル内の各発光セルの各カソードは同一のデータライン又は走査ラインに接続することができる。また、アクティブマトリックス駆動のために、同一のピクセル内の各発光セルの各カソードは接地することができる。
【0116】
一方、各ピクセルF1、F2、F3、F4が互いに電気的に分離するので、これらの各ピクセルは駆動回路内で多様に配列させることができる。
【0117】
図15は、本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット
2
00を説明するための概略的な平面図である。
【0118】
図15を参照すると、本実施形態において、ピクセルF1とピクセルF3は第1導電型半導体層23を共有し、ピクセルF2とピクセルF4も第1導電型半導体層23を共有する。これによって、ピクセルF1とピクセルF3に共通の
第1バンプパッド43aが配置され、ピクセルF2とピクセルF4に共通の
第1バンプパッド43aが配置され得るので、
図14の実施形態に比べて
第1バンプパッド43aの数をさらに減少させることができる。
【0119】
一方、パッシブマトリックス駆動のために、ピクセルF1とピクセルF3内の各発光セルの各カソードは、全て同一のデータライン又は走査ラインに接続することができる。また、ピクセルF2とピクセルF4内の各発光セルの各カソードも全て同一のデータライン又は走査ラインに接続することができる。また、アクティブマトリックス駆動のために、各ピクセルF1、F2、F3、F4内の各発光セルの各カソードを接地することができる。
【0120】
図16は、本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニット
2
00を説明するための概略的な平面図である。
【0121】
図16を参照すると、本実施形態において、ピクセルF1とピクセルF2が第1導電型半導体層23を共有し、ピクセルF3とピクセルF4も第1導電型半導体層23を共有する。これによって、ピクセルF1とピクセルF2に共通のバンプパッド43aが配置され、ピクセルF3とピクセルF4に共通のバンプパッド43aが配置され得るので、
図14の実施形態に比べてバンプパッド43aの数をさらに減少させることができる。
【0122】
一方、パッシブマトリックス駆動のために、ピクセルF1とピクセルF2内の各発光セルの各カソードは、全て同一のデータライン又は走査ラインに接続することができる。また、ピクセルF3とピクセルF4内の各発光セルの各カソードも全て同一のデータライン又は走査ラインに接続することができる。また、アクティブマトリックス駆動のために、各ピクセルF1、F2、F3、F4内の各発光セルの各カソードを接地することができる。
【0123】
図17は、本発明の更に他の実施形態に係るディスプレイ用発光ダイオードユニットを説明するための概略的な平面図である。
【0124】
図17を参照すると、発光ダイオードユニット200内の全てのピクセルF1、F2、F3、F4が第1導電型半導体層を共有してもよい。これによって、各ピクセルF1、F2、F3、F4に共通の
第1バンプパッド43aが配置され得るので、
図15及び
図16の各実施形態に比べて
第1バンプパッド43aの数をさらに減少させることができる。
【0125】
図18a及び
図18bは、波長変換器を含むフィルムを説明するための断面図である。
【0126】
まず、
図18aを参照すると、上述した各実施形態において、第1乃至第3波長変換器51a、51b、51cは、互いに離隔して個別的に各発光セル30a、30b、30c上に付着又は形成されてもよいが、本実施形態において、第1乃至第3波長変換器51a、51b、51cは、一つのフィルム内で一つの層内に配列されている。各波長変換器51a51b、51c間の領域には、透明又は不透明樹脂151が配置されてもよい。不透明樹脂151は、光遮断物質層55として機能させることができる。
【0127】
本実施形態において、各発光セルが青色光を放射する場合、第1波長変換器51aは省略されてもよく、この場合、第1波長変換器51aには透明樹脂151が位置してもよい。
【0128】
一方、各ピクセルごとに波長変換器51a、51b、51cを含むフィルムが配置されてもよく、一つのフィルムが二つ以上のピクセルをカバーすることもできる。
【0129】
図18bを参照すると、本実施形態に係るフィルムは、多層の積層フィルムであって、例えば、第1層151aは第1波長変換器51aを含み、第2層151bは第2波長変換器51bを含み、第3層151cは第3波長変換器51cを含んでもよい。第1乃至第3層は、それぞれ透明樹脂151と波長変換器との組み合わせで構成されてもよい。一方、各発光セルが青色光を放射する場合、第1層151aは省略されてもよい。
【0130】
一方、各ピクセルごとに積層フィルムが配置されてもよく、一つの積層フィルムが複数のピクセルをカバーすることもできる。
【0131】
本実施形態において、いくつかの例を説明したが、その他にも多様な構造のフィルムが使用可能である。
【0132】
以上では、本発明の多様な実施形態に対して説明したが、本発明は、これらの各実施形態に限定されるものではない。また、一つの実施形態に対して説明した事項や構成要素は、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、他の実施形態にも適用可能である。