(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ペット用温度調節装置
(51)【国際特許分類】
F25B 21/02 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
F25B21/02 A
F25B21/02 H
(21)【出願番号】P 2020525246
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2019007256
(87)【国際公開番号】W WO2019244405
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2018117993
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】藤田 司
(72)【発明者】
【氏名】加登 和政
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-010112(JP,U)
【文献】特開平10-201388(JP,A)
【文献】特開平07-322785(JP,A)
【文献】特開2006-292269(JP,A)
【文献】特開2014-200498(JP,A)
【文献】特開2010-017422(JP,A)
【文献】特開2000-175582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 21/02
A01K 1/00
A61F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のシート部を有する熱伝導体と、
前記熱伝導体の温度を調節する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子の熱を放熱する放熱体と、
前記放熱体に送風するファンと、
前記ファンに吸気される空気が通過する吸気路と、
前記吸気路と分離され、前記ファンに吸気された空気が通過する排気路と、
を備え
、
前記熱電変換素子、前記放熱体、及び前記ファンは、前記シート部の一端に隣接して配置される筐体に収容されており、
前記シート部の一端とは反対側となる前記筐体の側壁に、前記吸気路に連通する吸気口及び前記排気路に連通する排気口が形成されることを特徴とするペット用温度調節装置。
【請求項2】
前記排気路が
前記筐体とは別部材のダクト形成部材より形成され
ていることを特徴とする請求項1に記載のペット用温度調節装置。
【請求項3】
さらに、前記ペット用温度調節装置を動作させる電子制御機器を有し、前記電子制御機器は、前記排気路から隔離されて
前記筐体に収容されていることを特徴とする請求項1または2に記載のペット用温度調節装置。
【請求項4】
さらに、前記排気路中に配置され、周囲に側壁を有し水を溜める貯水部が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のペット用温度調節装置。
【請求項5】
前記放熱体は、前記熱電変換素子に接触する板状部と、前記熱電変換素子に接触する前記板状部の反対側に延伸する複数のフィンと、前記板状部から前記複数のフィン側に伸びる延伸部と、前記延伸部に設けられた固定部を有し、
前記熱伝導体と前記放熱体とを固定する固定具により、前記固定部を介して固定されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載のペット用温度調節装置。
【請求項6】
前記熱電変換素子は、前記熱伝導体と、前記放熱体との間に配置されていることを特徴とする請求項
5に記載のペット用温度調節装置。
【請求項7】
前記熱電変換素子は矩形の板状であり、前記放熱体の前記板状部は矩形であり、前記熱電変換素子の一辺と、前記放熱体の一辺とが沿うように配置されていることを特徴とする請求項
5または6に記載のペット用温度調節装置。
【請求項8】
前記熱電変換素子は正方形の板状であり、前記放熱体の前記板状部は矩形であり、前記熱電変換素子の対角線と、前記放熱体の一辺とが沿うように配置されていることを特徴とする請求項
5または6に記載のペット用温度調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用温度調節装置に関する。本願は、2018年6月21日に、日本に出願された特願2018-117993号に基づく優先権を主張するものであり、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、小動物用冷房装置において、熱伝導体と、熱伝導体の温度を調節する熱電変換素子と、熱電変換素子の熱を放熱する放熱体と、放熱体に送風するファンと、を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、放熱体を効率的に冷却することができない場合があった。本発明は、より効率的に放熱体を冷却することができるペット用温度調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態のペット用温度調節装置は、シート状のシート部を有する熱伝導体と、前記熱伝導体の温度を調節する熱電変換素子と、前記熱電変換素子の熱を放熱する放熱体と、前記放熱体に送風するファンと、前記ファンに吸気される空気が通過する吸気路と、前記吸気路と分離され、前記ファンに吸気された空気が通過する排気路と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態にかかるペット用温度調節装置の斜視図である。
【
図3】上記ペット用温度調節装置の内部構成を説明するための図である。
【
図4】上記ペット用温度調節装置の
図1におけるIII-III線矢視断面図である。
【
図5】熱伝導体の形状の一例を説明するための図である。
【
図6】熱伝導体の形状の他の一例を説明するための図である。
【
図7】熱伝導体の形状のさらに他の一例を説明するための図である。
【
図8】上記ペット用温度調節装置の
図2におけるVII-VII線矢視断面図である。
【
図9】上記ペット用温度調節装置における貯水部の構成を説明するための図である。
【
図10】吸気路と排気路の構成の一例を説明するための図である。
【
図11】吸気路と排気路の構成の他の一例を説明するための図である。
【
図12】吸気路と排気路の構成のさらに他の一例を説明するための図である。
【
図13】吸気路と排気路の構成の別の一例を説明するための図である。
【
図14】吸気路と排気路の構成のさらに別の一例を説明するための図である。
【
図15】熱伝導体とヒートシンクとをねじ止めする構成の一例を説明するための図である。
【
図16】熱伝導体とヒートシンクとをねじ止めする構成の他の一例を説明するための図である。
【
図17】熱伝導体とヒートシンクとをねじ止めする構成のさらに他の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかるペット用温度調節装置の一例の左背面側から見た斜視図である。
図2は、ペット用温度調節装置の左側面図である。
【0009】
図1、
図2に示すようにペット用温度調節装置100は、土台1、熱伝導体2、筐体3を有する。土台1は、熱伝導体2、筐体3を支持している。筐体3は、丸みを帯びた直方体状であり、土台1および熱伝導体2を部分的に覆うようになっている。熱伝導体2の筐体3から露出した部分は、猫や犬等のペットが乗って寝たり休憩したりするシート状のシート部2cとなっている。
【0010】
図3は、
図1の筐体3の内部の構成を示す図である。また、
図4は、
図1のIII-III線矢視断面図である。なお、
図3では、要部の構成を示し、後述するダクト部材および電子制御ボックス13等は取り除いている。
【0011】
図3、
図4に示すように、熱伝導体2の第1の端部2a側には、上述のシート部2cが設けられている。なお、上述の通り熱伝導体2のシート部2cの上面は筐体3から露出している。本実施形態においては、熱伝導体2におけるシート部2cのペットが乗る面(
図3、4では上面)側を、熱伝導体2における表面と称することにする。また、筐体3における熱伝導体2のシート部2c側の面を前面3zとする。
【0012】
熱伝導体2における第2の端部2b側は、第1の端部2a側に設けられたシート部2cに対してL字状に曲がって立ち上がった形状になっている。そして、熱伝導体2における第2の端部2b側の立ち上がった部分には、ペルチェ素子4、ヒートシンク5等を取り付ける取り付け部2dが設けられている。
【0013】
さらに、上記熱伝導体2におけるシート部2cと取り付け部2dとの間には、シート部2c側から第2の端部側への水等の浸入を防止する浸入防止部2eが設けられている。本実施形態における浸入防止部2eには、シート部2cよりも第2の端部2b側が高くなるように形成された段差部2fが設けられた構成である。これにより、例えば、シート部2cに撒かれたペットの尿や飲み水などの液体は、この浸入防止部2eで堰き止められるため、浸入防止部2e(特に段差部2f)から取り付け部2d側には浸入しにくくなっており、筐体3の内部まで浸入することを防止することができる。
【0014】
また、取り付け部2d、ペルチェ素子4、ヒートシンク5の下方には、ペルチェ素子4の周辺、特に熱伝導体2の取り付け部2dの周辺で結露した水を溜めるための第1の貯水部7が設けられている。さらに、この第1の貯水部7から溢れた水を貯水する第2の貯水部8が第1の貯水部7と隣接して設けられている。この第1の貯水部7、第2の貯水部8についての詳細については後述する。ペルチェ素子4が熱伝導体2を冷却する場合に、取り付け部2dが最も低温となるため結露が起こりやすくなるが、取り付け部2dの下方には第1の貯水部7が配置されているため、取り付け部2dで発生した結露水がシート部2c側に流れ出ることを防止できる。また、万が一、一部の結露水が浸入防止部2eをつたって段差部2fに到達したとしても、段差部2f根本の凹部に浸入した結露水は表面張力によって凹部に沿って広がるため、結露水がシート部2cに流れ出ることを抑制できる。
【0015】
また、浸入防止部2eの第1の端部側に設けられた段差部2fの両端には排水部2mが設けられている。この排水部2mは、
図3に示すように段差部2fの両端に設けられた切り欠き部であり、この排水部2mを介して筐体3の外部へ連通しており、段差部2fの凹部に沿って広がった結露水を外部へ排水することができる。この排水部2mは、段差部2fに到達した水を外部に排出できればよく、その構成は特に限定されるものではない。浸入防止部2eの構成は、段差部2fに限られず、例えば、
図5~
図7に示す構成が挙げられる。
【0016】
図5~
図7は、浸入防止部2eの他の例を示す図である。
【0017】
図5に示す浸入防止部2eは、段差部2fを溝2gに変更したものである。この場合、例えばシート部2cから流入した液体が移動しようとしても、溝2gに水を溜めることができるため、シート部2c側から第2の端部2b側、特に筐体3の内部への水の浸入を防止することができる。なお、さらに、溝2gにおいて、第1の端部2a側よりも第2の端部2b側を高くしてもよく、この場合、筐体3の内部への水の浸入を防止することができる。
【0018】
図6に示す浸入防止部2eは、第1の端部2a側よりも第2の端部2b側が徐々に高くなるように複数の段差部2hを設けた構成である。段差部2hにおいては、段差の数は特に限定されるものではない。これにより、浸入防止部2eに段差部2fを設けた場合に比べ、シート部2c側から第2の端部2b側、特に筐体3内への水の浸入を防止することができる。
【0019】
図7に示す浸入防止部2eは、上記段差部2fにおいて第2の端部2b側が徐々に高くなるように傾斜させた傾斜段差部2iを設けた構成である。これにより、浸入防止部2eに段差部2fを設けた場合に比べ、シート部2c側から第2の端部2b側、特に筐体3内への水の浸入を防止することができる。
【0020】
ここで、
図3、
図4に戻り、筐体3の内部の構成と、筐体3外の熱伝導体2のシート部2cが設けられている部分の構成とに分けてより詳細に説明する。
【0021】
まず筐体3の内部の構成について説明する。筐体3には、熱伝導体2の取り付け部2d、熱伝導体2の浸入防止部2e(段差部2f)、ペルチェ素子4、ヒートシンク5、ファン6、第1の貯水部7、第2の貯水部8が収納されている。
【0022】
ペルチェ素子4は、熱伝導体2を冷却するための熱電変換素子であり、熱伝導体2の取り付け部2dの裏面側に接触するように取り付けられている。なお、熱伝導体2は、ペルチェ素子4の熱をシート部2cに伝達するために、例えばアルミニウム、銅、スチール、ステンレス等の熱伝導性の材質からなる板から成形されたものが好ましく、熱伝導性、加工性、コスト等を考慮して、アルミニウム板からなるアルミプレートからなることがより好ましい。シート部2cは、ペルチェ素子4の熱が伝達されて温度が調節されることにより、ペットに快適な温度環境を提供することができる。なお、ペルチェ素子4は、電流の向きおよび強度を変えることにより、冷却および加熱を調節することができる。また、熱伝導体2の取り付け部2dの形状は、例えばペルチェ素子4、ヒートシンク5等の大きさに合わせることが好ましく、後述するねじ止めを考慮して、特にヒートシンク5に合わせた形状であることがより好ましい。
【0023】
ヒートシンク5は、ペルチェ素子4の熱を放熱する放熱体であり、ペルチェ素子4と接触するように設置されている。ヒートシンク5は、矩形状の板状部5aと、当該板状部5aから垂直に伸び、板状部5aの長辺と略平行に整列した複数のフィン5bを有する。ヒートシンク5の板状部5aは、ペルチェ素子4と接触している。また、ファン6は、ヒートシンク5のフィン5bと対向するように設置されており、ヒートシンク5に送風して、空冷するようになっている。なお、本実施形態では、ヒートシンク5においてフィン5bが板状部5aの長辺と略平行に整列した例を挙げたが、これに限らず、例えば短辺と略平行に整列した構成でもよい。また、熱伝導体2の取り付け部2dに、ペルチェ素子4、ヒートシンク5を取り付ける際には、限定されるものではないが、例えば、ねじ、ビス、釘等の固定具により固定すればよい。なお、ヒートシンク5と熱伝導体2の取り付け部2dとの取り付け(固定)の際の例であるねじ止めについては、後述する。
【0024】
ヒートシンク5の一部は、第1の貯水部7に溜まった水と接触するように、第1の貯水部7内に位置している。本実施形態では、一例として、
図4に示すように、ヒートシンク5から下方に延長する延長部5cを設け、この延長部5cが第1の貯水部7に溜まった水と接触するように、第1の貯水部7内に位置している。また、延長部5cを設ける構成に限らず、例えばヒートシンク5自体を下方に拡大し、ヒートシンク5の下方の部分が第1の貯水部7に溜まった水と接触するように第1の貯水部7内に位置していてもよい。
【0025】
熱伝導体2における取り付け部2dと、筐体3(特に前面3z)とは離れて設けられており、取り付け部2dと、筐体3の間には、空気層9を有する。空気層9は、筐体3(特に前面3z)と取り付け部2dの間の空間である。前面3zが冷却されて結露が生じると、その結露水は前面3zを伝って熱伝導体2のシート部2cの表面を濡らしてしまい、熱伝導体2のシート部2cに乗るペットに不快感を与え得る。また、ペットが、筐体3の前面3zにもたれ掛る場合には、前面3zに発生した結露水がペットに直接触れるため、ペットに不快感を与え得る。しかしながら、熱伝導体2における取り付け部2dと前面3zとの間に空気層9を設けることにより、ペルチェ素子4により前面3zが冷却されにくくなり、結露の発生を抑制することができる。
【0026】
また、さらに断熱性を向上させるために、熱伝導体2における取り付け部2dの前面(ペルチェ素子4とは反対側である表面)に断熱部材10a、浸入防止部2eの上面(表面)に断熱部材10b、浸入防止部2eの下面(裏面)に断熱部材10cが設けられている。これら断熱部材10a・10b・10cは、少なくとも取り付け部2dおよび浸入防止部2eの一部を覆うように設ければよい。好ましくは、例えば、取り付け部2dの全体に接触させて覆うように断熱部材を設ける。本実施形態では、断熱部材10a・10bは、取り付け部2d、浸入防止部2eに粘着剤等で貼り付けたシート状の断熱材であり、断熱部材10cは、浸入防止部2e及びシート部2cの下に設けられた例えば発泡スチロール等で形成されている断熱材層であるが、これに限定されるものではない。これによって、取り付け部2dや浸入防止部2eは断熱材に覆われて空気中の湿気に触れにくくなるので、取り付け部2dや浸入防止部2eにおいて結露することを抑制できる。
【0027】
筐体3は熱伝導体2の浸入防止部2eを覆うように配置され、筐体3が熱伝導体2のシート部2cの表面と接触する端部(
図4では前面3zの下端部)には、シール部材11が配置される。このシール部材11は、例えばシリコーン系のシール剤を塗布して形成することができる。これにより、シート部2c側から筐体3内へのペットの尿や水等の液体の浸入をさらに防止することができる。したがって、筐体3内に設けられた第1の貯水部7等にペットの尿などが入り込むことを防止することができる。
【0028】
次いで、熱伝導体2のシート部2cが設けられている部分の構成について説明する。
【0029】
熱伝導体2におけるシート部2cは、土台1の側面の少なくとも一部を覆うように伸びている。このシート部2cから伸びる部分は、表面から裏面の方向に曲げられ、丸みを持たせた形状であり、土台1の側面を覆う被覆部2jを形成している。これにより、熱伝導体2のシート部2cが伸びた被覆部2jまで、継ぎ目がない構成となっている。これにより、シート部2cにおいて結露が生じたり、ペットが尿等をしたりしても、シート部2c、被覆部2jを拭き取りやすくなっている。また、シート部2cの被覆部2jから土台1の側面が露出してもよく、この場合、シート部2cの被覆部2jより、内側にへこませた形状とすることが好ましい。
【0030】
さらに、シート部2cは、土台1の裏面まで伸びている。具体的には、シート部2cは、被覆部2jからさらに伸び、土台1側に折り曲げられ、土台1の裏面まで伸び、折り曲げ部2kを形成している。この折り曲げ部2kは、例えば土台1に嵌合するようになっていてもよい。このように、熱伝導体2のシート部2cが伸びた被覆部2j、折り曲げ部2kにより、土台1の内部には水や尿等が入りにくい構造とすることができる。
【0031】
また、熱伝導体2におけるシート部2cと土台1との間には、土台1側から順に、断熱部材10c、ヒーター32、絶縁シート33が積層され、土台1に支持されている。ヒーター32は、シート部2cを加温するものである。これにより、例えば、ヒーター32のみで、ペルチェ素子4を動作させずに、シート部2cを加温することができる。また、ヒーター32と、ペルチェ素子4とを併用して、シート部2cを加温することができる。ヒーター32としては、例えばシート状のアルミヒータ等が挙げられる。断熱部材10cは、シート部2cやヒーター32における熱の放散を抑制するものであり、例えば発泡スチロール等で形成されており、浸入防止部2eの下部に設けた断熱部材10cと一体に形成されている。絶縁シート33は、シート部2cとヒーター32とを絶縁するものであり、絶縁性を有する樹脂等で形成されている。
【0032】
【0033】
図8に示すように、筐体3の内部には、さらに、電子制御ボックス13、吸気路22、排気路24a・24bが設けられている。
【0034】
吸気路22は、第1のダクト形成部材21a・21bにより形成され、空間的に隔離されている。そして、この第1のダクト形成部材21a・21bは、筐体3に収容されている。これにより、吸気路22は、筐体3から空間的に隔離されている。
【0035】
排気路24a・24bは、吸気路22の左右に分岐するように設けられている。また、排気路24a・24bは、第1のダクト形成部材21a・21b、第2の形成部材23a・23bにより形成され、空間的に隔離されている。そして、排気路24a・24bを形成する第1のダクト形成部材21a・21b、第2の形成部材23a・23bは、筐体3に収容されている。これにより、排気路24a・24bは、筐体3から空間的に隔離されている。
【0036】
本実施形態では、第1のダクト形成部材21a・21b、および第2の形成部材23a・23bは、1つのダクト部材として一体に形成しているが、その構成は限定されるものではなく、例えば、第1のダクト形成部材と第2の形成部材とを別体で形成してもよく、また、各ダクト形成部材21a・22b・23a・23bを個別に形成する等、吸気路22と排気路24a・24bとを分離し、さらに吸気路22、排気路24a・24bと、筐体3とを分離できるものであればどのような構成であってもよい。
【0037】
ここで、吸気路22および排気路24a・24bにおける空気の流れについてより詳細に説明する。なお、以下の説明ではペルチェ素子4によって熱伝導体2を冷却する場合を想定している。
【0038】
外部から空気Aは、
図8の矢印Aで示すように、筐体3に形成された吸気口3aを通り、吸気路22を通って、ファン6に吸気される。排気される空気Bは、矢印Bで示すように、ファン6から送風され、ヒートシンク5を空冷することにより熱せられ、吸気路22の左右に設けられた排気路24a・24bを通り、筐体3の吸気口3aの左右に形成された排気口3b・3cから排気される。このように、吸気路22と排気路24a・24bとが別個に形成されており、吸気される空気Aと、排気される空気Bとが別経路を通るようになっている。なお、この吸気路、排気路の構成については、これに限定されるものではない、他の例については後述する。
【0039】
電子制御ボックス13は、電源基盤、制御基板等のペット用温度調節装置の動作を制御するための電子制御機器を収納している。電子制御ボックス13は、筐体3に収容されている、また、電子制御ボックス13は、第1のダクト形成部材21a・21bにより形成される吸気路22、および第1のダクト形成部材21a・21b、第2の形成部材23a・23bにより形成される排気路24a・24bと隔離された筐体3の内部空間に設置されている。このように、電子制御ボックス13は、吸気路22、排気路24a・24b以外の空間に設置されているため、電子制御ボックス13が、ヒートシンク5に熱せられた空気に晒されることがなくなり、過熱による電子制御機器の損傷を防止することができる。また、
図8では図示していないが、電子制御ボックス13は、後述の第1の貯水部7、第2の貯水部8とは離れて設けられているので、結露で生じた水等との接触を抑制することができ、水による電子制御機器の損傷を防止することができる。
【0040】
また、電子制御ボックス13は、同形状のカップ状部材13a・13bを重ね合わせ、その間の空間に電子制御機器を収納した構成となっている。このように同形状のカップ状部材を用いているため、カップ状部材を製造するための金型が1セットで済み、コストダウンすることができる。カップ状部材13a・13bのそれぞれには電子部品が取り付けられた基板を電子制御機器として収納することができる。また、カップ状部材13a・13bのそれぞれにおける基板で、カップ状部材13a・13bを重ねあわせた際に電子部品の高さを互い違いにするなど、配置を調整することにより、電子制御ボックス13内に電子制御機器をコンパクトに収納することができる。また、電子制御機器は電子制御ボックス13内に収納されるため、電子制御ボックス13により、外部の空気、水分に晒されることが防止され、熱や水分による損傷を防止することができる。なお、電子制御ボックスの構成は、これに限定されるものではない。
【0041】
図9は、第1の貯水部7および第2の貯水部8の構成の一例を説明するための図である。
図9に示すように、第1の貯水部7および第2の貯水部8(8a・8b)は、それぞれ、周囲に側壁を有し、水を溜められるようになっている。そして、第1の貯水部7と第2の貯水部8(8a・8b)とは隣接して設けられている。第2の貯水部8と隣接する第1の貯水部7の側壁には、第1の貯水部7における他の側壁よりも低い誘導部7a・7bが設けられている。一方、第1の貯水部7に隣接する第2の貯水部8(8a・8b)の側壁には、第2の貯水部8(8a・8b)における他の側壁よりも低い誘導部8c・8dが、誘導部7a・7bに対応する位置に設けられている。本実施形態では、例えば、
図9に示すように、誘導部7a(7b)が誘導部8c(8d)上に重なるように設けられており、誘導部7a・7bを介して、誘導部7a・7bの高さを超えて第1の貯水部7から溢れる水を第2の貯水部8(8a・8b)に導くようになっている。なお、この誘導部7a・7b、誘導部8c・8dの構成は、第1の貯水部7から第2の貯水部8へと水を誘導できる形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、第1の貯水部7、誘導部7a・7bと、第2の貯水部8(8a・8b)、誘導部8c・8dを一つの部材で一体に形成してもよい。また、貯水部の数は特に限定されず、第2の貯水部から溢れた水を溜めるための第3の貯水部を設ける等、複数有していてもよい。さらに、第1の貯水部7は、高温になり得るヒートシンク5の近傍に位置するため、難燃性部材で形成することが好ましい。
【0042】
また、第1の貯水部7、第2の貯水部8(8a・8b)は、例えば、ダクト形成部材21a・23a・21b・23aにより形成される排気路24a・24b中に配置されていることが好ましい。これにより、第1の貯水部7、第2の貯水部8に溜まった水は、ヒートシンク5により熱せられ排気される空気に接触するため、蒸発が促進される。また、
図4に示すように、ヒートシンク5の一部が第1の貯水部7や第2の貯水部8に溜まった水と接触するようにしてもよい。この場合は、ヒートシンク5の熱が、第1の貯水部7、第2の貯水部8に溜まった水に直接接触するため、蒸発がさらに促進される。さらに、熱伝導体2の取り付け部2d、浸入防止部2eには、上記のように、断熱部材10a・10b・10cを設けているため、第1の貯水部7や第2の貯水部8から断熱される。このため、排気される空気やヒートシンク5による熱が熱伝導体2に伝熱して温度が上昇することが防止される。このため、ペルチェ素子4によるシート部2cの冷却が低下することをより抑制することができる。
【0043】
図10~14は、吸気路および排気路の例を示す図である。
図10に示す一例は、上記第1の実施形態において、ヒートシンク5の左側にファン6を配置し、ファン6が左から右に送風するようし、ファン6の位置に応じて吸気口3a、吸気路22、排気路24、排気口3bの位置を変更した構成である。外部の空気Aは、筐体3の背面左側(吸気口3aの左側)に設けられた吸気口3aからダクト部材25で隔離された吸気路22を通って、ファン6に吸気される。ファン6から送風された空気Bは、ヒートシンク5を空冷し、ダクト部材25により隔離された排気路24を通って、筐体3の背面右側(吸気口3aの右側)に設けられた排気口3bから排気される。これにより、第1に実施形態に比べ、吸気路22、排気路24を通る空気を、より効率よく流すことができる。なお、ファン6に位置は特に限定されることはなく、ヒートシンク5の右側に配置してもよい。
【0044】
図11に示す他の一例は、
図10で示した例において、吸気口3aの位置を筐体3の左側面に、排気口3bの位置を右側面に変更し、吸気路22とファン6と排気路24とを直線上に配置した構成である。外部の空気Aは、筐体3の左側面に設けられた吸気口3aからダクト部材25により隔離された吸気路22を通って、ファン6に吸気される。ファン6から送風される空気Bは、ヒートシンク5を空冷し、ダクト部材25により隔離された排気路24を通って、筐体3の右側面に設けられた排気口3bから排気される。これにより、
図10の例に比べ、吸気路22、排気路24を通る空気を、より効率よく流すことができる。
【0045】
図12に示すさらに他の一例は、第1の実施形態において、排気口3bを筐体3の左側面に、排気口3bを右側面に変更した構成である。そして、外部の空気Aは、筐体3の背面に設けられた吸気口3aからダクト部材25により隔離された吸気路22を通って、ファン6に吸気される。ファン6から送風される空気Bは、ヒートシンク5を空冷し、ダクト部材25により隔離された排気路24a・24bを通って、排気口3b・3cから排気される。これにより、第1の実施形態に比べ、吸気路22、排気路24a・24bを通る空気を、より効率よく流すことができる。
【0046】
図13に示す別の一例は、第1の実施形態と
図12に示した例とを組みあわせたものである。つまり、第1の実施形態で示した筐体3の背面に設けられた排気口3b・3cに加えて、さらに筐体3の左側面に排気口3d、右側面に排気口3eを追加した構成である、外部の空気Aは、筐体3の背面に設けられた吸気口3aからダクト部材25により隔離された吸気路22を通って、ファン6に吸気される。ファン6から送風される空気Bは、ヒートシンク5を空冷し、ダクト部材25により隔離された排気路24a・24b・24c・24dを通って排気口3b・3c・3d・3eから排気される。これにより、第1の実施形態に比べ、吸気路22、排気路24a・24bを通る空気を、より効率よく流すことができる。
【0047】
図14に示すさらに別の一例は、第1に実施形態において、熱伝導体2およびファン6の構成を変更したものである。本例における、熱伝導体2は、取り付け部2dとシート部2cとの間でL字状に折り曲げて立ち上げた折り曲げた部分がない構成であり、熱伝導体2の取り付け部2dの表面にヒートシンク5を設け、ヒートシンク5の板状部5aから伸びるフィン5bが略上方に伸びるように配置している。さらに、ヒートシンク5の上部にファン6を配置し、ファン6から下方に送風するようになっている。つまり、ヒートシンク5のフィン5b側とファン6とが向かい合うようになっている。そして、外部の空気Aは、筐体3の背面に設けられた吸気口3aからダクト部材25に隔離された吸気路22を通って、ファン6に吸気される。ファン6から送風される空気Bは、下方に向かい、ヒートシンク5を空冷する。なお、排気路の構成については、特に限定されるものではなく、例えば、第1の実施形態の構成、
図12で示した構成等を採用することができる。この構成により、例えば熱伝導体2をL字状にした構成に比べ、熱伝導体2のシート部2cにペルチェ素子4を近づけ、より効率よくシート部2cを冷却することができる。
【0048】
次に、熱伝導体2の取り付け部2dに、ペルチェ素子4、ヒートシンク5をねじ止めする際の例について説明する。
【0049】
図15~
図17は、熱伝導体2の取り付け部2dに、ペルチェ素子4、ヒートシンク5をねじ止めする際の例を説明するための図である。
【0050】
図15は、熱伝導体2の取り付け部2dとヒートシンク5とを取り付ける際の構成の一例を示す図である。
図15(a)は、ヒートシンク5と、熱伝導体2の取り付け部2dとの間にペルチェ素子4を挟み、ねじ止めする構造を示す斜視図であり、(b)はその断面図である。
【0051】
図15(a)(b)に示すように、本例におけるヒートシンク5は、矩形の板状部5aと、板状部5aからフィン5b側へ伸びる延伸部52a・52bを有する。延伸部52aには、板状部5aから延伸部52aに伸びるねじ穴53a・53bが設けられ、延伸部52bには、板状部5aから延伸部52bに伸びるねじ穴53c・53dが設けられている。また、延伸部52a・52bの厚み(板状部5aからフィン5b方向の厚み)は、ねじ止めの際にねじ71a・71b・71c・71dが貫通しない厚みとなっている。このように、延伸部52a・52bを設けることにより、ねじ71a・71b・71c・71dが板状部5aを貫通することがないため、ねじ71a・71b・71c・71dによるフィン5bの損傷を防止することができる。具体的には、延伸部52a・52bを設けない場合には、例えば、ねじ71a・71b・71c・71dが板状部5aを貫通し、フィン5bに接触すると、フィン5bはねじ止めの際に破損することがある。なお、延伸部52a・52bは、ねじ穴53a・53b・53c・53dが形成されている部分のみ形成されていてもよいし、フィン5bが形成されている板状部5aの一辺と平行方向に亘って設けられていてよい。とくに、フィン5bが形成されている板状部5aの一辺と平行方向に亘って設けた場合には、ヒートシンク5を、押し出し成型でより容易に形成することができ好ましい。なお、例えばねじ穴53a・53b・53c・53dは固定部に相当し、ねじ71a・71b・71c・71dは固定具に相当する。この固定具としては、ねじに限られず、ビスや釘等であってもよい。
【0052】
熱伝導体2の取り付け部2dは、ヒートシンク5との板状部5aと同じ形状(矩形)となっている。熱伝導体2の取り付け部2dには、ねじ穴53a・53b・53c・53dのそれぞれに対応する位置に設けられた通し穴61a・61b・61c・61dが設けられている。
【0053】
ペルチェ素子4は、矩形、好ましくは正方形の板状であり、その対角線の長さが、板状部5aの短辺よりも短く設定されている。ねじ止めの際には、ペルチェ素子4は、ヒートシンク5と、熱伝導体2の取り付け部2dとの間に挟み込まれるようになっている。また、ペルチェ素子4は、ねじ止めの際にねじ71a・71b・71c・71dとペルチェ素子4に接触しないように調整されている。また、本変形例では、ペルチェ素子4の一辺は、ヒートシンク5の板状部5aの一辺と沿うように、言い換えると略平行となるように配置されている。なお、
図15(a)における熱伝導体2の取り付け部2dに示す破線4aはねじ止めした際のペルチェ素子4の位置を示すものである。
【0054】
実際にねじ止めする際には、ヒートシンク5の板状部5aと、熱伝導体2の取り付け部2dとが、ペルチェ素子4を挟みこむように配置し、熱伝導体2側からヒートシンク5に向かって、通し穴61a・61b・61c・61d、ねじ穴53a・53b・53c・53dを介してねじ71a・71b・71c・71dによりねじ止めされる。また、ねじ71a・71b・71c・71d、通し穴61a・61b・61c・61d、ねじ穴53a・53b・53c・53dの位置は、ペルチェ素子4の各角からヒートシンク5の長辺方向の外側に向かう位置であって、ペルチェ素子4の中心から略等距離の位置に設定されている。これにより、ねじ止めの位置を、ペルチェ素子4の中心から等間隔に、放射線上に配置することができ、ねじ止めの際の締め付けトルクによる破損を防止することができる。
【0055】
また、ねじ71a・71b・71c・71dの貫通を防止するために板状部5a全体を厚くすると、放熱効率が低下してしまう。これに対して、上記の構成では、ねじ71a・71b・71c・71dによるフィン5bの損傷の防止、放熱効率を両立し得る。さらにまた、例えば、熱伝導体2の取り付け部2dと、ヒートシンク5(板状部5a)との間に挟み込まれたペルチェ素子4の周囲に、パッキン等を配置し、ペルチェ素子4への水分の付着を防止してもよい。本例のようにペルチェ素子4の位置を設定することにより、少なくともペルチェ素子4の辺と、ヒートシンク5および熱伝導体2の取り付け部2dの辺との間に、パッキンを配置することができ、ペルチェ素子4への水分の付着を良好に防止することができる。
【0056】
さらに、延伸部52a・52bの側面には、サーミスタ等の部品をねじ等で固定してもよい。延伸部52a・52bは、板状部5aの長手方向に亘って形成されているため、サーミスタ等を固定するためのねじが貫通することなく、確実に固定することができる。さらに、例えば、サーミスタを設置することにより、ヒートシンクの過熱を検知することができ、ペルチェ素子4への通電を停止したりすることにより、安全性を確保することができる。
【0057】
図16は、熱伝導体2の取り付け部2dとヒートシンク5とを取り付ける際の構成の他の一例を示す図である。
図16(a)は、本例におけるヒートシンク5と、熱伝導体2の取り付け部2dとの間にペルチェ素子4を挟み、ねじ止めする構造を示す斜視図であり、(b)は断面図である。
【0058】
図16(a)(b)に示すように、本例は、
図15で示した例において、ヒートシンク5に延伸部52cをさらに設け、ねじ止めする位置を変更したものである。本変形例では、ねじ71a・71b・71c・71d、通し穴61a・61b・61c・61dおよびねじ穴53a・53b・53c・53dの位置は、ペルチェ素子4の中心からペルチェ素子4の辺の中心を通る線上、且つ、ペルチェ素子4の中心から等距離の位置に設定されている。さらに、ねじ穴53aがヒートシンク5の延伸部52aに、ねじ穴53b・53dがヒートシンク5の延伸部52cに、ねじ穴53cがヒートシンク5の延伸部52bに設けられている。通し穴61a・61b・61c・61dは、それぞれねじ穴53a・53b・53c・53dに対応する位置に設けられている。これにより、ねじ止めの位置を、ペルチェ素子4の中心から等角度、等間隔に、放射線上に配置することができ、ねじ止めの際の締め付けトルクによる破損を防止することができる。なお、
図16(a)における熱伝導体2の取り付け部2dに示す破線4aはねじ止めした際のペルチェ素子4の位置を示すものである。
【0059】
図17は、熱伝導体2の取り付け部2dとヒートシンク5とを取り付ける際の構成のさらに他の一例を示す図である。
図17(a)は、本例におけるヒートシンク5と、熱伝導体2の取り付け部2dとの間にペルチェ素子4を挟み、ねじ止めする構造を示す斜視図であり、(b)は断面図である。
【0060】
図17(a)(b)に示すように、本例は、
図15で示した例において、ペルチェ素子4の配置、ねじ止めの位置を変更したものである。本例では、ペルチェ素子4が、ペルチェ素子4の対角線がヒートシンク5の板状部5aの一辺と沿うように、言い換えれば略平行になるように配置されている。さらに、ねじ71a・71b・71c・71d、通し穴61a・61b・61c・61dおよびねじ穴53a・53b・53c・53dの位置は、ペルチェ素子4の中心からペルチェ素子4の辺の中心を通る線上、且つ、ペルチェ素子4の中心から等距離の位置に設定されている。これにより、ペルチェ素子4の1つの角を、シート部2cに
図15、
図16の例よりも近づけることができるので、ペルチェ素子4からシート部2cへの熱の伝達を向上させることができる。また、熱伝導体2を第1の実施形態のようにL字に曲げている場合には、熱伝導体2の曲がった部分からねじ止めの位置61cまでの距離を、
図15で示す例、
図16で示す例よりも大きくとることができ、ねじ止めの際の作業スペースを確保できる。なお、
図17(a)における熱伝導体2の取り付け部2dに示す破線4aはねじ止めした際のペルチェ素子4の位置を示すものである。
【0061】
本実施形態によれば、例えば、ヒートシンク5の一部、例えば延長部5cは、第1の貯水部7に溜まった水と接触するように、第1の貯水部7内に位置している。第1の貯水部7にたまった水が増加すると、ヒートシンク5の一部(例えば延長部5c)に接触するため、ペルチェ素子4の放熱のために熱せられたヒートシンク5により水の蒸発が促進される。したがって、第1の貯水部7に溜まる水の増加を抑制することができる。さらに、ヒートシンク5は、水により冷却される。これにより、ペルチェ素子4の熱の放熱を促進することができ、ペルチェ素子4の冷却効率を向上させることができる。
【0062】
本実施形態によれば、例えば、吸気路22と、排気路24a・24bとが別個に形成されているため、ファン6に吸気される空気と、ファン6から送風され排気される空気とが、混合することを抑制することができる。そのため、吸気される空気の排気される空気による温度上昇を抑制することができ、ヒートシンク5を効率よく冷却することができる。したがって、ペルチェ素子4の放熱を促進することができ、ペルチェ素子4の冷却効率をより向上させることができる。
【0063】
本発明は、上記実施形態や各例示に限定されるものではなく、上記実施形態及び各変例示は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いてもよい。例えば、第1の実施形態において、吸気口および吸気路を複数設けてもよい。この場合、吸気する空気をより効率よく取り込むことができる。