(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】SCR触媒
(51)【国際特許分類】
B01J 23/30 20060101AFI20230208BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20230208BHJP
B01D 53/90 20060101ALI20230208BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20230208BHJP
F01N 3/10 20060101ALI20230208BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20230208BHJP
F01N 3/035 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B01J23/30 A ZAB
B01D53/86 222
B01D53/86 245
B01D53/86 280
B01D53/90
F01N3/08 B
F01N3/10 A
F01N3/24 C
F01N3/24 E
F01N3/035 A
F01N3/035 E
(21)【出願番号】P 2020526412
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(86)【国際出願番号】 EP2018081072
(87)【国際公開番号】W WO2019096785
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-11-01
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501399500
【氏名又は名称】ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Umicore AG & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Rodenbacher Chaussee 4,D-63457 Hanau,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エロディ・クィネット
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・マルムベルク
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ゼーガー
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106861675(CN,A)
【文献】特表2017-503632(JP,A)
【文献】国際公開第2017/005778(WO,A1)
【文献】特表2018-529039(JP,A)
【文献】特開2006-212591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/86
B01D 53/90
B01D 53/94
F01N 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒であって、各場合において、前記触媒の総重量に基づいて、V
2O
5、WO
3、CeO
2、Sb
2O
5又はTiO
2として計算される、
2~6重量%の量の少なくとも1つのバナジウムの酸化物と、
0.5~2重量%の量の少なくとも1つのタングステンの酸化物と、
2~4重量%の量の少なくとも1つのセリウムの酸化物と、
1~7重量%の量の少なくとも1つのアンチモンの酸化物と、
合計100重量%となるように測定された量の少なくとも1つのチタンの酸化物と、を含有
し、
前記触媒は、リーンバーン内燃機関用SCR触媒である、触媒。
【請求項2】
少なくとも1つのケイ素の酸化物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
少なくとも1つのモリブデン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、及び/又はハフニウムの酸化物を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】
前記触媒の総重量に基づいて、SiO
2として計算される、2~7重量%の量の少なくとも1つのケイ素の酸化物を含有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項5】
前記触媒の総重量に基づいて、MoO
3、Nb
2O
5、ZrO
2、Ta
2O
5又はHfO
2として計算される、酸化物の合計量が0.5~20重量%で、少なくとも1つのモリブデン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、及び/又はハフニウムの酸化物を含有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
担体上にコーティングとして存在することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項7】
担体の一部として存在することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項8】
リーンバーン内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物の還元方法であって、
窒素酸化物を含有する前記排気ガスに還元剤を添加する工程と、
窒素酸化物及び還元剤を含有する、前記得られた排気ガス混合物を、請求項1~7のいずれか1項に記載の触媒に通す工程と、
を含む、方法。
【請求項9】
ディーゼル排気ガスの処理のための排気ガス浄化システムであって、
酸化触媒、
ディーゼル粒子フィルタ、及び
請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒、
又は
酸化触媒、及び
請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒がコーティングとして存在するディーゼル粒子フィルタ
を含む、排気ガス浄化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、酸化アンチモン及び酸化セリウムを含有する酸化バナジウムに基づくSCR触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等のリーンバーン内燃機関で運転される自動車の排気ガスは、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)に加えて、シリンダーの燃焼室内における燃料の不完全燃焼に起因する成分も含有する。通常は主にガス形態で存在する残留炭化水素(HC)に加えて、これらは粒子排出物も含む。これらは、主に炭素質粒子状物質及び付着性液相からの複合アグロメレートであり、通常は主に長鎖炭化水素凝集物からなる。固体成分に付着する液相は「可溶性有機成分SOF」又は「揮発性有機成分VOF」とも称される。
【0003】
このような排気ガスを浄化するためには、前述の成分を、できる限り完全に無害な化合物に変換する必要があり、これは、好適な触媒の使用によってのみ実現可能である。
【0004】
酸素の存在下で、排気ガスから窒素酸化物を除去する周知のプロセスは、好適な触媒上でアンモニアを使用する選択的触媒還元法(SCRプロセス)である。このプロセスでは、排気ガスから除去されるべき窒素酸化物が、アンモニアを還元剤として使用して、窒素と水に変換される。
【0005】
式(I)によるいわゆる「standard SCR反応」
NH3+NO+1/4O2→N2+3/2H2O (I)
及び式(II)によるいわゆる「fast SCR反応」
NH3+1/2NO+1/2NO2→N2+3/2H2O (II)
は、SCR反応の重要な反応経路として認識された。
【0006】
リーンバーン内燃機関からの排気ガスは、通常、窒素酸化物の総割合の約10%のみの量でNO2を含むため、fast SCR反応から利益を得るために、その量を増加させることが通常的に望まれる。これは、例えば、上流酸化触媒コンバータによって行われる。しかしながら、特定の場合に使用される排気システムに応じて、SCR触媒コンバータは、過剰のNOから過剰のNO2までに及び得る、全く異なるNO2/NOx比となり得る。
【0007】
還元剤として使用されるアンモニアは、尿素、カルバミン酸アンモニウム、又はギ酸アンモニウムなどのアンモニア前駆体化合物を排気管に注入し、その後の加水分解よって利用可能にすることができる。
【0008】
バナジウム酸化物に基づいており、一般にチタン酸化物、及び更なる金属、例えば、タングステンの酸化物(Isabella Nova and Enrico Tronconi(eds.),Urea-SCR Technology for deNOx After Treatment of Diesel Exhausts,chapter 3,Springer Verlag,2014参照)も含有する、いわゆる混合酸化物触媒を、SCR触媒として使用することもできる。
【0009】
排気ガスに含有される窒素酸化物が存在する、又は少なくとも主にNOの形態で存在する場合、酸化バナジウムに基づくSCR触媒は、良好な活性及び安定性によって特徴付けられる。しかしながら、NO2過剰の場合、それらは明確な活性の損失を示す。酸化セリウムの酸化バナジウム系SCR触媒への添加は、NO2過剰の場合に活性を改善するが、NOが過剰な場合には低温活性(T<250℃)も損なわれる。
【0010】
したがって、NO2及びNO過剰と低温(T<250℃)との両方に良好な活性を有する酸化バナジウム系SCR触媒が必要とされている。更に、バナジウム系SCR触媒の熱安定性を改善する必要もある。
【0011】
金属酸化物に基づくSCR触媒において酸化アンチモンも使用することが既に知られている。したがって、例えば、米国特許第9,662,610号は、二酸化チタン、バナジウム化合物、及びアンチモン化合物を含有する触媒によって窒素酸化物を還元するためのプロセスを開示している。国際公開第2017/101449(A1)号は、二酸化チタン、バナジウム及びアンチモンを含有する複合酸化物、並びに任意選択的にケイ素、バナジウム、及びアンチモンの酸化物を含有する触媒組成物の使用を開示している。
【0012】
中国特許第106215929号は、脱窒触媒として使用されるセリウムアンチモン複合酸化物を開示している。
【0013】
最後に、米国特許第8,975,206号は、バナジウム及びチタンに加えてアンチモンも含有し得る触媒組成物を開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
驚くべきことに、酸化セリウムを含有する酸化バナジウム系SCR触媒から出発して、アンチモンの酸化物を触媒に添加することによって上述の技術的問題を解決することができることが見出された。
【0015】
したがって、本発明は、触媒であって、各場合において、触媒の総重量に対して、V2O5、WO3、CeO2、Sb2O5又はTiO2として計算される、
2~6重量%の量の少なくとも1つのバナジウムの酸化物と、
0.5~2重量%の量の少なくとも1つのタングステンの酸化物と、
2~4重量%の量の少なくとも1つのセリウムの酸化物と、
1~7重量%の量の少なくとも1つのアンチモンの酸化物と、
合計100重量%となるように測定された量の少なくとも1つのチタンの酸化物と、
を含有する、触媒に関する。
【0016】
少なくとも1つのチタンの酸化物は、担体材料として作用し、少なくとも1つのバナジウムの酸化物は活性触媒成分として作用し、タングステン、セリウム、及びアンチモンの酸化物のうちの少なくとも1つは、プロモーターとして作用する。プロモーターは、触媒の活性を維持又は増加させる物質を意味すると理解される。
【0017】
本発明による触媒の一実施形態では、それは、少なくとも1つのケイ素の酸化物を更に含有する。
【0018】
本発明による触媒の更なる実施形態では、触媒は、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、及び/又はハフニウムの少なくとも1つの酸化物を更に含有する。
【0019】
本発明による触媒の好ましい実施形態では、触媒は、触媒の重量に対して、CeO2として計算される、2~4重量%の量の少なくとも1つのセリウムの酸化物を含有する。本発明による触媒の更なる好ましい実施形態では、触媒は、触媒の重量に対して、Sb2O5として計算される、1~7重量%の量の少なくとも1つのアンチモンの酸化物を含有する。更に、各場合において、触媒の総重量に基づいて、CeO2として計算される、2~4重量%の量の少なくとも1つのセリウムの酸化物、及びSb2O5として計算される、1~7重量%の量の少なくとも1つのアンチモンの酸化物を含有する、本発明による触媒の実施形態が好ましい。
【0020】
本発明による触媒の更なる好ましい実施形態では、触媒は、各場合において、触媒の重量に基づいて、V2O5、WO3、CeO2、又はSb2O5として計算される、
2~6重量%の量の少なくとも1つのバナジウムの酸化物と、
0.5~2重量%の量の少なくとも1つのタングステンの酸化物と、
2~4重量%の量の少なくとも1つのセリウムの酸化物と、
1~7重量%の量の少なくとも1つのアンチモンの酸化物と、
合計100重量%となるように測定された量の少なくとも1つのチタンの酸化物と、
を含有する。
【0021】
本発明による触媒が少なくとも1つのケイ素の酸化物を含有する場合、触媒の重量に対して、SiO2として計算され、好ましくは2~7重量%の量で存在する。
【0022】
本発明による触媒が、少なくとも1つのモリブデン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、及び/又はハフニウムの酸化物を含有する場合、これらの酸化物の総量は、触媒の重量に対して、MoO3、Nb2O5、ZrO2、Ta2O5又はHfO2として計算される、好ましくは0.5~20重量%である。
【0023】
本発明による触媒は、好ましくはマグネシウム又はマグネシウムの化合物を含まない。
【0024】
更なる実施形態では、本発明による触媒は、ジルコニウム又はジルコニウムの化合物も含まない。
【0025】
本発明の文脈内では、バナジウムの酸化物という用語は、本発明による触媒の調製、保管、及び使用の条件下で生じる、又は存在し得る全ての酸化物を含む。したがって、これは、例えば、V2O5を含むが、他の全てのバナジウムの酸化物も含む。
【0026】
同様に、タングステンの酸化物という用語は、例えば、WO3を含むが、他の全てのタングステンの酸化物も含み、セリウムの酸化物という用語は、例えば、CeO2を含むが、他の全てのセリウムの酸化物も含み、アンチモンの酸化物という用語は、例えば、Sb2O5を含むが、他の全てのアンチモンの酸化物も含み、チタンの酸化物という用語は、例えば、TiO2を含むが、他の全てのチタンの酸化物も含み、ケイ素の酸化物は、例えば、SiO2を含むが、他の全てのケイ素の酸化物も含む。
【0027】
モリブデン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、又はハフニウムの酸化物という用語についても同様である。
【0028】
本発明による触媒は、単純な方法で製造することができる。
【0029】
したがって、例えば、バナジウム、タングステン、セリウム、アンチモン、及びチタンの酸化物、並びに任意選択的に、更なる金属酸化物の酸化物を、所望の量で粉末形態にて混合し、次いで焼成してもよい。しかしながら、上述の酸化物が水中でスラリー化され、次いで乾燥及び焼成されることが一般的に有利である。
【0030】
このプロセスの一変形例では、金属酸化物の一部のみをそのものとして用意し、残りの金属を水溶性金属塩の形態で添加する。例えば、タングステン、セリウム、アンチモン、及びチタンの酸化物を用意し、次いで水溶性バナジウム化合物の水溶液に含浸し、その後、乾燥させ、焼成することができる。好適な水溶性バナジウム化合物は、具体的には、五酸化バナジウムをシュウ酸に溶解することにより得られるシュウ酸バナジル(例えば、欧州特許第0 345 695(A2)号参照)、又は五酸化バナジウムとアミン又はエタノールアミンとの反応生成物(例えば、国際公開第89/03366(A1)号及び国際公開第2011/013006号参照)、特にメタバナジン酸アンモニウムである。独国特許出願公開第11 2007 000 814 T5号ではまた、バナジウムオキシトリクロリドの使用について記載している。
【0031】
あるいは、バナジウム、セリウム、アンチモン、及びチタンの酸化物を用意し、次いで水溶性タングステン化合物の水溶液に含浸し、その後、乾燥させ、焼成することもできる。この目的のための好適な水溶性タングステン化合物は、メタタングステン酸アンモニウムである。
【0032】
個々の酸化物を使用する代わりに、2つ以上の金属酸化物もまた、対応する混合酸化物の形態で、又は1つ以上の他の金属酸化物でドープされた金属酸化物の形態で使用することもできる。例えば、二酸化ケイ素及び三酸化タングステンでドープされた二酸化チタンを、バナジウム及びアンチモンの水溶性化合物に含浸させ、次いで乾燥させ、焼成してもよい。
【0033】
特に、製造方法に応じて、本発明による触媒は、金属酸化物の混合物として、混合酸化物として存在してもよいが、特に、金属酸化物の混合物と混合酸化物との中間体の形態で存在し得る。例えば、2つ又は3つの金属は、残りの金属に含浸させた混合酸化物の形態で存在してもよい。
【0034】
金属酸化物、混合酸化物、又は水溶性金属塩などの、本発明による触媒の調製に必要な出発化合物は、当業者に既知であり、市販されている。
【0035】
好ましい実施形態では、本発明による触媒は、担体上のコーティングとして存在し、これは、フロースルーハニカム体又はウォールフローフィルタとして存在し得る。
【0036】
本発明の実施形態では、担体は、触媒不活性であり、セラミック又は金属材料からなり、例えば、炭化ケイ素、チタン酸アルミニウム、又はコーディエライトからなる。これらの実施形態では、本発明による触媒の全ての成分は、1つのコーティング中に存在する。
【0037】
コーティングされた担体は、当業者によく知られている方法に従って、例えば、後に熱的後処理(焼成)を伴う、一般的な浸漬コーティング方法、又はポンプコーティング方法及び吸引コーティング方法に従って製造することができる。
【0038】
本発明の別の実施形態では、本発明による触媒自体は、担体の構成要素であり、この場合、本発明による触媒及びマトリックス成分から形成される。
【0039】
当業者には、コーディエライトなどの不活性材料のみからなるのではなく、追加的に触媒活性材料を含有する、担体、フロースルー基材、及びウォールフロー基材が知られている。これらを製造するには、例えば、10~95重量%の不活性マトリックス成分及び5~90重量%の触媒活性材料からなる混合物を、それ自体既知の方法に従って押出加工する。この場合、他では触媒基材を製造するためにも使用される不活性材料の全てを、マトリックス成分として使用することができる。これらは、例えば、シリケート、酸化物、窒化物、又は炭化物であり、特に好ましくは、マグネシウムアルミニウムシリケートである。
【0040】
本発明による触媒は特に、リーンバーン内燃機関、特にディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸化物の還元に適している。
【0041】
したがって、本発明はまた、リーンバーン内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物の還元方法であって、以下の方法の工程:
窒素酸化物を含有する前記排気ガスに還元剤を添加する工程と、
窒素酸化物を含有する排気ガス及び還元剤から得られた混合物を、本発明による触媒に通す工程と、を含む、方法に関する。
【0042】
還元剤としては、アンモニアが特に考慮され、特に有利には、アンモニアそのものではなく、アンモニア前駆体(特に尿素)が、窒素酸化物含有排気ガスに添加される。
【0043】
特に、本発明による触媒は、例えば本発明による触媒に加え、流入側に配置された酸化触媒及びディーゼル粒子フィルタを含む排気ガス浄化システムの構成要素として用いられる。その際、本発明による触媒はまた、ディーゼル粒子フィルタのコーティングとしても存在することができる。
【0044】
したがって、本発明はまた、
ディーゼル排気ガスを処理するための排気ガス浄化システムであって、排気ガスの流れ方向に、
酸化触媒、
ディーゼル粒子フィルタ、及び
本発明による触媒
又は
酸化触媒、及び
本発明による触媒がコーティングとして存在するディーゼル粒子フィルタ
を含む、排気ガス浄化システムに関する。
【0045】
本発明による排気ガス浄化システムに好適な酸化触媒、特に、例えば酸化アルミニウム上に担持された白金、パラジウム、又は白金及びパラジウム並びにディーゼル粒子フィルタは、当業者に既知であり、市販されている。
【0046】
本発明による排気ガス浄化システムは、概して、本発明による触媒の上流に配置された還元剤を計量するためのデバイスを含む。
【0047】
注入デバイスは、当業者が随意に選択することができ、好適なデバイスは、文献から取得することができる(例えば、T.Mayer,Feststoff-SCR-System auf Basis von Ammonium-carbamat,Dissertation,Technical University of Kaiserslautern,2005参照)。還元剤は、特に、アンモニア自体、又はアンモニアが周囲条件下で形成される化合物の形態で、注入デバイスを介して、排気ガス流に導入することができる。好適な化合物の例は、尿素又はギ酸アンモニウムの水溶液、及び固体カルバミン酸アンモニウムである。通例、還元剤又はその前駆体は、注入デバイスと共に担持され、注入デバイスに接続される容器内で原料にて保持される。
【0048】
以下、図面及び実施例によって本発明をより詳細に説明する。以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明による触媒K1で測定された、比較触媒VK1、VK2、VK3、VK4、及びVK5と比較したstandard SCR反応における新品状態での窒素酸化物変換率(K1f、VK1f、VK2f、VK3f、VK4f及び、VK5f)である。
【
図2】本発明による触媒K1で測定された、比較触媒VK1、VK2、VK3、VK4、及びVK5と比較したstandard SCR反応における熟成状態での窒素酸化物変換率(K1a、VK1a、VK2a、VK3a、VK4a、及びVK5a)である。
【
図3】本発明による触媒K1で測定された、比較触媒VK1、VK2、VK3、VK4、及びVK5と比較したfast SCR反応における新品状態での窒素酸化物変換率(K1f、VK1f、VK2f、VK3f、VK4f、及びK5f)である。
【
図4】本発明による触媒K1で測定された、比較触媒VK1、VK2、VK3、VK4、及びVK5と比較したfast SCR反応における熟成状態での窒素酸化物変換率(K1a、VK1a、VK2a、VK3a、VK4a、及びVK5a)である。
【
図5】本発明による触媒K1で測定された、比較触媒VK4、VK6及びVK7と比較した、200℃でのstandard SCR反応及び300℃でのfast SCR反応におけるWO
3含有量に対する新品及び熟成状態での窒素酸化物変換率である。
【
図6】本発明による触媒K1で測定された、比較触媒VK3及びVK8と比較した200℃でのstandard SCR反応及び300℃でのfast SCR反応におけるCeO
2含有量に対する新品及び熟成状態での窒素酸化物変換率である。
【
図7】本発明による触媒K1で測定された、比較触媒VK2、VK9及びVK10と比較した200℃でのstandard SCR反応及び300℃でのfast SCR反応におけるSb
2O
5含有量に対する新品及び熟成状態での窒素酸化物変換率である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
実施例1
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化セリウム(CeO2)、及び五酸化アンチモン(Sb2O5)を、86.00重量%のTiO2、4.50重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3、2.00重量%のCeO2、及び2.75重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒K1は、新品状態で存在し、したがって以下ではK1fと称される。
c)b)により得られた触媒K1を、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒K1は、熟成状態で存在し、以下ではK1aと称される。
【0051】
比較例1
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、及び三酸化タングステン(WO3)を、90.5重量%のTiO2、4.75重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK1は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK1fと称される。
c)b)により得られた触媒VK1aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK1は、熟成状態であり、以下ではVK1aと称される。
【0052】
比較例2
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、及び二酸化セリウム(CeO2)を、88.60重量%のTiO2、4.65重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3、及び2.00重量%のCeO2の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK2は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK2fと称される。
c)b)により得られた触媒VK2aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK2は、熟成状態であり、以下ではVK2aと称される。
【0053】
比較例3
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、及び五酸化アンチモンを、87.9重量%のTiO2、4.60重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3、及び2.75重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK3は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK3fと称される。
c)b)により得られた触媒VK3aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK3は、熟成状態であり、以下ではVK3aと称される。
【0054】
比較例4
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、及び五酸化アンチモンを、86.9重量%のTiO2、4.60重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、2.00重量%のCeO2、及び2.75重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK4は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK4fと称される。
c)b)により得られた触媒VK4aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK4は、熟成状態であり、以下ではVK4aと称される。
【0055】
比較例5
a)アナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化セリウム(CeO2)、及び五酸化アンチモン(Sb2O5)を、90.5重量%のTiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3、2.00重量%のCeO2、及び2.75重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK5は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK5fと称される。
c)b)により得られた触媒VK5aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK5は、熟成状態であり、以下ではVK5aと称される。
【0056】
比較例6
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化セリウム(CeO2)、及び五酸化アンチモン(Sb2O5)を、86.45重量%のTiO2、4.55重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、0.50重量%のWO3、2.00重量%のCeO2、及び2.75重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK6は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK6fと称される。
c)b)により得られた触媒VK6aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK6は、熟成状態であり、以下ではVK6aと称される。
【0057】
比較例7
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化セリウム(CeO2)、及び五酸化アンチモン(Sb2O5)を、85.03重量%のTiO2、4.47重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、2.00重量%のWO3、2.00重量%のCeO2、及び2.75重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK7は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK7fと称される。
c)b)により得られた触媒VK7aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK7は、熟成状態であり、以下ではVK7aと称される。
【0058】
比較例8
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化セリウム(CeO2)、及び五酸化アンチモン(Sb2O5)を、84.07重量%のTiO2、4.43重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3、4.00重量%のCeO2、及び2.75重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK8は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK8fと称される。
c)b)により得られた触媒VK8aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK8は、熟成状態であり、以下ではVK8aと称される。
【0059】
比較例9
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化セリウム(CeO2)、及び五酸化アンチモン(Sb2O5)を、84.79重量%のTiO2、4.46重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3、2.00重量%のCeO2、及び4.00重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK9は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK9fと称される。
c)b)により得られた触媒VK9aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK9は、熟成状態であり、以下ではVK9aと称される。
【0060】
比較例10
a)5重量%の二酸化ケイ素でドープされたアナターゼ型の市販の二酸化チタンを水中に分散させた後、二酸化バナジウム(VO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化セリウム(CeO2)、及び五酸化アンチモン(Sb2O5)を、81.94重量%のTiO2、4.31重量%のSiO2、3.75重量%のV2O5、1.00重量%のWO3、2.00重量%のCeO2、及び7.00重量%のSb2O5の組成の触媒を得る量で添加した。スラリーを激しく撹拌し、次いで市販の撹拌ビーズミルで粉砕した。
b)a)によって得られた分散液を、従来の方法で、0.5Lの体積及び1平方センチメートルあたり62室のセル数の市販のセラミックフロー基材上に、0.17mmの壁厚で全長にわたり、360g/Lのウォッシュコート担持量でコーティングした。このようにして得られた粉末を90℃で乾燥させた後、600℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒VK10は、新品状態で存在し、したがって以下ではVK10fと称される。
c)b)により得られた触媒VK10aを、700℃のガス雰囲気(10% O2、10% H2O、残部N2)中で48時間水熱熟成した。その結果、触媒VK10は、熟成状態であり、以下ではVK10aと称される。
【0061】
表1は、上述の実施例の触媒の組成を要約する。本発明による触媒の組成は、明示的に示される実施例に限定されない。
【0062】
【0063】
SCR活性の基準としての窒素酸化物変換アッセイ:
上記の実施例及び比較例に従って調製された触媒又は比較触媒のNO変換率を、石英ガラス反応器において決定した。L=3インチ及びD=1インチを有するドリルコアを、定常状態条件下で200~400℃で試験した。試験は、試験室モデルガス系において、以下の条件下で実施された。
【0064】
【0065】
測定中、触媒を通過した後のモデルガスの窒素酸化物濃度を、好適な分析法を用いて記録した。前触媒排気ガス分析を用いて、それぞれの試験フローの開始時に調整中に確認された、既知の、投入された窒素酸化物量から、及び触媒を通過した後に測定された窒素酸化物変換量から、NH3対NOの比に対する窒素酸化物変換率を、各温度測定点について以下のように計算した。
【0066】
【0067】
ただし、
【0068】
【0069】
得られた窒素酸化物変換率の値UNOx[%]を、調査した材料のSCR活性を評価するために、触媒に対して前に測定した温度の関数としてプロットした。
【0070】
表2は、上記の実施例のstandard SCR反応におけるNOx変換率を示す。
【0071】
【0072】
新品触媒のstandard SCR反応の結果を
図1に示す。
【0073】
熟成触媒のstandard SCR反応の結果を
図2に示す。
【0074】
表3は、上記の実施例のfast SCR反応におけるNOx変換率を示す。
【0075】
【0076】
新品触媒のfast SCR反応の結果を
図3に示す。
【0077】
熟成触媒のfast SCR反応の結果を
図4に示す。
【0078】
200℃でのstandard SCR反応におけるNOx変換率及び300℃でのfast SCR反応におけるNOx変換率に対する、新品及び熟成状態での触媒のWO3含有量の影響を表4に示す。V2O5、CeO2、及びSb2O5の量は、それぞれ3.75重量%、2.00重量%、又は2.75重量%で一定に保ち、一方、WO3含有量は、0.00重量%(VK4)から0.50重量%(VK6)、1.00重量%(K1)、及び2.00重量%(VK7)まで変化させた。
【0079】
【0080】
【0081】
200℃でのstandard SCR反応におけるNOx変換率及び300℃でのfast SCR反応におけるNOx変換率に対する、新品及び熟成状態での触媒のCeO2含有量の影響を表5に示す。V2O5、WO3、及びSb2O5の量は、それぞれ3.75重量%、1.00重量%、又は2.75重量%で一定に保ち、一方、CeO2含有量は、0.00重量%(VK3)から2.00重量%(K1)、及び2.00重量%(K7)まで変化させた。
【0082】
【0083】
【0084】
200℃でのstandard SCR反応におけるNOx変換率及び300℃でのfast SCR反応におけるNOx変換率に対する、新品及び熟成状態での触媒のSb2O5含有量の影響を表6に示す。V2O5、WO3、及びCeO2の量は、それぞれ3.75重量%、1.00重量%、又は2.00重量%で一定に保ち、一方、Sb2O5含有量は、0.00重量%(VK2)から2.75重量%(K1)、4.00重量%(VK9)、及び7.00重量%(VK10)まで変化させた。
【0085】
【0086】