(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】双方向ビデオゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20230208BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20230208BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230208BHJP
A63F 13/335 20140101ALI20230208BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230208BHJP
G06T 13/40 20110101ALI20230208BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/213
A63F13/53
A63F13/335
A63F13/79
G06T13/40
G06F3/01 510
G06F3/01 570
(21)【出願番号】P 2020530521
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(86)【国際出願番号】 US2018059465
(87)【国際公開番号】W WO2019112737
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】コセアート トラビス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ チェン
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-266241(JP,A)
【文献】特開2009-037594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0094307(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0196660(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0199228(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0033713(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/00 -13/98
A63G 1/00 -33/00
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
G06T 1/00
G06T 7/00 - 7/90
G06T11/60 -13/80
G06T17/05
G06T19/00 -19/20
G06V10/00 -20/90
G06V30/418
G06V40/16
G06V40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向ビデオゲームシステムであって、
プレイエリアの周囲に配置され、かつ複数のプレーヤの各
プレーヤのそれぞれの体積データを収集するように構成された体積センサのアレイと、
前記体積センサのアレイに通信可能に結合されたコントローラ
であって、
前記体積センサのアレイから、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの体積データを受け取り、
前記複数のプレーヤの各プレーヤの少なくとも1つのそれぞれの
影モデルを生成するために、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの体積データを組み合わせ、
仮想環境内
に前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれの
影モデルを提示する、
ように構成され
た、コントローラと、
前記プレイエリアの近傍に配置されたディスプレイ装置
であって、該ディスプレイ装置は、
前記プレイエリア内の前記複数のプレーヤに対して前記仮想環境を表示するように構成される、
ディスプレイ装置と、
を含む、双方向ビデオゲームシステム。
【請求項2】
前記体積センサのアレイは、
LIDAR装置
を含む、請求項1に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項3】
前記アレイの前記体積センサは、前記プレイエリアの周辺を囲んで対称的に分散する、請求項1に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記複数のプレーヤの各プレーヤの少なくとも1つのそれぞれの骨格モデルを生成するために、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの体積データを組み合わせ、
前記生成された少なくとも1つのそれぞれの
骨格モデルに少なくとも部分的に基づいて、前記プレイエリア内の前記複数のプレーヤの各プレーヤのゲーム内動作及び対応するゲーム内効果を決定し、
前記決定されたゲーム内動作及びゲーム内効果に基づいて、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれの
影モデル及び前記仮想環境を更新する、
ように構成される、請求項1に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれの体積モデルを
生成し、
ゲームプレイの終了時に、前記仮想環境内の前記複数のプレーヤのうちの特定のプレーヤの前記体積モデルを含む模擬画像を生成するように構成される、請求項1に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項6】
前記プレイエリアは3次元(3D)プレイエリアであり、前記体積センサのアレイは、該3Dプレイエリアの幅、高さ及び深さに関して前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの体積データを収集するように構成される、請求項1に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項7】
前記プレイエリアは2次元(2D)プレイエリアであり、前記体積センサのアレイは、該2Dプレイエリアの幅及び高さに関して前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの体積データを収集するように構成される、請求項1に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項8】
双方向ビデオゲームシステムであって、
プレイエリアの近傍に配置され、かつ該プレイエリア内の複数のプレーヤに対して仮想環境を表示するように構成されたディスプレイ装置と、
前記プレイエリアの周囲に配置された感知ユニットのアレイであって、該アレイの各感知ユニットは前記複数のプレーヤのうちの少なくとも1人のプレーヤの部分的モデルを決定するように構成され
たそれぞれの処理回路を含む、感知ユニットのアレイと、
前記感知ユニットのアレイに通信可能に結合されたコントローラ
であって、
該コントローラは、
前記感知ユニットのアレイから前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記部分的モデルを受け取り、
前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記部分的モデルを融合することによって前記複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれのモデルを生成し、
前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれのモデルに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のプレーヤの各プレーヤのゲーム内動作を決定し、
前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれのモデル及び前記ゲーム内動作に少なくとも部分的に基づいて、前記仮想環境内の前記複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれの仮想表現を前記ディスプレイ装置上に表示する、
ように構成される、
コントローラと、
前記コントローラに通信可能に結合されたインターフェイスパネルであって、該インターフェイスパネルは、ゲームプレイ中に前記複数のプレーヤからの入力を受け取るように構成された複数の入力装置
及び該入力装置に対応する前記コントローラに信号を送信するように構成された電気回路を含む、
インターフェイスパネルと、
を含む、双方向ビデオゲームシステム。
【請求項9】
前記感知ユニットのアレイの各感知ユニットは、
前記それぞれの処理回路に通信可能に結合されたそれぞれのセンサを含み、前記感知ユニットのアレイの各感知ユニットの前記それぞれの処理回路は、前記感知ユニットのそれぞれのセンサによって収集されたデータに基づいて、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれのモデルのそれぞれの部分を決定するように構成される、請求項
8に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項10】
前記感知ユニットのアレイの各感知ユニットは、インターネットプロトコル(IP)ネットワークを介して前記コントローラに通信可能に結合され
、前記双方向ビデオゲームシステムは、前記部分的モデルが前記IPネットワークに沿って受け取られるときに前記コントローラが前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記部分的モデルを同期させることができるように構成されたシステムクロックを含む、請求項
9に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項11】
前記感知ユニットのアレイは、前記プレイエリアの周辺を囲んで対称的に分散する深度カメラ、LIDAR装置、又はこれらの組み合わせのアレイを含む、請求項
8に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項12】
前記感知ユニットのアレイは、前記複数のプレーヤの上方に配置され、前記プレイエリアに向かって下向きの角度に向けられ
、前記感知ユニットのアレイは、少なくとも3つの感知ユニットを含む、請求項
11に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項13】
前記コントローラに通信可能に結合された無線周波数(RF)センサを含み、前記コントローラは、
前記複数のプレーヤの残りのプレーヤに対して前記複数のプレーヤの特定のプレーヤの相対的位置を決定するために、前記RFセンサから、前記複数のプレーヤの各プレーヤのアイデンティティ、位置、又はこれらの組み合わせを示すデータを受け取るように構成される、請求項
8に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項14】
前記インターフェイスパネルは、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記決定されたゲーム内動作に少なくとも部分的に基づいて前記複数のプレーヤに少なくとも1つの物理的効果を提供するように構成された少なくとも1つの物理的効果装置を含む、請求項
8に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項15】
前記コントローラに通信可能に結合されたデータベースシステムを含み、前記コントローラは、該データベースシステムに前記複数のプレーヤに関する情報を問い合わせて受け取るように構成される、請求項
8に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項16】
前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの仮想表現を提示するために、前記コントローラは、前記複数のプレーヤに関する情報を問い合わせて受け取り、該受け取った情報に基づいて前記仮想表現の修正方法を決定するように構成される、請求項
15に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記
生成されたそれぞれのモデルに基づいて、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの仮想表現を生成するように構成される、請求項
8に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項18】
前記感知ユニットのアレイから受け取られた前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記部分的モデルの各々は、部分的影モデルを含み、前記コントローラにより生成された前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれのモデルは、影モデルを含み、前記コントローラにより提示された前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記それぞれの仮想表現は、前記影モデルに直接基づいている、請求項8に記載の双方向ビデオゲームシステム。
【請求項19】
双方向ビデオゲームシステムの動作方法であって、
前記双方向ビデオゲームシステムのコントローラの処理回路を介して、
プレイエリア内に位置する複数のプレーヤの部分的モデルを受け取るステップ
であって、該部分的モデルは、該プレイエリアの周囲に配置された感知ユニットのアレイの各感知ユニットのそれぞれの感知処理回路により生成される、ステップと、
前記処理回路を介して、前記複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれのモデルを生成するために、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記受け取った部分的モデルを融合するステップ
であって、前記生成されるそれぞれのモデルの各々は、それぞれの影モデルを含む、ステップと、
前記処理回路を介して、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれのモデルに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のプレーヤの各プレーヤのゲーム内動作を決定するステップと、
ディスプレイ装置を介して、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記生成されたそれぞれのモデル及び前記ゲーム内動作に少なくとも部分的に基づいて、仮想環境内
に前記複数のプレーヤの各プレーヤの
前記それぞれの影モデルを提示するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記感知ユニットのアレイの各感知ユニットの体積センサを使用して、前記プレイエリア内に位置する前記複数のプレーヤの各プレーヤを走査するステップと、
前記感知ユニットのアレイの各感知ユニットの
前記感知処理回路を介して、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記部分的モデルを生成するステップと、
ネットワークを介して、前記複数のプレーヤの各プレーヤの前記部分的モデルを前記コントローラの前記処理回路に提供するステップと、
を含む、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記
受け取られた部分的モデルの各々は、部分的体積モデル、部分的骨格モデル、部分的影モデル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のプレーヤは、前記双方向ビデオゲームシステムを同時にプレイしている少なくとも12人のプレーヤを含む、請求項
19に記載の方法。
【請求項23】
前記受け取られた部分的モデルの各々は前記部分的影モデルを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ディスプレイ装置は、前記プレイエリアの近傍に配置され、前記プレイエリア内の前記複数のプレーヤに対して前記仮想環境を表示するように構成される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にビデオゲームシステムに関し、具体的には、同時多人数型ゲームプレイを可能にする双方向ビデオゲームシステム(interactive video game system)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビデオゲームシステムは、プレーヤが所定の目標又は目的を達成するために、仮想環境内でキャラクタを制御することを可能にする。従来のビデオゲームシステムは、プレーヤが仮想ゲーム環境内でキャラクタを制御することを可能にするために、一般にジョイスティック、ゲームコントローラ、キーボードなどの手動入力装置に依拠する。また、いくつかの最新のビデオゲームシステムは、プレーヤの動きを追跡して、プレーヤが自身の動きに基づいてビデオゲームキャラクタを制御することを可能にするカメラを含むことができる。しかしながら、通常、これらのシステムは、プレーヤの一部が少なくとも一時的にカメラから隠されて、結果的にシステムがプレーヤの位置又は動きを正確に追跡できなくなるオクルージョンの問題を抱えている。例えば、オクルージョンは、仮想環境内のキャラクタの動きに乱れ(jittering)又はつっかえ(stuttering)を引き起こすとともに、他にもプレーヤ動作からゲーム内のキャラクタ動作への変換を不正確な又は誤ったものにしてしまう恐れがある。また、多人数型ビデオゲームシステムでは、オクルージョンの可能性がプレーヤの数と共に劇的に増加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本実施形態は、プレイエリアの周囲に配置されて、複数のプレーヤの各々のそれぞれの体積データ(volumetric data)を収集するように構成された体積センサ(volumetric sensors)のアレイを含む双方向ビデオゲームシステムに関する。このシステムは、体積センサのアレイに通信可能に結合されたコントローラを含む。コントローラは、体積センサのアレイから、複数のプレーヤの各々のそれぞれの体積データを受け取るように構成される。コントローラは、複数のプレーヤの各々のそれぞれの体積データを組み合わせて、複数のプレーヤの各々の少なくとも1つのそれぞれのモデルを生成するように構成される。コントローラは、複数のプレーヤの各プレーヤの生成された少なくとも1つのそれぞれのモデルに少なくとも部分的に基づいて、複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれの仮想表現(virtual representation)を生成するようにも構成される。コントローラは、複数のプレーヤの各プレーヤの生成されたそれぞれの仮想表現を仮想環境内に提示するようにさらに構成される。
【0004】
本実施形態は、プレイエリアの近傍に配置されて、プレイエリア内の複数のプレーヤに対して仮想環境を表示するように構成されたディスプレイ装置(display device)を有する双方向ビデオゲームシステムにも関する。このシステムは、プレイエリアの周囲に配置され、それぞれが複数のプレーヤのうちの少なくとも1人のプレーヤの部分的モデル(partial model)を決定するように構成された感知ユニット(sensing units)のアレイを含む。システムは、感知ユニットのアレイに通信可能に結合されたコントローラも含む。コントローラは、感知ユニットのアレイから複数のプレーヤの各プレーヤの部分的モデルを受け取り、複数のプレーヤの各プレーヤの部分的モデルを融合することによって複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれのモデルを生成し、複数のプレーヤの各プレーヤの生成されたそれぞれのモデルに少なくとも部分的に基づいて、複数のプレーヤの各プレーヤのゲーム内動作(in-game actions)を決定し、複数のプレーヤの各プレーヤの生成されたそれぞれのモデル及びゲーム内動作に少なくとも部分的に基づいて、仮想環境内の複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれの仮想表現をディスプレイ装置上に提示するように構成される。
【0005】
本実施形態は、双方向ビデオゲームシステムの動作方法にも関する。この方法は、双方向ビデオゲームシステムのコントローラの処理回路を介して、プレイエリアの周囲に配置された感知ユニットのアレイから、プレイエリア内に位置する(positioned)複数のプレーヤの部分的モデルを受け取るステップを含む。方法は、処理回路を介して、複数のプレーヤの各プレーヤの受け取った部分的モデルを融合して、複数のプレーヤの各プレーヤのそれぞれのモデルを生成するステップを含む。方法は、処理回路を介して、複数のプレーヤの各プレーヤの生成されたそれぞれのモデルに少なくとも部分的に基づいて、複数のプレーヤの各プレーヤのゲーム内動作を決定するステップを含む。方法は、ディスプレイ装置を介して、複数のプレーヤの各プレーヤの生成されたそれぞれのモデル及びゲーム内動作に少なくとも部分的に基づいて、仮想環境内の複数のプレーヤの各プレーヤの仮想表現を提示するステップも含む。
【0006】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の技術による、複数のプレーヤが3次元(3D)プレイエリア内で動作を実行することによってそれぞれの仮想表現を制御することを可能にする双方向ビデオゲームシステムの実施形態の概略図である。
【
図2】本発明の技術による、2次元(2D)プレイエリアを有する双方向ビデオゲームシステムの別の実施形態の概略図である。
【
図3】本発明の技術による、3Dプレイエリア内のプレーヤを表す骨格モデル及び影モデル、並びに仮想環境内に提示されるプレーヤの対応する仮想表現の例を示す図である。
【
図4】本発明の技術による、2Dプレイエリア内のプレーヤを表す骨格モデル及び影モデル、並びに仮想環境内に提示されるプレーヤの対応する仮想表現の例を示す図である。
【
図5】本発明の技術による、双方向型ゲームシステムを動作させるプロセスの実施形態を示すフロー図である。
【
図6】本発明の技術による、
図5のフロー図に示す特定の動作を双方向ビデオゲームシステムが実行するプロセスの実施形態例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用する「体積走査データ(volumetric scanning data)」は、プレイエリア内のプレーヤの可視的外面を光学的に測定(例えば、撮像、測距)することによって収集されたポイントクラウドデータなどの3次元(3D)データを意味する。本明細書で使用する「体積モデル(volumetric model)」は、プレーヤの外面を大まかに表してテクスチャデータを含むことができる、プレーヤの体積走査データから生成された3Dモデルである。本明細書で使用する「影モデル(shadow model)」は、体積走査データから生成されるプレーヤのテクスチャレスな体積モデルを意味する。従って、プレーヤの影モデルは、ディスプレイ装置などの2次元(2D)表面上に提示された場合、背後から照明を当てられた時のプレーヤの影又はシルエットと実質的に同様の形状を有する。本明細書で使用する「骨格モデル(skeletal model)」は、プレイエリア内のプレーヤの位置(location)及びポーズを表すようにプレーヤの特定の骨(例えば、腕、脚、頭、背骨に関連する骨)の予想される場所(locations)及び位置(positions)を定める、プレーヤの体積走査データから生成された3Dモデルを意味する。
【0009】
本実施形態は、複数の(例えば、最大12人の)プレーヤが物理的プレイエリア内で動作を実行して、表示された仮想環境内のプレーヤの仮想表現を制御することを可能にする双方向ビデオゲームシステムに関する。開示する双方向ビデオゲームシステムは、各プレーヤを体積的に走査することができる、深度カメラ、並びに光検出及び測距(LIDAR)装置などの2又は3以上の体積センサを有するアレイを含む。後述するように、システムは、センサのアレイによって収集された体積走査データに基づいて各プレーヤのモデル(例えば、体積モデル、影モデル、骨格モデル)を生成する好適な処理回路を含む。ゲームプレイ中、少なくとも2つのセンサがプレイエリア内のプレーヤの動作を取り込み、システムが、生成されたプレーヤモデルに基づいてこれらの動作の性質を決定する。従って、双方向ビデオゲームシステムは、プレーヤの動作と、その対応するゲーム内効果(in-game effects)とに基づいて、プレーヤの仮想表現及び仮想環境を継続的に更新する。
【0010】
上述したように、開示する双方向ビデオゲームシステムのアレイは、プレイエリア内のプレーヤの動作をモニタするようにプレイエリアの周囲に配置された複数の体積センサを含む。これにより、一般にアレイの1又は2以上の体積センサの視点からの潜在的オクルージョン(potential occlusion)にもかかわらず、ゲームプレイを全体を通じて各プレーヤの骨格モデルを正確に生成できることを確実にすることができる。また、システムの処理回路は、体積走査データを使用して、仮想環境内の各プレーヤの仮想表現の態様(例えば、サイズ、形状、輪郭)を生成することができる。いくつかの実施形態では、各プレーヤの仮想表現のいくつかの態様(例えば、色、テクスチャ、スケール)を、プレーヤに関連する情報に基づいてさらに調整又は修正することができる。後述するように、この情報は、ゲームプレイに関連する情報(例えば、獲得されたアイテム、解除された成果)、及びゲーム外のプレーヤの活動に関する他の情報(例えば、他のゲームでのプレーヤ成績、プレーヤが購入したアイテム、プレーヤが訪れた場所)を含むことができる。さらに、ゲームシステムの処理回路は、体積センサのアレイによって収集された体積走査データを使用して、プレーヤの体積モデルが仮想世界内に存在するものとして示される記念画像などの追加コンテンツを生成することもできる。従って、開示する双方向ビデオゲームシステムは、複数の同時プレーヤにとっての没入的な魅力ある体験を可能にする。
【0011】
これらを踏まえた上で、
図1は、複数のプレーヤ12(例えば、プレーヤ12A及び12B)がプレイエリア16内で動作を実行することによってそれぞれの仮想表現14(例えば、仮想表現14A及び14B)をそれぞれ制御することを可能にする双方向ビデオゲームシステム10の実施形態の概略図である。なお、単純化のために、この説明は、2人のプレーヤ12が双方向ビデオゲームシステム10を使用することに向けられているが、他の実施形態では、双方向ビデオゲームシステム10が2人よりも多くの(例えば、6人、8人、10人、12人又はそれ以上の)プレーヤ12をサポートすることもできる。本明細書では、
図1に示す双方向ビデオゲームシステム10のプレイエリア16を3Dプレイエリア16Aとして説明する。本明細書で使用する「3Dプレイエリア(3D play area)」という用語は、プレイエリア16が(x軸18に対応する)幅、(y軸20に対応する)高さ、及び(z軸22に対応する)深さを有し、一般にシステム10がx軸18、y軸20及びz軸22に沿った各プレーヤ12の動きをモニタすることを意味する。双方向ビデオゲームシステム10は、プレーヤ12がプレイエリア16全体を動き回ることに応答して、仮想環境32内のx軸26、y軸28及びz軸30に沿ってディスプレイ装置24上に提示される仮想表現14の位置を更新する。3Dプレイエリア16Aは、概ね円形として示されているが、他の実施形態では、3Dプレイエリア16Aを正方形、長方形、六角形、八角形又は他のいずれかの好適な3D形状とすることもできる。
【0012】
図1に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、一般にシステム10の動作を制御する制御信号を供給する、メモリ回路33及び処理回路35を有する一次コントローラ34を含む。従って、一次コントローラ34は、3Dプレイエリア16Aの周囲に配置された感知ユニット38のアレイ36に通信可能に結合される。具体的には、感知ユニット38のアレイ36は、プレイエリア16の周辺を囲んで対称的に分散するものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、感知ユニット38のアレイ36の少なくとも一部をプレイエリア16の上方に配置(例えば、天井から、或いは高くなったプラットフォーム又はスタンド上に懸架)し(positioned)、プレイエリア16を撮像するように下向きの角度に向けることができる。他の実施形態では、感知ユニット38のアレイ36の少なくとも一部をプレイエリア16の床の近傍に配置し、プレイエリア16を撮像するように上向きの角度に向けることができる。いくつかの実施形態では、双方向ビデオゲームシステム10のアレイ36が、プレイエリア16内のプレーヤ(例えば、プレーヤ12A及び12B)毎に、少なくとも2つの感知ユニット38を含むことができる。従って、感知ユニット38のアレイ36は、プレイエリア16の周囲の潜在的な有利な視点(potential vantage points)のかなりの部分を撮像して潜在的プレーヤオクルージョンを低減又は排除するように好適に配置される。
【0013】
図示の実施形態では、各感知ユニット38が、赤外線(IR)深度カメラ、LIDAR装置、又は別の好適な測距装置及び/又は撮像装置とすることができるそれぞれのセンサ40を含む。例えば、いくつかの実施形態では、アレイ36内の感知ユニット38の体積センサ40が全てIR深度カメラ又はLIDAR装置であり、他の実施形態では、アレイ36内にIR深度カメラ及びLIDAR装置の混合が存在する。現在では、後述するように、IR深度カメラ及びLIDAR装置の両方を使用して各プレーヤ12を体積的に走査することができ、収集された体積走査データを使用してプレーヤの様々なモデルを生成できることが認識されている。例えば、いくつかの実施形態では、アレイ36内のIR深度カメラを使用してデータの収集及び骨格モデルの生成を行うことができる一方で、アレイ36内のLIDAR装置によって収集されたデータを使用してプレーヤ12の体積モデル及び/又は影モデルを生成することができ、このことについては以下で詳述する。ポイントクラウドデータを収集するLIDAR装置は、一般に深度カメラよりも広い範囲を、通常はより高い精度及び解像度で走査してマッピングすることができることも認識されている。従って、いくつかの実施形態では、アレイ36の精度又は解像度を高め、及び/又はアレイ36内に存在する感知ユニット38の総数を減少させるために、アレイ36の少なくとも1つの感知ユニット38が、LIDAR装置である対応する体積センサ40を含む。
【0014】
さらに、図示の各感知ユニット38は、好適なメモリ回路44及び処理回路46を有するセンサコントローラ42を含む。各センサユニット38の処理回路46は、メモリ回路44に記憶された命令を実行して、感知ユニット38がプレーヤ12を体積的に走査して各プレーヤ12の体積走査データを生成することを可能にする。例えば、図示の実施形態では、感知ユニット38が、双方向ビデオゲームシステム10の装置間の低遅延データ交換を可能にする高速インターネットプロトコル(IP)ネットワーク48を介して一次コントローラ34に通信可能に結合される。また、いくつかの実施形態では、感知ユニット38の各々が、センサコントローラ42を体積センサ40と共にパッケージ化するそれぞれのハウジングを含むことができる。
【0015】
なお、他の実施形態では、感知ユニット38が、それぞれのセンサコントローラ42を含まないこともできる。このような実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35、又はシステム10の他の好適な処理回路が、アレイ36のそれぞれの体積センサ40に通信可能に結合されて、体積センサ40との間で直接制御信号のやり取りを行う。しかしながら、現在では、これらの各体積センサ40によって収集された体積走査データの処理(例えば、フィルタ処理、骨格マッピング)がプロセッサ集約的であると認識されている。従って、いくつかの実施形態では、専用プロセッサ(例えば、各センサコントローラ42のプロセッサ46)を利用することによって作業負荷を分割して、それぞれのセンサ40によって収集された体積データを処理した後に処理データを一次コントローラ34に送信することが有利となり得る。例えば、図示の実施形態では、後述するように、センサコントローラ42の各プロセッサ46が、それぞれのセンサ40によって収集された体積走査データを処理して各プレーヤ12の部分的モデル(例えば、部分的体積モデル、部分的骨格モデル、部分的影モデル)を生成し、一次コントローラ34の処理回路35が、これらの部分的モデルを受け取って融合又は結合して各プレーヤ12の完全なモデルを生成する。
【0016】
また、いくつかの実施形態では、一次コントローラ34が、プレイエリア16内及びその周囲の他の感知装置(sensing devices)から情報を受け取ることもできる。例えば、図示の一次コントローラ34は、3Dプレイエリア16Aの近傍(例えば、上方、下方、近隣)に配置された無線周波数(RF)センサ45に通信可能に結合される。図示のRFセンサ45は、各プレーヤ12によって装着された、無線周波数識別(RFID)タグを有するブレスレット又はヘッドバンドなどのウェアラブル装置47から、一意的に識別を行うRF信号を受け取る。これに応答して、RFセンサ45は、プレイエリア16内のプレーヤ12のアイデンティティ及び相対的位置(relative positions)に関する信号を一次コントローラ34に供給する。従って、図示の実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、アレイ36及び潜在的に他のセンサ(例えば、RFセンサ45)によって収集されたデータを受け取って組み合わせ、ゲームプレイ中のプレイエリア16内のプレーヤ12のアイデンティティ、位置(locations)及び動作を特定する。また、図示の一次コントローラ34は、データベースシステム50、又はプレーヤ情報を記憶する他のいずれかの好適なデータリポジトリに通信可能に結合される。データベースシステム50は、プレーヤモデル(例えば、体積モデル、影モデル、骨格モデル)、プレーヤ統計(例えば、勝ち、負け、得点、総ゲームプレイ時間)、プレーヤ属性又はインベントリ(例えば、能力、テクスチャ、アイテム)、ギフトショップにおけるプレーヤ購入、及びロイヤリティ報酬プログラムにおけるプレーヤポイントなどのプレーヤ12に関連する情報の記憶及び検索を行う、メモリ回路54に記憶された命令を実行する処理回路52を含む。一次コントローラ34の処理回路35は、データベースシステム50によって記憶されたプレーヤ12に関する情報の問い合わせ、検索及び更新を行って、システム10が本明細書に示すような動作を行えるようにする。
【0017】
また、
図1に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、一次コントローラ34に通信可能に結合された出力コントローラ56を含む。一般に、出力コントローラ56は、メモリ回路60に記憶された命令を実行してプレイエリア16内のプレーヤ12が観察及び体験する刺激出力(例えば、オーディオ信号、ビデオ信号、光、物理的効果)を制御する処理回路58を含む。従って、図示の出力コントローラ56は、聴覚装置62及びディスプレイ装置24に通信可能に結合されて、これらの装置を特定の出力を提供するように動作させるための好適な制御信号を供給する。他の実施形態では、出力コントローラ56を、あらゆる数のオーディオ及び/又はディスプレイ装置に結合することができる。ディスプレイ装置24は、プレイエリア16内のプレーヤ12に仮想環境32の好適な視野を提供するように配置され設計されたプロジェクタ及び画面、平面型ディスプレイ装置、又は平面型ディスプレイ装置のアレイなどの、いずれかの好適なディスプレイ装置とすることができる。いくつかの実施形態では、プレイエリア16の周囲に聴覚装置62をアレイ状に配置して、ゲームプレイ中のプレーヤの没入感を高めることができる。他の実施形態では、システム10が出力コントローラ56を含まずに、一次コントローラ34の処理回路35を聴覚装置62及びディスプレイ装置34などに通信可能に結合して、プレイエリア16内のプレーヤ12が観察及び体験する様々な刺激を生成することもできる。
【0018】
図2は、複数のプレーヤ12(例えば、プレーヤ12A及び12B)がプレイエリア16内で動作を実行することによって仮想表現14(例えば、仮想表現14A及び14B)を制御することを可能にする双方向ビデオゲームシステム10の別の実施形態の概略図である。
図2に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、一次コントローラ34と、感知ユニット38のアレイ36と、出力コントローラ56と、ディスプレイ装置24とを含む、本明細書で
図1に関して説明した特徴の多くを含む。しかしながら、本明細書では、
図2に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態を、2Dプレイエリア16Bを有するものとして説明する。本明細書で使用する「2Dプレイエリア」という用語は、プレイエリア16が(x軸18に対応する)幅及び(y軸20に対応する)高さを有し、一般にシステム10がx軸18及びy軸20に沿った各プレーヤ12の動きをモニタすることを意味する。
図2に示す実施形態では、プレーヤ12A及び12Bに2Dプレイエリア16Bの区域70A及び70Bがそれぞれ割り当てられ、プレーヤ12がゲームプレイ中にそれぞれの割り当て区域外に出ることはない。双方向ビデオゲームシステム10は、プレーヤ12が2Dプレイエリア16B内で動いたこと(例えば、x軸18に沿って走ったこと、y軸20に沿ってジャンプしたこと)に応答して、ディスプレイ装置24上に提示される仮想表現14の位置を仮想環境32内のx軸26及びy軸28に沿って更新する。
【0019】
また、
図2に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、強化されたプレーヤ相互作用を可能にすることができるインターフェイスパネル74を含む。
図2に示すように、インターフェイスパネル74は、ゲームプレイ中にプレーヤ12からの入力を受け取るように設計された複数の入力装置76(例えば、クランク、ホイール、ボタン、スライダ、ブロック)を含む。従って、図示のインターフェイスパネル74は、一次コントローラ34に通信可能に結合されて、ゲームプレイ中にプレーヤ12がどのように入力装置76を操作しているかを示す信号をコントローラ34に供給する。図示のインターフェイスパネル74は、ゲームプレイ中にプレーヤ12に聴覚刺激、視覚刺激及び/又は物理的刺激を提供するように設計された複数の出力装置78(例えば、聴覚出力装置、視覚出力装置、物理的刺激装置)を含む。従って、図示のインターフェイスパネル74は、出力コントローラ56に通信可能に結合されて制御信号を受け取り、一次コントローラ34からの好適な信号に応答してプレイエリア16内のプレーヤ12に好適な刺激を提供する。例えば、出力装置78は、スピーカ、ホーン及びサイレンなどの聴覚装置を含むことができる。出力装置78は、インターフェイスパネル74のライト又はディスプレイ装置などの視覚装置を含むこともできる。いくつかの実施形態では、インターフェイスパネル74の出力装置78が、一次コントローラ34又は出力コントローラ56からの好適な制御信号に応答して暖かい又は冷たい空気又はミストを噴出させる、圧縮空気管に結合された電子制御式放出弁などの物理的効果装置(physical effect devices)を含む。
【0020】
図2に示すように、図示の双方向ビデオゲームシステム10の実施形態の2Dプレイエリア16Bの周囲に配置された感知ユニット38のアレイ36は、少なくとも2つの感知ユニット38を含む。すなわち、
図1に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、プレーヤ毎に少なくとも2つの感知ユニット38を有するアレイ36を含み、
図2に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、プレーヤの数にかかわらず、わずかに2つの感知ユニット38しか含まないことができるアレイ36を含む。いくつかの実施形態では、アレイ36が、2Dアレイエリア16B内のプレーヤ12に対して直角(90°)に配置された少なくとも2つの感知ユニットを含むことができる。いくつかの実施形態では、これに加えて、又はこれとは別に、アレイ36が、プレイエリア16B内のプレーヤ12に対して両側(180°)に配置された少なくとも2つの感知ユニットを含むことができる。具体例として、いくつかの実施形態では、アレイ36が、2Dプレイエリア16B内のプレーヤ12の異なる(例えば、両)側に配置されたたった2つの感知ユニット38を含むことができる。
【0021】
上述したように、
図1及び
図2に示すアレイ36は、プレイエリア16内の各プレーヤ12の体積走査データを収集することができる。いくつかの実施形態では、後述するように、収集された体積走査データを使用して各プレーヤの様々なモデル(例えば、体積モデル、影モデル、骨格モデル)を生成し、その後にゲームプレイ中のプレーヤの動きに基づいてこれらのモデルを更新することができる。しかしながら、現在では、テクスチャデータを含む体積モデルを使用することは、このテクスチャデータを欠いた影モデルを使用するよりも大幅にプロセッサ集約的である(例えば、追加のフィルタ処理、追加のデータ処理を伴う)と認識されている。例えば、いくつかの実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、アレイ36によって収集された体積走査データから、プレイエリア16内のプレーヤ12のエッジとプレーヤ12の周囲とを区別するエッジ検出法を使用することによって各プレーヤ12の影モデルを生成することができる。現在では、このようなエッジ検出法の方が、テクスチャデータを含む体積モデルを使用するよりもプロセッサ集約的でなく、フィルタ処理も大幅に少ないと認識されている。従って、現在では、双方向ビデオゲームシステム10のいくつかの実施形態は、テクスチャを含む体積モデルの代わりに、一次コントローラ34の処理回路35のサイズ、複雑性及びコストの低減を可能にする影モデルを生成して更新すると認識されている。また、後述するように、処理回路34は、生成された影モデルに少なくとも部分的に基づいてプレーヤ12の仮想表現14を生成することもできる。
【0022】
上述したように、双方向ビデオゲームシステム10のアレイ36によって収集された体積走査データを使用して、各プレーヤの様々なモデル(例えば、体積モデル、影モデル、骨格モデル)を生成することができる。例えば、
図3は、3Dプレイエリア16A内のプレーヤを表す骨格モデル80(例えば、骨格モデル80A及び80B)及び影モデル82(例えば、影モデル82A及び82B)を示す図である。
図3には、本発明の技術による、ディスプレイ装置24上の仮想環境32内に提示されたこれらのプレーヤの対応する仮想表現14(例えば、仮想表現14A及び14B)も示す。図示のように、ゲームプレイ中、表現されるプレーヤは、骨格モデル80及び影モデル82の位置(locations)によって示すような双方向ビデオゲームシステム10の3Dプレイエリア16A内の異なる位置(positions)に存在する。図示の仮想環境32内のプレーヤの仮想表現14は、プレーヤの影モデル82に少なくとも部分的に基づいて生成される。上述したように、プレーヤが3Dプレイエリア16A内で動くと、一次コントローラ34がこれらの動きを追跡して、更新された骨格モデル80及び影モデル82、並びに各プレーヤの仮想表現14を適宜に生成する。
【0023】
また、
図1及び
図3に示すような3Dプレイエリア16Aを有する双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、z軸22に沿ったプレーヤの動き及び追跡を可能にして、この動きをz軸30に沿った仮想表現14の動きに変換する。
図3に示すように、これにより、骨格モデル80A及び影モデル82Aによって表されたプレーヤは、3Dプレイエリア16Aの前端84に移動することができ、この結果、対応する仮想表現14Aは、仮想環境32内のz軸30に沿った相対的に深い地点又は高さ86に提示されるようになる。これにより、骨格モデル80B及び影モデル82Bによって表されたプレーヤは、3Dプレイエリア16Aの後端88に移動することができ、この結果、対応する仮想表現14Bは、仮想環境32内のz軸30に沿った大幅に浅い地点又は高さ90に提示される。さらに、図示の実施形態では、3Dプレイエリア16A内のz軸22に沿ったプレーヤの位置に基づいて、提示される仮想表現14のサイズが修正される。すなわち、仮想環境32内のz軸30に沿って比較的深く配置された仮想表現14Aは、仮想環境32内のz軸30に沿って浅い深さ又は層に配置された仮想表現14Bよりも大幅に小さく提示される。
【0024】
なお、
図1及び
図3に示すような3Dプレーヤエリア16Aを有する双方向ゲームシステム10の実施形態では、仮想表現14が、仮想環境32内のz軸30に沿った同様の深さに位置する仮想オブジェクトとしか相互作用することができない。例えば、
図3に示す実施形態では、仮想表現14Aは、仮想環境32内のz軸30に沿って深く配置された仮想オブジェクト92と相互作用することができ、仮想表現14Bは、仮想環境32内のz軸30に沿った比較的浅い深さに配置された別の仮想オブジェクト94と相互作用することができる。すなわち、モデル80A及び82Aによって表されるプレーヤが3Dプレイエリア16A内のz軸22に沿った位置を変更することによって、仮想環境32内の仮想表現14Aが仮想オブジェクト94と同様の深度に移動しない限り、仮想表現14Aは仮想オブジェクト94と相互作用することができない。
【0025】
比較のために、
図4は、2Dプレイエリア16B内のプレーヤを表す骨格モデル80(例えば、骨格モデル80A及び80B)及び影モデル82(例えば、影モデル82A及び82B)の例を示す図である。
図4には、ディスプレイ装置24上に提示されたプレーヤの仮想表現14(例えば、仮想表現14A及び14B)も示す。上述したように、プレーヤが2Dプレイエリア16B内で動くと、一次コントローラ34がこれらの動きを追跡し、各プレーヤの骨格モデル80、影モデル82及び仮想表現14を適宜に更新する。上述したように、
図2及び
図4に示す2Dプレイエリア16Bを有する双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、z軸(例えば、
図1及び
図3に示すz軸22)に沿ったプレーヤの動きを追跡しない。代わりに、2Dプレイエリア16Bを有する実施形態では、ゲームプレイ内及び/又はゲームプレイ外のプレーヤの状態又は条件に基づいて、提示される仮想表現14のサイズを修正することができる。例えば、
図4では、仮想表現14Aの方が仮想表現14Bよりも大幅に大きい。いくつかの実施形態では、ゲームプレイの現在又は以前のラウンド中に仮想表現14Aがパワーアップを取得したことなどの、仮想表現14A又は14Bが特定のアイテムと相互作用したことに応答して、仮想表現14A及び14Bのサイズを強化又は誇張することができる。後述するように、他の実施形態では、仮想表現14Aの誇張されたサイズ、及び仮想表現の他の修正(例えば、テクスチャ、色、透明度、仮想表現が装着又は携帯しているアイテム)を、対応するプレーヤが双方向ビデオゲームシステム10の外部の物体又はアイテムと相互作用した結果とすることができる。
【0026】
現在では、
図2及び
図4に示すような2Dプレイエリア16Bを利用する双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、
図1に示すような3Dプレイエリア16Aを利用する双方向ビデオゲームシステム10の実施形態に勝る特定の利点を可能にすると認識されている。例えば、上述したように、
図2に示すような2Dプレイエリア16Bを有する双方向ビデオゲームシステム10内の感知ユニット38のアレイ36は、
図1に示すような3Dプレイエリア16Aを有する双方向ビデオゲームシステム10よりも少ない感知ユニット38を含む。すなわち、
図2及び
図4に示すような2Dプレイエリア16Bを有する双方向ビデオゲームシステム10では深度(例えば、
図1に示すようなz軸22に沿った位置及び動き)が追跡されない。また、プレーヤ12A及び12Bが2Dプレイエリア16Bのそれぞれの割り当て区域70A及び70B内に留まるので、オクルージョンの可能性が大幅に低下する。例えば、2Dプレイエリア16Bの割り当て区域70内にプレーヤを留めることにより、プレーヤ間のオクルージョンはx軸18のみに沿って発生すると予測される。従って、2Dプレイエリア16Bを使用することにより、
図2に示す双方向ビデオゲームシステム10の実施形態は、
図1の双方向ビデオゲームシステム10の実施形態と比べて、プレーヤ12を追跡するための感知ユニット38の数が少ない小型アレイ36の使用を可能にする。
【0027】
従って、2Dプレイエリア16Bを有する双方向ビデオゲームシステム10の実施形態で使用される感知ユニット38の小型アレイ36が生成する処理対象のデータも、3Dプレイエリア16Aを有する実施形態よりも大幅に少ないと認識される。例えば、
図2及び
図4の2Dプレイエリア16Bでは、プレーヤ12間のオクルージョンが大幅に制限されるとともに予測可能であるため、アレイ36内で少ない数の感知ユニット38を使用しながらプレイエリア16の周囲の潜在的な有利な視点のかなりの部分をカバーすることができる。従って、2Dプレイエリア16Bを有する双方向ゲームシステム10の実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、3Dプレイエリア16Aを有する双方向ゲームシステム10の実施形態の一次コントローラ34の処理回路35に比べて小型、単純、及び/又はエネルギー効率の高いものになり得る。
【0028】
上述したように、双方向ビデオゲームシステム10は、プレーヤ12の様々なモデルを生成することができる。具体的に言えば、いくつかの実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、アレイ36の様々な感知ユニット38から部分的モデルデータ(partial model data)(例えば、部分的体積モデル、影モデル及び/又は骨格モデル)を受け取って、これらの部分的モデルを各プレーヤ12の完全なモデル(例えば、完全な体積モデル、影モデル及び/又は骨格モデル)に融合するように構成される。以下では、一次コントローラ34の処理回路35がアレイ36の様々な感知ユニット38から受け取られた部分的骨格モデルを融合する例を示す。いくつかの実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、同様のプロセスを使用して部分的影モデルデータを影モデルに融合し、及び/又は部分的体積モデルデータを融合することができると理解することができる。
【0029】
ある例では、部分的骨格モデルが、双方向ビデオゲームシステム10の各感知ユニット38によって生成された後に一次コントローラ34の処理回路35によって融合される。具体的に言えば、処理回路35は、プレイエリア16に対して異なる角度で(例えば、両側に、垂直に)配置された異なる感知ユニット38によって生成された各部分的骨格モデルにおける各プレーヤ12の対応する骨を1対1でマッピングすることができる。いくつかの実施形態では、仮想表現14を滑らかにしてぎくしゃくした動きを防ぐように、異なる感知ユニット38によって生成された部分的骨格モデル間の比較的わずかな差分を処理回路35による融合時に平均化することができる。また、特定の感知ユニットによって生成された部分的骨格モデルが、少なくとも2つの他の感知ユニットによって生成された部分的骨格モデルと大幅に異なる場合、一次コントローラ34の処理回路35は、データに誤りがあり、従ってこのデータを骨格モデル80に含めないと判断することができる。例えば、他の部分的骨格モデルに存在する骨が特定の部分的骨格モデルに欠けている場合、処理回路35は、欠けている骨がオクルージョンの結果である可能性が高いと判断し、これに応じて部分的骨格モデルの全部又は一部を廃棄することができる。
【0030】
なお、仮想環境32内の仮想表現14の滑らかで迅速な動きをもたらすには、双方向ゲームシステム10のコンポーネントの正確な協調が望ましい。具体的に言えば、処理回路35は、感知ユニット38によって生成された部分的モデル(例えば、部分的骨格モデル、体積モデル及び/又は影モデル)を正しく融合するために、各部分的モデルが感知ユニット38によって生成された時点を考慮することができる。いくつかの実施形態では、双方向ビデオゲームシステム10が、システム10内の動作を同期させるために使用される、
図1及び
図2に示すようなシステムクロック100を含むことができる。例えば、システムクロック100は、双方向ビデオゲームシステム10のネットワーク48を介して一斉送信される時間信号を生成することができる、一次コントローラ34又は別の好適な電子装置のコンポーネントとすることができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク48に結合された様々な装置が、特定の時点(例えば、ゲームプレイの開始時)にそれぞれのクロックを調整するための時間信号を受け取って使用し、その後に一次コントローラ34にゲームプレイデータを提供する際に、これらのそれぞれのクロックからの信号に基づくタイミングデータを含めることができる。他の実施形態では、ネットワーク48に結合された様々な装置が、ゲームプレイを全体を通じてシステムクロック100からの時間信号を継続的に(例えば、規則的なマイクロ秒間隔で)受け取り、その後に一次コントローラ34にデータ(例えば、体積走査データ、部分的モデルデータ)を提供する際に、この時間信号からのタイミングデータを含める。また、一次コントローラ34の処理回路35は、センサユニット38によって生成された部分的モデル(例えば、部分的体積モデル、影モデル又は骨格モデル)が完全なモデルの生成又は更新に使用できるほど十分に新鮮なもの(例えば、最新のもの、他のデータと同時期のもの)であるかどうか、或いはデータを古いものとして廃棄すべきであるかどうかを判定することができる。従って、いくつかの実施形態では、システムクロック100が、様々な感知ユニット38によって生成された部分的モデルを処理回路35がプレーヤ12の好適な体積モデル、影モデル及び/又は骨格モデルに正しく融合することを可能にする。
【0031】
図5は、本発明の技術による、双方向ゲームシステム10を動作させるプロセス110の実施形態を示すフロー図である。他の実施形態では、図示のプロセス110のいくつかのステップを本発明の開示に従って異なる順序で実行し、複数回繰り返し、又は完全にスキップすることもできると理解することができる。
図5に示すプロセス110は、一次コントローラ34の処理回路35が単独で実行することも、或いはシステム10の他の好適な処理回路(例えば、処理回路46、52及び/又は58)と組み合わせて実行することもできる。
【0032】
図示のプロセス110の実施形態は、双方向ゲームシステム10が各プレーヤの体積走査データを収集すること(ブロック112)から開始する。
図1~
図4に示すようないくつかの実施形態では、プレイエリア16の周囲に位置する感知ユニット38がプレーヤ12を走査又は撮像することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ゲームプレイの開始前に、アレイ36の感知ユニット38が各プレーヤに関する体積走査データを収集している間にプレーヤ12に特定のポーズを取るように促すことができる。他の実施形態では、プレーヤ12がプレイエリア16に入る前に独立したシステムがプレーヤ12を体積的に走査することができる。例えば、一連の待機中のプレーヤを、各プレーヤを(例えば、特定のポーズを取っている間に)個別に体積的に走査する(例えば、空港のセキュリティスキャナと同様の)事前走査システムに通して、各プレーヤの体積走査データを収集することができる。いくつかの実施形態では、事前走査システムを、感知ユニット38のアレイ36が個々のプレーヤの近傍に位置して体積走査データを収集する、
図1に示すような3Dプレイエリア16A又は
図2の2Dプレイエリア16Bの小型版とすることができる。他の実施形態では、事前走査システムが、個々のプレーヤの周囲に位置する少ない数(例えば、1つ、2つ、3つ)の感知ユニット38を含むことができ、これらの感知ユニット38がプレーヤの周囲を回転して完全な体積走査データを収集する。現在では、双方向ゲームシステム10の効率を高めてプレーヤの待機時間を減少させるように、プレーヤ12がプレイエリア16内に存在している間にブロック112に示す体積走査データを収集することが望ましいと認識されている。
【0033】
次に、双方向ビデオゲームシステム10は、収集された各プレーヤの体積走査データに基づいて、各プレーヤの対応するモデルを生成する(ブロック114)。上述したように、いくつかの実施形態では、一次コントローラの処理回路35が、アレイ36の各感知ユニット38から各プレーヤの部分的モデルを受け取り、これらの部分的モデルを好適に融合して各プレーヤの好適なモデルを生成することができる。例えば、一次コントローラ34の処理回路35は、各プレーヤの2D又は3D形状を大まかに定める各プレーヤの体積モデルを生成することができる。これに加えて、又はこれとは別に、一次コントローラ34の処理回路35は、各プレーヤのテクスチャレスな3D形状を大まかに定める各プレーヤの影モデルを生成することもできる。さらに、処理回路35は、プレイエリア内の各プレーヤの予測される骨格の位置(positions)及び場所(locations)を大まかに定める骨格モデルを生成することもできる。
【0034】
プロセス例110を継続すると、次に、双方向ビデオゲームシステム10は、収集された各プレーヤの走査データ及び/又は生成された各プレーヤの1又は2以上のモデルに少なくとも部分的に基づいて、各プレーヤの対応する仮想表現を生成する(ブロック116)。例えば、いくつかの実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、プレーヤの仮想表現を生成する基礎として、ブロック114において生成された影モデルを使用することができる。いくつかの実施形態では、仮想表現14が、
図3及び
図4に示すような対応するプレーヤの影モデルと実質的に同様の形状又は輪郭を有することができると理解することができる。仮想表現14は、形状に加えて、表現されるプレーヤの特性に対応するように修正できる他の特性を有することもできる。例えば、プレーヤは、他のゲームシステムにおける成績、ギフトショップでの購入、及びロイヤリティプログラムへの加入などを反映する様々な特性(例えば、アイテム、状態、得点、統計値)に関連することができる。従って、対応するプレーヤに関連する様々な特性に応じて仮想表現の特性(例えば、サイズ、色、テクスチャ、アニメーション、仮想アイテムの存在)を設定し、ゲームプレイ中のプレーヤの特性の変更に基づいてこれを修正することができる。
【0035】
なお、いくつかの実施形態では、プレーヤ12の仮想表現14が、生成された体積モデル又は影モデルに実質的に類似する外見又は形状を有していないこともできる。例えば、いくつかの実施形態では、双方向ビデオゲームシステム10が、架空キャラクタに基づく仮想表現の予め生成されたライブラリ(例えば、アバター)を含み、又はこのようなライブラリに通信可能に結合することができ、システムが、プレーヤの生成された体積モデル又は影モデルに大まかに基づいて特定の仮想表現を選択し、或いは特定の選択可能な仮想表現をプレーヤに推奨することができる。例えば、ゲームが大柄なヒーローと小柄な相棒とを含む場合、双方向ビデオゲームシステム10は、予め生成されたライブラリから、大人のプレーヤのための比較的大柄なヒーローの仮想表現と、子供のプレーヤのための比較的小柄な相棒の仮想表現とを選択又は推奨することができる。
【0036】
次に、プロセス110では、双方向ビデオゲームシステム10が、仮想環境32内の各プレーヤの対応する仮想表現14をディスプレイ装置24上に提示する(ブロック118)。いくつかの実施形態では、ブロック118の動作が、提示することに加えて、ゲームプレイの開始前にプレイエリア16内のプレーヤ12にウェルカムメッセージ又は配向/操作情報などの他の導入プレゼンテーションを示すことを含むこともできる。さらに、いくつかの実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、プレイエリア16内の環境のパラメータを設定又は修正するための好適な信号を供給することもできる。例えば、これらの修正は、家のライトの明るさ及び/又は色の調整、ゲーム音楽又はゲーム効果音の再生、プレイエリアの温度の調整、及びプレイエリア内の物理的効果の作動などを含むことができる。
【0037】
ゲームプレイが開始すると、ブロック116で生成されてブロック118で提示された仮想表現14が、本明細書で
図3及び
図4に関して説明したように互いに及び/又は仮想環境32内の仮想オブジェクト(例えば、仮想オブジェクト92及び94)と相互作用することができる。ゲームプレイ中、一般に双方向ビデオゲームシステム10は、プレイエリア16内の各プレーヤ12のゲーム内動作と、これらのゲーム内動作の対応するゲーム内効果とを決定する(ブロック120)。また、一般に双方向ビデオゲームシステム10は、ブロック120において決定されたプレイエリア16内のプレーヤ12のゲーム内動作と対応するゲーム内効果とに基づいて、プレーヤ12の対応する仮想表現14及び/又は仮想環境32を更新する(ブロック122)。矢印124によって示すように、双方向ビデオゲームシステム10は、例えばプレーヤ12のうちの1人がゲームプレイのラウンドに勝利するか、或いは割り当てられたゲームプレイ時間が終了することによってゲームプレイが完了するまで、ブロック122及び122に示すステップを繰り返すことができる。
【0038】
図6は、双方向ビデオゲームシステム10が
図5のブロック120及び122に示す動作を実行するさらに詳細なプロセス130の実施形態例を示すフロー図である。すなわち、
図6に示すプロセス130は、括弧120によって示すような、プレイエリア内の各プレーヤのゲーム内動作とこれらのゲーム内動作の対応するゲーム内効果とを決定するための複数のステップ、並びに各プレーヤの対応する仮想表現及び/又は仮想環境を更新するための複数のステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセス130において説明する動作を、一次コントローラ34のメモリ回路33などの好適なメモリに命令として符号化し、双方向ビデオゲームシステム10の一次コントローラ34の処理回路35などの好適なプロセッサによって実行することができる。なお、図示のプロセス130はほんの一例として示すものであり、他の実施形態では、説明するいくつかの動作を異なる順序で実行し、繰り返し、又は完全にスキップすることもできる。
【0039】
図6のプロセス130は、処理回路35がプレイエリア内の複数のセンサユニットから部分的モデルを受け取ること(ブロック132)から開始する。本明細書で
図1及び
図2に関して説明したように、双方向ビデオゲームシステム10は、プレイエリア16の周囲の異なる位置に配置された感知ユニット38のアレイ36を含み、これらの感知ユニット38の各々は、プレーヤ12の少なくとも一部を表す1又は2以上の部分的モデル(例えば、部分的体積モデル、影モデル及び/又は骨格モデル)を生成するように構成される。また、上述したように、処理回路35は、プレイエリア16内に配置されたプレーヤ16の動作に関するデータを他の装置(例えば、RFスキャナ45、入力装置76)から受け取ることもできる。さらに、上述したように、これらの部分的モデルには、クロック100からの信号に基づいてタイムスタンプを与え、高速IPネットワーク48を介して一次コントローラ34の処理回路35に提供することができる。
【0040】
図示のプロセス130の実施形態では、処理回路35が、感知ユニット38からの部分的モデルを受け取った後に、受け取った部分的モデルに基づいてこれらの部分的モデルを融合して各プレーヤの更新されたモデル(例えば、体積モデル、影モデル及び/又は骨格モデル)を生成する(ブロック134)。例えば、処理回路35は、
図5のプロセス110のブロック114において生成された初期骨格モデルなどの以前に生成されたモデルを更新することができる。また、上述したように、処理回路35は、部分的モデルを組み合わせる際に、潜在的オクルージョン又はネットワーク遅延にもかかわらずにプレーヤを追跡する際の精度を高めるように、整合しない又は遅延のあるデータをフィルタ処理又は除去することができる。
【0041】
次に、図示のプロセス130では、処理回路35が、ブロック134において生成された最新のプレーヤモデルに少なくとも部分的に基づいて、各プレーヤ12の対応する仮想表現14の1又は2以上のゲーム内動作を識別する(ブロック136)。例えば、ゲーム内動作は、仮想環境32内の仮想表現14がジャンプすること、走ること、滑ること、又は別の動きを含むことができる。ゲーム内動作は、仮想環境32内の仮想オブジェクトなどのアイテムと相互作用すること(例えば、アイテムを動かすこと、取得すること、失うこと、消費すること)を含むこともできる。ゲーム内動作は、目標を達成すること、別のプレーヤを倒すこと、ラウンドに勝利すること、又は他の同様のゲーム内動作を含むこともできる。
【0042】
次に、処理回路35は、各プレーヤ12の識別されたゲーム内動作に応答して引き起こされる1又は2以上のゲーム内効果を決定することができる(ブロック138)。例えば、決定されたゲーム内動作がプレーヤの動きである場合、ゲーム内効果は、仮想環境内の対応する仮想表現の対応する位置の変化とすることができる。決定されたゲーム内動作がジャンプである場合、ゲーム内効果は、
図1~
図4に示すようなy軸20に沿って仮想表現を動かすことを含むことができる。決定されたゲーム内動作が特定のパワーアップアイテムを作動させることである場合、ゲーム内効果は、プレーヤ12に関連する状態(例えば、健康状態、能力状態)を修正することを含むことができる。また、場合によっては、仮想表現14の動きをプレーヤ12の実際の動きに対して強調又は拡張する(augmented)こともできる。例えば、仮想表現の外見の修正に関して上述したように、ゲームプレイ中に獲得したアイテム、他のゲームプレイセッション中に獲得したアイテム、及びギフトショップで購入したアイテムなどを含むプレーヤに関連する特性に基づいて、プレーヤの仮想表現の動きをプレーヤの実際の動きに対して一時的に又は恒久的に誇張(例えば、高くジャンプできるように、遠くにジャンプできるように)することができる。
【0043】
次に、図示のプロセス130では、括弧122によって示すように、一般に処理回路35が、各プレーヤのゲーム内動作及び対応するゲーム内効果に基づいてプレイエリア16内のプレーヤへの提示を更新する。具体的に言えば、処理回路35は、ブロック134において生成された最新の各プレーヤのモデル(例えば、影モデル及び骨格モデル)、ブロック136において識別されたゲーム内動作、及び/又はブロック138で決定されたゲーム内効果に基づいて、各プレーヤ12の対応する仮想表現14及び仮想環境32を更新してゲームプレイを進める(ブロック140)。例えば、
図1及び
図2に示す実施形態では、処理回路35が、ディスプレイ装置24上に提示された仮想表現14及び仮想環境32を出力コントローラ56の処理回路58が更新するように、出力コントローラ56に好適な信号を供給することができる。
【0044】
また、処理回路35は、決定されたゲーム内効果に少なくとも部分的に基づいて、プレイエリア16内の1又は2以上の音(ブロック142)及び/又は1又は2以上の物理的効果(ブロック144)を生成するための好適な信号を供給することもできる。例えば、ゲーム内効果が、プレーヤの特定の仮想表現が仮想プールに突っ込むことであると決定された場合、一次コントローラ34は、スピーカ62に好適な飛沫音を発生させる信号、及び/又は物理的効果装置78に一陣のミストを発生させる信号を出力コントローラ56に送信させることができる。また、例えばパワーアップの獲得、パワーアップの消失、ポイントの計上、又は特定のタイプの環境を通じた移動を含むあらゆる数のゲーム内効果に応答して音及び/又は物理的効果を発生させることもできる。
図5に関して上述したように、
図6のプロセス130は、ゲームプレイが完了するまで矢印124によって示すように繰り返すことができる。
【0045】
さらに、双方向ビデオゲームシステム10は、体積センサ38のアレイ36によって収集された体積走査データを使用して他の機能を可能にすることもできる。例えば、上述したように、いくつかの実施形態では、一次コントローラ34の処理回路35が、各プレーヤのテクスチャ及び形状の両方を含む体積モデルを生成することができる。ゲームプレイの最後に、一次コントローラ34の処理回路35は、プレーヤのモデルを使用して仮想環境32の一部におけるプレーヤの2D又は3D肖像を表現した模擬画像(simulated images)を生成し、これらをゲームプレイ体験の記念品としてプレーヤ12に提供(例えば、印刷、電子的に転送)することができる。例えば、この画像は、プレーヤの体積モデルが仮想環境32からのシーン内でゴールラインを横切っている様子を示す模擬画像の印刷物を含むことができる。
【0046】
本方法の技術的効果は、複数の(例えば、2人又は3人以上の、4人又は5人以上の)プレーヤが物理的プレイエリア(例えば、2D又は3Dプレイエリア)内で動作を実行して、プレイエリアの近傍のディスプレイ装置上に提示された仮想環境内の対応する仮想表現を制御することを可能にする双方向ビデオゲームシステムを含む。開示するシステムは、体積走査データを収集して、各プレーヤの体積モデル、影モデル及び/又は骨格モデルなどの様々なモデルを生成するように構成された、複数のセンサ及び好適な処理回路を含む。システムは、生成されたプレーヤモデルに少なくとも部分的に基づいて各プレーヤの仮想表現を生成する。また、この双方向ビデオゲームシステムは、プレーヤに関連するポイント、購入、パワーアップなどの様々な特性に基づいて、仮想表現のサイズ、テクスチャ及び/又は色などの特性を設定又は修正することもできる。
【0047】
本明細書では、本技術のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正及び変更を含むものであると理解されたい。また、本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。