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  • 特許-フラッシュポンプ及び油圧システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】フラッシュポンプ及び油圧システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/02 20060101AFI20230208BHJP
   F04B 23/02 20060101ALI20230208BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
F15B11/02 D
F04B23/02 E
B61D37/00 H
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020554126
(86)(22)【出願日】2019-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2019025279
(87)【国際公開番号】W WO2019195209
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】62/651,393
(32)【優先日】2018-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ファン ウェイク,ルドルフ ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】クーイ,ユーウェ ディルク
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202004013186(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/02
F04B 23/02
B61D 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポンプ方向での動作と、前記第1のポンプ方向と反対の第2のポンプ方向での動作との間で切り替え可能であるように構成された油圧ポンプと、
油圧流を電力に変換するように、前記油圧ポンプに動作可能に接続された油圧モータであって、モータ入口流路及びモータ出口流路を有する、前記油圧モータと、
前記油圧ポンプ及び前記油圧モータと流体連通して配置された油圧ブロックであって、前記油圧ポンプが、前記第1のポンプ方向で動作しているか、または前記第2のポンプ方向で動作しているかに関係なく、前記油圧ブロックを出て前記油圧モータに向かう作動油の流れが、前記モータ入口流路を通って導かれるように構成された、前記油圧ブロックと、
を備える、発電システム。
【請求項2】
前記油圧ブロックが、前記油圧ブロックを通る作動油の流れを導くように、複数の油圧流路と相互に接続された複数の逆止弁を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記油圧ブロックが圧力調整器を含む、請求項2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記油圧モータに動作可能に接続されており、前記油圧モータによって駆動されるプライミングポンプを更に備える、請求項1に記載の発電システム。
【請求項5】
前記プライミングポンプは、前記発電システム内の選択された作動油圧力を維持するように、作動油リザーバと流体連通している、請求項4に記載の発電システム。
【請求項6】
前記プライミングポンプが、前記油圧モータによって一方向にのみ駆動される、請求項4に記載の発電システム。
【請求項7】
前記油圧モータが、1つまたは複数のバッテリを充電するように、前記1つまたは複数のバッテリに動作可能に接続される、請求項1に記載の発電システム。
【請求項8】
貨物コンテナと、
前記貨物コンテナの内部を調整するように、前記貨物コンテナに動作可能に接続された冷却ユニットと、
前記冷却ユニットに電力を供給するように、前記冷却ユニットに動作可能に接続された発電システムであって、前記発電システムは、
第1のポンプ方向での動作と、前記第1のポンプ方向と反対の第2のポンプ方向での動作との間で切り替え可能であるように構成された油圧ポンプと、
油圧流を電力に変換するように、前記油圧ポンプに動作可能に接続された油圧モータであって、モータ入口流路及びモータ出口流路を有する、前記油圧モータと、
前記油圧ポンプ及び前記油圧モータと流体連通して配置された油圧ブロックであって、前記油圧ポンプが、前記第1のポンプ方向で動作しているか、または前記第2のポンプ方向で動作しているかに関係なく、前記油圧ブロックを出て前記油圧モータに向かう作動油の流れが、前記モータ入口流路を通って導かれるように構成された、前記油圧ブロックと、
を有した前記発電システムと、
を備える、輸送用冷却システム。
【請求項9】
前記油圧ブロックが、前記油圧ブロックを通る作動油の流れを導くように、複数の油圧流路と相互に接続された複数の逆止弁を含む、請求項8に記載の輸送用冷却システム。
【請求項10】
前記油圧ブロックが圧力調整器を含む、請求項9に記載の輸送用冷却システム。
【請求項11】
前記油圧モータに動作可能に接続されており、前記油圧モータによって駆動されるプライミングポンプを更に備える、請求項8に記載の輸送用冷却システム。
【請求項12】
前記プライミングポンプは、前記発電システム内の選択された作動油圧力を維持するように、作動油リザーバと流体連通している、請求項11に記載の輸送用冷却システム。
【請求項13】
前記プライミングポンプが、前記油圧モータによって一方向にのみ駆動される、請求項11に記載の輸送用冷却システム。
【請求項14】
前記油圧モータが、1つまたは複数のバッテリを充電するように、前記1つまたは複数のバッテリに動作可能に接続される、請求項8に記載の輸送用冷却システム。
【請求項15】
前記1つまたは複数のバッテリが、前記冷却ユニットに電力を供給するように、前記冷却ユニットに動作可能に接続される、請求項14に記載の輸送用冷却システム。
【請求項16】
前記油圧ポンプが、車両車輪の回転によって駆動される、請求項8に記載の輸送用冷却システム。
【請求項17】
前記車両車輪が、鉄道車両車輪である、請求項16に記載の輸送用冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例示的な実施形態は、輸送用冷却システムの技術に関し、より詳細には、輸送用冷却システムのための発電に利用される油圧システムに関する。
【0002】
トラックで利用されるような輸送用冷却システムは、一般的には、車両駆動エンジンとは別のディーゼル式エンジンによって駆動される冷却ユニットである。他の輸送用冷却システムでは、冷却ユニットは油圧ポンプによって駆動され、この油圧ポンプは車両駆動エンジンに結合されたトラックのパワーテイクオフモータに接続されている。油圧システムは、冷却ユニットがそれ自体のディーゼルエンジンを使用することを全く必要とせずに、冷却ユニットに電力を供給する発電機を駆動する。油圧システムに組み込まれているのは、発電機が安定して同じ回転数で動作することを保証する制御ユニットである。それによって、車両が交通量の多い場所でアイドリングしている時でも一定の出力が維持されるので、運転者が、十分な冷却力を供給するために、トラックのエンジンの回転を上げる必要は一切ない。
【0003】
こうしたシステムを鉄道用途で使用することが提案されており、油圧ポンプは鉄道車両の車輪の回転によって駆動される。このような鉄道用途とトラック用途との大きな違いの1つは、トラック用途では、車両駆動エンジンの回転方向が1つだけであるため、油圧ポンプの回転が常に同じ方向になることである。その一方で、鉄道用途では、油圧ポンプは、鉄道車両の鉄道車輪の回転方向に応じて、2つの方向に動作することになる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、発電システムは、第1のポンプ方向での動作と、第1のポンプ方向と反対の第2のポンプ方向での動作との間で切り替え可能であるように構成された油圧ポンプと、油圧流を電力に変換するように、油圧ポンプに動作可能に接続された油圧モータとを含む。油圧モータは、モータ入口流路及びモータ出口流路を有する。油圧ブロックは、油圧ポンプ及び油圧モータと流体連通して設置されている。油圧ブロックは、油圧ポンプが、第1のポンプ方向で動作しているか、または第2のポンプ方向で動作しているかに関係なく、油圧ブロックを出て油圧モータに向かう作動油の流れが、モータ入口流路を通って導かれるように構成されている。
【0005】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、油圧ブロックは、油圧ブロックを通る作動油の流れを導くように、複数の油圧流路と相互に接続された複数の逆止弁を含む。
【0006】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、油圧ブロックは圧力調整器を含む。
【0007】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、プライミングポンプは、油圧モータに動作可能に接続されており、油圧モータによって駆動される。
【0008】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、プライミングポンプは、発電システム内の選択された作動油圧力を維持するように、作動油リザーバと流体連通している。
【0009】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、プライミングポンプは、油圧モータによって一方向にのみ駆動される。
【0010】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、油圧モータは、1つまたは複数のバッテリを充電するように、1つまたは複数のバッテリに動作可能に接続されている。
【0011】
別の実施形態では、輸送用冷却システムは、貨物コンテナと、貨物コンテナの内部を調整するように、貨物コンテナに動作可能に接続された冷却ユニットと、冷却ユニットに電力を供給するように、冷却ユニットに動作可能に接続された発電システムとを含む。発電システムは、第1のポンプ方向での動作と、第1のポンプ方向と反対の第2のポンプ方向での動作との間で切り替え可能であるように構成された油圧ポンプと、油圧流を電力に変換するように、油圧ポンプに動作可能に接続された油圧モータであって、モータ入口流路及びモータ出口流路を有する、油圧モータと、油圧ポンプ及び油圧モータと流体連通して設置された油圧ブロックとを含む。油圧ブロックは、油圧ポンプが、第1のポンプ方向で動作しているか、または第2のポンプ方向で動作しているかに関係なく、油圧ブロックを出て油圧モータに向かう作動油の流れが、モータ入口流路を通って導かれるように構成されている。
【0012】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、油圧ブロックは、油圧ブロックを通る作動油の流れを導くように、複数の油圧流路と相互に接続された複数の逆止弁を含む。
【0013】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、油圧ブロックは圧力調整器を含む。
【0014】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、プライミングポンプは、油圧モータに動作可能に接続されており、油圧モータによって駆動される。
【0015】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、プライミングポンプは、発電システム内の選択された作動油圧力を維持するように、作動油リザーバと流体連通している。
【0016】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、プライミングポンプは、油圧モータによって一方向にのみ駆動される。
【0017】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、油圧モータは、1つおよび複数のバッテリを充電するように、1つおよび複数のバッテリに動作可能に接続されている。
【0018】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、1つおよび複数のバッテリは、冷却ユニットに電力を供給するように、冷却ユニットに動作可能に接続されている。
【0019】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、油圧ポンプは、車両車輪の回転によって駆動される。
【0020】
追加または代替として、この実施形態または他の実施形態では、車両車輪は、鉄道車両車輪である。
【0021】
以下の説明は、何らかの形で限定するものであると見なすべきではない。添付の図面に関し、同様の要素には同様の番号が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】1つまたは複数の冷却貨物コンテナを含む鉄道車両の実施形態の概略図である。
図2】1つまたは複数の冷却貨物コンテナ用の発電システムの概略図である。
図3】発電システム用の油圧システムの実施形態の概略図である。
図4】発電システム用の油圧システムの実施形態の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
開示される装置及び方法の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明が、図面に関連して、限定ではなく例証として本明細書に提示される。
【0024】
図1を参照すると、鉄道車両10の実施形態が示されている。鉄道車両10は、車台12を含み、この車台12は、車台12に回転可能に接続され、レールと相互に作用する複数の車輪14を介してレール(図示せず)に沿って移動可能である。車台12には、鉄道車両10によって輸送されることになる1つまたは複数の冷却貨物コンテナ16が設置されている。冷却貨物コンテナ16は、冷却貨物コンテナ16の内部の貨物を選択された温度に維持するように構成された冷却ユニット18を含む。冷却ユニット18は、電力によって駆動される。それぞれが冷却ユニット18を有する4つの冷却貨物コンテナ16を図1に示すが、1台、2台、3台、5台、またはそれ以上の台数の冷却貨物コンテナ16など、他の数量の冷却貨物コンテナ16を鉄道車両10に設置してもよいことが理解されるべきである。
【0025】
次に図2を参照すると、発電システム20の概略図が示されている。発電システム20は、冷凍ユニット18に対する電力を発生させて、冷凍ユニット18に電力を供給するように、鉄道車両10に搭載されている。発電システム20は、発電システム20を通る作動油の流れを駆動するように構成された油圧ポンプ22を含む。油圧ポンプ22は、鉄道車両10がレールに沿って移動するときの車輪14の回転により、油圧ポンプ22の動作が駆動されるように、鉄道車両10の車輪14に取り付けられている。発電機を含む油圧モータ24が、油圧配管26を介して油圧ポンプ22に動作可能に接続されており、油圧モータ24にて電力を発生させるように、作動油の流れにより、油圧モータ24の回転子を固定子に対して回転させる。油圧モータ24は、発電機を介してインバータ28に接続され、バッテリ入力ライン32を介して1つまたは複数のバッテリ30に接続されており、したがって、油圧モータ24で発生した電力がバッテリ30の充電に利用される。バッテリ出力ライン34は、バッテリ30からバッテリ出力ライン38によって1つまたは複数の出力インバータ36を通して電力を導き、1つまたは複数のプラグ40に送り出す。1つまたは複数のプラグ40、または他のコネクタは、冷却ユニット18の動作に電力を供給するように、冷却貨物コンテナ16の冷却ユニット18に接続可能である。ある実施形態では、発電システム20は、バッテリ30を充電するために、44に概略的に示す電気グリッドに任意選択的に発電システム20を接続する電気グリッドライン42を含む。
【0026】
発電システム20は、プライミングポンプ46を利用して、発電システム20の油圧構成要素内の作動油圧力を、例えば10バール(bar)以上の範囲に維持する。プライミングポンプ46は、油圧モータ24に動作可能に接続されており、油圧モータ24の回転子の回転によって駆動されて、選択された作動油圧力を維持する。
【0027】
上記のような用途では、油圧ポンプ22は双方向ポンプであり、したがって、油圧ポンプ22は、油圧ポンプ22が接続されている車輪14の回転方向に関係なく、発電システム20中に作動油を圧送する。そのような動作により、次に、車輪14の回転方向に応じて、油圧モータ24が、2つの方向のいずれかの方向に回転駆動される。しかし、そのような2方向の回転は、キャビテーションなどのプライミングポンプ46の動作上の問題を招くことになる。
【0028】
このようなプライミングポンプ46での動作上の問題を防止するために、発電システム20は、油圧ポンプ22と油圧モータ24との間の作動油経路に沿って設置された油圧ブロック48を含む。図2の実施形態では、油圧ブロック48は油圧ポンプ22に設置されているが、他の実施形態では、油圧ブロック48は、例えば、油圧配管26に沿って設置してもよく、または油圧モータ24に設置してもよいことが理解されるべきである。油圧ブロック48は、車輪14の回転方向または油圧ポンプ22の回転方向にかかわらず、油圧モータ24の回転子が常に同じ方向に回転するように、油圧モータ24に流入する作動油の流れの方向を管理するように構成されている。結果として、プライミングポンプ46は油圧モータ24の回転によって駆動されるので、プライミングポンプ46は常に同じ方向に回転することになり、したがってプライミングポンプの動作上の問題を防止する。
【0029】
油圧ブロック48の構造及び機能については、図3の発電システム20の油圧構造の概略図を参照して、更に後述する。上記のように、油圧ブロック48は、油圧ポンプ22と油圧モータ24との間に設置されている。油圧ブロックは、油圧流路52を介して相互に接続された複数の逆止弁50を含み、更に、1つまたは複数の圧力調整器54及び/または電気的オン/オフ弁80を含む場合がある。油圧ブロック48は、第1のポンプライン56及び第2のポンプライン58を介して油圧ポンプ22に接続されており、車輪14の回転方向に応じて、第1のポンプライン56または第2のポンプライン58のいずれか一方がポンプ出力ラインとして機能することができ、他方は、作動油が発電システム20を通して循環するときにポンプ入力ラインとして機能する。逆止弁50、圧力調整器54、及び弁80は、車輪14の回転方向及び油圧ポンプ22の動作に関係なく、作動油が、この閉じた油圧システムにおいて、油圧ポンプ22に戻る前に、モータ入力ライン60に沿って油圧ブロック48を出て、モータ入口62で油圧モータ24に入り、モータ出口64で、モータ出口ライン66に沿って、油圧モータ24を出るように設置され、方向付けられている。したがって、油圧モータ24は常に同じ方向に回転し、それに伴ってプライミングポンプ46をその同じ方向に回転させて、流体リザーバ70から十分な作動油を引き出して選択された作動油圧力を維持するように、プライミングポンプ46の吸引ライン68に十分な吸引を提供する。
【0030】
実例として、図3では、車輪14は、作動油が、第1のポンプライン56を通って油圧ポンプ22を出て、油圧ブロック48に入るように第1の方向に回転していてもよく、その油圧ブロック48では、逆止弁50及び圧力調整器54が、作動油を、矢印72によって示される第1の流れ方向に沿って導き、モータ入口62経由で油圧モータ24に送り込む。作動油は、油圧モータ24からモータ出口64を経由して流出し、モータ出口ライン66に沿って第2のポンプライン58へ流れて、油圧ポンプ22に再び入る。
【0031】
更に、図4に示すように、車輪14は、作動油が、第2のポンプライン58を通って油圧ポンプ22を出て、油圧ブロック48に入るように、第1の方向とは反対の第2の方向に回転していてもよく、油圧ブロック48では、逆止弁50及び圧力調整器54が、作動油を、矢印74によって示される第2の流れ方向に沿って導き、モータ入口62経由で油圧モータ24に送り込む。作動油は、油圧モータ24からモータ出口64を経由して流出し、モータ出口ライン66に沿って第1のポンプライン56へ流れて、油圧ポンプ22に再び入る。
【0032】
本明細書に開示されたシステム及び構成要素は、鉄道車両の車輪の回転により、油圧駆動式発電システムを介して、冷凍ユニットが動力を供給されるようにする。更に、プライミングポンプを油圧モータに接続することにより、プライミングポンプを駆動するための独立した電気モータが不要になる。また、逆止弁及び圧力調整器を含む油圧ブロックは、車輪の回転方向と油圧ポンプを通る流れの方向とに関係なく、油圧モータの同じポートに作動油を送り込む。結果として、接続されたプライミングポンプは、車輪の回転方向と油圧ポンプを通る流れの方向とに関係なく、同じ方向に動作して、特定の条件下でのプライミングポンプのキャビテーションを防止するので、システム内の選択された作動油圧力を維持するために、プライミングポンプを利用することができる。
【0033】
「約」という用語は、出願時に利用可能な装置に基づく特定の量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図している。
【0034】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別段に明示されていない限り、複数形も同様に含むことが意図されている。本明細書で使用する場合、用語「備える(comprises)」及び/または「備えている(comprising)」は、記載された機能、整数、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが更に理解されよう。
【0035】
本開示は、例示の1つまたは複数の実施形態を参照して説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行ってもよく、均等物がその要素の代わりをする場合もあることは当業者によって理解されるであろう。更に、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況または材料を適合させるために、多くの修正を行ってもよい。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4