(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】光電部品
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20230208BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20230208BHJP
H01L 33/10 20100101ALI20230208BHJP
H01L 33/38 20100101ALI20230208BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20230208BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/08
H01L33/10
H01L33/38
H01L33/64
(21)【出願番号】P 2021027177
(22)【出願日】2021-02-24
(62)【分割の表示】P 2019091081の分割
【原出願日】2014-06-30
【審査請求日】2021-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Epistar Corporation
【住所又は居所原語表記】21,Li-hsin Rd.,Science-based Industrial Park,Hsinchu 300,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】チャオ-シン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジア-クエン ワン
(72)【発明者】
【氏名】チエン-フ シェン
(72)【発明者】
【氏名】チュン-トン コ
【審査官】大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-038212(JP,A)
【文献】特開2014-116604(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0254243(US,A1)
【文献】特開2004-006582(JP,A)
【文献】特表2007-519221(JP,A)
【文献】特開2013-258174(JP,A)
【文献】特開2011-129920(JP,A)
【文献】特表2010-541216(JP,A)
【文献】特表2010-521807(JP,A)
【文献】特表2008-523637(JP,A)
【文献】特開2008-135694(JP,A)
【文献】特開2006-216933(JP,A)
【文献】特開2004-356237(JP,A)
【文献】特開2003-110148(JP,A)
【文献】国際公開第2014/014298(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0306964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0153299(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0074441(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0294240(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101226972(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0163589(US,A1)
【文献】特許第6529223(JP,B2)
【文献】特許第6843916(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 1/00 - 99/00
F21W 102/00 -131/411
F21Y 101/00 -115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電部品であって、
基板と、
前記基板の上に位置する第一光電部品ユニットと、
前記基板の上に位置する第二光電部品ユニットと、
前記基板の上に位置する第三光電部品ユニットと、
前記基板の上に位置し、かつ、前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニットと前記第三光電部品ユニットに電気接続される第四光電部品ユニットと、
隣接する2つの前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットの間に位置する溝渠と、
互いに完全に分離し、かつ、隣接する2つの前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットの間にそれぞれ形成される複数個の導電配線構造と、
複数個の第一電極と、
複数個の第二電極と、
前記複数個の第一電極及び前記複数個の第二電極の上に位置し、かつ、前記複数個の第一電極及び前記複数個の第二電極と直接接触する第二絶縁層と、
前記第三光電部品ユニットの前記第二電極の上に形成され、前記第二絶縁層と直接接触し、かつ、前記第二絶縁層により前記第三光電部品ユニットと電気絶縁になる第一放熱マットと、
第三電極と、
第四電極と、
第五電極と、
第六電極とを含み、
前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットがそれぞれ第一半導体層、前記第一半導体層の上に積層された第二半導体層、及び前記第一半導体層と前記第二半導体層との間に位置する活性層を含み、前記第一半導体層が前記第二半導体層よりも前記基板に近く、
前記複数個の導電配線構造はそれぞれ、前記第一半導体層の上に位置する一端と、前記第二半導体層の上に位置する他端とを含み、隣接する2つの前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットに電気接続され、
前記複数個の第一電極がそれぞれ前記第一光電部品ユニットの前記第一半導体層の上、前記第二光電部品ユニットの前記第一半導体層の上、前記第三光電部品ユニットの前記第一半導体層の上、及び前記第四光電部品ユニットの前記第一半導体層の上に形成され、かつ、前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットにそれぞれ電気接続され、
前記複数個の第二電極がそれぞれ前記第一光電部品ユニットの前記第二半導体層の上、前記第二光電部品ユニットの前記第二半導体層の上、前記第三光電部品ユニットの前記第二半導体層の上、及び前記第四光電部品ユニットの前記第二半導体層の上に形成され、かつ、前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットにそれぞれ電気接続され、
前記第三電極が前記第一光電部品ユニットの前記第二半導体層を覆い、前記第二絶縁層と直接接触し、かつ、前記第一光電部品ユニットの前記第一電極に電気接続され、
前記第四電極が前記第二光電部品ユニットの前記第二半導体層を覆い、前記第二絶縁層と直接接触し、かつ、前記第二光電部品ユニットの前記第二電極に電気接続され、
前記第五電極が前記第一光電部品ユニットと前記第三光電部品ユニットの上に位置し、かつ
、前記第三電極によって
、前記第一光電部品ユニットに形成された前記第一電極に電気接続され、
前記第六電極が前記第二光電部品ユニットと前記第四光電部品ユニットの上に位置し、かつ
、前記第四電極によって
、前記第二光電部品ユニットに形成された前記第二電極に電気接続される、光電部品。
【請求項2】
前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット、及び前記第四光電部品ユニットの上に位置する第一絶縁層をさらに含み、
前記第一絶縁層及び前記第二絶縁層が前記複数個の導電配線構造の両側に位置し、
前記第一絶縁層が前記第二絶縁層よりも前記基板に近く、かつ、前記第二絶縁層の厚さが前記第一絶縁層の厚さより大きい、請求項1に記載の光電部品。
【請求項3】
前記第二絶縁層が分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector)構造を含む、請求項1に記載の光電部品。
【請求項4】
前記第四光電部品ユニットの前記第二電極の上に形成され、かつ前記第四光電部品ユニットと電気絶縁の第二放熱マットをさらに含む、請求項1に記載の光電部品。
【請求項5】
前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットがマトリックスに配列または直線に配列され、
前記マトリックスの配列が環状連結またはW形連結を含む、請求項1に記載の光電部品。
【請求項6】
前記第一光電部品ユニット及び前記第二光電部品ユニットが前記マトリックスの対角線の両端または前記マトリックスの同一側に位置する、請求項5に記載の光電部品。
【請求項7】
前記第一放熱マットが前記複数個の導電配線構造の上に位置しない、請求項1に記載の光電部品。
【請求項8】
前記第五電極が前記第一放熱マットを覆い、かつ、前記第六電極が前記第二放熱マットを覆う、請求項4に記載の光電部品。
【請求項9】
前記第一光電部品ユニット、前記第二光電部品ユニット、前記第三光電部品ユニット及び前記第四光電部品ユニットが異なる形状を有する、請求項1に記載の光電部品。
【請求項10】
光源生成装置であって、
載置体と、
前記載置体の上に位置する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の光電部品と、
前記光電部品の上に位置するレンズと、
二つの電源供給端末とを含む、光源生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光部品に関し、特に放熱マットを有する発光部品に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)の発光原理は、電子がn型半導体とp型半導体との間で移動するときのエネルギー差により、光の形でエネルギーを放出することにある。発光ダイオードの発光原理と白熱電球の発光原理とが相違していることにより、発光ダイオードを冷光源ともいう。発光ダイオードは、耐久性がよく、寿命が長く、小型軽量で、電気消耗が少ないという利点を有しているので、現在の照明分野では発光ダイオードに大きい期待を寄せ、それを次世代の照明装置とみなしている。発光ダイオードは従来の光源を代わりに使用する傾向にあり、様々な分野に応用されている。例えば、交通信号、バックライト、街路燈、医療設備などに応用されている。
【0003】
図1は、従来の発光部品の構造を示す図である。
図1に示すとおり、従来の発光部品100は、透明基板10、この透明基板10上に位置する半導体積層12と、この半導体積層12上に位置する少なくとも1つの電極14とを含む。該半導体積層12は少なくとも、上から下へに向かって設けられた第一導電型半導体層120と、活性層122と、第二導電型半導体層124となどを含む。
【0004】
前記発光部品100とほかの部品とを組み合わせることにより、発光装置(Light Emitting apparatus)を更に形成することができる。
図2は、従来の発光装置の構造を示す図である。
図2に示すとおり、発光装置200は、サブ載置板(sab mount)20と、少なくとも1つの半田(solder)22と、電気接続構造24とを含む。該サブ載置板20は、少なくとも1つの電子回路202を具備する。前記半田22は、前記サブ載置板20上に位置する。この半田22で発光部品100をサブ載置板20上に接着固定させることにより、発光部品100の基板10とサブ載置板20上の電子回路202とを電気接続させる。前記電気接続構造24は、発光部品100の電極14とサブ載置板20上の電子回路202とを電気接続させる。前記サブ載置板20がリードフレーム(lead frame)又は大きいサイズを有するマウンティング基板(mounting substrate)であることにより、発光装置200の電子回路を容易に配置し、その放熱効果を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を解決するため、本発明は以下のような光電部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光電部品は、第一側と第一側の反対側にある第二側と第一辺縁とを具備する基板と、該第一側に形成される発光ダイオードユニットと、該発光ダイオードユニットに電気接続される第一電極と、該発光ダイオードユニットに電気接続される第二電極と、第一電極と第二電極との間に形成され、かつ発光ダイオードユニットと電気絶縁状態になる放熱マットと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3A】本発明の第一実施例に係る光電部品を示す平面図である。
【
図3B】本発明の第一実施例に係る光電部品を示す側面図である。
【
図3C】本発明の第一実施例に係る光電部品を示す側面図である。
【
図4A】本発明のほかの実施例に係る光電部品ユニットの構造を示す平面図である。
【
図4B】本発明のほかの実施例に係る光電部品ユニットの構造を示す平面図である。
【
図4C】本発明のほかの実施例に係る光電部品ユニットの構造を示す平面図である。
【
図4D】本発明のほかの実施例に係る光電部品ユニットの構造を示す平面図である。
【
図4E】本発明のほかの実施例に係る光電部品ユニットの構造を示す平面図である。
【
図5A】本発明の第二実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図5B】本発明の第二実施例に係る光電部品の構造を示す側面図である。
【
図5C】本発明の第二実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図5D】本発明の第二実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図5E】本発明の第二実施例に係る光電部品の構造を示す側面図である。
【
図5F】本発明の第二実施例に係る光電部品の構造を示す側面図である。
【
図6A】本発明の第三実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図6B】本発明の第三実施例に係る光電部品の構造を示す側面図である。
【
図6C】本発明の第三実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図6D】本発明の第三実施例に係る光電部品の構造を示す側面図である。
【
図6E】本発明の第三実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図6F】本発明の第三実施例に係る光電部品の構造を示す側面図である。
【
図7A】本発明の第四実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図7B】本発明の第四実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図7C】本発明の第四実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図7D】本発明の第四実施例に係る光電部品の構造を示す平面図である。
【
図8A】本発明の発光モジュールを示す斜視図である。
【
図8B】本発明の発光モジュールを示す側面断面図である。
【
図8C】本発明の発光モジュールを示す側面断面図である。
【
図9A】本発明の光線生成装置を示す斜視図である。
【
図9B】本発明の光線生成装置を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は発光部品及びその製造方法を公開する。本発明をより詳細に説明するため、以下の実施例と
図3A~
図10とを参照しながら説明する。
【0009】
図3Aと
図3Bはそれぞれ、本発明の第一実施例に係る光電部品300を示す平面図と側面図である。光電部品300は一個の基板30を具備する。基板30は、単一な材料で構成された基板に限定されるものではなく、異なる複数の材料で構成された複合式基板であってよい。例えば、基板30は、接着させた第一基板と第二基板とを含むことができる(図示せず)。
【0010】
そして、その基板30上に、延伸状に配置される複数個のマトリックス光電部品ユニットUと、一個の第一接触光電部品ユニットU1と、一個の第二接触光電部品ユニットU2とを形成する。マトリックス光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2の製造方法は、例えば次のとおりである。
【0011】
まず、従来のエピタキシャル成長方法により、基板30上にエピタキシャル積層を形成する。このエピタキシャル積層は第一半導体層321と、活性層322と、第二半導体層323とを含む。
【0012】
次は、
図3Bに示すとおり、リソグラフィープロセス技術で一部分のエピタキシャル積層を削除することにより、成長基板上に分離状に配列される複数個の光電部品ユニットUと、一個の第一接触光電部品ユニットU1と、一個の第二接触光電部品ユニットU2とを形成するとともに、少なくとも一個の溝渠Sを形成する。この実施例において、この溝渠Sはリソグラフィープロセス技術で光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2の各第一半導体層321をエッチングして得た露光区域を含み、その露光区域を後に導電配線を形成する基礎にする。
【0013】
ほかの実施例において、部品全体の光取り出し効率を増加させるため、エピタキシャル積層を移動させるか或いは基板を貼り合わせる技術により、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2のエピタキシャル積層を基板30上に設けることができる。光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2のエピタキシャル積層は加熱又は加圧方法により基板30に直接貼り合せるか、或いは透明接着層(図示せず)により光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2のエピタキシャル積層を基板30に接着させることができる。透明接着層は、有機高分子透明材料、例えばポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutane、BCB)、パーフルオロシクロブタンポリマー(perfluorocyclobutane、PFCB)、エポキシ(epoxy)、アクリル樹脂(acrylic resin)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート樹脂(PC)などのような材料又はこれらの組合せを含むか、或いは透明導電酸化金属層、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム(InO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化スズカドミウム(CTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)などのような材料又はこれらの組合せを含むか、或いは無機絶縁層、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化ケイ素(SiNx)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiO2)、五酸化タンタル(Tantalun Pentoxide、Ta2O5)などのような材料又はこれらの組合せを含むことができる。この実施例において、前記基板30は波長変更材料を含む。
【0014】
実際の応用において、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2のエピタキシャル積層を基板30上に設ける方法が上記の内容に限定されないことは、この技術分野の通常知識を有する者が容易に理解することができる。この実施例において、基板30の移動回数が異なることにより、第二半導体層323と基板30とが隣接し、第一半導体層321が第二半導体層323上に位置し、中間層が活性層322である構造を形成することができる。
【0015】
次は、化学気相成長方法(CVD)、物理気相成長方法(PVD)、スパッタリング(sputtering)などの方法により、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2のエピタキシャル積層の一部分の表面とそばの光電部品ユニットUのエピタキシャル積層との間に第一絶縁層361を形成する。この第一絶縁層は、エピタキシャル積層の保護層と隣接する2つの光電部品ユニットUの間の電気絶縁層とにする。次は、蒸着又はスパッタリング方法により、隣接する2つの光電部品ユニットUの第一半導体層321の表面と第二半導体層323の表面との上に、互いに完全に離れている複数個の導電配線構造362を形成する。互いに完全に離れている該複数個の導電配線構造362は、一端が同じ方向に向くように第一半導体層321上に配置され、かつ第一半導体層321により複数個の導電配線構造362が互いに電気接続されている。空間的に互いに離れている各導電配線構造362は隣接するほかの光電部品ユニットUの第二半導体層323上まで延伸され、他端は光電部品ユニットUの第二半導体層323に電気接続されることにより、隣接する2つの光電部品ユニットUの間の電気接続を実現する。
【0016】
隣接する2つの光電部品ユニットUを電気接続させる方法が上記の内容に限定されないことは、この技術分野の通常知識を有する者が容易に理解することができる。例えば、導電配線構造の両端を、違う光電部品ユニットの同様又は相違する導電極性を有する半導体層上にそれぞれ接続させることにより、光電部品ユニットUの間を並列又は直列に電気接続させることができる。
【0017】
図3A~
図3Bに示すとおり、光電部品300は、電子回路において一列に配列されているマトリックスである。光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2の第一半導体層321上に第一電極341を形成するとともに、第二半導体層323上に第二電極342を形成する。第一電極341と第二電極342を形成するステップは、導電配線構造362を形成するステップと共に行うか、或いは違うステップにより別々に行うことができる。第一電極341と第二電極342を形成する材料は、導電配線構造362を形成する材料と同様又は相違する。この実施例において、第二電極342は、多層構造であるとともに/或いは金属反射層(図示せず)を含み、かつその反射率80%より大きい。ほかの実施例において、導電配線構造362は金属反射層であり、かつその反射率80%より大きいことができる。
【0018】
次は、
図3Bに示すとおり、前記複数個の導電配線構造362と、一部分の第一絶縁層361と、一部分のエピタキシャル積層の側壁との上に第二絶縁層363を形成する。この実施例において、該第一絶縁層361と第二絶縁層363とは、透明絶縁層であることができる。該第一絶縁層361と第二絶縁層363の材料は、酸化物、窒化物又はポリマー(polymer)であることができる。酸化物は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化チタン(TiO
2)、五酸化タンタル(Tantalun Pentoxide、Ta
2O
5)又は酸化アルミニウム(AlO
x)などのような材料又はこれらの組合せを含み、窒化物は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN
x)などのような材料又はこれらの組合せを含み、ポリマーは、ポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutane、BCB)などのような材料又はこれらの組合せを含むことができる。この実施例において、第二絶縁層363は、分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector)であることができる。この実施例において、第二絶縁層363の厚さが第一絶縁層361の厚さより厚い。
【0019】
最後は、前記第一電極341上に第三電極381を形成し、前記第二電極342上に第四電極382を形成し、電光部品ユニットUの第二半導体層323上に少なくとも1つの第一放熱マット383を形成する。該第一放熱マット383は、第二絶縁層363により電光部品ユニットUの第二半導体層323と電気絶縁状態になる。この実施例において、基板30の表面に垂直に投影される第一放熱マット383の投影は、第一絶縁層361上に位置しない。この実施例において、第一放熱マット383は平坦な表面上に形成される。
図3Aに示すとおり、この実施例の光電部品300において、各電光部品ユニットUの第二半導体層323はいずれも第一放熱マット383を具備し、かつこれらの第一放熱マット383は第二絶縁層363により電光部品ユニットUの第二半導体層323と電気絶縁状態になっている。
【0020】
この実施例において、前記第三電極381、第四電極382及び第一放熱マット383は、同一な製造ステップで形成するか或いは違う製造ステップで別々に形成することができる。この実施例において、前記第三電極381、第四電極382及び第一放熱マット383は、同様な積層構造を有することができる。所定の導電率を維持するため、第一電極341、第二電極342、導電配線構造362、第三電極381、第四電極382及び第一放熱マット383の材料として金属を使うことができる。例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、プラチナ(Pt)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、スズ(Sn)などであるか、或いはそれらの合金又はそれらの積層構造であることができる。
【0021】
この実施例において、第二半導体層323は上表面と第一表面面積とを有し、第一放熱マット383は第二表面面積を有し、第二表面面積と第一表面面積との比は80~100%範囲内にある。この実施例において、隣接する2つの第一放熱マット383の辺縁の間には最短距離Dが形成され、最短距離Dは100μmより大きい。
【0022】
この実施例において、
図3Cに示すとおり、載置板又は回路部品Pを提供し、かつワイヤボンディング又は半田付けにより、載置板又は回路部品P上に第一載置板電極E1と第二載置板電極E2を形成する。該第一載置板電極E1及び第二載置板電極E2と、光電部品300の第三電極381及び第四電極382とにより、フリップチップ構造を形成する。
【0023】
この実施例において、第一載置板電極E1を光電部品300の第三電極381と第一放熱マット383に電気接続させ、かつ第二載置板電極E2を第四電極382と第一放熱マット383に電気接続させることにより、フリップチップ構造を形成することができる。この実施例において、前記第一放熱マット383が第一載置板電極E1と第二載置板電極E2に電気接続されていることにより、放熱効果を向上させることができる。この実施例において、直列マトリックスに配列された光電部品300の各光電部品ユニットUが作動するとき、ある程度の電圧差が発生するので、第一放熱マット383と光電部品ユニットUとの間の電気絶縁により、作動時の前記電圧差によっていずれの光電部品ユニットUの間に降伏現象(breakdown)又は電気漏れが発生することを避けることができる。また、基板30の表面に垂直に投影される第一放熱マット383の投影が第一絶縁層361上に位置しないので、溝渠S高さの相違によりワイヤが切断されることを避けるか、或いは第一絶縁層361の絶縁の不充分によって電気漏れ又は短絡が発生することを避けることができる。
【0024】
図4A~
図4Eは、本発明のほかの実施例に係る光電部品ユニットの構造を示す平面図である。
図4A~
図4Eの光電部品ユニットは本発明の第一実施例の光電部品ユニットの変形例であり、その製造方法、使用する材料、符号などは第一実施例と同一するので、ここでは再び説明しない。
【0025】
図4Aに示すとおり、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2は、直線に配列されている。この実施例において、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2の第一電極341又は第二電極342は延伸電極3421を更に含む。これにより、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2の電流分布を増加させることができる。この技術分野の通常知識を有する者が容易に理解することができるように、前記延伸電極の形状は図面に示す形状に限定されるものではなく、製品の相違により自由に設けることができる。また、第一接触光電部品ユニットU1に形成される第一放熱マット383の形状は、前記延伸電極の形状によって適当に調節することができる。すなわち、前記導電配線構造362と第一電極341又は第二電極342とは直接接触されず、かつそれらと電気絶縁状態になるように調節することができる。
【0026】
図4Bは本発明の変形例を示す図である。この実施例において、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2は、上述した実施例の直線に配列されず、環状に連結されており、かつ第一接触光電部品ユニットU1の少なくとも1つの側壁と第二接触光電部品ユニットU2の側壁とが接続されている。また、第一接触光電部品ユニットU1に形成される第一放熱マット383の形状は、前記延伸電極の形状に適当に調節することができる。すなわち、前記導電配線構造362と第一電極341又は第二電極342とは直接接触されず、かつそれらと電気絶縁状態になるように調節することができる。
【0027】
図4Cは本発明の変形例を示す図である。この実施例において、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2は、環状に連結されている。第一接触光電部品ユニットU1を除き、光電部品ユニットUと第二接触光電部品ユニットU2の第一電極341の幅は、導電配線構造362の幅より狭く、かつそれらが各ユニットの内部まで延伸されることにより、電流分布を増加させる。また、第一接触光電部品ユニットU1に形成される第一放熱マット383の形状は、導電配線構造362の形状と第一電極341又は第二電極342の形状とによって適当に調節することができる。すなわち、前記導電配線構造362と第一電極341又は第二電極342とは直接接触されず、かつそれらと電気絶縁状態になるように調節することができる。
【0028】
図4Dは本発明の変形例を示す図である。この実施例において、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2は環状に連結されており、かつ光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2の形状は、実際の需要によってそれぞれ調節することができる。すなわち、各自の形状が互いに違うように調節することができる。この実施例には、形状が互いに違う三個の光電部品ユニットUが設けられているが、この技術分野の通常知識を有する者が容易に理解することができるように、光電部品ユニットUの個数、形状、サイズ又は配列方法は、製品の駆動電圧によって適当に調節することができる。また、第一接触光電部品ユニットU1に形成される第一放熱マット383の形状は、導電配線構造362の形状と第一電極341又は第二電極342の形状とによって適当に調節することができる。すなわち、前記導電配線構造362と第一電極341又は第二電極342とは直接接触されず、かつそれらと電気絶縁状態になるように調節することができる。
【0029】
図4Eは本発明の変形例を示す図である。この実施例において、光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2は、W形に連結されている。すなわち、隣接する2つの光電部品ユニットUの連結方向が相違し、かつ4行4列のマトリックスに配列されている。この技術分野の通常知識を有する者が容易に理解することができるとおり、光電部品ユニットUの個数又は配列方法は、製品の駆動電圧によって適当に調節することができる。この実施例において、前記の蛇行形に配列するとき、第一接触光電部品ユニットU1と第二接触光電部品ユニットU2とを同一列上に形成することができるが、第一接触光電部品ユニットU1と第二接触光電部品ユニットU2との位置は、後に行われる外部電子回路との電気接続を考慮しなければならない。したがって、ほかの実施例において、光電部品ユニットUの配列方式を調節することにより、第一接触光電部品ユニットU1と第二接触光電部品ユニットU2とをマトリックスの対角線の両端に位置させることができる。また、第一接触光電部品ユニットU1に形成される第一放熱マット383の形状は、導電配線構造362の形状と第一電極341又は第二電極342の形状とによって適当に調節することができる。すなわち、前記導電配線構造362と第一電極341又は第二電極342とは直接接触されず、かつそれらと電気絶縁状態になるように調節することができる。
【0030】
図5A~
図5Eは、本発明の第二実施例に係る光電部品の製造過程を示す平面図と側面図である。光電部品300`は、本発明の第一実施例の変形例である。
図5A~
図5Bは前記の
図3A~
図3Bが示した製造方法の継続であり、その製造方法、使用する材料、符号などは第一実施例と同一するので、ここでは再び説明しない。この実施例の平面図において、上述した第一実施例との相違点を明らかに示すため、一部分の部品をかかず、図面の簡素化を図る。この技術分野の通常知識を有する者は、上述した実施例に基づいて本実施例を充分に理解することができる。
【0031】
図5A~
図5Bに示すとおり、基板30上に支持部品44を形成するとともに、それにより基板30の側壁を覆う。この実施例において、支持部品44は透明であり、その材料として、シリコン樹脂、エポキシ樹脂又はほかの材料を使うことができる。この実施例において、前記支持部品44上に導光部品(図示せず)を更に形成することができ、この導光部品の材料として、ガラスを使うことができる。
【0032】
次は、前記光電部品の第二絶縁層363上に光学層46を形成するとともに、それにより光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1及び第二接触光電部品ユニットU2を覆う。光学層46の材料は、基礎材料と高反射率材料との混合物を含む。基礎材料としてシリコン樹脂、エポキシ樹脂又はほかの材料を使うことができ、高反射率材料としてTiO2を使うことができる。
【0033】
次は、
図5Cに示すとおり、光学層46上に複数個の開口461を形成する。複数個の開口461は、第一接触光電部品ユニットU1と第二接触光電部品ユニットU2の第三電極381と第四電極382の位置に対応し、かつ一部分の第三電極381と第四電極382を露出させる。この実施例において、前記開口461は、光電部品ユニットUの第一放熱マット383の位置にも対応し、かつ一部分の第一放熱マット383を露出させる。
【0034】
次は、
図5D~
図5Eに示すとおり、第五電極40と第六電極42を形成し、それをそれぞれ第三電極381と第四電極382に電気接続させる。この実施例において、該第五電極40と第六電極42を選択した少なくとも1つの第一放熱マット383に電気接続させることにより、放熱効率を向上させることができる。この実施例において、第五電極40と第六電極42は金属反射層を含む。この実施例において、光学層46は、第三電極381と第五電極40との間と、第四電極382と第六電極42との間とに位置する。この実施例において、光学層46の辺縁は基板30辺縁より大きい。
【0035】
最後は、
図5Fに示すとおり、載置板又は回路部品Pを提供し、かつワイヤボンディング又は半田付けにより、載置板又は回路部品P上に第一載置板電極E1と第二載置板電極E2を形成する。該第一載置板電極E1及び第二載置板電極E2と、光電部品300`の第五電極40及び第六電極42とにより、フリップチップ構造を形成する。この実施例において、第五電極40と第六電極42は、基板30の辺縁の外に形成される。この実施例において、基板30の表面に垂直に投影された第五電極40と第六電極42の投影面積は、基板30の面積より大きい。この実施例において、第五電極40と第六電極42の面積を拡大することにより、載置板又は回路部品Pとの連結を容易に行い、位置決めを容易に行うことができる。
【0036】
図6A~
図6Fは、本発明の第三実施例に係る光電部品の製造過程を示す平面図と側面図である。光電部品400は、本発明の第二実施例の変形例である。
図6A~
図6Bは前記の
図5A~
図5Bが示した製造方法の継続であり、その製造方法、使用する材料、符号などは第一実施例と同一するので、ここでは再び説明しない。この実施例の平面図において、上述した第一実施例との相違点を明らかに示すため、一部分の部品をかかず、図面の簡素化を図る。この技術分野の通常知識を有する者は、上述した実施例に基づいて本実施例を充分に理解することができる。
【0037】
図6A~
図6Bに示すとおり、本実施例は、前記光電部品の基板30上に形成された支持部品44を含み、それにより基板30の側壁を覆う。次は、前記光電部品と支持部品44との上に第二放熱マット48を形成する。この実施例において、第二放熱マット48と第一放熱マット383とは、同一な製造ステップで形成するか或いは違う製造ステップで別々に形成することができる。この実施例において、第二放熱マット48の材料と第一放熱マット383の材料とが同一することができる。この実施例において、第二放熱マット48の材料は、導熱係数>50W/mkである材料であるか或いは絶縁材料であることができる。例えば、金属又はダイヤモンド状カーボン(Diamond-Like Carbon)などである。
【0038】
この実施例において、第二放熱マット48は、支持部品44上に形成される二個の第一部分482と、前記光電部品上に形成されかつ両端が該第一部分482に連結される一個の第二部分481とを含み、かつダンベル状に形成されている。この実施例において、第一部分482の幅は、第一部分482の幅より広い。
【0039】
この実施例において、第二放熱マット48は、2個の光電部品ユニットUの間に形成され、かつ前記第一放熱マット383に直接に接触されないとともに、該第一放熱マット383に電気接続されていない。この実施例において、第二放熱マット48は、2個の光電部品ユニットUの間の第二絶縁層363上に形成されている。
【0040】
次は、
図6C~
図6Dに示すとおり、前記光電部品の第二絶縁層363上に光学層46を形成するとともに、それにより複数個の光電部品ユニットU、第一接触光電部品ユニットU1、第二接触光電部品ユニットU2及び前記第二放熱マット48を覆う。光学層46の材料は、基礎材料と高反射率材料との混合物を含む。基礎材料としてシリコン樹脂、エポキシ樹脂又はほかの材料を使うことができ、高反射率材料としてTiO
2を使うことができる。
【0041】
次は、光学層46上に複数個の開口461を形成する。複数個の開口461は、第一接触光電部品ユニットU1と第二接触光電部品ユニットU2の第三電極381と第四電極382の位置に対応し、かつ一部分の第三電極381と第四電極382を露出させる。この実施例において、前記開口461は、光電部品ユニットUの第一放熱マット383の位置にも対応し、かつ一部分の第一放熱マット383を露出させる。
【0042】
次は、
図6E~
図6Fに示すとおり、第五電極40と第六電極42を形成し、それをそれぞれ第三電極381と第四電極382に電気接続させる。この実施例において、該第五電極40と第六電極42を選択した少なくとも1つの第一放熱マット383と第二放熱マット48に電気接続させることにより、放熱効率を向上させることができる。それにより、本実施例の光電部品400の製造が済む。この実施例において、第五電極40と第六電極42は金属反射層を含む。この実施例において、光学層46は、第三電極381と第五電極40との間と、第四電極382と第六電極42との間とに位置する。この実施例において、光学層46の辺縁は基板30辺縁より大きい。
【0043】
この実施例において、載置板又は回路部品(図示せず)を提供し、かつワイヤボンディング又は半田付けにより、載置板又は回路部品上に第一載置板電極(図示せず)と第二載置板電極(図示せず)とを形成することができる。該第一載置板電極及び第二載置板電極と、光電部品400の第五電極40及び第六電極42とにより、フリップチップ構造を形成する。この実施例において、第五電極40と第六電極42は、基板30の辺縁の外に形成される。この実施例において、基板30の表面に垂直に投影された第五電極40と第六電極42の投影面積は、基板30の面積より大きい。この実施例において、第五電極40と第六電極42の面積を拡大することにより、載置板又は回路部品との連結を容易に行い、かつ位置決めを容易に行うことができる。
【0044】
図7A~
図7Dは、本発明の第四実施例に係る光電部品の製造流れを示す図である。光電部品400は、本発明の第二実施例の変形例である。
図7Aに示すとおり、本実施例は基板(図示せず)を含む。この基板は、単一な材料で構成された基板に限定されるものではなく、異なる複数の材料で構成された複合式基板であってよい。例えば、この基板は接着させた第一基板と第二基板とを含むことができる(図示せず)。
【0045】
次は、従来のエピタキシャル成長方法により、基板上にエピタキシャル積層を形成する。このエピタキシャル積層は第一半導体層321と、活性層322と、第二半導体層323とを含む。次は、溝渠Sを形成することにより、一部分の第一半導体層321を露出させる。かつ、該溝渠の側壁に第一絶縁層361を形成することにより、溝渠と、活性層及び第二半導体層323との間の電気絶縁を図る。この実施例において、溝渠S中に金属層を形成することにより、第一延伸電極(図示せず)を形成することができる。次は、該第一延伸電極上に第一電極341に形成するとともに、第二半導体層323上に第二電極342を形成する。この実施例において、第一電極341と第二電極342は多層構造であるとともに/或いは金属反射層(図示せず)を含み、かつその反射率80%より大きい。
【0046】
次は、
図7Bに示すとおり、基板上に支持部品44を形成するとともに、それにより基板の側壁を覆う。この実施例において、支持部品44は透明であり、その材料として、シリコン樹脂、エポキシ樹脂又はほかの材料を使うことができる。この実施例において、前記支持部品44上に導光部品(図示せず)を更に形成することができ、この導光部品の材料としてガラスを使うことができる。次は、前記光電部品と支持部品44との上に第二放熱マット48を形成する。この実施例において、第二放熱マット48の材料は、導熱係数>50W/mkである材料、例えば金属であることができる。第二放熱マット48の材料は、絶縁材料、例えばダイヤモンド状カーボン(Diamond-Like Carbon)、ダイヤモンド(Diamond)などであることができる。
【0047】
この実施例において、第二放熱マット48は、支持部品44上に形成される二個の第一部分482と、前記光電部品上に形成されかつ両端が該第一部分482上に連結された一個の第二部分481とを含み、かつダンベル状に形成されている。この実施例において、第一部分482の幅は、第一部分482の幅より広い。
【0048】
この実施例において、第二放熱マット48は、第一電極341と第二電極342との間に形成され、かつ該第一電極341又は第二電極342に直接に接触されないとともに、該第一電極341又は第二電極342に電気接続されてもいない。
【0049】
次は、前記光電部品上に光学層46を形成するとともに、それにより第二放熱マット48、第一電極341及び第二電極342を覆う。光学層46の材料は、基礎材料と高反射率材料との混合物を含む。基礎材料としてシリコン樹脂、エポキシ樹脂又はほかの材料を使うことができ、高反射率材料としてTiO2を使うことができる。
【0050】
次は、光学層46上に複数個の開口461を形成する。複数個の開口461は、第一電極341と第二電極342の位置に対応し、かつ一部分の第一電極341と第二電極342を露出させる。
【0051】
次は、
図7Dに示すとおり、第五電極40と第六電極42を形成し、それをそれぞれ第一電極341と第二電極342に電気接続させる。これにより本実施例の光電部品500の製造が済む。この実施例において、該第五電極40と第六電極42を選択した第二放熱マット48に電気接続させることにより、放熱効率を向上させることができる。この実施例において、第五電極40と第六電極42は金属反射層を含む。この実施例において、光学層46は、第一電極341と第五電極40との間と、第二電極342と第六電極42との間とに位置する。この実施例において、光学層46の辺縁は基板30辺縁より大きい。
【0052】
この実施例において、載置板又は回路部品(図示せず)を提供し、かつワイヤボンディング又は半田付けにより、載置板又は回路部品上に第一載置板電極(図示せず)と第二載置板電極(図示せず)とを形成することができる。該第一載置板電極及び第二載置板電極と、光電部品500の第五電極40及び第六電極42とにより、フリップチップ構造を形成する。この実施例において、第五電極40と第六電極42は、基板30の辺縁の外に形成される。この実施例において、基板30の表面に垂直に投影された第五電極40と第六電極42の投影面積は、基板30の面積より大きい。この実施例において、第五電極40と第六電極42の面積を拡大することにより、載置板又は回路部品との連結を容易に行い、かつ位置決めを容易に行うことができる。
【0053】
図8A~
図8Cは本発明の発光モジュールを示す図であり、
図8Aはこの発光モジュールを示す斜視図である。発光モジュール600は、載置体502と、光電部品(図示せず)と、複数個のレンズ504、506、508及び510と、2つの電源供給入力端512及び514とを含む。その発光モジュール600は、後述する発光ユニット540に連結される。
【0054】
図8B~
図8Cは、本発明の発光モジュールを示す図であり、そのうち、
図8Cは
図8BのE区域の拡大図である。載置体502は上載置体503と下載置体501を含み、下載置体501の一表面は上載置体503に接触する。上載置体503にはレンズ504及び508が形成されている。上載置体503には、少なくとも一つの孔515が形成されており、本発明の実施例の光電部品300又はほかの実施例の光電部品(図示せず)は、下載置体501と接触するように該孔515に設けられ、かつ接着剤521に覆われている。接着剤521上にはレンズ508が設けられ、接着剤521の材料はシリコン樹脂、エポキシ樹脂又はほかの材料である。この実施例において、孔515の両側の側壁に反射層519を形成することにより光取り出し効率を増加させ、かつ下載置体501の下表面に金属層517を形成することにより放熱効果を向上させることができる。
【0055】
図9A~
図9Bは、光線生成装置700を示す図である。この光線生成装置700は、発光モジュールと600と、発光ユニット540と、発光モジュールと600に所定の電流を提供する電源供給システム(図示せず)と、電源供給システム(図示せず)を制御する制御部品(図示せず)とを含む。光線生成装置700は、照明装置であることができる。例えば、街路燈、車燈又は室内照明装置であるか、或いは交通信号標識又は平面表示装置のバックライトモジュールのバックライトである。
【0056】
図10は電球を示す図である。電球800は、カバー921と、レンズ922と、照明モジュール924と、フレーム925と、放熱器926と、挿入部927と、金口928とを含む。該照明モジュール924は、載置体923と、載置体923上に載置される本発明の実施例の少なくとも一個の光電部品300又はほかの実施例の光電部品(図示せず)とを含む。
【0057】
具体的に、基板30はエピタキシャル成長及び/又は載置の基礎になる。基板の種類は、導電基板、不導電基板、透明基板又は不透明基板を選択することができる。導電基板の材料は、ゲルマニウム(Ge)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、炭化ケイ素(SiC)、ケイ素(Si)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、金属であることができる。透明基板の材料は、サファイア(Sapphire)、アルミン酸リチウム(LiAlO2)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、ガラス、ダイヤモンド、CVDダイヤモンド、ダイヤモンド状カーボン(Diamond-Like Carbon、DLC)、スピネル(spinel、MgAl2O4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiOx)、リチウムガレート(LiGaO2)であることができる。
【0058】
エピタキシャル積層(図示せず)は、第一半導体層321と、活性層322と、第二半導体層323とを含む。第一半導体層321と第二半導体層323は、例えばクラッド層(cladding layer)、制限層(confinement layer)、単層構造又は多層構造であることができる。該第一半導体層321と第二半導体層323との種類、極性又は不純物は相違する。種類として、p型、n型、i型のうちいずれかの2種を組み合わせたことを選択することができ、かつ電子と正孔(Electron hole)をそれぞれ提供して、この電子と正孔が活性層322中で反応して発光するようにする。第一半導体層321、活性層322及び第二半導体層323の材料は、III-V族半導体材料を含むことができる。例えば、AlxInyGa(1-x-y)N又はAlxInyGa(1-x-y)Pであり、かつこの化学式において、0≦x、y≦1、(x+y)≦1である。活性層322の材料により、エピタキシャル積層は、波長の範囲が610nm~650nmの間にある赤光、波長の範囲が530nm~570nmの間にある青光又は波長が400nmより小さい赤外線を発する。
【0059】
本発明のほかの実施例において、光電部品300、300`、400、500は、エピタキシャル原物又は発光ダイオードであり、この発光光線の周波数スペクトルは、半導体の単層又は多層中の物理又は化学要素を変更することにより調節することができる。単層又は多層半導体の材料は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、リン(P)、窒素(N)、亜鉛(Zn)、酸素(O)で構成された組から選択することができる。活性層322の構造は、例えば、シングルヘテロ構造(single heterostructure、SH)、ダブルヘテロ構造(double heterostructure、DH)、両側ダブルヘテロ構造(double-side double heterostructure、DDH)又は多層量子井戸構造(multi-quantun well、MQW)である。或いは、活性層322の量子井戸の対数を調節することにより発光光線の波長を変更することができる。
【0060】
本発明の実施例において、第一半導体層321と基板30との間に緩衝層(buffer layer、図示せず)を更に形成することができる。この緩衝層を二種の材料の間の設けることにより、基板30の材料システムから第一半導体層321の材料システムへの過渡を実現することができる。発光ダイオードの構造において、緩衝層は、二種の材料の間の結晶格子が合わないことを低減する材料層になる。また、緩衝層により、二種の材料、又は離れている二個の単層、多層又は構造を貼り合せることができる。緩衝層の材料は、例えば有機材料、無機材料、金属、半導体などから選択することができる。緩衝層の構造は、反射層、導熱層、導電層、オーミック接触(ohmic contact)層、変形防止層、応力除去(stress release)層、応力調節(stress adjustment)層、ボンディング(bonding)層、波長変更層、機械的固定構造などになることができる。この実施例において、その緩衝層の材料は、窒化アルミニウム又は窒化ガリウムから選択し、かつスパッタリング又は原子層堆積装置(Atomic Layer Deposition、ALD)の方法でその緩衝層を形成することができる。
【0061】
第二半導体層323上には接触層(図示せず)を更に形成することができる。接触層は、活性層322が形成されない第二半導体層323の一側に形成される。具体的に、その接触層は、光学層、電気層、又はそれらの組み合わせであることができる。光学層は、活性層から来るか或いは活性層に入射される電磁波又は光線を変更することができる。この「変更」とは、電磁波又は光線の少なくとも一種の光学特性を変更することをいう。この光学特性は、周波数、波長、強度、通量、高率、色温度、演色性(rendering index)、ライトフィールド(light field)、画角(angle of view)などを含むが、これらに限定されるものではない。電気層は、接触層のいずれかの一組とその対向側との間の電圧、抵抗、電流、電気容量のうち少なくとも1つの数値、密度、分布が変化するようにするか或いは変化の趨勢が出るようにする。接触層を構成する材料は、酸化物、導電酸化物、透明酸化物、50%以上の透明率を有する酸化物、金属、透光金属、50%又はその以上の透過率を有する金属、有機物、無機物、蛍光物、燐光物、セラミックス、半導体、不純物含有半導体、無不純物半導体のうちの少なくとも一種を含むことができる。ある応用おいて、接触層の材料は、酸化インジウムスズ、酸化スズカドミウム、酸化スズアンチモン、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛アルミニウム、酸化亜鉛スズのうちの少なくとも一種であることができる。透光金属を採用する場合、その厚さが0.005~0.6μmであることが好ましい。
【0062】
以上、これらの発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【符号の説明】
【0063】
100、200、300、300`、400、500 光電部品
10 透明基板
12 半導体積層
14、E1、E2 電極
30 基板
U 光電部品ユニット
U1 第一接触光電部品ユニット
U2 第二接触光電部品ユニット
321 第一半導体層
322 活性層
323 第二半導体層
S 溝渠
3421 延伸電極
361 第一絶縁層
362 導電配線構造
363 第二絶縁層
341 第一電極
342 第二電極
381 第三電極
382 第四電極
383 第一放熱マット
P 載置板又は回路部品
40 第五電極
42 第六電極
44 支持部品
46 光学層
461 開口
48 第二放熱マット
482 第一部分
481 第二部分
600 発光モジュール
501 下載置体
502 載置体
503 上載置体
504、506、508、510 レンズ
512、514 電源供給入力端
515 孔
519 反射層
521 接着剤
540 発光ユニット
600 発光モジュール
700 光線生成装置
800 電球
921 カバー
923 載置体
922 レンズ
924 照明モジュール
925 フレーム
926 放熱器
927 挿入部
928 金口