IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 公益財団法人レーザー技術総合研究所の特許一覧 ▶ パナソニック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-発光装置及び光ファイバ 図1
  • 特許-発光装置及び光ファイバ 図2
  • 特許-発光装置及び光ファイバ 図3
  • 特許-発光装置及び光ファイバ 図4
  • 特許-発光装置及び光ファイバ 図5
  • 特許-発光装置及び光ファイバ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】発光装置及び光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20230208BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20230208BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20230208BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230208BHJP
   G02B 6/34 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H01S3/067
G02B6/02 376
G02B6/02 421
G02B6/42
G02B6/34
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021533873
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(86)【国際出願番号】 JP2020024313
(87)【国際公開番号】W WO2021014853
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2019134085
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591114803
【氏名又は名称】公益財団法人レーザー技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明田 孝典
(72)【発明者】
【氏名】田中 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮永 憲明
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/055812(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/111271(WO,A1)
【文献】特開2010-080642(JP,A)
【文献】特開2008-010720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/10
H01S 3/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入射部と、光出射部と、前記光入射部と前記光出射部との間に設けられており、励起光によって励起され前記励起光よりも長波長の自然放出光を発生し、前記自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する波長変換材料を含む波長変換部と、を有する光ファイバと、
前記励起光を前記光入射部に入射させる第1光源部と、
前記励起光又は前記自然放射増幅光によって励起された前記波長変換材料から誘導放出光を発生させるためのシード光を前記光入射部に入射させる第2光源部と、を備え、
前記光入射部には、互いに波長の異なる複数の前記シード光が入射される、
発光装置。
【請求項2】
前記波長変換材料は、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される元素を含む、
請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2光源部は、
前記複数のシード光それぞれを出力する複数の光源を有する、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数のシード光それぞれの強度を調整する調整部を更に有する、
請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1光源部及び前記第2光源部は、
白色光源と、
前記白色光源から放射された光を分光することで前記励起光及び前記複数のシード光を出射する分光用のグレーティングと、を有する、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記光入射部は、前記励起光及び前記シード光の反射を低減する反射低減部を含む、
請求項1、2、4~6のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光出射部は、前記光ファイバの光軸に直交する面に対して所定角度で傾斜した傾斜面を含む、
請求項1、2、4~7のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記光出射部は、前記励起光及び前記誘導放出光の反射を低減する反射低減部を含む、
請求項1、2、4~8のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1光源部は、レーザ光源を含む、
請求項1、2、4~9のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項11】
光入射部と、
光出射部と、
前記光入射部と前記光出射部との間に設けられており、励起光によって励起され前記励起光よりも長波長の自然放出光を発生し、前記自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する波長変換材料を含む波長変換部と、を備え、
前記光入射部に、前記励起光と、前記励起光又は前記自然放射増幅光によって励起された前記波長変換材料から誘導放出光を発生させるためのシード光と、が入射され、
前記光入射部には、互いに波長の異なる複数の前記シード光が入射される、
光ファイバ。
【請求項12】
前記光入射部は、
前記励起光が入射する第1光入射部と、
前記第1光入射部とは別に設けられており、前記シード光が入射する第2光入射部と、を有する、
請求項11に記載の光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、発光装置及び光ファイバに関し、より詳細には、励起光とは異なる波長の光を放出する波長変換部を有する発光装置及び光ファイバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置として、固体光源と、光伝送ファイバと、を備える光源装置が提案されている(特許文献1)。ここにおいて、光伝送ファイバは、第1端面及び第2端面を有し、固体光源から出射された励起光が第1端面から導入される。光伝送ファイバは、波長変換コアと、導光コアと、クラッドと、を有する。波長変換コアは、励起光を吸収して電子の反転分布状態を生成すると共に可視光領域の波長変換光を放出する波長変換材料を含む。導光コアは、波長変換コアの周囲を被覆し、波長変換光を第1端面側から第2端面側に伝送する。クラッドは、導光コアの周囲を被覆する。
【0003】
光伝送ファイバは、導光コアを伝搬する波長変換光により誘導放出が生じ、固体光源から出射された励起光及び誘導放出により増幅された波長変換光が第2端面から出射するように構成されている。
【0004】
特許文献1に記載された光源装置のような発光装置では、波長変換光の強度を高めることが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-195627号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、励起光とは異なる波長の光の強度を高めることが可能な発光装置及び光ファイバを提供することにある。
【0007】
本開示に係る一態様の発光装置は、光ファイバと、第1光源部と、第2光源部と、を備える。前記光ファイバは、光入射部と、光出射部と、波長変換部と、を有する。前記波長変換部は、前記光入射部と前記光出射部との間に設けられている。前記波長変換部は、波長変換材料を含む。前記波長変換材料は、励起光によって励起され、前記励起光よりも長波長の自然放出光を発生し、自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する。前記第1光源部は、前記励起光を前記光入射部に入射させる。前記第2光源部は、前記励起光又は前記自然放射増幅光によって励起された前記波長変換材料から誘導放出光を発生させるためのシード光を前記光入射部に入射させる。
【0008】
本開示に係る一態様の光ファイバは、光入射部と、光出射部と、波長変換部と、を備える。前記波長変換部は、前記光入射部と前記光出射部との間に設けられている。前記波長変換部は、波長変換材料を含む。前記波長変換材料は、励起光によって励起され、前記励起光よりも長波長の自然放出光を発生し、自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する。前記光入射部に、前記励起光と、前記励起光又は前記自然放射増幅光によって励起された前記波長変換材料から誘導放出光を発生させるためのシード光と、が入射される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る発光装置の構成図である。
図2図2は、同上の発光装置の動作原理の説明図である。
図3図3は、同上の発光装置で用いるPr3+イオンのエネルギ準位の説明図である。
図4図4は、実施形態2に係る発光装置の構成図である。
図5図5は、実施形態3に係る発光装置の構成図である。
図6図6は、実施形態4に係る発光装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の実施形態1~4等において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
以下では、実施形態1に係る発光装置1について図1~3に基づいて説明する。
【0012】
(1)概要
発光装置1は、波長変換材料を添加された光ファイバ2に、波長変換材料を励起するための励起光P1と、励起光P1によって励起された波長変換材料から誘導放出光P3を発生させるためのシード光P2と、を入射させる。光ファイバ2は、少なくとも一種類の波長変換材料が添加されていればよい。光ファイバ2からは、励起光P1と誘導放出光P3とを含む光P4が出射される。図2は、発光装置1の動作原理の説明図である。発光装置1では、光ファイバ2に入射した励起光P1によって、波長変換材料の基底準位E0(複数のエネルギ準位を含む)にあった電子eが励起準位E2に励起される。そして、励起準位E2の電子eが励起準位E2よりもエネルギの低い準安定準位E1に遷移する。その後、例えば準安定準位E1と基底準位E0の複数のエネルギ準位のうち上位のエネルギ準位(以下、第1エネルギ準位ともいう)とのエネルギ差に相当する波長のシード光P2によって準安定準位E1の電子eが第1エネルギ準位に遷移するときに誘導放出光P3が発生する。準安定準位E1と準安定準位E1よりも低い別のエネルギ準位(以下、第2エネルギ準位ともいう)とのエネルギ差に相当する波長のシード光によって準安定準位E1の電子eが第2エネルギ準位に遷移するときにも、誘導放出光が発生する。
【0013】
発光装置1は、例えば、照明器具、照明装置、照明システム、プロジェクタ、印刷機器、内視鏡光源等に適用することができる。発光装置1は、住宅用の機器、システム等に適用する場合に限らず、例えば、施設用の機器、システム等に適用してもよいし、移動体の機器、システム等に適用してもよい。移動体は、例えば、自動車、自転車、電車、飛行機、船舶、ドローン等である。
【0014】
(2)発光装置の構成
発光装置1は、図1に示すように、光ファイバ2と、第1光源部11と、第2光源部12と、を備える。第1光源部11は、励起光P1を光入射部21に入射させる。第2光源部12は、励起光P1によって励起された波長変換材料から誘導放出光P3を発生させるためのシード光P2(以下、外部シード光P2ともいう)を光入射部21に入射させる。
【0015】
(2.1)光ファイバ
光ファイバ2は、図1に示すように、コア3と、クラッド4と、被覆部5と、を有する。クラッド4は、コア3の外周面を覆っている。被覆部5は、クラッド4の外周面を覆っている。コア3に関し、光軸方向に直交する断面形状は、円形状である。クラッド4は、コア3と同軸状に配置されている。
【0016】
コア3は、第1端面31と、コア3の長さ方向において第1端面31とは反対側の第2端面32と、を有する。コア3は、透光性材料と、上述の波長変換材料と、を含む。コア3における波長変換材料の濃度は、コア3の全長に亘って略均一であってもよいし、均一でなくてもよい。コア3の屈折率は、コア3の主成分である上述の透光性材料の屈折率と略同じである。
【0017】
透光性材料は、例えば、フッ化物、酸化物、又は窒化物のいずれかである。フッ化物は、例えば、フッ化物ガラスである。酸化物は、例えば、酸化ケイ素、石英等である。
【0018】
波長変換材料は、希土類元素である。ここにおいて、波長変換材料は、例えば、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される元素を含む。波長変換材料は、希土類元素のイオンとしてコア3に含有されており、例えば、Prのイオン(Pr3+)、Tbのイオン(Tb3+)として含有されている。ここにおいて、波長変換材料は、励起光P1によって励起されるか、あるいは波長変換材料から発せられた自然放出光を内部シード光として増幅された光、即ち自然放射増幅光(ASE)によって励起されてもよい。このような励起を介して、波長変換材料は、波長変換材料の元素特有のASEを放出し、併せて外部シード光P2の波長と同じ波長の誘導放出光を発生し、これらを合わせて誘導放出光P3として放出する。ASE及び外部シード光P2の波長は、励起光P1の波長(例えば、440nm以上450nm以下)よりも長波長である。シード光P2の波長については、「(2.3)第2光源部」の欄で説明する。
【0019】
図3は、Pr3+のエネルギ準位図の一例である(図3については、文献1[C. Krankel, et al., “Out of the blue: semiconductor laser pumpedvisible rare-earth doped lasers”, Laser Photonics Rev. 10, 548 (2016)]参照)。図3の縦軸は、電子エネルギである。図3の右側の表記は、電子配置を表現するRussel-Saunders表記である。また、図3の上向きの矢印は励起光の吸収を示し、下向きの矢印が自然放出光あるいは誘導放出光に関する遷移を示している。図3から分るように、Pr3+は、シアン~赤色の範囲でASEあるいはシード光の増幅光を放出できる波長変換材料(波長変換要素)である。誘導放出光の強度は、内部シード光(自然放出光)及び外部シード光の強さに依存する。コア3がPr3+とTb3+とを含有している場合、Tb3+は、Pr3+からのASEを吸収して励起され、Tb3+特有の波長のASEを発生することもできる。
【0020】
クラッド4の屈折率は、コア3の屈折率よりも小さい。クラッド4は、コア3の含有している波長変換材料を含まない。
【0021】
被覆部5は、クラッド4の外周面を覆っている。被覆部5の材料は、例えば、樹脂である。
【0022】
光ファイバ2は、光入射部21と、光出射部22と、波長変換部23と、を有する。
【0023】
光入射部21は、励起光P1が入射する部分であり、例えば、コア3の第1端面31を含む。光出射部22は、励起光P1と、ASEを含む誘導放出光P3と、を含む光が出射するコア3の第2端面32を含む。
【0024】
光入射部21は、光ファイバ2の外部から光入射部21に入射する励起光P1の反射を低減する反射低減部を含んでいてもよい。反射低減部は、例えば、コア3の第1端面31を覆うアンチリフレクションコートであってもよい。波長700nm以上の深赤外域の光に対しては無反射コートがあることが望ましい。
【0025】
光出射部22は、励起光P1、及びASEを含む誘導放出光P3の反射を低減する反射低減部6を含む。反射低減部6は、例えば、好ましくは、コア3の屈折率と略等しい屈折率を有する透明材料より構成することができる。反射低減部6は、例えば、エンドキャップを含む。光出射部22が反射低減部6を含むことよって、光ファイバ2は、コア3の第2端面32での反射による電界増強を抑えることができ、コア3の第2端面32をレーザー損傷から保護することもできる。発光装置1は、コア3の第2端面32が空気と接している場合、第2端面32で数%のフレネル反射が生じ、寄生発振を引き起こして光出力の制御が難しくなることがある。フレネル反射を低減するために、光ファイバ2は、コア3の第2端面32に接合されている反射低減部6を備えているのが好ましい。反射低減部6の材料は、フッ化物ガラス、酸化ケイ素、石英であってもよい。光出射部22は、光ファイバ2の光軸に直交する面に対して所定角度(例えば、8度)で傾斜した傾斜面221を含む。これにより、発光装置1は、反射低減部6とコア3との間に屈折率のジャンプがあったとしても、コア3の第2端面32と反射低減部6の境界面で反射して第1端面31にまで戻る光成分(後方反射成分)を-60dB以下に抑えることが可能となり、光出射部22から出射される光の効率を向上させることが可能となる。所定角度は、8度に限らない。ここにおいて、所定角度は、例えば、2度以上であるのが好ましく、4度以上であるのがより好ましく、6度以上であるのが更に好ましい。また、所定角度は、例えば、20度以下であるのが好ましく、16度以下であるのがより好ましく、12度以下であるのが更に好ましい。光ファイバ2の光軸方向におけるエンドキャップの長さは、例えば、100μm以上3mm以下である。ここで、エンドキャップは、コア3とクラッド4とに跨るように配置されているが、少なくともコア3の第2端面32に配置されていればよい。反射低減部6は、エンドキャップに限らず、例えば、コア3の第2端面32に含まれる200nm以下の微細凹凸構造であってもよい。この場合、反射を低減する観点では、エンドキャップの有無は、どちらでもよい。
【0026】
波長変換部23は、光入射部21と光出射部22との間に設けられている。波長変換部23は、波長変換材料を含む。波長変換材料は、励起光P1によって励起され、励起光P1よりも長波長の光を放射する。波長変換材料は、励起光P1を吸収して励起光P1よりも長波長の自然放出光又はシード光を誘導放出によって増幅することができる材料である。波長変換部23は、コア3のうち光入射部21と光出射部22との間の全部であるが、これに限らず、一部であってもよい。つまり、光ファイバ2は、コア3の全域にわたって波長変換材料が添加されていてもよいし、コア3の一部の領域に波長変換材料が添加されていてもよい。
【0027】
コア3の直径は、例えば、25μm以上500μm以下である。光ファイバ2の長さは、例えば、1cm以上10m以下である。光ファイバ2の長さは、波長変換部23の長さが10cm以上であるのが好ましく、30cm以上であるのがより好ましく、1m以上であるのが更に好ましい。波長変換部23の長さについては、波長変換部23における波長変換材料の濃度が低いほど長いほうが好ましい。光ファイバ2の開口数は、例えば、0.22である。
【0028】
(2.2)第1光源部
第1光源部11は、光ファイバ2の波長変換部23に含まれる波長変換材料を励起するための励起光P1を出射する。第1光源部11から出射された励起光P1は、光ファイバ2の光入射部21へ入射される。
【0029】
第1光源部11は、例えば、レーザ光源111を含む。レーザ光源111は、レーザ光を出射する。第1光源部11は、レーザ光源111から出射したレーザ光を励起光P1として光入射部21に入射させる。レーザ光源111は、例えば、青色のレーザ光を出射する半導体レーザである。この場合、励起光P1は、例えば、440nm以上450nm以下である。レーザ光源111は、青色のレーザ光を出射する半導体レーザに限らず、LED(Light Emitting Diode)光源やその他の光源、例えば、紫色のレーザ光を出射する半導体レーザであってもよい。
【0030】
励起光P1を光ファイバ2の光入射部21へ入射するための光結合方式は、光ファイバカップラによるファイバ結合であってもよく、あるいは空間結合であってもよい。
【0031】
実施形態1に係る発光装置1では、第1光源部11は、レーザ光源111と光ファイバ2の光入射部21との間に配置されたグレーティング7を含んでおり、レーザ光源111から出射したレーザ光(励起光P1)をグレーティング7で回折させて光入射部21に入射する。グレーティング7は、例えば、透過型の回折格子である。グレーティング7の材料は、例えば、石英であるが、これに限らない。
【0032】
(2.3)第2光源部
第2光源部12は、シード光P2を出射する。第2光源部12から出射されたシード光P2は、光ファイバ2の光入射部21へ入射される。
【0033】
発光装置1では、第2光源部12は、互いに波長の異なる複数のシード光P2を、光ファイバ2の光入射部21へ入射させる。ここにおいて、第2光源部12は、例えば、互いに波長の異なる光を出射する3つのシード光源121,122,123を含む。シード光源121は、例えば、緑色の光を出射する半導体レーザ又はLEDである。また、シード光源122は、例えば、オレンジ色の光を出射する半導体レーザ又はLEDである。また、シード光源123は、例えば、赤色の光を出射する半導体レーザ又はLEDである。波長変換部23の波長変換材料がPr3+を含む場合、緑色の増幅光の波長は、例えば約520nmであり、オレンジ色の増幅光の波長は、例えば約600nmであり、赤色の増幅光の波長は、例えば約640nmであるのが好ましい(図3参照)。シード光源121~123は、準単色光を放射する光源である。ここにおいて、準単色光とは、狭い波長範囲(例えば、10nm)に含まれる光である。
【0034】
第2光源部12は、シード光源121から出射した光をシード光P2(P21)として、光ファイバ2の光入射部21に入射させる。また、第2光源部12は、シード光源122から出射した光をシード光P2(P22)として、光ファイバ2の光入射部21に入射させる。第2光源部12は、シード光源123から出射した光をシード光P2(P23)として、光ファイバ2の光入射部21に入射させる。
【0035】
第2光源部12は、第1光源部11とグレーティング7を共用しており、第2光源部12から出射した光(シード光P2)をグレーティング7で回折させて光入射部21に入射する。
【0036】
(3)発光装置の動作
発光装置1では、第1光源部11から励起光P1を出射させ、かつ、第2光源部12からシード光P2を出射させる。これにより、発光装置1では、励起光P1及びシード光P2が光ファイバ2の光入射部21に入射される。光入射部21に入射した励起光P1の一部は、光出射部22から出射される。発光装置1では、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4は、励起光P1と、波長変換材料から発生する波長約480nmのASE、及びシード光P2が増幅された光(シード光P2と同じ波長の光)の混色光である。波長の異なる4種類の誘導放出光P3は、例えば、シアン色と、緑色光と、オレンジ光と、赤色光と、である。この場合、混色光は、例えば、白色光である。
【0037】
光ファイバ2は、自然放出光とシード光P2により誘導放出が生じるので、光入射部21に入射した励起光P1と、誘導放出により増幅された誘導放出光P3とが光出射部22から出射する。光ファイバ2の光出射部22から出射される混色光は、インコヒーレント光である。発光装置1では、光ファイバ2の光入射部21から光出射部22に近づくにつれて誘導放出光P3が増加、又は減少する。発光装置1では、ASEとシード光P2の波長に応じて、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の色度、色温度、演色性等が決まる。なお、発光装置1の動作は、レーザ発振するファイバレーザの動作とは異なる。
【0038】
発光装置1では、発熱源となる波長変換材料が光ファイバ2のコア3に分散されているので、使用時の温度上昇を抑制できる。
【0039】
ところで、発光装置1は、グレーティング7と光入射部21との間に配置されるレンズ8を備えていてもよい。レンズ8は、励起光P1及びシード光P2を光ファイバ2の光入射部21へ効率良く導入するためのレンズである。
【0040】
また、発光装置1は、複数のシード光P2それぞれの強度を調整する調整部を更に有していてもよい。これにより、発光装置1では、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の色度を調整可能となる。要するに、発光装置1では、調色が可能となる。
【0041】
調整部は、例えば、第2光源部12の複数のシード光源121~123と光ファイバ2との間に配置される光学部材であって、複数の波長フィルタを含む。複数の波長フィルタの各々は、例えば、光学多層膜等を含む光学素子である。
【0042】
調整部は、複数の波長フィルタを含む光学部材に限らず、例えば、第2光源部12の複数のシード光源121~123を一対一に駆動する複数の駆動装置であってもよい。
【0043】
(4)まとめ
実施形態1に係る発光装置1は、光ファイバ2と、第1光源部11と、第2光源部12と、を備える。光ファイバ2は、光入射部21と、光出射部22と、波長変換部23と、有する。波長変換部23は、光入射部21と光出射部22との間に設けられている。波長変換部23は、励起光P1によって励起され、励起光P1よりも長波長の自然放出光を発生し、自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する波長変換材料を含む。第1光源部11は、励起光P1を光入射部21に入射させる。第2光源部12は、励起光P1又は自然放射増幅光によって励起された波長変換材料から誘導放出光P3を発生させるためのシード光P2を光入射部21に入射させる。これにより、実施形態1に係る発光装置1では、励起光P1とは異なる波長の光(誘導放出光P3)の強度を高めることが可能となる。
【0044】
また、実施形態1に係る発光装置1は、波長変換部23が波長変換材料としてPr3+を含有しており、シアン色のASEを放出するのみならず、互いに波長の異なる複数のシード光P2を光入射部21に入射させるので、緑色の誘導放出光、オレンジ色の誘導放出光、赤色の誘導放出光それぞれの強度を高めることができる。これにより、実施形態1に係る発光装置1は、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の演色性を向上させることが可能となる。また、実施形態1に係る発光装置1は、波長変換部23が波長変換材料としてPr3+とTb3+とを含有しているので、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の演色性を更に向上させることが可能となる。このとき、Tb3+はPr3+からのシアン色のASEを吸収し、シアン色のASE強度を最適化するのみならず、黄緑色(波長約550nm)のASEを発生させる。
【0045】
また、実施形態1に係る光ファイバ2は、光入射部21と、光出射部22と、波長変換部23と、を備える。波長変換部23は、光入射部21と光出射部22との間に設けられている。波長変換部23は、波長変換材料を含む。波長変換材料は、励起光P1によって励起され、励起光P1よりも長波長の自然放出光を発生し、誘導放出によって自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する。光入射部21に、励起光P1と、励起光P1又は自然放射増幅光によって励起された波長変換材料から誘導放出光P3を発生させるためのシード光P2と、が入射される。これにより、実施形態1に係る光ファイバ2は、励起光P1とは異なる波長の光(誘導放出光P3)の強度を高めることが可能となる。
【0046】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る発光装置1aについて、図4に基づいて説明する。実施形態2に係る発光装置1aに関し、実施形態1に係る発光装置1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
実施形態2に係る発光装置1aは、実施形態1に係る発光装置1におけるグレーティング7、及び、第2光源部12の複数(図示例では、3つ)のシード光源121~123と光ファイバ2との間に配置される調整部を備えていない。実施形態2に係る発光装置1aは、第1光源部11及び第2光源部12と光入射部21との間に配置されたレンズ9を備える点で、実施形態1に係る発光装置1と相違する。
【0048】
第1光源部11及び第2光源部12は、1枚の実装基板100に配置されている。第1光源部11は、レーザ光源111を含む。第2光源部12は、複数のシード光源121~123を含む。
【0049】
レンズ9は、例えば、第1光源部11から出射された励起光P1及び第2光源部12から出射されたシード光P2を光ファイバ2の光入射部21へ効率良く導入するための集光レンズである。
【0050】
実施形態2に係る発光装置1aでは、実施形態1に係る発光装置1と同様、波長変換部23は、励起光P1によって励起され、励起光P1よりも長波長の自然放出光を発生し、自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する波長変換材料を含む。第1光源部11は、励起光P1を光入射部21に入射させる。第2光源部12は、励起光P1又は自然放射増幅光によって励起された波長変換材料から誘導放出光P3を発生させるためのシード光P2を光入射部21に入射させる。これにより、実施形態2に係る発光装置1aでは、励起光P1とは異なる波長の光(誘導放出光P3)の強度を高めることが可能となる。
【0051】
実施形態2に係る発光装置1aは、複数のシード光P2(P21),P(P22),P2(P23)それぞれの強度を調整する調整部として、第2光源部12の複数のシード光源121~123を一対一に駆動する複数の駆動装置を備えていてもよい。
【0052】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る発光装置1bについて、図5に基づいて説明する。実施形態3に係る発光装置1bに関し、実施形態1に係る発光装置1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
実施形態3に係る発光装置1bでは、第1光源部11及び第2光源部12が、白色光源15と、分光用のグレーティング17と、を有する。
【0054】
白色光源15は、例えば、青色LEDチップと、波長変換層と、を備える白色LEDである。青色LEDチップは、青色光を放射する。波長変換層は、青色LEDチップを覆っている。波長変換層は、青色LEDチップから放射される青色光によって励起されて黄色光を放射する波長変換材料粒子を含む。白色光源15は、実装基板101に実装されている。
【0055】
分光用のグレーティング17は、白色光を、例えば、励起光P1(青色光)及び複数(図示例では、3つ)のシード光P21,P22,P23に分光する。シード光P21は、例えば、緑色光である。シード光P22は、例えば、オレンジ色光である。シード光P23は、例えば、赤色光である。グレーティング17は、透過型の回折格子である。グレーティング17の材料は、例えば、石英であるが、これに限らない。
【0056】
発光装置1bは、コリメートレンズ16と、コリメートレンズ18Aと、調整部10と、コリメートレンズ18Bと、集光レンズ19と、を更に備える。コリメートレンズ16は、白色光源15と、分光用のグレーティング17との間に配置されている。コリメートレンズ18A、18Bは、分光用のグレーティング17とグレーティング7との間に配置されている。集光レンズ19は、グレーティング7と光ファイバ2の光入射部21との間に配置されている。
【0057】
コリメートレンズ16は、白色光源15から放射される白色光を分光用のグレーティング17へ入射させる。
【0058】
コリメートレンズ18Aは、分光用のグレーティング17からの励起光P1及び複数のシード光P21、P22,P23をコリメートする。
【0059】
調整部10は、複数のシード光P21、P22、P23それぞれの強度を調整する。調整部10は、例えば、透過波長を制御するフィルタ、又は透過率を調整できる液晶フィルタ等を含む。
【0060】
コリメートレンズ18Bは、励起光P1及び複数のシード光P21、P22,P23をグレーティング7へ入射させる。
【0061】
グレーティング7は、入射した励起光P1及び複数のシード光P21、P22,P23を回折させる。
【0062】
集光レンズ19は、グレーティング7からの励起光P1、シード光P21、P22,P23を光入射部21に入射させる。
【0063】
実施形態3に係る発光装置1bでは、実施形態1に係る発光装置1と同様、波長変換部23は、波長変換材料を含む。波長変換材料は、励起光P1によって励起され、励起光P1よりも長波長の自然放出光を発生し、誘導放出によって自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する。第1光源部11は、励起光P1を光入射部21に入射させる。第2光源部12は、励起光P1又は自然放射増幅光によって励起された波長変換材料から誘導放出光P3を発生させるためのシード光P2を光入射部21に入射させる。これにより、実施形態3に係る発光装置1bでは、励起光P1とは異なる波長の光(誘導放出光P3)の強度を高めることが可能となる。
【0064】
(実施形態4)
以下、実施形態4に係る発光装置1c及び光ファイバ2cについて、図6に基づいて説明する。実施形態4に係る発光装置1cに関し、実施形態1に係る発光装置1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
実施形態4に係る発光装置1cは、実施形態1に係る発光装置1における光ファイバ2の代わりに、光ファイバ2cを備える点で、実施形態1に係る発光装置1と相違する。
【0066】
光ファイバ2cは、コア3の第1端面31にカップリングされた第1光ファイバ13及び第2光ファイバ14を更に備える。第1光ファイバ13は、波長変換材料の添加されていないコア131を有する。第2光ファイバ14は、波長変換材料の添加されていないコア141を有する。コア131の材料は、例えば、コア3の主成分と同じである。コア141の材料は、例えば、コア3の主成分と同じである。コア131及びコア141の屈折率は、コア3の屈折率と同じであるのが好ましい。
【0067】
また、実施形態4に係る光ファイバ2cでは、光入射部21は、第1光入射部211と、第2光入射部212と、を有する。第1光入射部211には、励起光P1が入射する。第2光入射部212は、第1光入射部211とは別に設けられている。第2光入射部212は、シード光P2が入射する。ここにおいて、第2光入射部212には、複数のシード光P2が入射する。
【0068】
光ファイバ2cでは、第1光入射部211は、第1光ファイバ13により構成されている。第2光入射部212は、第2光ファイバ14により構成されている。光ファイバ2cは、第1光入射部211を複数備える。したがって、発光装置1cは、複数の第1光入射部211を備える。発光装置1cは、複数の第1光源部11を備える。複数の第1光源部11は、複数の第1光入射部211に一対一に対応するように配置されている。
【0069】
実施形態4に係る光ファイバ2cは、実施形態1に係る光ファイバ2と同様、光入射部21と、光出射部22と、波長変換部23と、を備える。波長変換部23は、光入射部21と光出射部22との間に設けられている。波長変換部23は、波長変換材料を含む。波長変換材料は、励起光によって励起され、励起光P1よりも長波長の自然放出光を発生し、誘導放出によって自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する。光入射部21に、励起光P1と、励起光P1又は自然放射増幅光によって励起された波長変換材料から誘導放出光P3を発生させるためのシード光P2と、が入射される。これにより、実施形態4に係る光ファイバ2cは、励起光P1とは異なる波長の光(誘導放出光P3)の強度を高めることが可能となる。
【0070】
また、実施形態4に係る光ファイバ2cは、第1光入射部211と第2光入射部212とを有するので、光入射部21に、励起光P1及びシード光P2それぞれを入射させやすくなる。
【0071】
(変形例)
上記の実施形態1~4は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1~4は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、光ファイバ2では、光入射部21と光出射部22との間の波長変換部23の数は1つに限らず、例えば、複数であってもよい。この場合、複数の波長変換部23は、コア3の光軸方向に並ぶ。
【0073】
また、光出射部22は、光ファイバ2の光軸に直交する面に対して所定角度で傾斜した傾斜面221を含む場合に限らない。この場合、コア3の第2端面32が光ファイバ2の光軸に直交していてもよい。
【0074】
また、第2光源部12は、複数のLEDにより構成してもよく、この場合、第2光源部12は、例えば、複数のLEDと光入射部21との間に、スーパーレンズ効果を有するフォトニック結晶を備えてもよい。
【0075】
また、発光装置1,1a,1cでは、第2光源部12が複数のシード光源(3つのシード光源121~123)を含んでいるが、少なくとも1つのシード光源を含んでいればよい。
【0076】
また、発光装置1bは、白色光源15を備えているが、白色光源15の代わりに、例えば、SC(Super Continuum)光源を備えていてもよい。
【0077】
(態様)
以上説明した実施形態1~4等から本明細書には以下の態様が開示されている。
【0078】
第1の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)は、光ファイバ(2)と、第1光源部(11)と、第2光源部(12)と、を備える。光ファイバ(2)は、光入射部(21)と、光出射部(22)と、波長変換部(23)と、有する。波長変換部(23)は、光入射部(21)と光出射部(22)との間に設けられている。波長変換部(23)は、波長変換材料を含む。波長変換材料は励起光(P1)によって励起され、励起光(P1)よりも長波長の自然放出光を発生し、自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する。第1光源部(11)は、励起光(P1)を光入射部(21)に入射させる。第2光源部(12)は、励起光(P1)又は自然放射増幅光によって励起された波長変換材料から誘導放出光(P3)を発生させるためのシード光(P2)を光入射部(21)に入射させる。
【0079】
第1の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、励起光(P1)とは異なる波長の光(誘導放出光P3)の強度を高めることが可能となる。
【0080】
第2の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、第1の態様において、波長変換材料は、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される元素を含む。
【0081】
第2の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、例えば、波長変換材料として2つ以上の元素を含む場合、少なくとも一の元素からの自然放射増幅光による励起によって、別の元素からの異なる波長での自然放射増幅光を発生させることもできる。
【0082】
第3の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、第1又は2の態様において、光入射部(21)には、互いに波長の異なる複数のシード光(P21,P22,P23)が入射される。
【0083】
第3の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、複数のシード光(P21,P22,P23)に一対一に対応する複数の誘導放出光(P3)を含む光(P4)を光出射部(22)から出射させることが可能となる。
【0084】
第4の態様に係る発光装置(1;1a;1c)では、第3の態様において、第2光源部(12)は、複数のシード光(P21,P22,P23)それぞれを出力する複数の光源(シード光源121,122,123)を有する。
【0085】
第4の態様に係る発光装置(1;1a;1c)では、励起光(P1)と互いに波長の異なる複数の誘導放出光(P3)との混色光(光P4)を光出射部(22)から出射させることが可能となる。
【0086】
第5の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)は、第4の態様において、複数のシード光(P21,P22,P23)それぞれの強度を調整する調整部(10)を更に有する。
【0087】
第5の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、光ファイバ(2)の光出射部(22)から出射される光(P4)の色度を調整可能となる。
【0088】
第6の態様に係る発光装置(1b)では、第3の態様において、第1光源部(11)及び第2光源部(12)は、白色光源(15)と、分光用のグレーティング(17)と、を有する。分光用のグレーティング(17)は、白色光源(15)から放射された白色光を分光することで励起光(P1)及び複数のシード光(P21,P22,P23)を出射する。
【0089】
第7の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、光入射部(21)は、励起光(P1)及びシード光(P2)の反射を低減する反射低減部を含む。
【0090】
第7の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、励起光(P1)及びシード光(P2)が光入射部(21)に入射したときに反射されにくくなり、光出射部(22)から出射される光(P4)の高出力化を図ることが可能となる。
【0091】
第8の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、第1~7の態様のいずれか一つにおいて、光出射部(22)は、光ファイバ(2)の光軸に直交する面に対して所定角度で傾斜した傾斜面(221)を含む。
【0092】
第8の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、光出射部(22)から出射される光(P4)の高出力化を図ることが可能となる。
【0093】
第9の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、第1~8の態様のいずれか一つにおいて、光出射部(22)は、励起光(P1)及び誘導放出光(P3)の反射を低減する反射低減部(6)を含む。
【0094】
第9の態様に係る発光装置(1;1a;1b;1c)では、光出射部(22)から出射される光(P4)の高出力化を図ることが可能となる。
【0095】
第10の態様に係る発光装置(1;1a;1c)では、第1~9の態様のいずれか一つにおいて、第1光源部(11)は、レーザ光源(111)を含む。
【0096】
第10の態様に係る発光装置(1;1a;1c)では、励起光(P1)の強度を高めることができる。
【0097】
第11の態様に係る光ファイバ(2;2c)は、光入射部(21)と、光出射部(22)と、波長変換部(23)と、を備える。波長変換部(23)は、光入射部(21)と光出射部(22)との間に設けられている。波長変換部(23)は、波長変換材料を含む。波長変換材料は、励起光(P1)によって励起され、励起光(P1)よりも長波長の自然放出光を発生し、自然放出光を増幅して自然放射増幅光を発生する。光入射部(21)に、励起光(P1)と、励起光(P1)又は自然放射増幅光によって励起された波長変換材料から誘導放出光(P3)を発生させるためのシード光(P2)と、が入射される。
【0098】
第11の態様に係る光ファイバ(2;2c)は、励起光(P1)とは異なる波長の光(誘導放出光P3)の強度を高めることが可能となる。
【0099】
第12の態様に係る光ファイバ(2c)では、第11の態様において、光入射部(21)は、第1光入射部(211)と、第2光入射部(212)と、を有する。第1光入射部(211)には、励起光(P1)が入射する。第2光入射部(212)は、第1光入射部(211)とは別に設けられている。第2光入射部(212)は、シード光(P2)が入射する。
【0100】
第12の態様に係る光ファイバ(2c)では、光入射部(21)に、励起光(P1)及びシード光(P2)それぞれを入射させやすくなる。
【符号の説明】
【0101】
1、1a、1b、1c 発光装置
2、2c 光ファイバ
21、21c 光入射部
211 第1光入射部
212 第2光入射部
22 光出射部
221 傾斜面
23 波長変換部
3 コア
31 第1端面
32 第2端面
4 クラッド
5 被覆部
6 反射低減部
7 グレーティング
8 レンズ
9 レンズ
10 調整部
11 第1光源部
111 レーザ光源
12 第2光源部
121 シード光源
122 シード光源
123 シード光源
17 グレーティング
E0 基底準位
E2 励起準位
E1 準安定準位
P1 励起光
P2 シード光
P3 誘導放出光
P4 光
図1
図2
図3
図4
図5
図6