(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】金型を挿入または排出するための搬送装置を備えた射出成形システム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/17 20060101AFI20230208BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20230208BHJP
B29C 45/84 20060101ALI20230208BHJP
B29C 45/64 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B29C45/17
B29C45/76
B29C45/84
B29C45/64
(21)【出願番号】P 2021546812
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 US2020020213
(87)【国際公開番号】W WO2020180626
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520449345
【氏名又は名称】キヤノンバージニア, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Canon Virginia, Inc.
【住所又は居所原語表記】12000 Canon Blvd., Newport News, Virginia, United States of America
(73)【特許権者】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小平 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】柳原 裕一
(72)【発明者】
【氏名】湊谷 洋平
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-095040(JP,A)
【文献】特開2014-028491(JP,A)
【文献】特開2018-001738(JP,A)
【文献】特開平11-291294(JP,A)
【文献】特開2014-019144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/17
B29C 45/76
B29C 45/84
B29C 45/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形システムであって、
射出成形を行うように構成された射出成形装置と、
前記射出成形装置の一側方に設けられ、前記射出成形装置の第1の開口部を通して第1の金型を排出および挿入するように構成された第1の搬送装置と、
前記射出成形装置の他側方に設けられ、前記射出成形装置の第2の開口部を通して第2の金型を排出および挿入するように構成された第2の搬送装置と、を備え、
前記射出成形装置の改良は、
前記第1の開口部の少なくとも一部を覆うことが可能な第1の扉と、
前記第2の開口部の少なくとも一部を覆うことが可能な第2の扉と、
前記第2の扉が開いている場合、前記第1の金型による射出成形を禁止するように構成されたコントローラと、
を備え
、
前記第2の扉は、前記第2の金型用に前記射出成形装置のプラテンの位置を調整した後に開くことが可能である、射出成形システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第2の扉が閉じている場合、前記第1の金型による射出成形を可能にする、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第2の扉の開放に応じて、前記第1の金型による射出成形を停止する、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第2の扉が開いている場合、前記第1の金型による射出成形の開始を禁止する、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第2の扉が開いている場合、前記第1の搬送装置が前記第1の金型を搬送することを禁止する、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第2の扉が閉じている場合、前記第1の搬送装置が前記第1の金型を搬送することを可能にする、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第2の扉の開放に応じて、前記第1の搬送装置が前記第1の金型を搬送することを停止する、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記第2の扉が開いている場合、前記第1の搬送装置が前記第1の金型の搬送を開始することを禁止する、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項9】
前記第1の金型を移動させるために前記第1の搬送装置を始動させるための入力を受け付けるように構成されたユーザインタフェースをさらに備える、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記第2の金型用の前記射出成形装置のプラテンの位置を調整した後に、前記第2の扉を開くことを可能にする、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項11】
射出成形が禁止されていることを示す通知を発行するように構成された警告装置をさらに備える、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項12】
前記第1の搬送装置の周囲に扉を含む壁をさらに備え、
前記コントローラは、前記壁の扉が開いている場合、前記第1の金型による射出成形を禁止する、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項13】
前記第1の搬送装置は、
前記第1の金型を移動させるための第1のアクチュエータと、
前記アクチュエータに接続され、且つ、前記第1の金型に接続して前記第1のアクチュエータから前記第1の金型へ力を伝達するように構成された、第1の接続部材と、をさらに備え、
前記壁は、前記第1のアクチュエータおよび前記第1の接続部材へのアクセスを制限する、請求項12に記載の射出成形システム。
【請求項14】
前記第1の搬送装置の周囲に扉を含む壁をさらに備え、
前記コントローラは、前記壁の扉が開いている場合、前記第1の搬送装置が前記第1の金型を搬送することを禁止する、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項15】
前記第1の金型による前記射出成形が実行されている間、前記第1の扉が開いている、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項16】
前記第2の搬送装置の周囲に扉を含む壁をさらに備え、
前記コントローラは、前記第2の扉が閉じている場合、前記第1の金型による前記射出成形が行われている間、前記扉が開くことを可能にする、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項17】
前記第1の搬送装置の周囲に扉を含む壁をさらに備え、
前記第1の扉は、前記第1の扉が閉じられている場合、前記射出成形装置の内部の前記第1の開口部を介したアクセスを制限するように構成され、
前記第1の扉が開かれている場合、閉じられた状態の前記扉を有する前記壁が、前記第1の開口部を介したアクセスを制限するように構成される、請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項18】
請求項1に記載の射出成形システムを用いて射出成形を実行して成形品を製造する製造
方法であって、
前記第1の開口部を介して前記第1の金型を前記射出成形装置に挿入することと、
前記射出成形装置内の前記第1の金型へ樹脂を射出することと、
前記第1の金型に対する樹脂の射出後、前記第1の金型を前記射出成形装置から排出することと、を備える製造方法。
【請求項19】
射出成形装置であって、
前記射出成形装置に対し、
第1の金型を排出および挿入するための第1の開口部と、
前記射出成形装置に対し、
第2の金型を排出および挿入するための第2の開口部と、を備え、
前記射出成形装置の改良は、
前記第1の開口部の少なくとも一部を覆うことが可能な第1の扉と、
前記第2の開口部の少なくとも一部を覆うことが可能な第2の扉と、
前記第2の扉が開いている場合、前記第1の金型による射出成形を禁止するように構成されたコントローラと、
を含
み、
前記第2の扉は、前記第2の金型用に前記射出成形装置のプラテンの位置を調整した後に開くことが可能である、射出成形装置。
【請求項20】
請求項
19に記載の射出成形装置を用いて射出成形を実行
して成形品を製造する製造方法であって、
前記第2の扉が開いている場合、前記第1の金型による前記射出成形は前記コントローラにより制限される、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、平成31年3月1日に出願された米国特許出願第62/812768号の利点を主張する。
【0002】
本開示は、射出成形システムに関する。
【背景技術】
【0003】
射出成形機による成形部品の製造は、金型をクランプすることと、金型内に樹脂を射出することと、樹脂の固化による体積減少を補償するために高圧で樹脂を金型内に押し込むことと、樹脂が固化するまで成形部品を金型内に保持することと、成形部品を金型から排出する(取り出す)こととを含む。射出成形のこれらの段階は繰り返し行われる。
【0004】
1つの金型で所定数の成形を行った後、射出成形機から金型を排出する。次回使用する金型をセットアップし、射出成形機に挿入する。次いで、この金型は、所定数の射出成形に使用される。このプロセスはしばしば時間と資源を要する可能性があり、射出成形機は、通常、このプロセスの間、アイドル状態のままである。これは、全体的な生産性に影響を及ぼす可能性がある。また、金型は重く、使用時に加熱されるため、オペレータの安全にも配慮する必要がある。
【0005】
生産性を高めるために一つの射出成形機で二つの金型を用いる方法が提案されている。例えば、米国特許出願公開第2018/0009146号明細書/特開2018-001738号公報/ベトナム20160002505号は、搬送装置3A及び3Bが射出成形機2の両側に配置されるシステムを論じている。このシステムでは、1台の射出成形機2に対して搬送装置3A、3Bにより複数の金型を交互に配置しながら成形部品を製造する。
図20は、米国特許出願公開第2018/0009146号明細書/特開2018-001738号公報/ベトナム20160002505号の射出成形システムを示す。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様によれば、射出成形システムは、
射出成形を行うように構成された射出成形装置と、
前記射出成形装置の一側方に設けられ、前記射出成形装置の第1の開口部を通して第1の金型を排出および挿入するように構成された第1の搬送装置と、
前記射出成形装置の他側方に設けられ、前記射出成形装置の第2の開口部を通して第2の金型を排出および挿入するように構成された第2の搬送装置と、を備え、
前記射出成形装置の改良は、
前記第1の開口部の少なくとも一部を覆うことが可能な第1の扉と、
前記第2の開口部の少なくとも一部を覆うことが可能な第2の扉と、
前記第2の扉が開いている場合、前記第1の金型による射出成形を禁止するように構成されたコントローラと、
を備える。
【0007】
本開示の他の態様、特徴、および技術を、図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態、目的、特徴、および利点を示す。
【0009】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態による射出成形システム1の平面図を示す。
【0010】
【0011】
【
図3】
図3は、固定プラテン61の端面図であり、
図2のI-I線の矢印方向から見た図である。
【0012】
【
図4】
図4は、成形動作位置の周囲の構成の部分斜視図である。
【0013】
【
図5】
図5は、アクチュエータを駆動することによって金型が移動される搬送装置の側面図である。
【0014】
【
図6】
図6は、例示的な実施形態による射出成形システムの構成要素間の関係を示すブロック図である。
【0015】
【
図7】
図7は、例示的な実施形態による射出成形システムの構成要素について定義された状態を示すチャートを示す。
【0016】
【
図8A】
図8Aは、例示的な実施形態による成形条件のセットを示す。
【0017】
【
図8B】
図8Bは、例示的な実施形態による射出成形タスクのリストを示す。
【0018】
【
図8C】
図8Cは、例示的な実施形態に従って実行されるようにスケジューリングされた「待機」成形タスクのキューを示す。
【0019】
【
図9A】
図9Aは、例示的な実施形態による射出成形を実行する射出成形システムのプロセスを示すフローチャートである。
【0020】
【
図9B】
図9Bは、例示的な実施形態による成形タスクリスト及び成形キューを更新するプロセスを示すフローチャートである。
【0021】
【
図10】
図10は、例示的な実施形態による、通常の逐次的成形を含む複数のモードオプションを示す。
【0022】
【
図11B】
図11Aおよび
図11Bは、例示的な実施形態による、通常の逐次成形モードにおける射出成形システムのプロセスを示すフローチャートを示す。
【0023】
【
図12】
図12は、例示的な実施形態による金型扉の開放を示す図である。
【0024】
【
図13】
図13は、例示的な実施形態による、金型100を搬送装置に排出する搬送ユニットを示す図である。
【0025】
【
図14】
図14は、例示的な実施形態による金型扉の閉鎖を示す図である。
【0026】
【
図15】
図15は、例示的な実施形態による金型扉の開放を示す図である。
【0027】
【
図16】
図16は、例示的な実施形態による金型の挿入を示す図である。
【0028】
【
図17】
図17は、異なる例示的な実施形態の通常の逐次成形モードにおける例示的なプロセスを示す。
【0029】
【
図18】
図18は、例示的な実施形態による、並列成形モードにおける射出成形システムの構成要素の例示的なプロセスを示すタイミングチャートを示す。
【0030】
【
図19】
図19は、例示的な実施形態による、組み合わせモードにおける射出成形システムの構成要素の例示的なプロセスを示すタイミングチャートを示す。
【0031】
【0032】
図面全体を通して、別段の記載がない限り、同じ参照符号および文字は、例示された実施形態の同様の特徴、要素、構成要素または部分を示すために使用される。本開示は図面を参照して詳細に説明されるが、例示的な実施形態に関連してそのように行われる。添付の特許請求の範囲によって定義される主題の開示の真の範囲および精神から逸脱することなく、記載された例示的な実施形態に対して変更および修正を行うことができることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示はいくつかの実施形態を有し、当業者に知られている詳細については、特許、特許出願、および他の参考文献に依拠する。したがって、特許、特許出願、または他の参考文献が本明細書中で引用または反復される場合、それは、すべての目的のため、ならびに記載される提案のために、その全体が参照により組み込まれることが理解されるべきである。
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る射出成形システムについて説明する。各図中の矢印記号X及びYは互いに直交する水平方向を示し、矢印記号Zは、地面に対して垂直(直立)方向を示す。
【0035】
図20および
図2~
図4は、米国特許出願公開第2018/0009146号明細書/特開2018-001738号公報/ベトナム20160002505号に記載されている射出成形システムを示しており、本明細書では情報/説明のみを目的として提供されている。
【0036】
射出成形システム1は、横型の射出成形機2(IMM2)と、搬送装置3A、3Bとを備えている。射出成形システム1は、搬送装置3A、3Bにより複数の金型を挿抜しながら成形部品を製造するように構成されている。2つの金型100Aおよび100Bが使用される。
【0037】
金型100A/100Bは、固定金型101と可動金型102の対(ペア)であり、固定金型101に対して開閉される。この成形部品は、固定金型101と可動金型102との間に形成されたキャビティに溶融樹脂を射出することにより成形される。クランプ板101aおよび102aは、固定金型101および可動金型102にそれぞれ固定されている。クランプ板101a及び102aは、金型100A/100BをIMM2の成形動作位置11(金型クランプ位置)にロックするために使用される。
【0038】
金型100A/100Bについては、固定金型101と可動金型102との間に閉鎖状態を維持するための自閉ユニット103が設けられている。自閉ユニット103は、金型100A/100BをIMM2からアンロードした後に金型100A/100Bが開くのを防止することを可能にする。自閉ユニット103は、磁力を用いて金型100A/100Bを閉鎖状態に維持する。また、自閉ユニット103は、固定金型101及び可動金型102の対向面に沿った複数箇所に位置している。自閉ユニット103は、固定金型101の側にある要素と可動金型102の側にある要素との組合せである。自閉ユニット103については、典型的には2つ以上の対(ペア)が金型100Aおよび100Bのうちの1つのために設置される。
【0039】
搬送装置3Aは、金型100AをIMM2の成形動作位置11にロード、アンロードする。搬送装置3Bは、金型100Bを成形動作位置11にロード、アンロードする。搬送装置3A、IMM2、搬送装置3Bは、X軸方向に順に並べて配置されている。つまり、搬送装置3A及び搬送装置3Bは、IMM2をX軸方向に挟むようにIMM2に対して横方向に配置されている。搬送装置3A、3Bは対向配置されており、IMM2の横方向の一方の側に搬送装置3Aが、隣り合う他方の側に搬送装置3Bがそれぞれ配置されている。成形動作位置11は、搬送装置3Aと搬送装置3Bとの間に位置している。搬送装置3Aは、フレーム30と複数のローラ32と複数のローラ33とを有している。搬送装置3Bは、フレーム30と、搬送ユニット31Bと、複数のローラ32と、複数のローラ33とを有している。搬送装置コントローラ42Aは搬送装置3Aを制御し、搬送装置コントローラ42Bは、搬送装置3Bを制御する。
【0040】
フレーム30は、搬送装置3A/3Bの骨格(スケルトン)であり、搬送ユニット31Bと、複数のローラ32、33とを支持している。搬送ユニット31Bは、金型100A/100BをX軸方向に前後移動させ、金型100A/100Bを成形動作位置11に対して除去挿入する装置である。搬送ユニット31Bは、搬送装置コントローラ42Bによって制御される。
【0041】
複数のローラ32は、X軸方向に並ぶローラ列を構成し、Y軸方向に2列に分離されている。複数のローラ32は、Z軸方向に回転軸を中心として回転し、金型100A/100Bの側面(クランプ板101a、102aの側面)に接触して金型100A/100Bを側方から支持する金型100A/100BのX軸方向の移動を案内する。複数のローラ33は、X軸方向に並ぶローラ列を構成し、Y軸方向に2列に分離されている。複数のローラ33は、Y軸方向に回転軸を中心として回転し、金型100A/100BのX軸方向の移動を滑らか(スムーズ)にして、金型100A/100Bの底面(クランプ板101a、102aの底面)を支持し、金型100A/100Bを下方から支持する。
【0042】
コントローラ41はIMM2を制御し、コントローラ42Aは搬送装置3Aを制御し、コントローラ42Bは搬送装置3Bを制御する。コントローラ41、42A、42Bはそれぞれ、例えば、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置、センサやアクチュエータに接続されたインタフェース等を含む(図示せず)。プロセッサは、記憶装置に記憶されたプログラムを実行する。以下、コントローラ41が実行するプログラム(制御)の一例について説明する。コントローラ41は、コントローラ42A及び42Bと通信可能に接続され、金型100A/100Bの搬送に関する命令をコントローラ42A及び42Bへ提供する。コントローラ42A及び42Bは、金型100A/100Bのロード、アンロード(出し入れ)が終了した場合に、動作完了の信号をコントローラ41に送信する。また、コントローラ42A及び42Bは、異常発生時に緊急停止信号をコントローラ41に送信する。
【0043】
図2は、IMM2の側面図を示す。
図3は、固定プラテン61の端面図であり、
図2のI-I線の矢印方向から見た図である。
図4は、成形動作位置11の周囲の構成を説明するための部分斜視図を示す。
【0044】
図20及び
図2を参照すると、IMM2は、射出装置5と、クランプ装置6と、成形部品を排出する取出ロボット7と、コントローラ41とを備えている。射出装置5及びクランプ装置6は、フレーム10上にY軸方向に配置されている。
【0045】
射出装置5は、Y軸方向に延びるように配置された射出シリンダ51を備えている。射出シリンダ51は、バンドヒータ等の加熱装置(図示せず)を備え、ホッパ53から導入された樹脂を溶融する。スクリュー51aが射出シリンダ51内に一体化され、スクリュー51aを回転させると、射出シリンダ51内に導入された樹脂が可塑化され、測定される。スクリュー51aの軸方向(Y軸方向)への移動により、射出ノズル52から溶融樹脂を射出することができる。
【0046】
排出口を開閉する遮断ノズルをノズル52として用いることができる。しかしながら、ノズル52の機能の実装を可能にする任意の機構が適用可能である。
図2は、遮断ノズルの一例を示す図である。排出口52aを開閉するピン56aは、開閉機構56として用いられる。ピン56aは、リンク56bを介してアクチュエータ(シリンダ)56cと接続され、アクチュエータ56cの動作を介して吐出口52aが開閉される。
【0047】
駆動部54が射出シリンダ51を支持する。駆動部54は、スクリュー51aを回転駆動して樹脂を可塑化し測定するためのモータ(図示せず)と、スクリュー51aを駆動して軸方向に前後進させるためのモータ(図示せず)とを備えている。駆動部54は、フレーム10上のレール12に沿ってY軸方向に前後移動することができる。また、駆動部54は、例えば電動シリンダ55のようなアクチュエータを含み、これにより射出装置5をY軸方向に前方/後方に移動させることができる。
【0048】
クランプ装置6は、金型100A/100Bのクランプ及び開閉を行う。クランプ装置6では、固定プラテン61、可動プラテン62、可動プラテン63がY軸方向に順に配置されている。プラテン61~63を介して、複数のタイバー64が通過する。各タイバー64はY軸方向に延びる軸であり、その一端が固定プラテン61に固定されている。タイバー64の各々は、可動プラテン62に形成されたそれぞれの貫通孔に挿入される。タイバー64の各々の他端は、調整機構67を介して可動プラテン63に固定されている。可動プラテン62、63はフレーム10上のレール13に沿ってY軸方向に移動可能であり、固定プラテン61はフレーム10に固定されている。
【0049】
可動プラテン62と可動プラテン63との間にはトグル機構65が配置されている。トグル機構65は、可動プラテン62を可動プラテン63に対して、すなわち固定プラテン61に対してY軸方向に前後に移動させる。トグル機構65は、リンク65a~65cを備えている。リンク65aは、可動プラテン62に回転自在に連結されている。リンク65bは、可動プラテン63に回動可能に連結されている。リンク65aとリンク65bとは、互いに回動可能に連結されている。リンク65cとリンク65bとは、互いに回動可能に連結されている。リンク65cは、アーム66cに回動可能に接続されている。
【0050】
アーム66cは、ボールナット66bに固定されている。ボールナット66bはY軸方向に延びるボールねじ軸(ボールスクリューシャフト)66aと係合し、ボールねじ軸66aの回転によりY軸方向に前後移動する。ボールねじ軸66aは可動プラテン63によって自由に回転するように支持されており、モータ66は可動プラテン63に支持されている。モータ66はボールねじ軸66aを回転駆動する。モータ66の回転量は、ロータリエンコーダのような図示しないセンサによって検出される。モータ66を駆動することにより、モータ66の回転量を検出しながら、金型100A/100Bのクランプ及び開閉を行うことができる。
【0051】
IMM2は、クランプ力を測定するためのセンサ68を含む。例示的な実施形態では、各センサ68はタイバー64上に設けられた歪みゲージであり、タイバー64の歪みを検出することによってクランプ力を計算する。
【0052】
調整機構67は、可動プラテン63上で自由に回転するように支持されたナット67bと、駆動源としてのモータ67aと、モータ67aの駆動力をナット67bに伝達する伝達機構とを含む。タイバー64の各々は可動プラテン63に形成された穴を通過し、ナット67bと係合する。ナット67bを回転させることによって、ナット67bとタイバー64との間のY軸方向の係合位置が変化する。すなわち、タイバー64に対する可動プラテン63の固定位置が変化する。これにより、可動プラテン63と固定プラテン61との間の空間を変化させることができ、これによりクランプ力等を調整することができる。
【0053】
成形動作位置11は固定プラテン61と可動プラテン62との間の領域であり、成形動作位置11に導入された金型100A/100Bは、固定プラテン61と可動プラテン62とで挟まれ、これによりクランプされる。可動プラテン62の移動による可動金型102の移動に基づいて開閉動作が行われる。
【0054】
図3は、ノズル52が前後に移動する固定プラテン61の中央部分の開口部61aを示している。固定プラテン61の可動プラテン62の側の面(内面と呼ぶ)には複数のローラBRが自由に回転するように支持されている。複数のローラBRはY軸方向に回転軸を中心として回転し、金型100A/100BのX軸方向の移動を滑らかにして、金型100A/100Bの底面(クランプ板101aの底面)を支持し、下方から金型100A/100Bを支持する。固定プラテン61のX軸方向の両側には、ローラ支持体620が固定されており、このローラ支持体620によって複数のローラBRが支持されている。
【0055】
固定プラテン61の内面には、X軸方向に延びる溝61bが形成されている。溝61bは、上下に2列に分けて形成されている。それぞれの溝61bにはローラユニット640が配置されている。ローラユニット640については、複数のローラSRが自由に回転するように支持されている。複数のローラSRはZ軸方向に回転軸回りに回転し、金型100A/100Bの外面(クランプ板101aの外面)に接触し且つ金型100A/100Bを側方から支持する金型100A/100BのX軸方向の移動をガイドする。線II-IIの断面図に示すように、ローラユニット640は、バネ641の付勢により、ローラSRが溝61bから突出する位置に位置しており、挟持時には、溝61bに退避され、ローラSRが溝61bから突出しない位置に位置している。ローラユニット640は金型100A/100Bと固定プラテン61の内面が金型100A/100Bと交互に接触して内面を傷つけるのを防止することができ、ローラユニット640は固定プラテン61の内面と金型100A/100Bがクランプ時に閉じられることを妨害しない。
【0056】
固定プラテン61のX軸方向の両側には、ローラ支持体630が固定されており、複数のローラSRがローラ支持体630により支持されている。
【0057】
固定プラテン61上には、固定金型101を固定プラテン61に固定するための複数の固定機構(クランプ)610が配置されている。各固定機構610は、クランプ板101aと係合する係合部610aと、係合位置と係合解除位置との間で係合部610aを移動させる内蔵アクチュエータ(図示せず)とを備えている。
【0058】
なお、可動プラテン62についても、固定プラテン61と同様に、複数のローラBR、ローラ支持体620、630、ローラユニット640、及び可動金型102を固定するための固定機構610が配置されている。
【0059】
図4に示すように、クランプ装置6の周囲は安全のためカバー(外装板)60で囲まれているが、金型100A/100Bの入れ替えのために、成形動作位置11の側方に金型100A/100Bが通過するための開口部60が形成されている。各開口部60Bは典型的には連続的に開口しており、金型100A/100Bの成形動作位置11からの自由な取り外し及び挿入を可能にしている。
【0060】
ここで、
図2に戻って、取出ロボット7について説明する。取出ロボット7は、X軸方向に延びるレール71と、レール71上をX軸方向に移動可能な可動レール72とを有している。可動レール72は、Y軸方向に延びるように配置され、可動レール72上にスライダ73が配置されている。スライダ73は可動レール72により案内されてY軸方向に移動し、昇降軸73aをZ軸方向に昇降させる。昇降軸73aの下端には真空ヘッド74が配置され、真空ヘッド74上には成形部品に特化したチャック板75が取り付けられている。
【0061】
取出ロボット7は、開放後、レール71、可動レール7、スライダ73によって、
図2に破線で示すように、固定金型101と可動金型102との間で真空ヘッド74を移動させ、成形部品に固着してそれを金型100A/100Bの外側に搬送する。
【0062】
図5は、搬送装置3Aの側面図である。搬送装置3Aは、テーブル305上に固定されたアクチュエータ3010と、接続部材3020とを含む。アクチュエータ3010は、アクチュエータ3010の固定部分に関して移動可能であるスライド3032を含む。接続部材3020は、スライド3032に固定されたベース板3031と、ベース板3031の穴に挿入された先端を有するシャフト3022と、シャフト3022に接続されたブラケット3023と、ブラケット3023に一端が接続され、他端が金型100Aに接続された治具板3024とを含む。接続部材3020は、金型100Aとアクチュエータ3010とを接続する。
【0063】
スライド3032を移動させると、アクチュエータ3010、スライド3032に連結された金型100、プレート3031、および連結部材3020が移動する。アクチュエータ3010はテーブル305に固定されるため、アクチュエータ3010およびテーブル305は金型100Aの移動に基づいて移動しない。金型100Aは、アクチュエータ3010およびテーブル305に対して移動可能である。
【0064】
接続部材3020は治具板3024と共に金型100Aに取り付けられ、これもブラケット3023に固定され、これは例えば、水平方向に延在する4つの別個のバーを含むことができる。ブラケット3023はシャフト3022に固着され、これは垂直方向に延在する2つの別個のバーを含むことができる。シャフト3022は、底部においてその先端にカム従動子3021を有する。ベース板3031はスライド3032に固定され、カム従動子3021はベース板3031の穴に挿入され、それによって、金型100Aとアクチュエータ3010とを連結する。
【0065】
X軸方向の穴の幅はカム従動子3021の直径よりもわずかに大きく、これはカム従動子3021を収容するが、金型100Aの期待される正確な位置制御のためのX軸方向のシフトを許容しない。Y軸方向の穴の幅は、金型100AのY軸方向へのシフトによるアクチュエータ3010への損傷を回避するためにカム従動子3021がY軸方向にシフトするのに十分に大きい。
【0066】
以下では、金型100AがX軸方向に沿って移動する場合、及び、X軸方向に延びるアクチュエータ3010の中心線と、X軸方向に延びる接続部材3020の中心線とがY軸方向にずれている場合について説明する。より具体的には、Y軸方向への金型100Aの移動に起因して、接続部材3020がアクチュエータ3010に対して位置ずれする。
【0067】
金型100Aがアクチュエータ3010に対してY軸方向にシフトされると、金型100Aが移動している間、カム従動子3021は、穴内で回転するか、またはベース板3031の穴に沿ってY軸方向にただ滑る。カム従動子3021は、アクチュエータ3010と金型100AとのY軸方向の位置ずれにより発生する負荷を吸収することができる。すなわち、金型100AをY軸方向に移動させても、カム従動子3021及び穴によって、アクチュエータ3010又は他の構成要素への負荷を軽減することができる。金型100Aとアクチュエータ3010とのY軸方向の位置ずれが大きいほど、接続部材3020およびアクチュエータ3010に加わる負荷が大きくなる。従って、接続部材3020をY軸方向にシフトすることで、負荷を軽減または解消することができる。
【0068】
接続部材3020にシフト機構無く、アクチュエータ3010と金型100Aとが堅固に連結されている場合、金型100Aに対するY軸方向の中心は、アクチュエータ3010に対するY軸方向の中心に対して位置ずれする。金型100Aの重量およびY軸方向の移動量からの負荷は、アクチュエータ3010および接続部材3020に直接作用する。接続部材3020はY軸方向に反り、Y軸方向にアクチュエータ3010にも負荷がかかる。
図5を参照して上述したように接続部材3020を設けると、カム従動子3021はベース板3031に対してY軸方向に移動可能であり、Y軸方向にシフトする金型100Aからの負荷を低減または排除することができる。
【0069】
図5は、Z=0の線に対するアクチュエータ3010AのZ軸方向の中心の変位をZ10として、および、金型100AのZ軸方向の中心の変位をZAとして示す。
図5に示すように、Z軸方向の原点(Z=0)は、テーブル305Aの表面にある。アクチュエータ3010Aはテーブル305Aに固定されているため、アクチュエータ3010AのZ軸方向の中心がZ10(基準位置)であり、金型100AのZ軸方向の中心がZA(基準位置)である場合、アクチュエータ3010Aと金型100AとがZ軸方向にずれることはない。
【0070】
以下では、金型100Aの移動方向がX軸方向であり、金型100AのZ軸方向の中心がZAからZ軸方向にずれている場合について説明する。金型100Aが移動し、基準位置からZ軸方向に移動すると、言い換えれば、金型100AのZ軸方向の中心位置がZ軸方向にずれると、シャフト3022のカム従動子3021は、スロットに沿ってZ軸方向に移動する。この移動は、金型100Aとアクチュエータ3010とのZ軸方向の位置ずれによる負荷を吸収することができる。カム従動子3021は、スロットの内壁に沿ってスロットのZ軸方向に滑る。Yシフトと同じであるZシフトのこの機構により、アクチュエータ3010および接続部材3020に加わる負荷を低減または排除することができる。
【0071】
接続部材3020のシフト機構がなく、金型100Aとアクチュエータ3010とが堅固に連結されている場合は、金型100AのZ軸方向の中心がZAからZ軸方向にずれることになり、金型100Aの重量およびZ軸方向の移動量からの負荷が、アクチュエータ3010および接続部材3020に直接加わることになる。接続部材3020はZ軸方向に反り、Z軸方向にアクチュエータ3010Aにも負荷がかかるのであろう。
図5を参照して後述するように接続部材3010Aを設けることにより、カム従動子3021AがZ軸方向に移動可能となり、Y軸方向にシフトする金型100Aからの負荷が低減又は解消される。
【0072】
上述したように、本実施形態は、カム従動子3021Aと、ベース板3031A上のスロットとを含む。これにより、Z軸方向、および/または金型100Aとアクチュエータ3010との間のY軸方向の位置ずれから発生する負荷の低減が可能になる。上述の構成は、アクチュエータ3010が過剰な負荷を受けることを防止し、接続部材3010の損傷の可能性を低減しつつ、アクチュエータ3010Aへの負荷を低減することができる。アクチュエータ3010Aの損傷は低減され、および/または防止されることができ、その結果、負荷に耐性のあるより大きなアクチュエータがアクチュエータ3010に使用される必要がないため、射出成形システム1のコストを低減することになる。また、上記構成により、テーブル305Aの位置調整を精密にしすぎたり、IMM2に対するサイドローラ32A及びボトムローラ33Aの位置精度を精密にしすぎたりする必要がなくなり、機械部品の精度を落とすことによるコスト低減、及び/又は、射出成形システム1の組み立て時間の短縮が可能となる。
【0073】
カム従動子3021Aは滑りを伴う形状を有することができ、その形状は例えば、回転機構を伴わない丸形状であってもよいし、正方形状であってもよい。本明細書で用いる「滑り」とは、スロット穴の内側の表面に対して低い摩擦係数で移動可能であることをいう。長方形の断面を有する4つのバーがブラケット3023について上述されているが、例示的な実施形態の実施を可能にする他の形状および/または異なる数のバーが適用可能である。別の例示的な実施形態では、シャフト3022Aおよびカム従動子3021Aがカム従動子3021Aとベース板3031Aのスロットとの間で重複する形状および寸法を有する限り、1つまたは複数のシャフト3022Aおよび1つまたは複数のカム従動子3021Aを使用することができる。
【0074】
図1は本開示の例示的な実施形態による構成を示し、
図20に示される構成に対する改善を提供する。
図1に示すように、搬送装置3A及び3Bは、それぞれ安全壁301A及び安全壁301Bによって囲まれている。安全壁301A/301Bは、X軸方向に沿って配置された2つの平行な壁(以下、「第1の壁」という)と、Y軸方向に沿って配置された壁(以下、「第2の壁」という)とを含む。第1の壁の一端は第2の壁に固定され、第1の壁の他端はIMM2の外側カバー板60(
図4参照)に固定される。
【0075】
図1に示すように、安全壁301A及び301Bは外側カバー板と共に、搬送装置3A及び3Bをそれぞれ取り囲む矩形の領域(以下、「コンベヤ領域」と呼ぶ)を定義する。搬送装置3A、3Bは金型100A、100Bを移動させるので、金型100A、100Bを移動させる際にはオペレータを搬送装置3A、3Bから遠ざける必要がある。第1の壁の高さ、第2の壁の高さ、およびコンベヤ領域のサイズは状況に固有のものであり、安全性および生産性の目的のために必要に応じて設計される。別の例示的な実施形態では、コンベヤ領域が囲まれた領域である必要はない。しかしながら、このような構成において、装置、構成要素等の間にギャップ(隙間)が存在する場合、これらのギャップの大きさは、オペレータの指等の挿入を防止するために狭くなっている。
【0076】
警告装置350A/350Bは、搬送装置3A/3B及びIMM2に関連付けられた安全性及び生産性のステータス/状態に関連する通知を提供する。警告装置350A/350Bは、ブザー、1つ以上のLED、ディスプレイ、これらの任意の組み合わせ、または安全性および生産性関連情報の通知を可能にする任意の他のデバイス、構成要素、方法であり得る。警告装置350Aは搬送装置コントローラ42Aによって制御され、一方、警告装置350Bは搬送装置コントローラ42Bによって制御される。警告装置350A/350Aは、典型的にはオペレータが容易にアクセスできる位置に配置される。1つの例示的な実施形態では、警告装置350A/350Bが安全壁301A/301Bの上面に配置される。別の例示的な実施形態では、射出成形システム1が全ての搬送装置および射出成形機の状態/ステータスの通知をオペレータに提供する1つの警告装置を含む。
【0077】
安全壁301A/301Bは、扉ロック303A/303Bを備えた安全扉302A/302Bを含む。安全壁301A/301Bおよび安全扉302A/302Bは、フレーム30A/30Bのトップパネル上にある。安全扉302A/302Bは例えば、オペレータが搬送装置3A/3Bから金型100A/100Bをアンロードするときに開くことができ、金型100A、100Bが搬送装置3A、3Bによって移動されている間に閉じてロックすることができる。扉ロック303A/303Bは、それぞれのコンベヤ領域の内側または外側から手動でロック解除できる。金型扉390A/390Bと組み合わせた安全扉302A/302Bは、搬送装置3Aおよび3Bで作業するオペレータに追加の安全を提供する。安全扉302A/302Bおよび/または扉ロック303A/303Bは、搬送装置コントローラ42A/42Bによって電子的に制御することができる。別の例示的な実施形態では搬送装置3A及び3Bが金型100A及び100Bを移動させる間、搬送装置コントローラ42A/42Bはコンベヤ領域からオペレータを遠ざけるために安全扉302A/302Bを遮断及び/又はロックする。
【0078】
金型扉390Bが開放され、開口部60Bが露出すると、金型100Bの成形動作位置11からの射出及び成形動作位置への挿入が起こり得る。金型扉390Bは摺動可能(スライド可能)であり、手動で開閉可能であり、閉じたときに開口部60Bを閉じる。本実施形態では金型扉390Bが摺動可能であるが、この移動方法は限定的なものではなく、金型扉390Bの開閉を可能にする任意の方法が適用可能である。金型100Bを別の金型に交換するなどの準備作業を行う場合には、金型扉390Bによって開口部60Bを閉鎖することができる。別の開口部(図示せず)がIMM2の反対側に形成される。
【0079】
別の例示的な実施形態では、安全扉302A/302Bが扉ロック303A/30Bの開閉状態を検出するセンサを含む。別の例示的な実施形態では、安全扉302Bが開かれると、コントローラ42Bは、搬送ユニット31Bが金型100Bを排出/挿入するのを防止する。これにより、オペレータが、金型100Bまたは搬送ユニット31Bの任意の部分などの任意の移動構成要素に接触する可能性が低減される。
【0080】
別の例示的な実施形態では、1つの金型がIMM2の一方の側から挿入されると、IMM2のその側の金型扉は典型的には、金型を挿入するためにそこで搬送ユニット31BがIMM2に入るので、開いたままである。安全扉302Bは断続的に移動する際にオペレータが金型100Aに触れないように、閉じたままにしておくべきである。コントローラ42Bは、安全扉302Bが開くと射出成形プロセスを停止する。
【0081】
別の例示的な実施形態では、同じ側から挿入された金型100A/100Bを用いた射出成形が行われる間、コントローラ42A/42BがIMM2の同じ側の搬送扉302A/302Bと金型扉390A/390Bとの両方の開放を検出することに応答して、コントローラ42A/42Bが警告装置350A/350Bに警告を発させる。この警告は上述のように、挿入または射出成形プロセスを停止することに加えて発することができる。
【0082】
さらに別の実施形態では、金型扉390A/390Bは手動で開/閉され、射出成形システム1は金型扉390A/390Bの開/閉状態を検出するセンサを含むことができる。IMM2の一方の側の金型扉390A/390Bは、金型100A/100BがIMM2の他方の側から挿入された状態で射出成形が行われている間、閉じた状態に保たれるべきである。
【0083】
搬送装置3Aが金型100Aを排出し、搬送装置3Bが金型100Bを挿入した場合には、搬送ユニット31Bが接続部材3020Bを介して金型100Bと連結されているので、金型扉390Bは開放されるべきである。金型100Aが既に排出されている状況では、オペレータが金型100Aをアンロードして別の金型を準備できるため、金型扉390Aはオペレータの安全のために閉じたままにしておく必要がある。金型100BでIMM2内の射出成形が行われている間に金型扉390Aが開かれると、コントローラ41は金型扉390Aが開いていることを検出し、その検出に応じて、コントローラ41は射出成形を停止する。この状況では射出成形がまだ開始されていなくても、コントローラ41は、IMM2が金型100Bで射出成形を開始することを可能にしない。開口部60Aが露出している場合、オペレータがIMM2内の移動構成要素に当たりうるため、金型100Bによる射出成形は禁止される。
【0084】
また、コントローラ41、42A/42Bは、金型100A/100Bが移動しようとしているとき、または移動しているときにオペレータが金型100A/100Bに触れる可能性があるため、他方の側の金型扉390A/390Bが開いている間、金型100A/100Bの搬送を禁止することもできる。金型100A/100Bが搬送装置3A/3Bによって既に搬送されている場合、金型扉390A/390Bが開いていれば搬送を停止する。金型100A/100Bがまだ移動されていないとき、金型扉390A/390Bが開けられた場合、コントローラ41、42A/42Bによって搬送の開始が禁止される。別の実施形態では、射出成形システム1は金型100A/100Bの搬送を可能にすることができるが、警告の発行は以下に説明するように行うことができる。
【0085】
別の例示的な実施形態では、金型扉390A/390Bがコントローラ41によって制御されるアクチュエータによって閉じられるか、または開かれる。この例示的な実施形態では、金型100Aが排出された後に金型100Bによる射出成形が行われると、金型100Aが排出された後に金型扉390Aが強制的に閉じられる。これにより、金型100Aのアンロード/交換時のオペレータの安全性が向上する。
【0086】
金型扉390A/390Bが手動で開/閉される別の例示的実施形態では、射出成形システム1は、金型扉390A/390Bの開/閉状態を検出するセンサを含んでもよい。警告装置350Aは、(1)金型100Aが搬送装置3Aに排出され、(2)金型100Bによる射出成形が行われているか、または行われようとしており、(3)金型扉390A/390Bが開いている場合に、警告(アラート)または警報(ワーニング)を発することができる。警告は、射出成形を行っている間に金型扉390A/390Bが開いていることをオペレータに認識させ、オペレータの安全性に寄与する。金型扉390A/390Bが閉じている場合、射出成形システム1が金型交換または金型アンロード処理が完了したことを検出した場合、または射出成形システム1が、オペレータの存在を検出するセンサに基づいて、安全壁301A/301BおよびIMM2によって囲まれた領域にオペレータがいないと判定した場合、警告を停止することができる。
【0087】
本実施形態では、金型100A/100B用の温度コントローラ321A/322A/321B/322Bを設け、搬送装置3A/3Bのフレーム30A/30Bに固定している。温度コントローラ321A/322A/321B/322Bは、ホース331A/332A/331B、332Bとのインタフェースを含み、金型100A/100B上のインタフェースと接続し、金型100A/100Bに内部に配置されたパイプ(図示せず)と接続される。流体を循環させ、流体の温度を測定し、ホース331A/332A/331B/332Bおよびパイプ内の流体の温度をフィードバック制御することによって、温度コントローラ321A/322A/321B/322Bは、金型100A/110Bの内部温度を設定するために温度を上昇または下降させる。
【0088】
さらに別の例示的な実施形態では、コントローラ41または搬送装置コントローラ42A/42Bが、金型扉390A/390Bの閉鎖/開放を制御する。この例示的な実施形態では、金型100Aが排出された後に金型100Bによる射出成形が行われる状況において、金型100Aが排出された後に金型扉390Aが強制的に閉じられる。これにより、金型100Aのアンロード/交換時のオペレータの安全性が向上する。
【0089】
温度コントローラ321A/322A/321B/322Bは、射出成形がIMM2内で行われている間だけでなく、金型100A/100Bが搬送装置3A/3B上に配置されている間、また、所定のセットの成形処理が完了した後であっても、金型100A/100Bの温度を制御することができる。例えば、金型100A/100Bが搬送装置3A/3Bに積載され、IMM2に挿入される準備が整っている間、温度コントローラ321A/322A、321B/322Bは金型100A/100Bの温度上昇を開始することができる。これにより、金型100A/100Bは溶融樹脂を受け入れるための適切な温度に迅速に到達することができ、サイクルタイムの短縮および生産性の向上に寄与する。金型100A/100Bは、オペレータの代わりに搬送装置3A/3Bによって移動されるので、IMM2の外部で金型100A/100Bの温度を上昇させても、必ずしもオペレータの安全性に影響を及ぼさない。
【0090】
温度コントローラ321A/321B/322A/322Bは、所定セットの成形処理が終了した後、金型100A/100Bが搬送装置3A/3Bに排出されるのを待っている間に、金型100A/100Bの温度を下げ始めることができる。金型100A/100Bの温度を積極的に下げることにより、オペレータは金型100A/100Bのアンロードをより迅速に開始することができ、これは新しい金型のセットアップ時間の短縮に寄与する。
【0091】
温度コントローラ321A/321B/322A/322Bは、コンベヤ領域の外部に配置することができる。それらがコンベヤ領域の外部にある場合、オペレータは、コンベヤ領域に入らなくても、金型の温度の上昇/下降を開始/停止できる。
【0092】
例示的な実施形態では、金型100A/100Bの固定金型101および可動金型102の両方に、ホース331A/331B/332A/332Bが設けられている。異なる例示的実施形態において、1つの温度コントローラは、固定金型101と可動金型102の両方をカバーすることができる。
【0093】
図6は例示的な実施形態による射出成形システム1の構成要素間の関係を示すブロック図であり、
図20に示される要素に対する改良を提供する。以前に説明された構成要素に関連する同じ参照番号は以下の説明における構成要素に適用可能であり、場合によっては、これらの構成要素が以下で詳細に説明されないことがある。
【0094】
IMM2は、搬送装置3Aと同じ側である左側の金型扉390Aと、搬送装置3Bと同じ側である右側の金型扉390Bと、射出装置5、クランプ装置6、および取出ロボット7を含む射出成形構成要素(射出成形部品)6200と、コントローラ41と、表示部6201と、表示部6201に一体化されたボタンまたはタッチパネルモジュールなどの操作インタフェース6202と、USB、イーサネット(登録商標)、および/または他の有線/無線インタフェースなどの通信I/F6203とを含む。
【0095】
コントローラ41は、他の適用可能なデータ項目とともに、特定の金型による射出成形を実行するための成形条件、射出成形システム1内の構成要素の状態を格納するメモリ6204を含む。メモリ6204はまた、射出成形を実行するためにコントローラ41によって実行される命令および本開示で説明されるプロセスを含むプログラムを格納する。表示部6201は、コントローラ41によって制御され、構成要素の状態、システムに記憶された成形条件、予定された成形タスク、射出成形システム1に関する警告情報などを含む、射出成形システム1の様々な情報を表示することができる。
【0096】
例示的な実施形態では、表示部6201およびコントローラ41は、IMM2の警告装置として組み合わされて動作する。別の例示的な実施形態では、表示部6201およびコントローラ41は、IMMS2、搬送装置3A、搬送装置3Bなどを含む射出成形システム1全体の警告装置として組み合わせて作動する。
【0097】
操作インタフェース6202は、IMM2の電源オン/オフ、射出成形プロセスの開始、一時停止、再開、終了等、そして射出成形システム1の様々な構成要素の状態の表示等の様々な機能をトリガするためのユーザ入力を受信する。コントローラ41は、受信した入力に基づいて、特定の入力に関連する機能を開始する。通信インタフェース6203は、構成要素(部品)の状態、成形条件、射出成形システム1のログデータ等のデータを受信及び/又は送信する。
【0098】
図6には図示されていないが、温度センサ及び位置検出センサがIMM2内に配置されている。センサはコントローラ41に接続され、センサによって提供される情報は、射出成形システム1の様々な機能をトリガするための入力としても使用され得る。
【0099】
金型100A/100Bは、固定金型101A/101Bと、可動金型102A/102Bと、固定金型101内のホースコネクタ6101A/6101Bと、固定金型102内のホースコネクタ6102A/6102Bとを含む。ホースコネクタ6101A/6101Bは、ホース331A/331Bに接続し、ホースコネクタ6102A/6102Bは、ホース332A/332Bに接続する。
【0100】
例示的な実施形態では、コネクタ6101A/6101Bおよび6102A/6102Bは、金型が
図5に図示されるように搬送装置3A/3B上にある場合、IMM2の開口部60A/Bとは反対を向く、金型100A/100Bの側面上にある。金型扉390A/390Bは、IMM2内で金型100A/100Bによる射出成形を行う場合、開位置に保持される。
【0101】
搬送装置3A/3Bは、搬送ユニット31A/31Bと、警告装置350A/350Bと、ホース331A/331Bおよび332A/332Bへのコネクタを含む温度コントローラ321A/321Bおよび322A/322Bと、扉ロック303A/303Bを含む搬送扉302A/302Bと、搬送装置コントローラ42A/42Bとを含む。コントローラ42Aは、これらの構成要素の全てを制御することができる。コントローラ42A/42Bは、コントローラ41に接続され、搬送装置3A/3BおよびIMM2の動作を同期させるための情報を送信および/または受信する。
【0102】
図7は、射出成形システム1の構成要素について定義された様々な状態を示すチャートである。これらの状態は、限定的であるとは見なされず、例示的な実施形態の実施を可能にする任意の追加の状態が適用可能である。状態が監視され、メモリ6204に記憶された状態情報、およびコントローラ41は、記憶された状態情報に基づいて構成要素を制御する。前述のように、コントローラ41は、ユーザ入力およびセンサ入力に基づいて構成要素の状態を変更または更新する。別の例示的な実施形態では、状態情報がコントローラ42A/42Bに記憶される。
【0103】
一例として、IMM2に関連する状態は、「アイドル」、次の射出成形プロセスのための「準備」、「N番目の成形が行われている」、「金型排出準備完了(左/右)」、および「金型挿入準備完了(左/右)」を含む。「アイドル」状態では、IMM2は次の成形条件を待つ。IMM2が成形条件を受信すると、IMM2は「準備」状態に遷移し、そこでIMM2は射出成形の準備をする。成形条件は典型的には射出成形が繰り返される回数を含み、射出成形が開始された後、その回数が現在Nである場合、IMM2の状態は「N番目の成形が行われている」になる。この状態は、射出成形プロセスの1サイクルが終了するたびに更新される。所定のサイクル数が完了し、少なくともクランプ装置6が金型を解放し、射出装置5のノズル52が金型から離れた後、IMM2は「金型排出準備完了(左/右)」状態に遷移する。
【0104】
「金型排出準備完了(左/右)」状態に遷移させる条件はいくつかある。例えば、条件は(i)金型扉390A/390Bが開いていること、(ii)搬送ユニット31A/31Bが適切に動作しており、エラーが発生していないこと、(iii)搬送扉302A/302Bが閉じていること、および/または(iv)金型が搬送装置3A/3B上に配置されていないことを含むことができる。射出成形システム1は、上述したセンサから受信した信号に基づいて、これらの条件の存在を判定する。
【0105】
例示的な一実施形態では、射出成形システム1内の機械的または電子的スイッチがコントローラ41、42A/42Bに接続される。射出成形システム1が金型100A/100Bの射出準備ができていることが確認されると、スイッチが動作する。このスイッチは「金型排出準備完了(左/右)」状態への強制遷移に使用することができ、または、スイッチは、上記の条件または他の条件と組み合わせて条件の1つとして使用することができる。
【0106】
金型の排出後、IMM2は別の金型を使用して次の射出成形の準備を行う。準備が完了すると、IMM2は、状態を「金型挿入準備完了(左/右)」に変更する。準備には、可動プラテン62の調整が含まれる。
【0107】
「金型挿入準備完了(左/右)」状態に遷移させる条件はいくつかある。例えば、条件は(i)金型扉390A/390Bが開いていること、(ii)搬送ユニット31A/31Bが適切に動作しており、エラーが発生していないこと、(iii)搬送扉302A/302Bが閉じていること、および/または(iv)金型がIMM2内に配置されていないことを含むことができる。
【0108】
金型扉390A/390Bは、「閉鎖ロック」、「閉鎖ロック解除」、および「開放」状態を含む。これらの状態は、金型扉390A/390B上または安全壁301A/301Bのうちの1つ上に配置されたセンサ(図示せず)によって監視/検出される。
【0109】
金型100A/100Bは、「搬送装置上に置かれたー準備中」、「搬送装置上に配置されたー準備完了」、「挿入中」、「排出中」「射出成形機内にある/搬送装置上にない」状態を含む。例示的な一実施形態では、これらの状態が搬送装置3A/3B上に配置されたセンサ(図示せず)によって監視/検出される。別の例示的な実施形態では、ユーザ入力が状態を変更する。
【0110】
一例において、搬送装置3A/3B上に配置されたセンサは、ホース331A/331B及び332A/332Bの接続/取り外し状態と共に、金型100/100Bが搬送装置3A/3B上にあるかどうかを検出する。オペレータは、他の射出成形準備ステップを確認することができる。オペレータが他の準備ステップの完了を確認すると、ユーザは搬送装置3A/3B上に配置されたボタンを押す。金型100/100Bが検出され、接続状態が検出され、ボタンが押されると、金型100A/100Bの状態は、「搬送装置上に配置された-準備中」から「搬送装置上に配置された-準備完了」に遷移する。
【0111】
搬送ユニット31A/31Bは、「ホーム位置」、「金型挿入」「金型排出」、及び「射出成形機内の金型」の状態を含む。これらの状態は、搬送装置3A/3B上に配置されたセンサ(図示せず)によって監視/検出される。「ホー位置」は、接続部材3020A/3020Bが引き戻され、接続部材3020A/3020Bの先端に取り付けられた金型100A/100BがIMM2の外側にある場合である。「ホーム位置」から「金型挿入」に遷移すると、アクチュエータ3010は、接続部材3020A/3020BをIMM2の方向に押し込む。金型100A/100BがIMM2に完全に挿入され、その移動が停止すると、「射出成形機内の金型」に状態が遷移する。射出成形プロセスが完了すると、「金型排出」に状態が遷移し、アクチュエータ3010は、接続部材3020A/3020Bおよび金型100A/100BをIMM2から引き出す。
【0112】
温度コントローラ321A/321Bおよび322A/322Bの両方は、「第1の温度(低):金型変更準備完了」、「金型温度上昇」、「金型温度低下」および「第2の温度(高):成形準備完了」状態を含む。ホース331A/331Bおよび332A/332Bがコネクタ6101A/6101Bおよび6102A/6102Bに接続し、且つオペレータが温度コントローラ321A/321Bおよび322A/322Bを起動すると、状態は「金型温度上昇」に遷移する。この状態では、温度コントローラ321A/321B、322A/322Bは、金型100A/100Bの温度を第2の温度まで上昇させる。第2の温度は、射出成形に十分な高温である。
【0113】
金型100A/100Bが第2の温度に達すると、状態は「第2の温度(高温):成形準備完了」に遷移する。射出成形が完了すると、状態は「金型温度低下」に遷移し、温度コントローラ321A/321Bおよび322A/322Bは、金型100A/100Bの温度を第1の温度に下げ始める。これは、オペレータが金型100A/100Bに触れて金型100A/100Bをアンロードするのに十分な低温である。金型が第1の温度に達すると、状態は「第1の温度(低):金型交換準備完了」に遷移する。温度は、金型100A/100B内および/または温度コントローラ321A/321Bおよび322A/322B内に配置された温度センサ(図示せず)によって監視される。温度センサは、定期的に温度情報をコントローラ41および/または42A/42Bに送信する。
【0114】
警告装置350A/350Bは、「アイドル」、「交換準備完了(アンロード通知)」、「挿入中」、「排出中」、「事前警報(挿入)」、および「事前警報(排出)」状態を含む。状態が「アイドル」である場合、警告装置350A/350Bはいかなる警告も発行せず、LED、例えば、緑色LEDを点灯して、これを示すことができる。金型100A/100Bの状態が「搬送装置に配置されたー準備完了」であり、IMM2の状態が「金型挿入準備完了(左/右)」である場合、警告装置350A/350Bの状態は「事前警報(挿入)」に遷移する。この状態では、警告装置350A/350Bは所定の時間の間警告を発し、LED、例えば赤色LEDを点灯し、および/または警告としてスピーカを介して連続音を提供する。警告は、搬送ユニット31A/31Bが金型100A/100Bを移動しようとしていることをオペレータに通知する。金型100A/100Bの移動が始まると、状態は「挿入中」に遷移する。この状態で、警告装置350A/350Bは、LED、すなわち赤色LEDを周期的に点滅させることによって、および/または断続的な音を発することによって、警告を発する。
【0115】
金型100A/100Bでの射出成形が終了すると、状態は「事前警報(排出)」に遷移する。この状態では、警告装置350A/350Bは、例えば赤色LEDによって、および/またはスピーカを介して連続音を提供することによって、所定の時間の間、警告を発する。警告は、搬送ユニット31A/31Bが金型100A/100BをIMM2内に移動しようとしていることをオペレータに通知する。金型100A/100Bの移動が始まると、状態は「排出中」に遷移する。この状態では、警告装置350A/350Bは、LED、例えば赤色LEDを点滅させることによって、および/または断続的な音を発することによって、警告を発する。
【0116】
金型100A/100Bが排出され、温度コントローラ321A/321Bおよび322A/322Bが両方とも「第1の温度(低):金型交換準備完了」状態になった後、警告装置350A/350Bの状態は「交換準備完了(アンロード通知)」に遷移する。この状態では、警告装置350A/350Bは、音を発するか、LEDを点灯することによって、金型100A/100Bがアンロードの準備ができていることをオペレータに通知する。
【0117】
「挿入中」状態の視覚的警告および可聴警告は、「事前警報(挿入)」における警告とは異なり、オペレータは容易に状態を区別することができる。「排出中」状態の視覚的警告および可聴警告は、「事前警報(排出)」における警告とは異なり、オペレータは容易に状態を区別することができる。「挿入中」状態における視覚的警告及び可聴警告は、「排出中」における警告とは異なり、オペレータは容易に状態を区別することができる。
【0118】
搬送装置3Aに対する警告は、搬送装置3Bに対する警告とは異なるものとすることができ、各搬送装置に対する異なる警告に基づいて、どちらの搬送装置が注意を必要としているかをオペレータが容易に認識できる。
【0119】
図8Aは、単一の射出成形のための成形条件のセットを示すチャートである。成形条件は、1つ以上のサブ条件を含むことができる条件を含む。条件またはサブ条件には「Integer」、「Short/Long/Double」、「Boolean」、「Text」、又は、「Integer」、「Boolean」及び「Text」の組み合わせである「Variables」等のデータ型を有する。成形条件には、条件ID、金型ID、ショット数、射出成形条件など、多くの条件が含まれる。
図8Aに提供される条件、サブ条件、およびデータ型は限定的ではなく、本開示の実施を可能にする任意の条件、サブ条件、および/またはデータ型が適用可能である。
【0120】
条件IDは、成形条件の識別子である。金型IDは、射出成形に用いられる金型の識別子である。金型IDは、金型を収容するために可動プラテン62を調整するために使用される金型の厚さを含むが、これに限定されない、様々な金型関連パラメータに相関する。ショット数は、IMM2が射出成形を繰り返す回数を定義する。
【0121】
射出成形条件は、クランプ装置6のクランプ条件、射出装置5の射出条件、保圧条件、冷却条件、クランプ装置6の開放条件、及び、取出ロボット7の成形部品排出条件などを含むが、これらに限定されない。また、成形条件は、射出成形の1サイクルの平均または標準時間であるサイクルタイム、および金型が冷却されるべき最小時間である冷却時間を含むことができる。
【0122】
平均準備時間は、オペレータが金型を準備するのに必要な時間である。平均アンロード時間は、オペレータが金型をアンロードするために必要な時間である。これらの時間関連データ項目は成形条件に組み込むことができ、毎日の射出成形プロセスを通して更新することができる。それらは、射出成形タスクをスケジューリングするために使用することができる。成形条件は、コントローラ41により表示部6201に表示させることができる。成形条件は、操作インタフェース6202を介して手動で更新されてもよいし、コントローラ41によって自動的に更新されてもよいし、及び/又は、通信I/F 6203を介して更新された条件を受信することによって更新されてもよい。
【0123】
図8Bおよび
図8Cは、成形条件に含めることもできる追加情報を示す。例示的な実施形態では、
図8Bに示す成形タスクリストがコントローラ41のメモリ6204に記憶される。他の実施形態では、成形タスクリストが通信I/F6203を介してコントローラ41に接続された外部のコンピュータに格納されてもよい。この例示的な実施形態では、複数の射出成形システムのための複数の成形タスクリストを、ネットワークを介して複数の射出成形システムに接続された外部コンピュータに格納することができ、外部コンピュータはすべての射出成形システムの集中制御を実行する。射出成形システムは、射出成形システム自体で表示部6201をチェックする必要なく、オペレータにすべての成形タスクのステータスが提供されるように、成形タスクのステータス情報を定期的に送信する。射出成形システム1は、通信I/F 6203を介して、
図7に示す状態を外部コンピュータに送信することができ、オペレータが外部コンピュータから状態を確認することができる。
【0124】
図8Bは、メモリ6204に記憶された射出成形タスクのリストを示す。データは「成形」、「ステータス」、「推定合計時間(Est. Total Time)」、「推定完了時間(Est. Time To Complete)」を含むが、これらに限定されない。
【0125】
「成形」は、
図8Aに示されるような成形条件のセットを定義する。「ステータス」は、射出成形の現在のステータスを示し、ステータスは「未だ予定されていない」(タスクが記憶されているが、まだ予定されていないことを示す)、「待機」(射出成形タスクが予定され、実行されるのを待っていることを示す)、「準備されている:挿入準備完了」(金型が準備されており、搬送装置3A/3B上にあるが、成形タスクがまだ実行されていないことを示す)、「成形実行」(射出成形が実行されていることを示す)、および「終了」(成形タスクが完了していることを示す)を含むが、これらに限定されない。
【0126】
成形タスクの推定合計時間は、「推定合計時間(Est. Total Time)」で表される。これは、成形条件に両方の項目が含まれていれば、サイクルタイムとショット数を掛けることで推定できる。「推定合計時間(Est. Total Time)」は手動で取得することもできる。
【0127】
成形タスクを完了するための推定時間は、「推定完了時間(Est. Time To Complete)」で表される。この時間は、以下の式によって推定することができる:
T_est_time_to_complete = T_est_total_time - { T_cycle_time×( N_shots - N_current ) }
ここで、「T_est_time_to_complete」は「推定完了時間(Est. Time To Complete)」であり、T_est_total_time」は「推定合計時間(Est. Total Time)」であり、「T_cycle_time」はサイクルタイムであり、「N_shots」は、成形条件からまたは手動入力から得られるショット数である。「N_current」は、IMM2の状態「N番目の成形が行われている」を更新するために得られるような、IMM2から得られる実行されている現在のショット数である。「推定完了時間(Est. Time To Complete)」は、操作インタフェース6202を介して手動で取得してもよいし、通信I/F 6203から取得してもよい。
【0128】
成形タスクが終了すると、タスクの実際の合計時間、実際の平均サイクルタイム、実際の金型セットアップ時間および/または実際のアンロード時間は、コントローラ41によってメモリ6202に記録および記憶されることができ、コントローラ41によって通信I/F6203を介して外部記憶装置に送信されることができる。コントローラ41は、これらの項目の実時間情報を用いて、成形条件における時間情報の項目を更新することができる。
【0129】
図8Bのステータスは、構成要素のステータス(
図7に示す)に基づいて繰り返し更新される。例えば、温度コントローラ321A/321Bおよび322A/322Bの状態が「金型温度上昇」またはの「第2の温度(高):成形準備完了」である場合、ステータスは「待機」から「準備されている:挿入準備完了」に変化することができる。ステータスは、IMM2の状態が「N番目の成形が行われている」場合に、「準備されている:挿入準備完了」から「成形実行」に変化することができる。
【0130】
図8Cは、「待機」ステータスにある、実行されるようにスケジューリングされた成形タスクのキューを示す。成形タスクリストは、完了したタスクおよびスケジューリングされていないタスクを含む成形タスクを含むが、このキューは、実行されるようにスケジューリングされたタスクを含む。例示的な実施形態では、成形タスクまたは成形条件を受信すると、成形タスクをキューに追加することができる。成形タスクを実行する順序は生産性にとって重要であり得るので、キュー内の成形タスクの順序は、操作インタフェース6202を介して手動で更新することができる。キュー内の成型タスクは、手動で追加または削除することも、通信I/F6203から受信した更新を介して自動的に追加または削除することもできる。
【0131】
別の例示的な実施形態では、コントローラ41または通信I/F 6202を介してコントローラ41と通信する外部コンピュータが、キュー内の成形タスクの順序を決定することができる。タスクの順序は、成形タスクのサイクルタイム、平均セットアップ時間、および平均アンロード時間に基づいて決定することができる。
【0132】
図9Aは、射出成形を行う射出成形システム1の処理を示すフローチャートである。オペレータが射出成形システム1の電源をオンにすると、コントローラ41は、初期化処理を開始し(S901)、金型の収容準備及び射出成形の実行準備を行う。初期化処理は、射出成形構成要素6200を初期化する。また、初期化処理は、搬送ユニット31A、31Bの初期化を含む搬送装置3A、3Bの初期化処理を含むことができる。
【0133】
初期化後、コントローラ41は、利用可能なモードオプションの中から成形モードを設定する(S902)。本射出成形システム1は、
図10、
図11、および
図25に示すような通常の順次成形、
図26に示すような並列成形、および
図27に示すそれらの組合せを含む複数のモードオプションを含む。通常の順次成形モードでは、射出成形はIMM2にあるときに単一の金型で行われる。オペレータは、搬送装置3A/3Bで射出成形、金型アンロード、金型セットアップを行う。
【0134】
射出成形が完了すると、金型は搬送装置3A/3BによってIMM2から排出され、新しい金型が搬送装置3A/3Bによって挿入される。その後、新しい金型による次の射出成形が開始される。次の射出成形が行われる間、前に排出された金型がアンロードされ、新しい金型が搬送装置3A/3B上にロードされる。
【0135】
並列成形モードでは、IMM2で2つの金型が並列に使用される。例えば、金型100Aへの溶融樹脂の射出後及び保圧後に、金型100Aが搬送ユニット31Aによって搬送装置3Aに排出され、搬送装置3Aにおいて金型100Aの冷却処理が行われる。金型100Aの排出及び冷却処理と並行して、搬送ユニット31Bによって搬送装置3Bから金型100BがIMM2に挿入される。
【0136】
IMM2は金型100Bを開き、金型100Bから成形部品を排出し、次のサイクルの射出及び保圧が行われる。次に、金型100Bが搬送装置31Bに排出され、そこで冷却処理が実行される。IMM2の外部で金型の冷却処理を行いながら、IMM2の内部で開放、成形部品の排出、次のサイクルの射出及び保圧圧力保持を行う。以下、上記各モードの詳細について説明する。
【0137】
通常の逐次成形モードでは、射出成形が別の金型で行われる間に、1つの金型に対して金型セットアップを行うことができるので、通常の逐次成形モードは、ショット数が比較的少なく、金型アンロードおよびセットアップが比較的頻繁に行われる成形タスクを実行するために好ましいことがある。このモードはまた、1つの射出成形タスクの推定合計時間が、前の成形タスクアンロード時間と次の成形タスクのセットアップ時間との合計と同様であるか、またはそれよりも長い成形タスクを実行するために好ましいことがある。
【0138】
並列成形モードでは、1つの金型の冷却処理が別の金型の他の処理が実行される間に実行されるため、並列成形モードは、ショット数が比較的多い成形タスクを実行するのに好ましいことがある。また、並列成形モードは、1つの金型の冷却時間が別の金型の他の処理の時間と同様である成形タスクを実行するために好ましいこともできる。これら2つのモードの組合せのモードオプションは、
図27に関連して以下に説明される。
【0139】
成形モードの設定後、コントローラ41は、メモリ6204に記憶されている成形条件を
図8Cに示すように成形キューにロードする(S903)。次に、コントローラ41は、キューから次の射出成形のための1つ以上の成形条件を選択する(S904)。
【0140】
コントローラ41は、選択された成形条件のセットをロードし、次の射出成形のためにIMM2をセットアップする。次に、コントローラ41は、搬送装置3A/3Bから挿入された金型で射出成形を行う(S905)。選択された成形条件の射出成形が完了すると、コントローラ41は、キューをチェックし、未だ成形条件が存在するか否かを判定する(S906)。まだ存在する場合には(S906のN)、処理はS904に戻り、1つ以上の成形条件を選択する。存在しない場合(S906のY)、コントローラ41は、処理を終了し(S907)、IMM2を「アイドル」状態に設定する。ステップS902において並列成形モードが選択されると、ステップS904においてコントローラ41によって2セットの成形条件が選択され、ステップS905においてIMM2は、2つの金型による射出成形を並行して行う。
【0141】
別の例示的な実施形態では、ステップS902(成形モードを設定する)およびS903(成形条件をロードする)は、ステップS901(初期化)と並行して実行することができる。さらに別の例示的な実施形態では、成形モードは成形タスクのそれぞれについて設定することができる。この例示的な実施形態では、ステップS902(成形モードを設定する)がステップS904(1つまたは複数の成形条件を選択する)の一部として実行される。
【0142】
図9Bは、コントローラ41が、
図8B及び
図8Cに示す成形タスクリスト及び成形キューを更新する処理を示すフローチャートである。これらの処理は、
図9Aに示す処理と並行して行われる。
【0143】
電源投入後、コントローラ41は、新しい成形条件の受信を繰り返しチェックする(S951)。新しい成形条件は、操作インタフェース6202を介して手動で入力することもできるし、外部のコンピュータから提供することもできるし、通信I/F6203を介して記憶装置から取得することもできる。
【0144】
新しい成形条件を受信した場合(S951のY)、コントローラ41は、新しい成形条件に対応する新しい成形タスクのデータを作成し、新しい成形条件をメモリ6204に格納し、新しい成形条件の新しい記録を成形タスクリストに追加する(S952)。次に、コントローラ41は、
図8Cに示すように、成形タスクをキューに追加することによって成形タスクをスケジューリングする。例示的な実施形態では、コントローラ41は、新しいタスクをキューの最下部に追加する。別の例示的な実施形態では、コントローラ41は、成形タスクリスト内の成形タスクの成形条件に基づいてキューの順序を配列する。ステップS951において新しい成形条件を受信していない場合、処理はステップS954に進む。
【0145】
一例では、コントローラ41が一対の成形タスクA及びBが、他の成形タスクのセットアップ時間と同様又はそれより短いサイクルタイムを有すると判定した場合、コントローラ41は、成形タスクA及びBがキュー内で隣接するように、キュー内の成形タスクを並べ替える。別の例では、コントローラ41が成形タスクA、B、およびCの全てがショットの数が比較的少ないと判定した場合、コントローラ41は成形タスクA、B、およびCをショットの数の昇順に並べ替える。
【0146】
別の例示的な実施形態では、成形モードは成形タスクのそれぞれに設定することができ、成形タスクCの冷却時間が、冷却時間以外の成形タスクDの他の処理の時間とほぼ同じである一対の成形タスクCおよびDをコントローラ41が判定する場合、コントローラ41は、成形タスクCおよびDをこの順序でキューに配列する。また、コントローラ41は、成形タスクC及びDの成形モードを並列成形とする。
【0147】
図9Bに戻ると、ステップS954において、コントローラ41は、キューを修正するための入力が受信されたかどうかを判定する。入力は操作インタフェース6202を介して、外部コンピュータから、または通信I/F 6203を介して記憶装置から受信することができる。入力が受信された場合(S954でY)、コントローラ41は入力に基づいてキューを修正する(S955)。次に、処理はステップS956に進む。入力が検出されない場合(S954でN)、処理はステップS956に進む。
【0148】
ステップS956において、コントローラ41は、射出成形システム1の電源をオフにするための入力を受信したか、または射出成形システム1を省電力モードに遷移するための入力を受信したかを判定する。入力を受信した場合(S956でY)、コントローラ41は全ての情報をメモリ6204に保存し、処理を終了する(S957)。入力が受信されない場合、処理はステップS951に戻る。
【0149】
図10は、通常の逐次成形モードにおける射出成形システム1のいくつかの構成要素における例示的な処理を示すタイミングチャートである。以下、構成要素の処理がどのように並行して行われるかについて説明する。横軸は、チャートの左から右へのタイムラインを示している。いくつかの処理は構成要素によって実行することができ、他の処理は、手動で実行することができる。
【0150】
この例示的な処理では、IMM2への電力がオンにされ、搬送装置3A上に金型100Aが準備され、搬送装置3B上に金型100Bが準備される。
【0151】
IMM2は、ステップS901に関して上述したように、初期化(初期化等1031)を実行する。また、初期化処理1031は、コントローラ41により、成形モードの設定(S902)、成形条件のロード(S903)、成形条件の選択(S904)を行う。初期化プロセス1031では、IMM2は、金型IDに関連付けられた金型厚さ情報に基づいて、金型100A/100Bを収容するように可動プラテン62を調整する。
【0152】
本例示的な処理では、搬送装置3Aで金型100Aを準備する(金型準備1021)。ホース331Aおよび332Bは、コネクタ6101Aおよび6102Aに接続され、次いで、温度コントローラ321Aおよび322Aは、金型100Aの温度の上昇を開始する(温度上昇1022)。初期化処理1031が完了すると、警告装置350Aは、実際の金型挿入に先立って、所定の期間、事前警報を発する(事前警報1011)。温度上昇1022は、金型100Aが搬送装置3A上にある間、または金型100AがIMM2内にある間に実行することができるため、本例示的な処理では、温度上昇1022は、事前警報1011と並行して実行される。
【0153】
別の例示的な実施形態では、金型100Aが第2の温度以下である第3の温度T3に達したことに応答して、事前警報1011を発することができる。事前警報1011は、金型100Aの温度が金型100Aに触れられるべきではない温度であることをオペレータに知らせるためのものである。
【0154】
事前警報1011の後、搬送ユニット31Aは、金型100AをIMM2に挿入する(金型挿入1023)。並行して、警告装置350Aは、警告(挿入警告1012)を発して、金型100Aが挿入されていることをオペレータに知らせ、搬送ユニット31Aおよび金型100Aから離れたままであるようにする。金型挿入が完了した後、IMM2は、挿入された金型100Aによる射出成形を行う(射出成形1032)。
【0155】
金型準備1021の後、射出成形1032の間に、搬送装置3Bで金型100Bを準備する(金型準備1041)。温度コントローラ321Bおよび322Bは、金型100Bに接続されたホース331Bおよび332Bを通して流体を流すことによって、金型100Bの温度を上昇させる(温度上昇1042)。
【0156】
射出成形1032の完了に応じて、警告装置350Aは、金型100Aの実際の排出に先立って、所定の期間、事前警報(事前警報1013)を発する。射出成形1032の完了に応じて、温度コントローラ321Aおよび322Aは、温度降下を加速するために金型100Aの温度を下げ始める(温度低下1024)。事前警報1013の後、搬送ユニット31aは、金型100Aの排出を開始する(金型排出1025)。金型排出1025の間、警告装置350Aは警告(排出警告1014)を発し、金型100Aが搬送装置3Aに排出されていることをオペレータに知らせる。金型排出1025後および金型100Aの温度が第1の温度まで降下した後、警告装置350Aは、金型100Aに触れることができ、アンロードする準備が整った状況をオペレータに知らせる(アンロード通知1015)。次いで、金型100Aは、搬送装置3Aからアンロードされる(金型アンロード1026)。
【0157】
この処理は、ホース331Aおよび332Aをコネクタ6101Aおよび6102Aから取り外すことと、金型100Aを搬送装置3Aからアンロードすることとを含む。新しい金型が搬送装置3A上に準備され(金型準備1027)、温度コントローラ321Aおよび322Aは、金型100Aについて上述したように、新しい金型の温度を上昇させ始める(温度上昇1028)。
【0158】
射出成形1032の後、IMM2は、ステップS906の後のステップS904に関して上述したように、メモリ6204から新しい成形条件をロードし、設定を変更する(条件変更1033)。条件変更1033は、金型排出1025と並行して部分的に実行することができる。
【0159】
金型排出1025に応じて、警告装置350Aは、金型100Bの実際の挿入に先立って、所定の時間(期間)、事前警報を発する(事前警報1051)。次に、搬送装置3Bは、金型100Bの挿入を開始する(金型挿入1043)。金型挿入1043と並行して、警告装置350Bは、金型100BがIMM2に挿入されていることをオペレータに通知する警告(挿入警告1052)を発する。
【0160】
別の例示的な実施形態では、事前警報1013は、射出成形が完了する所定の秒数前に開始され得る。コントローラ42Aは、コントローラ41から完了するための推定時間を受信することができる。コントローラ42Aは、受信した情報に基づいて、警告装置350Aを制御してこの処理を行い、これにより全体の生産性を向上させることができる。同じ処理を警告装置350Bにも適用することができる。
【0161】
別の例示的な実施形態では、事前警報1051は、金型排出が完了する所定の秒数前に開始され得る。コントローラ42Bは、金型排出の標準時間を格納している。コントローラ42Bは、標準時間に基づいて、この事前警報を発するように警告装置350Bを制御し、これにより全体の生産性を向上させることができる。同じ処理を警告装置350Aにも適用することができる。
【0162】
金型排出1026、金型準備1027、および温度上昇1028の間、IMM2は、挿入された金型100Bによる射出成形を行う(射出成形1034)。
【0163】
射出成形1034の後、前述したのと同様の処理が実行される。射出成形1034の後、IMM2は成形条件を変更する(条件変更1035)。射出成形1034に応じて、警告装置350Bは、事前警報(事前警報1053)を発し、搬送装置3Bは金型100Bを排出し、警告装置350Bは、警告(排出警告1054)を発する。さらに、射出成形1034に応じて、温度コントローラ321Bおよび322Bは、金型100Bの温度を下げ始める(温度低下1044)。警告装置350Bは、温度が第1の温度に達したことに応じて、アンロード可能であることを通知する(アンロード通知1055)。その後、オペレータは、金型100Bのアンロードを開始する(金型アンロード1046)。
【0164】
金型排出1045の後、警告装置350Aは、事前警報(事前警報1053)を発し、搬送装置3Aは、新しい金型をIMM2に挿入し(金型挿入1029)、警告装置350Aは、警告(挿入警告1017)を発する。金型挿入1029の後、IMM2は、挿入された新しい金型による射出成形を開始する(射出成形1036)。
【0165】
射出成形システム1内の構成要素は、上記の処理を繰り返し行い、通常の成形モードで複数の金型による射出成形を行う。例えば、IMM2では、射出成形が金型100Aに対して、次いで、金型100Bに対して、次いで、新しい金型に対して行われる。IMM2は、複数の金型による射出成形を連続的に行う。
【0166】
別の例示的な実施形態では、警告装置350Bは、金型100Bの温度が温度上昇1042において第3の温度に達した場合に警告を発することができる。この例示的な実施形態では、警告装置350Bは、事前警報1051に加えて当該警告も発する。
【0167】
図11A及び11Bは、逐次成形モードにおける射出成形システム1の処理を示すフローチャートである。この処理は、
図9のステップS904~S906に対応する。コントローラ41、42A、42Bは、射出成形システム1内の構成要素を制御して処理を実行する。この処理では、金型100AがIMM2に挿入され、射出成形される。次に、金型100Bが挿入され、射出成形される。
【0168】
ステップS1101において、コントローラ41は、射出成形構成要素6200に成形条件をロードおよび設定する。ステップS1102において、射出装置5は、設定された成形条件に基づいて、金型に射出される溶融樹脂の測定を行う。ステップS1103において、クランプ装置6は、IMM2に挿入される金型を収容するように可動プラテン62の位置を調整する。別の実施形態では、ステップS1102およびS1103を同時に実行することができる。
【0169】
ステップS1104において、コントローラ41は、金型扉390Aの開放を制御して、金型100AをIMM2に挿入することを可能にする。そして、コントローラ41は、ステップS1105において、IMM2の状態を「金型挿入準備完了(左)」に更新する。ステップS1101~S1105は、
図10の初期化等1031に対応する。
【0170】
別の例示的な実施形態では、金型扉390Aは手動で開閉され、金型扉390Aの近くに位置するセンサ(図示せず)は、金型扉390Aの開閉状態を検出する。ステップS1104において、コントローラ41は、金型扉390Aが開かれているかを判定する。金型扉390Aが開かれたと判定された場合、処理はステップS1105に進む。
【0171】
ステップS1106において、搬送ユニット31Aは、金型100Aが挿入準備されていれば、金型100Aを挿入する。金型100Aが準備されていない場合、金型100Aの挿入は、金型100Aが準備されるのを待つ。
【0172】
さらに別の例示的な実施形態では、金型扉390Aは手動で開閉され、搬送装置3A、IMM2、または射出成形システム1は、オペレータによって操作されるボタンを含む。このボタンは、金型扉390Aが開いていて、搬送装置3Aの側からの金型挿入の準備ができていることのオペレータの確認を受け付けるためのものである。まず、ボタンが操作されると、コントローラ41は、IMM2の状態を「金型挿入準備完了(左)」に更新する。言い換えれば、ボタンは、金型の搬送の開始をトリガする。なお、搬送装置3Aに金型100Aを移動させることを開始させるためのオペレータ入力を受け付けることができるボタン以外の任意のタイプのユーザインタフェースが適用可能である。
【0173】
ステップS1109~ステップS1118は、
図10の射出成形1032に対応する。ステップS1109において、クランプ装置6は、挿入された金型100Aに加わるクランプ力を設定する。クランプ力は、使用する金型に基づいて調整される。ステップS1110において、クランプ装置6は、金型100Aを閉じる。
【0174】
次に、ステップS1111およびS1112が同時に実行される。ステップS1111において、クランプ装置6は、固定プラテン61及び可動プラテン62で固定金型101及び可動金型102をクランプする。ステップS1112において、射出装置5は、ノズル52の先端が固定金型101に設けられた穴に接触して溶融樹脂を受け入れるようにノズル52を前方に移動させる。
【0175】
ステップS1113において、射出装置5は、ノズル52を介して金型100Aのキャビティ内に溶融樹脂を射出する。また、クランプ装置6は、金型100A内部の圧力を調整して、圧力を適切な範囲内に保持する。ステップS1113の開始に応じて、コントローラ41は、IMM2の状態を「第1の成形が実行されている」に更新する。ステップS1114において、コントローラ41は冷却処理を行う。この処理では、コントローラ41はタイマーを開始し、タイマー値が所定の冷却時間に達するかどうかを定期的にチェックする。タイマー値が所定の冷却時間に達した場合、冷却処理を完了する。
【0176】
ステップS1115において、クランプ装置6は金型100Aを開き、取出ロボット7は金型100Aのキャビティから成形部品を除去し、クランプ装置6は金型100Aを閉じる。ステップS1113~S1115では、1サイクルの射出成形が行われる。コントローラ41は、メモリ6204に、実行されたショット数をカウントするための整数型変数を有する。最初に、変数の値はゼロに設定される。ステップS1115が完了すると、コントローラ41は、値を1インクリメントする。
【0177】
ステップS1116~S1118において、コントローラ41は、所定数のテストショット及び通常ショットが完了したかどうかを判定する。ステップS1116において、コントローラ41は、金型100Aに対して何らかのテストショットが必要であるかどうかを判定する。このステップにおいて、コントローラ41は、メモリ6204にロードされた現在の成形条件を判定し、現在の成形条件がいずれかのテストショットの必要性に関する情報を含んでおり、その情報が真(TRUE)であるかどうかを判定する。情報が真(TRUE)である場合、コントローラ41は、少なくとも1つのテストショットが必要であると判定し(S1116のY)、処理はステップS1117に進む。情報が真(TRUE)でない場合、コントローラ41は、テストショットが不要であると判定し、処理はステップS1118に進む。
【0178】
ステップS1117において、コントローラ41は、所定数のテストショットが終了したかどうかを判定する。コントローラ41は、メモリ6024内で実行されたショット数をカウントするための変数を判定し、成形条件内の所定のテストショット数と変数の値とを比較する。所定のテストショット数が変数よりも多い場合、コントローラ41は、所定のテストショットがまだ終了していないと判定する(S1117でN)。そして、処理はステップS1113に戻り、射出成形を繰り返す。
【0179】
所定のテストショット数が変数以下である場合、コントローラ41は、所定のテストショット数が終了したと判定する(S1117においてY)。次に、処理はステップS1118に進む。ステップS1118において、所定枚数の通常ショットが完了する。コントローラは、所定のテストショット数(N_t)の値と、所定の通常ショット数(N_n)の値と、完了したショット数(N_completed)をカウントするための変数とをチェックする。コントローラ41は、N_completedと'「N_t+N_n」の値とを比較し、N_completedがより小さい場合、コントローラ41は、所定のショット数がまだ完了していないと判定する(S1118でN)。そして、ステップS1113に戻り、一連の射出成形を繰り返す。N_completedが「N_t+N_n」以上である場合、コントローラ41は、所定ショット数が完了したと判定し(ステップS1118でY)、金型100Aによる射出成形が完了する。そして、処理はステップS1119に進む。
【0180】
ステップS1119~S1135において、IMM2内の金型を交換するための処理が実行される。金型100Aによる射出成形の完了に応じて、温度コントローラ321Aおよび322Aは、搬送装置3Aでの金型のより迅速な変更のために、金型100Aの温度を下げ始める。S1120において、警告装置350Aは、金型100Aによる射出成形の完了を通知する警告の発行を開始し、金型100Aの排出が間もなく行われることになる。ステップS1120は、
図10の事前警報1013に対応する。ステップS1121において、クランプ装置6は、金型100Aのプラテンクランプを解除する。ステップS1122において、コントローラ41は、キューに成形タスクが残っているか否かを判定する。成形タスクが残っている場合、処理はステップS1123に進む。成形タスクが残っていない場合、処理は終了する。
【0181】
ステップS1123において、コントローラ41は、次の射出成形のための新しい成形条件を選択する。ステップS1124において、射出装置5は、新しい成形条件に基づいて溶融樹脂の測定を行う。ステップS1125において、コントローラ41は、成形条件の新しいセットをチェックすることにより、射出ノズル52に残存する樹脂のパージ、すなわち除去・廃棄が必要どうかを判定する。コントローラ41がパージが必要であると判定した場合(S1125でY)、処理はステップS1126に進み、コントローラ41がパージが必要でないと判定した場合(S1125でN)、処理はステップS1128に進む。
【0182】
ステップS1126において、射出装置5は、固定プラテン61の開口部61aからノズル52を完全に除去する。次に、ステップS1127において、射出装置5はパージを行う。そして、処理はステップS1129に進む。ステップS1128において、射出装置5は、ノズル52と、排出又は挿入されている金型との間の衝突を防止するために、ノズルを所定の距離だけ除去する。
【0183】
ステップS1129において、クランプ装置6は、可動プラテン62を可動金型102から遠ざけることによって金型100Aをわずかに開く。ステップS1130において、クランプ装置6は、
図12に示すように、固定プラテン61と可動プラテン62との間に次の金型100Bを収容するように可動プラテン62の位置を調整する。別の例示的な実施形態では、ステップS1124は、ステップS1125~S1130と同時に実行することができる。
【0184】
ステップS1132~S1134は、ステップS1130と並行して実行される。ステップS1132において、コントローラ41は、IMM2の状態を「金型排出準備完了(左)」に更新する。ステップS1133において、搬送ユニット31Aは、
図13に示すように、金型100Aを搬送装置3Aに排出する。ステップS1134において、金型扉390Aは、
図14に図示されるように、閉じられる。
【0185】
ステップS1134の後、処理はステップS1135およびステップS1136に進む。ステップS1135において、コントローラ41は、搬送装置3B上の金型100Bが挿入可能であるか否かを判定する。コントローラ41は、搬送装置3B上の金型100Bの状態を取得し、その状態が「搬送装置上に配置された-準備完了」であるか否かを判定する。金型100Bが搬送装置3B上にある場合、コントローラ41は、金型が挿入可能であると判定し、処理をステップS1104に戻す。ステップS1104で始まる上述のステップは、金型100A、搬送装置3A、金型扉390Aなどに関して説明された。ステップS1135に続いて、これらのステップは、金型100B、搬送装置3B、金型扉390B等に関して実行される。例えば、ステップS1104において、金型扉390Bは、
図15に示されるように開放される。
【0186】
コントローラ42Bは、
図16に示すように、金型100Bを挿入するように搬送ユニット31Bを制御するステップS1106を行う。
【0187】
ステップS1109は、クランプ装置6によって金型100Bを閉じるために行われる。射出装置5は、ステップS1111を実行して、ノズル52の先端が金型100Bに接触するようにノズルを前方に移動させる。射出装置5及びクランプ装置6は、ステップS1112を行い、射出装置5は溶融樹脂を金型100Bのキャビティに射出し、クランプ装置6は、金型100Bの内部の圧力を保持する。
【0188】
ステップS1136~ステップS1144は、新しい金型100Aをセットアップするために、搬送装置3Aでセットアップされる。ステップS1136において、コントローラ42Aは、温度コントローラ321Aおよび322Aが温度を下げるための金型100Aの温度を取得する。コントローラ42Aは、取得した温度が第1の温度以下であるかどうかを判定する。取得した温度が第1の温度以下である場合、コントローラ42Aは、金型100Aの温度がアンロードされるのに十分冷たいと判定し、処理はS1137に進む。温度が第1の温度よりも高い場合、処理は、温度が降下するまでステップS1136で待機する。ステップS1137において、警告装置350Aは、金型100Aがアンロード可能であることをオペレータに通知することを開始する。温度の定期的な監視は、通知のために必要とされない。ステップS1136の後、搬送扉302Aを開くことができる。
【0189】
温度が第1の温度よりも低くなった後、ホース331A、332A内の液流を停止し、温度コントローラ321A、322Aが温度の低下を停止させる。
【0190】
ステップS1138において、コントローラ42Aは、ホース331A及び332Aが金型100Aから取り外されているかどうかを判定する。取り外しは、ホース331Aおよび332Aの接続または取り外しを監視するためのセンサ(図示せず)の出力を受信ことによって判定することができる。取り外しはまた、ホース331Aおよび332Aが取り外されたという確認をユーザインタフェースを介して受信することによって判定することができる。ホース331A及び332Aが取り外された場合、処理はステップS1139に進む。ホース331A及び332Aが取り外されていない場合、処理はステップS1138に留まり、ホース331A及び332Aが取り外されたと判定されるまで待機する。
【0191】
ステップS1139において、コントローラ42Aは、金型100Aが搬送装置3Aからアンロードされたかどうかを判定する。アンロードは、搬送装置3A上の金型を検出するセンサ(図示せず)の出力を受信ことにより判定することができる。アンロードはまた、ユーザインタフェースを介して、金型100Aがアンロードされたことを受信することによって判定することもできる。金型100Aがアンロードされたと判定された場合は、処理はステップS1140に進む。金型100Aがアンロードされたと判定されない場合、処理はステップS1139に留まり、金型100Aがアンロードされるまで待機する。
【0192】
ステップS1140において、コントローラ42Aは、新しい金型が搬送装置3Aにロードされているかどうかを判定する。この判定は、ステップS1139で使用される方法と同様の方法を使用して行うことができる。新しい金型が搬送装置3Aにロードされたと判定された場合、処理はステップS1141に進む。新しい金型がロードされていないと判定された場合、処理はステップS1140に留まり、新しい金型がロードされるまで待機する。
【0193】
ステップS1141において、コントローラ42Aは、ホース331A及び332Aが金型100Aに接続されているかどうかを判定する。接続は、ステップS1138で使用される方法と同様の方法を使用して判定することができる。ホース331A及び332Aが接続されていると判定された場合は、処理はステップS1142に進む。ホース331A及び332Aが接続されていないと判定された場合、処理はステップS1141に留まり、ホース331A及び332Aが接続されるまで待機する。
【0194】
別の例示的な実施形態では、ユーザインタフェースを介して受信された単一の入力は、ステップS1138~S1141に関して上述した取り外し、アンロード、ロード、および接続の確認のすべてまたは一部に関連付けることができる。
【0195】
S1142において、温度コントローラ321A及び322Aは、新たな金型の温度を第2の温度まで上昇させ始める。これは、
図10の温度上昇1028に対応する。ステップS1143において、警告装置350Aは、金型挿入の準備ができたことをオペレータに通知し始める。ステップS1144において、コントローラ42Aは、新しい金型の状態を「搬送装置上に置かれた―準備完了」に更新する。金型はここで、準備が整い、挿入を待つ。
【0196】
図17は、
図10に示されるシナリオとは異なる、通常の逐次成形モードにおける例示的な処理を示す。警告装置350A/350Bおよび関連する処理は、
図10を参照して説明したものと同じであるため、
図17には示されていない。本例示的な処理では、金型Aのショット数は、搬送装置3Bによって挿入および排出される金型Bおよび金型Cよりもはるかに多い。
【0197】
IMM2は、金型Aで射出成形(射出成形(金型A)2521)を行った後、金型Bで射出成形を行う(射出成形(金型B)2522)。そして、IMM2は、金型Aによる射出成形(射出成形(金型A)2523)を再開し、金型Cによる射出成形(射出成形(金型C)2524)を行う。
【0198】
搬送装置3Aは、射出成形2521の後に金型Aを排出し(金型A排出2511)、金型B排出(金型B排出2535)の直後に金型Aを挿入し(金型A挿入2512)、射出成形(金型A2523)の後に金型Aを排出する(金型A排出2513)。射出成形(金型A)2521または射出成形(金型A)2523の完了に応じて、温度コントローラ321A及び322Aは、金型Aの温度が第2の温度に維持されるように、金型Aの温度を制御する(温度保持2514または温度保持2515)。
【0199】
別の例示的な実施形態では、金型Aの温度が第2の温度に維持される必要はない。温度コントローラ321A及び322Aは、射出成形(金型A)2523の開始時間までに金型Aの温度を第2の温度まで上昇させる。
【0200】
金型B(金型B準備2531)を搬送装置3Bで準備した後、温度コントローラ321B及び322Bは、第2の温度まで昇温を開始する(温度上昇2532)。温度上昇2532が温度を上昇させると、搬送ユニット31Bは、金型A排出2511の後、射出成形(金型B)2522の前に、金型を挿入する(金型B挿入2533)。射出成形(金型B)2522が完了すると、温度コントローラ321Bおよび322Bは、金型Bの温度を第1の温度まで低下させ始める(温度低下2534)。射出成形(金型B)2522後、搬送ユニット31Bは、金型A挿入2512の前に金型Bを排出する(金型B排出2535)。
【0201】
温度低下2534の後、搬送装置3Bで金型Bがアンロードされ(金型Bアンロード2536)、金型Cが準備される(金型C準備2537)。次に、温度コントローラ321Bおよび322Bは、金型Cの温度を上昇させ始める(温度上昇2538)。そして、搬送ユニット31Bは、金型Cを挿入する(金型C挿入2539)。
【0202】
生産性を向上させるために、金型Bまたは金型Cによる射出成形が開始される時間までに、金型Bまたは金型Cの温度は第2の温度に達する。コントローラ41は、金型Bまたは金型Cの温度を上昇させるための標準時間または平均時間を格納し、格納した時間から後方に、射出成形(金型A)2521または射出成形(金型A)2523における射出成形を停止させる時間を判定する。
【0203】
別の例示的な実施形態では、
図17の上述した処理に加えて、警告装置350Aは、オペレータが搬送装置3Aのコンベヤ領域内にいる必要がないように、金型Aによる射出成形が完了するまで警報を発し続ける。さらに別の例示的な実施形態では、通常の状況ではオペレータは搬送装置3Aの搬送領域内にいる必要がないため、警告装置350Aは警報を発することはない。これらの例示的な実施形態は、射出成形システム1によって発行される警報の数の減少を可能にし、したがって、オペレータが射出成形システム1の搬送装置3B側に集中することを可能にする。
【0204】
図18は、並列成形モードにおける射出成形システム1内の構成要素の例示的な処理を示すタイミングチャートを示す。まず、搬送装置3Aで金型Aを準備し(金型A準備2621)、搬送装置3Bで金型Bを準備する(金型B準備2641)。金型Aおよび金型Bの準備は順次行うことができるが、IMM2のアイドル時間を減らすために、
図19に示すように金型Aおよび金型Bの準備を同時に行うことができる。
【0205】
準備が完了した後、射出成形システム1は並列成形を行う。このシナリオでは金型a準備2621が金型B準備2641よりも早く完了するため、搬送装置3Bは金型Bを先に挿入し、クランプ装置6は金型Bを閉じ、射出装置6は溶融樹脂を射出し、クランプ装置6は金型Bの圧力を保持し、搬送装置3Bは金型Bを搬送装置3Bに排出する(処理2631)。
【0206】
金型Bの排出後、搬送ユニット31Aは、金型AをIMM2に挿入し、金型Aで処理2631と同様の処理を行い、金型Aで処理を行っている間、金型Bは、搬送装置3Bで冷却処理を行っている。
【0207】
金型Bによる冷却処理の後、及び金型Aの搬送装置3Aへの排出の後、搬送装置3Bは金型BをIMM2に挿入し、クランプ装置6は金型Bを開き、取出ロボット7は金型Bのキャビティから成形部品を除去し、クランプ装置6は金型Bを閉じ、射出装置5は溶融樹脂を金型Bのキャビティに射出し、クランプ装置6は金型Bの圧力を保持し、その後、搬送装置3Bは金型Bを搬送装置3Aに排出する。これらの処理がIMM2と金型Bとで実行されている間、金型Aは搬送装置3A上で冷却処理中である。並列成形モードでは、IMM2 の外部で1つの金型の冷却処理が実行され、IMM2の内部で他の処理が実行される(A-B並列成形(金型冷却ステップが外部で実行される)2632)。
【0208】
このシナリオにおける並列成形の終わりには、搬送装置3Bは金型Bを挿入し、クランプ装置6は金型Bを開き、取出ロボット7は成形部品を除去し、クランプ装置6は金型Bを閉じ、搬送ユニット31Bは金型Bを搬送装置3Bに排出する(処理2633)。金型Aは、処理2633中に搬送装置3Aに排出される。A-B並列成形(金型冷却ステップ金型冷却ステップが外部で実行される)2632および処理2633の後、搬送装置3Aから金型Aをアンロードし(金型Aアンロード2622)、且つ金型Cを準備する(金型C準備2623)ことによって、金型Aを搬送装置3Aで金型Cと交換する。
【0209】
搬送装置3Bでは、金型Bを搬送装置3Bからアンロードし(金型Bアンロード2642)、金型Dを準備する(金型D準備2643)ことにより、金型Bを金型Dと交換する。金型A準備2621、金型B準備2641、金型C準備2623、または金型D準備2643は、金型の温度を第2の温度まで上昇させる処理を含む。金型A~Dのそれぞれの第2の温度は、互いに異なっていてもよい。
【0210】
射出成形システム1は、金型CおよびDの準備後、金型CおよびDによる並列成形モードでの射出成形を行う。このシナリオでは、金型D準備2643よりも早く金型C準備2623が完了し、金型Cが先に挿入され、後で金型Dが挿入される。
【0211】
警告装置350Aは、金型A準備2621の所定時間の完了に応じて、事前警報(事前警報2611)を発する。次いで、A-B並列成形(外部で実行される金型冷却ステップ)2632の間、警告装置350Aは、コンベヤ領域内で金型Aが断続的に移動されることをオペレータに通知する警告(警告2612)を発する。AーB並列成形(外部で行われる金型冷却ステップ)2632が終了し、且つ金型Aの温度が第1の温度まで降下した後、警告装置350Aは、金型Aがアンロードの準備ができたことをオペレータに通知する(アンロード通知2613)。
【0212】
警告装置350Bは、金型B準備2641が完了した後に事前警報(事前警報2651)を発し、A-B並列成形中(金型冷却ステップが外部で実行される)に警告2632を発する。金型Dの温度が第1の温度に降下した後、警告装置350Bは、金型Bがアンロードの準備ができたことをオペレータに通知する(アンロード通知2653)。
【0213】
図19は、組み合わせモードにおける射出成形システム1の構成要素の例示的な処理を示すタイミングチャートを示す。組み合わせモードでは、IMM2は並列成形モードと通常の逐次成形モードの両方で射出成形を行う。この例示的な処理は、
図17のシナリオと同じであり、金型Aによる射出成形の推定合計時間は、金型B、金型C、または金型Dによる射出成形の推定合計時間よりもはるかに長い。
【0214】
最初に、搬送装置3Bで金型Bが準備される間(金型B準備2731)、IMM2によって通常の成形行われる(射出成形(金型A)2721)。金型B準備2731は、温度コントローラ321B及び322Bによって行われる金型Bの温度を第2の温度まで上昇させる処理を含む。金型B準備2731の後、IMM2、搬送装置3A及び搬送装置3Bは、金型A及びBによる並列成形モードでの射出成形を行う(A-B並列成形(金型冷却ステップが外部で実行される)2722)。所定数のショットが完了した後、IMM2は金型Aのみでの通常の射出成形(射出成形(金型A)2723)を開始する。
【0215】
射出成形(金型A)2723が行われている間、搬送装置3Bで、金型Bがアンロードされ(金型Bアンロード2732)、金型Cが準備される(金型C準備2733)。金型C準備2733はまた、温度コントローラ321Bおよび322Bによって実行される、金型Cの温度を第2の温度まで上昇させる処理を含む。射出成形システム1は、金型C準備2733に応じて、この時間に金型A及びCによる並列成形モードに戻る(A-C並列成形(外部で行われる金型冷却ステップ)2724)。
【0216】
A-C並列成形(金型冷却ステップが外部で実行される)2724の後、IMM2は、金型Aのみによる射出成形(射出成形(金型A)2725)を行う。射出成形(金型A)2725の間、金型Cはアンロードされ(金型Cアンロード2734)、金型Dが準備される(金型D準備2735)。
【0217】
これらの例示的な処理では、射出成形(金型A)2725において金型Aによる所定のショット数が完了し、搬送装置3Aは、金型Aを搬送装置3Aに排出する(金型A排出2711)。金型D準備2735の後、搬送装置3Bは、金型DをIMM2に挿入し(金型D挿入2736)、その後、金型Dによる射出成形をIMM2で行う。これらの例示的な処理では、IMM2は、1つの金型で通常の射出成形を行い、一方、オペレータは別の金型を準備し、準備完了後、並列成形がIMM2で実行される。これにより、射出成形システム1の生産性を向上させる。
【0218】
例示的な実施形態では、射出成形(金型A)2721における冷却処理がIMM2内で行われるのに対し、A-B並列成形(金型冷却ステップが外部で実行される)2722における冷却処理は、搬送装置3Aまたは搬送装置3Bのいずれかで、IMM2の外部で行われ得る。冷却処理の違いは、同じ金型からの成形部品の違いに影響する可能性がある。何らかの差異を低減するために、A-B並列成形(金型冷却ステップが外部で実行される)2722における冷却処理の間に、クランプ装置6を可動金型102から解放することができる。これにより、自閉ユニット103のみが金型100A/100Bの閉止状態を維持することになり、それは射出成形(金型A)2721における冷却処理と同様の効果を有する。
【0219】
上述の例示的な実施形態は例示的な実施形態を論じているが、本開示はこれらの例示的な実施形態に限定されない。
【0220】
例示的な実施形態によると、射出成形システムは、金型で射出成形を行う射出成形機と、射出成形機の一側方に設けられ、射出成形機の第1の開口部を通して第1の金型を排出および挿入する第1の搬送装置と、射出成形機の第2の開口部を通して第2の金型を排出、挿入するための射出成形機の他の側の第2の搬送装置とを含む。また、射出成形機は、第1の開口部を覆う第1の扉と、第2の開口部を覆う第2の扉とを備える。射出成形機は、第2の扉の開放に応じて、第1の金型による射出成形を停止する少なくとも1つのコントローラを含む。
【0221】
別の例示的な実施形態によると、射出成形システムは、金型で射出成形を行う射出成形機と、射出成形機の一側方に設けられ、射出成形機の第1の開口部を通して第1の金型を排出および挿入する第1の搬送装置と、射出成形機の第2の開口部を通して第2の金型を排出、挿入する射出成形機の他の側の第2の搬送装置とを含む。また、射出成形システムは、第1の搬送装置を囲む第1の閉領域を定義する第1の搬送扉を備える第1の安全壁と、第2の閉領域を定義する第2の搬送扉を備える第2の安全壁とを含む。射出成形システムは、第1の搬送扉の開放に応じて第1の金型による射出成形を停止する少なくとも1つのコントローラを含む。
【0222】
さらに別の例示的な実施形態によれば、射出成形システムは、金型で射出成形を行う射出成形機と、射出成形機の一側方に設けられ、射出成形機の第1の開口部を通して第1の金型を排出および挿入する第1の搬送装置と、射出成形機の第2の開口部を通して第2の金型を排出、挿入する射出成形機の他の側の第2の搬送装置とを含む。射出成形システムはまた、第1の金型(100A)の温度を制御する1つ以上の第1の温度コントローラと、第2の金型(100B)の温度を制御する1つ以上の第2の温度コントローラとを含む。第1の温度コントローラは、射出成形機が第1の金型で射出成形を行う間に第2の搬送装置で第2の金型の温度上昇を開始する。
【0223】
さらに別の例示的な実施形態によれば、射出成形システムは、金型で射出成形を行う射出成形機と、射出成形機の一側方に設けられ、射出成形機の開口部を通して金型を排出および挿入する搬送装置とを含む。射出成形機は、射出成形機内で金型と接触するために一方向に移動し、且つ、第1の搬送装置によって排出されている金型から離脱するために反対方向に移動するノズルを備えた射出機を含む。
【0224】
別の例示的な実施形態によれば、射出成形システムは、金型で射出成形を行う射出成形機と、射出成形機の一側方に設けられ、射出成形機の開口部を通して金型を排出および挿入する搬送装置とを含む。射出成形システムはまた、金型の温度を制御する1つ以上の温度コントローラと、温度コントローラが搬送装置上の鋳型の温度を所定の温度まで低下させることの検出に応答して通知を発する警告装置とを含む。
【0225】
さらに別の例示的な実施形態によれば、射出成形システムは、金型で射出成形を行う射出成形機と、射出成形機の一側方に設けられ、射出成形機の開口部を通して金型を排出および挿入する搬送装置とを含む。射出成形システムはまた、金型の温度を制御する1つ以上の温度コントローラと、温度コントローラが搬送装置上の金型の温度を所定の温度まで上昇させることの検出に応じて通知を発する警告装置とを含む。
【0226】
定義
説明を参照する際に、開示される例の完全な理解を提供するために、特定の詳細が記載される。他の例では、本開示を不必要に長くしないために、周知の方法、手順、構成要素、および回路は詳細に説明されていない。
【0227】
ここで、要素または部品が別の要素または部品の「上に」、「対して」、「接続されて」、または「結合されて」いると言及される場合、それは他の要素または部品の上に直接、対抗して、接続され、または結合されることができ、または介在する要素または部品が存在することができることを理解されたい。対照的に、要素が別の要素または部品の「直接上に」、「直接接続されて」、または「直接結合されて」いると言及される場合、介在する要素または部品は存在しない。使用される場合、用語「および/または」はそのように提供される場合、1つ以上のリスト項目のいずれか及びすべての組み合わせを含む。
【0228】
「下に(under)」、「上に(beneath)」、「下(below)」、「低い(lower)」「上に(above)」、「上(upper)」、「近位に(proximal)」、「遠位に(distal)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では説明を容易にするために、様々な図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するために使用することができる。しかしながら、空間的に相対的な用語は図に示す向きに加えて、使用または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図中の装置が裏返される場合、他の要素または特徴は、他の要素または特徴の「上に」配向されることになり、したがって、「下に」などの相対的な空間的用語は上下の配向の両方を包含することができる。装置が別の方法で配向されてもよく(90度回転されても、または他の配向でもよい)、本明細書で使用する空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈されるべきである。同様に、「近位」および「遠位」という相対的な空間的用語も、適用可能であれば、交換可能であってもよい。
【0229】
用語「約」は本明細書で使用される場合、例えば、10%以内、5%以内、またはそれ未満を意味し、いくつかの実施形態では、用語「約」が測定誤差内を意味し得る。
【0230】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では様々な要素、構成要素、領域、部品、および/またはセクションを説明するために使用され得る。これらの要素、構成要素、領域、部分、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、部分、またはセクションを別の領域、部分、またはセクションから区別するためにのみ使用されている。したがって、以下で説明する第1の要素、構成要素、領域、部分、またはセクションは、本明細書の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、部分、またはセクションと呼ぶことができる。
【0231】
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。用語「a」および「an」および「the」ならびに開示を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における同様の指示対象の使用は、本明細書中で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、および「含む(containing)」は別段の指示がない限り、限定されない用語(すなわち、「含むが限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。具体的には、これらの用語が本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、明示的に述べられていない1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。本明細書中の数値範囲の記載は本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。例えば、範囲10~15が開示される場合、11、12、13、および14も開示される。本明細書で記載した全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、或いは明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行され得る。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は単に、本開示をより明確にすることを意図したものであり、特に主張されない限り、本開示の範囲に対する限定を提示するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本開示の実施に不可欠であるとして特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0232】
本開示の方法および組成物はさまざまな実施形態の形式に組み込むことができ、そのうちのいくつかのみが本明細書に開示されることが理解されるのであろう。当業者であれば、前述の説明を読めば、これらの実施形態の変形が明らかになるのであろう。本発明者らは当業者がそのようなバリエーションを適切に使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載される以外の方法で本開示が実施されることを意図する。
【0233】
したがって、本開示は適用可能な法律によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正および均等物を含む。さらに、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組合せが、本開示に包含される。