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特許7223213油圧システム内で圧力制限を制御する動的論理素子
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  • 特許-油圧システム内で圧力制限を制御する動的論理素子 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】油圧システム内で圧力制限を制御する動的論理素子
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/16 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
F15B11/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022544749
(86)(22)【出願日】2021-01-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 IN2021050008
(87)【国際公開番号】W WO2022049589
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202041038187
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522292471
【氏名又は名称】パーシバン・バラダラジャン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パーシバン・バラダラジャン
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-270923(JP,A)
【文献】特開2002-372006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れを調整する装置であって、
パイロットラインがポンプ(3)のポンプライン(Pl)に接続されているパイロット操作弁を有する動的論理素子(12)であって、
前記パイロット操作弁は、前記流体の需要または流れに基づいてタンクライン内の前記流体の圧力および前記流れを調整するために、方向制御弁(4)の前記タンクライン内で必要とされる圧力制限レベルを感知して、前記動的論理素子(12)を反比例して作動させて、前記流体の通路についての圧力制限を最適レベルに設定する、動的論理素子(12)と、
シリンダ(13)およびモータ(14)の最大戻りライン流量および最小戻りライン流量などの可変戻りライン流れ特性を検出する少なくとも1つのセンサおよびコントローラ(16)と、
を備える、装置において、
前記動的論理素子(12)は、一定の最大許容圧力制限を維持するために、前記方向制御弁(4)の第1の弁部分(6)に接続されている前記シリンダ(13)および第2の弁部分(7)に接続されている前記モータ(14)の前記可変戻りライン流れ特性に基づいて、前記流体の前記圧力制限レベルを制御し、
前記動的論理素子(12)は、前記方向制御弁(4)内で起こっているキャビテーションを感知し、必要な流体を前記方向制御弁(4)の所望部分へ再度方向付けて、前記方向制御弁(4)内の前記キャビテーションを低減し、
前記動的論理素子(12)は、調整式手段(12a)または無調整式手段(12b)を有し、前記戻りライン内に必要な圧力を設定するために前記流体流れに制限を適用して、必要な領域に対する耐キャビテーション機能により、油圧システムの再生の有効性を最適化する
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
タンクラインと第2の弁部分(7)のサービスポートとの間に取り付けられている逆止め弁(15)であって、前記動的論理素子(12)により適用された圧力制限が存在する場合、最大流れを可能にする、逆止め弁(15)
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記動的論理素子(12)は、前記シリンダ(13)内で起こっているキャビテーションを感知して、耐キャビテーション弁(8、9)により、前記流体の前記流れを前記シリンダ(13)のキャビテーション面に再度方向付けて、効率性を高める、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記動的論理素子(12)は前記モータ(14)内で起こっているキャビテーションを感知して、耐キャビテーション弁(10、11)により、前記流体の前記流れを前記キャビテーションへ再度方向付けて、効率性を高める、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記方向制御弁(4)の前記タンクラインは、冷却器(15)および戻りラインフィルタ(19)を通して、タンク(1)に戻るように接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの圧力センサが、特定のサービスポート上に取り付けられ、前記少なくとも1つの圧力センサが、前記特定のサービスポート内に流れが存在し、かつ、前記コントローラ(16)が前記動的論理素子(12)へ適切な信号を送信して選択的制限を適用する場合、入力信号を前記コントローラ(16)へ供給する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記流体は、オイルである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
方向制御弁(4)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の動的論理素子(12)と、
主リリーフ弁(5)を有する前記方向制御弁(4)に接続されているポンプ(3)、およびオイル冷却器(18)および戻りラインフィルタ(19)経由で、タンク(1)に戻るように接続されている前記方向制御弁(4)の高圧キャリーオーバ(HPCO)ライン(17)であって、前記方向制御弁(4)のタンクラインが、前記ポンプ(3)と前記主リリーフ弁(5)との間の点からの圧力を感知する前記動的論理素子(12)に接続されており、前記動的論理素子(12)は、パイロットラインが前記ポンプ(3)のポンプライン(Pl)に接続されているパイロット操作弁を有する、ポンプ(3)およびHPCOライン(17)と、
油圧シリンダ(13)と、
油圧モータ(14)と、
を備える、キャビテーションを低減するために流体の流れを調整するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的で選択的な、かつオンデマンドで調整可能な制限により、再生の流れを増加させ有効性を高める、油圧システムに関連する動的論理素子に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧システムでは、効率性を高めるためにキャビテーションのないシステムを有することが常に望ましい。制御弁の特定のサービスライン上で使用され得る多くの耐キャビテーション再生弁またはスプールが利用可能である。しかし、弁の既存の機構を用いて必要なレベルを再生するために利用可能なシステムは存在しない。
【0003】
無調整式論理素子は、流れに比例して制限を与える。システムがタンク/戻りライン内の圧力制限に関して限られた能力を有する場合、制限が最大流れに関して設計されなければならない。したがって、より少ない流れにおいて、制限量はシステムの許容制限よりも少なくなり、再生は比較的効果が低くなる。従来の方法は、可変制限に関する様々な動的流れの変化するニーズを認識しておらず、一定の事前設定制限を適用していた。一定の速度動作においてさえも、異なる大きさに成形されたシリンダをシステムが含有する場合、タンクへの戻りライン流れは、シリンダサイズ対ロッドサイズの比率に基づいて、大きく変化する可能性がある。固定設定制限器が流れに比例して抵抗を示しかつ様々な利用可能なシリンダから出てくる最大戻りライン流れに関して制限が設計される時、最大戻りライン流れを有するシリンダのみが効果的な再生で動作し、より少ない戻りライン流れを有するシリンダは非効果的な/乏しい再生を得る。
【0004】
したがって、流れまたは需要に基づいて制限を適用して、一定の最大許容圧力制限を維持することができ、全動作範囲に亘る流体の効果的な再生または迂回を確実にして、油圧システムの効率性を最大限に高める、動的調整式論理素子を備えたシステムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主目的は、流れまたは需要に基づいて制限を適用することにより、全動作範囲に亘るオイルの効果的な再生または迂回を確実にする、一定の最大許容圧力制限を維持することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、オンデマンドで動的に調整可能な制限を有する、油圧システムの内部または外部の耐キャビテーション機構を使用することによって、流れを費用効率の良い方法で最適レベルに調整し再生することによって、油圧機械内のキャビテーションを低減することにより、油圧システムの効率性を改善することである。
【0007】
本発明は、流れを費用効率の良い方法で最適レベルに調整することによって、油圧機械内のキャビテーションを低減することにより、油圧システムの効率性を改善するというさらなる目的を有する。本発明の構造によれば、該効率性は、調整可能な圧力/制限を用いて実質的に改善され、したがって効率性を最大限に高める。該効率性は、外部の耐キャビテーション弁または逆止め弁を使用することにより、さらに高められることが可能である。
【0008】
本発明の別の目的は、油圧システムにおいて、論理素子が事前設定圧力に対する選択的自動制限を可能にし、かつ任意の油圧弁の耐キャビテーション機構を使用して、流体の流れを調整することであり、それは結果的に、流体を必要な領域またはキャビテーション領域に供給することにより、効率性の改善をもたらす。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、論理素子が圧力ラインからの圧力を感知し、必要に応じて、事前設定制限を自動的に適用することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、効率性を最大限に高めるために、流体の流れを自動的に制限し、必要な領域およびキャビテーション領域に迂回させる論理素子である。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、再生目的で、弁の耐キャビテーション機構を使用する油圧システムである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、弁の任意の部分のキャビテーションを自動的に感知し、必要なオイルを弁の所望部分へ迂回させる単一のシステムである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、単一の論理素子が完全なシステムへの再生を実現することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、油圧システムを使用する農業機械、工業機械、建設および鉱山機械を含むがそれらに限定されない機械または機器の任意の油圧システムの効率性を改善することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、オイルを自動的に制限するか、またはさもなければ弁の耐キャビテーション機構を使用し、必要な領域もしくはキャビテーション領域に向けて迂回させる、スタンドアロンのまたは弁の不可分の一部である論理素子を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、農業機械、工業機械、建設および鉱山機械を含むがそれらに限定されない油圧システム内で使用され得る、流体通路の流れを選択的に制限することにより、弁の耐キャビテーション機構を使用して、流体流れを自動的に迂回させる論理素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、油圧システム内のキャビテーションを感知し、選択的で動的な調整可能な制限を自動的に感知し適用して、オイルの通路についての圧力制限を最適レベルに設定することにより、油圧オイルの一部を自動的に調整し、キャビテーション領域および必要な領域に迂回させて、弁の耐キャビテーション機構または外部の逆止め弁により、増進された再生を得る、油圧システム内の論理素子に関する。
【0018】
一態様では、本明細書における実施形態は、流体の流れを調整する装置を提供する。該装置は、動的論理素子と、少なくとも1つのセンサと、コントローラと、を含む。該動的論理素子は、パイロットラインがポンプのポンプラインに接続されているパイロット操作弁を有する。該パイロット操作弁は、前記流体の需要または流れに基づいて前記タンクライン内の圧力および前記流体の流れを調整するために、方向制御弁のタンクライン内で必要とされる圧力制限レベルを感知して、前記動的論理素子を反比例して作動させて、前記流体の通路についての圧力制限を最適レベルに設定する。少なくとも1つのセンサおよびコントローラは、シリンダおよびモータの最大戻りライン流量および最小戻りライン流量などの可変戻りライン流れ特性を検出する。
【0019】
動的論理素子は、一定の最大許容圧力制限を維持するために、方向制御弁の第1の弁部分に接続されているシリンダおよび第2の弁部分に接続されているモータの可変戻りライン流れ特性に基づいて、流体の圧力制限レベルを制御する。
【0020】
論理素子は、システム全体の効率性に影響を及ぼすことなく、オンデマンドで再生を実現する。論理素子は、センサおよびコントローラを使用して圧力設定を変化させて、適用要求および他のシステムパラメータに基づいて、再生をさらに最適化するモードを備える。弁の耐キャビテーション機構/機能の使用効率は、論理素子を使用することにより、実質的に高められる。油圧システム内で使用され得る論理/事前定義済み機能は、任意の油圧システムの耐キャビテーション機構を使用して、出て行く流体の事前設定のまたは調整可能な圧力および迂回に対して選択的自動制限を可能にし、これは、オイルを必要な領域およびキャビテーション領域に供給することにより、結果的に効率性の改善をもたらす。
【0021】
論理素子は、圧力ラインからの圧力を感知し、必要に応じて、事前設定のまたは調整可能な制限を自動的に適用する。論理素子は、効率性を最大限に高めるために、流れを自動的に制限し、必要な領域およびキャビテーション領域に迂回させる。システムは、再生目的で、弁の耐キャビテーション機構を使用する。したがって、単一のシステムは、弁の任意の部分内のキャビテーションまたは低圧を自動的に感知し、必要なオイルを弁の所望部分へ迂回させる。単一の論理素子が完全なシステムへの再生を実現する。スタンドアロンのまたは弁の不可分の一部である論理素子は、自動的にまたは別の方法で制限し、弁の耐キャビテーション機構を使用し、オイルを必要な領域およびキャビテーション領域に向けて迂回させる。
【0022】
論理素子は、農業機械、工業機械、建設および鉱山機械を含むがそれらに限定されない油圧システム内で使用され得、流体通路の流れを選択的に制限することにより、弁の耐キャビテーション機構を使用して、流体流れを自動的に迂回させる。論理素子は、適切な流れ容量(flow capacity)を有する随意の外部の逆止め弁を使用することにより、流体を自動的に迂回させて、効果的な再生により効率性をさらに高める。
【0023】
装置は、タンクラインと第2の弁部分のサービスポートとの間に取り付けられている逆止め弁をさらに備える。一実施形態では、該逆止め弁は、動的調整式論理素子により適用された圧力制限が存在する場合、最大流れを可能にする。
【0024】
別の実施形態では、動的論理素子は、前記シリンダ内で起こっているキャビテーションを感知し、耐キャビテーション弁により、流体の流れをシリンダのキャビテーション面へ再度方向付けて、効率性を高める。
【0025】
さらに別の実施形態では、動的論理素子は、モータ内で起こっているキャビテーションを感知して、耐キャビテーション弁により、流体の流れを前記キャビテーションへ再度方向付けて、効率性を高める。
【0026】
いくつかの実施形態では、方向制御弁のタンクラインは、冷却器および戻りラインフィルタを通してタンクに戻るように接続される。
【0027】
さらに別の実施形態では、動的論理素子は、方向制御弁内で起こっているキャビテーションを感知し、必要な流体を方向制御弁の所望部分へ再度方向付けて、方向制御弁内のキャビテーションを低減する。
【0028】
さらに別の実施形態では、少なくとも1つの圧力センサが、特定のサービスポート上に取り付けられ、特定のサービスポート内に流れが存在し、かつ、コントローラが動的論理素子へ適切な信号を送信して選択的制限を適用する場合、コントローラへ入力信号を供給する。
【0029】
いくつかの実施形態では、流体はオイルである。
【0030】
別の態様では、キャビテーションを低減するために、流体の流れを調整するシステムが提供される。該システムは、方向制御弁と、動的論理素子と、ポンプと、油圧シリンダと、油圧モータと、を含む。該ポンプは、主リリーフ弁を有する方向制御弁に接続されており、弁の高圧キャリーオーバ(HPCO:High Pressure Carry Over)ラインが、オイル冷却器および戻りラインフィルタ経由で、タンクに戻るように接続される。弁のタンクラインが、ポンプと主リリーフ弁との間の点からの圧力を感知する動的論理素子に接続されている。該動的論理素子は、パイロットラインがポンプのポンプラインに接続されているパイロット操作弁を有する。
【0031】
動的論理素子は、前記タンクライン内の前記流体の圧力および流れを調整するために、前記方向制御弁のタンクライン内の圧力制限レベルを感知して、前記方向制御弁を反比例して作動させて、前記流体の通路についての圧力制限を最適レベルに設定する。
【0032】
システムは、油圧シリンダおよび油圧モータの最大戻りライン流量および最小戻りライン流量などの可変戻りライン流れ特性を検出する少なくとも1つのセンサおよびコントローラを有する。
【0033】
動的論理素子は、一定の最大許容圧力制限を維持するために、方向制御弁の第1の弁部分に接続されているシリンダおよび第2の弁部分に接続されているモータの可変戻りライン流れ特性に基づいて、流体の圧力制限レベルを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本明細書における一実施形態によるシステムの油圧回路の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明の動作原理を示す回路を示す。ポンプ(3)が適切な手段により電源(20)に連結されており、吸込みストレーナ(2)を通してホース継ぎ手により、タンク(1)から流体(すなわちオイル)を取る。
【0036】
ポンプ(3)出口は、主リリーフ弁(5)を有する弁(4)に接続されており、弁のHPCOライン(17)は、オイル冷却器(18)および戻りラインフィルタ(19)経由で、タンク(1)に戻るように接続される。弁(4)のタンクラインは動的論理素子(12)に接続されており、該論理素子(12)は、ポンプ(3)と弁(5)との間の点から、システム圧力を感知する。
【0037】
論理素子は調整式オリフィスタイプ(12a)もしくは無調整式オリフィスタイプ(12b)、または調整式クラック圧タイプ(12c)もしくは無調整式クラック圧タイプ(12d)を備えた逆止め弁とすることができる。
【0038】
制限の大きさは動的に変化させられて、センサおよびコントローラ(16)を使用することにより、システムの使用を増進することができる。
【0039】
論理素子(12)の出力は、冷却器(18)および戻りラインフィルタ(19)経由で、タンク(1)に接続されている。弁(4)は並列回路内に2つの弁部分(6、7)を有する。該2つの弁部分は、(i)第1の弁部分(6)と、(ii)第2の弁部分(7)と、である。各弁部分(6、7)は、サービスポート内に嵌合されている1組の耐キャビテーションカムショックリリーフ弁(anti-cavitation cum shock relief valve)(8、9、10、11)を有する。
【0040】
論理素子(12)は、Pラインにパイロットラインが接続されているパイロット操作弁であり、該パイロット操作弁は、圧力を感知し、論理素子(12)を設定値(例えば、圧力制限、流体流量等)に反比例して作動させ、タンクラインに接続されておりかつしたがってタンクライン内の圧力および流れを調整する。圧力および流体流量に関する最適レベルまたは最適値は流体の性質およびタイプで変化する可能性がある。
【0041】
第1の弁部分(6)は、油圧シリンダ(13)に接続されている。該シリンダ(13)は、機械要素の自重に起因する重力の引っ張りがシリンダロッドを指示方向に引くように、機械要素に接続されている。
【0042】
第2の弁部分(7)は、油圧モータ(14)に接続されている。論理素子(12)は、事前設定圧力にオイル通路内の選択的制限を適用する弁である。
【0043】
弁部分(6)を動作させてシリンダ(13)を開くと同時に、かつシリンダ(13)が重力の引っ張りに因り利用可能なポンプ(3)流よりも速く開く場合、シリンダ内でキャビテーションが起こる。論理素子(12)はキャビテーションを感知し、それぞれの弁ポートの耐キャビテーション弁(8)により、戻りオイルをシリンダへ迂回させる。
【0044】
論理素子(12)がオイル通路内の制限を適用すると同時に、オイルは、戻りオイル流のための比較的抵抗が小さい経路であるシリンダ(13)のキャビテーション面へ迂回させられる。そのため、シリンダ(13)の動作はより速くなり、結果的に効率的な動作をもたらす。選択的制限が適用されない場合、シリンダ(13)は最小抵抗経路でないので、オイルは該シリンダ(13)へ迂回しない。
【0045】
同様に、第2の弁部分(7)を動作させてモータ(14)を動作させると同時に、かつ該モータ(14)が運転を再開すると同時に、キャビテーションが起こる。キャビテーションを自動的に感知することにより論理素子(12)により成された選択的制限は、戻りオイルを迂回させて充填ラインへ戻して、キャビテーションを回避し、結果的により良好な効率性をもたらす。モータを時計回り方向に回転させると同時に、かつキャビテーションが起こると同時に、耐キャビテーション弁(10)によりオイルが再生される。モータを反時計回りに回転させると同時に、キャビテーションが起こる場合、再生は、組込みの耐キャビテーション弁(11)に加えて、逆止め弁(15)により起こり、それによりオイルの再生流れが増加して効率性がさらに高まる。
【0046】
下記の表は、油圧システム内のテスト結果データを示す。
【0047】
【表1】
【符号の説明】
【0048】
1 タンク
2 ストレーナ
3 ポンプ
4 制御弁
5 主リリーフ弁
6 第1の弁部分
7 第2の弁部分
8、9、10、11 耐キャビテーションカムショックリリーフ弁
12 論理素子(パイロット操作反比例弁)
12a、12b、12c、12d 論理素子の選択肢/調整式手段または無調整式手段
13 油圧シリンダ
14 油圧モータ
15 逆止め弁
16 センサおよびコントローラ
17 HPCOライン
18 オイル冷却器
19 戻りラインフィルタ
20 電源
Pl ポンプライン
図1