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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】テトラフェニルポルフィリン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/22 20060101AFI20230209BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20230209BHJP
   H01L 31/0352 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
C07D487/22 CSP
C07F7/18 W
H01L31/04 342Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019520257
(86)(22)【出願日】2018-05-22
(86)【国際出願番号】 JP2018019616
(87)【国際公開番号】W WO2018216679
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2017101193
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 雅典
(72)【発明者】
【氏名】寺西 利治
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/029609(WO,A1)
【文献】特表2012-506425(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105566335(CN,A)
【文献】特開2015-003866(JP,A)
【文献】特表2017-502004(JP,A)
【文献】特開2013-229594(JP,A)
【文献】特開2009-152623(JP,A)
【文献】TAKAGI, S. et al.,Bulletin of the Chemical Society of Japan,1985年,Vol. 58,pp. 447-454,Fig. 1化合物5a-5b、Scheme 1化合物5a-5c
【文献】MATILE, S. et al.,Helvetica Chimica Acta,1994年,Vol. 77,pp. 1087-1098,Scheme 2 化合物11、14-15
【文献】KURODA, Y. et al.,Tetrahedron Letters,1995年,Vol. 36, No. 46,pp. 8449-8452,Scheme 1 化合物1-2
【文献】VILAIN-DESHAYES, S. et al.,Journal of Molecular Catalysis A: Chemical,1996年,Vol. 113,pp. 201-208,Scheme 1 化合物3a-3c
【文献】RISPENS, M. T. et al.,Journal of Molecular Catalysis A: Chemical,1998年,Vol. 136,pp. 13-22,Fig. 1化合物1、Scheme 1化合物3、Scheme 3化合物7
【文献】MONTEIRO, C. J. P., et al.,Tetrahedron,2008年,Vol. 64,pp. 5132-5138,Scheme 1化合物4、6、4a-4e、6a-6e、4f、6f
【文献】CHEN, H. et al.,Tetrahedron,2003年,Vol. 59,pp. 3505-3510,Scheme 4化合物9
【文献】RUZIE, C. et al.,Tetrahedron Letters,2004年,Vol. 45,pp. 1713-1716,Scheme 1化合物2-3、Scheme 2化合物3-6
【文献】DUNBAR, A. D. F. et al.,Sensors and Actuators B,2008年,Vol. 128,pp. 468-481,Fig. 1化合物(d)、(e)、Scheme 1化合物[4]-[5]
【文献】NUMATA, M. et al.,Organic & Biomolecular Chemistry,2014年,Vol. 12,pp. 1627-1632,Fig. 1化合物Por-DEG、Por-TEG、Por-HEG
【文献】LOHSE, M. et al.,Beilstein Journal of Organic Chemistry,2015年,Vol. 11,pp. 748-762,Figure 1化合物A4、Scheme 1化合物5、15-16、A4
【文献】GOLF, H. R. A. et al.,The Journal of Organic Chemistry,2015年,Vol. 80,pp. 5133-5143,Table 1化合物2b-2c、Scheme 2化合物8a-8c
【文献】SUN, H. et al.,Organic & Biomolecular Chemistry,2015年,Vol. 13,pp. 8053-8066,Fig. 4化合物P2aCl-P4aCl、Scheme 1化合物4-6
【文献】NISHINO, N. et al.,Journal of the Chemical Society, Chemical Communications,1993年,pp. 162-163,Fig. 2の化合物
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C07F
H01L
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表わされるテトラフェニルポルフィリン誘導体
【化1】
〔上記一般式(I)において、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、下記一般式(II)~(VII)より成る群から選択される1種の置換基である。X及びYは互いに異なる任意の置換基である。〕
【化2】
であり、
(a)上記一般式(II)~(VII)において、X及びYはそれぞれ独立に、カテコール基、ビニル基、アセチレン基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、及び下記式(A)~(V)からなる群より選ばれる1種である、且つ/或いは
【化3】
(b)上記一般式(II)~(VII)において、X及びYはそれぞれ、上記式(E)及び(F)、上記式(F)及び(K)、上記式(F)及びアミノ基、アミノ基及びカテコール基、上記式(E)及びアミノ基、上記式(P)及びニトロ基、上記式(P)及びアミノ基、上記式(Q)及び(R)、上記式(S)及びアミノ基、上記式(S)及び(U)、並びに上記式(S)及び(V)の何れかである、
テトラフェニルポルフィリン誘導体。
【請求項2】
上記一般式(II)~(VII)において、
X及びYは互いに異なる表面に対して配位能を有する置換基であり、
Xが配位能を有する第1の表面と、
Yが配位能を有する第2の表面とは、互いに異なり、
前記第1の表面及び前記第2の表面はそれぞれ、
金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、有機物ナノ粒子からなる群より選択される1種以上を含んで構成される表面又は金属、半導体、有機物からなる群より選択される1種以上を含んで構成されるバルク界面である、請求項1に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体。
【請求項3】
上記一般式(I)において、R、R、R及びRは全て同一であり、上記一般式(II)~(VII)の何れか一つである、請求項1又は2に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体。
【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体並びに、金属、半導体、及び有機物からなる群より選択される1種以上のナノ粒子を含有する複合体。
【請求項5】
請求項に記載の複合体を有する、光電変換素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラフェニルポルフィリン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナノ粒子の性質を利用し、LEDや光電変換素子、微細エネルギー変換システム等に応用する研究が活発に行われている。
【0003】
ナノ粒子を保護する有機配位子は、ナノ粒子の機能、構造等を制御可能な、重要な要素である。配位子により異種のナノ界面を選択的に接合することのできる技術が開発されれば、機能集積により単粒子エレクトロニクスやエネルギー変換など様々な用途への応用が可能であると考えられる。
【0004】
具体的には、かかる有機配位子の溶液を塗布等することにより異種のナノ粒子の界面の間に介在させ、ナノ粒子の界面の状態に左右されることなく、両界面を安定的に接合することが可能になると思われる。
【0005】
しかしながら、異種のナノ粒子界面を安定的に接合することは決して容易なことではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、異種のナノ粒子を含んで構成される表面同士や異なるバルク同士、或いは、ナノ粒子を含んで構成される表面とバルクとを安定的に接合可能な配位子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の化学構造を有するテトラフェニルポルフィリン誘導体溶液が、異なるナノ粒子を含有する表面同士や異なるバルク界面同士、或いは、ナノ粒子を含んで構成される表面とバルク界面とを、安定的に接合することが可能であることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下のテトラフェニルポルフィリン誘導体を提供する。
項1.
下記一般式(I)で表わされるテトラフェニルポルフィリン誘導体。
【0009】
【化1】
【0010】
〔上記一般式(I)において、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、下記一般式(II)~(VII)より成る群から選択される1種の置換基である。X及びYは互いに異なる任意の置換基である。〕
【0011】
【化2】
【0012】
項2.
上記一般式(II)~(VII)において、
X及びYは表面に対して配位能を有する置換基であり、
Xが配位能を有する第1の表面と、
Yが配位能を有する第2の表面とは、互いに異なり、
前記第1の界面及び前記第2の界面はそれぞれ、
金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、有機物ナノ粒子からなる群より選択される1種以上を含んで構成される表面又は金属、半導体、有機物からなる群より選択される1種以上を含んで構成されるバルク界面である、項1に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体。
項3.
上記一般式(I)において、R、R、R及びRは全て同一であり、上記一般式(II)~(VII)の何れか一つである、項1又は2に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体。
項4.
上記一般式(II)~(VII)において、X及びYはそれぞれ独立に、チオール基、アミノ基、カルボキシ基、カテコール基、ビニル基、アセチレン基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ニトロ基、及び下記式(A)~(V)からなる群より選ばれる1種である、項2又は3に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体。
【0013】
【化3】
【0014】
項5.
上記一般式(II)~(VII)において、X及びYはそれぞれ、上記式(E)及び(F)、上記式(F)及び(K)、上記式(F)及びアミノ基、アミノ基及びカテコール基、上記式(E)及びアミノ基、上記式(P)及びニトロ基、上記式(P)及びアミノ基、上記式(Q)及び(R)、上記式(S)及びアミノ基、上記式(S)及び(U)、並びに上記式(S)及び(V)の何れかである、項2又は3に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体。
項6.
項1~5の何れか1項に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体並びに、金属、半導体、及び有機物からなる群より選択される1種以上のナノ粒子を含有する複合体。
項7.
項6に記載の複合体を有する、光電変換素子。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るテトラポルフィリン誘導体によれば、異種のナノ粒子により構成される界面同士を安定的に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】光電変換評価試験の試験方法の説明図。
図2】光電変換評価試験結果。
図3】吸収スペクトルの測定結果
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
1.一般式(I)の化合物
本発明の化合物は、下記一般式(I):
【0019】
【化4】
【0020】
〔上記一般式(I)において、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、下記一般式(II)~(VII)より成る群から選択される1種の置換基である。X及びYは互いに異なる任意の置換基である。〕
【0021】
【化5】
【0022】
上記した一般式(I)で表わされる化合物は、異種のナノ粒子により構成される界面同士を安定的に接合することに寄与するものであり、本発明者らが新たに見出したものである。
【0023】
ここで、上記一般式(II)~(VII)において、X及びYは、ナノ粒子を含んで構成される表面やバルク界面に対して配位能を有する置換基であり、Xに位置する置換基と、Yに位置する置換基とは互いに異なることが好ましい。かかる構成を有することにより、X及びYのそれぞれが配位能を有する表面同士を、好適に接合することができる。
【0024】
また、本明細書におけるナノ粒子は、それぞれ、金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、有機物ナノ粒子、からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
【0025】
X及びYは、上記した各種のナノ粒子に対して配位能を有する置換基であることが好ましい。
【0026】
かかる性質を有する置換基としては、チオール基、アミノ基、カルボキシ基、カテコール基、ビニル基、アセチレン基、トリメトキシシリル基トリエトキシシリル基、及びニトロ基を挙げることができる。
【0027】
また、それ以外の置換基として、下記構造式に示される置換基を挙げることができる。
【0028】
【化6】
【0029】
例えば金属ナノ粒子に対して配位能を有する置換基として、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、チオアセチル基、ジチオカルバメート基、イソチオシアネート基、チオカルボニル基、並びに、上記式(A)~(C)、(E)~(I)、(L)~(O)、(Q)、及び(S)~(V)で表わされる置換基を挙げることができる。また、金属ナノ粒子としては、より具体的には、金ナノ粒子など、公知の金属ナノ粒子を広く挙げることができる。
【0030】
半導体ナノ粒子としては、酸化物半導体ナノ粒子や硫化物半導体ナノ粒子、セレン化物半導体、テルル化物半導体、リン化物半導体及びこれらの固溶体を好適に挙げることができる。ここで、酸化物半導体ナノ粒子に対して配位能を有する置換基として、アミノ基、カテコール基、並びに、上記式(D)、(F)、(G)、(I)、(K)~(O)、及び(Q)~(V)で表わされる置換基等を挙げることができる。かかる酸化物半導体ナノ粒子としても、酸化チタンナノ粒子など、公知の酸化物半導体ナノ粒子を広く挙げることができる。
【0031】
硫化物半導体ナノ粒子に対して配位能を有する置換基として、アミノ基、カルボキシル基、ジチオカルバメート基、イソチオシアネート基、チオカルボニル基、並びに、上記式(A)~(C)、(E)~(I)、(K)~(O)、(Q)、及び(S)~(V)で表わされる置換基等を挙げることができる。かかる硫化物半導体ナノ粒子としても、公知の硫化物半導体ナノ粒子を広く挙げることができる。
【0032】
また、セレン化物半導体、テルル化物半導体、リン化物半導体、及びこれらの固溶体としても、公知のものを広く挙げることが可能である。
【0033】
有機物ナノ粒子に対して配位能を有する置換基として、上記式(J)で表わされる置換基等を挙げることができる。
【0034】
また合成が容易であるという観点から、上記一般式(I)において、R、R、R及びRの全てが同一に、一般式(II)~(VII)の何れかで表わされる置換基であることが好ましい。
【0035】
X及びYで表わされる置換基の組み合わせとして、好適には、上記式(E)及び(F)、上記式(F)及び(K)、上記式(F)及びアミノ基、アミノ基及びカテコール基、上記式(E)及びアミノ基、上記式(P)及びニトロ基、上記式(P)及びアミノ基、上記式(Q)及び(R)、上記式(S)及びアミノ基、上記式(S)及び(U)、並びに上記(S)及び(V)等を挙げることができる。
【0036】
一般式(I)で表わされる化合物は、異なるナノ粒子を含んで構成される表面や、バルク界面に対する配位能を有しており、互いに異なるナノ粒子により構成される界面同士や異なるバルク界面同士、或いは、ナノ粒子により構成される界面とバルク界面とを安定的に接合するために、好適に使用し得る。
【0037】
本明細書において、ナノ粒子を含んで構成される表面は、上述したナノ粒子を含んで構成される界面を意味する。また、本明細書においてバルク界面は、金属、半導体、有機物からなる群より選択される1種以上を含んで構成される面といった界面を意味する。
【0038】
上記一般式(I)で表わされる化合物は、いわゆる、ヤヌス型ポルフィリンとして、複合体を形成し、前記異なる2種のナノ粒子を含んでそれぞれ構成される表面同士や異なるバルク界面同士、或いはナノ粒子を含んで構成される表面とバルク界面とを安定的に接合するために、好適に使用し得る。
【0039】
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体は、ガラス板等の基板表面に設けたTiOなどのキャリア輸送層と、金属ナノ粒子による光吸収層とを、安定に接合するために使用することができる。本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体を、ジクロロメタン、THF、DMF等の溶媒に1マイクロM~1mMの濃度で溶解して電極層に塗布や滴下等して乾燥させた後、さらに光電変換層を形成する金属ナノ粒子の層を適宜の手法で設けることにより、電極層と光電変換層との接合の安定性に優れた光電変換素子を得ることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【実施例
【0041】
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0042】
下記合成ルート概略に従い、テトラフェニルポルフィリン誘導体を合成した。尚、本実施例においては、テトラフェニルポルフィリン誘導体のフェニル基に、アミノ基又はアミド基が付加するものを例示するが、その他の上述した置換基を付加してもよい。また、下記合成ルートにおける化合物(d)~(f)は、異種のナノ粒子により構成される界面同士を安定的に接合するヤヌス型ポルフィリン又はその前駆体となるものであり、本発明の発明者らが新たに見出したものである。化合物(e)については、その構造式中に含まれるアミノ基自体もナノ粒子に対する配位能を有しているため、ヤヌス型ポルフィリンの最終目的物としても機能し得る。
【0043】
【化7】
【0044】
化合物(b)の合成
5-ブロモ2-ニトロベンズアルデヒド(上記化合物(a))19.67gを酢酸に溶解させ、溶液をリフラックスさせた。沸騰溶液中にピロール6mLをゆっくりと滴下し、その後30分間沸騰させた。沸騰開始から30分経過した時点で、副生成物の生成を避けるためにクロロホルム33mLを溶液中に加え、そのまま溶液を室温に戻した後、氷水を使って0℃まで冷却した。一晩放置後、析出してきた固体を回収し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)を用いて精製し、化合物(b)を、3.6g得た。
(収率15 %、MS (MALDI): m/z: 1109 [M]+)
【0045】
化合物(c)の合成
化合物(b)1gを、ジクロロメタン溶液100mLに溶かし、さらにSnCl2を10g加え、そのまま2時間リフラックスした。得られた溶液に28質量%のアンモニア水溶液20mLを加え、攪拌後、水相を捨て、ジクロロメタン相をエバポレーターで飛ばし、化合物(c)を0.4g得た。
【0046】
化合物(d)の合成
化合物(c)1gを10mLのアセトンに溶かし、500mLの三口フラスコに入れた100gのシリカゲルに加えた。さらに200mLのトルエンを加え、窒素を流しながら3日間リフラックスした。反応後、化合物(c)の吸着したシリカゲルを取り出し、ジクロロメタン9:アセトン1の溶液で流した。その後、クロロホルム/メタノール混合溶液から再結晶して精製し、化合物(d)の4α-配座異性体を得た(収量400mg)。
(収率43 %、MS (MALDI): m/z: 989 [M]+)
【0047】
(実施例1)
化合物(d)200μmolにフェニルボロン酸エーテル誘導体である2-(3-(((methoxymethyl)thio)methyl)phenyl)-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane (1 mmol)を、1,2-ジメトキシエタン:水=1.5:1の混合溶媒(25mL)に溶解させ、窒素を封入して溶液中の酸素を完全に取り除いた。その後、窒素を流しながら、[1,1-bis(diphenylphosphino)-ferrocene]palladium dichloride (20 μmol)とK2CO3(1 mmol)を加え、溶液の温度を50度に昇温した後、4時間保持した。得られた溶液にジクロロメタンに加え、100 mLの水で3回洗浄した。ジクロロメタン溶液をエバポレーションでのぞき、残滓を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式1の化合物を得た(収率60%、MS (MALDI): m/z: 1340 [M]+)。
【0048】
【化8】
【0049】
(実施例2)
上記式1で示される化合物を、ジクロロメタン:エタノール=2:1の混合溶媒に溶かし、10等量のAgNO3を加えた。一晩攪拌したのち、析出してきた黄色い粉末をろ過して取り出し、100 mLのジクロロメタンで3回洗った。その後、粉末を6N HCl(20 mL)に加え、クロロホルム(20 mL)を加えた。4時間攪拌後、クロロホルム溶液を回収し、水洗いしたのち、溶媒をエバポレーターで除去し、精製して下記式2の化合物を得た。(収率25%, MS (MALDI): m/z: 1164 [M]+)
【0050】
【化9】
【0051】
(実施例3)
上記式2で示される化合物を、ジクロロメタン溶液に溶かし、6等量のアセチルクロリドを添加して2時間攪拌した。溶媒をエバポレーターで除去して精製し、下記式3で示される化合物を得た。(収率96%, MS (MALDI): m/z: 1332 [M]+)
【化10】
【0052】
(実施例4)
化合物(d)200μmolにフェニルボロン酸エーテル誘導体である2-(4-(tert-butoxy)-3-(((methoxymethyl)thio)methyl)phenyl)-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane (1 mmol)を、1,2-ジメトキシエタン:水=1.5:1の混合溶媒(25mL)に溶解させ、窒素をパージして溶液中の酸素を完全に取り除いた。その後、窒素を流しながら、[1,1-bis(diphenylphosphino)-ferrocene]palladium dichloride (20 μmol)とK2CO3(1 mmol)を加え、溶液の温度を50度に昇温した後、4時間保持した。得られた溶液にジクロロメタンに加え、100 mLの水で3回洗浄した。ジクロロメタン溶液をエバポレーションでのぞき、残滓を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物の固体を得た。得られた固体をジクロロメタン:エタノール=2:1の混合溶媒に溶かし、10等量のAgNO3を加えた。一晩攪拌したのち、析出してきた黄色い粉末をろ過して取り出し、100 mLのジクロロメタンで3回洗った。その後、粉末を6N HCl(20 mL)に加え、クロロホルム(20 mL)を加えた。4時間攪拌後、クロロホルム溶液を回収し、水洗いしたのち、溶媒をエバポレーターで除去した。得られた固体をジクロロメタン溶液に溶かし、6等量のアセチルクロリドを添加して2時間攪拌した。溶媒をエバポレーターで除去して精製し、下記式4で示される化合物を得た。(収率10%, MS (MALDI): m/z: 1628 [M]+)
【0053】
【化11】
【0054】
(実施例5)
上記式1で示される化合物100mgを、ジクロロメタン:エタノール=2:1の混合溶媒20mLに溶かし、10等量のAgNO3を加えた。一晩攪拌したのち、析出してきた黄色い粉末をろ過して取り出し、100 mLのジクロロメタンで3回洗った。その後、粉末を6N HCl(20 mL)に加え、クロロホルム(20 mL)を加えた。4時間攪拌後、クロロホルム溶液を回収し、水洗いしたのち、溶媒をエバポレーターで除去し、下記式5で示される化合物を得た。(収率17%, MS (MALDI): m/z: 1507 [M]+)
【0055】
【化12】
【0056】
(実施例6)
化合物(d)200μmolにフェニルボロン酸誘導体である3-(Methoxycarbonyl)phenylboronic Acid (1 mmol)を、1,2-ジメトキシエタン:水=1.5:1の混合溶媒(25mL)に溶解させ、窒素をパージして溶液中の酸素を完全に取り除いた。その後、窒素を流しながら、[1,1-bis(diphenylphosphino)-ferrocene]palladium dichloride (20 μmol)とK2CO3(1 mmol)を加え、溶液の温度を50度に昇温した後、4時間保持した。得られた溶液にジクロロメタンに加え、100 mLの水で3回洗浄した。ジクロロメタン溶液をエバポレーションでのぞき、残滓を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物の固体を得た。得られた固体をジクロロメタン:エタノール=2:1の混合溶媒に溶かし、溶媒をエバポレーターで除去して精製し、下記式6で示される化合物を得た。(収率56%, MS (MALDI): m/z: 1211 [M]+)
【0057】
【化13】
【0058】
(実施例7)
上記式6で示される化合物100mgをTHF溶液:KOH(1N)=5:1の混合溶液5mLに溶かし、4時間攪拌した。水相を取り、pHを中性に調整し、析出してきた個体をジクロロメタンに回収した。溶媒をエバポレーターで除去し、下記式7で示される化合物を得た。(収率67%, MS (MALDI): m/z: 1332 [M]+)
【0059】
【化14】
【0060】
(実施例8)
上記式7で示される化合物200 μmolに、アセチルクロリド誘導体としてAcryloyl Chloride 1mmolを反応させた。溶液はDMFを使用した。水を加え、pHを弱酸性に調整し、析出してきた個体をフィルターして回収し、下記式8で示される化合物を得た。(収率80%, MS (MALDI): m/z: 1740 [M]+)
【0061】
【化15】
【0062】
(実施例9)
上記式1で示される化合物200 μmolに対して、アセチルクロリド誘導体としてMethyl Malonyl Chloride 1mmolを反応させ、得られた生成物をTHF溶液:KOH(1N)=5:1の混合溶液10mLに溶かし、4時間攪拌した。水相を取り、pHを中性に調整し、析出してきた個体をジクロロメタンに回収した。溶媒をエバポレーターで除去し、下記式9で示される化合物を得た。(収率40%, MS (MALDI): m/z: 1684 [M]+)
【0063】
【化16】
【0064】
(実施例10)
上記式1で示される化合物200 μmolに対して、アセチルクロリド誘導体としてEthyl Succinyl Chloride 1mmolを反応させ、得られた生成物をTHF溶液:KOH(1N)=5:1の混合溶液10mLに溶かし、4時間攪拌した。水相を取り、pHを中性に調整し、析出してきた個体をジクロロメタンに回収した。溶媒をエバポレーターで除去し、下記式10で示される化合物を得た。(収率56%, MS (MALDI): m/z: 1740 [M]+)
【0065】
【化17】
【0066】
(実施例11)
上記式10で示される化合物100mgを、ジクロロメタン:エタノール=2:1の混合溶媒10mLに溶かし、10等量のAgNO3を加えた。一晩攪拌したのち、析出してきた黄色い粉末をろ過して取り出し、100 mLのジクロロメタンで3回洗った。その後、粉末を6N HCl(20 mL)に加え、クロロホルム(20 mL)を加えた。4時間攪拌後、クロロホルム溶液を回収し、水洗いしたのち、溶媒をエバポレーターで除去し、下記式11で示される化合物を得た。(収率22%, MS (MALDI): m/z: 1575 [M]+)
【0067】
【化18】
【0068】
(実施例12)
上記式7で示される化合物200 μmolに、アセチルクロリド誘導体としてS-(2-chloro-2-oxoethyl) ethanethioate 1mmolを反応させた。溶液はDMFを使用した。水を加え、pHを弱酸性に調整し、析出してきた個体をフィルターして回収し、下記式12で示される化合物を得た。(収率66%, MS (MALDI): m/z: 1620 [M]+)
【0069】
【化19】
【0070】
(実施例13)
上記式3で示される化合物100mgを1:1 エタノール/ジエチルエーテルの脱水溶液10mLに溶解させ、10等量のtriethoxisilaneと触媒量のH2PtCl2を加えて反応させた。過剰のtriethoxisilaneをエバポレーターで除去し、下記式13で示される化合物を得た。(MS (MALDI): m/z: 2036 [M]+)
【0071】
【化20】
【0072】
(実施例14)
化合物(d)200μmolにフェニルボロン酸エーテル誘導体である2-(3-((((2-methoxyethoxy)methyl)thio)methyl)phenyl)-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane (1 mmol)を、1,2-ジメトキシエタン:水=1.5:1の混合溶媒(25mL)に溶解させ、窒素をパージして溶液中の酸素を完全に取り除いた。その後、窒素を流しながら、[1,1-bis(diphenylphosphino)-ferrocene]palladium dichloride (20 μmol)とK2CO3(1 mmol)を加え、溶液の温度を50度に昇温した後、4時間保持した。得られた溶液にジクロロメタンに加え、100 mLの水で3回洗浄した。ジクロロメタン溶液をエバポレーションで除去し、残滓を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式14の化合物を得た(収率66%, MS (MALDI): m/z: 1516 [M]+)。
【0073】
【化21】
【0074】
(実施例15)
化合物(d)200μmolにフェニルボロン酸誘導体である(3-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)phenyl)methanol (1 mmol)を、1,2-ジメトキシエタン:水=1.5:1の混合溶媒(25mL)に溶解させ、窒素をパージして溶液中の酸素を完全に取り除いた。その後、窒素を流しながら、[1,1-bis(diphenylphosphino)-ferrocene]palladium dichloride (20 μmol)とK2CO3(1 mmol)を加え、溶液の温度を50度に昇温した後、4時間保持した。得られた溶液にジクロロメタンに加え、100 mLの水で3回洗浄した。ジクロロメタン溶液をエバポレーションで除去し、残滓を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式15の化合物を得た(収率10%, MS (MALDI): m/z: 1099 [M]+)。
【0075】
【化22】
【0076】
(実施例16)
上記式1で示される化合物200 μmolに対して、アセチルクロリド誘導体としてMethyl Chloroglyoxylate 1mmolを反応させ、得られた生成物をTHF溶液:KOH(1N)=5:1の混合溶液10mLに溶かし、4時間攪拌した。水相を取り、pHを中性に調整し、析出してきた個体をジクロロメタンに回収した。溶媒をエバポレーターで飛ばし、下記式16で示される化合物を得た。(収率30%, MS (MALDI): m/z: 1684 [M]+)
【0077】
【化23】
【0078】
(実施例17)
上記式16で示される化合物を、ジクロロメタン:エタノール=2:1の混合溶媒に溶かし、10等量のAgNO3を加えた。一晩攪拌したのち、析出してきた黄色い粉末をろ過して取り出し、100 mLのジクロロメタンで3回洗った。その後、粉末を6N HCl(20 mL)に加え、クロロホルム(20 mL)を加えた。4時間攪拌後、クロロホルム溶液を回収し、水洗いしたのち、溶媒をエバポレーターで除去し、残滓を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式17の化合物を得た。(収率17%, MS (MALDI): m/z: 1507 [M]+)
【0079】
【化24】
【0080】
光電変換効率評価試験
AGCファブリテック(株)製のFTO基板(縦2cm、横1cm、FTO膜厚600 nm)に、TiOナノ粒子によって構成される厚さ100 nmの電極膜を形成した。さらにその上に、濃度600μMの実施例17のテトラフェニルポルフィリン誘導体溶液をドロップキャストした後乾燥させ、ポルフィリンの吸着したTiO2薄膜を形成した。さらにその上に、濃度1 nMの金ナノ粒子水溶液をドロップキャストした後乾燥させ、太陽電池を得た。
【0081】
図1に示すアライメントで電極をセットし、キセノンランプを光源(イーグルエンジニアリング社製、型番:R-300-3J)として、光源から1cmの位置に光源に正対するようにロングパスフィルタを配し、そこからさらに11cm離れた位置に、光源に正対するように上記で得られた太陽電池を設置した後、光照射下での電流値を測定した。
【0082】
図2に示したように、実施例17のテトラフェニルポルフィリン誘導体を使用して作製した太陽電池は、優れた光電変換能を有していた。以上から、TiO2ナノ粒子によって構成される電極膜と金ナノ粒子を含んで構成される層とが、より安定して接合されていることが示唆された。
【0083】
(実施例18)
上記式14で示される化合物を、ジクロロメタン:エタノール=2:1の混合溶媒に溶かし、10等量のAgNO3を加えた。一晩攪拌したのち、析出してきた黄色い粉末をろ過して取り出し、100 mLのジクロロメタンで3回洗った。その後、粉末を6N HCl(20 mL)に加え、クロロホルム(20 mL)を加えた。4時間攪拌後、クロロホルム溶液を回収し、水洗いしたのち、溶媒をエバポレーターで除去し、残滓を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式18で示される化合物を得た。(収率17%,MS (MALDI): m/z: 1164 [M]+)
【0084】
【化25】
【0085】
市販のポリイミドフィルムを、クリーナー(株式会社JCU製、ES100)により洗浄した。洗浄後のポリイミドフィルムを、株式会社JCU製ES200で処理し、表面にカルボキシル基を露出させた。その後さらに得られたポリイミドフィルムを、塩化オキサリルで処理し、酸塩化物とした。
【0086】
(製造例1)
上記ポリイミドフィルムの酸塩化物を、実施例18のテトラフェニルポルフィリン誘導体10mg及びトリエチルアミン100μLを含む塩化メチレン溶液に浸漬し、一晩攪拌してテトラフェニルポルフィリン修飾ポリイミドフィルムを得た。吸光光度計を使用して吸収スペクトルを測定したところ、図3に示すとおり、テトラフェニルポルフィリン誘導体のスペクトルが観察された。尚、図3における「差スペクトル」は、テトラフェニルポルフィリン修飾ポリイミドフィルムの吸収スペクトルとポリイミドフィルムの吸収スペクトルの差スペクトルを意味する。
【0087】
(製造例2)
上記製造例1のテトラフェニルポルフィリン修飾ポリイミドフィルムを、金ナノ粒子水溶液(1μM)に浸漬して一晩攪拌し、金ナノ粒子/テトラフェニルポルフィリン修飾ポリイミドフィルムを得た。製造例1と同様に、金ナノ粒子/テトラフェニルポルフィリン修飾ポリイミドフィルムの吸収スペクトルとポリイミドフィルムの吸収スペクトルの差スペクトルを測定したところ、図3に示すとおり、金ナノ粒子/テトラフェニルポルフィリン誘導体のスペクトルが観察された。ここで、製造例2における「差スペクトル」は、金ナノ粒子/テトラフェニルポルフィリン修飾ポリイミドフィルムの吸収スペクトルとポリイミドフィルムの吸収スペクトルの差スペクトルを意味する。
【0088】
(実施例19)
5-(allyloxy)-2-nitrobenzaldehyde)を酢酸に溶解させ、溶液をリフラックスさせた。沸騰溶液中にピロールをゆっくりと滴下し、その後30分間沸騰させた。沸騰開始から30分経過した時点で、副生成物の生成を避けるためにクロロホルムを溶液中に加え、そのまま溶液を室温に戻した後、氷水の入った容器に溶液の入ったガラス容器を浸漬させて冷却した。一晩放置後、析出してきた固体を回収し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)を用いて精製し、下記式19で示される化合物を得た。
(収率10 %, MS (MALDI): m/z: 1019 [M]+)
【0089】
【化26】
【0090】
(実施例20)
上記式19で示される化合物1gを、ジクロロメタン溶液100mLに溶かし、さらにSnCl2を10g加え、そのまま2時間リフラックスした。得られた溶液に28質量%のアンモニア水溶液20mLを加え、攪拌後、水相を捨て、ジクロロメタン相をエバポレーターで飛ばし、下記式20で示される化合物を得た。
(収率10 %, MS (MALDI): m/z: 899 [M]+)
【0091】
【化27】
【0092】
(実施例21)
上記式20で示される化合物1gを、THF溶液100mLに溶かし、Arを封入した。さらに過剰量のトリエトキシシランを加え、温度を80度まで昇温した。塩化白金酸を加え、続けて80度で一晩攪拌した。得られた溶液を精製し、上記式21で示される化合物を得た。
(収率10 %, MS (MALDI): m/z: 2119 [M]+)
【0093】
【化28】
【0094】
(実施例22)
S-(3-formyl-4-nitrophenyl) ethanethioateにピロールとトリフルオロ酢酸を加え、1時間攪拌した。その後、クロラニルを加え、50度で4時間攪拌した。カラムクロマトグラフィーで精製した後、得られた化合物1gを、ジクロロメタン溶液100mLに溶かし、さらにSnCl2を10g加え、そのまま2時間リフラックスした。得られた溶液に28質量%のアンモニア水溶液20mLを加え、攪拌後、水相を捨て、ジクロロメタン相をエバポレーターで飛ばし、カラムクロマトグラフィーで精製して下記式22で示される化合物を得た。(収率1%、MS (MALDI): m/z: 971 [M]+)
【0095】
【化29】
【0096】
(実施例23)
上記式22で示される化合物をジクロロメタン溶液に溶かしたのち、過剰量のメチルアミンを加え1時間攪拌した。得られた溶液をエバポレーションし、下記式23で示される化合物を得た。(収率100%、MS (MALDI): m/z: 803 [M]+)
【0097】
【化30】
【0098】
(実施例24)
上記式22で示される化合物をTHF溶液に溶かしたのち、氷冷した。4等量の二硫化炭素、トリエチルアミンを加え12時間攪拌した。得られた溶液をエバポレーションし、下記式24で示される化合物を得た。(収率90%、MS (MALDI): m/z: 1274 [M]+)
【0099】
【化31】
【0100】
(実施例25)
上記式24で示される化合物をTHF溶液に溶かしたのち、氷冷した。4等量のヨードベンゼンジアセタートを加え1時間攪拌した。溶液をエバポレーションして除き、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式25で示される化合物を得た。(収率90%、MS (MALDI): m/z: 1139 [M]+)
【0101】
【化32】
図1
図2
図3