(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】液面検出装置
(51)【国際特許分類】
G01F 23/32 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
G01F23/32
(21)【出願番号】P 2020501720
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(86)【国際出願番号】 JP2019005482
(87)【国際公開番号】W WO2019163653
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】P 2018029376
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂牧 明
(72)【発明者】
【氏名】阿部 朝子
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 敏生
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-206019(JP,A)
【文献】国際公開第2016/133952(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0109279(US,A1)
【文献】特開2015-10913(JP,A)
【文献】特開2014-25822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23/30-23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材に固定されたフレームと、このフレームに対して回転可能に設けられたホルダと、このホルダに固定されたアームと、このアームの先端に固定され液面に浮いているフロートと、を有している液面検出装置において、
前記ホルダは、前記アームが載置され前記アームの下面を支持する載置部と、前記アームの上面に当接し前記アームを前記載置部に向かって付勢している付勢部と、を有し、
前記載置部は、前記付勢部に対向する部位を避けて設けられ、
前記アームは、前記載置部に載置された部位の上面がホルダの外部に露出し、
前記ホルダの前記付勢部に対向する部位は、開口状に形成された開口部とされていることを特徴とする液面検出装置。
【請求項2】
前記付勢部は、前記アームの延びている方向を基準として、前記載置部を挟むように少なくとも2箇所に形成されていることを特徴とする請求項1記載の液面検出装置。
【請求項3】
前記載置部は、前記アームの延びている方向を基準として、前記付勢部を挟むように少なくとも2箇所に形成されていることを特徴とする請求項1記載の液面検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロート式の液面検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体燃料を動力源とする車両等の多くの装置には、液体燃料の残量を知ることができるよう、燃料計が搭載されている。燃料計は、例えば、燃料タンクの内部に貯留された液体燃料の液面高さを検出する、液面検出装置を備えている。このような燃料計は、液面検出装置から得られた液体燃料の液面高さを基に、液体燃料の残量を表示する。液面検出装置として、液面にフロートを浮かせ、このフロートの位置から液面の高さを検出するものが知られている。このようなフロート式の液面検出装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、液面検出装置は、フレームと、このフレームに対して回転可能に設けられたホルダと、このホルダに固定されたアームと、このアームの先端に固定され液面に浮いているフロートと、を備えている。
【0004】
ホルダは、アームが載置されている載置部と、アームを載置部に向かって付勢している付勢部と、を有している。これらの載置部及び付勢部は、略C字状に一体的に形成されている。
【0005】
アームは、載置部及び付勢部に挟まれ、ホルダに固定されている。アームは、ホルダと共に回転可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図7を参照する。
図7には、特許文献1に示された、ホルダ160の断面図、及び、ホルダ160を成形する金型部品の1つであるスライドコアP’が示されている。
【0008】
ホルダ160は、フレームに嵌合される嵌合部161と、この嵌合部161からアームが延びる方向に形成された本体部170と、を有する。
【0009】
本体部170は、アームが載置された載置部172と、この載置部172に対向した位置に形成されアームを載置部172に向かって付勢する付勢部174と、を有する。これらの載置部172及び付勢部174は、壁部173によって繋がれている。載置部172、壁部173及び付勢部174は、側方から見た場合に、略C字状に連続して形成されている。
【0010】
このようなホルダ160は、金型内部に樹脂を流し込み、樹脂を硬化させ、金型内部の硬化した樹脂(ホルダ160)を取り出すことで成形することができる。略C字状を呈する前後載置部172及び付勢部174を型から抜くことができるよう、金型は、前後方向に移動可能な型M’の他に、左右方向に移動可能なスライドコアP’が用いられる。
【0011】
ここで、ホルダ160を成形するための金型は、スライドコアP’の数が増えるほど高価になる。金型が高価なほど、これによって成形されるホルダ160及びこのホルダ160を含む液面検出装置が高価になる。
【0012】
本発明は、安価に製造することのできる液面検出装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1による発明によれば、被取付部材に固定されたフレームと、このフレームに対して回転可能に設けられたホルダと、このホルダに固定されたアームと、このアームの先端に固定され液面に浮いているフロートと、を有している液面検出装置において、
ホルダは、アームが載置されアームの下面を支持する載置部と、アームの上面に当接しアームを載置部に向かって付勢している付勢部と、を有し、
載置部は、付勢部に対向する部位を避けて設けられ、
アームは、載置部に載置された部位の上面がホルダの外部に露出し、
ホルダの付勢部に対向する部位は、開口状に形成された開口部とされていることを特徴とする液面検出装置が提供される。
【0014】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、付勢部は、アームの延びている方向を基準として、載置部を挟むように少なくとも2箇所に形成されている。
【0015】
請求項3に記載のごとく、好ましくは、載置部は、アームの延びている方向を基準として、付勢部を挟むように少なくとも2箇所に形成されている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、載置部は、付勢部に対向する部位を避けて設けられ、アームは、載置部に載置された部位の上面がホルダの外部に露出している。ホルダの付勢部に対向する部位は、開口状に形成された開口部とされている。つまり、載置部及び付勢部は、ホルダの上面側及び下面側から観察した時に、それぞれ共に目視可能となっている。このため、載置部及び付勢部を形成するためのスライドコアは不要である。このため、ホルダを成形するための金型を安くすることができる。安価な金型を用いることにより、ホルダを安価にすることができ、結果液面検出装置を安価にすることができる。即ち、安価に製造することができる液面検出装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に係る発明では、付勢部は、アームの延びている方向を基準として、載置部を挟むように少なくとも2箇所に形成されている。アームをホルダに組み付ける際、2箇所に形成された付勢部のうち、一方の付勢部を弾性変形させながらアームを取り付けた後、他方の付勢部を弾性変形させながらアームを組み付けることができる。つまり、付勢部を2つに分割して別々に弾性変形させながら組み付けることができる。付勢部を1つで形成し弾性変形させる場合に比べて、それぞれの付勢部を弾性変形させるのに必要な力は小さくて済む。このため、ホルダに対してアームの組み付けを容易にすることができる。
【0018】
加えて、載置部を挟むように付勢部が2か所に形成されることにより、アームをより確実に固定することができる。
【0019】
請求項3に係る発明では、載置部は、アームの延びている方向を基準として、付勢部を挟むように少なくとも2箇所に形成されている。これによって、アームを載置する載置部の面積が増え、アームは、面積が増えた載置部によって支持されることになる。結果、アームを安定的にホルダに固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例1による液面検出装置の斜視図である。
【
図3】
図1に示したフレーム及びホルダの分解図である。
【
図4】
図3に示したホルダ成形時の作用を説明する図である。
【
図5】
図3に示したホルダに対してアームを組み付ける際の作用を説明する図である。
【
図6】本発明の実施例2によるホルダの断面図である。
【
図7】従来の液面検出装置に組み付けられるホルダの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、燃料タンクに取り付けられた液面検出装置を正面から見た状態を基準として、図中、Frは前、Rrは後、Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。
<実施例1>
【0022】
図1を参照する。
図1には、本発明の実施例1による液面検出装置10が示されている。液面検出装置10は、例えば、車両に搭載された図示しない燃料タンクの内部に取り付けられる。液面検出装置10は、燃料タンクに充填された液体燃料の液面の高さを検出し、液面の高さに応じた電気信号を出力する。
【0023】
液面検出装置10は、燃料タンクに取り付けられた被取付部材11と、この被取付部材11に固定された本体ユニット20と、この本体ユニット20に対して回転可能に設けられたホルダユニット50と、このホルダユニット50に固定されているアーム12と、このアーム12の先端に固定され液面に浮いているフロート13と、本体ユニット20に対して電気的に接続されたコード14と、を有している。
【0024】
被取付部材11は、燃料タンクに取り付けられた板部材11aと、この板部材11aの両端から立ち上げられたガイド部11b、11bと、このガイド部11b、11bの一部が欠肉状に形成されてなり本体ユニット20が嵌め込まれたガイド部溝部11c、11cと、を有する。
【0025】
被取付部材11は、例えば、ポリアセタールからなる。なお、被取付部材11の素材には、この他の合成樹脂であっても採用することができる。
【0026】
被取付部材11は、燃料タンクに直接取り付けられても良く、他の部材を介して燃料タンクに取り付けられても良い。また、燃料タンクと一体的に形成されていても良い。
【0027】
本体ユニット20は、被取付部材11に固定されたフレーム30と、このフレーム30に固定され通電可能な端子21と、からなる。
【0028】
図2を併せて参照する。フレーム30は、被取付部材11に固定され平面上に形成された平面部31と、この平面部31から前方(図面手前)に向かって立ち上げられた立ち上げ部32と、この立ち上げ部32の上部に設けられ端子21及びコード14が収納された収容部33と、立ち上げ部32の側壁に形成されホルダユニット50が回転可能に組み付けられている組み付け部40と、を有する。
【0029】
図1及び
図3を参照する。平面部31は、ガイド部11b、11bにガイドされた被ガイド部31aと、この被ガイド部31aに連続すると共にガイド部溝部11c、11cによって係止されている係止部31bと、を有する。平面部31は、ガイド部溝部11c、11cに係止部が係止され、被取付部材11に固定されている。
【0030】
図3を参照する。収容部33は、収容部33の中央に設けられ端子21を固定している端子固定部33aと、端子固定部33aの下方に空けられ端子21が臨んでいる下方開口部33bと、端子固定部33aの上方に空けられ端子21に対してコード14がかしめられている上方開口部33cと、を有する。
【0031】
端子固定部33aは、合成樹脂からなる。端子21は、樹脂の内部に一部が埋め込まれることによって、端子固定部33aに固定されている。
【0032】
下方開口部33bは、略矩形状を呈する貫通穴によって構成されている。端子21の下端は、下方開口部33b内に露出させている。
【0033】
上方開口部33cは、略矩形状を呈する2つの貫通穴によって構成されている。端子21は、上方開口部33c内に上端を露出させている。2つの貫通穴の大きさは、同一である。
【0034】
図2を併せて参照する。組み付け部40は、立ち上げ部32の側壁から側方に向かって突出した突出部41と、この突出部41の先端に設けられた略円柱形状の被嵌合部42と、を有する。
【0035】
突出部41は、立ち上げ部32及び被嵌合部42を連結している。突出部41は、立ち上げ部32の側壁から略三角形状を呈するよう突出している。突出部41は、回転するホルダ60に干渉しない。
【0036】
図2を参照する。被嵌合部42は、略筒状を呈し、アーム12の挿入方向を基準として入口側の端面である上面部42aと、アーム12の挿入方向を基準として出口側の端面である下面部42bと、上面部42a及び下面部42bを繋ぎ外周面を構成する外周部42cと、被嵌合部42の中心に空けられアーム12が挿入されている第1の穴部42dと、下面部42bからアーム12に沿って突出し外周にホルダ60が回転可能に設けられた軸部42eと、を有する。
【0037】
上面部42a及び下面部42bは、ホルダユニット50に挟み込まれている。上面部42a及び下面部42bは、表面が平滑に形成され、ホルダユニット50の回転をスムーズにしている。
【0038】
第1の穴部42dの径は、アーム12の直径(外形)と略同一の貫通穴であり、アーム12が挿入されている。被嵌合部42を軸として、ホルダユニット50及びアーム12は、共に回転する。
【0039】
図3を参照する。端子21は、端子固定部33aに埋め込まれている埋め込み部21aと、この埋め込み部21aの下方に設けられホルダユニット50に臨んでいる端子部21bと、埋め込み部21aの上方に設けられコード14をかしめているかしめ部21cと、からなる。
【0040】
端子21は、埋め込み部21aが端子固定部33aに埋め込まれることで、フレーム30に固定されている。
【0041】
図2を参照する。ホルダユニット50は、フレーム30に対して回転可能に設けられたホルダ60と、このホルダ60に固定されホルダ60と共に回転可能な回路基板51と、を有する。
【0042】
ホルダ60は、被嵌合部42に対して嵌合した嵌合部61と、この嵌合部61から左右に延びるアーム12に沿って形成された本体部70と、を有する。
【0043】
嵌合部61は、上面部42aに近接している上方部61aと、この上方部61aに空けられアーム12が挿入されている第2の穴部61bと、上方部61aから被取付部材11側に延びる中間部61cと、この中間部61cに連続すると共に上方部61aに対向している下方部61dと、この下方部61dに空けられた第3の穴部61eと、中間部61cの側壁の一部が溝形状に形成された中間部溝部61f(
図1参照)と、を有する。
【0044】
嵌合部61は、上方部61a及び下方部61dを被嵌合部42に対して挟み込ませることで、嵌合される。嵌合部61が嵌合されることにより、ホルダ60は、フレーム30に対して回転可能に取り付けられる。
【0045】
なお、ホルダ60をフレーム30に対して回転可能に取り付けることのできる構造であれば、上方部61a及び下方部61dによって挟み込む構成に限らない。例えば、嵌合部61は、上方部61a及び第2の穴部61bのみによって構成することもできる。この場合、フレーム30及びホルダ60はプッシュナット等で回転可能に固定される。
【0046】
図1を参照する。中間部溝部61fは、中間部61cに設けられた目印であり、略三角形状を呈している。この中間部溝部61fは、嵌合部61を上方部61a及び第2の穴部61bのみからなる構成としたい場合において、上方部61aより後方を切断する目印となる。上方部61aより後方が切断されたホルダ60は、フレーム30と共に、プッシュナット等で固定されることにより回転可能に取り付けられる。中間部溝部61fの形状は、三角形状以外にも、例えば、略四角形状とすることもできる。
【0047】
図2を参照する。第2の穴部61b及び第3の穴部61eは、第1の穴部42dと共に、同軸上に形成されている。
【0048】
図1及び
図2を参照する。本体部70は、上方部61aの側方に形成されている略矩形板状のベース部71と、ベース部71の真ん中に設けられアーム12が載置されている載置部72と、ベース部71から前方に突出している壁部73と、この壁部73からアーム12側に突出している付勢部74、74と、ベース部71に設けられている開口部75と、ベース部71からアーム12に向かって延びている離脱防止部76と、を有している。
【0049】
図3を参照する。ベース部71は、回路基板51を収納している収納部71aと、ベース部71から後方に向かって突起している突起部71bと、を有している。ベース部71は、略矩形状を呈している。
【0050】
ホルダ60は、突起部71bが立ち上げ部32(
図1参照)に接触することにより、回転が規制される。即ち、ホルダ60は、立ち上げ部32によって回転可能な領域を規定されている。
【0051】
図2を参照する。載置部72は、付勢部74、74に対応する部位を避けて設けられ、載置されたアーム12の下面を支持している。載置部72は、アーム12に当接している面が凹状に形成されている。
【0052】
図1を併せて参照する。壁部73は、アーム12側の面が平らに形成されている。壁部73は、アーム12の近傍に設けられ、載置部72及び付勢部74、74を繋いでいる。
【0053】
図2を参照する。付勢部74、74は、アーム12の上面に当接しアーム12を載置部72に向かって付勢している。付勢部74、74は、載置部72に対向する部位を避けて設けられている。即ち、アーム12は、載置部72に載置された部位の上面がホルダ60の外部に露出している。
【0054】
開口部75は、付勢部74、74に対向する部位が開口状になるよう形成されている。開口部75は、付勢部74、74の数に応じて複数形成されている。
【0055】
図1を参照する。離脱防止部76は、アーム12に対して近接し、アーム12が載置部72及び付勢部74、74から離脱することを防止している。
【0056】
図2を参照する。回路基板51は、フレーム30に固定されている端子21と接触しており、ホルダ60が回転することによって端子21に対して摺動する。
【0057】
アーム12は、第1の穴部42d、第2の穴部61b及び第3の穴部61eに挿入されている回転軸部12aと、この回転軸部12aの一端部から垂直方向に延びるスイング部12bと、からなる。
【0058】
スイング部12bは、液面に浮くフロート13が先端に固定されている。スイング部12bは、フロート13に向かって真っ直ぐ延びる形状であっても良いし、フロート13に向かって蛇行して延びる形状であっても良い。
【0059】
図1を参照する。コード14は、端子21の上方開口部33cに露出している部位によって、かしめられている。
【0060】
次に、本発明の作用を説明する。
【0061】
図2を参照する。液面検出装置10は、素材が樹脂であるホルダ60が本体ユニット20に対して回転可能に設けられている。ホルダ60は、互いに対向する部位を避けて設けられた載置部72及び付勢部74、74を有している。
【0062】
付勢部74、74は、アーム12の延びている方向を基準として、載置部72を挟むように少なくとも2箇所に形成されている。
【0063】
まず、ホルダ60を成形する際の作用について説明する。
【0064】
図4を参照する。
図4には、実施例1によるホルダ60を成形する方法が記載されている。ホルダ60は、金型内部に樹脂を流し込み、樹脂を硬化させ、金型内部の硬化した樹脂(ホルダ60)を取り出すことによって成型されている。金型内部のホルダ60は、金型を構成している2つの型Mが分割されることによって取り出しが可能である。
【0065】
ここで、載置部72及び付勢部74、74は、上面側及び下面側から観察した時に、それぞれ共に目視可能となっている。このため、目視可能な載置部72及び付勢部74、74は、ホルダ60が金型内部から取り出される際に、型Mの前後移動に対して干渉されない。つまり、金型は、載置部72及び付勢部74、74に対してのスライドコアが不要となる。
【0066】
次いで、アームをホルダ60に取り付ける際の作用について説明する。
【0067】
図5を参照する。
図5は、アーム12をホルダ60に取り付ける際の説明が示されている。
【0068】
図2及び
図5(a)を参照する。アーム12の取り付けは、まず最初に、アーム12を第1~第3の穴部42d、61b、61eに回転軸部12aを挿入し、アーム12の回転軸を中心に載置部72及び付勢部74、74に向かって回転させる。付勢部74、74は、分割され、2箇所に形成されている。
【0069】
図5(b)~5(c)を参照する。回転させたアーム12が分割された付勢部74、74の1箇所目に到達したら、アーム12を1箇所目の付勢部74及び載置部72の間に挟み込ませ、1箇所目の付勢部74を弾性変形させながら組み付ける。1箇所目の付勢部74に対しての組み付けが終わったら、2箇所目の付勢部74に向かってアーム12を回転させる。2箇所目の付勢部74にアーム12が到達したら、2箇所目の付勢部74を弾性変形させながらアーム12を組み付ける。途中、離脱防止部76を下方に向かって付勢させる必要もある。これにより、アーム12は、ホルダ60に対する取り付けられる。付勢部74、74が2つに分割されているため、それぞれの付勢部74、74(1箇所目及び2箇所目)に組み付ける際の力は、付勢部74を1つで形成し弾性変形させる場合に比べて小さくなる。
【0070】
次に、発明の効果を説明する。
【0071】
図2及び
図3を参照する。載置部72は、付勢部74、74に対向する部位を避けて設けられ、アーム12は、載置部72に載置された部位の上面がホルダ60の外部に露出している。ホルダ60の付勢部74、74に対向する部位は、開口状に形成された開口部75とされている。つまり、載置部72及び付勢部74、74は、ホルダ60の上面側及び下面側から観察した時に、それぞれ共に目視可能となっている。このため、載置部72及び付勢部74、74を形成するためのスライドコアは不要である。このため、ホルダ60を成形するための金型を安くすることができる。安価な金型を用いることにより、ホルダ60を安価にすることができ、結果液面検出装置10を安価にすることができる。即ち、安価に製造することができる液面検出装置10を提供することができる。
【0072】
付勢部74、74は、アーム12の延びている方向を基準として、載置部72を挟むように少なくとも2箇所に形成されている。アーム12をホルダ60に組み付ける際、2箇所に形成された付勢部74、74のうち、一方の付勢部74を弾性変形させながらアーム12を取り付けた後、他方の付勢部74を弾性変形させながらアーム12を組み付けることができる。つまり、付勢部74、74を2つに分割して別々に弾性変形させながら組み付けることができる。付勢部74を1つで形成し弾性変形させる場合に比べて、それぞれの付勢部74、74を弾性変形させるのに必要な力は小さくて済む。このため、ホルダ60に対してアーム12の組み付けを容易にすることができる。加えて、載置部72を挟むように付勢部74、74が2か所に形成されることにより、アーム12をより確実に固定することができる。
【0073】
<実施例2>
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
【0074】
図6を参照する。
図6は、実施例2による液面検出装置10Aのホルダ60A断面図が示されており、上記
図4に対応させて表している。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0075】
実施例2による液面検出装置10Aにおいては、載置部72A、72Aは、アーム12(
図1参照)の延びている方向(図左右方向)を基準として、付勢部74Aを挟むように少なくとも2箇所に形成されている。載置部72A、72A及び付勢部74Aは、ホルダ60Aの上面側及び下面側から観察した時に、それぞれ共に目視可能となっている。
【0076】
このように構成された実施例2による液面検出装置10Aにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。
【0077】
更に、実施例2による液面検出装置10Aでは、実施例1による液面検出装置10(
図4参照)に比べて、アーム12が載置部72Aに対して接触する面積が大きい。アーム12は、接触可能な面積の大きな載置部72Aによって支持されている。アーム12をより確実に固定することができる。
【0078】
尚、本発明による液面検出装置10、10Aは、車両等に搭載された燃料タンク内部の液体燃料の液面高さを検出するために用いられることを例に説明した。しかし、検出対象は、車両等に搭載された燃料タンク内部の液体燃料に限られず、液体の液面高さを検出することができるものであれば良い。即ち、車両等の乗り物の他、建機や工場設備等にも適用が可能である。
【0079】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の液面検出装置は、車両に搭載された燃料タンク内部の液体燃料の液面高さを検出するのに好適である。
【符号の説明】
【0081】
10、10A…液面検出装置
12…アーム
13…フロート
30…フレーム
60、60A…ホルダ
72、72A…載置部
74、74A…付勢部
75…開口部