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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】ねじ
(51)【国際特許分類】
   F16B 23/00 20060101AFI20230209BHJP
   F16B 25/10 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
F16B23/00 V
F16B25/10 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018244097
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020106072
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000181963
【氏名又は名称】若井ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】ヴォー ドン ハイ
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01538348(EP,A1)
【文献】特開2011-075078(JP,A)
【文献】米国特許第06293745(US,B1)
【文献】特開2012-159092(JP,A)
【文献】特開平09-264312(JP,A)
【文献】特開2007-321851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00
F16B 25/00
F16B 25/10
F16B 35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ軸部13の一方端部に頭部14を有し、この頭部14にドライバービットの角形先端部が嵌合する角形リセス21を該頭部14の頂面で開口するように凹設し、
前記角形リセス21の周辺の各辺の内面21bに、頭部14の外側に向けて凹入すると共に、ねじの軸方向に沿うように頭部14の頂面から角形リセス21の底部に向かう凹溝22を設け、
前記凹溝22によって、各内面21bの凹溝22を挟む両側の部分がねじ込み回転方向の前部側の面と後部側の面に分けられたねじ11において、
前記凹溝22は、その凹入深さが、頭部22の頂面から角形リセス21の底部に向かって漸次浅くなるように傾斜し、かつ、内面21bで開口する形状が、頭部14の頂面での幅に対して角型リセス21の底部側が狭幅となるV字状に形成され、
前記凹溝22を角形リセス21の各内面21bで、各内面21bにおけるねじ込み回転方向の後部側へ片寄った位置に設けることにより、前記内面21bの前記後部側の面を、その幅が前部側の面の幅よりも狭くなる狭幅内面23に形成し、
頭部14における角形リセス21の四隅部分で、前記狭幅内面23と凹溝22のねじ込み回転方向の後部側縁とによる内角部分の位置が、ねじの着座後に加わる過度のねじ込み力によって潰れるカムアウト発生部分24になっていることを特徴とするねじ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、頭部に頂面で開口する角形リセスを有し、この角形リセスをドライバービットの角形先端部に嵌め合わせてねじ込むねじにおいて、着座時の頭飛びやリセス潰れの発生を抑制でき、ねじ込み後は角形リセスへの角形先端部の噛み込みの発生を防ぎ、ねじの頭部からドライバービットを容易に外せて作業性を向上させることができるねじに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、木質材同士や金属部材に木質部材を結合するような場合に用いるねじは、頭部に設けたリセスを、ねじ締め付け工具に取付けたドライバービットの先端部に嵌合し、前記ねじ締め付け工具の起動による回転によってねじ込むものであり、前記頭部のリセスとドライバービットの先端部は互いに嵌り合う断面形状に形成され、ドライバービットの先端部に対してねじを仮セットした状態でねじ込みができる構造になっている。
【0003】
従来、上記ねじ頭部に設けるリセス(駆動孔)とドライバービットの先端部の形状は、十字状に形成されたものが一般的であるが、リセスと先端部の強度とねじに対するドライバービットの締め付け力伝達の向上を図り、比較的硬質である部材へのねじ込みが円滑に行えるよう、ねじ頭部のリセスを等辺四角形のような角形リセスとし、ドライバービット先端部をこの角形リセスに嵌合する四角形の角形先端部に形成したねじが使用されるようになっている。(特許文献1参照)
【0004】
図4は、ねじ1の頭部2に設けた角形リセス3と、これに嵌合させたドライバービットの角形先端部4のねじ込み回転時の嵌合状態を示し、同図矢印Aのように、ねじ締め付け工具でドライバービットを回転させると、角形先端部4の各外面における回転方向の後端側の位置が、矢印Bのように角形リセス3の各辺における内面の回転方向の後端側を押圧することで、ねじをねじ込み回転させることになり、このように角形リセス3と角形先端部4は四カ所での回転伝達により、ねじ締め付け工具のねじ込み力をねじ1に伝達することができる。
【0005】
上記のようなねじ込み状態で頭部2が被締結物に着座すると、ねじ締め付け工具に高負荷が掛かってねじ1の頭部2に過剰な締め付け力が加わり、ねじ1に頭飛びが発生する場合があると共に、角形先端部4の角部が角形リセス3の内面に対して回転方向に噛み込み、リセス潰れが生じることにより、角形リセス3に角形先端部4が食い込んだカムロック状態となり、ねじ込んだねじ1からドライバービットを容易に引き抜けなくなる事態が生じることになる。
【0006】
このような問題の発生を抑制する対策として、特許文献2のねじは、ねじ頭部に設けた角形リセスの各辺における内面の途中の位置に凸条を設け、この角形リセスとこれを嵌合したドライバービットの角形先端部の間に凸条の分だけ隙間を確保し、四角ビットの回転をねじに凸条を介して伝達する構造が提案されている。
【0007】
また、別の対策として、特許文献3や4のように、ねじは頭部に設けた角形リセスの各コーナ部分に放射方向の凹溝を連成し、この角形リセスに嵌挿するドライバービットの角形先端部を、各隅部に前記凹溝へ嵌合する凸部を設けた構造としたり、特許文献4や5に示されているように、ねじは角形リセスの各辺の内面で中央位置にV溝やコ字状溝を形成し、ドライバービットの角形先端部をこの角形リセス適合する形状にしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実開平4-133011号公報
【文献】特許第5669872号公報
【文献】実用新案登録第3089927号公報
【文献】特開昭59-34016号公報
【文献】特開昭55-132409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2のような、角形リセスの各辺における内面の途中の位置に凸条を設けた構造のねじは、角形先端部を有する既存のドライバービットをそのまま使用できるが、角形リセスと角形先端部の間に凸条分の大きな嵌り合い隙間が生じることになり、角形先端部へのねじの仮取付時の姿勢保持が不安定になり、ねじ込み開始作業が行いにくいと共に、角形リセスに対してドライバービット角形先端部は、大きな嵌り合い隙間の存在により、角形リセスに対してねじ込み回転時に凸条を支点として回転方向に変位し、各面の後端側で角形リセスの各内面における後端部を集中して押圧するので、このため、凸条を設けたにもかかわらず、実質的に特許文献1の角形リセスと角形先端部を有するドライバービットの組み合わせ構造と変わりはなく、ねじ着座時の頭飛びやリセス潰れの発生を抑制するには不十分である。
【0010】
また、特許文献3や4のように、四角形孔リセスの各コーナ部分に放射方向の凹溝を連成したり、特許文献4や5のように、角形リセスの各辺における内面の中央位置にV溝やコ字状溝を形成したねじは、角形リセス形状に適応した専用のドライバービットが別途必要になるという不便があると共に、角形リセスとドライバービットの嵌り合い時の接触面積が増大するため、ねじ込み回転の伝達力が増加することで、頭部が被締結物に着座してねじの締め付けが完了した時点で頭部に強い締め付け力が作用し、その結果、ねじに頭飛びが発生したりリセス潰れが生じることになり、何れにおいてもリセス潰れが生じると、角形リセスに角形先端部が食い込んだカムロック状態となり、ねじ込んだねじからドライバービットを容易に引き抜けなくなり、作業性を低下させることになる。
【0011】
そこで、この発明の課題は、汎用されているドライバービットでねじ込みが行え、締め付けが完了した時点でのねじの頭部に対する過剰な締め付け力が作用するのを防ぎ、頭飛びの発生を抑制することができるとともに、角形リセスの一部に潰れが生じてもねじ込んだねじからドライバービットを簡易に抜き取れるねじを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような課題を解決するため、この発明は、ねじ軸部の一方端部に頭部を有し、この頭部にドライバービットの角形先端部が嵌合する角形リセスを該頭部の頂面で開口するように凹設し、
前記角形リセスの周辺の各辺の内面に、頭部の外側に向けて凹入すると共に、ねじの軸方向に沿うように頭部の頂面から角形リセスの底部に向かう凹溝を設け、
前記凹溝によって、各内面の凹溝を挟む両側の部分がねじ込み回転方向の前部側の面と後部側の面に分けられたねじにおいて、
前記凹溝は、その凹入深さが、頭部の頂面から角形リセスの底部に向かって漸次浅くなるように傾斜し、かつ、内面で開口する形状が、頭部の頂面での幅に対して角型リセスの底部側が狭幅となるV字状に形成され、
前記凹溝を角形リセスの各内面で、各内面におけるねじ込み回転方向の後部側へ片寄った位置に設けることにより、前記内面の前記後部側の面を、その幅が前部側の面の幅よりも狭くなる狭幅内面に形成し、
頭部における角形リセスの四隅部分で、前記狭幅内面と凹溝のねじ込み回転方向の後部側縁とによる内角部分の位置が、ねじの着座後に加わる過度のねじ込み力によって潰れるカムアウト発生部分になっている構成を採用したものである。
【0016】
ここで、上記ねじは、例えば、雄ねじが形成されたねじ軸部の他方端部にドリル部が設けられた自穿孔ねじであり、頭部に頂面で開口するよう設けた角形リセスは、汎用されているドライバービットの角形先端部が嵌合するサイズに形成され、前記角形先端部にねじを仮り装着できる程度の深さになっている。
【0017】
上記角形リセスを形成する周辺の各内面に設けたV字状の凹溝は、例えば、45°前後の内角を有し、凹溝の頭部半径方向への凹入深さは、例えば20°前後の角度で傾斜し、この凹溝と角形リセスの各内面で後端部の間に形成された狭幅内面は、凹溝が前記内面の後端部に接近する位置に設けられていることで、上端が狭く下部に向けて広くなる幅を有する形状となっている。
上記頭部の角型リセスに嵌合したドライバービットでねじをねじ込むとき、狭幅内面がドライバービットの角形先端部における各角部で押圧されたカムロックによってねじに回転が伝わり、ねじが着座してねじ締め付け工具に高負荷が掛かると、前記狭幅内面に圧押力が集中し、これによって、ドライバービットの角形先端部の角部が狭幅内面から頭部のカムアウト発生部分を潰し、この潰れた部分が凹部に納まることでカムアウトし、ねじの頭部に対する過度な力を伝えないようにすることで、頭飛びの発生を防ぐことになるだけでなく、カムアウト発生部分で頭部に生じた潰れは、凹溝に納まるので、ねじ込んだねじからドライバービットを簡易に抜き取れることになる。
【0018】
また、ねじの締め付け完了の着座時に、角形リセスの各辺の内面における狭幅内面に圧押力が集中すると、頭部の上記カムアウト発生部分が潰れるが、各辺の内面はねじ込み回転方向の前方に位置する前部側の面によって十分な長さだけ残り、ねじを緩める方向に対してドライバービットの角形先端部と角形リセスの係合が確保でき、ねじの緩めが支障なく行えることになる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、角形リセスの各辺の内面でねじ込み回転方向の後端部寄りへ片寄った位置に、ねじの軸方向に沿うように頭部の頂面から角形リセスの底部に向かう凹溝を設
け、各辺の後端部と凹溝の間を狭幅内面とし、頭部における角形リセスの四隅部分で、前記狭幅内面と凹溝のねじ込み回転方向の後部側縁とによる内角部分の位置が、ねじの着座後に加わる過度のねじ込み力によって潰れるカムアウト発生部分になっているので、ドライバービットによるねじの締め付け完了時にカムアウト発生部分が潰れることで、着座時にねじの頭部に過度な締め付け力を伝えないようにして、頭飛びの発生を防ぐことができる。
【0020】
また、ねじの締め付けが完了した着座時に狭幅内面の潰れた部分は凹溝内に収納されるので、潰れた部分によるドライバービットと角形リセスのカムロックの発生がなく、ねじ込んだねじに対してドライバービットを円滑に離脱させることができ、また、角形リセスの各辺の内面に対して凹溝を設けることにより、角形リセスは一般的な大きさに設定できると同時に内面側への突出部分の発生がないので、角形先端部を有する既存のドライバービットがそのまま使用できる。
【0021】
更に、角形リセスの各辺の内面に対して凹溝を、回転方向の後端部寄りへ片寄った位置に設けたので、各辺のねじ込み回転方向の前方は十分な長さの内面が残り、ドライバービットによるねじの緩め時に角形先端部と角形リセスの係合が確保でき、ねじの緩めが支障なく行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明に係るねじの頭部を上から見た平面図
図2】この発明に係るねじの頭部構造を示す縦断面図
図3】この発明に係るねじの全体形状を示す斜視図
図4】従来の角形リセスを設けたねじにおいて、前記角形リセスにドライバービットの角形先端部が嵌合するねじ込み時の状態を示す横断平面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図3は、この発明に係るねじ11の全体形状を示し、所要長さを有し外周にねじ山12が設けられた軸部13と、この軸部13の一方端部に前記ねじ山12よりも大径に形成された頭部14と、前記軸部13の他方端部に同軸心の配置で設けたドリル部15とからなり、前記ドリル部15は円形軸部16の先端が錐形部17に形成され、この円形軸部16から錐形部17の外面にはその長さ方向に沿ってドリル溝18が設けられている。
【0025】
なお、ねじ11は図示のようなドリルねじに限るものではなく、軸部の先端が尖鋭端でこの軸部の全長にねじ山を設けたようなタイプのねじであってもよい。
【0026】
上記ねじ11における頭部14はナベ頭になっており、この頭部14にドライバービットの角形先端部が嵌合する等辺四角形の角形リセス21が、頭部14の頂面14aで開口するよう前記軸部13と同軸心状の配置で設けられている。
【0027】
この角形リセス21は、既存のドライバービットの角形先端部が嵌合するよう、ねじ11のサイズに応じた開口径と軸方向の深さに形成され、該角形リセス21の各辺21aの内面21bには、ねじ11の軸方向に沿うように頭部14の頂面14aから角形リセス21の底部に向かう凹溝22が設けられ、各内面21bの凹溝22を挟む両側の部分がねじ込み回転方向の前部側の面と後部側の面に分けられ、この凹溝22を内面21bにおけるねじ込み回転方向の後部寄りへ片寄った位置に設けることにより、前記後部側の面が、凹溝22のねじ込み回転方向の後部側に位置する開口縁と、内面21bにおけるねじ込み回転方向の後端部の間によって、前部側の面よりも幅の狭い狭幅内面23になっている。
【0028】
上記凹溝22は、角形リセス21の内面に対する開口形状が、頭部14の頂面14aにおいて広幅で角形リセス21の底部に向かって狭幅となるV字状に形成され、頭部14の半径方向へ円弧状に凹入していると共に、この凹溝22の頭部14の半径方向への凹入深さは、頭部14の頂面14aから角形リセス21の底部に向かって浅くなるように傾斜しており、ちなみに、凹溝22のV字状の内角は45°前後、凹入深さは頭部14の頂面14aから角形リセス21の底部に向けて20°前後の角度で傾斜している。
【0029】
また、図2のように、上記角形リセス21の各辺21aにおいて、辺21aの平面的な長さをねじの軸心から両側にa+aとした場合、凹溝22の頭部14の頂面14aにおける開口幅bはa>bの関係になり、凹溝22の軸方向の長さcは角形リセス21の深さdに対してc>1/2dとなるよう設定され、かつ、各辺21aに対して凹溝22の上下方向中心線は、ねじ11の軸心に対してねじ込み回転方向の後方に片寄った位置に設けられ、これにより、狭幅内面23は上部が狭い略三角形状となり、この凹溝22を設けることにより、頭部14における角形リセス21の四隅部分は、狭幅内面23と凹溝22のねじ込み回転方向の後縁とによる内角部分の位置が、カムアウト発生部分24になっている。
【0030】
この発明のねじ11は、上記のような構成であり、木質の被結合部材同士や金属製の被結合部材に木質の被結合部材を固定する場合等に用いるものであり、ねじ締め付け工具に装着したドライバービットの角形先端部(図示省略)に、頭部14の角形リセス21を嵌め合わせることでねじ11を延長状に仮取付し、ドリル部15の先端を被結合部材に押し当ててねじ締め付け工具を起動し、ドライバービットでねじ11にねじ込み方向の回転と錐力を加えると、ドリル部15に設けたドリル溝18の切削刃が被結合部材を切削し、ドリル部15の外径に見合う切削孔を明けていき、ドリル部15の全長が被結合部材に進入した時点で切削孔に軸部13のねじ山12がねじ込まれる。
【0031】
上記ねじ11のねじ込み回転は、ドライバービットの各外面における後端部が、角形リセス21の各辺21aにおける内面21bの狭幅内面23に当接してカムロックすることにより伝達され、ねじ11の軸部13の全長が被結合部材にねじ込まれて頭部14が被結合部材に着座すると、ねじ締め付け工具に高負荷が掛かかってドライバービットの角形先端部は、頭部14に強い締め付け力を加えて角形リセス21に対し、回転方向に噛み込もうとする。
【0032】
このとき、上記狭幅内面23に圧押力が集中し、この狭幅内面23は角形リセス21の各辺21aにおけるねじ込み回転方向の後端部と凹部22間に僅かな面積で形成され、頭部14における角形リセス21の四隅部分は、狭幅内面23と凹部22の内角部分の位置がカムアウト発生部分24になっているので、ドライバービットの角形先端部の角部による狭幅内面23の押圧力が上昇することで、狭幅内面23からカムアウト発生部分24が押し潰され、この潰れた部分が凹部22に納まることになり、着座時にねじ締め付け工具をオフにすれば、頭部14の角形リセス21に対してドライバービットの角形先端部はカムアウトする。
【0033】
これにより、頭部14の着座時にドライバービットのねじ込み回転の伝達が遮断され、ねじ11の頭部14に対する過度な締め付け力を伝えないようにすることで、頭飛びの発生を防ぐことになる。
【0034】
また、押し潰された狭幅内面23からカムアウト発生部分24は、凹部22に納まることで角形リセス21の内部への突出部分の発生がなく、ドライバービットの角形先端部の角形リセス21へのカムロックは生じないため、着座したねじ11に対してドライバービットを円滑に抜き取ることができ、ねじ込み作業の効率化を図ることができる。
【0035】
更に、ねじの締め付け完了時に角形リセス21の内面における各辺21aは上記狭幅内面23が部分的に潰れるが、各辺21aの内面21bでねじ込み回転方向の前方部分は十分な長さだけ残っているので、ねじ11を緩める方向に対してドライバービットの角形先端部と角形リセス21の係合が確保でき、ねじ11の緩めが支障なく行えることになる
【符号の説明】
【0036】
11 ねじ
12 ねじ山
13 軸部
14 頭部
15 ドリル部
16 円形軸部
17 錐形部
18 ドリル溝
21 角形リセス
21a 辺
21b 内面
22 凹溝
23 狭幅内面
24 カムアウト発生部分
図1
図2
図3
図4