(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】不動産物件の内見を支援するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230209BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2019046047
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】518109309
【氏名又は名称】株式会社オープンルーム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】田沼 豊寿
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー ジョナサン
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-097545(JP,A)
【文献】特開2002-169874(JP,A)
【文献】特開2004-118303(JP,A)
【文献】特開2013-191190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産物件の内見を支援するための内見支援システムであって、
不動産物件に関する不動産物件情報と、物件探索者による不動産物件の内見に対応する内見対応者に関する内見対応者情報と、を少なくとも記憶するように構成された情報記憶部と、
特定の物件探索者の現在位置を基準とした所定の範囲に存在する不動産物件を特定するように構成された物件特定部と、
特定した不動産物件の位置と、前記特定した不動産物件を担当する内見対応者の現在位置と、に少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定するように構成された内見可能時刻判定部と、
判定した内見可能時刻に基づく情報を前記特定の物件探索者に対して提示するように構成された内見時刻情報提示部と、を備える、
内見支援システム。
【請求項2】
前記内見対応者情報は、内見対応者のスケジュールを含み、
前記内見可能時刻判定部は、前記特定した不動産物件の位置、及び、前記担当する内見対応者の現在位置に加えて、前記担当する内見対応者のスケジュールに少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定するように構成されている、
請求項1の内見支援システム。
【請求項3】
前記内見時刻情報提示部は、前記所定の範囲を少なくとも含む範囲の地図、及び、前記所定の範囲に存在する不動産物件を表示するように構成された所定の画面を介して前記判定した内見可能時刻に基づく情報を提示するように構成されている、
請求項1又は2の内見支援システム。
【請求項4】
前記所定の画面は、内見可能時刻として第1の時刻が判定されている第1の不動産物件よりも内見可能時刻として前記第1の時刻よりも早い第2の時刻が判定されている第2の不動産物件が優先して表示されるように構成されている、
請求項3の内見支援システム。
【請求項5】
前記特定の物件探索者による前記特定した不動産物件の内見予約を受け付けて、前記担当する内見対応者に対して通知するように構成された内見予約受付部と、
内見予約の受付に応じて、前記特定の物件探索者と前記担当する内見対応者との間のチャットを可能とするチャット制御部と、をさらに備える、
請求項1ないし4何れかの内見支援システム。
【請求項6】
前記特定の物件探索者及び前記担当する内見対応者の各々の評価を登録するように構成された評価登録部をさらに備える、
請求項5の内見支援システム。
【請求項7】
前記内見予約受付部は、内見予定時刻を伴う内見予約を受け付けるように構成されており、
前記評価登録部は、前記特定の物件探索者及び/又は前記担当する内見対応者の各々の現在位置に基づいて前記特定した不動産物件への到着時刻を判定し、判定した到着時刻と内見予定時刻との比較に少なくとも基づいて前記特定の物件探索者及び/又は前記担当する内見対応者の各々の評価を登録するように構成されている、
請求項6の内見支援システム。
【請求項8】
前記評価登録部は、前記特定の物件探索者と前記担当する内見対応者との間のチャットの状況に少なくとも基づいて前記特定の物件探索者及び/又は前記担当する内見対応者の各々の評価を登録するように構成されている、
請求項6又は7の内見支援システム。
【請求項9】
1又は複数のコンピュータによって実行され、不動産物件の内見を支援するための内見支援方法であって、
不動産物件に関する不動産物件情報と、物件探索者による不動産物件の内見に対応する内見対応者に関する内見対応者情報と、を少なくとも記憶する工程と、
特定の物件探索者の現在位置を基準とした所定の範囲に存在する不動産物件を特定する工程と、
特定した不動産物件の位置と、前記特定した不動産物件を担当する内見対応者の現在位置と、に少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定する工程と、
判定した内見可能時刻に基づく情報を前記特定の物件探索者に対して提示する工程と、を備える、
内見支援方法。
【請求項10】
不動産物件の内見を支援するための内見支援プログラムであって、不動産物件に関する不動産物件情報と、物件探索者による不動産物件の内見に対応する内見対応者に関する内見対応者情報と、を少なくとも記憶するように構成された記憶装置にアクセス可能な1又は複数のコンピュータに、
特定の物件探索者の現在位置を基準とした所定の範囲に存在する不動産物件を特定する処理と、
特定した不動産物件の位置と、前記特定した不動産物件を担当する内見対応者の現在位置と、に少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定する処理と、
判定した内見可能時刻に基づく情報を前記特定の物件探索者に対して提示する処理と、を実行させる、
内見支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産物件の内見(内覧)を支援するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、不動産物件に関する情報を提供するポータルサイトが知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。こうしたポータルサイトでは、物件情報の一部として物件を担当する不動産会社の連絡先等が表示されており、物件を探しているユーザは、当該不動産会社に電話又は電子メール等で連絡し、物件の内見の申込を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来のポータルサイトでは、不動産会社への連絡が必要となるが、こうした個別の連絡を手間と感じるユーザも存在し得る。また、電話又は電子メール等での連絡は、迅速な対応を困難とし、例えば、ユーザの現在位置の周辺に存在する物件の内見を希望する場合、当該物件の担当者が常駐していないと、その当日での内見対応は難しい。このように、従来の不動産物件の内見は、その利便性について改善の余地がある。
【0005】
本発明は、不動産物件の内見の利便性を向上させることを目的の1つとする。本発明の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る内見支援システムは、不動産物件の内見を支援するための内見支援システムであって、不動産物件に関する不動産物件情報と、物件探索者による不動産物件の内見に対応する内見対応者に関する内見対応者情報と、を少なくとも記憶するように構成された情報記憶部と、特定の物件探索者の現在位置を基準とした所定の範囲に存在する不動産物件を特定するように構成された物件特定部と、特定した不動産物件の位置と、前記特定した不動産物件を担当する内見対応者の現在位置と、に少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定するように構成された内見可能時刻判定部と、判定した内見可能時刻に基づく情報を前記特定の物件探索者に対して提示するように構成された内見時刻情報提示部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、物件を探索する物件探索者の現在位置を基準とした範囲に存在する不動産物件の内見対応者の現在位置に基づいて、当該不動産物件における内見可能時刻を判定し、当該内見可能時刻に関する情報を物件探索者に提示するから、例えば、物件探索者の現在位置の周辺に存在する物件の内見が促進される。このように、上記システムは、不動産物件の内見の利便性を向上させる。
【0008】
また、上記システムにおいて、前記内見対応者情報は、内見対応者のスケジュールを含み、前記内見可能時刻判定部は、前記特定した不動産物件の位置、及び、前記担当する内見対応者の現在位置に加えて、前記担当する内見対応者のスケジュールに少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定するように構成されている、ようにしてもよい。スケジュールは、内見対応者の現時点のステータス(内見対応可能であるか否か。)を含み得る。こうすれば、内見対応者のスケジュールを考慮した内見可能時刻の判定が可能となる。
【0009】
また、上記システムにおいて、前記内見時刻情報提示部は、前記所定の範囲を少なくとも含む範囲の地図、及び、前記所定の範囲に存在する不動産物件を表示するように構成された所定の画面を介して前記判定した内見可能時刻に基づく情報を提示するように構成されている、ようにしてもよい。こうすれば、物件探索者は、こうした画面を介して、周辺に存在する物件を地図と共に確認しつつ、当該物件の内見可能時刻に関する情報を知ることができる。
【0010】
また、上記システムにおいて、前記所定の画面は、内見可能時刻として第1の時刻が判定されている第1の不動産物件よりも内見可能時刻として前記第1の時刻よりも早い第2の時刻が判定されている第2の不動産物件が優先して表示されるように構成されている、ようにしてもよい。こうすれば、内見可能時刻の早い不動産物件を優先して物件探索者に対して知らせることができる。
【0011】
また、上記システムにおいて、前記特定の物件探索者による前記特定した不動産物件の内見予約を受け付けて、前記担当する内見対応者に対して通知するように構成された内見予約受付部と、内見予約の受付に応じて、前記特定の物件探索者と前記担当する内見対応者との間のチャットを可能とするチャット制御部と、をさらに備える、ようにしてもよい。こうすれば、内見予約の受付に応じた物件探索者と内見対応者との間のチャットによるコミュニケーションの支援が可能となる。
【0012】
また、上記システムにおいて、前記特定の物件探索者及び前記担当する内見対応者の各々の評価を登録するように構成された評価登録部をさらに備える、ようにしてもよい。こうすれば、物件探索者及び内見対応者の各々の評価を考慮して、物件探索者による内見の申込、及び、内見対応者による内見時の対応等を行うことが可能となる。
【0013】
また、上記システムにおいて、前記内見予約受付部は、内見予定時刻を伴う内見予約を受け付けるように構成されており、前記評価登録部は、前記特定の物件探索者及び/又は前記担当する内見対応者の各々の現在位置に基づいて前記特定した不動産物件への到着時刻を判定し、判定した到着時刻と内見予定時刻との比較に少なくとも基づいて前記特定の物件探索者及び/又は前記担当する内見対応者の各々の評価を登録するように構成されている、ようにしてもよい。こうすれば、物件探索者/内見対応者の不動産物件への到着時刻に基づく評価の自動的な登録が可能となる。
【0014】
また、上記システムにおいて、前記評価登録部は、前記特定の物件探索者と前記担当する内見対応者との間のチャットの状況に少なくとも基づいて前記特定の物件探索者及び/又は前記担当する内見対応者の各々の評価を登録するように構成されている、ようにしてもよい。こうすれば、物件探索者/内見対応者のチャットの状況に基づく評価の自動的な登録が可能となる。
【0015】
本発明の実施形態に係る内見支援方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、不動産物件の内見を支援するための内見支援方法であって、不動産物件に関する不動産物件情報と、物件探索者による不動産物件の内見に対応する内見対応者に関する内見対応者情報と、を少なくとも記憶する工程と、特定の物件探索者の現在位置を基準とした所定の範囲に存在する不動産物件を特定する工程と、特定した不動産物件の位置と、前記特定した不動産物件を担当する内見対応者の現在位置と、に少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定する工程と、判定した内見可能時刻に基づく情報を前記特定の物件探索者に対して提示する工程と、を備える。
【0016】
この構成によれば、物件を探索する物件探索者の現在位置を基準とした範囲に存在する不動産物件の内見対応者の現在位置に基づいて、当該不動産物件における内見可能時刻を判定し、当該内見可能時刻に関する情報を物件探索者に提示するから、例えば、物件探索者の現在位置の周辺に存在する物件の内見が促進される。このように、上記方法は、不動産物件の内見の利便性を向上させる。
【0017】
本発明の実施形態に係る内見支援プログラムは、不動産物件の内見を支援するための内見支援プログラムであって、不動産物件に関する不動産物件情報と、物件探索者による不動産物件の内見に対応する内見対応者に関する内見対応者情報と、を少なくとも記憶するように構成された記憶装置にアクセス可能な1又は複数のコンピュータに、特定の物件探索者の現在位置を基準とした所定の範囲に存在する不動産物件を特定する処理と、特定した不動産物件の位置と、前記特定した不動産物件を担当する内見対応者の現在位置と、に少なくとも基づいて、前記特定した不動産物件における内見可能時刻を判定する処理と、判定した内見可能時刻に基づく情報を前記特定の物件探索者に対して提示する処理と、を実行させる。
【0018】
この構成によれば、物件を探索する物件探索者の現在位置を基準とした範囲に存在する不動産物件の内見対応者の現在位置に基づいて、当該不動産物件における内見可能時刻を判定し、当該内見可能時刻に関する情報を物件探索者に提示するから、例えば、物件探索者の現在位置の周辺に存在する物件の内見が促進される。このように、上記プログラムは、不動産物件の内見の利便性を向上させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の様々な実施形態は、不動産物件の内見の利便性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。
【
図2】ユーザ情報テーブルTA1において管理される情報を例示する図である。
【
図3】エージェント情報テーブルTA2において管理される情報を例示する図である。
【
図4】物件情報テーブルTA3において管理される情報を例示する図である。
【
図5】内見管理テーブルTA4において管理される情報を例示する図である。
【
図6】ユーザの周辺の物件情報を表示する際に、ユーザ端末30、サーバ10、及びエージェント端末30が実行する処理を例示するシーケンス図である。
【
図8】周辺物件情報が表示されている状態の基本画面50を例示する図である。
【
図9】情報表示オブジェクト527の構成を例示する図である。
【
図10】内見予約の際に、ユーザ端末30、サーバ10、及びエージェント端末30が実行する処理を例示するシーケンス図である。
【
図12】内見時のエージェントを評価する際に、サーバ10、及びエージェント端末30が実行する処理を例示するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るサーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、複数の情報処理端末30の各々と通信可能に接続されている。サーバ10は、情報処理端末30を操作するユーザ(物件探索者)に対して、不動産物件に関する情報を提供する物件情報サービスを提供する。また、情報処理端末30は、不動産物件の内見に対応するエージェント(内見対応者)によっても操作される。サーバ10は、本発明の内見支援システムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0023】
サーバ10は、一般的なコンピュータとしての構成を有する。具体的には、サーバ10は、
図1に示すように、CPU又はGPUとして構成されるコンピュータプロセッサ11と、DRAM等によって構成されデータやプログラムを一時的に記憶するメインメモリ12と、ユーザ等との間で情報のやり取りを行う入出力インタフェース13と、有線又は無線の通信を制御する通信インタフェース14と、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成されデータやプログラムを記憶するストレージ15とを備える。コンピュータプロセッサ11は、ストレージ15等に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行する。
【0024】
入出力インタフェース13は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置、ディスプレイ等の画像出力装置、及びスピーカ等の音声出力装置を含む。通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0025】
本実施形態において、ストレージ15は、
図1に示すように、物件情報サービスのユーザ(物件探索者)に関する情報を管理するユーザ情報テーブルTA1と、不動産物件の仲介業務を担当し、当該物件の内見に対応するエージェント(内見対応者)に関する情報を管理するエージェント情報テーブルTA2と、物件情報サービスにおける情報提供の対象となる不動産物件に関する情報を管理する物件情報テーブルTA3と、内見を管理する内見管理テーブルTA4とを有する。
【0026】
図2は、ユーザ情報テーブルTA1において管理される情報を例示する。ユーザ情報テーブルTA1は、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザID」に対応付けて、「基本情報」、このユーザが探索している物件の希望条件に関する情報である「希望条件情報」等の情報を管理する。基本情報は、氏名、生年月日、連絡先等の情報を含む。希望条件は、価格、専有面積、築年数等の情報を含む。
【0027】
図3は、エージェント情報テーブルTA2において管理される情報を例示する。エージェント情報テーブルTA2は、図示するように、個別のエージェントを識別する「エージェントID」に対応付けて、「基本情報」、このエージェントが所属する不動産会社に関する情報である「所属会社情報」、このエージェントに対する評価に関する情報である「評価情報」、「スケジュール情報」等の情報を管理する。基本情報は、氏名、生年月日、連絡先、経歴、保有資格等の情報を含む。スケジュール情報は、時間帯及び場所等の情報が関連付けられた予定に関する情報を含む。
【0028】
図4は、物件情報テーブルTA3において管理される情報を例示する。物件情報テーブルTA3は、図示するように、個別の不動産物件を識別する「物件ID」に対応付けて、「基本情報」、「建物情報」、「取引情報」、この不動産物件を担当するエージェントに関する情報である「担当エージェント情報」等の情報を管理する。基本情報は、物件名、住所、位置情報(緯度・経度)、築年数等の情報を含む。建物情報は、建物機能(宅配ボックスの有無等)、改修情報等の情報を含む。取引情報は、募集価格、仲介手数料等の情報を含む。担当エージェント情報は、担当エージェントのエージェントIDを含む。
【0029】
図5は、内見管理テーブルTA4において管理される情報を例示する。内見管理テーブルTA4は、図示するように、個別の内見を識別する「内見ID」に対応付けて、「物件ID」、「ユーザID」、「エージェントID」、「内見予約情報」、エージェントが物件に到着したか否かを示す「エージェント到着フラグ」等の情報を管理する。内見予約情報は、内見予定時刻を含む。
【0030】
本実施形態において、サーバ10は、ストレージ15等に記憶されているプログラムに含まれる命令をコンピュータプロセッサ11が実行することによって、
図1に示すように、物件特定部111、内見可能時刻判定部112、内見時刻情報提示部113、内見予約受付部114、チャット制御部115、及び評価登録部116として機能するように構成されている。
【0031】
物件特定部111は、ユーザの周辺に存在する不動産物件の特定に関する様々な処理を実行する。例えば、物件特定部111は、ユーザが操作する情報処理端末30(以下、ユーザが操作する情報処理端末30を「ユーザ端末30」と言うことがある。)の現在位置を基準とした所定の範囲に存在する1又は複数の不動産物件を特定するように構成されている。
【0032】
内見可能時刻判定部112は、不動産物件の内見可能時刻の判定に関する様々な処理を実行する。例えば、内見可能時刻判定部112は、物件特定部111が特定した不動産物件の位置と、当該不動産物件を担当するエージェントが操作する情報処理端末30(以下、エージェントが操作する情報処理端末30を「エージェント端末30」と言うことがある。)の現在位置と、に少なくとも基づいて、当該不動産物件における内見可能時刻を判定するように構成されている。
【0033】
内見時刻情報提示部113は、内見可能時刻に関する情報の提示に関する様々な処理を実行する。例えば、内見時刻情報提示部113は、内見可能時刻判定部112が判定した内見可能時刻に基づく情報をユーザ端末30に対して送信するように構成されている。
【0034】
内見予約受付部114は、内見予約の受付に関する様々な処理を実行する。例えば、内見予約受付部114は、ユーザ端末30を介したユーザによる不動産物件の内見予約を受け付けて、当該内見予約の内容を、担当エージェントのエージェント端末30に対して送信するように構成されている。
【0035】
チャット制御部115は、ユーザとエージェントとの間のチャットの制御に関する様々な処理を実行する。例えば、チャット制御部115は、内見予約受付部114による内見予約の受付に応じて、対応するユーザとエージェントとの間のチャット(例えば、テキストチャット)を可能とするように構成されている。
【0036】
評価登録部116は、エージェントの評価の登録に関する様々な処理を実行する。例えば、評価登録部116は、内見対応に関するエージェントの評価を登録するように構成されている。
【0037】
情報処理端末30は、一般的なコンピュータとしての構成を有する。具体的には、情報処理端末30は、
図1に示すように、CPU又はGPUとして構成されるコンピュータプロセッサ31と、DRAM等によって構成されデータやプログラムを一時的に記憶するメインメモリ32と、ユーザ等との間で情報のやり取りを行う入出力インタフェース33と、有線又は無線の通信を制御する通信インタフェース34と、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成されデータやプログラムを記憶するストレージ35とを備える。コンピュータプロセッサ31は、ストレージ35等に記憶されているプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行する。
【0038】
入出力インタフェース33は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置、ディスプレイ等の画像出力装置、及びスピーカ等の音声出力装置を含む。通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0039】
情報処理端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等として構成される。情報処理端末30は、ストレージ35等にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介したサーバ10との間の通信を伴って各種の画面を表示する。
【0040】
次に、このように構成された本実施形態のサーバ10の動作について説明する。
図6は、ユーザの周辺の物件情報を表示する際に、ユーザ端末30、サーバ10、及びエージェント端末30が実行する処理を例示するシーケンス図である。ユーザの周辺の物件情報を表示する際には、まず、図示するように、ユーザ端末30が、サーバ10に対して、周辺物件情報を要求する(ステップST100)。具体的には、本実施形態においては、ユーザ端末30における物件情報サービス用のアプリケーションの起動に応じて、当該ユーザ端末30からサーバ10に対して周辺物件情報の要求が行われる。
【0041】
図7は、物件情報サービス用のアプリケーションの起動に応じてユーザ端末30において表示される基本画面50を例示する。基本画面50は、図示するように、特定の範囲の地図を表示する地図表示領域52と、メニューを表示するためのメニューオブジェクト100とを有する。地図表示領域52は、初期状態では、ユーザ端末30の現在位置を中心とする地図を所定の縮尺で表示する。また、地図表示領域52は、情報を表示する情報表示オブジェクト521と、ユーザ(ユーザ端末30)の地図上での位置を示すユーザオブジェクト522と、ユーザの現在位置を中心とし所定の半径(例えば、1km)を有する円形の形状を有する周辺領域オブジェクト524とを有する。物件情報サービス用のアプリケーションの起動に応じて周辺物件情報を要求している間は、図示するように、情報表示オブジェクト521において、「物件情報読込中」というテキストが表示される。
【0042】
図6のシーケンス図に戻り、周辺物件情報の要求の際には、ユーザ端末30からサーバ10に対してユーザ端末30の位置情報が送信される。そして、サーバ10が、ユーザの周辺に存在する物件を特定する(ステップST102)。具体的には、ユーザ端末30の位置情報と、不動産物件の位置とに基づいて、周辺領域オブジェクト524の内部に存在する不動産物件、つまり、ユーザ端末30からの距離が上記所定の半径以下である不動産物件が特定される。
【0043】
続いて、サーバ10が、特定した不動産物件を担当するエージェントのエージェント端末30に対して位置情報を要求し(ステップST104)、エージェント端末30が、自身の位置情報をサーバ10に対して送信する(ステップST106)。不動産物件を担当するエージェントは、物件情報テーブルTA3の担当エージェント情報を参照することによって特定される。
【0044】
そして、サーバ10が、特定した不動産物件の内見可能時刻を判定する(ステップST108)。具体的には、物件の位置、並びに、担当エージェントの位置情報、及び、スケジュール情報に基づいて、最も早い内見可能時刻を判定する。例えば、物件の位置(物件情報テーブルTA3の基本情報を参照することによって特定される。)及び担当エージェントの位置情報に基づいて、担当エージェントが物件まで移動するのに要する移動時間を推測し、当該移動時間、所定の内見対応時間(例えば、1時間等)、及び担当エージェントの前後のスケジュール(エージェント情報テーブルTA2のスケジュール情報を参照することによって特定される。)に基づいて、内見可能時刻が判定される。
【0045】
続いて、サーバ10が、内見可能時刻を含む周辺物件情報(例えば、物件情報テーブルTA3において管理されている情報が含まれる。)をユーザ端末30に対して送信し(ステップST109)、ユーザ端末30が、受信した周辺物件情報を表示する(ステップST110)。
【0046】
図8は、周辺物件情報が表示されている状態の基本画面50を例示する。この状態の基本画面50は、図示するように、地図表示領域52(の周辺領域オブジェクト524の内側)において、不動産物件に対応するオブジェクトであって家の外観を有する物件オブジェクト526が表示されている。また、図示するように、物件オブジェクト526には、吹き出し形状の情報表示オブジェクト527が付加されている。
【0047】
図9は、情報表示オブジェクト527の構成を例示する。情報表示オブジェクト527は、対応する不動産物件に関する情報(例えば、写真、価格等)を表示すると共に、内見予約を行うための内見予約オブジェクト5271が配置されている。当該内見予約オブジェクト5271は、内見可能時刻までの待機時間を表示しており、
図9の例では「10分以内ご案内可能」というテキストが表示されている。このように、本実施形態において、内見予約オブジェクト5271には、現在時刻と内見可能時刻とに基づく情報(内見可能時刻までの待機時間に関する情報)が表示されている。なお、本発明の他の実施形態では、内見予約オブジェクト5217において、内見可能時刻に基づく他の情報が表示され、例えば、内見可能時刻自体が表示される。
【0048】
また、地図表示領域52は、
図8に示すように、周辺領域オブジェクト524の内部に複数の不動産物件が存在する場合に、内見可能時刻の早い物件に対応する情報表示オブジェクト527のサイズが、内見可能時刻の遅い物件に対応する情報表示オブジェクト527のサイズよりも大きくなるように構成されている。例えば、
図8の例では、右上側の不動産物件に対応する情報表示オブジェクト527の方が、左下側の不動産物件に対応する情報表示オブジェクト527よりも大きいから、右上側の不動産物件における内見可能時刻の方が早いことになる。この結果、ユーザは、内見可能時刻の早い物件を容易に認識することができる。
【0049】
以上、ユーザの周辺の物件情報の表示に関する動作について説明した。次に、不動産物件の内見の予約に関する動作について説明する。
図10は、内見予約の際に、ユーザ端末30、サーバ10、及びエージェント端末30が実行する処理を例示するシーケンス図である。内見予約の際には、まず、図示するように、ユーザ端末30が、サーバ10に対して、内見予約を要求する(ステップST200)。ユーザによる内見予約の要求指示は、ユーザ端末30において表示される画面を介して行われる。
【0050】
図11は、
図8、9に例示した情報表示オブジェクト527の内見予約オブジェクト5271の選択に応じてユーザ端末30において表示される物件詳細画面60を例示する。物件詳細画面60は、図示するように、対応する不動産物件の物件情報(例えば、物件情報テーブルTA3において管理されている情報が含まれる。)を表示するための物件情報表示領域62と、対応する不動産物件の担当エージェントに関する情報(例えば、エージェント情報テーブルTA2において管理されている情報が含まれる。)を表示するためのエージェント情報表示領域64と、内見希望時刻を入力するための希望時刻入力領域66と、内見予約の要求指示を行うための内見予約オブジェクト68とを有する。希望時刻入力領域66は、判定されている内見可能時刻が既定値として入力されており、ユーザは、当該希望時刻入力領域66を介して内見希望時刻を変更することもできる。
【0051】
物件詳細画面60の内見予約オブジェクト68が選択されると、ユーザ端末30からサーバ10に対して、内見予約が要求される。
図10のシーケンス図に戻り、続いて、サーバ10が、エージェント端末30に対して内見予約の承認を要求し(ステップST202)、エージェント端末30が、サーバ10に対してエージェントによる承認可否を送信する(ステップST204)。エージェントによる承認可否の入力は、例えば、エージェント端末30において表示される図示しない画面を介して行われる。なお、本発明の他の実施形態において、内見希望時刻が、初期値(内見可能時刻)から変更されていない場合に、エージェントによる承認(ステップST202、ST204)をスキップ(省略)するようにしてもよい。
【0052】
そして、エージェントによる承認がOKである場合(ステップST206においてYES)には、内見予約の登録を行う一方(ステップST208)、エージェントによる承認がNGである場合(ステップST206においてNO)には、所定の承認NG時処理が行われる。内見予約の登録では、具体的には、内見管理テーブルTA4において、対応する情報が登録される。
【0053】
内見予約の登録に伴って、登録された予約内容が、サーバ10からユーザ端末30及びエージェント端末30へとそれぞれ送信される。そして、ユーザ端末30及びエージェント端末30の各々において、予約内容が表示される(ステップST210、ST212)。
【0054】
続いて、サーバ10が、ユーザとエージェントとの間のテキストチャットを可能とする(ステップST214)。その後、ユーザ及びエージェントは、ユーザ端末30及びエージェント端末30を介したチャットが可能となり、当該チャットを介して内見までのコミュニケーションを行うことになる。
【0055】
以上、不動産物件の内見の予約に関する動作について説明した。次に、エージェントの評価に関する動作について説明する。
図12は、内見時のエージェントを評価する際に、サーバ10、及びエージェント端末30が実行する処理を例示するシーケンス図である。内見時のエージェントの評価の際には、まず、図示するように、サーバ10が、エージェント端末30に対して、位置情報を要求し(ステップST300)、エージェント端末30が、サーバ10に対して位置情報を送信する(ステップST302)。サーバ10によるエージェント端末30への位置情報の要求は、登録されている内見予約を担当するエージェントであって物件に到着していないエージェント(内見管理テーブルTA4のエージェントID及びエージェント到着フラグを参照することによって特定される。)のエージェント端末30に対して行われる。
【0056】
そして、サーバ10が、エージェントの物件への到着の有無を判定する(ステップST304)。具体的には、内見が予約されている不動産物件の位置を基準とする所定の範囲(例えば、半径50mの範囲)に対応するエージェント端末30が入っている場合、物件に到着済みと判定される一方、当該範囲にエージェント端末30が入っていない場合、物件に未到着と判定される。
【0057】
そして、エージェントが物件に未到着の間は(ステップST304においてNO)、エージェント端末30の位置情報の取得が繰り返され、エージェントが物件に到着すると(ステップST304においてYES)、次に、サーバ10が、現在時刻(エージェントが物件に到着した時刻)と内見予定時刻との比較結果に基づくエージェントの評価を登録する(ステップST306)。エージェントの物件への到着に伴って、内見管理テーブルTA4のエージェント到着フラグが更新される。登録される評価は、現在時刻が内見予定時刻よりも早いほど高い評価となり、現在時刻が内見予定時刻よりも遅いほど低い評価となるようにしてもよい。
【0058】
ここで、本発明の他の実施形態では、物件への到着時刻に基づく評価は、エージェントに加えて、ユーザに対しても行われる。この場合、エージェントと同様に、登録されている内見予約を要求したユーザであって物件に到着していないユーザのユーザ端末30に対して繰り返し位置情報の要求が行われ、ユーザが物件に到着すると現在時刻(ユーザが物件に到着した時刻)と内見予定時刻との比較結果に基づくユーザの評価が登録される。
【0059】
また、本発明の他の実施形態において、内見予約の登録後において可能となるチャットの状況(履歴)に基づいて、エージェント及び/又はユーザの評価を登録する(当該評価は、例えば、相手からのメッセージに対する返信までの時間が長いほど低い評価となる。)ようにしてもよい。また、これらの自動的な評価に加えて、エージェント及びユーザがそれぞれ相手の評価を手入力する相互評価の仕組みを導入してもよい。
【0060】
以上説明した本発明の実施形態に係るサーバ10は、物件を探索する物件探索者(ユーザ)の現在位置を基準とした範囲に存在する不動産物件の内見対応者(エージェント)の現在位置に基づいて、当該不動産物件における内見可能時刻を判定し、当該内見可能時刻に関する情報(内見可能時刻までの待機時間に関する情報等)を物件探索者に提示するから、例えば、物件探索者の現在位置の周辺に存在する物件の内見が促進される。このように、サーバ10は、不動産物件の内見の利便性を向上させる。
【0061】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素、システム構成、情報の持たせ方等は、例示したものに限定されるわけではなく、他の様々な形で実施することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
10…サーバ、11…コンピュータプロセッサ、111…物件特定部、112…内見可能時刻判定部、113…内見時刻情報提示部、114…内見予約受付部、115…チャット制御部、116…評価登録部、15…ストレージ、30…利用者端末、50…基本画面、60…物件詳細画面、TA1…ユーザ情報テーブル、TA2…エージェント情報テーブル、TA3…物件情報テーブル、TA4…内見管理テーブル。