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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】検体濃縮器システム及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/08 20060101AFI20230209BHJP
   G01N 30/02 20060101ALI20230209BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G01N30/08 L
G01N30/02 B
G01N30/26 H
G01N30/26 E
G01N30/26 A
G01N30/26 M
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017023784
(22)【出願日】2017-02-13
(65)【公開番号】P2017151096
(43)【公開日】2017-08-31
【審査請求日】2019-12-23
(31)【優先権主張番号】15/043,332
(32)【優先日】2016-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025358
【氏名又は名称】ダイオネックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】カナン スリニヴァサン
【審査官】小澤 理
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-511838(JP,A)
【文献】特表2001-520752(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0188799(US,A1)
【文献】特表2011-513731(JP,A)
【文献】特表2008-531992(JP,A)
【文献】特表2009-509141(JP,A)
【文献】特表2013-536443(JP,A)
【文献】国際公開第2015/189927(WO,A1)
【文献】特開2006-284188(JP,A)
【文献】Dionex Corporation,The use of concentrator columns in ion chromatography,Technical Note 8,1994年,LPN 0576 3M 8/94,p.1-8
【文献】LIU, Y. et al.,Reagent-free ion chromatography systems with eluent regeneration: RFIC-ER systems,Am. Lab.,2007年,Vol.39,p.1-3,https://www.americanlaboratory.com/914-Application-Notes/1327-Reagent-Free-Ion-Chromatography-Systems-With-Eluent-Regeneration-RFIC-ER-Systems/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00
G01N 30/02
G01N 30/08
G01N 30/26
G01N 30/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を実質的に含まない溶離液を製造する方法であって、
検体濃縮器システム内で検体を含む流体試料を処理するステップであり、前記検体濃縮器システムが、前記検体の少なくとも一部を保持し、前記検体が実質的に含まれない流体試料の溶出物を放出する、処理するステップと、
放出された前記溶出物から溶離液を生成するステップであり、前記溶離液には、前記検体が実質的に含まれず、前記溶離液は前記検体濃縮器システムに保持される前記検体を溶離するように化学的に構成されている、生成するステップであり、放出された前記溶出物から溶離剤を生成する前記生成するステップが、放出された前記溶出物を溶離液生成モジュールへ通すステップを備え、前記溶離液生成モジュールは放出された前記溶出物から前記溶離液を生成し、前記溶離液生成モジュールは溶離液生成構成要素を備え、前記溶離液生成構成要素は陽極と、実質的に前記陽極と反対側に配置された陰極と、前記陽極と前記陰極との間に少なくとも部分的に配置されている電解室とを備え、前記電解室はイオン供給室と、溶離液生成室と、少なくとも1つのイオン交換バリヤとを備え、前記イオン供給室は前記少なくとも1つのイオン交換バリヤによって溶離液生成室から分離され、前記溶離液生成モジュールが、前記放出された溶出物内に配置される分子を、保持されている前記検体を前記検体濃縮器システムから溶離することに適合された分子と交換することによって前記溶離液を製造する、生成するステップと、
前記溶離液を用いて、前記検体濃縮器システムによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記溶離液を前記検体濃縮器システムの中へ通すステップと、
前記検体の溶離された部分を個々の構成要素または画分へ分離するために、前記検体濃縮器システムと流体連結されたクロマトグラフィー部材を通して、前記検体の溶離された部分を通すステップと、
検体検出モジュール内で前記検体の前記個々の構成要素または画分を分析するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記放出された溶出物から前記溶離液を生成する前記ステップが、前記放出された溶出物を溶離液生成モジュールの中へ通すステップを含み、前記溶離液生成モジュールが、前記放出された溶出物から前記溶離液を製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放出された溶出物を溶離液生成モジュールの中へ通すステップが、前記検体濃縮器システムと前記溶離液生成モジュールとの間に延びる流体継手を通して、前記放出された溶出物を通すステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶離液を用いて、前記検体濃縮器システムによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記溶離液生成モジュールと前記検体濃縮器システムとの間に延びる流体継手を通して、前記溶離液生成モジュール内の前記溶離液を前記検体濃縮器システムの中へ通すステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検体濃縮器システムが、第1の検体濃縮器アセンブリと、第2の検体濃縮器アセンブリと、を備え、
前記検体濃縮器システム内で前記検体を含む流体試料を処理する前記ステップが、
前記第1の検体濃縮器アセンブリ内で、前記検体を含む流体試料の第1の部分を処理するステップであって、前記第1の検体濃縮器アセンブリが、前記検体の第1の部分を保持し、前記検体が実質的に含まれない第1の溶出物を放出する、処理するステップと、
前記第2の検体濃縮器アセンブリ内で、前記検体を含む流体試料の第2の部分を処理するステップであって、前記第2の検体濃縮器アセンブリが、前記検体の第2の部分を保持し、前記検体が実質的に含まれない第2の溶出物を放出する、処理するステップと、を含み、
前記放出された前記溶出物から溶離液を生成する前記ステップが、
前記検体が実質的に含まれない第1の溶離液を製造するために、前記第1の溶出物を処理するステップと、
前記検体が実質的に含まれない第2の溶離液を製造するために、前記第2の溶出物を処理するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の溶離液を用いて、前記第2の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記第1の溶離液を前記第2の検体濃縮器アセンブリへ移送するステップと、
前記第2の溶離液を用いて、前記第1の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記第2の溶離液を前記第1の検体濃縮器アセンブリへ移送するステップと、をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の溶出物及び前記第2の溶出物の両方が、前記第1の検体濃縮器アセンブリ及び前記第2の検体濃縮器アセンブリと流体連結された共通の溶離液生成モジュール内で処理される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記検体が、少なくとも1つの荷電分子または化合物を含み、
前記検体濃縮器システムが、第1の塩濃度下で前記少なくとも1つの荷電分子または化合物を保持するように、かつ第2の塩濃度下で前記少なくとも1つの荷電分子または化合物を放出するように構成されたイオン交換素子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記イオン供給室が、少なくとも1つの対イオンをその中に配置する電解液リザーバを備え、
前記少なくとも1つの対イオンが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、メタンスルホン酸、炭酸、炭酸塩、炭酸水素塩、及び類似物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記溶離液生成モジュールが、前記溶離液生成構成要素に接続され前記溶離液内で任意の電解ガスのうちの少なくともいくつかを除去するように構成されるガス透過膜を含む脱ガス装置、前記溶離液生成構成要素に接続されたトラップカラムからなる群から選択された、1つ以上の構成要素をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
背景
【0002】
本開示は、概して、検体の分析準備として検体を濃縮するためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示は、同じまたは別個の濃縮器内に保持されている検体を溶離するための溶離液を製造するために、検体濃縮器の溶出物を処理するための方法及び同方法を実行するシステムに関する。本開示は、さらに、検体濃縮器の溶出口を溶離液生成モジュールに接続する検体濃縮器システム及び同システムを実装する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
既存の検体濃縮器システム(またはカラム)において、関心の対象となる少なくとも1つの検体分子を含有する流体試料が検体濃縮器カラムに導入され、ここで流体試料内の検体分子のうち少なくともいくつかが保持される。あらゆる保持されていない流体試料またはその成分をカラムから洗浄した後、保持されていた検体分子は、最初の流体試料と比較して濃縮された容積で、カラムから溶離される。例えば、保持されている検体分子の溶離に適合した化学組成を有する溶離液が、保持されている検体を溶離するために、カラムに導入され得る。このように、低濃度の検体分子を有する流体試料は、検体のより安定した分析のために濃縮され得る。
【0004】
図1は、当業者に既知のように、先行技術の検体濃縮器システム8を例示するフロー図である。図1において描写されるように、検体試料10は、入力ライン12を介して検体濃縮器14に導入される。検体濃縮器14は、検体試料10内に含有される関心の対象となる1つ以上の検体分子を保持するように構成される。したがって、検体は、検体濃縮器14内に保持され、一方で、流体試料流出液は、出力ライン16を介して廃棄物18へ放出される。
【0005】
洗浄液20もまた、入力ライン22を介して検体濃縮器14に任意に導入され得る。洗浄液20は、あらゆる保持されていない試料(例えば、試料流体またはその分子構成要素)を、検体濃縮器14から除去するように構成される。洗浄流出液もまた、出力ライン16を介して廃棄物18へ放出される。
【0006】
検体濃縮器14を洗浄後、溶離液24が、検体濃縮器14に導入される。溶離液24は、検体濃縮器14内に保持されている検体を溶離するように化学的に構成される。溶離された、関心の対象となる検体分子は、次いで、検体濃縮器14から出力ライン28を介して放出され(濃縮された検体試料として)、分析のために検体検出器30に導入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術のシステム8及び他の既存の濃縮器システムに対する1つの欠点は、洗浄液20及び/または溶離液24内の、検体分子及び/または混入物の存在である。実際、洗浄液20及び/または溶離液24は、まさに検体検出器30内で分析しようとしている検体を含み得る。超純水またはナノ濾過された水から生成される洗浄液及び/または溶離液でさえ、関心の対象となる検体分子が完全にないということはあり得ず、または関心の対象となる検体分子がさらに実質的に含まれないということもない。したがって、検体濃縮器14から溶離される検体の量または濃度は、検体試料10内の検体の実際の量を表さない可能性がある。代わりに、検体濃縮器14は、洗浄液20内に含有される検体分子を保持した可能性がある。加えて、溶離液それ自体も検体分子を含み得、溶離される検体試料内に存在する検体分子の量に追加する。さらに、溶離液は、水源からイオン混入物を含む場合があり、これが検体測定を妨害する。濃縮された検体試料内の検体分子のこれらの追加の供給源は、試料の質を落とし、分析結果を変化させ得る。
【0008】
減算正規化または他の技術が、溶離液及び/または洗浄液内の検体またはイオン混入物によって引き起こされる分析(背景)ノイズを除去するために使用され得る。しかしながら、検体試料が、痕跡量(例えば、およそ十億分率(ppb)またはさらに一兆分率(ppt))の、関心の対象となる検体分子しか含有しない場合、溶離液及び/または洗浄液内の追加の検体分子から背景信号(またはノイズ)は、検体信号を圧倒し、関心の対象となる濃縮された検体分子の正確な定量測定を無効化し得る。
【0009】
したがって、(例えば、濃縮された検体の分析中、背景信号を最小化及び/または(実質的に)排除するために)関心の対象となる検体分子(複数可)またはイオン混入物が実質的に含まれない溶離液を使用して検体を濃縮するためのシステム及び方法を提供することは有益であるだろう。
【0010】
上に列挙されたもの及びその他の、本発明の利点及び特徴を得ることができる様式について説明するため、または上記及びその他の、本開示の利点及び特徴をさらに明白にするために、上で簡潔に記載された本開示のより具体的な説明が、添付された図面において例示されるその特定の実装形態及び/または実施形態を参照することにより行われる。これらの図面は、概して、いくつかの例示的実施形態に対して縮尺を合わせるように描かれているが、この縮尺は変動する場合があり、例示される実施形態は、必ずしも、本明細書において包含される全ての実施形態に対して縮尺を合わせるように描かれてはいないことが理解されるべきである。
【0011】
さらに、例示的実施形態の構成要素が、概して、本明細書における図に記載され、例示されるように、非常に様々な異なる構成において配置され、設計され得、いくつかの図内の構成要素が、他の図において例示される特徴及び構成要素と相互転換可能であるか、またはそれらを補い得ることが容易に理解されるであろう。したがって、これらの図面は、本開示の典型的な実装及び/または実施形態しか描写せず、故に、その範囲を限定するとみなされないことを理解することで、実施形態は、付随的な図の使用を通して追加の特異性及び詳細を用いて記載され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】例示的先行技術のシステムの模式的フロー図を例示する。
図2】本開示の実施形態に従って、検体濃縮器システムの模式的フロー図を例示する。
図3】本開示の実施形態に従って、図2の検体濃縮器システムにおいて有用である検体濃縮器アセンブリの模式図を例示する。
図4A】本開示の実施形態に従って、第1(4A)の構成における検体濃縮器アセンブリの模式図を例示する。
図4B】本開示の実施形態に従って、第2(4B)の構成における検体濃縮器アセンブリの模式図を例示する。
図5A】本開示の別の実施形態に従って、第1(5A)の構成における検体濃縮器システムの模式図を例示する。
図5B】本開示の別の実施形態に従って、第2(5B)の構成における検体濃縮器システムの模式図を例示する。
図6A】本開示の別の実施形態に従って、第1(6A)の構成における検体濃縮器アセンブリの模式図を例示する。
図6B】本開示の別の実施形態に従って、第2(6B)の構成における検体濃縮器アセンブリの模式図を例示する。
図7】本開示の別の実施形態に従って、例示的溶離液生成モジュールを例示する。
図8】本開示の別の実施形態に従って、例示的検体検出モジュールを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示を詳細に説明する前に、当然ながら変化し得る具体的に例示されるシステム、方法、装置、アセンブリ、生成物、プロセス、及び/またはキットの特有のパラメータに限定されないことを理解されたい。本明細書において使用される用語の全ては本開示の特定の実施形態について説明することしか目的としない場合、必ずしも、あらゆる特定の様式で本開示の範囲の限定を意図するものではないことも同様に理解されたい。したがって、本開示が、特有の構成、実施形態、及び/またはその実装を参照して詳細に説明されると同時に、説明は、単に例示的であり、特許請求に係る発明の範囲を限定するものとして解釈されるためのものではない。
【0014】
デバイス、システム、方法などを含む本開示の様々な態様は、1つ以上の例示的な実施形態または実装を参照して例示され得る。本明細書で使用する場合、「例示的実施形態」及び/または「例示的実装」という用語は、「例、事例、または例証としての機能を果たすこと」を意味し、必ずしも、本明細書に開示される他の実施形態または実装と比べて好ましいものまたは有利なものとして解釈されるべきではない。加えて、本開示または発明の「実装」に対する参照は、その1つ以上の実施形態に対する特有の参照を含み、逆の場合も同じであり、以下の説明よりも添付の特許請求によって示される本発明の範囲を制限することなく、例示的実施例を提供することを意図する。
【0015】
さらに、別途定義されない限り、本明細書において使用される技術用語及び科学用語は全て、本開示が関連する技術分野の当業者に一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または等価の、多くの方法及び材料を、本開示の実践において使用し得るが、一方で、特定の例示的材料及び方法しか本明細書においては記載されない。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」という単数形は、内容が別途明確に規定しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、(1つの)「カラム」への言及は、1つ、2つ、またはそれより多くのカラムを含む。同様に、内容及び/また文脈が、別途明白に指示しない限り、複数の参照対象に対する参照は、単一の参照対象及び/または複数の参照対象を含むものとして解釈されるべきである。したがって、「カラム(columns)」に対する参照は、必ずしも、複数のそのようなカラムを必要としない。代わりに、連結に依存しないことが理解され、1つ以上のカラムが本明細書において企図される。
【0017】
本出願を通して使用されるように、「できる」及び「し得る」という用語は、義務的な意味(すなわち、しなければならないことを意味する)よりもむしろ、許容的意味(すなわち、可能性を有することを意味する)において使用される。加えて、特許請求を含む本明細書において使用されるように、「含む(including)」、「有する(having)」、「含む(involving)」、「含有する(containing)」、「によって特徴付けられる(characterized by)」という用語、及びそれらの変異形(例えば、含む(includes)」、「有する(has)」、及び「含む(involves)」、「含有する(contains)」など)、ならびに類似用語は、包括的及び/または無制限であるべきであり、「備える(comprising)」という用語及びそれらの変異形(例えば、「備える(comprise)」及び「備える(comprises)」)と同じ意味を有すべきであり、追加の列挙されない要素または方法ステップを例示的に除外しない。
【0018】
本開示の様々な態様は、連結され、取り付けられ、接続され、かつ/または一緒に接合されている構成要素について説明することによって例示され得る。本明細書で使用する場合、「連結される」、「取り付けられる」、「接続される」、及び/または「接合される」という用語は、2つの構成要素間の直接的な関連性または、適切な場合、介在する構成要素もしくは中間構成要素による相互の間接的な関連性のいずれかを示すように使用される。対照的に、ある部品が別の部品に「直接連結されている」、「直接取り付けられている」、「直接接続されている」、及び/または「直接接合されている」ものとして言及されるとき、介在する要素は存在しないか、または企図されない。したがって、本明細書において使用される場合、「接続」、「接続される」、及び類似の用語は、必ずしも、2つ以上の要素の間の直接的な接触を暗示しない。加えて、連結され、取り付けられ、接続され、かつ/または一緒に接合されている構成要素は、必ずしも、(可逆的にまたは持続的に)相互に固定されない。例えば、連結すること、取り付けること、接続すること、及び/または接合することは、いくつかの実装において構成要素を共に、さもなければ隣接して設置すること、位置決めすること、及び/または配置することを含み得る。
【0019】
本明細書において使用する場合、「上部(top)」、「底部(bottom)」「前面(front)」、「背面(back)」、「後部(rear)」、「左(left)」、「右(right)」、「上(up)」、「下(down)」、「上の(upper)」、「下の(lower)」、「内の(inner)」、「外の(outer)」、「内側の(internal)」、「外側の(external)」、「内部の(interior)」、「外部の(exterior)」、「近位の(proximal)」、「遠位の(distal)」などの方向指示語は、専ら相対的方向及び/または方向づけを示すために使用され、さもなければ本明細書、発明、及び/または特許請求を含む本開示の範囲を限定するように意図されるものではない。
【0020】
理解を促進するために、可能な場合、類似の参照番号が、図に共通である類似の要素を指定するために使用されている。さらに、特定の要素の代替の構成はそれぞれ、要素番号に付加された別個の文字を含み得る。したがって、付加された文字は、文字が付加されていない要素または特徴の代替的な設計、構造、機能、実装形態、及び/または実施形態を示すように使用され得る。同様に、一要素及びまたは親要素の部分要素の複数の事例はそれぞれ、要素番号に付加された別個の文字を含み得る。各事例において、要素の表示は、その要素または代替的な要素のうちのいずれか1つの事例を概して参照するために、付加された文字なしで使用され得る。付加された文字を含む要素の表示は、その要素の特有の事例を参照するために、またはその要素の複数の使用を区別するために、すなわちそれに注目するために使用され得る。しかしながら、付加された文字を含む要素の表示は、それらが例示される特有の及び/または特定の実施形態(複数可)に限定されることを意味しない。換言すれば、1つの実施形態に関して、特有の特徴に対する参照は、前記実施形態内のみの適用に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0021】
2つ以上の値または様々な値(例えば、特定の値未満、特定の値より大きい、少なくとも特定の値、及び/または特定の値まで、及び/または2つの列挙された値の間)が開示されるか、または列挙される場合、あらゆる特有の値、もしくは開示された値または様々な値内に入る様々な値は、本明細書において同様に開示され、企図されることも理解されるであろう。したがって、例示的測定もしくは約10単位または0~10単位未満またはその単位に等しい距離の開示は、(i)9単位、5単位、1単位、または0単位及び/または10単位を含む0~10単位のあらゆる他の値の測定、及び/または(ii)9単位~1単位、8単位~2単位、6単位~4単位、及び/または0~10単位の任意の他の様々な値の測定の特有の開示を例示的に含む。
【0022】
様々な修正は、特許請求によって画定されるように、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、例示される実施形態に行われ得る。したがって、様々な態様及び実施形態が、本明細書において開示されているが、一方で、他の態様及び実施形態は企図される。システム、方法、装置、デバイス、生成物、プロセス、及び/またはキットなどは、本開示の特定の実施形態に従って、本明細書において開示及び/または記載される他の実施形態に記載される特性、特徴、構成要素、部材、及び/または要素を含むか、組み込むか、またはさもなければ備え得ることも留意する。したがって、1つの実施形態に関して、特有の特徴に対する参照は、前記実施形態内のみの適用に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0023】
本明細書において使用される表題は、整理のみを目的とするものであり、説明または特許請求の範囲を限定するために使用されることを意味しない。
【0024】
説明において、例示的システム、方法、及び/または装置は、(関心の対象となる)1つ以上の検体または検体分子を参照して記載され得る。本明細書において使用される場合、「検体」は、その化学成分(複数可)が分析される(例えば、検出される、単離される、分離される、特定される、測定される、定量されるなど)物質及び/または化学成分(複数可)それら自体(すなわち、化学分析の対象である化学物質、分析手順において関心の対象となる物質または化学成分など)を指し得ることが理解されるべきである。したがって、例示的流体(例えば、飲料水)試料は、関心の対象となる1つ以上の検体分子がその中に配置もしくは含有されるか、またはその検体分子を含む検体であり得、かつ/またはその検体を構成し得る。代わりにまたは加えて、飲料水試料内に配置または含有される関心の対象となる1つ以上の検体分子は、検体(複数可)を同様に構成し得る。したがって、適切な場合、検体(すなわち、流体試料)は、本開示の範囲から逸脱することなく、検体(すなわち、関心の対象となる分子(複数可))を保持するように構成される濃縮器カラムに導入され得る。
【0025】
その上、本明細書において使用される場合、「分子」または「関心の対象となる分子」は、セル、粒子、化合物、結晶、凝集体などを含むがそれらに限定されない関心の対象となる他の物体を含む。例えば、少なくとも1つの実施形態において、関心の対象となる分子は、リン酸塩、硫酸、硝酸、窒化物、臭素酸、亜塩素酸塩、クロロホルム、ブロモホルム、アスベスト、または酸、炭化水素、及び類似物を含む別の分子化合物を含み得る。他の実施形態において、関心の対象となる分子は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヒ素、バリウム、クロムなどの(荷電)要素の分子及び同じものを含む化合物を含み得る。したがって、「分子」または「関心の対象となる分子」に対する参照は、(単一)分子それ自体に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、そのような用語は、あらゆる物質または物体(例えば、液体試料内に存在するかまたは含まれ得るもの)を含むために広く解釈されるべきである。
【0026】
加えて、例示的システム、方法、及び/または装置は、1つ以上のイオン、イオン性分子、イオン化分子、荷電分子、及び類似物を参照して説明され得る。そのような用語が、例示的でかつ/または検体の代表であり、一般に、したがって理解されるべきであることが理解されるであろう。
【0027】
これにより含まれ、本明細書において参照されるこれらの図面のうちいくつかが、例示的実施形態の図式的及び模式的表示であり、本開示を限定しないことをさらに理解されたい。その上、様々な図面が、いくつかの実施形態にとって機能的であるとみなされる縮尺で提供されるが、一方で、これらの図面は、必ずしも、全ての企図される実施形態に対して縮尺を合わせるように描かれているのではない。推測は、故に、あらゆる縮尺の必要性に関してのこれらの図面から導かれるべきではない。
【0028】
さらに、上で示されるように、図において例示される例示的実施形態において、類似の構造は、可能な場合、類似の参照指定を提供されるであろう。特有の文体が、例示的実施形態について説明するために、本明細書において使用される。それにも関わらず、本開示の範囲の限定は、それによって意図されないことが理解されるであろう。これらの図面は、本開示の様々な実施形態の図式的及び模式的表示であり、そのような形、形態、縮尺、機能、または他の特徴が、必須としてはっきりと記載されない限り、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0029】
本開示の所有権を有する当業者に生じるであろう本明細書において例示される本発明の特徴の変更及びさらなる修正、ならびに本明細書において例示される原理の追加の適用は、本開示の範囲内で考慮されたい。特徴が、共に別の特徴を必要とすると記載されない限り、本明細書におけるあらゆる特徴は、本明細書において開示される同じまたは異なる実施形態の別の特徴と組み合わされ得る。さらに、例示的実施形態の態様を不明瞭にすることを回避するために、例示的システム、方法、装置、及び類似物の様々な既知の態様は、特に詳細に本明細書において記載される。
【0030】
本開示の例示的実施形態は、概して、検体の分析準備として検体を濃縮するためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、同じまたは別個の濃縮器内に保持されている検体を溶離するための溶離液を製造するために、検体濃縮器の溶出物を処理するための方法及び同方法を実行するシステムに関する。本開示は、さらに、検体濃縮器の溶出口を溶離液生成モジュールに接続する検体濃縮器システム及び同システムを実装する方法に関する。
【0031】
これにより、図を参照して、本開示の例示的実施形態の様々な態様について説明する。図2は、本開示のいくつかの特徴を組み込む検体濃縮器システム50のフロー図を描写する。第1の実施形態において、検体濃縮器システム50は、(溶出物)出力ライン62を介して溶離液生成モジュール64へ流体連結される検体濃縮器アセンブリ56を備える。図2において描写されるように、検体試料52は、(検体)入力ライン54を介して検体濃縮器アセンブリ56に導入される。検体濃縮器アセンブリ56は、検体試料52に含有される関心の対象となる1つ以上の検体分子を保持するように構成される。したがって、検体分子(複数可)の少なくとも一部は、検体濃縮器アセンブリ56内に保持され、一方で、流体試料溶出物(例えば、検体を実質的に含まない試料溶出物)は、検体濃縮器アセンブリ56から出力ライン62を介して放出される。
【0032】
検体濃縮器アセンブリ56から放出され、検体を実質的に含まない流体試料溶出物は、出力ライン62を介して、検体濃縮器アセンブリ56から(例えば、検体を実質的に含まない溶出物を使用して、検体を実質的に含まない溶離液を生成し得る)溶離液生成モジュール64へ(例えば、流体的に)経路付けされる。したがって、溶出物が、廃棄物(図1参照)の中へ放出される既存のシステムとは異なり、本開示の実施形態は、検体を実質的に含まない溶出物を使用して、検体を実質的に含まない溶離液を生成し得る。したがって、既存のシステムは、別個の流体源に依存して、溶離液を生成し、人件費を追加し、効率を減少させ、関心の対象となる検体分子を相当量含有し得る溶離液を結果としてもたらすが、一方で本開示の実施形態は、関心の対象となる検体分子を保持する(それによって検体を実質的に含まない溶出物を放出する)ように特別に設計された検体濃縮器アセンブリから放出された溶出物を、溶離液生成モジュールへ経路付けし、同様に、検体濃縮器アセンブリ内で保持されている関心の対象となる検体分子が実質的に含まれない溶離液をそこから製造する。
【0033】
本明細書において使用される場合、「検体を実質的に含まない」、「検体(分子(複数可))が実質的に含まれない」、及び類似のものは、(関心の対象となる)特定の検体の閾値量未満またはその量に等しいものを有する、含む、備える、及び/または含有する流体、試料、及び/または生成物を指すために使用し得る。例えば、閾値量は、モル濃度、質量などの点から測定され得る。1つの実施形態において、「検体を実質的に含まない」、「検体(分子(複数可))が実質的に含まれない」、及び類似のものは、ナノモル、ピコモル、フェムトモル、アトモル未満またはそれらに等しいものを指し得る。代わりに、「検体を実質的に含まない」、「検体(分子(複数可))が実質的に含まれない」、及び類似のものは、容積単位(例えば、リットル、キロリットルなど)当たりのナノグラム、ピコグラム、フェムトグラム、アトグラムなどの値(整数または10進値)未満またはその値に等しいものを指し得る。
【0034】
閾値量もまた、数量あたりの量(例えば、パーツ(検体)パー表記(参照))の点から測定され得る。したがって、この(組の)疑似単位(複数可)を使用して、無次元量または無次元項(例えば、モル画分、質量画分など)において検体濃度の小さい値(すなわち、実質的になし)について説明し得る。特に、閾値は、ppm(百万分率、10-6)、ppb(十億分率、10-9)、ppt(一兆分率、10-12)、及びppq(千兆分率)などの点から測定され得、対象は、あらゆる値(整数または10進値)を含み得る。したがって、「検体を実質的に含まない」、「検体(分子(複数可))が実質的に含まれない」、及び類似のものは、10億部の参照当たり1部の検体未満またはその検体に等しいものを指し得る。検体が、試料溶液などのグラム当たり100万分の1グラムで存在する場合、単位「1ppb」は、質量画分のために使用し得る。水性溶液と共に機能するとき、水の密度が1.00g/mLであると仮定することが共通である。それ故に、1グラムの水を1mLの水と等しくすることは共通である。結果的に、ppbは、1μg/Lの水(またはいくつかの実施例において水性流体)に対応する。
【0035】
さらなる実施形態において、(検体試料溶出物の、または検体試料溶出物から)溶離液生成モジュール64内で生成する溶離液を、同様に(溶離液)入力ライン70を介して、溶離液生成モジュール64から検体濃縮器アセンブリ56へ(例えば、流体的に)経路付けし得、そこで溶離液を使用して、検体濃縮器アセンブリ56内に保持されている検体を溶離し得る。
【0036】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、溶離した検体を、(検体)出力ライン76を介して、検体濃縮器アセンブリ56から検体検出モジュール78へ(例えば、流体的に)経路付けし得、そこで検体を分析することができる(例えば、検体の存在が検出されてもよく、検体の独自性を決定されてもよく、検体の量及び/または質が測定されてもよい)。検体検出モジュール78に通過した後、流体試料は、出力ライン82を介して廃棄物68へ放出され得る。
【0037】
任意の洗浄液もまた、別個の洗浄液入力ライン(図示せず)を介して検体濃縮器アセンブリ56に導入され得る。代わりに、洗浄液は、入力ライン54を介して導入され得る。洗浄液は、事前洗浄を含み得る(例えば、あらゆる異質であり、かつ/または望ましくない物体を検体濃縮器アセンブリ56から除去するように、かつ/または検体濃縮器アセンブリ56を準備し、検体試料52を受容するように構成される)。代わりに、または加えて、洗浄液は、検体濃縮器アセンブリ56から事後洗浄を含み得る(例えば、あらゆる保持されていない試料(例えば、検体試料流体またはその分子構成要素)を除去するように構成される)。洗浄液溶出物もまた、検体濃縮器アセンブリ56から出力ライン62を介して放出され得る。代わりに、洗浄液溶出物は、別個の出力ライン(図示せず)を介して放出され得る。当業者は、しかしながら、上で記載されたように、特定の実施形態が、洗浄液及び/または洗浄ステップを含まない場合があることを理解するであろう。代わりに、いくつかの実施形態において、検体試料52の容積は、例えば、適切な量の検体試料52が、検体濃縮器アセンブリ56を通過し、適切な量の検体が、検体濃縮器アセンブリ56によって保持され、かつ/または適切な量の溶出物が、検体濃縮器アセンブリ56から排出するということなどを確実にするのに十分であり得る。
【0038】
出力ライン62は、任意のライン62a、62b、及び62cのうちの1つを選択的に開口する(かつ、その他のラインを選択的に閉鎖する)ように構成される(溶出物)出力バルブ66を任意に含み得る。例えば、出力バルブ66は、ライン62aを選択的に開口し、溶出物出力ライン62を溶離液生成モジュール64に接続し得、一方で、ライン62b及び62cを選択的に閉鎖する。代わりに、出力バルブ66は、ライン62bを選択的に開口し、出力ライン62を廃棄物(排水管)68に接続し得、一方で、ライン62a及び62cを選択的に閉鎖する。さらに、出力バルブ66は、ライン62cを選択的に開口し、出力ライン62を溶出物(精製水/移動相)収容部材63に接続し得、一方で、ライン62a及び62bを選択的に閉鎖する。例示的操作において、溶出物出力ライン62を介して検体濃縮器アセンブリ56から排出する(検体を実質的に含まない)試料溶出物は、ライン62aを介して溶離液生成モジュール64へ、またはライン62cを介して収容部材63へ選択的に経路付けされ得る。収容部材63内に収容される溶出物は、ライン62dを介して溶離液生成モジュール64へ経路付けされ得る。いくつかの実施形態において、収容部材63に収容される溶出物は、希釈剤として収容される溶出物を使用して検体イオンを含まない標準物質を作製する(生成する)(その作製は、容積に関してオフラインまたは流れを介してインラインのいずれかで行われ得る)などの多様な他の適用において有益であり得る。同様に、検体濃縮器アセンブリ56から(例えば、溶出物出力ライン62を介して)排出する任意の洗浄液溶出物(例えば、検体を実質的に含まない洗浄液溶出物)は、(例えば、追加の検体を実質的に含まない溶離液を生成するため、及び/または溶離液生成モジュール64を洗浄するために)ライン62aを介して溶離液生成モジュール64へ、またはライン62cを介して収容部材63へ選択的に経路付けされ得る。代わりに、溶出物出力ライン62を介して検体濃縮器アセンブリ56から排出する洗浄液溶出物は、ライン62bを介して廃棄物68へ選択的に経路付けされ得る。
【0039】
溶離液ライン70もまた、任意のライン70a及び70bのうちの1つを選択的に開口する(かつ、その他のラインを選択的に閉鎖する)ように構成されるバルブ72(例えば、溶離液バルブ)を任意に含み得る。例えば、バルブ72は、ライン70aを選択的に開口し、入力ライン70を検体濃縮器アセンブリ56に接続し得、一方で、ライン70bを選択的に閉鎖する。代わりに、出力バルブ72は、ライン70bを選択的に開口し、溶離液ライン70を任意の収容部材74に接続し得、一方で、ライン70aを選択的に閉鎖する。例示的操作において、検体を実質的に含まない溶離液は、溶離液ライン70を介して溶離液生成モジュール64から排出し得、ライン70bを介して任意の収容部74へ選択的に経路付けされ得る。
【0040】
収容部74は、いくつかの実施形態において、容器を備え得る。したがって、後で使用するために、検体を実質的に含まない溶離液は、容器内に収容され得る。例えば、ライン70cは、収容部74を検体濃縮器アセンブリ56に接続する。したがって、検体を実質的に含まない溶離液は、収容部74から検体濃縮器アセンブリ56へ排出し、保持されている検体を溶離し得る。収容部74は、システム50の構成における潜在的な問題を克服し得る。特に、検体濃縮器アセンブリ56は、いくつかの実施形態及び/または適用(例えば、特定の実行または試験中)において、溶離液が溶離液生成モジュール64から放出される時点で溶離液を受容する準備(例えば、十分に洗浄されるなど)がされない場合がある。したがって、収容部74は、溶離液を中に導入する前に検体濃縮器アセンブリ56を(完全に)準備するのに必要な時間を提供するのに十分な遅延を提供し得る。
【0041】
代わりに、溶離液ライン70は、溶離液を検体濃縮器アセンブリ56へ送達することにおける十分な遅延を提供するように構成され得る。例えば、当該技術分野で既知であるように、溶離液ライン70は、試料ループを含み得る。試料ループは、検体濃縮器アセンブリ56に(例えば、流体的に)接続され得、試料の既知の容積を濃縮器カラムの中へ正確に充填するために使用され得、かつ/または上で記載された遅延を提供し得る。そのような遅延は、(検体濃縮器アセンブリ56を通して)検体試料52の処理を完了するために必要であり得、かつ/または別個の収容部74及び/またはバルブ72を潜在的に不要とし得る。代わりに、検体を実質的に含まない溶離液は、溶離液ライン70を介して溶離液生成モジュール64から排出し得、ライン70aを介して検体濃縮器アセンブリ56へ選択的に経路付けされ、保持されている検体を溶離し得る。
【0042】
出力ライン76もまた、任意のライン76a及び76bのうちの1つを選択的に開口する(かつ、その他のラインを選択的に閉鎖する)ように構成されるバルブ80(例えば、溶離された検体バルブ)を任意に含み得る。例えば、バルブ80は、ライン76aを選択的に開口し、出力ライン76を検体検出モジュール78に接続し得、一方で、ライン76bを選択的に閉鎖する。代わりに、出力バルブ80は、ライン76bを選択的に開口し、出力ライン76を廃棄物68に接続し得、一方で、ライン76aを選択的に閉鎖する。例示的操作において、溶離された検体は、出力ライン76を介して検体濃縮器アセンブリ56から排出し得、ライン76aを介して検体検出モジュール78へ選択的に経路付けされ得る。一方で、システム50を流動する洗浄液は、出力ライン76を介して検体濃縮器アセンブリ56から排出し得、ライン76bを介して廃棄物68へ選択的に経路付けされ得る。
【0043】
出力ライン82もまた、任意のライン82a及び82bのうちの1つを選択的に開口する(かつ、その他のラインを選択的に閉鎖する)ように構成される出力バルブ84を任意に含み得る。例えば、バルブ84は、ライン82aを選択的に開口し、出力ライン82を廃棄物68に接続し得、一方で、ライン82bを選択的に閉鎖する。代わりに、出力バルブ84は、ライン82bを選択的に開口し、出力ライン82を検体検出モジュール78に接続し得、一方で、ライン82aを選択的に閉鎖する。例示的操作において、流体試料は、(その1つ以上の構成要素を再生成するために)ライン82bを通して、再度検体検出モジュール78の少なくとも一部の中へ再循環され得る。
【0044】
再循環された試料は、検体検出モジュール78から出力ライン86を介して放出され得る。出力ライン86もまた、任意のライン86a及び86bのうちの1つを選択的に開口する(かつ、その他のラインを選択的に閉鎖する)ように構成される出力バルブ88を任意に含み得る。例えば、バルブ88は、ライン86aを選択的に開口し、出力ライン86を廃棄物68に接続し得、一方で、ライン86bを選択的に閉鎖する。代わりに、出力バルブ88は、ライン86bを選択的に開口し、出力ライン86を溶離生成モジュール64に接続し得、一方で、ライン86aを選択的に閉鎖する。例示的操作において、流体試料は、(その1つ以上の構成要素を再生成するために)溶離生成モジュール64の少なくとも一部の中へ再循環され得る。
【0045】
当業者は、システム50の異なる実施形態が、上で記載され、かつ/または図2において例示される構成要素の異なる組み合わせを含み得ることを理解するであろう。したがって、1つ以上の特有の実施形態に従うシステム50は、上で記載され、かつ/または図2において例示されるありとあらゆる構成要素を含む必要はない。同様に、本明細書において記載される多様な方法は、1つ以上の流体試料に、システム50またはその1つ以上の構成要素を通すことを含み得る。したがって、そのような方法(または他の方法)は、上で記載され、かつ/または図2において例示されるありとあらゆるステップを含む必要はない。
【0046】
さらに、システム50の様々な構成要素及び/またはそれを含む方法(または他の方法)は、以下でさらに詳細に論じられる。そのような構成要素及び/または方法ステップは、単に例示的であり、様々な実施形態は、記載されかつ/または例示される構成要素及び/または方法ステップよりも多くまたは少なく含み得ることが同様に理解されるであろう。
【0047】
図3は、例示的システム50において有益なより特有の例示的検体濃縮器アセンブリ56aを描写する(例えば、そのアセンブリは、検体濃縮器アセンブリ56として使用し得る-例えば、図2参照)。図3において描写されるように、検体濃縮器アセンブリ56aは、入口開口92及び出口開口94を有する検体濃縮器90を備える。代わりに、検体濃縮器90は、複数の入口開口92及び/または複数の出口開口94を有し得る。検体濃縮器アセンブリ56aは、(図2において同様に例示されるように)任意の入口バルブ96をさらに備え、検体濃縮器90の入口開口92を(検体試料)入力ライン54及び/または(溶離された検体試料)出力ライン76に選択的に連結する。加えて、検体濃縮器アセンブリ56aは、(図2において同様に例示されるように)任意の出口バルブ98を備え、検体濃縮器90の出口開口94を(溶出物)出力ライン62及び/または(溶離液)入力ライン70に選択的に連結する。したがって、特定の実施形態において、検体濃縮器90は、単一の入口開口92及び/または単一の出口開口94のみ必要とし得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、検体濃縮器90は、(例えば、当該技術分野で既知であるように)濃縮器カラムを備え得る。そのような濃縮器カラムは、濃縮器カラム90の第1の端90bから濃縮器カラム90の対向する第2の端90cへ延在し、少なくとも部分的に内部空洞90dと境界をつける包囲側壁90aを有し得、かつ/または備え得る。そのような濃縮器カラム90はまた、第1の端90bに配置され、かつ内部空洞90dと流体連通する入口開口92、及び第2の端90cに配置され、かつ内部空洞90dと流体連通する出口開口94も有し得、かつ/または備え得る。
【0049】
特有の構成要素及び/または構成に関わらず、検体濃縮器アセンブリ56aは、少なくとも1つの検体保持機構91を有し得、かつ/または含み得る。例えば、検体濃縮器カラム90は、例示的に、イオン交換系濃縮器カラムであり得、かつ/またはイオン交換系濃縮器カラムを備え得る。そのようなイオン交換濃縮器カラム90は、内部空洞90d内に配置される検体保持機構91を有し得、かつ/または含み得る。少なくとも1つの実施形態において、検体保持機構91は、イオン交換クロマトグラフィー材料(例えば、樹脂、ポリマー基質、アガロース、ビーズ、及び/または他の適切なクロマトグラフィー材料)を備え得る。材料が、その中(例えば、その内部空洞90d内)に配置され、かつ/または保持されるように、典型的なイオン交換濃縮器カラム90は、クロマトグラフィー材料と共に充填される。そのような材料は、正味電荷を(例えば、1つ以上の(特有の)pH溶液内で)担持するように構成され得る。正味電荷に帯電したクロマトグラフィー材料と荷電された検体分子との間の静電的相互作用は、クロマトグラフィー材料に検体分子を保持させることができる(例えば、検体分子に結合する)。溶液内の塩及び/または酸濃度は、関心の対象となる特定の種類の分子を結合または放出させるようにクロマトグラフィー材料を操作するために使用され得る。
【0050】
したがって、イオン交換系濃縮器カラム90は、その1つ以上のイオン及び/または電荷に関連する特徴(例えば、特定のpHの溶液内のイオン状態)に基づく1つ以上の分子構成要素(複数可)を保持するように構成され得る。特に、いくつかの(陰イオン性)濃縮器カラム90は、正に荷電されたクロマトグラフィー材料を用いて特定の負に荷電された(陰イオン性)分子を保持するように構成され得る。したがって、流体試料内に配置される1つ以上の陰イオン検体は、カラム内に保持され得、一方で、流体試料溶出物は、カラムから放出される。代わりに、いくつかの(陽イオン性)濃縮器カラムは、負に荷電されたクロマトグラフィー材料を用いて特定の正に荷電された(陽イオン性)分子を保持するように構成され得る。したがって、流体試料内に配置される1つ以上の陽イオン性検体は、カラム90内に保持され得、一方で、流体試料溶出物は、カラムから放出される。他の種類の濃縮器カラム90もまた、当該技術分野で既知であり、本明細書において企図される。
【0051】
実際、非常に様々な検体濃縮器アセンブリ56a及び/または検体濃縮器90は、特有の化学的及び/または構造的特性に基づく1つ以上の分子構成要素(複数可)を保持するように構成され得る。それぞれは、1つ以上の関心の対象となる検体分子を保持するように特に構成される検体保持機構(複数可)91を含み得、一方で、試料溶出物が放出されることを可能にする。したがって、多様な検体保持機構91は、当該技術分野で既知であり、本明細書において企図される。
【0052】
当業者は、検体濃縮器90がまた、図3において描写されるように、好ましくは向流溶離のために構成され得ることを理解するであろう。特に、(溶離液)入力ライン70は、((溶出物)出力ライン62に類似する及び/または隣接する)出口開口94を介して検体濃縮器90に(選択的に、流体的に)接続され、(溶離された検体試料)出力ライン76は、入口開口92を介して検体濃縮器90に(選択的に、流体的に)接続される。したがって、以下でさらに詳細に論じられるように、検体試料52(例えば、図2参照)は、第1の流体方向93a(例えば、入口開口92から出口開口94に向かって)で検体濃縮器90に導入され、検体濃縮器90を流動し得、一方で、溶離され、濃縮された検体試料は、第2の流体方向93b(例えば、出口開口94から入口開口92に向かって)で検体濃縮器90から溶離され、放出され得る。代替の実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、一定の電流操作のために構成され得る。
【0053】
少なくとも1つの実施形態において、(ポート94を介して、かつ/またはその中に保持される検体を溶離するために)検体濃縮器90に導入された溶離液の容積は、特有の実行または試験中に(入口92を介して)検体濃縮器アセンブリ56a及び/またはその検体濃縮器90に導入された最初の検体試料52の容積よりも実質的に小さい可能性がある。したがって、溶離された検体試料は、最初の検体試料と比較して著しく濃縮され得る。例えば、溶離された検体試料は、最初の検体試料と比較して、少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、10,000倍、100,000倍、それらまで、それらより大きい、おおよそそれら、もしくはそれらの間、またはより濃縮され得る。いくつかの実施形態において、例えば、検体濃縮器90(またはその検体保持機構91)は、入口開口92に隣接する検体分子を最初に保持し得る。したがって、保持される検体は、最初の検体試料の全容積よりも著しく少ない溶離液容積で、検体濃縮器90から溶離し得る。したがって、いくつかの実施形態において、溶離された検体試料は、濃縮され、溶離された検体試料であり得るか、またはその試料を含み得る。
【0054】
1つ以上の実施形態において、検体濃縮器アセンブリもまた、1つ以上のマルチポート(マスタ)流体バルブを含み得る。そのような流体バルブは、システム50(例えば、図2参照)及び/またはその濃縮器カラムを通して流体流動を調和し得る。いくつかの実施形態において、例えば、マルチポート(マスタ)流体バルブは、濃縮器カラム(図3において例示される濃縮器カラム90など)を出入りする流体流動を調和し、かつ/またはより多くの任意のバルブ66、72、80、84、及び88の必要性を明らかにし得る。
【0055】
図4A及び4Bは、第1のバルブ構成バルブ構成(図4A)及び第2のバルブ構成(図4B)において、濃縮器カラム90及び例示的マルチポート(マスタ)流体バルブ100を備える検体濃縮器アセンブリ56bを模式的に例示する。流体バルブ100もまた、本開示の他の実施形態において有益であり得る。図4A及び図4Bにおいて例示されるように、流体バルブ100は、6つの選択的に接続可能なポート102を備え、(複数のポートの異なる組み合わせを選択的に接続するために)第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間で選択的に構成可能である。6つ未満または6つよりも多いポートを有する流体バルブもまた、本明細書において企図される。
【0056】
第1及び第2のバルブ構成(図4A及び4Bそれぞれに例示される)の両方において、検体濃縮器90の入口開口92は、濃縮器入口ポート102aと流体連結される。同様に、検体濃縮器90の出口開口94は、濃縮器出口ポート102dと流体連結される。以下でさらに詳細に論じられるように、濃縮器入口ポート102aと隣接するポート102b及び102fとの間の選択的流体連通が、第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間でそれぞれに交互に繰り返す。したがって、入口開口92は、ポート102b及びポート102fと選択的に流体接続可能である。同様に、濃縮器出口ポート102dと隣接するポート102c及び102eとの間の選択的流体連通は、第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間でそれぞれに交互に繰り返す。したがって、出口開口94は、ポート102c及びポート102eと選択的に流体接続可能である。
【0057】
図4Aにおいて描写されるように、第1のバルブ構成において、検体入力ライン54は、第1の流体入口ポート102bに接続され、そのポートは、(第1のバルブ構成において)流体バルブ100の第1の流体路を通して濃縮器入口ポート102aに流体連通している。したがって、検体濃縮器90の入口開口92が、濃縮器入口ポート102aに流体連通しているために、第1のバルブ構成において、検体入力ライン54は、検体濃縮器90に流体連結している。
【0058】
同様に、第1のバルブ構成において、溶出物出力ライン62は、第1の流体出口ポート102cに接続され、そのポートは、(第1のバルブ構成において)流体バルブ100の第1の流体路を通して濃縮器出口ポート102dに流体連通している。したがって、検体濃縮器90の出口開口94が、濃縮器出口ポート102dに流体連結しているために、第1のバルブ構成において、溶出物出力ライン62は、検体濃縮器90に流体連通している。
【0059】
動作中、第1のバルブ構成において、検体入力ライン54を通過する検体試料52(例えば、図2参照)を、第1の流体入口ポート102bで流体バルブ100に導入し、流体バルブ100の第1の内部流体バルブ流路内で濃縮器入口ポート102aへ(流体的に)通し、次いで、濃縮器入口ポート102aを通して流体バルブ100から出し、任意のバルブライン100aを介し、入口開口92を介して検体濃縮器90の中へ(流体的に)通す。上で記載されたように、検体試料(52)内に配置される検体分子は、1つ以上の検体保持機構(91)によって、検体濃縮器90内に保持される。検体を実質的に含まない試料溶出物(すなわち、保持されていない流体試料及び/またはフロースルー)は、出口開口94を介して検体濃縮器90から(流体的に)排出する。溶出物は、次いで濃縮器出口ポート102dで、任意のバルブライン100bを介して流体バルブ100に導入する。溶出物は、その後、流体バルブ100の第1の内部流体バルブ流路内で第1の流体出口ポート102cへ(流体的に)通し、そして流体出口ポート102cを通して流体バルブ100から出て、溶出物出力ライン62を通して(例えば、図2において描写されるように、溶離液生成モジュール64へ)(流体的に)通過する。
【0060】
第1のバルブ構成において、第1の内部流体流路もまた、第2の流体入口ポート102eと第2の流体出口ポート102fとの間に流体接続を含む。したがって、溶離液ライン70を通過する流体は、第2の流体入口ポート102eで流体バルブ100に導入する。流体は、次いで、流体バルブ100の第1の内部流体流路内で第2の流体出口ポート102fへ(流体的に)通し、その後、第2の流体出口ポート102fを通して流体バルブ100から出て、出力ライン76を通して(例えば、図2において描写されるように、廃棄物68または検体検出モジュール78へ)(流体的に)通過する。したがって、ポート102eを介して流体バルブ100へ送達された流体は、(第1のバルブ構成において)検体濃縮器90を迂回し、出力ライン76へ直接通る。
【0061】
しかしながら、図4Bにおいて例示されるように、第2のバルブ構成において、溶離液ライン70(またはその副ライン)を通過する(検体を実質的に含まない溶離液)流体が、第2の流体入口ポート102eを介して流体バルブ100に導入され、その入口ポートは、ポート102d及びバルブライン100bを介して検体濃縮器90の開口94に流体連通している。したがって、検体を実質的に含まない溶離液は、ポート102dを介して流体バルブ100から出て、(検体濃縮器90への検体試料52の流動と逆の方向で(すなわち、向流方向で))バルブライン100bを介して検体濃縮器90に導入される。上で示されるように、検体を実質的に含まない溶離液は、検体濃縮器90内に(またはその検体保持機構91によって)保持されている検体分子を溶離するように化学的に構成され得る。
【0062】
(濃縮された)溶離された検体試料は、開口92を介して検体濃縮器90から出て、バルブライン100aによって、ポート102aで流体バルブ100に導入する。濃縮され、溶離された検体試料は、次いで、(第2のバルブ構成において)流体バルブ100の第2の内部流体流路を介して第2の流体出口ポート102fへ通し、その後、第2の流体出口ポート102fを通して流体バルブ100から出て、出力ライン76を通して(例えば、図2において描写されるように、検体検出モジュール78へ)(流体的に)通過する。
【0063】
さらに、第2のバルブ構成において、ライン54を通過する流体は、第1の流体入口ポート102bを介して流体バルブ100へ入り、第2の内部流体バルブ流路及び第1の流体出口ポート102c、ならびにそれと共に流体連結されるライン62を介して流体バルブ100から直接排出する。
【0064】
図5A及び図5Bは、第1のシステム構成(図5A)及び第2のシステム構成(図5B)における検体濃縮器システム50aのフロー図をそれぞれ描写する。検体濃縮器システム50aと検体濃縮器システム50との間の同様の要素が、同様の参照番号を用いて特定される。検体濃縮器システム50aは、以下の(または他の)説明され、かつ/または描写された1つ以上の相違を用いて、検体濃縮器システム50(例えば、図2参照)と実質的に類似して構成され得る。特に、検体濃縮器システム50aは、第1の濃縮器カラム90a及び第2の濃縮器カラム90bを備える検体濃縮器アセンブリ56cを含み得る。
【0065】
図5Aにおいて描写されるように、第1のシステム構成において、検体試料52は、(検体)入力ライン54を介して検体濃縮器アセンブリ56cの濃縮器カラム90aに導入される。検体試料52内に含有され、かつ/または配置される1つ以上の関心の対象となる検体分子(複数可)の少なくとも一部は、濃縮器カラム90a内に保持され、一方で、そこから検体試料溶出物が放出される。濃縮器カラム90aから放出される流体試料溶出物は、出力ライン62を介して、検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90aから(例えば、検体を実質的に含まない溶出物を使用して、検体を実質的に含まない溶離液を生成し得る)溶離液生成モジュール64へ(例えば、流体的に)経路付けされる。(検体試料溶出物のまたは検体試料溶出物から)溶離液生成モジュール64内で生成された溶離液を、同様に(溶離液)入力ライン70を介して、溶離液生成モジュール64から検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90bへ(例えば、流体的に)経路付けし得、そこで、(図5Bに関して、以下でさらに詳細に記載されるように)溶離液を使用して、濃縮器カラム90b内に保持されている検体を溶離し得る。
【0066】
濃縮器カラム90bから溶離された検体は、(検体)出力ライン76を介して、検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90bから検体検出モジュール78へ(例えば、流体的に)経路付けられ、そこで、検体は分析され得る。検体検出モジュール78に通過した後、流体試料は、出力ライン82を介して放出され得る。
【0067】
上で示されるように、洗浄液もまた、別個の洗浄液入力ライン(図示せず)を介して検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90aに(任意に)導入され得る。代わりに、洗浄液は、入力ライン54を介して導入され得る。洗浄液溶出物もまた、検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90aから出力ライン62を介して放出され得る。代わりに、洗浄液溶出物は、別個の洗浄液出力ライン(図示せず)を介して放出され得る。
【0068】
1つ以上の前述のバルブもまた、システム50aに組み込まれ、図5A及び図5Bにおいて描写されるように、システム50aを通して流体試料の流動を変化させ得る。前述するように、分析された流体試料の再循環が、同様に生じ得る。少なくとも1つの実施形態において、廃棄物ライン89は、再循環された流体または他の流体を溶離液生成モジュール64から廃棄物68へ運搬し得る。加えて、1つ以上の実施形態において、流体試料収容要素(図2において描写される収容部74など)は、システム50aを効率的に操作するために必要とされない。特に、濃縮器カラム90aの溶出物から生成された溶離液が、濃縮器カラム90bに導入され、その濃縮器カラムの中にすでに配置され、かつ/または保持されている検体を溶離するために、遅延は必ずしも必要ではない。前記検体は、以下のように濃縮器カラム90b内に保持される。
【0069】
図5Bにおいて描写されるように、第2のシステム構成において、検体試料52は、(検体)入力ライン54を介して検体濃縮器アセンブリ56cの濃縮器カラム90bに導入される。検体試料52内に含有され、かつ/または配置される1つ以上の関心の対象となる検体分子(複数可)の少なくとも一部は、濃縮器カラム90b内に保持され、一方で、そこから検体試料溶出物が放出される。濃縮器カラム90bから放出される流体試料溶出物は、出力ライン62を介して、検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90bから(例えば、検体を実質的に含まない溶出物を使用して、検体を実質的に含まない溶離液を生成し得る)溶離液生成モジュール64へ(例えば、流体的に)経路付けされる。(検体試料溶出物のまたは検体試料溶出物から)溶離液生成モジュール64内で生成された溶離液を、同様に(溶離液)入力ライン70を介して、溶離液生成モジュール64から検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90aへ(例えば、流体的に)経路付けし得、そこで、(図5Aに関して上で記載されたように)溶離液を使用して、濃縮器カラム90a内に保持されている検体を溶離し得る。
【0070】
濃縮器カラム90aから溶離された検体は、(検体)出力ライン76を介して、検体濃縮器アセンブリ56c及び/またはその濃縮器カラム90aから検体検出モジュール78へ(例えば、流体的に)経路付けられ、そこで、検体は分析され得る。検体検出モジュール78に通過した後、流体試料を、出力ライン82を介して放出し得る。
【0071】
上で示されるように、濃縮器カラム90bの溶出物から生成された溶離液が、濃縮器カラム90aに導入され、その濃縮器カラムの中にすでに配置され、かつ/または保持されている検体を溶離するために、遅延は操作しているシステム50aにおいて必ずしも必要ではない。
【0072】
当業者は、システム50aの異なる実施形態が、上で記載され、かつ/または図5A及び図5Bにおいて例示される構成要素の異なる組み合わせを含み得ることを再度理解するであろう。したがって、1つ以上の特有の実施形態に従うシステム50aは、上で記載され、かつ/または図5A及び図5Bにおいて例示されるありとあらゆる構成要素を含む必要はない。同様に、システム50aに関して上で記載された方法は、1つ以上の流体試に、その1つ以上の構成要素を通すことを含み得る。したがって、そのような方法(または他の方法)は、上で記載され、かつ/または図5A及び図5Bにおいて例示されるありとあらゆるステップを含む必要はない。
【0073】
上で示されるように、検体濃縮器アセンブリもまた、1つ以上のマルチポート(マスタ)流体バルブを含み得る。図6A及び図6Bは、第1のバルブ構成(図6A)及び第2のバルブ構成(図6B)において、第1の濃縮器カラム90a、第2の濃縮器カラム90b、及び例示的マルチポート(マスタ)流体バルブ101を備える検体濃縮器アセンブリ56dを模式的に例示する。流体バルブ100もまた、本開示の他の実施形態において有益であり得る。図6A及び図6Bにおいて例示されるように、流体バルブ101は、10個の選択的に接続可能なポート103を備え、(複数のポートの異なる組み合わせを選択的に接続するために)第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間で選択的に構成可能である。10個未満または10個よりも多いポートを有する流体バルブもまた、本明細書において企図される。
【0074】
第1及び第2のバルブ構成(図6A及び図6Bそれぞれに例示される)の両方において、第1の検体濃縮器90aの入口開口92aは、第1の濃縮器入口ポート103bと流体連結される。同様に、第1の検体濃縮器90aの出口開口94aは、第1の濃縮器出口ポート103eと流体連結される。同様に、第2の検体濃縮器90bの入口開口92bは、第2の濃縮器入口ポート103jと流体連結され、第2の検体濃縮器90bの出口開口94bは、第2の濃縮器出口ポート103gと流体連結される。
【0075】
以下でさらに詳細に論じられるように、第1の濃縮器入口ポート103bと隣接するポート103a及び103cとの間の選択的流体連通が、第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間でそれぞれに交互に繰り返す。したがって、第1の検体濃縮器90aの入口開口92aは、ポート103a及びポート103cと選択的に流体接続可能である。同様に、第1の濃縮器出口ポート103eと隣接するポート103f及び103dとの間の選択的流体連通は、第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間でそれぞれに交互に繰り返す。したがって、出口開口94aは、ポート103f及びポート103dと選択的に流体接続可能である。
【0076】
さらに、第2の濃縮器入口ポート103jと隣接するポート103i及び103aとの間の選択的流体連通は、第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間でそれぞれに交互に繰り返す。したがって、第2の検体濃縮器90bの入口開口92bは、ポート103i及びポート103aと選択的に流体接続可能である。同様に、第2の濃縮器出口ポート103gと隣接するポート103h及び103fとの間の選択的流体連通は、第1のバルブ構成と第2のバルブ構成との間でそれぞれに交互に繰り返す。したがって、出口開口94bは、ポート103h及びポート103fと選択的に流体接続可能である。
【0077】
図6Aにおいて描写されるように、第1のバルブ構成において、検体入力ライン54は、第1の流体入口ポート103aに接続され、そのポートは、(第1のバルブ構成において)流体バルブ101の第1の内部流体路を通して第1の濃縮器入口ポート103bに流体連通している。したがって、第1の検体濃縮器90aの入口開口92aが、濃縮器入口ポート103bに流体連通しているために、第1のバルブ構成において、検体入力ライン54は、第1の検体濃縮器90aに流体連結している。
【0078】
同様に、第1のバルブ構成において、溶出物出力ライン62は、第1の流体出口ポート103fに接続され、そのポートは、(第1のバルブ構成において)流体バルブ101の第1の内部流体路を通して第1の濃縮器出口ポート103eに流体連通している。したがって、第1の検体濃縮器90aの出口開口94aが、濃縮器出口ポート103eに流体連通しているために、第1のバルブ構成において、溶出物出力ライン62は、第1の検体濃縮器90aに流体連通している。
【0079】
さらに、第1のバルブ構成において、(溶離液)入力ライン70は、第2の流体入口ポート103hに接続され、そのポートは、(第1のバルブ構成において)流体バルブ101の第1の内部流体路を通して第2の濃縮器出口ポート103gに流体連通している。したがって、第2の検体濃縮器90bの出口開口94bが、第2の濃縮器出口ポート103gに流体連結しているために、第1のバルブ構成において、(溶離液)入力ライン70は、第2の検体濃縮器90bに流体連通している。
【0080】
同様に、第1のバルブ構成において、(溶離された検体試料)出力ライン76は、第2の流体出口ポート103cに接続され、そのポートは、(第1のバルブ構成において)流体バルブ101の第1の内部流体路を通してコネクタポート103d、103iに流体連通している。コネクタポート103d、103iは、次に、(第1のバルブ構成において)流体バルブ101の第1の内部流体路を通して第2の濃縮器入口ポート103jに流体連通している。したがって、第2の検体濃縮器90bの入口開口92bが、濃縮器入口ポート103jに流体連通しているために、第1のバルブ構成において、出力ライン76は、第2の検体濃縮器90bに流体連通している。
【0081】
第1のバルブ構成における動作中、検体入力ライン54を通過する検体試料(52)を、第1の流体入口ポート103aで流体バルブ101に導入し、流体バルブ101の第1の内部流体バルブ流路内で第1の濃縮器入口ポート103bへ(流体的に)通し、次いで、第1の濃縮器入口 ポート103bを通して流体バルブ101から出し、任意のバルブライン101aを介し、入口開口92aを介して検体濃縮器90aの中へ(流体的に)通す。上で記載されたように、検体試料(52)内に配置される検体分子は、1つ以上の検体保持機構(91)によって、検体濃縮器90a内に保持される。検体を実質的に含まない試料溶出物(すなわち、保持されていない流体試料及び/またはフロースルー)は、出口開口94aを介して第1の検体濃縮器90aから(流体的に)排出する。溶出物は、次いで第1の濃縮器出口ポート103eで、任意のバルブライン101bによって流体バルブ101に導入する。溶出物は、その後、流体バルブ101の第1の内部流体バルブ流路内で第1の流体出口ポート103fへ(流体的に)通し、そして流体出口ポート103fを通して流体バルブ101から出て、溶出物出力ライン62を通して(例えば、図2において描写されるように、溶離液生成モジュール64へ)(流体的に)通過する。当業者は、任意の洗浄液もまた、入力ライン54を通して導入され得ることを理解するであろう。
【0082】
第1のバルブ構成において継続すると、溶離液ライン70を通過する流体溶離液(例えば、第1の濃縮器カラム90aの及び/またはから検体を実質的に含まない溶出物の及び/またはから溶離液生成モジュール内で生成された検体を実質的に含まない溶離液)は、第2の流体入口ポート103hで流体バルブ101に導入される。溶離液は、次いで、(第1のバルブ構成において)流体バルブ101の第1の内部流体流路内で第2の流体出口ポート103gへ(流体的に)通し、その後、第2の流体出口ポート103gを通して流体バルブ101から出し、任意のバルブライン101cを通して、濃縮器カラム90bの開口94bへ(流体的に)通す。溶離液は、(図6Bに関して、以下で記載されるように)その中に保持されている1つ以上の関心の対象となる検体分子の少なくとも一部を溶離し、その検体分子が、カラム90bから開口92bを通して放出される。溶離された検体は、ポート103jで流体バルブ101に導入される。流体バルブ101の第1の内部流体流路もまた、ポート103j、103i、103d、及び103cとの間で流体接続を含む。したがって、(第1のバルブ構成において)ポート103jを介して流体バルブ101に導入される溶離された検体試料は、ポート103cへ直接通し、出力ライン76を介して流体バルブ101から排出する。
【0083】
しかしながら、図6Bにおいて例示されるように、第2のバルブ構成において、検体入力ライン54を通過し、第1の流体入口ポート103aで流体バルブ101に導入された検体試料(52)は、流体バルブ101の第2の内部流体バルブ流路内で第2の濃縮器入口ポート103jへ(流体的に)通し、次いで、第2の濃縮器入口ポート103jを通して流体バルブ101から出し、任意のバルブライン101dを介し、入口開口92bを介して検体濃縮器90bの中へ(流体的に)通す。上で記載されたように、検体試料(52)内に配置される検体分子は、1つ以上の検体保持機構(91)によって、検体濃縮器90b内に保持される。検体を実質的に含まない試料溶出物(すなわち、保持されていない流体試料及び/またはフロースルー)は、出口開口94bを介して第2の検体濃縮器90bから(流体的に)排出する。溶出物は、次いで第2の濃縮器出口ポート103gで、任意のバルブライン101cによって流体バルブ101に導入する。溶出物は、その後、(第2のバルブ構成において)流体バルブ101の第2の内部流体バルブ流路内で第1の流体出口ポート103fへ(流体的に)通し、そして流体出口ポート103fを通して流体バルブ101から出て、溶出物出力ライン62を通して(例えば、図2において描写されるように、溶離液生成モジュール64へ)(流体的に)通過する。
【0084】
第2のバルブ構成において継続すると、溶離液ライン70を通過する流体溶離液(例えば、第2の濃縮器カラム90bの及び/またはから検体を実質的に含まない溶出物の及び/またはから溶離液生成モジュール内で生成された検体を実質的に含まない溶離液)は、第2の流体入口ポート103hで流体バルブ101に導入され、その流体バルブは、ポート103i、103d、及び103e、ならびに任意のバルブライン101bを介して第1の検体濃縮器90aの開口94aに流体連通している。したがって、検体を実質的に含まない溶離液は、ポート103eを介して流体バルブ101から出て、(図6Aに関して上で記載されたように、検体濃縮器90aへの検体試料(52)の流動と逆の方向で(すなわち、向流方向で))検体濃縮器90aに導入される。検体を実質的に含まない溶離液は、検体濃縮器90a内に(またはその検体保持機構(91)によって)保持されている検体分子を溶離するように化学的に構成され得る。
【0085】
(濃縮された)溶離された検体試料は、開口92aを介して検体濃縮器90aから出て、ポート103bで流体バルブ101に導入する。濃縮され、溶離された検体試料は、次いで、(第2のバルブ構成において)流体バルブ101の第2の内部流体流路を介して第2の流体出口ポート103cへ通し、その後、第2の流体出口ポート103cを通して流体バルブ101から出て、出力ライン76を通して(例えば、図5Bにおいて描写されるように、検体検出モジュール78へ)(流体的に)通過する。
【0086】
図8において例示されるように、1つ以上の実施形態において、検体検出モジュール78は、クロマトグラフィー部材158、抑制部材160、導電率検出器170、及び/またはデータ管理部材180を備え得る。しかしながら、検体検出モジュール78は、上述の構成要素のそれぞれを含む必要がなく、かつ/または当該技術分野で既知であるように、追加の構成要素を含み得ることが理解されるであろう。例示的に、動作中、溶離され、濃縮された検体は、ライン76(またはその副ライン76a、図2参照)を介してクロマトグラフィー部材158の中へ通し得る。クロマトグラフィー部材158は、特定の実施形態においては、例えば陰イオン交換または陽イオン交換カラムなどのイオン交換(分離)カラムを備え得る。そのようなクロマトグラフィー(分離)カラムを使用して、検体濃縮器(カラム)90から溶離された(イオン)材料を分離し得る。
【0087】
溶離され、濃縮された(かつ任意に分離された)検体試料は、少なくとも1つの実施形態において、ライン112を介して、クロマトグラフィー部材158から検体検出モジュール78の抑制部材160へ通し得る。いくつかの実施形態において、抑制部材(すなわち、「抑制器」)を使用して、(例えば、検体試料が、導電率検出器170などの検出構成要素に導入される前に)溶離液の導電率を抑制し、(完全に)分離された検体の導電率を増加し得る。例示的には、抑制部材160は、当該技術分野で既知であるように、電解抑制器、溶離液抑制器、電解溶離液抑制器、電解的に再生された抑制器などであるか、またはそれらを含み得る。抑制部材160もまた、溶離液の導電率を抑制し、完全に分離された検体の導電率を増加するために機能し、かつ/または使用し得る。例えば、いくつかの実施形態において、抑制部材160は、流体試料内で溶離液の導電率を抑制し、流体試料内で完全に分離された検体の導電率を増加することに適切な抑制素子160aまたは他の機構を備え得る。
【0088】
溶離され、濃縮された検体もまた、少なくとも1つの実施形態において、ライン112aを介して抑制部材160から検体検出モジュール78の導電率検出器170の中へ通し得る。導電率検出器170は、流体試料の導電率を測定することに適切な導電率セル170aまたは他の機構を備え得る。
【0089】
いくつかの実施形態において、導電率検出器170は、(例えば、無線で、かつ/または物理的な(配線された)接続112cを介して)データ管理部材180と通信し得る。データ管理部材180は、特定の実施形態において、コンピュータ実行ソフトウェアプログラム180aを備え得る。ソフトウェアプログラムは、1つ以上の実施形態において、コンピュータ可読媒体180b上に収容される。したがって、データ管理部材180もまた、ソフトウェアプログラムを操作し、かつ/またはコンピュータ可読媒体を実行するように構成される(通常のまたは特別な目的用)コンピュータ180cを含み得る。
【0090】
加えて、ライン112bを再循環する流体は、抑制部材160と導電率検出器170との間で追加の接続を形成し得る。したがって、再循環モードにおいて、測定された試料は、抑制部材160の中へ再度導入されて、抑制部材160を再生し得る。試料は、次いで、上で記載されたように、ライン86を介して抑制部材160から出し得る。
【0091】
図7において例示されるように、溶離液生成モジュール64は、ポンプ120、溶離液生成構成要素130、トラップカラム140、及び/または脱ガス装置150を備え得る。動作中、検体濃縮器アセンブリ及び/またはその検体濃縮器カラムの、かつ/またはそこからの(放出された)検体を実質的に含まない溶出物は、任意のライン110aによって、溶出物ライン62及びポンプ120を介して溶離液生成構成要素130の中へ通す。ポンプ120は、1つ以上の実施形態において、高圧な非金属の流体ポンプであるか、またはそれを備え得る。
【0092】
溶離液生成構成要素130は、陽極130a、(陽極130aと実質的に反対側に配置された)陰極130b、及び陽極130aと陰極130bとの間に少なくとも部分的に配置された電解室130cを含み得る。電解室130cは、電解液リザーバ130d、溶離液生成室130e、及び/または(例えば、電解液リザーバ130dと溶離液生成室130eとの間に配置された)イオン交換コネクタ130fを含み得る。別の実施形態において、電極のうちの1つが、電解液リザーバ130d内に配置され、その他の電極は、溶離液生成室130e内に配置される。
【0093】
溶離液生成構成要素130内で生成された検体を実質的に含まない溶離液は、任意のライン110bを介して(例えば、あらゆる残留している混入物を溶離液内に封入するように、かつ/または溶離液をさらに精製するように構成される)任意のトラップカラム140へ通す。少なくとも1つの実施形態において、トラップカラム140は、当該技術分野で既知であるように、連続的に再生されたトラップカラム(CR-TC)であるか、またはそれを備え得る。
【0094】
検体を実質的に含まない溶離液は、次いで、任意のライン110cを介して脱ガス装置150の中へ任意に通す。少なくとも1つの実施形態において、脱ガス装置150は、溶離液内であらゆる電解ガスのうちの少なくともいくつかを除去するように構成されるガス透過膜150aを備え得る。
【0095】
検体を実質的に含まない溶離液は、次いで、上で記載されたように、(溶離液)ライン70によって、溶離液生成モジュール64から排出する。特定の実施形態において、再循環し、かつ/または再生する流体は、上で記載されたように、ライン86によって溶離液生成モジュール64及び/またはその構成要素(例えば、脱ガス装置150)へ入り得る。例えば、再循環し、かつ/または再生する流体は、上で記載されたように、溶離液内であらゆる電解ガスのうちの少なくともいくつかを除去するのに有用であり得る。流体もまた、トラップカラム140へ任意に経路付けし、カラムを再生し得る。流体もまた、溶離液生成モジュール64及び/またはその構成要素(例えば、トラップカラム140)からライン110dを介して(例えば、廃棄物の中へ)放出され得る。
【0096】
本明細書において記載される検体濃縮器システムは、1つ以上のクロマトグラフィー操作プラットフォームによって操作され得る。操作プラットフォームは、1つ以上の流体ポンプ、バルブ、ライン、及び/または制御ソフトウェアプログラムを含み得る。例えば、CHROMELEON(商標)クロマトグラフィーデータシステムは、他の種類の分析機器と共にクロマトグラフィープロセスを制御するために、Thermo Fisher Scientificによって市販されている。
【0097】
検体試料(検体試料52など)も本明細書において参照される。そのような検体試料は、例示的に、実質的に飲用(飲料)水などの流体を含み得る。試料は、(例えば、その中の検体(複数可)のレベル(複数可)を決定するために)1つ以上の関心の対象となる検体(または検体分子)の存在について分析される必要があり得る。例えば、飲料水は、第1種飲料水規則(NPDWRまたは一次標準)などの特有の(政府の)規格に遵守する必要があり得る。しかしながら、特定の検体の濃度は、検出の前に検体を濃縮することなく検出するのが困難であり得る。
【0098】
本明細書において記載されるものなどの検体濃縮器アセンブリは、特定のイオン性分子を保持するように構成されるイオン濃縮器カラムまたはイオン交換濃縮器カラムを含み得る。例えば、イオンがカラム内に保持されるように、1つ以上のイオン不純物を含有する飲料水試料は、濃縮器カラムに導入され得る。例証として、陰イオン交換濃縮器カラムは、流体試料内に含有され、かつ/または配置される特定の負に荷電された(陰イオン性)分子を保持するように構成され得る。したがって、1つ以上の陰イオン検体は、そのような濃縮器カラム内に保持され得、一方で、そこから放出された流体試料溶出物には、1つ以上の陰イオン検体が実質的に含まれない可能性がある。代わりに、濃縮器カラムは、流体試料内に含有され、かつ/または配置される特定の正に荷電された(陽イオン性)分子を保持するように構成される陽イオン濃縮器カラムを備え得る。したがって、1つ以上の陽イオン性検体は、そのような濃縮器カラム内に保持され得、一方で、そこから放出された流体試料溶出物には、1つ以上の陽イオン検体が実質的に含まれない可能性がある。
【0099】
例証として、そのような溶離を達成するために、溶離液(本明細書において記載されるように、検体を実質的に含まない溶出物の及び/またはから溶離液生成モジュール内で生成されたものなど)は、濃縮器カラムによって保持される可能性が検体よりも高い化学成分を含み得る。したがって、関心の対象となる検体分子は、溶離液の化学成分として放出され、代わりに保持される。
【0100】
溶離液は、溶離液溶液を混合することによって手動で、または溶離液生成器によって自動的に生成され得る。溶離液生成器は、入力流体を処理し、そこから溶離液を製造し得る。例えば、溶離液生成器は、検体を実質的に含まない溶出物を(例えば、その中に配置される分子を、保持されている検体(複数可)を濃縮器カラムから溶離することに適合された分子と交換することによって)処理し得る。
【0101】
したがって、本開示の様々な実施形態は、検体濃縮器アセンブリ及び/またはその検体濃縮器カラムの及び/またはから(放出された)検体を実質的に含まない溶出物の及び/またはから生成され、同じまたは異なる検体濃縮器アセンブリ及び/またはその検体濃縮器カラム内に保持されている検体(複数可)を溶離するために構成される検体を実質的に含まない溶離液を提供することによって、1つ以上の当該技術分野の前述の他の問題を克服するか、または解決する。検体試料溶出物もまた、特定の実施形態において、(保持されていない流体試料をシステムから洗浄するための)洗浄液として使用し得る。
【0102】
前述の詳細な説明は、特有の例示的実施形態を参照する。しかしながら、様々な修正及び変化が、本明細書において企図され、付加された特許請求に規定の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。さらに具体的に言うと、本開示における例証的である例示的実施形態は、より具体的に記載され、一方で、本開示は、前述の詳細な説明に基づいて、当業者によって理解されるように、これらの実施形態に限定されず、しかし、(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)修正、省略、組み合わせ、適合、及び/または変更を有するあらゆるかつ全ての実施形態を含む。特許請求における限定は、特許請求において使用された文体に基づいて広く解釈され、前述の詳細な説明において記載された実施例に限定されず、実施例は、非排他的なものとして解釈されたい。
【0103】
その上、本明細書において記載されるあらゆる方法またはプロセスにおいて列挙され、かつ/または特許請求において列挙されたあらゆるステップは、あらゆる順でも実行され得、さもなければ特許請求において(明確にまたは黙示的に)述べられない限り、特許請求内において提示される順に必ずしも限定されない。したがって、本発明の範囲は、上で示された説明及び実施例よりも、むしろ付加された特許請求及びそれらの合法的な同等のものによって専ら決定されるべきである。
【0104】
本発明の特定の実施形態の様々な特徴、部材、要素、部分、及び/または一部が、本発明の他の実施形態に適合し、かつ/もしくは組み合わされ、導入され、かつ/または組み込まれることができることも理解されるであろう。したがって、本発明の特有の実施形態と比較して、特定の特徴、部材、要素、部分、及び/または一部の開示は、特有の実施形態への前記特徴、部材、要素、部分、及び/または一部の限定する適用または包含として解釈されるべきではない。むしろ、他の実施形態がまた、本発明の範囲から必ずしも逸脱することなく、前記特徴、部材、要素、部分、及び/または一部を含み得ることが理解されるであろう。同様に、特定の実施形態は、本発明の範囲から必ずしも逸脱することなく、特有の実施例において開示されたものよりも少ない特徴を含み得る。
【0105】
加えて、本発明は、その主旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。記載された実施形態は、全ての点において、限定ではなく例証としてのみ解釈されるものとする。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価の意味及び範囲内に入る全ての変更が、特許請求の範囲内に包含されるものとする。以下の本発明の実施態様を記載する。
(実施態様1)検体を実質的に含まない溶離液を製造する方法であって、
検体濃縮器システム内で検体を含む流体試料を処理するステップであり、前記検体濃縮器システムが、前記検体の少なくとも一部を保持し、前記検体が実質的に含まれない流体試料の溶出物を放出する、処理するステップと、
放出された前記溶出物から溶離液を生成するステップであり、前記溶離液には、前記検体が実質的に含まれない、生成するステップと、
前記溶離液を用いて、前記検体濃縮器システムによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するステップ、または後に使用するために前記溶離液を貯蔵するステップと、を含む、方法。
(実施態様2)前記放出された溶出物から前記溶離液を生成する前記ステップが、前記放出された溶出物を溶離液生成モジュールの中へ通すステップを含み、前記溶離液生成モジュールが、前記放出された溶出物から前記溶離液を製造する、実施態様1に記載の方法。
(実施態様3)前記放出された溶出物を溶離液生成モジュールの中へ通すステップが、前記検体濃縮器システムと前記溶離液生成モジュールとの間に延びる流体継手を通して、前記放出された溶出物を通すステップを含む、実施態様2に記載の方法。
(実施態様4)前記溶離液を用いて、前記検体濃縮器システムによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記溶離液生成モジュールと前記検体濃縮器システムとの間に延びる流体継手を通して、前記溶離液生成モジュール内の前記溶離液を前記検体濃縮器システムの中へ通すステップをさらに含む、実施態様3に記載の方法。
(実施態様5)前記溶離液を用いて、前記検体濃縮器システムによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記溶離液を前記検体濃縮器システムの中へ通すステップをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
(実施態様6)検体検出モジュール内で前記検体の溶離された部分を分析するステップをさらに含む、実施態様5に記載の方法。
(実施態様7)前記検体検出モジュールが、前記検体濃縮器システムと流体連結され、
前記方法が、前記検体濃縮器システムと前記検体検出モジュールとの間に延びる流体継手を通して、前記検体の溶離された部分を通すステップをさらに含む、実施態様6に記載の方法。
(実施態様8)前記検体の溶離された部分を個々の構成要素または画分へ分離するために、前記検体濃縮器システムと流体連結されたクロマトグラフィー部材を通して、前記検体の溶離された部分を通すステップをさらに含む、実施態様7に記載の方法。
(実施態様9)前記検体濃縮器システムが、第1の検体濃縮器アセンブリと、第2の検体濃縮器アセンブリと、を備え、
前記検体濃縮器システム内で前記検体を含む流体試料を処理する前記ステップが、
前記第1の検体濃縮器アセンブリ内で、前記検体を含む流体試料の第1の部分を処理するステップであって、前記第1の検体濃縮器アセンブリが、前記検体の第1の部分を保持し、前記検体が実質的に含まれない第1の溶出物を放出する、処理するステップと、
前記第2の検体濃縮器アセンブリ内で、前記検体を含む流体試料の第2の部分を処理するステップであって、前記第2の検体濃縮器アセンブリが、前記検体の第2の部分を保持し、前記検体が実質的に含まれない第2の溶出物を放出する、処理するステップと、を含み、
前記放出された前記溶出物から溶離液を生成する前記ステップが、
前記検体が実質的に含まれない第1の溶離液を製造するために、前記第1の溶出物を処理するステップと、
前記検体が実質的に含まれない第2の溶離液を製造するために、前記第2の溶出物を処理するステップと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(実施態様10)前記第1の溶離液を用いて、前記第2の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記第1の溶離液を前記第2の検体濃縮器アセンブリへ移送するステップと、
前記第2の溶離液を用いて、前記第1の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するために、前記第2の溶離液を前記第1の検体濃縮器アセンブリへ移送するステップと、をさらに含む、実施態様9に記載の方法。
(実施態様11)前記第1の溶出物及び前記第2の溶出物の両方が、前記第1の検体濃縮器アセンブリ及び前記第2の検体濃縮器アセンブリと流体連結された共通の溶離液生成モジュール内で処理される、実施態様10に記載の方法。
(実施態様12)前記検体が、少なくとも1つの荷電分子または化合物を含み、
前記検体濃縮器システムが、第1のイオン強度下で前記少なくとも1つの荷電分子または化合物を保持するように、かつ第2のイオン強度下で前記少なくとも1つの荷電分子または化合物を放出するように構成されたイオン交換素子を含む、実施態様1に記載の方法。
(実施態様13)検体濃縮器システムであって、
検体濃縮器アセンブリと、溶離液生成モジュールと、を備え、
前記検体濃縮器アセンブリは、
検体を含む流体試料を受容するための第1の流体入口、
前記第1の流体入口と連結され、前記検体の少なくとも一部を保持するように構成された検体保持機構、
前記検体保持機構と連結され、前記流体試料の溶出物を放出するための第1の流体出口、及び
溶離液を受容するために前記検体保持機構が連結された、溶離液を受容するための第2の流体入口、を備え、
前記溶離液生成モジュールは、前記検体濃縮器アセンブリの前記第1の流体出口及び前記第2の流体入口と連結され、放出された前記溶出物を受容し、かつ放出された前記溶出物から前記検体が実質的に含まれない溶離液を生成するように構成されている、検体濃縮器システム。
(実施態様14)前記溶離液生成モジュールが溶離液生成構成要素を備え、前記溶離液生成構成要素が電解室を備え、
前記電解室が、イオン供給室と、溶離液生成室と、少なくとも1つのイオン交換バリヤと、を備え、前記イオン供給室が、前記少なくとも1つのイオン交換バリヤによって溶離液生成室から分離される、実施態様13に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様15)前記溶離液生成構成要素が、陽極と、実質的に前記陽極と反対側に配置された陰極と、をさらに備え、
前記電解室が、前記陽極と前記陰極との間に少なくとも部分的に配置されている、実施態様14に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様16)前記イオン供給室が、少なくとも1つの対イオンをその中に配置する電解液リザーバを備え、
前記少なくとも1つの対イオンが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、メタンスルホン酸、炭酸、炭酸塩、炭酸水素塩、及び類似物からなる群から選択される、実施態様14に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様17)前記溶離液生成モジュールが、前記溶離液生成構成要素に接続された脱ガス装置、前記溶離液生成構成要素に接続されたトラップカラムからなる群から選択された、1つ以上の構成要素をさらに備える、実施態様14に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様18)前記溶離液が前記第2の流体入口を介して前記溶離液生成モジュールから前記検体保持機構へ通るように、前記第2の流体入口が、前記溶離液生成モジュールと前記検体保持機構との間に配置され、前記溶離液生成モジュール及び前記検体保持機構と流体連結されている、実施態様13に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様19)前記検体濃縮器アセンブリが、前記検体保持機構と連結され、濃縮された検体試料を放出するための第2の流体出口をさらに備える、実施態様13に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様20)前記検体保持機構が、イオン性分子に結合するために適合された第1のイオン交換素子を備え、
前記検体が、少なくとも1つのイオン性分子を含み、
前記検体濃縮器アセンブリが、
前記溶離液生成モジュール及び前記検体保持機構と連結される、前記溶離液を受容するための第2の流体入口と、
前記検体保持機構と連結される、濃縮された検体試料を放出するための第2の流体出口と、
第1の検体濃縮器カラムと、をさらに備え、
前記第1の検体濃縮器カラムが、
前記第1の検体濃縮器カラムの第1の端から前記第1の検体濃縮器カラムの対向する第2の端へ延び、少なくとも部分的に第1の内部空洞の境界となる包囲側壁であって、前記第1のイオン交換素子が前記第1の内部空洞内に配置される、包囲側壁と、
前記第1の検体濃縮器カラムの第1の端に配置され、かつ前記第1の内部空洞と流体連通する第1の開口であって、前記第1の流体入口及び前記第2の流体出口と選択的に流体接続可能である、第1の開口と、
前記第1の検体濃縮器カラムの第2の端に配置され、かつ前記第1の内部空洞と流体連通する第2の開口であって、前記第1の流体出口及び前記第2の流体入口と選択的に流体接続可能である、第2の開口と、を備える、実施態様13に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様21)前記検体濃縮器アセンブリが、複数の選択的に接続可能なポートを有する流体バルブをさらに備え、
前記流体バルブは、前記複数のポートの少なくともいくつかを選択的に接続する複数の構成の間で選択的に構成可能であり、
前記第1の流体入口が、前記複数のポートのうちの第1のポートを備え、
前記第1の流体出口が、前記複数のポートのうちの第2のポートを備え、
前記第2の流体入口が、前記複数のポートのうちの第3のポートを備え、
前記第2の流体出口が、前記複数のポートのうちの第4のポートを備え、
第1の流体バルブ構成において、
前記第1の開口が、前記第1のポートに流体連通し、
前記第1の開口と前記第4のポートとの間の流体連通が制限され、
前記第2の開口が、前記第2のポートに流体連通し、
前記第2の開口と前記第3のポートとの間の流体連通が制限され、
第2の流体バルブ構成において、
前記第1の開口が、前記第4のポートに流体連通し、
前記第1の開口と前記第1のポートとの間の流体連通が制限され、
前記第2の開口が、前記第3のポートに流体連通し、
前記第2の開口と前記第2のポートとの間の流体連通が制限される、実施態様20に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様22)前記流体バルブが、
前記第1の開口と流体連通する第5のポートであって、前記第1のポート及び前記第4のポートと選択的に流体接続可能である、第5のポートと、
前記第2の開口と流体連通する第6のポートであって、前記第5のポートが、前記第2のポート及び前記第3のポートと選択的に流体接続可能である、第6のポートと、をさらに備え、
第1の流体バルブ構成において、
前記第5のポートが、前記第1のポートに流体連通し、
前記第5のポートと前記第4のポートとの間の流体連通が制限され、
前記第6のポートが、前記第2のポートに流体連通し、
前記第6のポートと前記第3のポートとの間の流体連通が制限され、
第2の流体バルブ構成において、
前記第5のポートが、前記第4のポートに流体連通し、
前記第5のポートと前記第1のポートとの間の流体連通が制限され、
前記第6のポートが、前記第3のポートに流体連通し、
前記第6のポートと前記第2のポートとの間の流体連通が制限される、実施態様21に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様23)前記検体濃縮器アセンブリが、第2の検体濃縮器カラムをさらに備え
前記第2の検体濃縮器カラムが、
前記第2の検体濃縮器カラムの第1の端から前記第2の検体濃縮器カラムの対向する第2の端へ延び、少なくとも部分的に第2の内部空洞の境界となる包囲側壁であって、前記第2の内部空洞が、内部に前記イオン交換素子の一部を配置する、包囲側壁と、
前記第2の検体濃縮器カラムの第1の端に配置され、かつ前記第2の内部空洞と流体連通する、第3の開口と、
前記第2の検体濃縮器カラムの第2の端に配置され、かつ前記第2の内部空洞と流体連通する、第4の開口と、を備え、
前記流体バルブが、
前記第3の開口に流体連通する第7のポートと、
前記第4の開口に流体連通する第8のポートと、
バルブ出口を備える第9のポートと、
バルブ入口を備える第10のポートと、をさらに備え、
前記第7のポートが、前記第1のポート及び前記第9のポートと選択的に流体接続可能であり、
前記第8のポートが、前記第2のポート及び前記第3のポートと選択的に流体接続可能であり、
前記第10のポートが、前記第9のポートに流体連通し、
前記第1の流体バルブ構成において、
前記第7のポートが、前記第9のポートに流体連通し、
前記第7のポートと前記第1のポートとの間の流体連通が制限され、
前記第8のポートが、前記第3のポートに流体連通し、
前記第8のポートと前記第2のポートとの間の流体連通が制限され、
前記第2の流体バルブ構成において、
前記第7のポートが、前記第1のポートに流体連通し、
前記第7のポートと前記第9のポートとの間の流体連通が制限され、
前記第8のポートが、前記第2のポートに流体連通し、
前記第8のポートと前記第3のポートとの間の流体連通が制限される、実施態様22に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様24)前記溶離液生成構成要素及び前記検体濃縮器アセンブリの第1の流体出口に接続され、前記放出された溶出物の前記溶離液生成構成要素への流体移送を促進するように構成された流体ポンプをさらに備える、実施態様13に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様25)前記流体ポンプは、前記溶離液生成構成要素と前記検体濃縮器アセンブリの第1の流体出口とを流体連結する流体移送ラインに接続され、
前記流体ポンプは、前記放出された溶出物の前記溶離液生成構成要素への流体移送を促進するように、前記溶離液生成構成要素と前記第1の流体出口との間で前記流体移送ラインに接続されている、実施態様24に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様26)前記第1の流体出口と前記溶離液生成モジュールとの間に配置され、前記第1の流体出口と前記溶離液生成モジュールに接続された出口バルブをさらに備え、
前記出口バルブは、複数の構成の間で選択的に構成可能であり、第1の出口バルブ構成において、前記第1の流体出口が前記溶離液生成モジュールに流体連通し、第2の出口バルブ構成において、前記第1の流体出口と前記溶離液生成モジュールとの間の流体連通が制限される、実施態様13に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様27)検体検出モジュールをさらに備える、実施態様13に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様28)前記検体検出モジュールが、導電率検出器、電気化学検出器、質量分析検出器、紫外線検出器、及び類似物からなる群から選択される少なくとも1つの検出器を備える、実施態様27に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様29)前記検体検出モジュールが、コンピュータを備える、実施態様27に記載の検体濃縮器システム。
(実施態様30)検体を濃縮する方法であって、
第1の検体濃縮器アセンブリ内で検体を含む流体試料の第1の部分を処理するステップであり、前記第1の検体濃縮器アセンブリが、前記検体の第1の部分を保持し、前記検体が実質的に含まれない第1の溶出物を放出し、放出された第1の溶出物が、前記第1の検体濃縮器アセンブリから溶離液生成モジュールへ流体移送される、処理するステップと、 第2の検体濃縮器アセンブリ内で前記検体を含む流体試料の第2の部分を処理するステップであり、前記第2の検体濃縮器アセンブリが、前記検体の第2の部分を保持し、前記検体が実質的に含まれない第2の溶出物を放出し、放出された第2の溶出物が、前記第2の検体濃縮器アセンブリから前記溶離液生成モジュールへ流体移送される、処理するステップと、
移送された第1の溶出物から前記検体が実質的に含まれない第1の溶離液を製造するために、移送された第1の溶出物を前記溶離液生成モジュール内で処理するステップであり、前記第1の溶離液が、前記溶離液生成モジュールから前記第2の検体濃縮器アセンブリへ流体移送される、処理するステップと、
移送された第2の溶出物から前記検体が実質的に含まれない第2の溶離液を製造するために、移送された第2の溶出物を前記溶離液生成モジュール内で処理するステップであり、前記第2の溶離液が、前記溶離液生成モジュールから前記第1の検体濃縮器アセンブリへ流体移送される、処理するステップと、
第1の濃縮された検体試料を製造するために、前記第2の溶離液を用いて、前記第1の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するステップであり、前記第1の濃縮された検体試料が、前記第1の検体濃縮器アセンブリから検体検出モジュールへ流体移送される、溶離するステップと、
第2の濃縮された検体試料を製造するために、前記第1の溶離液を用いて、前記第2の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離するステップであり、前記第2の濃縮された検体試料が、前記第2の検体濃縮器アセンブリから前記検体検出モジュールへ流体移送される、溶離するステップと、
前記検体検出モジュール内で、前記第1の濃縮された検体試料を分析するステップと、 前記検体検出モジュール内で、前記第2の濃縮された検体試料を分析するステップと、を含む、方法。
(実施態様31)前記第1の検体濃縮器アセンブリ及び前記第2の検体濃縮器アセンブリがそれぞれ、流体バルブと流体連結され、
第1のバルブ構成において、
第一に、移送された第1の溶出物から前記第1の溶離液を製造するために、放出された第1の溶出物が、前記第1の検体濃縮器アセンブリから、前記流体バルブを通して、前記溶離液生成モジュールへ流体移送され、前記溶離液生成モジュール内で処理され、
第二に、前記第1の溶離液が、前記溶離液生成モジュールから、前記流体バルブを通して、前記第2の検体濃縮器アセンブリへ移送され、前記第2の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離し、前記第2の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の溶離された部分が、前記第2の濃縮された検体試料を含み、
第三に、前記第2の濃縮された検体試料が、前記第2の検体濃縮器アセンブリから、前記流体バルブを通して、前記検体検出モジュールへ流体移送され、前記検体検出モジュールで分析され、
前記第2のバルブ構成において、
第一に、移送された第2の溶出物から前記第2の溶離液を製造するために、放出された第2の溶出物が、前記第2の検体濃縮器アセンブリから、前記流体バルブを通して、前記溶離液生成モジュールへ流体移送され、前記溶離液生成モジュール内で処理され、
第二に、前記第2の溶離液が、前記溶離液生成モジュールから、前記流体バルブを通して、前記第1の検体濃縮器アセンブリへ移送され、前記第1の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の少なくとも一部を溶離し、前記第1の検体濃縮器アセンブリによって保持される前記検体の前記溶離された部分が、前記第1の濃縮された検体試料を含み、
第三に、前記第1の濃縮された検体試料が、前記第1の検体濃縮器アセンブリから、前記流体バルブを通して、前記検体検出モジュールへ流体移送され、前記検体検出モジュールで分析される、実施態様30に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8