IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図1
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図2
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図3
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図4
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図5
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図6
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図7
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図8
  • 特許-三次元間隙測定のシステム及び方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】三次元間隙測定のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/14 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
G01B7/14
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017169205
(22)【出願日】2017-09-04
(65)【公開番号】P2018109601
(43)【公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-09-04
(31)【優先権主張番号】15/295,628
(32)【優先日】2016-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サファイ, モルテザ
(72)【発明者】
【氏名】マックイーン, メリッサ
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08813382(US,B1)
【文献】特開平07-332918(JP,A)
【文献】特開2009-058312(JP,A)
【文献】特開2005-283321(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0311130(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102927895(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子隙間ゲージ(110)であって、
送信誘導コイル(114)、受信誘導コイル(116)、及び、センサブレード(112)に関する二次元において離間している測定サイト(118)を備える、センサブレード(112)であって、前記測定サイト(118)の各々が、前記送信誘導コイル(114)のうちの少なくとも1つ、及び、前記受信誘導コイル(116)のうちの少なくとも1つに関連付けられている、センサブレード(112)と、
前記送信誘導コイル(114)から送信プローブ信号(122)を発生させるために、前記送信誘導コイル(114)の端から端まで直流電流(128)を通すよう構成された、送信システム(120)と、
前記送信プローブ信号(122)による応答信号(126)を前記受信誘導コイル(116)から受信するよう構成された、受信システム(124)と、
前記受信システム(124)に動作可能に連結された演算システム(160)であって、前記応答信号(126)と前記測定サイト(118)とに基づいて、前記センサブレード(112)により調査した間隙(144)の3D仮想モデル(162)を生成するよう構成され、かつ、前記間隙(144)を充填するのに好適な一又は複数の候補シムを特定するために、候補シムの寸法を前記3D仮想モデル(162)と比較するように更に構成された演算システム(160)とを備える、電子隙間ゲージ(110)。
【請求項2】
前記送信システム(120)が、前記送信誘導コイル(114)の端から端まで通される前記直流電流(128)を発生させるよう構成された、電流源(182)を備える、請求項1に記載の電子隙間ゲージ(110)。
【請求項3】
前記送信プローブ信号(122)が定常磁場である、請求項1又は2に記載の電子隙間ゲージ(110)。
【請求項4】
前記受信システム(124)が、前記応答信号(126)に基づいて離隔距離信号(132)を生成するよう構成され、
前記離隔距離信号(132)は、第1被加工物(136)の第1表面(140)と第2被加工物(138)の第2表面(142)との間の、前記センサブレード(112)の前記測定サイト(118)における離隔距離(134)に関連しており、
前記受信システム(124)は、前記測定サイト(118)のうちの少なくとも1つが、前記第1表面(140)と前記第2表面(142)によって画定された前記間隙(144)内にある時に、前記応答信号(126)を受信するよう構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子隙間ゲージ(110)。
【請求項5】
前記送信誘導コイル(114)の各々が、前記送信システム(120)によって、個別かつ電気的にアドレスされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子隙間ゲージ(110)。
【請求項6】
前記送信システム(120)が、前記送信プローブ信号(122)のうちの1つを、前記送信プローブ信号(122)のうちの別の1つとは異なる時点において発生させるために、デマルチプレクサ(180)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子隙間ゲージ(110)。
【請求項7】
前記受信システム(124)は、前記応答信号(126)のうちの1つを、前記応答信号(126)のうちの別の1つとは異なる時点において受信するために、マルチプレクサ(190)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子隙間ゲージ(110)。
【請求項8】
間隙(144)内の離隔距離(134)を測定する方法(400)であって、
第1表面(140)と第2表面(142)によって画定された前記間隙(14)内に、センサブレード(112)を挿入することであって、
前記センサブレード(112)が、送信誘導コイル(114)、受信誘導コイル(116)、及び、前記センサブレード(112)に関する二次元において離間している測定サイト(118)を備え、かつ、
前記測定サイト(118)の各々が、前記送信誘導コイル(114)のうちの少なくとも1つ、及び、前記受信誘導コイル(116)のうちの少なくとも1つに関連付けられている、前記センサブレード(112)を挿入することと、
前記送信誘導コイル(114)から送信プローブ信号(122)を生成することと、
前記送信プローブ信号(122)に応じた応答信号(126)を前記受信誘導コイル(116)で受信することと、
前記応答信号(126)に基づいて、前記測定サイト(118)における前記第1表面(140)と前記第2表面(142)との間の前記離隔距離(134)を判定することと、
前記測定サイト(118)における前記離隔距離(134)に基づいて、前記間隙(144)の3D仮想モデル(162)を作り出すことと
前記間隙(144)を充填するのに好適な一又は複数の候補シムを特定するために、候補シムの寸法を前記3D仮想モデル(162)と比較することとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、三次元(3D)間隙測定のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の組み立ては、正確な関係性で複雑かつ大型の構成要素を接合することを含み、かかる構成要素間で力を効率的に伝えることが必要になることが多い。例えば、翼と尾部の各部(垂直安定板、水平安定板など)とは、事前組み立てされ、次いで、耐荷重性の接合部を使用して、胴体の対応する区域に事後取り付けされうる。
【0003】
嵌合する航空機の構成要素同士の適切な適合(fit)を実現するために、部品をひとまとめに接合する際にシム(フィラーとも称される)が使用されることが多い。シムは、接合された部品間の間隙(又は空隙)を埋めるために使用される。多くの場合、かかる間隙又は空隙は、一例としては、組み立て中の構成要素の位置付け及び位置合わせを容易にするために、構造物内に特に設計される。組み立て時中に間隙を充填するためにシムを使用することにより、嵌合構成要素同士の適合が改善される。
【0004】
多くの場合、間隙は、比較的均一な寸法を伴って作られる。しかし、他の状況では、間隙を横切る測定値、及び、間隙に沿った測定値は、不均一になりうる。そのような場合、シムは、典型的には、間隙を正確に充填するようカスタムにサイズ決定され、かつ/又は、特殊な取り付け手順を要する。不均一な間隙を測定すること、適切なシムを準備すること、及び、かかるシムを適切に取り付けることは、製造サイクル時間を増大させる、時間のかかる面倒なプロセスである。
【発明の概要】
【0005】
したがって、少なくとも上記で特定された懸念に対処することを意図した装置及び方法が、有益となる。
【0006】
下記は本発明による主題の例であり、それらは、特許請求されることも、されないこともあってよく、完全に網羅的というわけではない。
【0007】
本発明による主題の一例は、センサブレード、送信システム、及び受信システムを備える、電子隙間ゲージに関する。センサブレードは、送信誘導コイル、受信誘導コイル、及び、センサブレードに関する二次元において離間している測定サイトを備える。測定サイトの各々は、送信誘導コイルのうちの少なくとも1つ、及び受信誘導コイルのうちの少なくとも1つに、関連付けられる。送信システムは、送信誘導コイルから送信プローブ信号を発生させるために、送信誘導コイルの端から端まで直流電流を通すよう構成される。受信システムは、送信プローブ信号による応答信号を受信誘導コイルから受信するよう構成される。
【0008】
本発明による主題の別の例は、センサブレード、送信システム、及び受信システムを備える、電子隙間ゲージに関する。センサブレードは、送信誘導コイル、受信誘導コイル、及び、センサブレードに関する二次元において離間している測定サイトを備える。測定サイトの各々は、送信誘導コイルのうちの少なくとも1つ、及び受信誘導コイルのうちの少なくとも1つに、関連付けられる。送信システムは、送信誘導コイルから送信プローブ信号を発生させるために、送信誘導コイルの端から端まで変調信号(modulated signal)を通すよう構成される。受信システムは、送信プローブ信号による応答信号を受信誘導コイルから受信するよう構成される。
【0009】
上記の例のどちらにも明記した電子隙間ゲージの使用により、三次元で、(第1被加工物の)第1表面と(第2被加工物の)第2表面との間の間隙を測定することが可能になる。(センサブレードに関する二次元において離間している)測定サイトは、センサブレードが少なくとも部分的に間隙内にある状態で、それぞれの測定サイトにおける第1表面と第2表面との間の離隔距離を測定するよう構成される。測定サイトは、通常、センサブレードの端から端までの二次元アレイを形成する。
【0010】
(二次元方向に離間している)測定サイトの各々における間隙の厚さ(間隙の間隔とも称される)は、間隙を横切る、及び間隙に沿った(すなわち、間隙の幅寸法及び深さ寸法の)、間隙の厚さマップを提供するために測定されうる。測定サイトにおける離隔距離の厚さマップは、間隙の三次元マップである。間隙の厚さマップは、間隙を正確に充填するシム、及び/又は一又は複数の寸法が不均一なシムを作り出しかつ/又は選択するために、使用されうる。追加的又は代替的には、間隙の厚さマップは、嵌合された構成要素が適切に位置合わせされ、かつ/又は適合していることを検証するために、使用されうる。航空宇宙構造物の構成要素を、(シムを伴って、又は伴わずに)正確に位置合わせすること、及び/又は適合させることにより、構造物の信頼性が高く効率的な構築、及び、構造物の信頼性の高い動作が容易になる。
【0011】
本発明による主題の更に別の例は、間隙内の離隔距離を測定する方法に関する。方法は、第1表面と第2表面によって画定された間隙の中に、センサブレードを挿入することと、送信誘導コイルから送信プローブ信号を生成することと、送信プローブ信号に応じた応答信号を受信誘導コイルで受信することと、応答信号に基づいて、測定サイトにおける第1表面と第2表面との間の離隔距離を判定することとを、含む。センサブレードは、送信誘導コイル、受信誘導コイル、及び、センサブレードに関する二次元において離間している測定サイトを備える。測定サイトの各々は、送信誘導コイルのうちの少なくとも1つ、及び受信誘導コイルのうちの少なくとも1つに、関連付けられる。
【0012】
上記の方法は、間隙内の離隔距離を測定することを可能にするものであり、間隙を充填する一又は複数のシムを選択するため、間隙を充填する一又は複数のシムを形成するため、及び/又は、一又は複数のシムで間隙を充填するために、使用されうる。追加的又は代替的には、上記の方法は、構成要素(例えば第1被加工物と第2被加工物)が適切に組み立てられていること、及び/又は、間隙内でシムが適切に組み立てられていることを検証するために、使用されうる。上記の方法は、間隙の3D測定(例えば3D仮想モデル)をもたらしうる。
【0013】
これまで本開示の例を概括的に説明してきたたが、以下では添付図面を参照する。図面は必ずしも正寸で描かれておらず、類似の参照記号は、複数の図を通じて、同じ又は類似の部分を指し示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一又は複数の例による、電子隙間ゲージシステムのブロック図である。
図2】本開示の一又は複数の例による、図1の電子隙間ゲージの概略斜視図である。
図3】本開示の一又は複数の例による、2つの被加工物間の間隙の中に取り付けられたシムの概略断面図である。
図4】本開示の一又は複数の例による、電子隙間ゲージシステムの概略ブロック図である。
図5】本開示の一又は複数の例による、図1又は図4の電子隙間ゲージのセンサブレードの一例の概略断面図である。
図6】本開示の一又は複数の例による、図1又は図4の電子隙間ゲージのセンサブレードの概略ブロック図である。
図7】本開示の一又は複数の例による、間隙内の離隔距離を測定する方法のブロック図である。
図8】航空機の製造及び保守方法のブロック図である。
図9】航空機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の図1から図9において、様々な要素及び/又は構成要素を接続する実線が存在する場合、それらの実線は、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的な連結、及び他の連結、並びに/又はそれらの組み合せを表しうる。本書で使用される「連結された(coupled)」とは、直接的並びに間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは、部材Bに直接的に関連付けられうるか、又は、例えば別の部材Cを介して、間接的に部材Bに関連付けられうる。開示されている様々な要素間の全ての関係性が必ずしも表されているわけではないことが、理解されよう。したがって、ブロック図に描かれている連結以外の連結も存在しうる。様々な要素及び/又は構成要素を指し示すブロックを接続する破線が存在する場合、それらの破線は、実線によって表された連結に機能及び目的が類似した連結を表す。しかし、破線によって表された連結は、選択的に提供されるか、又は、本開示の代替の例に関連するかのいずれかでありうる。同様に、破線で表された要素及び/又は構成要素が存在する場合、それらは本開示の代替の例を示す。実線及び/又は破線で示される一又は複数の要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の例から省略されうる。環境要素が存在する場合、それらは点線で表される。仮想(架空)の要素も、分かりやすくするために図示されることがある。図1から図9に示す特徴の一部は、図1から図9、他の図、及び/又はそれらに伴う開示において説明される他の特徴を含むことを必要とせずに、様々に組み合わされうるが、一又は複数のかかる組み合わせは本書で明示的に示されていないことが、当業者には認識されよう。同様に、提示されている例に限定されない追加の特徴も、本書で示され、説明されている特徴の一部又は全部と組み合わされうる。
【0016】
上記の図7から図8では、ブロックは工程及び/又はその部分を表してよく、様々なブロックを接続する線は、工程又はその部分の、いかなる特定の順序又は従属関係(dependency)も暗示しない。破線で表されたブロックは、代替の工程及び/又はその部分を示す。様々なブロックを接続する破線がある場合、それらの破線は、工程又はその部分の代替的な従属関係を表す。開示されている様々な工程間のすべての従属関係が必ずしも表されているわけではないことが、理解されよう。本書に明記された方法(複数可)の工程を説明している図7から図8、及びそれらに伴う開示は、工程が実施されるシーケンスを必ず決定するものであると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されていても、工程のシーケンスは、それが適切な場合には改変されうると理解されたい。したがって、複数の特定の工程が、異なる順序で、又は同時に、実施されうる。加えて、説明されている全ての工程を実施する必要はないことが、当業者には認識されよう。
【0017】
下記の説明において、説明されている概念の網羅的な理解をもたらすために多数の具体的な詳細事項が明記されるが、かかる概念は、これらの特定事項の一部又は全部がなくとも実践されうる。他の事例においては、記載を不必要に分かりにくくすることを避けるために、既知のデバイス及び/又はプロセスの詳細を省略した。一部の概念は具体例と併せて説明されるが、それらの例は限定を意図するものではないことが、理解されよう。
【0018】
別途示されない限り、「第1(first)」「第2(second)」などの用語は、本書では符号として使用されているに過ぎず、それらの用語が表すアイテムに順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことは意図されていない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」の、又はより小さい数がふられたアイテム、及び/又は、例えば「第3(third)」の、又はより大きな数がふられたアイテムの存在を、必要とすることも、排除することもない。
【0019】
本書における「一例(one example)」への言及は、その例に関連して説明される一又は複数の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実行形態に含まれることを意味する。本明細書内に頻出する「一例」という表現は、同一の例を表すことも、表さないこともある。
【0020】
本書で使用される、特定の機能を実施する「よう構成され(configured to)」たシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際に、いかなる変更も行わずにその特定の機能を実施することが可能であり、更なる改変の後にその特定の機能を実施する潜在能力を有するに過ぎないものではない。換言すると、特定の機能を実施する「よう構成され」たシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、特定の機能を実施するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/又は設計される。本書で使用される、「よう構成され」という表現は、更なる改変なしで、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがその特定の機能を実施することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの特性が存在することを意味する。この開示において、特定の機能を実施する「よう構成され」ていると記述されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施する「よう適合し(adapted to)」ている、及び/又は、「よう作動可能(operative to)」であるとも、記述されうる。
【0021】
本開示による主題の、特許請求されることも、されないこともある、例示的で非網羅的な例が、下記に提供される。
【0022】
図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、電子隙間ゲージ110が開示されている。電子隙間ゲージ110は、センサブレード112、送信システム120、及び受信システム124を備える。センサブレード112は、送信誘導コイル114、受信誘導コイル116、及び、センサブレード112に関する二次元において離間している測定サイト118を備える。測定サイト118の各々は、送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つ、及び、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つに、関連付けられる。送信システム120は、送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を発生させるために、送信誘導コイル114の端から端まで直流電流128を通すよう構成される。受信システム124は、送信プローブ信号122による応答信号126を受信誘導コイル116から受信するよう構成される。この段落の前述の記載が、本開示の例1を特徴付けている。
【0023】
例1に明記した電子隙間ゲージ110の使用により、三次元で、(第1被加工物136の)第1表面140と(第2被加工物138の)第2表面142との間の間隙144を測定することが可能になる。(センサブレード112に関する二次元において離間している)測定サイト118は、センサブレード112が少なくとも部分的に間隙144内にある状態で、それぞれの測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134を測定するよう構成される。測定サイト118は、通常、センサブレード112の端から端までの二次元アレイを形成する。
【0024】
(二次元方向に離間している)測定サイト118の各々における間隙144の厚さ(間隙144の間隔とも称される)は、間隙144を横切る、及び間隙144に沿った(すなわち、間隙144の幅寸法及び深さ寸法の)、間隙144の厚さマップを提供するために測定されうる。測定サイト118における離隔距離134の厚さマップは、間隙144の三次元マップである。間隙144の厚さマップは、間隙144を正確に充填するシム170、及び/又は、一又は複数の寸法が不均一なシム170を作り出しかつ/又は選択するために、使用されうる。追加的又は代替的には、間隙144の厚さマップは、嵌合された構成要素が適切に位置合わせされ、かつ/又は適合していることを検証するために、使用されうる。航空宇宙構造物の構成要素を、(シムを伴って、又は伴わずに)正確に位置合わせすること、及び/又は適合させることにより、構造物の信頼性が高く効率的な構築、及び、構造物の信頼性の高い動作が容易になる。
【0025】
測定サイト118は各々、送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つ、及び、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つに、関連付けられる。典型的には、測定サイト118の各々は、送信誘導コイル114のうちの1つ、及び受信誘導コイル116のうちの1つに、関連付けられる。関連付けられた送信誘導コイル114の各々は、関連付けられた測定サイト118において送信プローブ信号122のうちの1つを発生させるよう構成される。関連付けられた受信誘導コイル116の各々は、関連付けられた測定サイト118において応答信号126のうちの1つを受信するよう構成される。
【0026】
センサブレード112は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116を備える、剛性又は半可撓性の構造物でありうる。剛性のセンサブレード112は、小さな間隙114内に適合すること、特定された角度で間隙114内に適合すること、並びに/又は、間隙114内での座屈(buckling)及び/又は屈曲に抗することに、有用でありうる。半可撓性のセンサブレード112は、間隙114に適応すること、及び/又は、入り組んだ形状の(convoluted)間隙114内に適合することに、有用でありうる。半可撓性のセンサブレード112は、間隙114の中での座屈及び/又は屈曲を回避するのに十分な程度剛性であり、かつ/又は、間隙144内の凸状及び/又は凹状の表面に適応するのに十分な程度可撓性でありうる。センサブレード112は、薄型のストリップ、シート、及び/又は膜の形状を有しうる。図2に示しているように、センサブレード112は、ブレード平面156及びブレード厚さ158を有する。
【0027】
送信システム120、送信誘導コイル114、受信システム124、及び受信誘導コイル116は、電気誘導によって、間隙144、第1表面140、及び/又は第2表面142を調査すし、感知するよう構成される。ゆえに、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116は、各々が特有のインダクタンスを有する誘導コイルである。
【0028】
離隔距離134を判定するために電気誘導を使用することにより、間隙144の寸法の非接触感知が可能になる。例えば、センサブレード112は、間隙144の測定中に、第1表面140又は第2表面142のいずれにも接触する必要がない。離隔距離134を判定するための電気誘導の使用は、他の電気的感知技術(静電容量を感知することなど)と比べて、電気的ノイズ、環境の影響、及び/又は表面汚染の存在に対してより強いものでありうる。離隔距離134を判定するための電気誘導の使用は、光学的感知技術と比べても、表面仕上げの変動及び表面汚染に対してより強いものでありうる。
【0029】
送信誘導コイル114は、送信システム120により送信誘導コイル114の端から端まで通されうる直流電流128にしたがって、送信プローブ信号122を送信するよう構成される。直流電流128は、定常電流値を有する直流電流(DC)である。直流電流128はオン又はオフにされてよく、定常電流値は、(例えば直流電流128の印加と印加の間に)調整されうる。送信プローブ信号122は、センサブレード112を越えて延在する誘導磁場である。
【0030】
送信プローブ信号122と第1表面140及び/又は第2表面142の一又は複数の材料との相互作用により、送信プローブ信号122の一又は複数の特性が、(相互作用がない場合と比べて)変化する。この相互作用は、材料(複数可)の場所、及び/又は、導電率や磁化率といった材料(複数可)の特性にしたがって、送信プローブ信号122の増強、減衰、及び/又は変位を引き起こしうる。
【0031】
受信誘導コイル116は、送信プローブ信号122と第1表面140及び/又は第2表面142の材料(複数可)との相互作用による、応答信号126を受信するよう構成される。受信誘導コイル116は、誘導によって、電磁場に感応し、電磁場を感知する。受信誘導コイル116は、電磁場の存在下で、電磁場がオンまたはオフにされることに応じて、電磁場の動きに応じて、電磁波内での材料の動きに応じて、かつ/又は、間隙114に対するセンサブレード112の動きに応じて、電流及び/又は電圧を発生させうる。
【0032】
材料(例えば第1表面140及び/又は第2表面142)の存在又は不存在、並びに/又は、材料間の距離(例えば、第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134)を、判定するために、送信プローブ信号122と応答信号126との比較が利用されうる。通常、離隔距離134の測定値は、測定サイト118における、応答信号126に基づく、及び/又は応答信号126と送信プローブ信号122との比較に基づく、測定サイト118における測定値である。
【0033】
送信プローブ信号122及び測定された間隙距離(厚さ)は、通常、第1表面140と第2表面142との間のものである。一部の例では、送信プローブ信号122及び/又は測定された間隙距離は、センサブレード112と第1表面との間、及び/又は、センサブレード112と第2表面との間のものでありうる。例えば、電子隙間ゲージ110及び/又はセンサブレード112は、センサブレード112と第1表面140との間の間隙距離を測定するよう構成され、かつ、センサブレード112で第2表面142に接触するよう構成されうる。かかる構成において、離隔距離134は、測定された間隙距離にセンサブレード112のブレード厚さ158を加えたものとなる。別の例としては、電子隙間ゲージ110及び/又はセンサブレード112は、センサブレード112と第1表面140との間の間隙距離(第1間隙距離)と、センサブレード112と第2表面142との間の間隙距離(第2間隙距離)とを、個別に測定するよう構成されうる。かかる構成において、離隔距離134は、測定された(第1と第2の)間隙距離にセンサブレード112のブレード厚さ158を加えたものとなる。送信誘導コイル114、受信誘導コイル116、及び/又は測定サイト118は、第1表面140と第2表面142の一方又は両方に関連付けられうる。
【0034】
図1の例に示しているように、電子隙間ゲージ110は、間隙144内に置かれてよく、間隙144内に置かれた電子隙間ゲージ110を備える電子隙間ゲージシステム100の一部分でありうる。
【0035】
この段落の後述の記載が本開示の例2を特徴付け、例2は上記の例1による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、送信誘導コイル114の端から端まで通される直流電流128を発生させるよう構成された、電流源182を備える。
【0036】
電流源182は、送信誘導コイル114の各々が送信プローブ信号122を発生させるための、直流電流128を発生させる。電流源182は、電圧及び/又は電流を提供するよう構成された電源でありうる。電流源182は、直流電流128を調節し、かつ/又は制御するよう構成されうる。電流源182は、送信誘導コイル114の各々に直流電流128を送るよう構成されてよく、かつ、送信誘導コイル114のうちの一又は複数に同時に直流電流128を送るよう構成されうる。通常、電流源182は、低抵抗電路を用いて送信誘導コイル114に接続される。低抵抗(例えば100ohm未満)であることにより、直流電流128の効率的な送電が容易になる。
【0037】
この段落の後述の記載が本開示の例3を特徴付け、例3は上記の例1又は例2による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信プローブ信号122は定常磁場である。
【0038】
定常磁場は、通常、送信誘導コイル114を通って流れる定常電流(すなわち直流電流128)によって作り出される。定常磁場は、送信誘導コイル114を越えて、センサブレード112、測定サイト118、及び、各定常磁場に関連付けられた送信誘導コイル114の付近の空間の中へと広がる。定常磁場は、金属、金属製材料、磁性材料、透磁性材料、及び導電性材料によってゆがめられ、かつ、それらの材料と相互作用する。ゆえに、送信プローブ信号122は、かかる材料のいずれかを含む第1表面140及び/又は第2表面142の存在、種類、及び/又は配置によって影響されうる。
【0039】
通常、送信誘導コイル114によって生成される定常磁場は、送信誘導コイル114からの距離の逆べきに関連して低減する、場の強さ(強度)を有する。定常磁場の各々のソース強さとソース距離との関係は、定常磁場を発生させる、直流電流128の強度、及び送信誘導コイル114の構成に依拠する。定常磁場の場の強さが所定の値(例えば、受信誘導コイル116において検出可能な最小値に対応する場の強さ)を有する、送信誘導コイル114からの距離は、センサブレード112の特有の感知距離でありうる。この特有の感知距離は、少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも10mmであってよく、かつ/又は、100mm未満でありうる。ゆえに、電子隙間ゲージ110及びセンサブレード112は、少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも10mmであり、かつ/又は100mm未満である、間隙144の離隔距離134を測定するよう構成されうる。
【0040】
この段落の後述の記載が本開示の例4を特徴付け、例4は上記の例1から例3のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、応答信号126に基づいて離隔距離信号132を生成するよう構成される。離隔距離信号132は、第1被加工物136の第1表面140と第2被加工物138の第2表面142との間の、センサブレード112の測定サイト118における離隔距離134に関連する。
【0041】
電子隙間ゲージ110は、第1被加工物136及び第2被加工物138などの、類似した又は類似していない構成要素間の間隙144を測定するために、使用されうる。第1被加工物136及び第2被加工物138の材料、及び/又は、間隙144の第1表面140及び第2表面142を形成する材料は、各々個別に、金属、金属製材料、伝導性材料、磁性材料、ポリマー材料、及び/又は複合材料でありうる。これらの材料は、電気的又は磁気的に伝導性である必要はない。電子隙間ゲージ110は、第1被加工物136の材料、第2被加工物138の材料、第1表面140における材料、及び/又は第2表面142における材料にかかわらず信頼性の高い離隔距離測定値を生成するために、様々な種類の材料向けに校正されうる。電子隙間ゲージ110は、既知の材料間の、既知のサイズ(厚さ、及び、通常は幅と深さ)の校正間隙内に、センサブレード112を挿入することによって、校正されうる。校正間隙は、校正品(校正ツールとも称されうる)に形成されうる。校正は、本書で更に開示されるように、送信誘導コイル114の端から端まで供給される直流電流128、及び/又は、受信システム124によって受信される応答信号126を、調整することを含みうる。
【0042】
この段落の後述の記載が本開示の例5を特徴付け、例5は上記の例4による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、測定サイト118のうちの少なくとも1つが第1表面140及び第2表面142によって画定された間隙144内にある時に、応答信号126を受信するよう構成される。
【0043】
センサブレード112は、間隙144内に完全には適合しないことがあり、かつ/又は、間隙144内に完全には挿入されないことがある。間隙144内の測定サイト118は、間隙144内の離隔距離134を測定するために使用されうる。間隙144の外部の測定サイト118は、実質的に、間隙がないこと、不定形の離隔距離、又は信号条件がないことを、測定しうる。受信システム124及び/又は電子隙間ゲージ110は、どの測定サイト118が間隙144の中にあるか、及び、どの測定サイト118が間隙144の外部にあるかを判定するよう、構成されうる。どの測定サイト118が間隙144の中及び/又は外部にあるかを判定することで、(例えば、間隙144内のセンサブレード112の深さ及び/又は面積を提供することによって、)間隙144の深さ及び/又は間隙144の断面積の測定値及び/又は推定値が提供されうる。受信システム124及び/又は電子隙間ゲージ110は、一又は複数の測定サイト118が間隙144内にある場合にのみ離隔距離134を測定するよう、構成されうる。
【0044】
この段落の後述の記載が本開示の例6を特徴付け、例6は上記の例1から例5のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114の各々は、送信システム120によって、個別かつ電気的にアドレスされる。
【0045】
送信誘導コイル114を個別にアドレスすることにより、一又は複数の送信誘導コイル114を個別に、かつ/又は別々の時点において、動作させることが可能になる。個別に動作させることは、個別に、オンにすること、オフにすること、異なる直流電流128を使用すること、及び/又は、送信誘導コイル114のうちの一又は複数(オプションで全て)向けに直流電流128を調整することを、含みうる。送信誘導コイル114は、行、列、及び/又は領域などの群で、動作し(かつ/又は、電気的にアドレスされ)うる。群は、3つの要素おきなど、散在していてよく、かつ/又は、平均して3つの要素おきに1つの要素がひとまとめに制御される一領域など、不規則なものでありうる。
【0046】
送信誘導コイル114のうちの一又は複数(オプションで各々)を個別に動作させることにより、別々の送信誘導コイル114及び/又は別々の測定サイト118同士の間のクロストーク(干渉などの相互作用)が皆無かそれに近い状態で、間隙144を調査することが容易になる。送信誘導コイル114のうちの一又は複数(オプションで各々)を個別に動作させることにより、個別に制御された送信誘導コイル114によって発生した誘導磁場を、個別に調整することが容易になる。例えば、送信誘導コイル114の各々向けの直流電流128が、送信誘導コイル114の各々が同じ強さの誘導磁場を発生させるように調整されうる。
【0047】
この段落の後述の記載が本開示の例7を特徴付け、例7は上記の例1から例6のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、送信プローブ信号122のうちの1つを、送信プローブ信号122のうちの別の1つとは異なる時点において発生させるために、デマルチプレクサ180を備える。
【0048】
送信システム120のデマルチプレクサ180は、送信システム120から送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つに直流電流128をルーティングして、それぞれの送信プローブ信号122を発生させる。通常、送信システム120のデマルチプレクサ180は、複数の出力先のうちのいずれか1つ(例えば送信誘導コイル114のうちの1つ)に、単一入力信号(例えば直流電流128)をルーティングする。デマルチプレクサ180を使用することにより、効率的な電気設計が容易になり、かつ、直流電流128を送信誘導コイル114の各々に提供するために単一ソース(例えば電流源182)を使用することが容易になる。
【0049】
送信システム120及び/又はデマルチプレクサ180は、別々の時点において別々の送信誘導コイル114に直流電流128をルーティングするよう、構成されうる。ゆえに、電子隙間ゲージ110は、別々の時点において送信プローブ信号122のうちの別々のものを発生させるよう、構成されうる。例えば、測定サイト118において順次送信プローブ信号122を発生させるために、送信誘導コイル114の各々には、直流電流128が順次送られうる。いくつかの測定サイト118において送信プローブ信号を発生させる一方、それ以外の測定サイトは送信プローブ信号122を有しないことで、別々の測定サイト118及び/又は別々の送信誘導コイル114同士の間のクロストークが低減しうる。デマルチプレクサ180は、直流電流128が定常に保たれている(例えば、電流源182が実質的に一定の直流電流128を発生させている)間に、送信誘導コイル114のうちのどれが直流電流128を受信するかを、切り替えるよう構成されうる。
【0050】
この段落の後述の記載が本開示の例8を特徴付け、例8は上記の例1から例7のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、時分割多重化によって送信プローブ信号122を多重化するよう構成される。
【0051】
送信システム120及び/又はデマルチプレクサ180は、直流電流128を送信誘導コイル114に送り、時分割多重化を介して、送信プローブ信号122を一度に1つ(又は一群)発生させるよう、構成されうる。ゆえに、同時に送信プローブ信号122を発生させるのは、全部よりも少ない数(例えば1つ)の送信誘導コイル114である。別々の時点において送信プローブ信号を発生させることで、別々の測定サイト118及び/又は別々の送信誘導コイル114同士の間のクロストークが低減しうる。
【0052】
多重化は、単一入力(又は出力)信号を多重出力(又は入力)信号へとルーティングする切り替えスキームであり、ゆえに、一対多スイッチ(1つの入力と複数の出力)、又は多対一スイッチ(複数の入力から1つの出力)と説明されうる。時分割多重化は、時に応じて、単一入力(又は出力)信号が多重出力(又は入力)信号に接続される、多重化スキームである。具体的には、単一入力(又は出力)信号は、全ての出力(又は入力)信号が使用されてしまうまで、一定の時間にわたって1つの又は一群の出力(又は入力)信号に、次いで、次の一定時間にわたって別の1つ又は別の一群の出力(又は入力)信号に、ルーティングされる、などである。次いで、このプロセスが反復される。典型的な時分割多重化プロセスは、タイマに基づいて、単一入力(又は出力)信号を、順次、出力(又は入力)信号の各々に切り替え、それにより、出力(又は入力)信号の各々が、別々の時点において同じ時間量にわたり、接続される。
【0053】
この段落の後述の記載が本開示の例9を特徴付け、例9は上記の例1から例8のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、受信誘導コイル116の各々向けの応答信号126のうちの少なくとも1つを、受信するよう構成される。
【0054】
受信誘導コイル116の各々は、それぞれの測定サイト118における(送信プローブ信号122が間隙144の材料と相互作用することによる)誘導磁場に応答しうる。受信システム124は、測定サイト118に対応する、受信誘導コイル116の各々向けの個別の応答信号126を受信しうる。受信誘導コイル116の各々向けの応答信号126のうちの少なくとも1つを受信することにより、測定サイト118の各々における誘導磁場の相互作用を個別に判定することが、容易になる。
【0055】
この段落の後述の記載が本開示の例10を特徴付け、例10は上記の例1から例9のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116の各々は、送信システム124によって、個別かつ電気的にアドレスされる。
【0056】
受信誘導コイル116を個別にアドレスすることにより、個別に、かつ/又は別々の時点において、一又は複数の応答信号126を受信することが可能になる。受信誘導コイル116は、アクティブな送信誘導コイル114(すなわち、送信プローブ信号122を発生させている送信誘導コイル14)に対応する行、列、及び/又は領域などの群で利用されうる。追加的又は代替的には、受信誘導コイル116は、測定サイト118のうちの別々のものにおいて送信プローブ信号122のうちの一又は複数を(例えば順次又は連続的に)サンプリングするよう、個別かつ電気的にアドレスされうる。
【0057】
受信誘導コイル116のうちの一又は複数(オプションで全て)を個別に利用することにより、別々の送信誘導コイル114、別々の受信誘導コイル116、及び/又は別々の測定サイト118同士の間のクロストークが皆無かそれに近い状態で、間隙144を調査することが容易になる。例えば、測定サイト118の各々に関して、関連付けられた送信誘導コイル114が、その測定サイト118において対応する送信プローブ信号122を発生させうる一方、近隣の送信誘導コイル114は無効化される(送信プローブ信号122を発生させるよう動作しない)。その測定サイト118に関連付けられた受信誘導コイル116(及び/又は、近隣の測定サイト118の、近隣の受信誘導コイル116)は、他の送信プローブ信号122からの有意な干渉を受けることなく動作している送信誘導コイル114のうちの1つからの、対応する送信プローブ信号122を受信するために利用されうる。
【0058】
この段落の後述の記載が本開示の例11を特徴付け、例11は上記の例1から例10のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、応答信号126のうちの1つを、応答信号126のうちの別の1つとは異なる時点において受信するために、マルチプレクサ190を備える。
【0059】
受信システム124のマルチプレクサ190は、受信システム124内で測定される受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つからの応答信号126をルーティングする。通常、受信システム124のマルチプレクサ190は、多重入力信号のうちのいずれか1つ(例えば、対応する受信誘導コイル116からの応答信号126のうちのいずれか1つ)を、単一出力信号にルーティングし、この単一出力信号は次いで、(例えばアナログデジタル変換によって、)更に処理されうる。マルチプレクサ190を使用することにより、効率的な電気設計が容易になり、かつ、単一組の検出用電子機器を使用して、全ての受信誘導コイル116からのそれぞれの応答信号126を検出することが容易になる。
【0060】
受信システム124及び/又はマルチプレクサ190は、別々の時点において、別々の受信誘導コイル116からの応答信号126をルーティングするよう構成されうる。ゆえに、電子隙間ゲージ110は、別々の時点において応答信号126のうちの別々のものを受信するよう構成されうる。例えば、測定サイト118からの順次的な応答信号126を受信するために、受信誘導コイル116の各々は、マルチプレクサ190を介して、受信システム124に順次接続されうる。一部の測定サイトから応答信号126を受信する一方、それ以外の測定サイトは応答信号126を送らないことで、別々の測定サイト118及び/又は別々の受信誘導コイル116同士の間のクロストークが低減しうる。
【0061】
この段落の後述の記載が本開示の例12を特徴付け、例12は上記の例1から例11のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、時分割多重化によって応答信号126を多重化するよう構成される。
【0062】
受信システム124及び/又はマルチプレクサ190は、時分割多重化を介して、受信誘導コイル116からの応答信号236を一度に1つ(又は一群)受信するよう、構成されうる。ゆえに、同時に応答信号126を送るのは、全部よりも少ない数(例えば1つ)の受信誘導コイル116である。別々の時点において応答信号を受信することで、別々の測定サイト118及び/又は別々の受信誘導コイル116同士の間のクロストークが低減しうる。
【0063】
この段落の後述の記載が本開示の例13を特徴付け、例13は上記の例1から例12のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114は、数が受信誘導コイル116に等しい。
【0064】
通常、送信誘導コイル114は、受信誘導コイル116と一対一の関係性を有する。測定サイト118の各々は、その測定サイト118に、送信誘導コイル114のうちの1つ、及び受信誘導コイル116のうちの1つを有しうる。受信誘導コイル116の各々は、送信誘導コイル114のうちの1つによって発生した誘導磁場を感知するよう、配置され、かつ/又は位置付けられうる。ゆえに、測定サイト118の各々は、単一の送信誘導コイル114、及び、単一の受信誘導コイル116を有しうる。対になっており、かつ/又は、協働して(in tandem)機能するよう構成されている、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116により、(例えば、送信システム120及び受信システム124の中の)送信用及び受信用の電子機器、並びに、(主に、対の及び/又は協働する送信誘導コイル114と受信誘導コイル116に関して、応答信号126を送信プローブ信号122と比較することによる、)離隔距離134の判定が、単純化されうる。
【0065】
この段落の後述の記載が本開示の例14を特徴付け、例14は上記の例1から例13のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116は、センサブレード112の送信誘導コイル114の間に散在している。
【0066】
送信誘導コイル114は、間隙144内の離間した測定サイト118を調査するために、センサブレード内で離間していることがある。受信誘導コイル116は、通常、測定サイト118の、関連付けられた送信誘導コイル114の近位にある。受信誘導コイル116は、送信誘導コイル114によって占められていないスペースに、送信誘導コイル114と対配置(co-locate)されてよく、ゆえに、送信誘導コイル114の間に散在しうる。送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とを対配置すること、及び/又は散在させることで、測定サイト118がよりコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112(例えば、ブレード平面156の面積、ブレード厚さ158、及び/又はセンサブレード112の体積)がよりコンパクトになる。測定サイト118がよりコンパクトになることで、センサブレード112におけるより高密度の測定サイト118、ひいては、間隙144内の離隔距離134のより高精度な判定が、可能になる。
【0067】
対配置された、かつ/又は散在している受信誘導コイル116は、送信誘導コイル114の上、下、及び/又は側方に配置されうる。例えば、受信誘導コイル116及び送信誘導コイルは、(図5の例に示すように)別々のコイル層154内に、又は、同じコイル層154内に、配置されうる。追加的又は代替的には、対配置された、かつ/又は散在している受信誘導コイル116は、(例えば図6の例に示すように、)少なくとも部分的に、送信誘導コイル114によって占められたエリア内に配置されうるか、又はその逆でありうる。
【0068】
この段落の後述の記載が本開示の例15を特徴付け、例15は上記の例1から例14のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116は、センサブレード112において送信誘導コイル114と互いに組み合わされる。
【0069】
受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とは、例えば図6の例に示すように、センサブレード112において互いに組み合わされうる。受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とを互いに組み合わせることで、測定サイト118がよりコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112(例えば、ブレード平面156の面積、ブレード厚さ158、及び/又はセンサブレード112の体積)がよりコンパクトになる。測定サイト118がよりコンパクトになることで、センサブレード112における、より高密度の測定サイト118、ひいては、間隙144内の離隔距離134のより精密な判定が、可能になる。
【0070】
互いに組み合わされた受信誘導コイル116と送信誘導コイル114は、密接な関係性で、典型的には、測定サイト118の各々における受信誘導コイル116と送信誘導コイル114との対で、互いに組み合わされている。互いに組み合わされた誘導コイルは、1つのコイルが別のコイルの隣に配置され、1つのコイルが別のコイルを取り囲み、かつ/又は、1つのコイルが別のコイルを部分的に取り囲むものでありうる(例えば、図6の送信誘導コイル114は図6の受信誘導コイル116を部分的に取り囲んでいる)。互いに組み合わされた誘導コイルは、互いに、絡み合い、挟み込まれ、織り込まれ、かつ/又は、内部に散在しうる。
【0071】
この段落の後述の記載が本開示の例16を特徴付け、例16は上記の例1から例15のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つは、センサブレード112の送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つと重複する。
【0072】
受信誘導コイル116の一部又は全部が、送信誘導コイル114の一部又は全部と重複しうる。受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とが重複することで、測定サイト118がよりコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112(例えば、ブレード平面156の面積、ブレード厚さ158、及び/又はセンサブレード112の体積)がよりコンパクトになる。測定サイト118がよりコンパクトになることで、センサブレード112における、より高密度の測定サイト118、ひいては、間隙144内の離隔距離134のより精密な判定が、可能になる。
【0073】
受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とは、センサブレード112のブレード平面156の内で重複する。重複している受信誘導コイル116と送信誘導コイル114は、通常、図5の例に示すように、ブレード厚さ158の方向に離間しており、かつ、別々のコイル層154の中にありうる。受信誘導コイル116と送信誘導コイル114は、重複領域148で重複する。重複領域148は、通常、測定サイト118にある。
【0074】
この段落の後述の記載が本開示の例17を特徴付け、例17は上記の例16による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116の各々は、センサブレード112において送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つと重複する。
【0075】
全ての受信誘導コイル116が、対応する送信誘導コイル114と重複することもある。全ての受信誘導コイル116を各々、送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つと重複させることで、一部の受信誘導コイル116のみが送信誘導コイル114と重複する場合と比べて、測定サイト118の全てがコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112が更にコンパクトになる。
【0076】
この段落の後述の記載が本開示の例18を特徴付け、例18は上記の例1から例17のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つと送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つは、重複領域148で重複し、かつ、重複領域148において一又は複数の誘電体層150によって分離される。
【0077】
少なくとも、受信誘導コイル116と送信誘導コイル114が重複するところでは(すなわち重複領域148において)、受信誘導コイル116と送信誘導コイル114との直接的な電気接続を回避するために、受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とが分離される。誘電体層150(図5の例に示す)は、センサブレード112の電気絶縁層である。誘電体層150の数が多くなることで、1つの誘電体層150よりも、電気的隔離、及び/又は絶縁破壊に抗する強さが、増大しうる。誘電体層150は通常、非常に薄い(例えば、厚さが100μm(ミクロン)未満、10μm未満、又は1μm未満)。誘電体層150は、通常、センサブレード112が屈曲した後にも誘電完全性を維持するのに十分な弾力を有する。
【0078】
この段落の後述の記載が本開示の例19を特徴付け、例19は上記の例1から例18のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とは、一又は複数の誘電体層150によって分離される。
【0079】
通常、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とは、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116との直接的な電気接続を回避するために、分離されうる。誘電体層150の数が多くなることで、1つの誘電体層150の電気的隔離、及び/又は絶縁破壊に抗する強さが、増大しうる。
【0080】
この段落の後述の記載が本開示の例20を特徴付け、例20は上記の例19による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とは、一又は複数の誘電体層150のうちの1つの両側に形成される。
【0081】
誘電体層150は各々、電気機械構造物を支持しうる基板でありうる。例えば、電子回路素子が、誘電体層150に堆積され、スクリーン印刷され、エッチングされ、かつ/又は、成型されうる。送信誘導コイル114及び/又は受信誘導コイル116は、同じ又は別々の誘電体層150に形成されうる。一部の例では、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116が、センサブレード112に必要な層の総数を減少させるため、センサブレード112の製造を単純化するため、及び/又は、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116との位置合わせ(相対配置)を単純化するために、誘電体層150のうちの1つの両側に形成されうる。
【0082】
この段落の後述の記載が本開示の例21を特徴付け、例21は上記の例1から例20のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116は、センサブレード112内の別々の層の中に配置される。
【0083】
送信誘導コイル114の製造、受信誘導コイル116の製造、及び/又はセンサブレード112の製造を単純化するために、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116は、センサブレード112内の別々の層に作製され、かつ/又は、かかる層の中に配置されうる。例えば、図5に示しているように、送信誘導コイル114が1つのコイル層154の中に配置されてよく、受信誘導コイル116は別のコイル層154の中に配置されうる。コイル層154の各々は、個別に作製され、次いで一緒になるように積層されて、センサブレード112を形成しうる。コイル層154は、送信誘導コイル114及び/又は受信誘導コイル116の各々の間及び/又は周囲に、誘電体材料を含みうる。コイル層154は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116が互いから電気的に隔離されたままである限り、誘電体層150の介在を伴って、又は伴わずに、一緒になるように積層されうる。コイル層154は非常に薄い(例えば、厚さが100μm未満、10μm未満、又は1μm未満)。コイル層154は、通常、センサブレード112が屈曲した後にも、送信誘導コイル114及び/又は受信誘導コイル116の完全性を維持するのに十分な弾力を有する。
【0084】
この段落の後述の記載が本開示の例22を特徴付け、例22は上記の例1から例21のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114はグラフェンを含む。
【0085】
送信誘導コイル114は、コイル構成に形成された導電性材料を有する電気回路素子である。送信誘導コイル114は、通常、マイクロエレクトロニクスデバイスであり、かつ通常、基板の表面上又は内部の非常に薄い層(例えば、層の厚さが100μm未満、10μm未満、又は1μm未満)に形成される。グラフェンは、層の中に形成されうる、非常に薄い導電形態のカーボンであり、典型的には、単一原子の厚さしかない。グラフェンの送信誘導コイル114を形成することにより、薄い送信誘導コイル114、薄いコイル層154、及び/又は、薄いセンサブレード112が可能になり、これにより、高密度の送信誘導コイル114、及び/又は、薄い間隙144(例えば、厚さが平均10μm未満、1μm未満、又は0.1μm未満)の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。
【0086】
この段落の後述の記載が本開示の例23を特徴付け、例23は上記の例1から例22のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116はグラフェンを含む。
【0087】
受信誘導コイル116は、コイル構成に形成された導電性材料を有する電気回路素子である。受信誘導コイル116は、通常、マイクロエレクトロニクスデバイスであり、かつ通常、基板の表面上又は内部の非常に薄い層(例えば、層の厚さが100μm未満、10μm未満、又は1μm未満)に形成される。グラフェンの受信誘導コイル116を形成することにより、薄い受信誘導コイル116、薄いコイル層154、及び/又は、薄いセンサブレード112が可能になり、これにより、高密度の受信誘導コイル116、及び/又は、薄い間隙144の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。
【0088】
この段落の後述の記載が本開示の例24を特徴付け、例24は上記の例1から例23のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114は螺旋状平面インダクタである。
【0089】
螺旋状平面インダクタは薄層内に形成されてよく、これにより、高密度の送信誘導コイル114、及び/又は、薄い間隙144の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。螺旋状平面インダクタは、平面的な螺旋形状を有する電気的インダクタである。螺旋状平面インダクタの2つの例を、図6に概略的に示している。図6の受信誘導コイル116は、単純な幾何形状(図6の例では長方形:他の一般的な形状は、円形、楕円形、長方形、及び凸多角形である)をたどって、共通中心の周囲で螺旋状になっている電気トレースを伴う、典型的な平面螺旋形状を有する。図6の送信誘導コイル114は、平面的な凹螺旋形状であって、その内側で、電気トレースが、凹多角形をたどって共通中心の周囲で螺旋状になっている、形状を有する。螺旋状平面インダクタは、パンケーキインダクタと称されることもある。
【0090】
この段落の後述の記載が本開示の例25を特徴付け、例25は上記の例1から例24のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116は螺旋状平面インダクタである。
【0091】
螺旋状平面インダクタは薄層内に形成されてよく、これにより、高密度の受信誘導コイル116、及び/又は、薄い間隙144の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。
【0092】
この段落の後述の記載が本開示の例26を特徴付け、例26は上記の例1から例25のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116を覆う、外側保護層152を備える。
【0093】
図5の例に示しているように、外側保護層152は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116を、機械的接触、電気的接触、及び/又は環境の影響から隔離する。例えば、外側保護層152は、丈夫であり(rugged)、耐摩耗性であり、防水性であり、かつ/又は気密性でありうる。外側保護層152は、センサブレード112と同様に、半可撓性であってよく、かつ/又は、センサブレード112が間隙144内に挿入される時に発生しうる屈曲に耐えることが可能でありうる。外側保護層152は、ポリウレタン材料及び/又は、傷つきにくい強化ガラス(例えば、GORILLA GLASS(登録商標)ガラス)の半可撓性コーティングを含んでよく、かつ/又は、かかるコーティングでありうる。センサブレード112は、環境に曝露される縁部及び/又は表面の全てに、外側保護層152を備えうる。通常、外側保護層152は、非常に薄い(例えば、1mm未満、0.1mm未満、又は0.01mm未満)。
【0094】
この段落の後述の記載が本開示の例27を特徴付け、例27は上記の例1から例26のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114の各々は、1平方センチメートル未満であり100平方ミクロンを上回る、横方向面積を有する。
【0095】
送信誘導コイル114が小さいこと(1平方センチメートル未満の横方向面積を有する)により、測定サイト118を小さくすること、及び/又は、離隔距離134の高精度測定が、可能になる。送信誘導コイル114の横方向面積は、センサブレード112のブレード平面156における送信誘導コイル114の面積である。
【0096】
この段落の後述の記載が本開示の例28を特徴付け、例28は上記の例1から例27のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116の各々は、1平方センチメートル未満であり100平方ミクロンを上回る、横方向面積を有する。
【0097】
受信誘導コイル116が小さいこと(1平方センチメートル未満の横方向面積を有する)により、測定サイト118を小さくすること、及び/又は、離隔距離134の高精度測定が、可能になる。受信コイル116の横方向面積は、センサブレード112のブレード平面156における受信誘導コイル116の面積である。
【0098】
この段落の後述の記載が本開示の例29を特徴付け、例29は上記の例1から例28のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112は、1平方センチメートル当たりの測定サイト118の数が1つを上回り、かつ、1平方センチメートル当たりの測定サイト118の数が1,000,000を下回る密度で、少なくとも1000の測定サイト118を有する。
【0099】
電子隙間ゲージ110は、間隙144の高精度の厚さマップを提供するために、高密度の測定サイト118、及び/又は、多数の測定サイト118を有しうる。センサブレード112は、アクティブな表面積(測定サイト118を含む表面積)、及び/又は、典型的な間隙144と同程度の幅を有しうる。ゆえに、センサブレード112は、10cm(平方センチメートル)を上回る、又は50cmを上回る、アクティブな表面積を有しうる。センサブレード112は、1cmを上回る、5cmを上回る、又は20cmを上回る、幅を有しうる。
【0100】
この段落の後述の記載が本開示の例30を特徴付け、例30は上記の例1から例29のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112は、0.5mm未満であり0.001mmを上回る、厚さを有する。
【0101】
センサブレード112は、広範なサイズの間隙144内に適合するのに十分なほど、薄いものでありうる。センサブレード112は、薄い(例えば0.5mmほどの)間隙144内に適合し、かつ/又は、かかる間隙144を測定するのに十分なほど、薄いものでありうる。センサブレード112は、間隙144の中のシム170の周囲の残空間内に適合し、かつ/又は、かかる残空間を測定するのに十分なほど、薄いものでありうる。航空宇宙産業においては、部品同士の相対位置の許容誤差が0.05インチ(約1mm)未満であることがあり、したがって、間隙144及び/又は残空間は1mm未満になりうる。
【0102】
この段落の後述の記載が本開示の例31を特徴付け、例31は上記の例1から例30のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、電子隙間ゲージ110は、受信システム124に動作可能に連結されている演算システム160を更に備える。
【0103】
演算システム160は、通常、送信システム120及び/又は受信システム124を制御するよう設定(例えばプログラミング)される。演算システム160は、送信誘導コイル114で送信プローブ信号122を生成すること、受信誘導コイル116で応答信号126を受信すること、及び/又は、離隔距離134を判定することを、コーディネートしうる。
【0104】
演算システム160は、一又は複数の電子通信リンクによって、送信システム120及び/又は受信システム124に動作可能に連結されうる。演算システム160は、コンピュータ(例えば、プロセッサ及びメモリを備えるもの)、及び/又は専用ハードウェアを備えてよく、かつ/又は、かかるコンピュータ及び/又は専用ハードウェアでありうる。演算システム160は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアで、その機能(例えば、送信プローブ信号122の生成を制御すること、応答信号126の受信を制御すること、及び/又は、離隔距離134を判定すること)を実装しうる。
【0105】
この段落の後述の記載が本開示の例32を特徴付け、例32は上記の例31による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、応答信号126及び測定サイト118に基づいて、センサブレード112によって調査された間隙144の3D仮想モデル162を生成するよう設定される。
【0106】
3D仮想モデル162は、電子隙間ゲージ110及びセンサブレード112によって調査された間隙144を表すものであり、間隙144解析するため、間隙144を充填する一又は複数のシム170を選択するため、及び/又は、間隙144を充填する一又は複数のシム170を作り出すために、使用されうる。3D仮想モデル162は、間隙144の容積、表面積、及び/又は形状を判定するために使用されうる。間隙144の正確な表現(3D仮想モデル162など)によって、間隙144を充填する一又は複数のシム170のサイズ及び形状の判定が、正確に導かれる。
【0107】
演算システム160は、測定サイト118において判定された離隔距離134に基づいて、3D仮想モデル162を生成するよう設定される。演算システム160は、応答信号126及び/又は送信プローブ信号122に基づいて、離隔距離134を判定するよう設定されうる。追加的又は代替的には、演算システム160は、応答信号126及び/又は送信プローブ信号122に基づいて判定された離隔距離134を、(例えば受信システム124から)受信しうる。3D仮想モデル162は、点群、多角形メッシュ、及び/又は3D表現(例えば、表面テッセレーション(tessellation)、3Dワイヤフレーム、3D立体、又は3D境界表現)でありうる。
【0108】
この段落の後述の記載が本開示の例33を特徴付け、例33は上記の例32による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、候補シムの寸法を間隙144の3D仮想モデル162と比較することによって、間隙144内に挿入されるのに好適なシム170を特定するよう設定される。
【0109】
演算システム160は、候補シムの寸法を記憶し、かつ/又は、候補シムの寸法を提供されうる。どの一又は複数の候補シムが間隙144を充填するのに好適であるかを特定するために、候補シムの寸法が3D仮想モデル162と比較されうる。例えば、図3では、3つのシム170が配置されて、間隙144を一緒に充填している。
【0110】
演算システム160は、間隙144を充填する候補シムの集積から一又は複数の好適なシム170を特定するよう、設定されうる。演算システム160は、各々が好適でありうるいくつかの個別の候補シムを特定し、オプションでランク付けするよう、設定されうる。演算システム160は、間隙144を充填するのに一緒に使用されうる候補シムの群を特定するよう設定されうる(ゆえに、候補シムのこの群は共に、好適なシム170となる)。加えて、演算システム160は、間隙144内に候補シムの群を配置する、順序及び/又はパターンを特定しうる。シム170は、黄銅、アルミニウム、チタニウム、及び複合材料(例えば繊維ガラス)などの好適な構造材料で形成されうる。
【0111】
一又は複数の好適なシム170を特定することは、間隙144内へのシム170の取り付けに役立つ。技術員が、好適なシムが見つかるまでシム170の試し適合を行う必要がなくなるからである。追加的又は代替的には、適切な配向、順序、及び/又は配置でのシム170の取り付けに役立てるために、好適なシム170の配向、順序、及び/又は配置が、演算システム160によって特定されうる。
【0112】
この段落の後述の記載が本開示の例34を特徴付け、例34は上記の例32又は例33による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、ディスプレイ164を備えており、かつ、ディスプレイ164で間隙144の3D仮想モデル162の画像を見えるようにするよう設定される。
【0113】
3D仮想モデル162の画像を見えるようにすることは、間隙144が成功裏に測定されたことの作業員による検証に役立ちうる。追加的又は代替的には、3D仮想モデル162の画像は、間隙144を充填するために使用するのに好適なシム170を特定し、かつ/又は検証するために使用されうる。
【0114】
通常、作業員が表示をズームし、回転させて、3D仮想モデル162の種々の見え方を視認しうるように、演算システム160は、3D仮想モデル162を相互作用的に表示するよう設定される。演算システム160は、ディスプレイ164で候補シム及び/又は好適なシム170の画像を見えるようにするよう設定されてよく、かつ、比較可能な画像(例えば、オーバーレイ画像、隣り合って並べた画像など)を表示するよう設定されうる。ディスプレイ164は、LEDディスプレイ、LCDディスプレイなどといった電子視覚ディスプレイである。
【0115】
この段落の後述の記載が本開示の例35を特徴付け、例35は上記の例31から例34のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、応答信号126に基づいて離隔距離信号134を判定するようよう設定される。離隔距離134は、第1被加工物136の第1表面140と第2被加工物138の第2表面142との間の、センサブレード112の測定サイト118におけるものである。
【0116】
演算システム160は、測定サイト118の各々に対応する応答信号126及び/又は送信プローブ信号122に基づいて、離隔距離134を判定するよう設定される。応答信号126は、測定サイトにおける電磁場(例えば送信プローブ信号122)の存在及び/又は特性にしたがって生成される。第1被加工物136及び第2被加工物138の材料の場所及び組成が、(第1被加工物136の)第1表面140と(第2被加工物138の)第2表面142との間の測定サイト118からの応答信号126に影響する。測定サイト118の各々について、離隔距離134を判定するために、測定された応答信号126が、応答信号の校正された値及び/又はモデルと比較されうる。
【0117】
この段落の後述の記載が本開示の例36を特徴付け、例36は上記の例35による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、候補シムの寸法を測定サイト118における離隔距離134と比較することによって、センサブレード112により調査された間隙144内に挿入されるのに好適なシム170を特定するよう設定される。
【0118】
演算システム160は、候補シムの寸法を記憶し、かつ/又は、候補シムの寸法を提供されうる。どの一又は複数の候補シムが間隙144を充填するのに好適であるかを特定するために、候補シムの寸法が、測定サイト118における離隔距離134と比較されうる。演算システム160は、間隙144を充填する候補シムの集まりから一又は複数の好適なシム170を特定するよう、設定されうる。演算システム160は、各々が好適でありうるいくつかの個別の候補シムを特定し、オプションでランク付けするよう、設定されうる。演算システム160は、間隙144を充填するために一緒に使用されうる候補シムの群を特定するよう設定されうる(ゆえに、候補シムのこの群は共に、好適なシム170となる)。加えて、演算システム160は、間隙144内に候補シムの群を配置する、順序及び/又はパターンを特定しうる。
【0119】
一又は複数の好適なシム170を特定することは、間隙144の中へのシム170の設置に役立つ。技術員が、好適なシムが見つかるまでシム170の試し嵌合を行う必要がなくなるからである。追加的又は代替的には、適切な配向、順序、及び/又は配置でのシム170の取り付けに役立てるために、好適なシム170の配向、順序、及び/又は配置が、演算システム160によって特定されうる。
【0120】
この段落の後述の記載が本開示の例37を特徴付け、例37は上記の例35又は例36による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、ディスプレイ164を備え、かつ、ディスプレイ164に測定サイト118における離隔距離134の画像を表示するよう設定される。
【0121】
離隔距離134の画像を表示することは、間隙144が成功裏に測定されたことの作業員による検証に役立ちうる。追加的又は代替的には、離隔距離134の画像は、間隙144を充填するために使用するのに好適なシム170を特定し、かつ/又は検証するために使用されうる。
【0122】
測定サイト118における離隔距離134の画像は、グラフ、表、線プロファイル、表面プロファイル、多角形メッシュ、及び/又は空間レンダリングの形態でありうる。例えば、測定サイト118における離隔距離134の画像は、各棒が測定サイト118のうちの1つにおける1つの離隔距離134を表している二次元棒グラフであってよく、各棒は、測定サイト118の2次元構成を表すよう配置されうる。
【0123】
作業員が表示をズームし、回転させて、離隔距離134の種々の見え方を視認しうるように、演算システム160は、離隔距離134を相互作用的に表示するよう設定されうる。演算システム160は、ディスプレイ164で候補シム及び/又は好適なシム170の画像及び/又は寸法を見えるようにするよう設定されてよく、かつ、比較可能な画像(例えば、オーバーレイ画像、隣り合って並べた画像など)を表示するよう設定されうる。
【0124】
この段落の後述の記載が本開示の例38を特徴付け、例38は上記の例31から例37のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160及び受信システム124は、無線で通信するよう構成される。
【0125】
演算システム160と受信システム124との間の無線通信により、受信システム124の遠隔操作及び/又は電子隙間ゲージ110のモジュール設計が容易になる。例えば、演算システム160は、受信システム124から物理的に分離されているか、又は分離可能でありうる。好適な無線通信のプロトコル及び技術は、赤外通信、無線(radio)通信、WI-FI(登録商標)プロトコル、及びBLUETOOTH(登録商標)プロトコルを含む。
【0126】
この段落の後述の記載が本開示の例39を特徴付け、例39は上記の例31から例38のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112、送信システム120、及び受信システム124は、携帯式プローブ172の各部分である。演算システム160は、携帯式プローブ172に電力を無線で供給するよう設定される。
【0127】
演算システム160と携帯式プローブ172との間の無線電力伝達により、携帯式プローブ172の遠隔操作及び/又は電子隙間ゲージ110のモジュール設計が容易になる。無線電力伝達を有することで、携帯式プローブ172は、無線電力伝達を利用しない電子隙間ゲージ110と比較して、電力ケーブルを伴わずにより小さなパッケージで生産されうる。無線電力伝達は、誘導充電(誘導結合した構成要素)によって、容量充電(容量結合した構成要素)によって、及び/又は、照射充電によって(例えば、電波エネルギー、マイクロ波エネルギー、レーザエネルギーなどのビームの伝達によって)、実施されうる。
【0128】
図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、電子隙間ゲージ110が開示されている。電子隙間ゲージ110は、センサブレード112、送信システム120、及び受信システム124を備える。センサブレード112は、送信誘導コイル114、受信誘導コイル116、及び、センサブレード112に関する二次元において離間している測定サイト118を備える。測定サイト118の各々は、送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つ、及び、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つに、関連付けられる。送信システム120は、送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を発生させるために、送信誘導コイル114の端から端まで変調信号130を通すよう構成される。受信システム124は、送信プローブ信号122による応答信号126を受信誘導コイル116から受信するよう構成される。この段落の前述の記載が、本開示の例40を特徴付けている。
【0129】
例40に明記した電子隙間ゲージ110の使用により、三次元で、(第1被加工物136の)第1表面140と(第2被加工物138の)第2表面142との間の間隙144を測定することが可能になる。(センサブレード112に関する二次元において離間している)測定サイト118は、センサブレード112が少なくとも部分的に間隙144内にある状態で、それぞれの測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134を測定するよう構成される。測定サイト118は通常、センサブレード112の端から端までの二次元アレイを形成する。
【0130】
(二次元方向に離間している)測定サイト118の各々における間隙144の厚さ(間隙144の間隔とも称される)は、間隙144を横切る、及び間隙144に沿った(すなわち、間隙144の幅寸法及び深さ寸法の)、間隙144の厚さマップを提供するために測定されうる。測定サイト118における離隔距離134の厚さマップは、間隙144の三次元マップである。間隙144の厚さマップは、間隙144を正確に充填する、かつ/又は、一又は複数の寸法が不均一な、シム170を作り出しかつ/又は選択するために、使用されうる。追加的又は代替的には、間隙144の厚さマップは、嵌合された構成要素が適切に位置合わせされ、かつ/又は適合していることを検証するために、使用されうる。航空宇宙構造物の構成要素を、(シムを伴って、又は伴わずに)正確に位置合わせすること、及び/又は適合させることにより、構造物の信頼性が高く効率的な構築、及び、構造物の信頼性の高い動作が容易になる。
【0131】
測定サイト118は各々、送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つ、及び、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つに、関連付けられる。典型的には、測定サイト118の各々は、送信誘導コイル114のうちの1つ、及び受信誘導コイル116のうちの1つに、関連付けられる。関連付けられた送信誘導コイル114の各々は、関連付けられた測定サイト118において送信プローブ信号122のうちの1つを発生させるよう構成される。関連付けられた受信誘導コイル116の各々は、関連付けられた測定サイト118において応答信号126のうちの1つを受信するよう構成される。
【0132】
センサブレード112は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116を備える、剛性又は半可撓性の構造物でありうる。剛性のセンサブレード112は、小さな間隙114内に適合すること、特定された角度で間隙114内に適合すること、並びに/又は、間隙114内での座屈及び/又は屈曲に抗することに、有用でありうる。半可撓性のセンサブレード112は、間隙114に適応すること、及び/又は、入り組んだ形状の間隙114内に適合することに、有用でありうる。半可撓性のセンサブレード112は、間隙114の中での座屈及び/又は屈曲を回避するのに十分な程度剛性であり、かつ/又は、間隙144内の凸状及び/又は凹状の表面に適応するのに十分な程度可撓性でありうる。センサブレード112は、薄型のストリップ、シート、及び/又は膜の形状を有しうる。図2に示しているように、センサブレード112は、ブレード平面156及びブレード厚さ158を有する。
【0133】
送信システム120、送信誘導コイル114、受信システム124、及び受信誘導コイル116は、電気誘導によって、間隙144、第1表面140、及び/又は第2表面142を調査し、感知するよう構成される。ゆえに、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116は、各々が特有のインダクタンスを有する誘導コイルである。
【0134】
離隔距離134を判定するために電気誘導を使用することにより、間隙144の寸法の非接触感知が可能になる。例えば、センサブレード112は、間隙144の測定中に、第1表面140又は第2表面142のいずれにも接触する必要がない。離隔距離134を判定するための電気誘導の使用は、他の電気的感知技術(静電容量を感知することなど)と比べて、電気的ノイズ、環境の影響、及び/又は表面汚染の存在に対してより強いものでありうる。離隔距離134を判定するための電気誘導の使用は、光学的感知技術と比べても、表面仕上げの変動及び表面汚染に対してより強いものでありうる。
【0135】
送信誘導コイル114は、送信システム120により送信誘導コイル114の端から端まで通されうる変調信号130にしたがって、送信プローブ信号122を送信するよう構成される。変調信号130は、周波数、波形、振幅、変調、及び/又は位相といった特有の時間構造を有する、交流電流信号(AC信号)である。変調信号130はオンまたはオフにすることが可能であり、変調信号の特性は、(例えば、変調信号130の印加と印加の間で、かつ/又は、測定サイト118間で)調整されうる。送信プローブ信号122は、センサブレード112を越えて延在する誘導電磁場(AC磁場)である。
【0136】
送信プローブ信号122と第1表面140及び/又は第2表面142の一又は複数の材料との相互作用により、送信プローブ信号122の一又は複数の特性が、(相互作用がない場合と比べて)変化する。この相互作用は、材料(複数可)の場所、及び/又は、導電率や磁化率といった材料(複数可)の特性にしたがって、送信プローブ信号122の増強、減衰、及び/又は変位を引き起こしうる。
【0137】
受信誘導コイル116は、送信プローブ信号122と第1表面140及び/又は第2表面142の材料(複数可)との相互作用による、応答信号126を受信するよう構成される。受信誘導コイル116は、誘導によって、電磁場に感応し、電磁場を感知する。受信誘導コイル116は、電磁場の存在下で、電磁場がオンまたはオフにされることに応じて、電磁場の時変的特性(例えば振動場)に応じて、電磁場の動きに応じて、電磁波内での材料の動きに応じて、かつ/又は、間隙114に対するセンサブレード112の動きに応じて、電流及び/又は電圧を発生させうる。
【0138】
送信プローブ信号122と応答信号126との比較が、材料(例えば第1表面140及び/又は第2表面142)の存在又は不存在、及び/又は、材料間の距離(例えば、第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134)を、判定するために利用されうる。通常、離隔距離134の測定値は、測定サイト118における、応答信号126に基づく、及び/又は応答信号126と送信プローブ信号122との比較に基づく、測定サイト118における測定値である。
【0139】
送信プローブ信号122及び測定された間隙距離(厚さ)は、通常、第1表面140と第2表面142との間のものである。一部の例では、送信プローブ信号122及び/又は測定された間隙距離は、センサブレード112と第1表面との間、及び/又は、センサブレード112と第2表面との間のものでありうる。例えば、電子隙間ゲージ110及び/又はセンサブレード112は、センサブレード112と第1表面140との間の間隙距離を測定するよう構成され、かつ、センサブレード112で第2表面142に接触するよう構成されうる。かかる構成において、離隔距離134は、測定された間隙距離にセンサブレード112のブレード厚さ158を加えたものとなる。別の例としては、電子隙間ゲージ110及び/又はセンサブレード112は、センサブレード112と第1表面140との間の間隙距離(第1間隙距離)と、センサブレード112と第2表面142との間の間隙距離(第2間隙距離)とを、個別に測定するよう構成されうる。かかる構成において、離隔距離134は、測定された(第1と第2の)間隙距離にセンサブレード112のブレード厚さ158を加えたものとなる。送信誘導コイル114、受信誘導コイル116、及び/又は測定サイト118は、第1表面140と第2表面142の一方又は両方に関連付けられうる。
【0140】
この段落の後述の記載が本開示の例41を特徴付け、例41は上記の例40による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、変調信号130を発生させるよう構成された、信号発生装置184を備える。
【0141】
信号発生装置184は、送信誘導コイル114の各々が送信プローブ信号122を発生させるための、変調信号130(AC電気信号)を発生させる。信号発生装置184は、AC電圧及び/又は電流信号を提供するために、発振器及び/又は波形発生装置を含みうる。信号発生装置184は、周波数、波形、振幅、変調、及び/又は位相といった特有の時間属性を有する、変調信号130を発生させるよう構成される。信号発生装置184は、変調信号130の時間属性を制御し、調節し、かつ/又は変動させるよう構成されうる。信号発生装置184は、送信誘導コイル114の各々に変調信号130を送るよう構成されてよく、かつ、送信誘導コイル114のうちの一又は複数に同時に変調信号130を送るよう構成されうる。通常、信号発生装置184は、低インピーダンス電路を用いて送信誘導コイル114に接続される。変調信号130の一又は複数の周波数におけるインピーダンスの低さ(例えば、100オーム未満の大きさ(magnitude))により、変調信号130の効率的な電送が容易になる。
【0142】
信号発生装置184は、間隙144の第1表面140及び第2表面142の材料と相互作用する送信プローブ信号122(変調された電磁放射)を生成するのに好適な周波数を伴う変調信号130を生成するよう、構成されうる(そして、変調信号130はかかる周波数を有しうる)。変調された電磁放射のより低い周波数(例えば、100kHz(キロヘルツ)未満、1kHz未満、又は0.1kHz未満)は、第1被加工物136及び第2被加工物138の中により深く入り込みうる。周波数が高く(例えば、0.1MHz(メガヘルツ)を上回る、10MHzを上回る、又は1,000MHzを上回るような、マイクロ波周波数又は無線周波数(RF))なれば、第1被加工物136及び第2被加工物138の表面相互作用が強化されうる。通常、周波数は1Hz(ヘルツ)を上回り、かつ1,000GHz(ギガヘルツ)未満である。
【0143】
この段落の後述の記載が本開示の例42を特徴付け、例42は上記の例40又は例41による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、周波数分割多重化によって送信プローブ信号122を多重化するよう構成される。
【0144】
送信システム120及び/又はデマルチプレクサ180は、変調信号130を送信誘導コイル114に送り、周波数分割多重化を介して送信プローブ信号122を生成するよう、構成されうる。ゆえに、変調信号130のうちの少なくとも1つは、変調信号130のうちの他の少なくとも1つとは異なる周波数を有しうる。同様に、送信プローブ信号122のうちの少なくとも1つは、送信プローブ信号122のうちの他の少なくとも1つとは異なる周波数を有しうる。追加的又は代替的には、送信誘導コイル114は選択された周波数に応答してよく、かつ/又は、別の送信誘導コイル114は別の周波数に応答しうる。例えば、送信誘導コイル114は共振してよく、かつ/又は、別の送信誘導コイル114は別の共振周波数ピークを有しうる。
【0145】
別々の周波数を有する複数の変調信号130(及び送信プローブ信号122)は、別々の測定サイト118における変調信号130(及び送信プローブ信号122)間に著しいクロストークがない状態で、同時に複数の送信誘導コイル114に送られ(複数の送信誘導コイル114によって生成され)うる。
【0146】
周波数分割多重化は、単一入力(又は出力)信号が、同時にアクティブになり、かつ各々が異なる周波数を有する、多重出力(又は入力)信号に接続される、多重化スキームである。具体的には、単一入力(又は出力)信号(例えば電流振幅)は、出力(又は入力)信号の群の各々ごとに異なる周波数で、変調される(又は復調される)。典型的な周波数分割多重化プロセスでは、重複しない周波数範囲で変調された出力信号の各々に単一入力信号が伝わり、それにより、出力信号の各々が異なる周波数を有する。逆に、典型的な周波数分割多重化プロセスでは、異なる周波数の多重入力信号の各々が同時に受信され、これらの入力信号の各々が復調されて、入力を組み合わせたものである一出力が発生する。この出力は、時分割多重化されうる(すなわち、復調された入力信号の各々が出力信号内に順次伝わりうる)か、並列でありうる(すなわち、復調された入力信号の各々が、異なる物理的チャネルを介して出力信号内に伝わりうる)か、又は、混合されうる(例えば、復調された入力信号がアナログになるか、若しくは、出力信号を発生させるためにデジタル的に混合される)。
【0147】
この段落の後述の記載が本開示の例43を特徴付け、例43は上記の例40から例42のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、周波数分割多重化によって応答信号126を多重化するよう構成される。
【0148】
受信システム124及び/又はマルチプレクサ190は、周波数分割多重化を介して、2つ以上の受信誘導コイル116から同時に応答信号126を受信するよう、構成されうる。ゆえに、応答信号126のうちの少なくとも1つは、応答信号126のうちの他の少なくとも1つとは異なる周波数を有しうる。追加的又は代替的には、受信コイル116は選択された周波数に応答してよく、かつ/又は、別の受信誘導コイル116は別の周波数に応答しうる。例えば、受信誘導コイル116は共振してよく、かつ/又は、別の受信誘導コイル116は別の共振周波数ピークを有しうる。
【0149】
複数の応答信号126を別々の周波数で受信することで、別々の測定サイト118及び/又は別々の受信誘導コイル116同士の間のクロストークが低減しうる。
【0150】
この段落の後述の記載が本開示の例44を特徴付け、例44は上記の例40から例43のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信プローブ信号122は静的交流電磁場である。
【0151】
送信プローブ信号122は、静的な(すなわち定常の)誘導交流電磁場(静的なAC磁場)でありうる。送信プローブ信号122は各々、1つの周波数を有し、かつ時変的であるが、この周波数は、変調周波数特性から送信プローブ信号122の平均特性を分離するのに十分なほど高いものである。例えば、送信プローブ信号122は、各々個別に、それぞれの送信プローブ信号122がアクティブである時に実質的に一定である、1つの振幅を有しうる。別の例としては、送信プローブ信号122は、各々個別に、それぞれの送信プローブ信号122がアクティブである時に実質的に一定である、1つの変調(平均振幅と比較しての、一周波数における相対振幅)を有しうる。静的(すなわち定常)特性を有することにより、間隙144における第1表面140、第2表面142、第1被加工物136、及び/又は第2被加工物138による送信プローブ信号122に対する影響の検出が、容易になる。
【0152】
この段落の後述の記載が本開示の例45を特徴付け、例45は上記の例40から例44のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信プローブ信号122はRF信号である。
【0153】
送信プローブ信号122及び/又は変調信号130は、無線周波数スペクトル内の(すなわち、3kHzを上回り30GHz未満である)一周波数を有しうる。RF信号の周波数などの相対的に高い周波数により、間隙144における第1被加工物136及び第2被加工物138の表面相互作用が強化されうる。
【0154】
この段落の後述の記載が本開示の例46を特徴付け、例46は上記の例40から例45のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信プローブ信号122は、10kHzを上回り、かつ10GHz未満である、一周波数を有する。
【0155】
10kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する送信プローブ信号122及び/又は変調信号130は、商業的に利便性が高いものであり、かつ/又は、協定、国内法、及び/又は国際条約によって、産業上及び/又は科学上の用途に割り当てられうる。
【0156】
この段落の後述の記載が本開示の例47を特徴付け、例47は上記の例40から例46のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112は、ブレード平面156、及び、ブレード平面156に対して直角なブレード厚さ158を有する。送信誘導コイル114は、ブレード平面156に対して直角に既定の距離内の、センサブレード112の外に配置された材料を調査するために、ブレード平面156の外部に静的交流電磁場を生成するよう構成される。この既定の距離は、ブレード厚さ158の20倍未満である。
【0157】
送信プローブ信号122及び/又は変調信号130は、静的な(すなわち定常の)誘導交流電磁場(静的なAC磁場)でありうる。交流電磁場は、送信誘導コイル114を越えて、交流電磁場の各々に関連付けられたセンサブレード112、測定サイト118、及び送信誘導コイル114の付近の空間の中へと広がる。交流電磁場は、金属、金属製材料、磁性材料、透磁性材料、及び導電性材料によってゆがめられ、かつ、それらの材料と相互作用する。ゆえに、送信プローブ信号122は、かかる材料のいずれかを含む第1表面140及び/又は第2表面142の存在、種類、及び/又は配置によって影響されうる。
【0158】
通常、送信誘導コイル114によって生成される静的交流電磁場は、送信誘導コイル114からの距離の逆べきに関連して低減する、静的な場の強さ(振幅)を有する。静的交流電磁場の各々の静的なソース強さとソース距離との関係は、静的交流電磁場を発生させる、変調信号130の振幅及び送信誘導コイル114の構成に依拠する。静的交流電磁場の振幅が所定の値(例えば、受信誘導コイル116において検出可能な最小値に対応する振幅)を有する、送信誘導コイル114からの距離は、センサブレード112の特有の感知距離でありうる。この特有の感知距離は、少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも10mmであり、かつ/又は100mm未満でありうる。ゆえに、電子隙間ゲージ110及びセンサブレード112は、少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも10mmであり、かつ/又は100mm未満である、間隙144の離隔距離134を測定するよう、構成されうる。
【0159】
この段落の後述の記載が本開示の例48を特徴付け、例48は上記の例40から例47のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114はRF送信アンテナ186である。
【0160】
送信誘導コイル114は、変調信号130に応答し、かつ/又は、無線周波数スペクトル内の周波数を有する送信プローブ信号122を発生させるよう構成されている、RF送信アンテナ186でありうる。RF送信アンテナ186は、RF信号を効率的に発生させ、効率的な電気的設計及びRF信号の使用を容易にしうる。RF送信アンテナ186は、(無線周波数スペクトル内の)送信周波数範囲及び/又はピーク送信周波数を有しうる。RF送信アンテナ186は、(無線周波数スペクトル内の)一又は複数の周波数で送信を行うよう微調整されうる。
【0161】
この段落の後述の記載が本開示の例49を特徴付け、例49は上記の例48による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、RF送信アンテナ186の全てが、共通周波数で送信を行うよう微調整される。
【0162】
RF送信アンテナ186は各々、共通周波数でかつ/又は共通周波数の範囲内で送信を行うよう微調整されうる。全てのRF送信アンテナ186に同じ周波数で送信を行わせることにより、電子機器設計が容易になり、かつ/又は、電子機器(送信システム120など)の効率が高まりうる。全てのRF送信アンテナ186に同じ周波数で送信を行わせることにより、共通周波数での電子隙間ゲージ110及び/又はセンサブレード112の使用が容易になりうる。共通周波数は、間隙144の選択された表面特性を調査するため、かつ/又は、間隙144内の選択された表面深さを調査するために、選択されうる。
【0163】
この段落の後述の記載が本開示の例50を特徴付け、例50は上記の例49による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、共通周波数で複数の変調信号130を発生させるよう構成されている、信号発生装置184を備える。
【0164】
信号発生装置184は、送信プローブ信号122が全て共通周波数を有するように、共通周波数で変調信号130を発生させるよう構成されうる。ゆえに、信号発生装置184は、共通周波数での送信プローブ信号122の生成を容易にするよう構成されうる。
【0165】
この段落の後述の記載が本開示の例51を特徴付け、例51は上記の例48による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、RF送信アンテナ186のうちの少なくとも1つは、RF送信アンテナ186のうちの別のうちの少なくとも1つの周波数とは異なる周波数で送信を行うよう、微調整される。
【0166】
複数のRF送信アンテナ186は、別々の測定サイト118に別々の周波数が使用される時の変調信号130及び/又は送信プローブ信号122同士の間のクロストークを低減するために、別々の周波数で送信を行うよう微調整されうる。
【0167】
この段落の後述の記載が本開示の例52を特徴付け、例52は上記の例51による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、複数のRF送信アンテナ186の全てが、互いとは異なる周波数で送信を行うよう微調整される。
【0168】
RF送信アンテナ186の全てに別々の周波数で送信を行わせることにより、全ての測定サイト118、送信プローブ信号122、及び/又は変調信号同士の間のクロストークが低減しうる。
【0169】
この段落の後述の記載が本開示の例53を特徴付け、例53は上記の例51又は例52による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、1つの周波数帯で複数の変調信号130を発生させるよう構成されている、信号発生装置184を備える。種々の周波数がこの周波数帯に含まれる。
【0170】
信号発生装置184は、別々の周波数の変調信号130が送信誘導コイル114を駆動させて、別々の周波数の送信プローブ信号122を生成しうるように、送信誘導コイル114に使用される周波数のうちのいずれかで変調信号130を発生させるよう構成されうる。
【0171】
この段落の後述の記載が本開示の例54を特徴付け、例54は上記の例48から例53のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116はRF受信アンテナ188である。
【0172】
受信誘導コイル116は、無線周波数スペクトル内の一周波数を有する送信プローブ信号122に応答するよう構成されている、RF受信アンテナ188でありうる。RF受信アンテナ188は、RF信号を効率的に受信し、効率的な電気的設計を容易にし、かつ、RF信号の使用を容易にしうる。RF受信アンテナ188は、(無線周波数スペクトル内の)受信周波数範囲及び/又はピーク受信周波数を有しうる。RF受信アンテナ188は、(無線周波数スペクトル内の)一又は複数の周波数で受信を行うよう微調整されうる。RF受信アンテナ188は、それぞれの測定サイト118において対応するRF送信アンテナ186によって生成された信号を受信するよう構成されうる。
【0173】
この段落の後述の記載が本開示の例55を特徴付け、例55は上記の例54による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、RF送信アンテナ186の各々は、対応する一周波数で送信を行うよう微調整される。RF受信アンテナ188の各々は、RF送信アンテナ186のうちの対応する1つに関連付けられ、かつ、RF送信アンテナ186のうちのこの対応する1つに対応する周波数を受信するよう、微調整される。
【0174】
RF送信アンテナ186及びRF受信アンテナ188は、RF受信アンテナ188が対応するRF送信アンテナ186から発される信号を受信するよう微調整されて、測定サイト118において対にされうる。この構成により、(間隙144における材料の存在によって改変された)送信プローブ信号122の効率的な受信が容易になり、かつ/又は、測定サイト118間のクロストークが制限されうる。
【0175】
この段落の後述の記載が本開示の例56を特徴付け、例56は上記の例54又は例55による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、RF送信アンテナ186の各々は、対応する一周波数で送信を行うよう微調整される。RF受信アンテナ188の各々は、RF送信アンテナ186のうちの対応する1つに関連付けられる。受信システム124は、RF受信アンテナ188の各々について、RF送信アンテナ186のうちのこの対応する1つに対応する周波数を受信するよう微調整される。
【0176】
受信システム124は、(例えば例56に記載しているように、RF受信アンテナ188が対応するRF送信アンテナ186からの信号を受信するよう微調整されることに加えて、又はそれに代えて、)RF送信アンテナ186から発される信号を受信するよう微調整されうる。受信システム124は、どのRF受信アンテナ188がアクティブである(応答信号126が受信されている)かにしたがって、どの周波数が受信されるかをコーディネートするよう、構成されうる。受信システム124を微調整することにより、応答信号126の効率的な受信が容易になり、かつ/又は、測定サイト118間のクロストークが制限されうる。
【0177】
この段落の後述の記載が本開示の例57を特徴付け、例57は上記の例40から例47のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116はRF受信アンテナ188である。
【0178】
受信誘導コイル116は、送信誘導コイル114がRF送信アンテナ186である(例えば例48)か否かにかかわらず、RF受信アンテナ188でありうる。RF受信アンテナ188は、それぞれの測定サイト118において対応する送信誘導コイル114によって生成された信号を受信するよう構成されうる。RF受信アンテナ188は、RF信号を効率的に受信し、効率的な電気的設計を容易にし、かつ、RF信号の使用を容易にしうる。
【0179】
この段落の後述の記載が本開示の例58を特徴付け、例58は上記の例40から例57のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信プローブ信号122は、搬送周波数を有する搬送波を含む。応答信号126は、搬送周波数の主信号を含む。受信システム124は、搬送波に対する主信号の相対振幅、相対変調、及び移相のうちの少なくとも1つを判定するよう構成される。
【0180】
送信プローブ信号122は、搬送波(一定の波形及び周波数を有する信号)を含み、かつ/又は、搬送波でありうる。送信プローブ信号122の周波数は、搬送周波数と称されうる。送信プローブ信号122は間隙144における材料と相互作用し、この相互作用は、通常、振幅変化、変調変化、及び移相を引き起こすが、周波数変化は引き起こさない。AC波(例えば搬送波、RF信号など)の変調は、AC波の平均振幅(DC強度とも称される)に対する、AC波の周波数成分の相対振幅である応答信号126の主信号の振幅、変調、及び/又は移相を判定することによって、間隙144における材料の相互作用、及び/又は離隔距離134が判定されうる。
【0181】
この段落の後述の記載が本開示の例59を特徴付け、例59は上記の例40から例58のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、応答信号126に基づいて離隔距離信号132を生成するよう構成される。離隔距離信号132は、第1被加工物136の第1表面140と第2被加工物138の第2表面142との間の、センサブレード112の測定サイト118における離隔距離134に関連する。
【0182】
電子隙間ゲージ110は、第1被加工物136及び第2被加工物138などの類似した、又は類似していない構成要素間の間隙144を測定するために、使用されうる。第1被加工物136及び第2被加工物138の材料、及び/又は、間隙144の第1表面140及び第2表面142を形成する材料は、各々個別に、金属、金属製材料、伝導性材料、磁性材料、ポリマー材料、及び/又は複合材料でありうる。これらの材料は、電気的又は磁気的に伝導性である必要はない。電子隙間ゲージ110は、第1被加工物136の材料、第2被加工物138の材料、第1表面140における材料、及び/又は第2表面142における材料にかかわらず信頼性の高い離隔距離測定値を生成するために、様々な種類の材料向けに校正されうる。電子隙間ゲージ110は、既知の材料間の、既知のサイズ(厚さ、及び、通常は幅と深さ)の校正間隙内に、センサブレード112を挿入することによって、校正されうる。校正間隙は、校正品(校正ツールとも称されうる)内に形成されうる。校正は、本書で更に開示されるように、送信誘導コイル114の端から端まで供給される直流電流128、及び/又は、受信システム124によって受信される応答信号126を、調整することを含みうる。
【0183】
この段落の後述の記載が本開示の例60を特徴付け、例60は上記の例59による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、測定サイト118のうちの少なくとも1つが第1表面140及び第2表面142によって画定された間隙144内にある時に、応答信号126を受信するよう構成される。
【0184】
センサブレード112は、間隙144内に完全には適合しないことがあり、かつ/又は、間隙144内に完全には挿入されないことがある。間隙144内の測定サイト118は、間隙144内の離隔距離134を測定するために使用されうる。間隙144の外部の測定サイト118は、実質的に、間隙がないこと、不定形の離隔距離、又は信号条件がないことを、測定しうる。受信システム124及び/又は電子隙間ゲージ110は、どの測定サイト118が間隙144の中にあるか、及び、どの測定サイト118が間隙144の外部にあるかを判定するよう、構成されうる。どの測定サイト118が間隙144の中及び/又は外部にあるかを判定することで、(例えば、間隙144の中のセンサブレード112の深さ及び/又は面積を提供することによって、)間隙144の深さ及び/又は間隙144の断面積の測定値及び/又は推定値が提供されうる。受信システム124及び/又は電子隙間ゲージ110は、一又は複数の測定サイト118が間隙144内にある場合にのみ離隔距離134を測定するよう、構成されうる。
【0185】
この段落の後述の記載が本開示の例61を特徴付け、例61は上記の例40から例60のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114の各々は、送信システム120によって、個別かつ電気的にアドレスされる。
【0186】
送信誘導コイル114を個別にアドレスすることにより、一又は複数の送信誘導コイル114を個別に、かつ/又は別々の時点において、動作させることが可能になる。個別に動作させることは、個別に、オンにすること、オフにすること、異なる直流電流128を使用すること、及び/又は、送信誘導コイル114のうちの一又は複数(オプションで全て)向けに直流電流128を調整することを、含みうる。送信誘導コイル114は、行、列、及び/又は領域などの群で、動作し(かつ/又は、電気的にアドレスされ)うる。群は、3つの要素おきなど、散在していてよく、かつ/又は、平均して3つの要素おきに1つの要素がひとまとめに制御される一領域など、不規則なものでありうる。
【0187】
送信誘導コイル114のうちの一又は複数(オプションで各々)を個別に動作させることにより、別々の送信誘導コイル114及び/又は別々の測定サイト118同士の間のクロストークが皆無かそれに近い状態で、間隙144を調査することが容易になる。送信誘導コイル114のうちの一又は複数(オプションで各々)を個別に動作させることにより、個別に制御された送信誘導コイル114によって発生した誘導磁場を、個別に調整することが容易になる。例えば、送信誘導コイル114の各々向けの直流電流128が、送信誘導コイル114の各々が同じ強さの誘導磁場を発生させるように調整されうる。
【0188】
この段落の後述の記載が本開示の例62を特徴付け、例62は上記の例40から例61のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、送信プローブ信号122のうちの1つを、送信プローブ信号122のうちの別の1つとは異なる時点において発生させるために、デマルチプレクサ180を備える。
【0189】
送信システム120のデマルチプレクサ180は、送信システム120から送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つに直流電流128をルーティングして、それぞれの送信プローブ信号122を発生させる。通常、送信システム120のデマルチプレクサ180は、複数の出力先のうちのいずれか1つ(例えば送信誘導コイル114のうちの1つ)に、単一入力信号(例えば直流電流128)をルーティングする。デマルチプレクサ180を使用することにより、効率的な電気設計が容易になり、かつ、直流電流128を送信誘導コイル114の各々に提供するために単一ソース(例えば電流源182)を使用することが容易になる。
【0190】
送信システム120及び/又はデマルチプレクサ180は、別々の時点において別々の送信誘導コイル114に直流電流128をルーティングするよう、構成されうる。ゆえに、電子隙間ゲージ110は、別々の時点において送信プローブ信号122のうちの別々のものを発生させるよう、構成されうる。例えば、測定サイト118において順次送信プローブ信号122を発生させるために、送信誘導コイル114の各々には、直流電流128が順次送られうる。いくつかの測定サイト118において送信プローブ信号を発生させる一方、それ以外の測定サイトは送信プローブ信号122を有しないことで、別々の測定サイト118及び/又は別々の送信誘導コイル114同士の間のクロストークが低減しうる。デマルチプレクサ180は、直流電流128が定常に保たれている(例えば、電流源182が実質的に一定の直流電流128を発生させている)間に、送信誘導コイル114のうちのどれが直流電流128を受信するかを、切り替えるよう構成されうる。
【0191】
この段落の後述の記載が本開示の例63を特徴付け、例63は上記の例40から例62のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信システム120は、時分割多重化によって送信プローブ信号122を多重化するよう構成される。
【0192】
送信システム120及び/又はデマルチプレクサ180は、直流電流128を送信誘導コイル114に送り、時分割多重化を介して、送信プローブ信号122を一度に1つ(又は一群)発生させるよう、構成されうる。ゆえに、同時に送信プローブ信号122を発生させるのは、全部よりも少ない数(例えば1つ)の送信誘導コイル114である。別々の時点において送信プローブ信号を発生させることで、別々の測定サイト118及び/又は別々の送信誘導コイル114同士の間のクロストークが低減しうる。
【0193】
この段落の後述の記載が本開示の例64を特徴付け、例64は上記の例40から例63のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、受信誘導コイル116の各々向けの応答信号126のうちの少なくとも1つを、受信するよう構成される。
【0194】
受信誘導コイル116の各々は、それぞれの測定サイト118における(送信プローブ信号122が間隙144における材料と相互作用することによる)誘導磁場に応答しうる。受信システム124は、測定サイト118に対応する受信誘導コイル116の各々向けの個別の応答信号126を受信しうる。受信誘導コイル116の各々向けの応答信号126のうちの少なくとも1つを受信することにより、測定サイト118の各々における誘導磁場の相互作用を個別に判定することが、容易になる。
【0195】
この段落の後述の記載が本開示の例65を特徴付け、例65は上記の例40から例64のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116の各々は、送信システム124によって、個別かつ電気的にアドレスされる。
【0196】
受信誘導コイル116を個別にアドレスすることにより、個別に、かつ/又は別々の時点において、一又は複数の応答信号126を受信することが可能になる。受信誘導コイル116は、アクティブな送信誘導コイル114(すなわち、送信プローブ信号122を発生させている送信誘導コイル14)に対応する行、列、及び/又は領域などの群で利用されうる。追加的又は代替的には、受信誘導コイル116は、測定サイト118のうちの別々のものにおいて送信プローブ信号122のうちの一又は複数を(例えば順次又は連続的に)サンプリングするよう、個別かつ電気的にアドレスされうる。
【0197】
受信誘導コイル116のうちの一又は複数(オプションで全て)を個別に利用することにより、別々の送信誘導コイル114、別々の受信誘導コイル116、及び/又は別々の測定サイト118同士の間のクロストークが皆無かそれに近い状態で、間隙144を調査することが容易になる。例えば、測定サイト118の各々に関して、関連付けられた送信誘導コイル114が、その測定サイト118において対応する送信プローブ信号122を発生させうる一方、近隣の送信誘導コイル114は無効化される(送信プローブ信号122を発生させるよう動作しない)。その測定サイト118に関連付けられた受信誘導コイル116(及び/又は、近隣の測定サイト118の、近隣の受信誘導コイル116)は、他の送信プローブ信号122からの有意な干渉を受けることなく動作している送信誘導コイル114のうちの1つからの、対応する送信プローブ信号122を受信するために利用されうる。
【0198】
この段落の後述の記載が本開示の例66を特徴付け、例66は上記の例40から例65のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、応答信号126のうちの1つを、応答信号126のうちの別の1つとは異なる時点において受信するために、マルチプレクサ190を備える。
【0199】
受信システム124のマルチプレクサ190は、受信システム124内で測定される受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つからの応答信号126をルーティングする。通常、受信システム124のマルチプレクサ190は、多重入力信号のうちのいずれか1つ(例えば、対応する受信誘導コイル116からの応答信号126のうちのいずれか1つ)を、単一出力信号にルーティングし、この単一出力信号は次いで、(例えばアナログデジタル変換によって、)更に処理されうる。マルチプレクサ190を使用することにより、効率的な電気設計が容易になり、かつ、単一組の検出用電子機器を使用して、全ての受信誘導コイル116からのそれぞれの応答信号126を検出することが容易になる。
【0200】
受信システム124及び/又はマルチプレクサ190は、別々の時点において、別々の受信誘導コイル116からの応答信号126をルーティングするよう構成されうる。ゆえに、電子隙間ゲージ110は、別々の時点において応答信号126のうちの別々のものを受信するよう構成されうる。例えば、測定サイト118からの順次的な応答信号126を受信するために、受信誘導コイル116の各々は、マルチプレクサ190を介して、受信システム124に順次接続されうる。一部の測定サイトから応答信号126を受信する一方、それ以外の測定サイトは応答信号126を送らないことで、別々の測定サイト118及び/又は別々の受信誘導コイル116同士の間のクロストークが低減しうる。
【0201】
この段落の後述の記載が本開示の例67を特徴付け、例67は上記の例40から例66のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信システム124は、時分割多重化によって応答信号126を多重化するよう構成される。
【0202】
受信システム124及び/又はマルチプレクサ190は、時分割多重化を介して、受信誘導コイル116からの応答信号236を一度に1つ(又は一群)受信するよう、構成されうる。ゆえに、同時に応答信号126を送るのは、全部よりも少ない数(例えば1つ)の受信誘導コイル116である。別々の時点において応答信号を受信することで、別々の測定サイト118及び/又は別々の受信誘導コイル116同士の間のクロストークが低減しうる。
【0203】
この段落の後述の記載が本開示の例68を特徴付け、例68は上記の例40から例67のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114は、数が受信誘導コイル116に等しい。
【0204】
通常、送信誘導コイル114は、受信誘導コイル116と一対一の関係性を有する。測定サイト118の各々は、その測定サイト118に、送信誘導コイル114のうちの1つ、及び受信誘導コイル116のうちの1つを有しうる。受信誘導コイル116の各々は、送信誘導コイル114のうちの1つによって発生した誘導磁場を感知するよう、配置され、かつ/又は位置付けられうる。ゆえに、測定サイト118の各々は、単一の送信誘導コイル114、及び、単一の受信誘導コイル116を有しうる。対になっており、かつ/又は、協働して機能するよう構成されている、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116により、(例えば、送信システム120及び受信システム124の中の)送信用及び受信用の電子機器、並びに、(主に、対の及び/又は協働する送信誘導コイル114と受信誘導コイル116に関して、応答信号126を送信プローブ信号122と比較することによる、)離隔距離134の判定が、単純化されうる。
【0205】
この段落の後述の記載が本開示の例69を特徴付け、例69は上記の例40から例68のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116は、センサブレード112の送信誘導コイル114の間に散在している。
【0206】
送信誘導コイル114は、間隙144内の離間した測定サイト118を調査するために、センサブレード内で離間していることがある。受信誘導コイル116は、通常、測定サイト118の、関連付けられた送信誘導コイル114の近位にある。受信誘導コイル116は、送信誘導コイル114によって占められていないスペースに、送信誘導コイル114と対配置されてよく、ゆえに、送信誘導コイル114の間に散在しうる。送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とを対配置すること、及び/又は散在させることで、測定サイト118がよりコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112(例えば、ブレード平面156の面積、ブレード厚さ158、及び/又はセンサブレード112の体積)がよりコンパクトになる。測定サイト118がよりコンパクトになることで、センサブレード112におけるより高密度の測定サイト118、ひいては、間隙144内の離隔距離134のより高精度な判定が、可能になる。
【0207】
この段落の後述の記載が本開示の例70を特徴付け、例70は上記の例40から例69のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116は、センサブレード112において送信誘導コイル114と互いに組み合わされる。
【0208】
受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とは、例えば図6の例に示すように、センサブレード112において互いに組み合わされうる。受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とを互いに組み合わせることで、測定サイト118がよりコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112(例えば、ブレード平面156の面積、ブレード厚さ158、及び/又はセンサブレード112の体積)がよりコンパクトになる。測定サイト118がよりコンパクトになることで、センサブレード112におけるより高密度の測定サイト118、ひいては、間隙144内の離隔距離134のより高精度な判定が、可能になる。
【0209】
この段落の後述の記載が本開示の例71を特徴付け、例71は上記の例40から例70のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つは、センサブレード112の送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つと重複する。
【0210】
受信誘導コイル116の一部又は全部が、送信誘導コイル114の一部又は全部と重複しうる。受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とが重複することで、測定サイト118がよりコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112(例えば、ブレード平面156の面積、ブレード厚さ158、及び/又はセンサブレード112の体積)がよりコンパクトになる。測定サイト118がよりコンパクトになることで、センサブレード112におけるより高密度の測定サイト118、ひいては、間隙144内の離隔距離134のより高精度な判定が、可能になる。
【0211】
この段落の後述の記載が本開示の例72を特徴付け、例72は上記の例71による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116の各々は、センサブレード112において送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つと重複する。
【0212】
全ての受信誘導コイル116が、対応する送信誘導コイル114と重複することもある。全ての受信誘導コイル116を各々、送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つと重複させることで、一部の受信誘導コイル116のみが送信誘導コイル114と重複する場合と比べて、測定サイト118の全てがコンパクトになり、かつ/又は、センサブレード112が更にコンパクトになる。
【0213】
この段落の後述の記載が本開示の例73を特徴付け、例73は上記の例40から例72のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つと送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つは、重複領域148で重複し、かつ、重複領域148において一又は複数の誘電体層150によって分離される。
【0214】
少なくとも、受信誘導コイル116と送信誘導コイル114が重複するところでは(すなわち重複領域148において)、受信誘導コイル116と送信誘導コイル114との直接的な電気接続を回避するために、受信誘導コイル116と送信誘導コイル114とが分離される。誘電体層150(図5の例に示す)は、センサブレード112の電気絶縁層である。誘電体層150の数が多くなることで、1つの誘電体層150よりも、電気的隔離、及び/又は絶縁破壊に抗する強さが、増大しうる。誘電体層150は通常、非常に薄い(例えば、厚さが100μm(ミクロン)未満、10μm未満、又は1μm未満)。誘電体層150は、通常、センサブレード112が屈曲した後にも誘電完全性を維持するのに十分な弾力を有する。
【0215】
この段落の後述の記載が本開示の例74を特徴付け、例74は上記の例40から例73のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とは、一又は複数の誘電体層150によって分離される。
【0216】
通常、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とは、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116との直接的な電気接続を回避するために、分離されうる。誘電体層150の数が多くなることで、1つの誘電体層150の電気的隔離、及び/又は絶縁破壊に抗する強さが、増大しうる。
【0217】
この段落の後述の記載が本開示の例75を特徴付け、例75は上記の例74による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116とは、一又は複数の誘電体層150のうちの1つの両側に形成される。
【0218】
誘電体層150は各々、電気機械構造物を支持しうる基板でありうる。例えば、電子回路素子が、誘電体層150に堆積され、スクリーン印刷され、エッチングされ、かつ/又は、成型されうる。送信誘導コイル114及び/又は受信誘導コイル116は、同じ又は別々の誘電体層150に形成されうる。一部の例では、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116が、センサブレード112に必要な層の総数を減少させるため、センサブレード112の製造を単純化するため、及び/又は、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116との位置合わせ(相対配置)を単純化するために、誘電体層150のうちの1つの両側に形成されうる。
【0219】
この段落の後述の記載が本開示の例76を特徴付け、例76は上記の例40から例75のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114と受信誘導コイル116は、センサブレード112内の別々の層の中に配置される。
【0220】
送信誘導コイル114の製造、受信誘導コイル116の製造、及び/又はセンサブレード112の製造を単純化するために、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116は、センサブレード112内の別々の層に作製され、かつ/又は、かかる層の中に配置されうる。例えば、図5に示しているように、送信誘導コイル114が1つのコイル層154の中に配置されてよく、受信誘導コイル116は別のコイル層154の中に配置されうる。コイル層154の各々は、個別に作製され、次いで一緒になるように積層されて、センサブレード112を形成しうる。コイル層154は、送信誘導コイル114及び/又は受信誘導コイル116の各々の間及び/又は周囲に、誘電体材料を含みうる。コイル層154は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116が互いから電気的に隔離されたままである限り、誘電体層150の介在を伴って、又は伴わずに、一緒になるように積層されうる。コイル層154は非常に薄い(例えば、厚さが100μm未満、10μm未満、又は1μm未満)。コイル層154は、通常、センサブレード112が屈曲した後にも、送信誘導コイル114及び/又は受信誘導コイル116の完全性を維持するのに十分な弾力を有する。
【0221】
この段落の後述の記載が本開示の例77を特徴付け、例77は上記の例40から例76のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114はグラフェンを含む。
【0222】
送信誘導コイル114は、コイル構成に形成された導電性材料を有する電気回路素子である。送信誘導コイル114は、通常、マイクロエレクトロニクスデバイスであり、かつ通常、基板の表面上又は内部の非常に薄い層(例えば、層の厚さが100μm未満、10μm未満、又は1μm未満)に形成される。グラフェンは、層の中に形成されうる、非常に薄い導電形態のカーボンであり、典型的には、単一原子の厚さしかない。グラフェンの送信誘導コイル114を形成することにより、薄い送信誘導コイル114、薄いコイル層154、及び/又は、薄いセンサブレード112が可能になり、これにより、高密度の送信誘導コイル114、及び/又は、薄い間隙144(例えば、厚さが平均10μm未満、1μm未満、又は0.1μm未満)の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。
【0223】
この段落の後述の記載が本開示の例78を特徴付け、例78は上記の例40から例77のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116はグラフェンを含む。
【0224】
受信誘導コイル116は、コイル構成に形成された導電性材料を有する電気回路素子である。受信誘導コイル116は、通常、マイクロエレクトロニクスデバイスであり、かつ通常、基板の表面上又は内部の非常に薄い層(例えば、層の厚さが100μm未満、10μm未満、又は1μm未満)に形成される。グラフェンの受信誘導コイル116を形成することにより、薄い受信誘導コイル116、薄いコイル層154、及び/又は、薄いセンサブレード112が可能になり、これにより、高密度の受信誘導コイル116、及び/又は、薄い間隙144の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。
【0225】
この段落の後述の記載が本開示の例79を特徴付け、例79は上記の例40から例78のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114は螺旋状平面インダクタである。
【0226】
螺旋状平面インダクタは薄層内に形成されてよく、これにより、高密度の送信誘導コイル114、及び/又は、薄い間隙144の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。螺旋状平面インダクタは、平面的な螺旋形状を有する電気的インダクタである。螺旋状平面インダクタの2つの例を、図6に概略的に示している。図6の受信誘導コイル116は、単純な幾何形状(図6の例では長方形:他の一般的な形状は、円形、楕円形、長方形、及び凸多角形である)をたどって、共通中心の周囲で螺旋状になっている電気トレースを伴う、典型的な平面螺旋形状を有する。図6の送信誘導コイル114は、平面的な凹螺旋形状であって、その内側で、電気トレースが、凹多角形をたどって共通中心の周囲で螺旋状になっている、形状を有する。螺旋状平面インダクタは、パンケーキインダクタと称されることもある。
【0227】
この段落の後述の記載が本開示の例80を特徴付け、例80は上記の例40から例79のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116は螺旋状平面インダクタである。
【0228】
螺旋状平面インダクタは薄層内に形成されてよく、これにより、高密度の受信誘導コイル116、及び/又は、薄い間隙144の中でのセンサブレード112の使用が、容易になりうる。
【0229】
この段落の後述の記載が本開示の例81を特徴付け、例81は上記の例40から例80のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116を覆う、外側保護層152を備える。
【0230】
図5の例に示しているように、外側保護層152は、送信誘導コイル114及び受信誘導コイル116を、機械的接触、電気的接触、及び/又は環境の影響から隔離する。例えば、外側保護層152は、丈夫であり、耐摩耗性であり、防水性であり、かつ/又は気密性でありうる。外側保護層152は、センサブレード112と同様に、半可撓性であってよく、かつ/又は、センサブレード112が間隙144内に挿入される時に発生しうる屈曲に耐えることが可能でありうる。外側保護層152は、ポリウレタン材料及び/又は、傷つきにくい強化ガラス(例えば、GORILLA GLASS(登録商標)ガラス)の半可撓性コーティングを含んでよく、かつ/又は、かかるコーティングでありうる。センサブレード112は、環境に曝露される縁部及び/又は表面の全てに、外側保護層152を備えうる。通常、外側保護層152は、非常に薄い(例えば、1mm未満、0.1mm未満、又は0.01mm未満)。
【0231】
この段落の後述の記載が本開示の例82を特徴付け、例82は上記の例40から例81のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、送信誘導コイル114の各々は、1平方センチメートル未満であり100平方ミクロンを上回る、横方向面積を有する。
【0232】
送信誘導コイル114が小さいこと(1平方センチメートル未満の横方向面積を有する)により、測定サイト118を小さくすること、及び/又は、離隔距離134の高精度測定が、可能になる。送信誘導コイル114の横方向面積は、センサブレード112のブレード平面156における送信誘導コイル114の面積である。
【0233】
この段落の後述の記載が本開示の例83を特徴付け、例83は上記の例40から例82のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、受信誘導コイル116の各々は、1平方センチメートル未満であり100平方ミクロンを上回る、横方向面積を有する。
【0234】
受信誘導コイル116が小さいこと(1平方センチメートル未満の横方向面積を有する)により、測定サイト118を小さくすること、及び/又は、離隔距離134の高精度測定が、可能になる。受信コイル116の横方向面積は、センサブレード112のブレード平面156における受信誘導コイル116の面積である。
【0235】
この段落の後述の記載が本開示の例84を特徴付け、例84は上記の例40から例83のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112は、1平方センチメートル当たりの測定サイト118が1つを上回り、かつ、1平方センチメートル当たりの測定サイト118が1,000,000を下回る密度で、少なくとも1000の測定サイト118を有する。
【0236】
電子隙間ゲージ110は、間隙144の高精度の厚さマップを提供するために、高密度の測定サイト118、及び/又は、多数の測定サイト118を有しうる。センサブレード112は、アクティブな表面積(測定サイト118を含む表面積)、及び/又は、典型的な間隙144と同程度の幅を有しうる。ゆえに、センサブレード112は、10cm(平方センチメートル)を上回る、又は50cmを上回る、アクティブな表面積を有しうる。センサブレード112は、1cmを上回る、5cmを上回る、又は20cmを上回る、幅を有しうる。
【0237】
この段落の後述の記載が本開示の例85を特徴付け、例85は上記の例40から例84のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112は、0.5mm未満であり0.001mmを上回る、厚さを有する。
【0238】
センサブレード112は、広範なサイズの間隙144内に適合するよう、薄いものでありうる。センサブレード112は、薄い(例えば0.5mmほどの)間隙144内に適合し、かつ/又は、かかる間隙144を測定するのに十分なほど、薄いものでありうる。センサブレード112は、間隙144の中のシム170の周囲の残空間内に適合し、かつ/又は、かかる残空間を測定するのに十分なほど、薄いものでありうる。航空宇宙産業においては、部品同士の相対位置の許容誤差が0.05インチ(約1mm)未満であることがあり、したがって、間隙144及び/又は残空間は1mm未満になりうる。
【0239】
この段落の後述の記載が本開示の例86を特徴付け、例86は上記の例40から例85のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、電子隙間ゲージ110は、受信システム124に動作可能に連結されている演算システム160を更に備える。
【0240】
演算システム160は、通常、送信システム120及び/又は受信システム124を制御するよう設定(例えばプログラミング)される。演算システム160は、送信誘導コイル114で送信プローブ信号122を生成すること、受信誘導コイル116で応答信号126を受信すること、及び/又は、離隔距離134を判定することを、コーディネートしうる。
【0241】
演算システム160は、一又は複数の電子通信リンクによって、送信システム120及び/又は受信システム124に動作可能に連結されうる。演算システム160は、コンピュータ(例えば、プロセッサ及びメモリを備えるもの)、及び/又は専用ハードウェアを備えてよく、かつ/又は、かかるコンピュータ及び/又は専用ハードウェアでありうる。演算システム160は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアで、その機能(例えば、送信プローブ信号122の生成を制御すること、応答信号126の受信を制御すること、及び/又は、離隔距離134を判定すること)を実装しうる。
【0242】
この段落の後述の記載が本開示の例87を特徴付け、例87は上記の例86による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、応答信号126及び測定サイト118に基づいて、センサブレード112によって調査された間隙144の3D仮想モデル162を生成するよう設定される。
【0243】
3D仮想モデル162は、電子隙間ゲージ110及びセンサブレード112によって調査された間隙144を表すものであり、間隙144解析するため、間隙144を充填する一又は複数のシム170を選択するため、及び/又は、間隙144を充填する一又は複数のシム170を作り出すために、使用されうる。3D仮想モデル162は、間隙144の容積、表面積、及び/又は形状を判定するために使用されうる。間隙144の正確な表現(3D仮想モデル162など)によって、間隙144を充填する一又は複数のシム170のサイズ及び形状の判定が、正確に導かれる。
【0244】
演算システム160は、測定サイト118において判定された離隔距離134に基づいて、3D仮想モデル162を生成するよう設定される。演算システム160は、応答信号126及び/又は送信プローブ信号122に基づいて、離隔距離134を判定するよう設定されうる。追加的又は代替的には、演算システム160は、応答信号126及び/又は送信プローブ信号122に基づいて判定された離隔距離134を、(例えば受信システム124から)受信しうる。3D仮想モデル162は、点群、多角形メッシュ、及び/又は3D表現(例えば、表面テッセレーション、3Dワイヤフレーム、3D立体、又は3D境界表現)でありうる。
【0245】
この段落の後述の記載が本開示の例88を特徴付け、例88は上記の例87による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、候補シムの寸法を間隙144の3D仮想モデル162と比較することによって、間隙144内に挿入されるのに好適なシム170を特定するよう設定される。
【0246】
演算システム160は、候補シムの寸法を記憶し、かつ/又は、候補シムの寸法を提供されうる。どの一又は複数の候補シムが間隙144を充填するのに好適であるかを特定するために、候補シムの寸法が3D仮想モデル162と比較されうる。例えば、図3では、3つのシム170が配置されて、間隙144を一緒に充填している。
【0247】
演算システム160は、間隙144を充填する候補シムの集まりから一又は複数の好適なシム170を特定するよう、設定されうる。演算システム160は、各々が好適でありうるいくつかの個別の候補シムを特定し、オプションでランク付けするよう、設定されうる。演算システム160は、間隙144を充填するために一緒に使用されうる候補シムの群を特定するよう設定されうる(ゆえに、候補シムのこの群は共に、好適なシム170となる)。加えて、演算システム160は、間隙144内に候補シムの群を配置する、順序及び/又はパターンを特定しうる。シム170は、黄銅、アルミニウム、チタニウム、及び複合材料(例えば繊維ガラス)などの好適な構造材料で形成されうる。
【0248】
一又は複数の好適なシム170を特定することは、間隙144内へのシム170の取り付けに役立つ。技術員が、好適なシムが見つかるまでシム170の試し適合を行う必要がなくなるからである。追加的又は代替的には、適切な配向、順序、及び/又は配置でのシム170の取り付けに役立てるために、好適なシム170の配向、順序、及び/又は配置が、演算システム160によって特定されうる。
【0249】
この段落の後述の記載が本開示の例89を特徴付け、例89は上記の例87又は例88による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、ディスプレイ164を備えており、かつ、ディスプレイ164上で間隙144の3D仮想モデル162の画像を見えるようにするよう設定される。
【0250】
3D仮想モデル162の画像を見えるようにすることは、間隙144が成功裏に測定されたことの作業員による検証に役立ちうる。追加的又は代替的には、3D仮想モデル162の画像は、間隙144を充填するために使用するのに好適なシム170を特定し、かつ/又は検証するために使用されうる。
【0251】
通常、作業員が表示をズームし、回転させて、3D仮想モデル162の種々の見え方を視認しうるように、演算システム160は、3D仮想モデル162を相互作用的に表示するよう設定される。演算システム160は、ディスプレイ164で候補シム及び/又は好適なシム170の画像を見えるようにするよう設定されてよく、かつ、比較可能な画像(例えば、オーバーレイ画像、隣り合って並べた画像など)を表示するよう設定されうる。ディスプレイ164は、LEDディスプレイ、LCDディスプレイなどといった電子視覚ディスプレイである。
【0252】
この段落の後述の記載が本開示の例90を特徴付け、例90は上記の例86から例89のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、応答信号126に基づいて離隔距離信号134を判定するようよう設定される。離隔距離134は、第1被加工物136の第1表面140と第2被加工物138の第2表面142との間の、センサブレード112の測定サイト118におけるものである。
【0253】
演算システム160は、測定サイト118の各々に対応する応答信号126及び/又は送信プローブ信号122に基づいて、離隔距離134を判定するよう設定される。応答信号126は、測定サイトにおける電磁場(例えば送信プローブ信号122)の存在及び/又は特性にしたがって生成される。第1被加工物136及び第2被加工物138の材料の場所及び組成が、(第1被加工物136の)第1表面140と(第2被加工物138の)第2表面142との間の測定サイト118からの応答信号126に影響する。測定サイト118の各々について、離隔距離134を判定するために、測定された応答信号126が、応答信号の校正された値及び/又はモデルと比較されうる。
【0254】
この段落の後述の記載が本開示の例91を特徴付け、例91は上記の例90による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、候補シムの寸法を測定サイト118における離隔距離134と比較することによって、センサブレード112により調査された間隙144内に挿入されるのに好適なシム170を特定するよう設定される。
【0255】
演算システム160は、候補シムの寸法を記憶し、かつ/又は、候補シムの寸法を提供されうる。どの一又は複数の候補シムが間隙144を充填するのに好適であるかを特定するために、候補シムの寸法が、測定サイト118における離隔距離134と比較されうる。演算システム160は、間隙144を充填する候補シムの集まりから一又は複数の好適なシム170を特定するよう、設定されうる。演算システム160は、各々が好適でありうるいくつかの個別の候補シムを特定し、オプションでランク付けするよう、設定されうる。演算システム160は、間隙144を充填するために一緒に使用されうる候補シムの群を特定するよう設定されうる(ゆえに、候補シムのこの群は共に、好適なシム170となる)。加えて、演算システム160は、間隙144内に候補シムの群を配置する、順序及び/又はパターンを特定しうる。
【0256】
一又は複数の好適なシム170を特定することは、間隙144内へのシム170の取り付けに役立つ。技術員が、好適なシムが見つかるまでシム170の試し適合を行う必要がなくなるからである。追加的又は代替的には、適切な配向、順序、及び/又は配置でのシム170の取り付けに役立てるために、好適なシム170の配向、順序、及び/又は配置が、演算システム160によって特定されうる。
【0257】
この段落の後述の記載が本開示の例92を特徴付け、例92は上記の例90又は例91による記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160は、ディスプレイ164を備え、かつ、ディスプレイ164に測定サイト118における離隔距離134の画像を表示するよう設定される。
【0258】
離隔距離134の画像を見えるようにすることは、間隙144が成功裏に測定されたことの作業員による検証に役立ちうる。追加的又は代替的には、離隔距離134の画像は、間隙144を充填するために使用するのに好適なシム170を特定し、かつ/又は検証するために使用されうる。
【0259】
測定サイト118における離隔距離134の画像は、グラフ、表、線プロファイル、表面プロファイル、多角形メッシュ、及び/又は空間レンダリングの形態でありうる。例えば、測定サイト118における離隔距離134の画像は、各棒が測定サイト118のうちの1つにおける1つの離隔距離134を表している二次元棒グラフであってよく、各棒は、測定サイト118の2次元構成を表すよう配置されうる。
【0260】
作業員が表示をズームし、回転させて、離隔距離134の種々の見え方を視認しうるように、演算システム160は、離隔距離134を相互作用的に表示するよう設定されうる。演算システム160は、ディスプレイ164で候補シム及び/又は好適なシム170の画像及び/又は寸法を見えるようにするよう設定されてよく、かつ、比較可能な画像(例えば、オーバーレイ画像、隣り合って並べた画像など)を表示するよう設定されうる。
【0261】
この段落の後述の記載が本開示の例93を特徴付け、例93は上記の例86から例92のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、演算システム160及び受信システム124は、無線で通信するよう構成される。
【0262】
演算システム160と受信システム124との間の無線通信により、受信システム124の遠隔操作及び/又は電子隙間ゲージ110のモジュール設計が容易になる。例えば、演算システム160は、受信システム124から物理的に分離されているか、又は分離可能でありうる。好適な無線通信のプロトコル及び技術は、赤外通信、無線(radio)通信、WI-FI(登録商標)プロトコル、及びBLUETOOTH(登録商標)プロトコルを含む。
【0263】
この段落の後述の記載が本開示の例94を特徴付け、例94は上記の例86から例93のいずれか1つによる記載も含む。図1を概括的に参照しつつ、例えば図2から図6を詳細に参照するに、センサブレード112、送信システム120、及び受信システム124は、携帯式プローブ172の各部分である。演算システム160は、携帯式プローブ172に電力を無線で供給するよう設定される。
【0264】
演算システム160と携帯式プローブ172との間の無線電力伝達により、携帯式プローブ172の遠隔操作及び/又は電子隙間ゲージ110のモジュール設計が容易になる。無線電力伝達を有することで、携帯式プローブ172は、無線電力伝達を利用しない電子隙間ゲージ110と比較して、電力ケーブルを伴わずにより小さなパッケージで生産されうる。無線電力伝達は、誘導充電(誘導結合した構成要素)によって、容量充電(容量結合した構成要素)によって、及び/又は、照射充電によって(例えば、電波エネルギー、マイクロ波エネルギー、レーザエネルギーなどのビームの伝達によって)、実施されうる。
【0265】
図7を概括的に参照しつつ、例えば図1から図6を詳細に参照するに、間隙144内の離隔距離134を測定する方法400が開示されている。方法400は、(ブロック402)第1表面140と第2表面142によって画定された間隙144内に、センサブレード112を挿入することと、(ブロック404)送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することと、(ブロック406)送信プローブ信号122に応じた応答信号126を受信誘導コイル116で受信することと、(ブロック408)応答信号126に基づいて、測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134を判定することとを、含む。センサブレード112は、送信誘導コイル114、受信誘導コイル116、及び、センサブレード112に関する二次元において離間している測定サイト118を備える。測定サイト118の各々は、送信誘導コイル114のうちの少なくとも1つ、及び、受信誘導コイル116のうちの少なくとも1つに、関連付けられる。この段落の前述の記載が、本開示の例95を特徴付けている。
【0266】
方法400は、間隙144内の離隔距離134を測定することを可能にするものであり、間隙144を充填する一又は複数のシム170を選択するため、間隙144を充填する一又は複数のシム170を形成するため、及び/又は、一又は複数のシム170で間隙144を充填するために、使用されうる。追加的又は代替的には、方法400は、構成要素(例えば第1被加工物136と第2被加工物138)が適切に組み立てられていること、及び/又は、間隙144内でシム170が適切に組み立てられていることを検証するために、使用されうる。方法400は、間隙144の3D測定(例えば3D仮想モデル162)をもたらしうる。
【0267】
方法400は、間隙144内にセンサブレード112を挿入すること402を含む。センサブレード112は、送信誘導コイル114で送信プローブ信号122を発し、かつ、受信誘導コイル116で応答信号126を検出するよう、構成される。センサブレード112が間隙144内にあることにより、間隙144の第1表面140及び第2表面142の測定が可能になる。
【0268】
方法400は、通常、センサブレード112の少なくとも一部分が間隙144内にある時に、測定サイト118において第1表面140及び/又は第2表面142を調査するために、送信プローブ信号122を生成すること404を含む。
【0269】
方法400は、送信プローブ信号122と第1表面140及び/又は第2表面152との相互作用による応答信号126を、受信すること406を含む。(間隙144がないことに関する、間隙144の既知の厚さ及び組成に関する、及び/又は、送信プローブ信号122に関する)応答信号126の変動により、間隙144、第1表面140、及び/又は第2表面について、詳細には、第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134についての、情報が得られる。
【0270】
方法400は、応答信号126に基づいて、測定サイト118における離隔距離134を判定すること408を含む。判定すること408は、強度、エネルギー、振幅、変調、及び/又は移相といった、応答信号126の大きさ(magnitude)依存性かつ/又は周波数依存性の尺度(measure)を決定することを含む。応答信号126の尺度は、間隙144、第1表面140、及び/又は第2表面142の特性に関連しうる。
【0271】
この段落の後述の記載が本開示の例96を特徴付け、例96は上記の例95による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック404)受信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することは、測定サイト118のうちの第1のものに関連付けられた、送信誘導コイル114のうちの一又は複数から、送信プローブ信号122のうちの第1のものを生成することと、測定サイト118のうちの第2のものに関連付けられた、送信誘導コイル114のうちの一又は複数から、送信プローブ信号122のうちの第2のものを生成することとを、含む。加えて、方法400により、(ブロック406)送信プローブ信号122に応じた応答信号126を受信誘導コイル116で受信することは、送信プローブ信号122のうちの第1のものに応じた応答信号126のうちの第1のものを、受信誘導コイル116のうちの一又は複数で受信することと、送信プローブ信号122のうちの第2のものに応じた応答信号126のうちの第2のものを、受信誘導コイル116のうちの一又は複数で受信することとを、含む。更に、方法400により、(ブロック408)応答信号126に基づいて、測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134を判定することは、応答信号126のうちの第1のものに基づいて、測定サイト118のうちの第1のものにおける、第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134のうちの第1のものを判定することと、応答信号126のうちの第2のものに基づいて、測定サイト118のうちの第2のものにおける、第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134のうちの第2のものを判定することとを、含む。
【0272】
方法400は、センサブレード112の1を上回る数の測定サイト118を使用することを含みうる。例えば、生成すること404は、別々の測定サイト118において、送信プローブ信号122のうちの第1のものと第2のものを生成することを含みうる。受信すること406は、別々の測定サイト118から、応答信号126のうちの第1のものと第2のものを受信することを含みうる。判定すること408は、応答信号126のうちの第1のものと第2のものに基づいて、別々の測定サイト118における、離隔距離134のうちの第1のものと第2のものを判定することを含みうる。別々の測定サイト118に関する、生成すること404及び受信すること406は、同時に、少なくとも部分的に同時に、又は順次、実施されうる。1を上回る数の測定サイト118を使用することにより、測定サイト118のうちの別々の測定サイトにおける、オプションでは測定サイト118の各々における、1を上回る数の対応する離隔距離134の測定が可能になる。
【0273】
この段落の後述の記載が本開示の例97を特徴付け、例97は上記の例95又は例96による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、(ブロック410)測定サイトのうちの少なくとも1つに関連付けられた、一又は複数の受信誘導コイル116からの応答信号126に基づいて、間隙144の外にある少なくとも1つの測定サイト118を特定することを、更に含む。
【0274】
挿入すること402は、間隙144内にセンサブレード112を部分的に挿入することを含みうる(例えば、センサブレード112が間隙144内に完全には適合せず、かつ/又は、センサブレード112が全体的に間隙144内に挿入されるわけではない)。間隙144の外部の測定サイト118に関して、方法400は、どの応答信号126が間隙144内の応答信号126の特性を有さず、間隙144がないことを示し、かつ/又は、間隙144が既定の厚さ閾値よりも大きい(例えば、10cmよりも大きい、又は100cmよりも大きい)ことを示しているかを、特定すること410を含みうる。かかる応答信号126は、間隙144の外部にあるものと特定されうる。間隙144がないことを示しうる応答信号126は、既定の上限を上回る強度、振幅、及び/又は変調を有しうるか、又は、既定の下限を下回る強度、振幅、及び/又は変調を有しうる。
【0275】
どの測定サイト118が間隙144の中及び/又は外部にあるかを判定することで、(例えば、間隙144内のセンサブレード112の深さ及び/又は面積を提供することによって、)間隙144の深さ及び/又は間隙144の断面積の測定値及び/又は推定値が提供されうる。
【0276】
この段落の後述の記載が本開示の例98を特徴付け、例98は上記の例95から例97のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック408)応答信号126に基づいて、測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134を判定することは、応答信号126の各々に関して大きさの尺度(magnitude measure)を決定することを含む。大きさの尺度は、振幅、強度、エネルギー、及び出力からなる群から選択される。離隔距離134の各々は、測定サイト118のうちの対応する1つに関連付けられる。離隔距離134は、測定サイトサイト118のうちの対応するものに関連付けられた、受信誘導コイル116の応答信号126の大きさの尺度に関連する。
【0277】
判定すること408は、応答信号126の各々に関して、応答信号の特性を判定することを含みうる。特性は、強度、振幅、エネルギー、出力、変調、及び位相のうちの一又は複数などの、大きさ依存性かつ/又は周波数依存性の尺度を含みうる。大きさの尺度は離隔距離134を示しうる。送信プローブ信号12の(AC又はDCの)電磁場は、センサブレード112と間隙144の表面(すなわち第1表面140及び/又は第2表面142)との間の距離に関連して、強度(及びそれに関連するパラメータ)を失いうるからである。周波数の尺度は、第1被加工物136及び/又は第2被加工物138の材料の複雑な電磁応答を示しうる。周波数の尺度は、離隔距離134を判定するために、単独で、又は大きさの尺度と組み合わされて、使用されうる。
【0278】
この段落の後述の記載が本開示の例99を特徴付け、例99は上記の例95から例98のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、測定サイト118における離隔距離134に基づいて、間隙144の3D仮想モデル162を作り出すことを更に含む。
【0279】
3D仮想モデル162は、電子隙間ゲージ110及びセンサブレード112によって調査された間隙144を表すものであり、間隙144解析するため、間隙144を充填する一又は複数のシム170を選択するため、及び/又は、間隙144を充填する一又は複数のシム170を作り出すために、使用されうる。3D仮想モデル162は、間隙144の容積、表面積、及び/又は形状を判定するために使用されうる。間隙144の正確な表現(3D仮想モデル162など)によって、間隙144を充填する一又は複数のシム170のサイズ及び形状の判定が、正確に導かれる。
【0280】
3D仮想モデル162は、(センサブレード112に関する二次元において離間している)測定サイト118において判定された離隔距離134に基づいて、作り出されうる。3D仮想モデル162は、点群、多角形メッシュ、及び/又は3D表現(例えば、表面テッセレーション、3Dワイヤフレーム、3D立体、又は3D境界表現)でありうる。
【0281】
この段落の後述の記載が本開示の例100を特徴付け、例100は上記の例99による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、(ブロック412)間隙144の3D仮想モデル162に基づいて、間隙144を充填するのに好適な一又は複数のシム170を選択することを更に含む。
【0282】
選択すること412は、候補シムの寸法を3D仮想モデル162と比較することを含みうる。例えば、選択すること412は、候補シムの寸法を3D仮想モデル162と比較するために、候補シムの寸法の集積を参照することを含みうる。選択すること412は、間隙144を充填しうる一又は複数の候補シム(各々好適である可能性があるシム170)を特定することを含んでよく、かつ/又は、ひとまとめにされて間隙144を充填しうる候補シムの一又は複数の群を特定することを含みうる(ゆえに、シムの群の各々が好適なシム170となる)。選択すること412は、間隙144内に候補シム及び/又は候補シムの群を配置する、順序、配向、及び/又はパターンを特定することを含みうる。選択すること412は、候補シム及び/又は候補シムの群をランク付けすることを含みうる。
【0283】
好適なシム170を選択すること412、及び/又は、一又は複数の好適なシム170を特定することは、間隙144の中へのシム170の取り付けに役立ちうる。技術員が、好適なシムが見つかるまでシム170の試し適合を行う必要がなくなるからである。追加的又は代替的には、好適なシム170の配向、順序、及び/又は配置を選択すること412は、適切な配向、順序、及び/又は配置でのシム170の取り付けに役立ちうる。
【0284】
この段落の後述の記載が本開示の例101を特徴付け、例101は上記の例99又は例100による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、候補シムの寸法を間隙144の3D仮想モデル162と比較することによって、間隙144内に適合するのに好適なシム170を特定することを更に含む。
【0285】
好適なシム170を特定すること及び/又は選択すること412は、候補シムの寸法を間隙144の3D仮想モデル162と比較することを含みうる。比較することは、3D仮想モデル162におけるそれぞれの寸法を特定すること及び/又は算出することを含みうる。
【0286】
この段落の後述の記載が本開示の例102を特徴付け、例102は上記の例99から例101のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、(ブロック414)間隙144の3D仮想モデル162に基づいて、間隙144に適合するのに好適な一又は複数のシム170を形成することを更に含む。
【0287】
形成すること414は、3D仮想モデル162のサイズ及び形状にしたがって、機械加工、成型、スタンピング、及び/又は付加製造することによりシム170を形成することを含みうる。形成すること414は、3D仮想モデルに基づいて自動化されうる(例えば、コンピュータ数値制御された機械加工及び/又は付加製造)。形成されたシム170は、間隙144を充填するために間隙144内に組み付けられうる。
【0288】
この段落の後述の記載が本開示の例103を特徴付け、例103は上記の例95から例102のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、(ブロック412)測定サイト118における離隔距離134に基づいて、間隙144に適合するのに好適な一又は複数のシム170を選択することを更に含む。
【0289】
選択すること412は、候補シムの寸法を測定サイト118における離隔距離134と比較することを含みうる。例えば、選択すること412は、候補シムの寸法を離隔距離134と比較するために、候補シムの寸法の集積を参照することを含みうる。選択すること412は、間隙144を充填しうる一又は複数の候補シム(各々好適である可能性があるシム170)を特定することを含んでよく、かつ/又は、ひとまとめにされて間隙144を充填しうる候補シムの一又は複数の群を特定することを含みうる(ゆえに、シムの群の各々が好適なシム170となる)。選択すること412は、間隙144内に候補シム及び/又は候補シムの群を配置する、順序、配向、及び/又はパターンを特定することを含みうる。選択すること412は、候補シム及び/又は候補シムの群をランク付けすることを含みうる。
【0290】
好適なシム170を選択すること412、及び/又は、一又は複数の好適なシム170を特定することは、間隙144の中へのシム170の取り付けに役立ちうる。技術員が、好適なシムが見つかるまでシム170の試し適合を行う必要がなくなるからである。追加的又は代替的には、好適なシム170の配向、順序、及び/又は配置を選択すること412は、適切な配向、順序、及び/又は配置でのシム170の取り付けに役立ちうる。
【0291】
この段落の後述の記載が本開示の例104を特徴付け、例104は上記の例95から例103のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、測定サイト118における離隔距離134に基づいて、間隙144の画像を表示することを更に含む。
【0292】
離隔距離134の画像を表示することは、間隙144が成功裏に測定されたことの作業員による検証に役立ちうる。追加的又は代替的には、離隔距離134の画像は、間隙144を充填するために使用するのに好適なシム170を特定し、かつ/又は検証するために使用されうる。
【0293】
測定サイト118における離隔距離134の画像は、グラフ、表、線プロファイル、表面プロファイル、多角形メッシュ、及び/又は空間レンダリングの形態でありうる。例えば、測定サイト118における離隔距離134の画像は、各棒が測定サイト118のうちの1つにおける1つの離隔距離134を表している二次元棒グラフであってよく、各棒は、測定サイト118の2次元構成を表すよう配置されうる。
【0294】
離隔距離134の画像を表示することは、作業員が表示をズームし、回転させて、離隔距離134の種々の見え方を視認しうるように、相互作用的でありうる。方法400は、離隔距離134とシムとが比較されうるような様態で(例えばオーバーレイ画像、隣り合って並べた画像などの比較可能な画像を伴って)、候補シム及び/又は好適なシム170の画像及び/又は寸法を見えるようにすることを、更に含みうる。
【0295】
この段落の後述の記載が本開示の例105を特徴付け、例105は上記の例95から例104のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、間隙144は、第1表面140と第2表面142との間に既知の厚さプロファイルを有する校正間隙である。方法400は、応答信号126に基づいて離隔距離信号132を生成することと、測定サイト118に関する校正係数を生成するために、離隔距離信号132を既知の厚さプロファイルと比較することとによって、センサブレード112を備える電子隙間ゲージ110を校正することを更に含む。方法400により、(ブロック408)応答信号126に基づいて、測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134を判定することは、応答信号126及び校正係数に基づいて離隔距離134を判定することを含む。
【0296】
電子隙間ゲージ110は、校正されれば、より高い信頼性及び/又は精度でもって動作しうる。方法400は、既知の厚さプロファイルを有し、かつ/又は既知の材料を伴う校正間隙を使用することによって、校正することを含みうる。例えば、校正間隙が、均一の厚さプロファイルを有しているが、校正間隙内で取得された応答信号126が均一ではない場合、校正することは、離隔距離134が均一になるよう、測定サイト118に校正係数を適用することを含みうる。校正係数は、応答信号126に基づく離隔距離134の算出中の、応答信号126の数学的変換によって、適用されうる。数学的変換は、線形であることも非線形であることもあり、通常、モノトニックなものである(すなわち多値化されない)。校正係数は、応答信号126が校正間隙の既知の厚さプロファイルを表すように、送信プローブ信号122を、それによって、校正間隙内で応答信号126を発生させるよう、直流電流128及び/又は変調信号130を調整することによって、適用されうる。
【0297】
この段落の後述の記載が本開示の例106を特徴付け、例106は上記の例105による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、測定サイト118に関する校正係数を生成するために、離隔距離信号132を既知の厚さプロファイルと比較することは、測定サイト118における校正済み離隔距離135を判定することを含む。
【0298】
校正済み離隔距離135は、校正係数が適用されている離隔距離134である。校正済み離隔距離135は、他の間隙144に関しても判定され、かつ、離隔距離134を用いるよりも高い信頼性及び/又は精度を伴って、この他の間隙144のサイズ及び/又は形状を判定するために使用されうる。
【0299】
この段落の後述の記載が本開示の例107を特徴付け、例107は上記の例106による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、測定サイト118に関する校正係数を生成するために、離隔距離信号132を既知の厚さプロファイルと比較することは、離隔距離信号132を校正済み離隔距離135に数学的に変換するために、測定サイト118の各々に関する一又は複数の校正係数を決定することを含む。
【0300】
数学的変換は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアにおいて実施されてよく、かつ、離隔距離信号132の収集中又は収集後、及び/又は、離隔距離134の判定中又は判定後に実施されうるという、利点を有する。数学的変換は、線形であることも非線形であることもあり、通常、モノトニックなものである(すなわち多値化されない)。離隔距離信号132及び/又は離隔距離134を校正済み離隔距離135に数学的に変換することは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアにおいて(例えば受信システム124で)実施されうる。追加的又は代替的には、離隔距離信号132及び/又は離隔距離134を校正済み離隔距離135に数学的に変換することは、後で実施されうる。例えば、離隔距離信号132は、第1間隙144(未知の間隙又は供試間隙)における測定値に基づいて収集されてよく(かつ、離隔距離134は、かかる測定値に基づいて判定されうる)、測定サイト118の各々に関する校正係数は、校正間隙における測定値に基づいて生成されてよく、次いで、第1間隙144の校正済み離隔距離135を判定するために、校正係数が、(数学的変換を介して)離隔距離信号132及び/又は離隔距離134に適用されうる。
【0301】
この段落の後述の記載が本開示の例108を特徴付け、例108は上記の例107による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、測定サイト118に関する校正係数を生成するために、離隔距離信号132を既知の厚さプロファイルと比較することは、離隔距離信号132を校正済み離隔距離135に数学的に変換するために、測定サイト118の各々に関する一又は複数の校正係数を決定することを含む。
【0302】
線形変換は、通常、非線形変換よりも、実装が簡単であり、かつ、実施が迅速である。
【0303】
この段落の後述の記載が本開示の例109を特徴付け、例109は上記の例105から例108のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、校正係数にしたがって、送信誘導コイル114からの個々の送信プローブ信号122を調整して、校正済み送信プローブ信号123を発生させることを更に含む。
【0304】
校正係数は、校正係数にしたがって送信プローブ信号122を調整して、校正済み送信プローブ信号123を発生させることによって、適用されうる。送信プローブ信号122は、直流電流128及び/又は変調信号130を調整することによって、調整されうる。校正間隙において発生する校正済み送信プローブ信号123は、校正間隙の既知の厚さプロファイルを表す応答信号126をもたらす。校正済み送信プローブ信号123から生じる応答信号126は、校正済み応答信号127である。
【0305】
この段落の後述の記載が本開示の例110を特徴付け、例110は上記の例109による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、(a)校正間隙の中のセンサブレード112を用いて、校正済み送信プローブ信号123を生成することと、(b)校正済み送信プローブ信号123に応じた校正済み応答信号127を、受信誘導コイル116で受信することと、(c)校正済み応答信号127に基づいて、測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の校正済み離隔距離135を判定することと、(d)校正済み離隔距離135が既知の厚さプロファイルに合致することを検証することとを、更に含む。
【0306】
校正済み離隔距離135は、校正済み応答信号127から判定されうる。電子隙間ゲージ110の校正は、校正済み離隔距離135を校正間隙の既知の厚さプロファイルと比較することによって、検証されうる。厚さ、容積、及び/又は形状の絶対偏差が所定の閾値を下回っていれば、校正済み離隔距離135と既知の厚さプロファイルとは合致しうる。例えば、測定サイト118における校正済み離隔距離135と、対応する測定サイト118における既知の厚さプロファイルとの間の絶対値差分の各々が、所定の閾値を下回っていれば、校正は検証されうる。
【0307】
この段落の後述の記載が本開示の例111を特徴付け、例111は上記の例105から例110のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400は、校正係数にしたがって離隔距離信号132を調整して、既知の厚さプロファイルに合致する校正済み離隔距離135を生成することを更に含む。
【0308】
校正係数は、校正係数にしたがって離隔距離信号132及び/又は応答信号126を調整することによって、適用されうる。離隔距離信号132及び/又は応答信号126は、数学的変換によって、及び/又は、受信システム124の電気的特性を調整することによって、調整されうる。例えば、受信システム124が、応答信号126を受信するため、かつ/又は、離隔距離信号132を生成するために、利得制御回路(例えば、演算増幅器、同調回路など)を含む場合、利得制御回路は、その利得を増大又は減少させるよう調整されてよく、それにしたがって、受信された応答信号126及び/又は生成された離隔距離信号132が調整されうる。
【0309】
この段落の後述の記載が本開示の例112を特徴付け、例112は上記の例95から例111のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック404)送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することは、送信プローブ信号122を発生させるために、送信誘導コイル114の端から端まで直流電流128を通すことを含む。
【0310】
送信誘導コイル114の端から端まで直流電流128を流すことで、送信プローブ信号122としての誘導磁場が発生する。誘導磁場は、通常、第1表面140、第2表面142、第1被加工物136、及び/又は第2被加工物138の存在、種類、及び/又は配置による影響を受ける。
【0311】
この段落の後述の記載が本開示の例113を特徴付け、例113は上記の例112による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、送信プローブ信号122は定常磁場である。
【0312】
定常磁場は、通常、送信誘導コイル114を通って流れる定常電流(すなわち直流電流128)によって生成される。定常磁場は、送信誘導コイル114を越えて、センサブレード112、測定サイト118、及び、各定常磁場に関連付けられた送信誘導コイル114の付近の空間の中へと広がる。定常磁場は、金属、金属製材料、磁性材料、透磁性材料、及び導電性材料によってゆがめられ、かつ、それらの材料と相互作用する。ゆえに、送信プローブ信号122は、かかる材料のいずれかを含む第1表面140及び/又は第2表面142の存在、種類、及び/又は配置によって影響されうる。
【0313】
この段落の後述の記載が本開示の例114を特徴付け、例114は上記の例95から例111のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック404)送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することは、送信プローブ信号122を発生させるために、送信誘導コイル114の端から端まで変調信号130を通すことを含む。
【0314】
送信誘導コイル114の端から端まで変調信号130を通すことで、送信プローブ信号122としての誘導電磁場(AC磁場)が発生する。誘導電磁場は、通常、第1表面140、第2表面142、第1被加工物136、及び/又は第2被加工物138の存在、種類、及び/又は配置による影響を受ける。変調された電磁放射のより低い周波数(例えば、100kHz未満、1kHz未満、又は0.1kHz未満)の利用は、第1被加工物136及び第2被加工物138の中により深く入り込みうる。より高い周波数(例えば、0.1MHzを上回る、10MHzを上回る、又は1,000MHzを上回るような、マイクロ波周波数又は無線周波数)を利用することで、第1被加工物136及び第2被加工物138の表面相互作用が強化されうる。
【0315】
この段落の後述の記載が本開示の例115を特徴付け、例115は上記の例114による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、送信プローブ信号122は静的交流電磁場である。
【0316】
静的な(すなわち定常の)誘導交流電磁場(静的なAC磁場)は、定常の変調信号によって生成される。静的な誘導交流電磁場は、通常、第1表面140、第2表面142、第1被加工物136、及び/又は第2被加工物138の存在、種類、及び/又は配置による影響を受ける、振幅、変調、及び位相などの静的特性(すなわち定常特性)を有する。静的特性を利用することにより、間隙144における第1表面140、第2表面142、第1被加工物136、及び/又は第2被加工物138による送信プローブ信号122に対する影響の検出が、容易になる。
【0317】
この段落の後述の記載が本開示の例116を特徴付け、例116は上記の例114又は例115による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック404)送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することは、送信誘導コイル114への変調信号130を周波数分割多重化することを含む。
【0318】
複数の変調信号130を別々の測定サイト118において、別々の周波数で、送信誘導コイル114のうちの別々のものに送信することにより、周波数分割多重化することで、別々の測定サイト118における変調信号130及び/又は送信プローブ信号122同士の間の著しいクロストークが低減されるか、又はなくなりうる。
【0319】
この段落の後述の記載が本開示の例117を特徴付け、例117は上記の例114から例116のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック404)送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することは、別々の周波数で送信プローブ信号122を生成することを含む。
【0320】
複数の送信プローブ信号122を、別々の測定サイト118において、別々の周波数で、送信誘導コイル114のうちの別々のものから送信することで、別々の測定サイト118における変調信号130及び/又は送信プローブ信号122同士の間の著しいクロストークが低減されるか、又はなくなりうる。
【0321】
この段落の後述の記載が本開示の例118を特徴付け、例118は上記の例114又は例115による記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック404)送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することは、共通周波数で送信プローブ信号122を生成することを含む。
【0322】
複数の送信プローブ信号122を、別々の測定サイト118に関して同じ周波数で、送信誘導コイル114のうちの別々のものから送信することで、電子機器設計が容易になること、及び/又は、電子機器(送信システム120など)の効率が高まることがあり、かつ/又は、共通周波数での電子隙間ゲージ110及び/又はセンサブレード112の使用が容易になりうる。共通周波数は、間隙144の選択された表面特性を調査するため、及び/又は、間隙144内の選択された表面深さを調査するために、選択されうる。
【0323】
この段落の後述の記載が本開示の例119を特徴付け、例119は上記の例114から例118のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック406)送信プローブ信号122に応じた応答信号126を受信誘導コイル116で受信することは、受信誘導コイル116からの応答信号126を周波数分割多重化することを含む。
【0324】
複数の応答信号126を、別々の測定サイト118において、別々の周波数で、受信誘導コイル116のうちの別々のものから受信することにより、周波数分割多重化することで、測定サイト118及び/又は受信誘導コイル116同士の間の著しいクロストークが低減されるか、又はなくなりうる。
【0325】
この段落の後述の記載が本開示の例120を特徴付け、例120は上記の例114から例119のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック406)送信プローブ信号122に応じた応答信号126を受信誘導コイル116で受信することは、別々の周波数で応答信号126を受信することを含む。
【0326】
複数の応答信号126を、別々の測定サイト118において、別々の周波数で、受信誘導コイル116のうちの別々のものから受信することで、測定サイト118及び/又は受信誘導コイル116同士の間の著しいクロストークが低減されるか、又はなくなりうる。
【0327】
この段落の後述の記載が本開示の例121を特徴付け、例121は上記の例114から例118のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック406)送信プローブ信号122に応じた応答信号126を受信誘導コイル116で受信することは、共通周波数で応答信号126を受信することを含む。
【0328】
複数の応答信号126を、全ての測定サイト118に関して同じ周波数で、受信誘導コイル116のうちの別々のものから受信することによって、電子機器設計が容易になること、及び/又は、電子機器(送信システム124など)の効率が高まることがあり、かつ/又は、共通周波数での電子隙間ゲージ110及び/又はセンサブレード112の使用が容易になりうる。共通周波数は、間隙144の選択された表面特性を示すため、及び/又は、間隙144内の選択された表面深さを調査するために、選択されうる。
【0329】
この段落の後述の記載が本開示の例122を特徴付け、例122は上記の例95から例121のいずれか1つによる記載も含む。図7を概括的に参照するに、方法400により、(ブロック404)送信誘導コイル114から送信プローブ信号122を生成することは、搬送周波数で、搬送波を含む送信プローブ信号122を生成することを含む。加えて、方法400により、(ブロック406)送信プローブ信号122に応じた応答信号126を受信誘導コイル116で受信することは、搬送周波数で、主信号を含む応答信号126を受信することを含む。更に、方法400により、(ブロック408)応答信号126に基づいて、測定サイト118における第1表面140と第2表面142との間の離隔距離134を判定することは、搬送波に対する主信号の相対振幅、相対変調、及び移相のうちの少なくとも1つを判定することを含む。
【0330】
送信プローブ信号122は、搬送波(一定の波形及び周波数(すなわち搬送周波数)を有する信号)を含み、かつ/又は、搬送波でありうる。送信プローブ信号122は間隙144における材料と相互作用し、この相互作用は、通常、振幅変化、変調変化、及び移相を引き起こすが、周波数変化は引き起こさない。応答信号126の主信号の振幅、変調、及び/又は移相を判定することによって、間隙144における材料の相互作用、及び/又は離隔距離134が判定されうる。
【0331】
本開示の例は、図8に示す航空機の製造及び保守方法1100、及び、図9に示す航空機1102に照らして説明されうる。製造前段階において、例示的な方法1100は、航空機1102の仕様及び設計(ブロック1104)と、材料の調達(ブロック1106)とを含みうる。製造段階では、航空機1102の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)と、システムインテグレーション(ブロック1110)とが行われうる。その後、航空機1102は、認可及び納品(ブロック1112)を経て運航(ブロック1114)に供されうる。運航期間中、航空機1102には、定期的な整備及び保守(ブロック1116)が予定されうる。定期的な整備及び保守は、航空機1102の一又は複数のシステムの改変、再構成、改修などを含みうる。
【0332】
例示的な方法1100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実施又は実行されうる。本明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、かつ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0333】
図9に示しているように、例示的な方法1100によって製造された航空機1102は、複数の高レベルシステム1120及び内装1122を有する機体1118を含みうる。高レベルシステム1120の例は、推進システム1124、電気システム1126、油圧システム1128、及び環境システム1130のうちの一又は複数を含む。任意の数の他のシステムも含まれうる。航空宇宙産業の例を示しているが、本書で開示されている原理は、自動車産業などの他の産業にも適用されうる。したがって、本書で開示されている原理は、航空機1102に加え、陸上ビークル、海洋ビークル、宇宙ビークルなどといった他のビークルにも適合しうる。
【0334】
本書で図示され、説明されている装置(複数可)及び方法(複数可)は、製造及び保守方法1100の一又は複数の任意の段階において用いられうる。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機1102の運航(ブロック1114)期間中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の様態で作製又は製造されうる。また、装置(複数可)、方法(複数可)又はそれらの組み合わせの一又は複数の例は、例えば、航空機1102の組立てを著しく効率化すること、又は航空機1102のコストを著しく削減することにより、製造段階1108及び1110において利用されうる。同様に、装置又は方法を実現する一又は複数の例、又はそれらの組み合わせは、限定するわけではないが例としては、航空機1102の運航(ブロック1114)期間中に、及び/又は整備及び保守(ブロック1116)において、利用されうる。
【0335】
本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の種々の例は、多種多様な構成要素、特徴及び機能を含む。本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)の様々な例は、本書で開示されている装置(複数可)及び方法(複数可)のその他の例のうちの任意のものの、任意の構成要素、特徴及び機能を、任意の組み合わせにおいて含む可能性があり、かつ、かかる可能性は全て本開示の範囲に含まれることが意図されていることを、理解すべきである。
【0336】
上述の説明および関連図面に提示した教示の恩恵を得る、本開示に関連する当業者には、本書に明示された例の多数の変形例が想起されよう。
【0337】
したがって、本開示は例示された具体例に限定されないこと、及び、変形例及びその他の例は付随する特許請求の範囲に含まれると意図されていることを、理解されたい。更に、上述の説明及び関連図面は、要素及び/又は機能のある例示的な組み合わせに照らして本開示の例を説明しているが、付随する特許請求の範囲から逸脱せずに、代替的な実行形態によって、要素及び/又は機能の種々の組み合わせが提供されうることを、認識すべきである。したがって、付随する特許請求の範囲に記載されたカッコ内の参照番号は、例示目的のためのみに提示されおり、特許請求される主題の範囲を、本開示に記載された具体例に限定することを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9