(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】生体画像送信装置、生体画像送信プログラム、生体画像送信方法および生体画像伝送システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20230209BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230209BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20230209BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20230209BHJP
【FI】
G06F21/32
G06T7/00 510D
G06F21/60 360
G06F21/62 345
(21)【出願番号】P 2020048481
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智晴
【審査官】局 成矢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0317370(US,A1)
【文献】特開2012-008816(JP,A)
【文献】再公表特許第95/029462(JP,A1)
【文献】特開2005-160018(JP,A)
【文献】特開2008-301428(JP,A)
【文献】特開2002-092616(JP,A)
【文献】特開2002-074344(JP,A)
【文献】鈴木 理道 ほか,Compressed Sensing に基づく生体情報秘匿化センサーに関する研究,2012 第29回 暗号と情報セキュリティシンポジウム概要集,2012年02月28日,1F3-3, pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
G06T 7/00
G06F 21/60
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体認証に関する生体情報を含む生体画像に対して前記生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去する第1のフィルタ処理を行うフィルタ部と、
前記第1のフィルタ処理後の生体画像を
2階微分してSteerableフィルタに関する3つの基底画像に分解する分解部と、
前記3つの基底画像をRGBそれぞれの色画像とする疑似カラー画像に合成して圧縮する圧縮処理部と、
前記圧縮処理部が圧縮した前記疑似カラー画像を暗号化して送信する送信部と、
を有することを特徴とする生体画像送信装置。
【請求項2】
生体認証に関する生体情報を含む生体画像に対して前記生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去する第1のフィルタ処理を行い、
前記第1のフィルタ処理後の生体画像を
2階微分してSteerableフィルタに関する3つの基底画像に分解し、
前記3つの基底画像をRGBそれぞれの色画像とする疑似カラー画像に合成して圧縮し、
圧縮した前記疑似カラー画像を暗号化して送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする生体画像送信プログラム。
【請求項3】
生体認証に関する生体情報を含む生体画像に対して前記生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去する第1のフィルタ処理を行い、
前記第1のフィルタ処理後の生体画像を
2階微分してSteerableフィルタに関する3つの基底画像に分解し、
前記3つの基底画像をRGBそれぞれの色画像とする疑似カラー画像に合成して圧縮し、
圧縮した前記疑似カラー画像を暗号化して送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする生体画像送信方法。
【請求項4】
伝送路を介して互いに接続される生体画像送信装置と、生体画像受信装置とを有する生体画像伝送システムであって、
前記生体画像送信装置は、
生体認証に関する生体情報を含む生体画像に対して前記生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去する第1のフィルタ処理を行うフィルタ部と、
前記第1のフィルタ処理後の生体画像を
2階微分してSteerableフィルタに関する3つの基底画像に分解する分解部と、
前記3つの基底画像をRGBそれぞれの色画像とする疑似カラー画像に合成して圧縮する圧縮処理部と、
前記圧縮処理部が圧縮した前記疑似カラー画像を暗号化して送信する送信部と、を有し、
前記生体画像受信装置は、
暗号化された
前記疑似カラー画像を復号化する復号化部と、
復号化した
前記疑似カラー画像に基づき前記生体画像を復元する復元部と、
復元した前記生体画像を出力する出力部と、を有する、
ことを特徴とする生体画像伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、生体画像送信装置、生体画像送信プログラム、生体画像送信方法および生体画像伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体の生体情報を用いて生体認証を行う生体認証システムが利用されている。生体認証に用いられる生体情報の例としては、静脈、指紋、虹彩等が挙げられる。このような生体認証システムは、登録データとして利用者から生体情報を予め取得しておき、認証時に認証データとして利用者の静脈、指紋、虹彩等を撮像した撮像画像(生体画像)を取得し、登録データと認証データとを照合することにより認証を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/088566号
【文献】特開2018-10393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、プライバシー保護に配慮した生体画像の伝送が行われていないという問題がある。例えば、利用者の静脈、指紋、虹彩等を撮像した際に、個人を特定する文字情報などが紛れ込む場合、個人を特定する文字情報を含んだままの生体画像が伝送される。このため、例えば登録データとの照合までの伝送途中で生体画像が読み取られた場合、個人を特定する文字情報も容易に参照されてしまうこととなる。
【0005】
1つの側面では、プライバシー保護に配慮した生体画像の伝送を支援可能とする生体画像送信装置、生体画像送信プログラム、生体画像送信方法および生体画像伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの案では、生体画像送信装置は、フィルタ部と、分解部と、送信部とを有する。フィルタ部は、生体認証に関する生体情報を含む生体画像に対して生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去する第1のフィルタ処理を行う。分解部は、第1のフィルタ処理後の生体画像を基底画像群に分解する。送信部は、分解した基底画像群を送信する。
【発明の効果】
【0007】
プライバシー保護に配慮した生体画像の伝送を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる生体画像伝送システムの機能構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、生体画像に対するフィルタ処理例を説明する説明図である。
【
図3】
図3は、基底画像群の一例を説明する説明図である。
【
図4】
図4は、疑似カラー画像の一例を説明する説明図である。
【
図5】
図5は、Steerableフィルタによる画像例を説明する説明図である。
【
図6】
図6は、コンピュータ構成例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる生体画像送信装置、生体画像送信プログラム、生体画像送信方法および生体画像伝送システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する生体画像送信装置、生体画像送信プログラム、生体画像送信方法および生体画像伝送システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0010】
図1は、実施形態にかかる生体画像伝送システムの機能構成例を示すブロック図である。生体画像伝送システム100は、例えば、生体認証装置に備えられる。生体認証装置は、手足の指紋、目の網膜、顔面、血管などの生体認証に関する生体情報を撮像した生体画像4に含まれる生体情報の特徴を認識して、個人認証する装置である。生体画像伝送システム100は、この生体認証装置に備えられ、生体情報を含む生体画像4を伝送して出力画像5として生体認証装置の認証部に出力する。
【0011】
なお、本実施形態では生体情報として目の網膜を例示するが、生体情報は手足の指紋、顔面などであっても本実施形態と同様に適用できることは言うまでもないことである。
【0012】
図1に示すように、生体画像伝送システム100は、伝送路3を介して互いに接続される生体画像送信装置1と、生体画像受信装置2とを有する。なお、伝送路3については、例えば生体認証装置内での伝送を行う場合は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを適用できる。また、認証部を有するサーバ装置などに伝送を行う場合、伝送路3についてはインターネットやLAN(Local Area Network)などを適用できる。
【0013】
生体画像送信装置1は、生体情報を含む生体画像4に関するデータを伝送路3を介して生体画像受信装置2へ送信する装置である。生体画像受信装置2は、伝送路3を介して生体画像送信装置1より伝送された生体画像4に関するデータを受信し、受信したデータに基づき出力画像5を出力する装置である。
【0014】
具体的には、生体画像送信装置1は、フィルタ部11、分解部12、圧縮処理部13および送信部14を有する。また、生体画像受信装置2は、受信部21、伸長処理部22、フィルタ部23および出力部24を有する。
【0015】
フィルタ部11は、生体情報を含む生体画像4に対し、生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去するフィルタ処理を行う処理部である。具体的には、フィルタ部11は、生体画像4に含まれる目の網膜に対応する比較的低域の空間周波数成分を透過し、文字情報等の高域の空間周波数成分を除去するLPF(Low-Pass Filter)処理を行う(S1)。
【0016】
図2は、生体画像4に対するフィルタ処理例を説明する説明図である。
図2に示すように、生体画像4は、フィルタ部11によるLPF処理により、例えば目の網膜に対応する空間周波数成分を残し、他の空間周波数成分を除去した生体画像41となる。具体的にはGaussian関数の核による畳み込み演算を行う。
【0017】
なお、本実施形態では、フィルタ部11は、目の網膜に対応する空間周波数成分を透過するLPF処理を例示するが、フィルタ部11が透過する空間周波数成分は、生体画像4に含まれる生体情報に応じて適宜設定される。例えば、生体情報が顔面である場合は、顔面の特徴(目、鼻、口の形状)を抽出するのに適した空間周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去するようなバンドパスフィルタであってもよい。
【0018】
分解部12は、フィルタ処理後の生体画像41を基底画像群に分解する処理部である。ここでいう基底画像群は、元の生体画像41に戻すための複数の基底画像である。
【0019】
具体的には、分解部12は、フィルタ処理後の生体画像41を2階微分し(S2)、Steerableフィルタに関する3つの基底画像Gxx、Gxy、Gyyに分解する。
【0020】
図3は、基底画像群の一例を説明する説明図である。
図3に示すように、分解部12は、生体画像41の画素f(x,y)に関する2階微分(偏微分)により、∂
2f/∂x
2の基底画像Gxx、∂
2f/∂x∂yの基底画像Gxy、∂
2f/∂y
2の基底画像Gyyが得られる。
【0021】
なお、本実施形態では生体画像41をSteerableフィルタに関する3つの基底画像Gxx、Gxy、Gyyに分解する場合を例示するが、基底画像群は2階偏微分によるものに限定するものではない。例えば、生体画像41をウェーブレット変換に関する基底画像群に分解してもよい。
【0022】
圧縮処理部13は、分解部12が生体画像41より分解した基底画像群を合成して圧縮する処理部である。具体的には、圧縮処理部13は、分解部12が分解した3つの基底画像Gxx、Gxy、GyyをRGBそれぞれの色画像とする疑似カラー画像にRGB合成する(S3)。
【0023】
図4は、疑似カラー画像の一例を説明する説明図である。
図4に示すように、圧縮処理部13は、例えば基底画像GxxをR(Red)画像、基底画像GxyをG(Green)画像、基底画像GyyをB(Blue)画像とする疑似カラー画像42に合成する。
【0024】
次いで、圧縮処理部13は、基底画像Gxx、Gxy、Gyyを合成した疑似カラー画像42を所定の圧縮方式(例えば汎用的なJPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮手法)で圧縮する(S4)。なお、圧縮処理部13における圧縮は、例えばJPEG圧縮などの情報量の欠落がある非可逆圧縮であってもよいし、PNG(Portable Network Graphics)などの情報量を保ったままの可逆圧縮であってもよい。
【0025】
送信部14は、圧縮処理部13により圧縮後の疑似カラー画像42を所定の暗号化方式で暗号化し(S5)、伝送路3を介して生体画像受信装置2へ送信する。なお、送信部14における暗号化方式は、例えばAES(Advanced Encryption Standard)などを適用できる。
【0026】
受信部21は、伝送路3を介して生体画像送信装置1より伝送されたデータを受信し、受信したデータの復号化を行う(S6)。すなわち、受信部21は、復号化部の一例であり、復号化により圧縮後の疑似カラー画像42を得る。
【0027】
伸長処理部22は、受信部21により復号化されたデータ(圧縮後の疑似カラー画像42)に対し、圧縮処理部13とは逆の伸長処理を行う処理部である。具体的には、伸長処理部22は、圧縮後の疑似カラー画像42を伸長して圧縮前の疑似カラー画像42に戻す(S7)。次いで、伸長処理部22は、疑似カラー画像42よりRGBそれぞれの色画像にRGB分解し(S8)、基底画像Gxx、Gxy、Gyyを得る。
【0028】
フィルタ部23は、伸長処理部22より得られた基底画像Gxx、Gxy、Gyyに基づき、生体画像を復元する処理部であり、復元部の一例である。具体的には、フィルタ部23は、基底画像Gxx、Gxy、Gyyに基づくSteerableフィルタ処理により(S9)、角度(θ=0°、…、θ=157.5°)ごとにエッジを強調した画像43a、…43cを生成する。
【0029】
図5は、Steerableフィルタによる画像例を説明する説明図である。
図5に示すように、フィルタ部23は、基底画像Gxx、Gxy、Gyyに基づくSteerableフィルタ処理により、例えばθ=0°から22.5°ごとにエッジを強調した画像43a、…43cを複数生成する。このように作成した複数の画像43a、…43cを結合(例えば最大画素値を足し合わせて1つの画像に結合)することで、生体画像を復元することができる。
【0030】
出力部24は、フィルタ部23が復元した生体画像を出力する処理部である。具体的には、出力部24は、フィルタ部23が生成した複数の画像43a、…43cより最大画素値を足し合わせて1つの画像に結合したものを出力画像5として出力する。
【0031】
生体画像伝送システム100では、上述したS1~S9の処理を順次実行することで、生体情報を含む生体画像4を伝送路3を介して伝送し、出力画像5として生体認証装置の認証部に出力する。
【0032】
なお、生体画像伝送システム100の圧縮処理部13における圧縮処理および伸長処理部22における伸長処理については、省いてもよい。すなわち、送信部14は、分解部12が分解した基底画像群を圧縮することなく、そのまま暗号化して送信してもよい。
【0033】
以上のように、生体画像送信装置1は、フィルタ部11と、分解部12と、送信部14とを有する。フィルタ部11は、生体認証に関する生体情報を含む生体画像4に対して生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去するフィルタ処理を行う。分解部12は、フィルタ処理後の生体画像41を基底画像群(基底画像Gxx、Gxy、Gyy)に分解する。送信部14は、分解した基底画像群を暗号化し、伝送路3を介して生体画像受信装置2へ送信する。
【0034】
これにより、生体画像伝送システム100では、例え生体画像受信装置2への伝送途中の暗号化されたデータが参照されて、復号化された場合であっても元の画像に戻すことは困難である。また、仮に元の画像に戻せたとしても、生体情報に関する所定の周波数成分を透過し、他の周波数成分を除去するフィルタ処理が行われていることから、生体情報以外の個人を特定する文字情報を読み取ることは困難である。このように、生体画像伝送システム100では、プライバシー保護に配慮した生体画像の伝送を支援することができる。
【0035】
また、生体画像受信装置2は、受信部21と、フィルタ部23と、出力部24とを有する。受信部21は、生体画像送信装置1で暗号化された基底画像群を復号化する。フィルタ部23は、復号化した基底画像群(基底画像Gxx、Gxy、Gyy)に基づき生体画像を復元する。出力部24は、復元した生体画像を出力画像5として出力する。これにより、生体画像受信装置2では、生体画像送信装置1より暗号化されて伝送された基底画像群よりフィルタ処理後の生体画像を得ることができる。
【0036】
また、生体画像送信装置1は、基底画像群を合成して圧縮する圧縮処理部13を更に有する。送信部14は、圧縮処理部13が圧縮した合成画像を暗号化して送信する。このように基底画像群の圧縮処理を行うことで、生体画像送信装置1では、基底画像群を効率よく伝送することができる。
【0037】
また、分解部12は、フィルタ処理後の生体画像41を2階微分してSteerableフィルタに関する3つの基底画像Gxx、Gxy、Gyyに分解する。これにより、受信側(生体画像受信装置2)では、伝送された3つの基底画像Gxx、Gxy、GyyによるSteerableフィルタでフィルタ部11によるフィルタ処理後の生体画像を得ることができる。
【0038】
また、圧縮処理部13は、3つの基底画像Gxx、Gxy、GyyをRGBそれぞれの色画像とする疑似カラー画像42に合成する。生体画像41を2階微分して得られた3つの基底画像Gxx、Gxy、Gyyは、互いに相関が高い画像である。したがって、基底画像Gxx、Gxy、GyyをRGBそれぞれの色画像とする疑似カラー画像42に合成し、例えば汎用的なJPEG圧縮手法を用いて圧縮することで、効率的に圧縮することができる。また、このように圧縮効率を高めることで、伝送路3を介した伝送を高速に行うことができる。
【0039】
また、上記実施形態において説明した生体画像送信装置1および生体画像受信装置2が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、生体画像送信装置1および生体画像受信装置2が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。以下に、一例として、生体画像送信装置1および生体画像受信装置2と同様の機能を実現するプログラムを実行するコンピュータ構成の一例を説明する。
【0040】
図6は、コンピュータ構成例を説明する説明図である。
図6に示すように、コンピュータ1000は、CPU1100と、ROM1200と、通信部1300とを有する。さらに、このコンピュータ1000は、HDD1500と、RAM1600とを有する。これらの各部はバス1400を介して接続される。
【0041】
HDD1500には、上記の実施形態で示したフィルタ部11、分解部12、圧縮処理部13、送信部14、受信部21、伸長処理部22、フィルタ部23および出力部24と同様の機能を発揮するプログラム1500aが予め記憶される。このプログラム1500aについては、
図1に示したフィルタ部11、分解部12、圧縮処理部13、送信部14、受信部21、伸長処理部22、フィルタ部23および出力部24の各構成要素と同様、適宜統合又は分離してもよい。すなわち、HDD1500に格納される各データは、常に全てのデータがHDD1500に格納される必要はなく、処理に必要なデータがHDD1500に格納されればよい。
【0042】
そして、CPU1100が、プログラム1500aをHDD1500から読み出してRAM1600に展開する。これによって、プログラム1500aは、プロセス1600aとして機能する。このプロセス1600aは、HDD1500から読み出した各種データを適宜RAM1600上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。具体的には、プロセス1600aは、フィルタ部11、分解部12、圧縮処理部13、送信部14、受信部21、伸長処理部22、フィルタ部23および出力部24と同様の処理を実行し、通信部1300を介して生体画像の送受信(伝送)を行う。
【0043】
なお、上記のプログラム1500aについては、必ずしも最初からHDD1500やROM1200に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの可搬用の物理媒体にプログラム1500aを記憶させる。そして、コンピュータ1000がこれらの可搬用の物理媒体からプログラム1500aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などにプログラム1500aを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらからプログラム1500aを取得して実行するようにしてもよい。
【0044】
なお、上記実施形態の各処理の中で、途中で処理を終了する場合、プロセス1600aを終了させずに、別の処理を行ってもよい。別の処理としては、例えば、撮影された生体データについて従来通りの登録処理や認証処理を行うことが挙げられる。
【符号の説明】
【0045】
1…生体画像送信装置
2…生体画像受信装置
3…伝送路
4…生体画像
5…出力画像
11…フィルタ部
12…分解部
13…圧縮処理部
14…送信部
21…受信部
22…伸長処理部
23…フィルタ部
24…出力部
41…生体画像
42…疑似カラー画像
43a、43b、43c…画像
100…生体画像伝送システム
1000…コンピュータ
1100…CPU
1200…ROM
1300…通信部
1400…バス
1500…HDD
1500a…プログラム
1600…RAM
1600a…プロセス
Gxx、Gxy、Gyy…基底画像