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  • 特許-車両フラップ用の駆動装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】車両フラップ用の駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/611 20150101AFI20230209BHJP
【FI】
E05F15/611
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020511355
(86)(22)【出願日】2018-08-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 DE2018100714
(87)【国際公開番号】W WO2019037817
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】202017105031.9
(32)【優先日】2017-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511079078
【氏名又は名称】エドゥシャ エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】バルス,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】ザンダー,マルク
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-111994(JP,A)
【文献】特開2015-074907(JP,A)
【文献】特開2015-122610(JP,A)
【文献】特開2015-220082(JP,A)
【文献】特表2017-517242(JP,A)
【文献】特開2011-072179(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01783309(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00 - 15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両フラップの駆動装置であって、
車両フラップを駆動するための電気モーター(2)と、
供給回路(3)であって、電気モーター(2)に電力を供給するための第1電圧源(9)、第1導線(4)および第2導線(5)を含み、第1電圧源(9)は、第1導線(4)と第2導線(5)との間に配置される、前記供給回路(3)と、
第2電圧源(14)、スイッチ制御装置(13)および論理ユニット(15)を含む制御回路(12)とを含み、
スイッチング素子(10)およびダイオード(11)は、第1導線(4)と第2導線(5)との間に接続され、
スイッチング素子(10)およびダイオード(11)は直列に接続され、
第2電圧源(14)は、論理ユニット(15)およびスイッチ制御装置(13)の両方に電流を供給することを特徴とする、前記駆動装置。
【請求項2】
スイッチング素子(10)が、スイッチ制御装置(13)に連結され、スイッチ制御装置(13)が、スイッチング素子(10)を切り替えるための制御電圧を提供することを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
ダイオード(11)が、順方向において、第1導線(4)から第2導線(5)に向かう方向に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
ダイオード(11)が、逆方向において、第1導線(4)から第2導線(5)に向かう方向に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項5】
ダイオード(11)が、短絡の場合に駆動装置が閉鎖方向に制動されるように、第1導線(4)と第2導線(5)の間に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項6】
スイッチ制御装置(13)が、リレーとして設計される、請求項1~5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項7】
スイッチ制御装置(13)に連結されたスイッチング素子(10)が、通常は閉接点として設計されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
スイッチ制御装置(13)に連結されたスイッチング素子(10)が、動作接点として設計されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
論理ユニット(15)が、スイッチ制御装置(13)に連結されることを特徴とする、請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
ダイオード(11)が、フライバックダイオードとして設計されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項11】
車両であって、
車両本体部に旋回可能に配置される、車両フラップと、
駆動装置であって、駆動装置の第1端部は、車両フラップおよび車両本体部の一方に旋回可能に連結され、駆動装置の第2端部は、車両フラップおよび車両本体部の他方に旋回可能に連結される、前記駆動装置とを含み、
駆動装置が、請求項1~10のいずれか一項に従って設計される、前記車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両フラップ用の駆動装置に関する。本発明はさらに、車両フラップ用の駆動装置を含む車両に関する。
【背景技術】
【0002】
実際には、車両フラップの自動開閉を可能にする車両フラップの駆動装置が知られている。この場合、この種の駆動装置は、遠隔制御または光学センサーによって、スタンバイモードから動作モードに切り替えられることが多い。この場合、この種の駆動装置は、通常は電気モーターであるモーターを含む。電気モーターは、車両の内部電源からエネルギーを供給され、1以上の機械的調整要素に接続されているトランスミッションに連結されているのが好都合である。
【0003】
駆動装置は通常、リニアドライブとして、特にスピンドルドライブとして設計されている。この場合、リニアドライブは、設計が非常にシンプルで制御が容易であるという利点がある。これにより、モーターは、それぞれがスピンドルナットまたはスピンドルロッドに接続されている駆動装置の互いに対向する2つのハウジング部分が、互いに対して移動するように、スピンドルナットおよびスピンドルロッドの一方を回転駆動する。
【0004】
この種の駆動装置は、自動的に開閉される車両フラップの機能に加えて、ドアを制動(brake)または固定することを目的とするドア固定手段の機能も果たすことが多い。駆動車両フラップの制動は、通常、駆動装置のドライブトレインに作用する永久制動を使用することによって達成される。電気モーター自体が機械的制動として車両フラップのピボット運動上に作用するように、電気モーターが自動ロック式であるように設計できることが実際に知られている。それにもかかわらず、特定の状況では、車両フラップに、特に閉じる方向において過度の力が発生し、上記のような従来の対策は、特に電圧降下の場合に、十分に高い保持力を提供するには十分でないことが多い。
【0005】
DE10 2009 042 456 B4は、旋回可能な車両フラップ用の駆動装置を開示しており、この駆動装置は、直線駆動として設計されている。駆動装置は、コントローラによって操作または制御される電気モーターを含む。コントローラは、電子回路基板上に配置された制御および安全回路を含み、それは駆動装置のハウジングチューブに固定されている。駆動装置は、電気モーター用の第1導線および第2導線をさらに含み、複数のダイオードおよびトライアックが、第1導線と第2導線との間で電気モーターと並列に配置される。示されている駆動装置の欠点は、制御および安全回路が非常に多数の個々の構成要素を含み、その結果、駆動装置が高メンテナンスであり、故障の影響を受けやすいことである。さらに、駆動装置を製造するときのコストはそれに応じて高くなる。
【0006】
DE 10 2015 112 807 A1は、第1導線および第2導線を介して電力が供給されるDCモーターを含む駆動装置を開示している。トランジスタおよび複数の抵抗器は、第1導線と第2導線との間に、DCモーターと並列に配置される。さらに、第1導線と第2導線間の所定の電圧値を超えると、モーターまたは電圧源が短時間短絡するように、バリスタと抵抗器がトランジスタと並列に接続されている。これにより、モーターが制動される。
【0007】
図示された駆動装置の欠点は、それがモーターの過負荷の場合に制動をもたらすが、電源の故障の場合に制動を提供しないことである。さらに、車両フラップの両方の旋回方向に制動がかけられる。しかしながら、これは、特に、車両フラップが外力、特にそれ自体の自重力によって閉鎖方向に予荷重を受ける状況では不利である。これにより、緊急時に車両フラップを素早く開くことを困難にし、また同時に、車両フラップが再び閉じる方向に戻るのを防ぐことがより困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、信頼できる安全な車両フラップの旋回を可能にする、旋回可能な車両フラップ用の駆動装置または車両を提供することである。特に、車両の電圧降下の場合でも、手動での旋回は、少なくとも一方向で可能でなければならない。
【0009】
上記の目的は、本発明によれば、請求項1の特徴を有する駆動装置および請求項25に記載の車両によって達成される。
【0010】
本発明の一態様によれば、車両フラップを駆動するための電気モーター、および供給回路を含む、旋回可能な車両フラップ用の駆動装置が提供される。供給回路は、電気モーターに電力を供給するための第1電圧源、第1導線および第2導線を含み、第1電圧源は、第1導線と第2導線との間に配置される。駆動装置は、第2電圧源およびスイッチ制御装置を含む制御回路をさらに含む。
【0011】
本発明による駆動装置は、第1導線と第2導線との間にスイッチング素子およびダイオードが接続されていることを特徴とする。有利には、駆動装置、または供給回路内にスイッチング素子およびダイオードを設けることにより、車両フラップの開放方向または閉鎖方向への確実かつ安全な旋回が可能になり、電気モーターの短絡により、駆動装置が制動をかけられるか、車両フラップが反対の旋回方向に保持される。これは、車両の電源が落ちて乗員がドアを開く方向にできるだけ簡単に開けたい場合の事故の状況で特に有利になる。
【0012】
スイッチング素子は、好都合には、スイッチ制御装置に連結される。特に好ましくは、スイッチ制御装置は、スイッチング素子を切り替えるための制御電圧を提供する。これは、有利なことに、外的状態、例えば、スイッチング装置の電圧供給の状態または電気モーターの電圧供給の状態に応じて、電気モーターの短絡、ひいてはその制動をもたらすことを可能にする。
【0013】
有利な実施形態では、スイッチング素子とダイオードは直列に接続される。これにより、有利には、電気モーターに接続された第1導線および第2導線を短絡させることができ、ダイオードは、電気モーターが一回転方向において制動され、反対の回転方向においてほぼ自由に回転できることを保証する。
【0014】
好ましい実施形態では、ダイオードは、第1導線から第2導線の方向で、順方向に配置される。代替の実施形態では、ダイオードは、第1導線から第2導線の方向で、逆方向に配置される。特に好ましくは、ダイオードは第1導線と第2導線との間に配置され、それにより短絡の場合に駆動装置が閉方向に制動される。これにより、有利には、駆動装置の電源が故障した場合に、車両フラップが自重によって再び閉方向に戻ることなく、人が車両フラップを開けることができる。
【0015】
特に好ましい実施形態では、スイッチ制御装置はリレーとして設計される。したがって、電気モーターの短絡を特に信頼性が高く簡単な方法で達成することが有利に可能である。好都合な実施形態では、スイッチ制御装置に連結されたスイッチング素子は、通常閉接点(normally closed contact)として設計される。通常閉接点は、制御コイルが無負荷のときにスイッチング素子が閉位置にあることを特徴としている。したがって、駆動装置に停電が発生した場合、電気モーターの制動が少なくとも一方向に行われる。
【0016】
好都合な実施形態では、スイッチ制御装置に連結されたスイッチング素子は、切り替え接点として設計される。これにより、有利なことに、車両または駆動装置の電圧が完全に降下することなしに、電圧故障の場合でさえ、電気モーターの短絡を達成することが可能になる。また、電圧降下時に発生する電圧ピークをスイッチング素子のスイッチングに利用することができる。
【0017】
別の発展では、スイッチング素子はバイポーラトランジスタとして設計されている。トランジスタのベースは、スイッチ制御装置に接続されていると好都合である。スイッチ制御装置は、有利には、トランジスタのベースとコレクタとの間に制御電圧を提供する。したがって、有利なことに、トランジスタの意図的な作動を、スイッチ制御装置によって達成することが可能である。さらに、トランジスタを設けることは、有利には、車両フラップの手動旋回中に制動力の段階的変化を達成することを可能にする。
【0018】
さらなる実施形態では、トランジスタは、NPNトランジスタとして設計される。代替的に、トランジスタは、PNPトランジスタとして設計される。スイッチ制御装置の実施形態に応じて、2つのタイプのトランジスタ間の対応する選択により、トランジスタをスイッチングするために負および正の制御電圧の両方を使用することが可能である。
【0019】
別の発展では、スイッチング素子はユニポーラトランジスタとして設計されている。ユニポーラトランジスタのゲートは、スイッチ制御装置に好都合に連結される。スイッチ制御装置は、好都合にゲートに制御電圧を提供する。これは、有利に、外部パラメータに応じて、スイッチ制御装置によって達成されるより正確な制動を可能にする。外部パラメータは、例えば、車両フラップの現在の開放角度、または旋回中の車両フラップの加速度または速度とすることができる。
【0020】
さらに、外部パラメータは、車両フラップからの障害物の距離などの光学信号であってもよい。したがって、有利には、障害物が開いている間に障害物が車両フラップに衝突し、損傷が発生するのを防ぐことが可能である。光信号は、カメラなどの光学素子によって検出され、スイッチ制御装置によって、ゲートまたはスイッチング素子で対応する制御電圧に変換される。
【0021】
特に好ましい実施形態では、制御回路は論理ユニットを含む。論理ユニットを設けることは、特定の期間にわたって外部パラメータを評価することを有利に可能にする。論理ユニットには、制御回路の第1電圧源によって電力が供給されることが好都合である。論理ユニットは、スイッチ制御装置に好都合に連結される。その結果、スイッチ制御装置、したがってスイッチ制御装置に連結されたスイッチング素子は、外部パラメータに基づいて制御することができる。外部パラメータの評価は、制御回路の配線に使用できる評価電子機器を介して有利に行うことができる。
【0022】
ダイオードは、フライバックダイオードとして設計されることが特に好ましい。フライバックダイオードは通常、過電圧に対する保護として使用され、ダイオードを介して電流が流れるしきい値電圧は、通常、半導体素子に応じて0.3V~0.7Vである。
【0023】
第1の実施形態において、電気モーターは、DCモーターとして設計される。電気モーターは、導線が短絡した場合に自己誘導によって有利に制動される。発展において、電気モーターはブラシレスDCモーターとして設計されている。DCモーターは、機械的インバーターを含むように好都合に設計されている。特に好ましくは、DCモーターは、永久磁石を含み、その2つの極の間に、コイルを含む回転子が配置される。この場合、速度に依存する交流電流がDCモーターの回転子で生成される。
【0024】
この場合、駆動装置およびDCモーターの電圧供給の短絡が対処される問題に関して特に有利であり、これにより、前記モーターをDC発電機に転換することが可能になり、これは回転子の外側に機械的な動きがある場合、レンツの法則により、外部から機械的に引き起こされる回転子の動きに対抗して、制動力を生成させる。DCモーターの電源回路に追加で並列に接続されたダイオードは、DCモーターの制動効果が1つの回転方向でのみ効果的に発生することを保証する。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、車両フラップを含む車両が提供され、車両フラップは、車両本体部に旋回可能に配置される。車両は、駆動装置をさらに含み、駆動装置の第1端部は、車両フラップおよび車両本体部のうちの1つに旋回可能に連結され、前記駆動装置の第2端部は、車両フラップおよび車両本体部の他方に旋回可能に連結される。この場合、車両は、駆動装置が上記のように設計されることを特徴とする。
【0026】
本発明のさらなる利点、発展および特性は、好ましい実施形態の以下の説明および従属請求項から明らかになるであろう。
【0027】
次に、本発明を、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、駆動装置の第1の実施形態を概略的に示す
図2図2は、駆動装置の第2の実施形態を概略的に示す
図3図3は、駆動装置の第3の実施形態を概略的に示す
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、駆動装置1の第1の実施形態を概略的に示し、駆動装置1は、モーター2を含む。モーター2は、供給回路3を介して電力が供給されるDCモーターとして設計されている。この場合、供給回路3は、電気モーター2の整流子6に接続された第1導線4および第2導線5を含む。次に、整流子6は、回転可能に取り付けられたコイル7に接続されている。
【0030】
回転可能なコイル7は、永久磁石8によって囲まれている。この場合、第1導線4および第2導線5は、コイル7における電流方向が、固定された整流子6に対するコイル7のそれぞれの場合の回転角度に依存するように、第1電圧源9に接続される。
【0031】
通常閉接点として設計されたスイッチング素子10と、この場合はフライバックダイオードであるダイオード11は、第1導線4と第2導線5との間に、モーター2と並列に接続されている。ダイオード11は、第1導線4から第2導線5の方向で、順方向に配置される。これは、DCモーター2がDC発電機になるように、モーター2または2つの導線4、5を短絡させることを可能にし、したがって、外部から生成された機械的運動に対抗して、少なくとも一方向の回転でブレーキ効果が発揮される。
【0032】
スイッチング素子10は、スイッチング制御回路12を用いて外部からスイッチングされる。図1に示す駆動装置1の実施形態において、スイッチング制御回路12は、スイッチ制御装置13を含み、それはリレーとして設計され、駆動装置1の通常動作中の開状態において、スイッチング素子10を通常開接点(normally open contact)設計のままとし、駆動装置1の故障または電圧降下の場合には、それを閉位置にする。スイッチング制御回路12は、第2電圧源14および論理ユニット15をさらに含み、電圧源14は、論理ユニット15およびスイッチ制御装置13の両方に電力を供給する。
【0033】
これは、特に第2電圧源14が故障した場合に、リレーとして設計されたスイッチ制御装置13に電力が供給されず、したがってスイッチ制御装置13に連結されたスイッチング素子10が閉じられることを保証する。さらに、論理ユニット15がスイッチ制御装置13と並列に接続されているという事実は、電圧源14の電圧降下に対しても、スイッチ制御装置13に連結されたスイッチング素子10が閉じられるように、スイッチ制御装置13の電源を調整することを可能にする。
【0034】
図2は、駆動装置101の第2の実施形態を概略的に示す。図1に示される実施形態のものと同様または同じである構成要素の参照符号は、100だけ増やされている。図1に示す第1の実施形態とは対照的に、供給回路103は、第1導線104と第2導線105との間にモーター102と並列に接続され、バイポーラトランジスタとして設計されたスイッチング素子110を含む。図1の第1の実施形態でも分かるように、ダイオード111は、バイポーラトランジスタ110と直列に接続されている。バイポーラトランジスタ110は、NPNトランジスタとして設計され、ベースBは、スイッチ制御装置113に接続される。
【0035】
スイッチ制御装置113は、スイッチング制御回路112の一部であり、論理ユニット115は、スイッチ制御装置113と並列に接続されている。さらに、スイッチング制御回路113は、論理ユニット115およびスイッチ制御装置113の両方に電力を供給する電圧供給115を含む。この場合、スイッチ制御装置113は、第1導線104と第2導線105との間の電気抵抗をスイッチ制御装置113によって調整できるように、バイポーラトランジスタ110のベースBに制御電圧を提供する。
【0036】
この場合、第1供給ケーブル104はコレクタCに接続され、ダイオード110はバイポーラトランジスタ110のエミッタEに接続される。これは、スイッチ制御装置113によって提供され、ベースBに印加される制御電圧によって、第1供給ケーブル104および第2導線105を短絡させる可能性を提供する。
【0037】
図3は、駆動装置201の第3の実施形態を示す。駆動装置201は、図2に示す第2の実施形態と実質的に同様の方法で設計され、トランジスタとして設計されたスイッチング素子210は、ユニポーラトランジスタまたはMOSFETとして設計される。トランジスタ210のゲートGは、スイッチ制御装置213に連結され、スイッチ制御装置213は、ゲートGに制御電圧を提供し、したがって、電気抵抗を制御する。この場合、ソース端子Sはダイオード211に接続され、ドレイン端子Dは第1導線204に接続される。
【0038】
以下では、図1に示す実施形態を参照して、駆動装置の動作モードを例として説明する。
【0039】
図1は、通常動作中の駆動装置1を示している。この場合、スイッチング素子9は、モーター2に供給回路3を介して電力が供給され得るように開位置にある。供給回路3の電圧源8での電圧降下またはスイッチング制御回路11の電圧源13での完全な電圧損失の場合には、通常閉接点として設計されたスイッチング素子9は、第1導線4および第2導線5がダイオード10によって少なくとも第1導線4から第2導線5の方向に短絡されるように、リレーとして設計されたスイッチ制御装置12によって(破線で示される)閉位置にもたらされる。
【0040】
この場合、この状態は、車両の電源が故障した場合や、駆動装置1が損傷した場合などに提供されるフェールセーフモードに対応する。この場合、フライバックダイオードとして設計されたダイオード10は、駆動装置1またはモーター2が車両フラップの閉鎖方向において制動または固定されるように、第1導線4から第2導線5の方向で、順電流方向に接続され、同時に、大きな抵抗なしに、手動で車両フラップの開方向に移動できる。その結果、ユーザーは、たとえばサイドドアとして設計された車両フラップを開くことができ、車両が山の上にある場合、高い重力モーメントにより、サイドドアが再びロックに戻らないようにする必要がある。
【0041】
本発明は、それぞれの場合に1つのスイッチング素子および1つのダイオードがモーターと並列に接続される複数の実施形態を参照して上で説明された。言うまでもなく、並列に接続されたスイッチング素子とダイオードのペアを複数設けることも可能である。この場合、機能の冗長性により、スイッチング素子やダイオードが損傷した場合でも、電圧降下が発生した場合でも、モーターの短絡が常に安全かつ確実に発生する。
図1
図2
図3