(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】生ゴミ高温生分解用微生物接種剤、および生ゴミ分解の方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/16 20060101AFI20230209BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20230209BHJP
B09B 3/60 20220101ALI20230209BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20230209BHJP
【FI】
C12N1/16 G ZNA
C12N1/20 A
B09B3/60 ZAB
C12N15/31
(21)【出願番号】P 2021087150
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】202010561573.7
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【微生物の受託番号】CCTCC CCTCC M 2019263
【微生物の受託番号】CCTCC CCTCC M 2020014
【微生物の受託番号】CCTCC CCTCC M 2020015
【微生物の受託番号】CCTCC CCTCC M 2020016
(73)【特許権者】
【識別番号】515126422
【氏名又は名称】浙江工▲業▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲亜▼平
(72)【発明者】
【氏名】夏 淑▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】周 海岩
(72)【発明者】
【氏名】▲鄒▼ ▲樹▼平
(72)【発明者】
【氏名】柯 霞
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 裕国
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-035725(JP,A)
【文献】特開2004-237106(JP,A)
【文献】特開2010-057363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0252100(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0184120(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0043989(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第111100819(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
B09B
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の細菌、即ち、
(1)菌株番号がZJB-091であり、受託番号がCCTCC NO:M 2019263であるピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌;
(2)菌株番号がZJB19163であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020014であるバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌;
(3)菌株番号がZJB19165であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020015であるバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuring
iensis)杆菌;および
(4)菌株番号がZJB19166であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020016であるバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌;
をすべて含むことを特徴とする生ゴミ高温生分解用微生物接種剤。
【請求項2】
ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuring
iensis)杆菌ZJB19165、バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の質量比が、1:1~2:1:1~2であることを特徴とする、請求項1に記載の生ゴミ高温生分解用微生物接種剤。
【請求項3】
ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuring
iensis)杆菌ZJB19165、バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の乾燥菌体重量の質量比が、1:1:1:1であることを特徴とする、請求項2に記載の生ゴミ高温生分解用微生物接種剤。
【請求項4】
下記のステップ、即ち、
(1)4種の菌株をそれぞれ活性化して培養すること;
(2)活性化後の4種の菌株に対して、それぞれ種培養を行ってシード培地を取得すること;
(3)4種の菌株に対して、それぞれ培養液を発酵して発酵液を取得すること;
(4)4種の菌株の発酵液を、比例で混ぜることによって、前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤を取得することを含むことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の生ゴミ高温生分解用微生物接種剤の調製方法。
【請求項5】
請求項1~3の何れか1項に記載の生ゴミ高温生分解用微生物接種剤を用いることを特徴する生ゴミ分解の方法。
【請求項6】
請求項1~3の何れか1項に記載の生ゴミ高温生分解用微生物接種剤を、分解待ちの生ゴミに入れて生分解を行うことを特徴とする生ゴミ分解の方法。
【請求項7】
生分解温度が50℃~55℃であることを特徴とする、請求項6に記載の生ゴミ分解の方法。
【請求項8】
生分解温度が55℃であることを特徴とする、請求項7に記載の生ゴミ分解の方法。
【請求項9】
前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤の接種量が、生ゴミ質量の1%を下回らないことを特徴とする、請求項6に記載の生ゴミ分解の方法。
【請求項10】
前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤の接種量が、生ゴミ質量の1.5%を下回らないことを特徴とする、請求項9に記載の生ゴミ分解の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ処理技術分野に関し、特に生ゴミ高温生分解用微生物接種剤と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
生ゴミは、とぎ汁、残飯等とも称されて、食べ物の加工、処理(煮込みを含む)後、食べ物の残存部分(例えば、野菜の葉、果物の皮と果物のかす等)又は食用後に残って捨てられた食べ物の総称を指す。経済レベルと社会必需品の転換に伴い、人々は、益々飲食を重んじることになっていくので、大量な飲食の浪費をもたらした。研究によると、世界において、半分の食べ物が無駄にされた。
【0003】
生ゴミの主要成分は、米と小麦粉類の食べ物の食べ残し、野菜、動物・植物油と肉骨等を含む。化学構造から見ると、澱粉、タンパク質、繊維素、脂質と無機塩等を含む。これらの組成物は、高い含水率と豊富な栄養の特徴を持ち、腐って臭くなり易く、細菌とウイルスを拡散させ、都市の清潔さに影響を与えるだけでなく、環境を汚染し、且つ、人々の健康に危害を及ぼす。但し、生ゴミに含まれる豊富な栄養が極めて貴重な再生可能資源であるので、生ゴミを有効的且つ合理的に処理すると、必ず高い価値をもたらすことができる。このほか、生ゴミ自身の不均質性により、その輸送と処理も非常に不便になり、且つ、コストが高くなる。
【0004】
環境保護と持続可能な発展理念への継続的な深い入り込みに伴い、例えば焼却と衛生的な埋立処分等を含む伝統的な生ゴミの処理方式の不可逆な環境損耗性と資源の無効性により、人々は、新たな処理方式を探し始めたので、生ゴミの生物処理法は、その独特な利点により、段々研究と注目のホットスポットになっている。例えば、公開番号がCN105665417Aである発明出願は、生ゴミ高温生分解用複合微生物接種剤及び製作と使用方法を公開した。前記複合微生物接種剤は、複合菌体と担体から構成され、前記複合菌体は、カンジダ・クルセイ酵母菌、バチルス・サブティリス、ウィッカーハモマイセス・アノマルス酵母菌、クロコウジカビ及び放線菌から混合で構成され、前記担体は、大豆粕、ふすま、もみ殻パウダーとかんな屑等から構成される。これらの微生物接種剤が全て良い生ゴミ分解効果を持つが、飲食習慣の差異性、生ゴミの微小環境及び微生物の酵素生成の特異性により、高温微生物が、生ゴミの分解加速、生物反応時間の短縮とエネルギー消費の削減に一層有利になる。従って、より良い生ゴミ分解能力を持ち、且つ、高温に耐える、優位性のある菌株を選別して、生ゴミの生分解を速める必要がある。これによって、生ゴミの無害化、減量化と資源化を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国特許出願公開第105665417号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、既存の技術に存在している不足点に狙いをつけて、生ゴミ高温生分解用微生物接種剤と応用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記の細菌、即ち、
(1)菌株番号がZJB-091であり、受託番号がCCTCC NO:M 2019263であるピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌;
(2)菌株番号がZJB19163であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020014であるバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌;
(3)菌株番号がZJB19165であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020015であるバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌;
(4)菌株番号がZJB19166であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020016であるバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌;
を含む、生ゴミ高温生分解用微生物接種剤である。
【0008】
前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤において、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165、バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の質量比が、1:1~2:1:1~2である。
【0009】
前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤において、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165、バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の乾燥菌体重量の質量比が、1:1:1:1である。
【0010】
本発明は、下記のステップ、即ち、
(1)4種の菌株をそれぞれ活性化して培養すること;
(2)活性化後の4種の菌株に対して、それぞれ種培養を行ってシード培地を取得すること;
(3)4種の菌株に対して、それぞれ培養液を発酵して発酵液を取得すること;
(4)4種の菌株の発酵液を、比例で混ぜることによって、前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤を取得することを含む、前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤の調製方法である。
【0011】
本発明は、生ゴミ分解における前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤の応用である。
【0012】
本発明は、前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤を、分解待ちの生ゴミに入れて生分解を行う、生ゴミ分解の方法である。
【0013】
前記生ゴミ分解の方法において、生分解温度が50℃~55℃である。
【0014】
前記生ゴミ分解の方法において、生分解温度が55℃である。
【0015】
前記生ゴミ分解の方法において、前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤の接種量が、生ゴミ質量の1%を下回らない。
【0016】
前記生ゴミ分解の方法において、前記生ゴミ高温生分解用微生物接種剤の接種量が、生ゴミ質量の1.5%を下回らない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例7における処理終了後の生ゴミの形態図である。
【
図2】実施例8における生ゴミ生分解試験の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0019】
生ゴミ高温生分解用微生物接種剤は、下記の細菌、即ち、
(1)菌株番号がZJB-091であり、受託番号がCCTCC NO:M 2019263であるピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌;
(2)菌株番号がZJB19163であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020014であるバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌;
(3)菌株番号がZJB19165であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020015であるバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌と、
(4)菌株番号がZJB19166であり、受託番号がCCTCC NO:M 2020016であるバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌;を含むこと。
【0020】
好ましくは、前記微生物接種剤において、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の質量比が、1:1~2:1:1~2である。
【0021】
更に好ましくは、前記微生物接種剤において、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の乾燥菌体重量の質量比が、1:1:1:1である。
【0022】
ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091は、中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)に寄託されており、受託番号はCCTCC NO:M 2019263であり、受託時間は2019年4月17日である。ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091の18s rDNA配列はSEQ ID NO.1で示す通りである。ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091の生物学的特徴は下記の通りである。白色~クリーム色のコロニーであり、潤ってねばねばしていて、穿り易く、コロニーの正面、裏面及び中央が、縁部の色と一致していて、仮性菌糸があり、成長プロセス中においてフルーツのような風味を持つ。球形又は卵円形を示す。アミラーゼ、タンパク分解酵素、リパーゼ及びセルラーゼを生産できる。
【0023】
バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163は、中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)に寄託されており、受託番号はCCTCC NO:M 2020014であり、受託時間は2020年1月6日である。バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163の16S rRNA配列はSEQ ID NO.2で示す通りである。バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌の生物学的特徴は下記の通りである。コロニーが円形を呈して、薄黄色で、やや白さが浮かび、表面が滑らかでねばねばしていて、不透明で、縁部が整然としていて、皺がなく、アミラーゼ、タンパク分解酵素とリパーゼを生産できる。
【0024】
バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165は、中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)に寄託されており、受託番号はCCTCC NO:M 2020015であり、受託時間は2020年1月6日である。バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165の16S rRNA配列はSEQ ID NO.3で示す通りである。バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌の生物学的特徴は下記の通りである。コロニーが円形を呈して、薄黄色で、表面が滑らかで、不透明で、縁部が整然としていて、皺がなく、棒状で、芽胞菌に属する。
【0025】
バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166は、中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)に寄託されており、受託番号はCCTCC NO:M 2020016であり、受託時間は2020年1月6日である。バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の16S rRNA配列はSEQ ID NO.4で示す通りである。バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の生物学的特徴は下記の通りである。コロニーが円形を呈して、薄黄色で、表面が滑らかで、不透明で、縁部が整然としていて、皺がなく、棒状で、芽胞菌に属する。アミラーゼ、タンパク分解酵素、リパーゼ及びセルラーゼを生産できる。
【0026】
本発明は、また前記微生物接種剤の調製方法を提供する。下記のステップ、即ち、
(1)4種の菌株をそれぞれ活性化して培養すること;
(2)活性化後の4種の菌株に対して、それぞれ種培養を行ってシード培地を取得すること;
(3)4種の菌株に対して、それぞれ培養液を発酵して発酵液を取得すること;
(4)4種の菌株の発酵液を、比例で混ぜることによって、前記微生物接種剤を取得することを含む。
【0027】
当該微生物接種剤微の調製方法は、具体的に、下記のステップ、即ち、
(1)ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091を、PDA斜面培地に接種して、定温で培養して菌株の活性化培養を行うこと;
(2)バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166を、それぞれビーフペストのペプトン斜面培地に接種して、定温で培養して菌株の活性化培養を行うこと;
(3)活性化後のピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091を、PDA斜面培地に接種して、種培養を行った後、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌のシード培地を取得すること;活性化後のバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166を、それぞれビーフペストのペプトン斜面培地に接種して、種培養を行った後、それぞれバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166シード培地を取得すること;
(4)前記ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091シード培地及びバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166のシード培地を、それぞれ発酵培地を含む発酵缶に接種して発酵培養を行った後、それぞれピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091発酵液及びバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の発酵液を取得すること;
(5)ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091発酵液及びバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166の発酵液を比例混合してから、5~150目のコムギの茎粉末を使って、1:20の比例で固定化した後、低温乾燥を行うことによって、生ゴミ生分解用微生物接種剤を取得することである。
【0028】
ステップ(1)の中で、PDA斜面培地の組成物は、下記の通りである。ジャガイモ200g、ブドウ糖20g、寒天20g、水1L;活性化培養条件:25~40℃で24~48h定温培養した。
【0029】
ステップ(2)の中で、ビーフペストのペプトン斜面培地の組成物は、下記の通りである。ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g、寒天20g、水1L;活性化培養条件:35~55℃で12~24h定温培養した。
【0030】
ステップ(3)の中で、PDA液体培地の組成物は、下記の通りである。ジャガイモ200g、ブドウ糖20g、水1L;種培養条件:25~40℃、150~200r/minの条件の下で、揺れるベッドで24~48h培養した。ビーフペストのペプトン液体培地の組成物は、下記の通りである。ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g、水1L;種培養条件:35~55℃、150~200r/minの条件の下で、シェイーカーで24~48h振盪培養した。
【0031】
ジャガイモ200g、ブドウ糖20g、水1L;発酵培養条件:25℃~40℃、200~450r/minの条件の下で、36~80h発酵培養を行った。バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌の発酵培地の組成物は、下記の通りである。ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g、水1L;発酵培養条件:35℃~55℃、200~450r/minの条件の下で、36~80h発酵培養を行った。
【0032】
本発明は、また生ゴミ分解における前記微生物接種剤の応用を提供する。
【0033】
本発明は、また生ゴミ分解の方法を提供する。即ち、前記微生物接種剤を、分解待ちの生ゴミに入れて生分解を行うことである。生分解温度が55℃であることが好ましい。
【0034】
既存の技術と比べて、本発明は、下記の有益効果を有する。
(1)本発明が提供する微生物接種剤が、生ゴミの生分解を速めるだけでなく、異臭を除去し、且つ、生ゴミの無害化と減量化処理を実現できること。
(2)本発明が、複合微生物接種剤を、生ゴミの処理に運用することによって、各微生物菌株の間に、連携効果が効き、好気性条件の下で、生ゴミでの高分子有機物を、速く小分子物質に分解して、大量な有機物質と微量元素を生成し、廃棄物資源化の転換を実現すること。
(3)本発明が提供する微生物接種剤が、55℃の下で、有害微生物の成長を有効的に抑制して、生ゴミの無害化処理を実現できること。
(4)本発明が提供する微生物接種剤が、生ゴミに作用した後、異臭が生成せず、応用の見通しが良いこと。
【実施例】
【0035】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
<実施例1:生ゴミ高温分解菌の選別と鑑定>
浙江工業大学毓秀食堂付近の土試料5gを取って滅菌済みの小ガラスボールと50mL無菌水付き三角フラスコに入れて55℃、180r/min振盪培養を行って、一週間増菌培養を行った後、スーパークリーンベンチで細菌懸濁液の勾配希釈を行った。濃度勾配を、10-1、10-2、10-3、10-4、10-5、10-6、10-7、10-8、10-9にし、100μL各濃度の細菌懸濁液を吸い取ってそれぞれPDA斜面とビーフペストのペプトン斜面培地に接種してから、密封フィルムでパネルを密封した後、逆さまにして、28~40℃恒温培養器に置いて24~48hを培養した。その後、コロニー数が適切なパネルを選び、典型的なコロニーを選んでから、分離純化を行った後、それぞれタンパク質、澱粉、脂肪と繊維素同定培地パネルに接種した。この後、滅菌済みの塗布棒で均一に塗布した。その後、シャーレを、密封フィルムで密封してから、逆さまにして、28~40℃恒温培養器に48~37h培養した後、溶菌ゾーンの直径とコロニー直径比を観察した。溶菌ゾーンが比較的大きい菌株を取って、それぞれPDA液体培地とビーフペストのペプトン液体培地に接種して、24h培養した後、適量な菌液を取って30%のグリセリンで1:1の比例によって-80℃冷蔵庫に保存した。一部分の菌液を取って、形態学的、生理生化学的と分子生物学的鑑定を行った。
【0037】
FastDNA(商標) Spin Kit for Soil試薬キットを使って、菌株ゲノムDNAを抽出した後、これをテンプレートとして、PCR増幅を行った。増幅のプライマーは、次の通りである。
【0038】
細菌が、下記の16S rRNA共通プライマーを採用する。
27F:5’-AGAGTTTGATCCTGGCTCAG-3’;
1492R:5’-GGTTACCTTGTTACGACTT-3’。
【0039】
細菌PCR体系は、表1に示す通りである。
【0040】
【0041】
真菌類が下記のrDNA-ITS共通プライマーを採用する。
ITS1:5’-TCCGTAGGTGAACCTGCGG-3’;
ITS4:5’-TCCTCCGCTTATTGATATGC-3’。
【0042】
真菌類のPCR体系は、表2に示す通りである。
【0043】
【0044】
PCR手順:95℃の下で初期熱変性を5min行った。95℃ 40s、55℃ 30s、72℃ 2minという30個のサイクル延伸;72℃ 10min。
【0045】
杭州▲けい▼科生物学技術有限公司(Hangzhou Tsingke Biotechnology Co., Ltd.)が、PCR生成物シークエンシングを行った結果、取得した配列がSEQ ID NO.1、SEQ ID NO.2、SEQ ID NO.3とSEQ ID NO.4で示す通りである。
【0046】
取得したDNA配列をGenBankに入力した後、Blast手順に基づいてデータベースでのすべての配列と照合した。その後、形態学的と生理生化学的同定結果と結びづいて、選別で取得した菌株が、それぞれピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌であることを確定した後、それぞれピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166と命名した。
【0047】
ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166は、中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)に寄託されておる。具体的な情報は、下記の通りである。
【0048】
(1)ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091:
受託番号:CCTCC NO:M 2019263;
受託時間:2019年4月17日。
(2)バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163:
受託番号:CCTCC NO:M 2020014;
受託時間:2020年1月6日。
(3)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165:
受託番号:CCTCC NO:M 2020015;
受託時間:2020年1月6日。
(4)バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166:
受託番号:CCTCC NO:M 2020016;
受託時間:2020年1月6日。
【0049】
中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)の住所:湖北省武漢市洪山区珞珈山街道八一路武漢大学中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)。
【0050】
前記方法に関わる培地成分は、下記の通りである。
PDA固体培地:ジャガイモ200g、ブドウ糖20g、寒天20g、水1L、pH自然。
PDA液体培地:ジャガイモ200g、ブドウ糖20g、水1L、pH自然。
ビーフペストのペプトン固体培地の組成物は、下記の通りである。ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g、寒天20g、水1L、pH自然。
ビーフペストのペプトン液体培地の組成物は、下記の通りである。ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g、水1L、pH自然。
タンパク質同定培地:脱脂粉ミルク50g、可溶性澱粉10g、酵母エキス5g、KH2PO4 1g、MgSO4・7H2O 0.2g、寒天20g、水1L、pH7.0。
澱粉同定培地:ペプトン10g、可溶性澱粉2g、ビーフペスト5g、NaCl 5g、寒天20g、水1L、pH7.0~7.2。
脂肪同定培地:ペプトン10g、K2HPO4 1g、MgSO4・7H2O 0.5g、ポリビニルアルコール1.2g、ビクトリア・ブルーB 0.04g、オリーブオイル10g、寒天20g、水1L、pH8.0。
セルロース同定培地:K2HPO4 0.5g、MgSO4・7H2O 0.2g、CMC-Na 2g、コンゴーレッド0.2g、寒天16g、ゼラチン2g、水1L、pH7.0。
【0051】
<実施例2:菌株酵素活性測定>
分離して取得したピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091を、PDA液体培地に接種して、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166を、55℃の下で、シェイーカーで48h振盪培養した。発酵液を、4℃、8000r/minの条件の下で10min遠心した後、上澄み液を取って、アミラーゼ、タンパク分解酵素、リパーゼ及びセルラーゼの酵素活性を測定した。アミラーゼ活性測定にDNS法を使用した。酵素活性の定義:1mL酵素液で一分間毎に1μgマルトースを生成する為の必要な酵素量が一つの酵素活性単位であり、「U/mL」で表示される。タンパク分解酵素の活性測定にフォリン-チオカルト法を使用した。酵素活性の定義:1mLの酵素液で一分間毎にカゼインを加水分解して、1μgチロシンを生成する為の必要な酵素量が一つの酵素活性単位であり、「U/mL」で表示される。リパーゼ活性測定に国家標準GB/T 23535-2009を使用する。酵素活性の定義:1mLの酵素液が、一定温度とpHの下で(本実施例において、55℃、pH7.0を使用した)、1minに基質を加水分解して(本実施例で、オリーブオイルを基質とした)、1μmolの滴定可能な脂肪酸を生成する為の必要な酵素量が一つの酵素活性単位であり、「U/mL」で表示される。セルラーゼ活性測定に3,5-ジニトロサリチル酸法を使用した。1mL酵素液で一分間毎に1μgブドウ糖を生成する為の必要な酵素量が一つの酵素活性単位であり、「U/mL」で表示される。結果は、表3に示す通りである。
【0052】
【0053】
<実施例3:微生物接種剤微の調製>
[1]斜面培養
ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091を、PDA斜面に接種し、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166を、ビーフペストのペプトン斜面培地に接種してから、それぞれ25~40℃で24~48h定温培養して菌株の活性化培養を行った。使用した活性化PDA斜面培地組成物:ジャガイモ200g、ブドウ糖20g、寒天20g、水1L、pH自然。115℃の下で、30min滅菌した。使用したビーフペストのペプトン斜面培地組成物:ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g、寒天20g、水1L、pH自然。121℃の下で20min滅菌した。
【0054】
[2]シード培地
ステップ[1]で取得した活性化後のピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091を、ジャガイモ・ブドウ糖液体培地に接種した。バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166を、ビーフペストのペプトン液体培地に接種した。それぞれ25~40℃、150~200r/minシェイーカーで24~48h振盪培養した後、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166シード培地を取得した。使用したジャガイモ・ブドウ糖液体培地は、下記の通りである。ジャガイモ200g、ブドウ糖20g、水1L、pH自然。115℃の下で、30min滅菌した。ビーフペストのペプトン液体培地の組成物は、下記の通りである。ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5g、水1L、pH自然。121℃の下で20min滅菌した。
【0055】
[3]拡大培養:
発酵缶内に、50~67%体積比の培地を入れてから、ステップ[2]で取得したピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166シード培地を、それぞれ体積比が50~67%である培地を入れた発酵缶に接種した後、30℃~45℃、200~450r/min条件の下で、36~80h発酵培養を行った。それぞれピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166菌液を取得した。
【0056】
ステップ[3]で使用した液体培地:ジャガイモ・ブドウ糖液体培地を1Lとして、200gジャガイモに1L水を入れて20min煮た後、ろ過してろ過液を取った。その後、20gブドウ糖を入れた後、水を入れて1Lまで補充した。115℃の下で、30min滅菌した。ビーフペストのペプトン液体培地を1Lとして、ビーフペスト5g、ペプトン10g、塩化ナトリウム5gとなり、121℃の下で20min滅菌した。
【0057】
(2)複合微生物接種剤の調製
培養したピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166菌液を、それぞれ遠心機(卓上型)高速冷凍遠心機で8000rpm遠心を10min実施した後、取得したピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)酵母菌ZJB-091、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)杆菌ZJB19163、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)杆菌ZJB19165とバチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)杆菌ZJB19166菌液を、重量比(乾燥菌体重量)が(0.5:1:0.5:1)又は(1:1:1:1)の比例で加水混合することによって、異なる菌体比例の微生物菌液を取得した。その後、5~150目のコムギの茎粉末を使って、1:20の比例で固定化してから、低温乾燥を行った後、複合微生物接種剤を取得した。乾燥温度が30~50℃であり、生菌数≧3.0×109CFU/mLとなった。
【0058】
<実施例4:微生物接種剤安定性評価>
複合微生物接種剤を実験室の一角に置いて、室温の下で保存した。15日おきに、試料を採取して、生菌数の変化状況を分析した。希釈パネル塗布法で生菌数を測定した。
【0059】
【0060】
微生物接種剤保存期間において、異なる環境の温度、微生物接種剤の含水量と微生物菌株のカテゴリー等は、すべて微生物生菌数に影響を与える。その中で、保存環境の温度は、微生物接種剤での生菌数に影響を与える重要な要素の一つである。低い温度の条件の下で、微生物の活性は、普遍的に低く、その成長代謝速度が相応に遅くなるので、微生物菌株の保存時間延長効果を有効的に達成する。しかしながら、複合微生物接種剤にとって、これを、長期的に定温の状況の下で保存すると、生産コストを増加するので、その更なる工業化と応用を制限する。従って、室温条件の下で保存することを選ぶ。表から見ると、45日内における微生物接種剤の生菌数が基本的に安定に維持することを発見できる。
【0061】
<実施例5:接種量の選択>
それぞれ0.5%、1%、1.5%、2%、3%、5%の接種量(微生物接種剤の質量と処理待ち生ゴミとの質量比)で、生ゴミの処理設備に微生物接種剤を投入してから、48h運行した後、異なる接種量実験における生ゴミ澱粉、タンパク質と油脂の分解比例を測定した。表5で示す通りである。
【0062】
【0063】
実施結果から見ると、好ましくは、1.5%の接種量を、複合微生物接種剤投入比例とすることが適切で、できるだけ低いコストの条件の下でより良い効果を取得することができる。
【0064】
<実施例6:温度の選択>
微生物接種剤の分解処理結果(ゴミ分解率)は、重量の減量効率で体現する。
重量の減量率(%)=(A-B)÷A×100%
その中で、A:投入した生ゴミと微生物接種剤の総重量(kg);B:処理後残余物の総重量(kg)。
【0065】
浙江工業大学毓秀食堂で収集した生ゴミで試験を行った。試験プロセス:生ゴミの中での骨、プラスチック・ピペット等の大塊と硬い部分を除外して、測定した結果、生ゴミの含水率が70~75%であった。木屑で含水率を、55~65%に調整した後、それぞれ35℃、50℃、55℃で、前記実施例3で調製した、1:1:1:1比例(乾燥菌体重量の質量比)の微生物接種剤に入れて、48h生ゴミ生分解試験を行った結果、温度が35℃であるときに、生ゴミの減量率が58.12%であり、温度が50℃であるときに、生ゴミの減量率が79.38%であり、温度が55℃であるときに、生ゴミの減量率が82.35%であることを発見した。
【0066】
<実施例7:微生物接種剤の応用>
微生物接種剤の分解処理結果(ゴミ分解率)は、重量の減量効率で体現する。
重量の減量率(%)=(A-B)÷A×100%
その中で、A:投入した生ゴミと微生物接種剤の総重量(kg);B:処理後残余物の総重量(kg)となった。
【0067】
浙江工業大学毓秀食堂で収集した生ゴミで試験を行った。試験プロセスは下記の通りである。
【0068】
(1)採集した試料について、組成物分析を行った。ステップは下記の通りである。手動で、試料での野菜、主食(ご飯、面食)、食肉及びその他の不純物を選別してから、電子天秤で、選別した各組成物に対して、質量秤量を行った。秤量の結果によって、食べ物ゴミ試料の総質量における各組成物の割合に換算した(表6)。105℃で試料を乾燥して、24時間の品質損失が0.5%を下回ることになるまで操作することによって、水分含有量を測定した。生ゴミの水分含有量70~75%。
【0069】
【0070】
(2)1.5%の前記実施例3で調製した、0.5:1:0.5:1比例(乾燥菌体重量の質量比)の微生物接種剤を入れて、ゴミ分解処理機内に置いた。温度が55℃であり、5kg生ゴミを入れてから、木屑で体系水分を、55~65%に調節した。その後、24h通風運行した後、2kg材料を補充した。その後、48hおきに一回(2kg)材料を補充した。240h運行した後、残余物を取り出して称量した。木屑添加量を除いた後、2.15kgを得たので、重量の減量率は約83.46%であった。酸加水分解法で、残余物での脂肪含有量を測定した。ケルダール法で、残余物でのタンパク質含有量を測定した。油脂分解率が9.36%であり、タンパク質分解率が63.12%であった。残余物がセピア色粒子又は粉状を呈して、
図1で示す通りである。
【0071】
<実施例8:微生物接種剤の応用>
微生物接種剤の分解処理結果(ゴミ分解率)は、重量の減量効率で体現する。
重量の減量率(%)=(A-B)÷A×100%
その中で、A:投入した生ゴミと微生物接種剤の総重量(kg);B:処理後残余物の総重量(kg)となった。
【0072】
浙江工業大学毓秀食堂で収集した生ゴミで試験を行った。試験プロセスは下記の通りである。
【0073】
(1)生ゴミの中での骨、プラスチック・ストロー等の大塊と硬い部分を除外して、測定した結果、生ゴミの含水率が70~75%であった。
(2)1.5%の前記実施例3で調製した、1:1:1:1比例(乾燥菌体重量の質量比)の微生物接種剤を入れて、ゴミ分解処理機内に置いた。温度が55℃であった。15kg生ゴミを入れてから、木屑で体系水分を、55~65%に調節した。その後、48h通風運行した後、「ファイブ・イン・ワン」ガス検査機器で、アンモニアガス及び硫化水素の含有量を測定した。これから一回(15kg)材料を補充してから、引き続き48h運行した後、木屑添加量を除いた後、5.6kgを得たので、重量の減量率は約81.3%であった。生ゴミと微生物接種剤が混合作用した後、初めて灰褐色ペースト状を呈したが、分解時間の継続的な延長につれて、生ゴミが継続的に分解、利用されていて、最終的にセピア色粒子又は粉状を呈することになった。
【0074】
匂い検出:まず嗅覚で、生ゴミ分解プロセス中に生成したガスを体験して臭気があるかどうか判断した。その後、「ファイブ・イン・ワン」ガス検査機器でアンモニアガスと硫化水素の含有量を測定した。
図2で示すように、ppmとmg/m
3の変換公式:
ppm=(22.4×mg/m
3)/測定するガス分子量
アンモニアガスの分子量は17.031であり、硫化水素の分子量は34.08である。匂いの限界値強度等級分けは、表3に示す通りである。
【0075】
【0076】
生ゴミは、48h生分解後、残余物の匂いが弱く、梅干菜と似ている。その後、ガス検査機器で測定した結果、最終的にNH3含有量が8.32mg/m3であり、H2S含有量が0.53mg/m3であるので、当該微生物接種剤が、生ゴミ分解プロセス中において、明らかな異臭を生じなかったことを説明した。
【0077】
<実施例9:微生物接種剤の応用>
浙江工業大学毓秀食堂で収集した生ゴミで試験を行った。試験プロセスは下記の通りである。
【0078】
(1)生ゴミの中での骨、プラスチックストロー等の大塊と硬い部分を除外して、測定した結果、生ゴミの含水率が65~75%であった。
(2)1.5%の前記実施例3で調製した、1:1:1:1比例(乾燥菌体重量の質量比)の微生物接種剤を入れて、ゴミ分解処理機内に置いた。10kg生ゴミを入れてから、木屑で体系水分を、55%に調節した。その後、45℃の下で、12h通風運行した。温度を55℃に調整してから、引き続き12h運行した後、分解残余物の剰余量が約0.75kgであり、重量の減量率が約92.5%であった。澱粉分解率が87.51%であり、タンパク質分解率が91.35%であり、油脂分解率が29.12%であった。生ゴミと微生物接種剤が24h混合作用した後、明らかな異臭が生じず、NH3含有量が6.42mg/m3であり、H2S含有量が0.46mg/m3であった。
【0079】
<実施例10:微生物接種剤の応用>
浙江工業大学毓秀食堂で収集した生ゴミで試験を行った。試験プロセスは下記の通りである。
【0080】
(1)生ゴミの中での骨、プラスチックストロー等の大塊と硬い部分を除外して、測定した結果、生ゴミの含水率が65~75%であった。
(2)1.5%の前記実施例3で調製した、1:1:1:1比例(乾燥菌体重量の質量比)の微生物接種剤を入れて、ゴミ分解処理機内に置いた。10kg生ゴミを入れてから、木屑で体系水分を、55%に調節した。その後、45℃の下で、12h通風運行した後、温度を55℃に調整してから、引き続き36h運行した後、分解残余物の剰余量が約0.53kgであり、重量の減量率が約94.7%であった。澱粉分解率が90.37%であり、タンパク質分解率が91.35%であり、油脂分解率が27.58%であった。生ゴミと微生物接種剤が24h混合作用した後、明らかな異臭が生じず、NH3含有量が6.35mg/m3であり、H2S含有量が0.33mg/m3であった。
【配列表】