(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】電子機器、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20230209BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G06F21/32
G06T1/00 400H
(21)【出願番号】P 2021209679
(22)【出願日】2021-12-23
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】小杉 和宏
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-174855(JP,A)
【文献】特開2019-142125(JP,A)
【文献】特開2017-034518(JP,A)
【文献】特開2015-011537(JP,A)
【文献】特開2018-195067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認証による認証結果に基づいて待機状態から起動させる起動処理を実行する電子機器であって、
撮像装置で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データに基づく処理をするプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記待機状態において、前記撮像装置により撮像され前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出処理と、
前記顔検出処理により前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、前記起動処理を実行させる起動指示処理と、
を行
い、
前記顔認証の機能は、有効または無効に設定することが可能であり、
前記プロセッサは、
前記顔認証の機能が有効に設定されている場合に、前記顔検出処理により前記顔認証が可能な条件を満たす顔領域の検出を行い、
前記顔認証の機能が無効に設定されている場合、前記顔検出処理において、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔が撮像されている顔領域を検出し、前記顔検出処理により前記画像の中から顔領域が検出された場合、前記起動指示処理において前記起動処理を実行させる、
電子機器。
【請求項2】
前記顔認証が可能な条件とは、前記画像の領域に対して前記画像に撮像されている顔の大きさの条件を含む、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記顔認証が可能な条件とは、前記画像の領域内における前記画像に撮像されている顔の位置の条件を含む、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記顔認証が可能な条件とは、前記画像に撮像されている顔の向きの条件を含む、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記顔認証が可能な条件とは、前記電子機器の使用環境の明るさの条件を含む、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項6】
撮像装置で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づく処理をするプロセッサとを備え、顔認証による認証結果に基づいて待機状態から起動させる起動処理を実行する電子機器における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記待機状態において、前記撮像装置により撮像され前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔が撮像されている顔領域を検出するステップと、
前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、前記起動処理を実行させるステップと、
を含み、
前記顔認証の機能は、有効または無効に設定することが可能であり、
前記プロセッサが、
前記顔認証の機能が有効に設定されている場合に、前記顔検出するステップにおいて、前記顔認証が可能な条件を満たす顔領域の検出を行い、
前記顔認証の機能が無効に設定されている場合、前記顔検出するステップにおいて、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔が撮像されている顔領域を検出し、前記画像の中から顔領域が検出された場合、前記起動指示処理において前記起動処理を実行させる、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物が近づくと使用可能な状態に遷移し、人物が離れると一部の機能を除いて停止した待機状態に遷移する電子機器がある。例えば、特許文献1には、赤外線センサを用いて、人物が近づいてきたか否か、或いは人物が遠ざかったか否かを検出している。
【0003】
近年、コンピュータビジョンなどの発展により、画像から顔を検出する際の検出精度が高くなってきている。そのため、赤外線センサによる人物の検出に代えて、顔検出が利用され始めている。また、電子機器の起動時に、正規のユーザであるか否かの認証(例えば、ログイン認証)を行うが、この認証方法として、顔認証が用いられるようになってきている。例えば、電子機器は、人物が近づくと顔を検出して起動し、その後検出した顔を顔認証することによりログインを許可して使用可能な状態に遷移する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電子機器は、顔を検出することにより起動しても、人物が遠すぎたり近すぎたり或いは横顔であったりした場合、顔認証できない場合がある。このように顔認証ができない状況であるのに、顔を検出してしまうことにより不必要に起動してしまうことがあった。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、不必要に起動してしまうことを抑制する電子機器、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る電子機器は、顔認証による認証結果に基づいて待機状態から起動させる起動処理を実行する電子機器であって、撮像装置で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づく処理をするプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記待機状態において、前記撮像装置により撮像され前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出処理と、前記顔検出処理により前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、前記起動処理を実行させる起動指示処理と、を行う。
【0008】
上記電子機器において、前記顔認証の機能は、有効または無効に設定することが可能であり、前記プロセッサは、前記顔認証の機能が有効に設定されている場合に、前記顔検出処理により前記顔認証が可能な条件を満たす顔領域の検出を行ってもよい。
【0009】
上記電子機器において、前記顔認証が可能な条件とは、前記画像の領域に対して前記画像に撮像されている顔の大きさの条件を含んでもよい。
【0010】
上記電子機器において、前記顔認証が可能な条件とは、前記画像の領域内における前記画像に撮像されている顔の位置の条件を含んでもよい。
【0011】
上記電子機器において、前記顔認証が可能な条件とは、前記画像に撮像されている顔の向きの条件を含んでもよい。
【0012】
上記電子機器において、前記顔認証が可能な条件とは、前記電子機器の使用環境の明るさの条件を含んでもよい。
【0013】
上記電子機器において、前記プロセッサは、前記顔認証の機能が無効に設定されている場合、前記顔検出処理において、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔が撮像されている顔領域を検出し、前記顔検出処理により前記画像の中から顔領域が検出された場合、前記起動指示処理において前記起動処理を実行させてもよい。
【0014】
また、本発明の第2態様に係る、撮像装置で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づく処理をするプロセッサとを備え、顔認証による認証結果に基づいて待機状態から起動させる起動処理を実行する電子機器における制御方法は、前記プロセッサが、前記待機状態において、前記撮像装置により撮像され前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔が撮像されている顔領域を検出するステップと、前記画像の中から前記顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、前記起動処理を実行させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記態様によれば、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施形態に係る電子機器のHPD処理の概要を説明する図。
【
図2】第1の実施形態に係る電子機器の人物の検出範囲の一例を示す図。
【
図3】第1の実施形態に係る電子機器のHPD処理の概要を示す図。
【
図4】第1の実施形態に係る電子機器の外観の構成例を示す斜視図。
【
図5】第1の実施形態に係る電子機器のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図6】第1の実施形態に係る電子機器の機能構成の一例を示す図。
【
図7】第1の実施形態に係る待機状態におけるHPD処理の例を示すフローチャート。
【
図8】第1の実施形態に係るが起動処理の一例を示すフローチャート。
【
図9】第2の実施形態に係る待機状態におけるHPD処理の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
[概要]
まず、第1の実施形態に係る電子機器1の概要について説明する。本実施形態に係る電子機器1は、例えば、ノートブック型のPC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)である。なお、電子機器1は、デスクトップ型PC、タブレット端末装置、スマートフォンなど、いずれの形態の電子機器であってもよい。
【0018】
電子機器1は、システムの動作状態として少なくとも通常動作状態(パワーオン状態)と待機状態との間を遷移可能である。通常動作状態とは、特に制限なく処理の実行が可能な動作状態であり、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているS0状態に相当する。待機状態とは、システム処理の少なくとも一部が制限されている状態である。例えば、待機状態は、スタンバイ状態、スリープ状態等であってもよく、Windows(登録商標)におけるモダンスタンバイや、ACPIで規定されているS3状態(スリープ状態)等に相当する状態であってもよい。例えば、待機状態は、通常動作状態よりも電力の消費量が低い動作状態である。
【0019】
以下では、システムの動作状態が待機状態から通常動作状態へ遷移することを起動と呼ぶことがある。待機状態では、一般的に通常動作状態よりも動作の活性度が低いため、電子機器1のシステムを起動させることは、電子機器1におけるシステムの動作を活性化させることになる。
【0020】
図1は、本実施形態に係る電子機器1のHPD処理の概要を説明する図である。電子機器1は、電子機器1の近傍に存在する人物(即ちユーザ)を検出する。この人物の存在を検出する処理のことを、HPD(Human Presence Detection)処理と称する。電子機器1は、HPD処理により人物の存在の有無を検出し、検出結果に基づいて電子機器1のシステムの動作状態を制御する。例えば、電子機器1は、
図1(A)に示すように、電子機器1の前(正面)に人物が存在しない状態(Absence)から存在する状態(Presence)への変化、即ち電子機器1へ人物が接近したこと(Approach)を検出した場合、ユーザが接近したと判定し、自動でシステムを起動して通常動作状態へ遷移させる。また、電子機器1は、
図1(B)に示すように、電子機器1の前に人物が存在している状態(Presence)では、ユーザが存在すると判定し、通常動作状態を継続させる。そして、電子機器1は、
図1(C)に示すように、電子機器1の前(正面)に人物が存在している状態(Presence)から存在しない状態(Absence)への変化、即ち電子機器1から人物が離脱したこと(Leave)を検出した場合には、ユーザが離脱したと判定し、システムを待機状態へ遷移させる。
【0021】
電子機器1は、前方(正面側)の所定の範囲における人物の存在を検出する。
図2は、本実施形態に係る電子機器1の人物の検出範囲の一例を示す図である。図示する例において、電子機器1の前方(正面側)の検出範囲FoV(Field of View:検出視野角)が、人物の検出可能な範囲である。例えば、電子機器1は、前方(正面側)を撮像した撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出することにより、電子機器1の前(正面)に人物(ユーザ)が存在するか否かを判定する。検出範囲FoVは、電子機器1が撮像する撮像画角に相当する。電子機器1は、撮像画像から顔領域が検出された場合、ユーザが存在すると判定する。一方、電子機器1は、撮像画像から顔領域が検出されなかった場合、ユーザが存在しないと判定する。
【0022】
また、電子機器1は、撮像画像から顔領域が検出されたことによりユーザが存在すると判定した場合、システムを起動して通常動作状態へ遷移させるが、その途中で、そのユーザが正規のユーザであるか否かを認証する認証処理を実行する。電子機器1は、正規のユーザであると判定した場合には、使用を許可(ログインを許可)し、起動処理を継続して通常動作状態へ遷移させる。一方、電子機器1は、正規のユーザでないと判定した場合には、使用を許可(ログインを許可)せず、認証待ちの状態を継続する。この起動時におけるユーザの認証を、以下では「ログイン認証」と称する。
【0023】
ログイン認証の方法としては、ユーザがパスワードをキーボードから入力するパスワード認証、ユーザの顔を認証する顔認証、ユーザの指紋で認証する指紋認証などがある。顔認証によるログイン認証が有効になっている場合、電子機器1は、撮像画像から検出された顔領域に撮像されている顔の特徴と予め登録されている正規ユーザの顔の特徴とを照合することにより顔認証を行う。
【0024】
ここで、撮像画像から顔の検出は可能であっても顔認証ができない場合がある。そのため、顔認証ができない状況であるのに不必要に起動してしまう懸念がある。顔の検出は可能であっても顔認証ができない場合には、例えば、電子機器1と人物との距離が遠すぎたり近すぎたりした場合や、撮像画像の中央付近に顔が無い場合がある。また、横顔などのように正面顔でない場合も、顔認証を正常に行えない場合がある。また、IRカメラ(赤外線カメラ)で撮像された撮像画像から顔領域を検出して顔認証を行う場合には、太陽光などで明るすぎる環境では顔認証を正常に行えない場合がある。そこで、電子機器1は、
図3に示すようなHPD処理を行う。
【0025】
図3は、本実施形態に係る電子機器1のHPD処理の概要を示す図である。電子機器1は、前方(正面側)の撮像画像を取得し、撮像画像の中から単に顔領域を検出するのではなく、顔認証が可能な条件を満たす顔領域を検出する。そして、電子機器1は、顔認証が可能な条件を満たす顔領域を検出した場合に起動させ、その後、顔認証によるログイン認証を行う。これにより、顔認証ができない状況であるのに不必要に起動してしまうことを抑制することができる。
【0026】
例えば、電子機器1は、顔認証によるログイン認証の機能が有効になっている場合、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔領域を検出した場合に起動させる。一方、電子機器1は、顔認証によるログイン認証の機能が無効になっている場合には、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔領域を検出した場合に起動させてもよい。以下の説明において、顔認証が可能な条件を満たす顔領域を検出する顔検出モードのことを、「顔認証アシストモード」と称する。一方、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔領域を検出する顔検出モードのことを、「通常顔検出モード」と称する。
【0027】
次に、本実施形態に係る電子機器1の構成について詳しく説明する。
[電子機器の外観構成]
図4は、本実施形態に係る電子機器1の外観の構成例を示す斜視図である。
電子機器1は、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0028】
第1筐体10は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体20は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って完全に閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10と第2筐体20とが開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0029】
図4に示す電子機器1の外観は開状態の例を示している。開状態は、第1筐体10の側面10aと第2筐体20の側面20aとが離れた状態である。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れる。開状態はユーザが電子機器1を使用する際の状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0030】
第1筐体10の内面には、表示部110が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。また、第1筐体10の内面のうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120が設けられている。例えば、撮像部120は、表示部110の周縁の領域のうち側面20a側に配置されている。なお、撮像部120が配置される位置は一例であって、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)を向くことが可能であれば他の場所であってもよい。
【0031】
撮像部120は、開状態において、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。例えば、撮像部120は、電子機器1の前方(正面側)に存在する人物を含む画像を撮像することができる。
【0032】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオまたはオフ、待機状態から通常動作状態へ遷移、通常動作状態から待機状態への遷移などをユーザが指示するための操作子である。また、第2筐体20の内面には、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153が設けられている。なお、入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153に代えて、または加えて、タッチセンサが設けられてもよいし、マウスや外付けのキーボードが接続されてもよい。タッチセンサが設けられた構成の場合、表示部110の表示面に対応する領域が操作を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。また、入力デバイスには、音声が入力されるマイクが含まれてもよい。
【0033】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面に設けられている表示部110、及び撮像部120と、第2筐体20の内面に設けられているキーボード151及びタッチパッド153は、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。
【0034】
[電子機器のハードウェア構成]
図5は、本実施形態に係る電子機器1のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。電子機器1は、表示部110、撮像部120、電源ボタン140、入力デバイス150、EC(Embedded Controller)200、メイン処理部300、通信部310、記憶部320、顔検出部330、及び電源部400を含んで構成される。表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0035】
撮像部120は、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の画角内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300及び顔検出部330へ出力する。例えば、撮像部120は、RGBカメラとIRカメラとを備えている。RGBカメラとは、可視光線を受光して撮像する通常のカメラである。IRカメラは、物体から放出される赤外線を撮像するカメラである。
【0036】
IRカメラは、例えば撮像する際に赤外線光を照射するため、撮像する際の消費電力がRGBカメラよりも高い。そのため、待機状態において撮像画像から顔領域を検出する際にはRGBカメラが用いられ、顔認証によるログイン認証の際にはIRカメラが用いられる。なお、撮像部120は、IRカメラとRGBカメラとのいずれか一方を備えてもよく、待機状態においてIRカメラが用いられてもよいし、起動時の認証処理においてRGBカメラが用いられてもよい。
【0037】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。
【0038】
電源部400は、電子機器1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0039】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、及び電源部400等と接続されている。
【0040】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、電子機器1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。
【0041】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0042】
CPU301は、BIOSによる処理、OSによる処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムによる処理などを実行する。CPU301は、チップセット303からの制御に基づいてシステムの動作状態を制御する。例えば、CPU301は、システムの動作状態を待機状態から通常動作状態に遷移させる起動処理を実行する。また、CPU301は、起動処理の途中で、正規のユーザであるか否かを認証(ログイン認証)する認証処理を実行する。顔認証によるログイン認証の機能が有効に設定されている場合、CPU301は、起動処理において顔認証による認証処理を実行する。一方、顔認証によるログイン認証の機能が無効に設定されている場合、CPU301は、起動処理において顔認証以外(例えば、パスワード認証)の認証処理を実行する。
【0043】
CPU301は、認証処理において正規のユーザであると判定した場合には、使用を許可(ログインを許可)し、起動処理を継続して通常動作状態へ遷移させる。一方、CPU301は、認証処理において正規のユーザでないと判定した場合には、使用を許可(ログインを許可)せず、認証待ちの状態を継続する。
【0044】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0045】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部320などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部310、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。また、チップセット303は、センサハブとしての機能を有する。例えば、チップセット303は、HPD処理において、顔検出部330から顔検出の検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて人物(ユーザ)の存在を検出し、システムの動作状態の制御を行う。
【0046】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶する。
【0047】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。例えば、通常動作状態では、CPU301、GPU302、及びチップセット303のいずれも動作している状態となるが、待機状態では、チップセット303の少なくとも一部のみが動作している状態となる。待機状態では、少なくとも起動時のHPD処理に必要な機能が動作している。
【0048】
通信部310は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部310は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0049】
記憶部320は、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部320は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0050】
顔検出部330は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを処理するプロセッサを含んで構成されている。顔検出部330は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを取得し、取得した画像データをメモリに一時的に保存する。画像データを保存するメモリは、システムメモリ304であってもよいし、顔検出部330に含まれる上記プロセッサと接続されたメモリであってもよい。
【0051】
例えば、顔検出部330は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、顔認証アシストモードまたは通常顔検出モードで撮像画像から顔領域を検出する。顔検出部330は、顔認証アシストモードまたは通常顔検出モードによる顔検出の検出結果を、メイン処理部300のチップセット303へ送信する。
【0052】
なお、待機状態において、この顔検出部330も動作している状態である。なお、待機状態では、顔検出部330は、前述したように、撮像部120のRGBカメラで撮像された撮像画像の画像データを取得して顔領域の検出を行う。IRカメラを使用せずに、RGBカメラを使用することで、待機状態の消費電力を抑えることができる。
【0053】
[電子機器1の機能構成]
次に、電子機器1が、顔認証アシストモードまたは通常顔検出モードで撮像画像から顔領域を検出することによりシステムを起動させる機能構成について詳しく説明する。
【0054】
図6は、本実施形態に係る電子機器1の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。電子機器1は、システム処理部311と、HPD処理部313と、顔検出部330とを備えている。
【0055】
システム処理部311は、CPU11がBIOS及びOSによる処理を実行する機能構成である。システム処理部311は、HPD処理部313からの制御に基づいてシステムの動作状態を制御する。例えば、システム処理部311は、HPD処理部313から起動指示を取得すると、システムの動作状態を待機状態から通常動作状態へ遷移させる起動処理を実行する。また、CPU301は、起動処理の途中で、正規のユーザであるか否かを認証(ログイン認証)する認証処理を実行する。顔認証によるログイン認証の機能が有効に設定されている場合、システム処理部311は、起動処理において顔認証による認証処理を実行する。一方、顔認証によるログイン認証の機能が無効に設定されている場合、システム処理部311は、起動処理において顔認証以外(例えば、パスワード認証)の認証処理を実行する。
【0056】
なお、システム処理部311は、HPD処理部313からシステムの動作状態を待機状態へ遷移させる指示を取得すると、システムの動作状態を通常動作状態から待機状態へ遷移させる。
【0057】
HPD処理部313は、チップセット303が顔検出部330による検出結果に基づいてHPD処理を実行する機能構成である。HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が有効に設定されている場合、顔検出部330へ顔認証アシストモードに設定する指示を行う。そして、HPD処理部313は、待機状態において、顔検出部330により撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、電子機器1へユーザが接近したと判定し、システム処理部311に対して起動処理を実行させる起動指示を行う。
【0058】
一方、HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が無効に設定されている場合、顔検出部330へ通常顔検出モードに設定する指示を行う。そして、HPD処理部313は、待機状態において、顔検出部330により撮像画像の中から顔領域が検出された場合、電子機器1へユーザが接近したと判定し、システム処理部311に対して起動処理を実行させる起動指示を行う。
【0059】
なお、HPD処理部313は、通常動作状態では、例えば顔検出部330へ通常顔検出モードに設定する指示を行う。そして、HPD処理部313は、通常動作状態において、顔検出部330により撮像画像の中から顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、電子機器1からユーザが離脱したと判定し、システム処理部311に対してシステムの動作状態を通常動作状態から待機状態へ遷移させる指示を行う。
【0060】
顔検出部330は、検出モード切替部331と、顔検出処理部332と、検出モード情報記憶部333とを備えている。例えば、検出モード切替部331及び顔検出処理部332は顔検出部330に含まれるプロセッサによる機能構成であり、検出モード情報記憶部333は当該プロセッサに接続されているメモリに含まれる。
【0061】
検出モード切替部331は、HPD処理部313からの指示に応じて、顔認証アシストモードと通常顔検出モードとを切り替える。検出モード情報記憶部333には、顔認証アシストモードで実行する顔検出処理プログラムと、通常顔検出モードで実行する顔検出処理プログラムとが記憶されている。検出モード切替部331は、HPD処理部313から顔認証アシストモードに設定する指示を取得した場合、顔認証アシストモードで実行する顔検出処理プログラムを検出モード情報記憶部333から読み込み、顔認証アシストモードに設定する。一方、検出モード切替部331は、HPD処理部313から通常顔検出モードに設定する指示を取得した場合、通常顔検出モードで実行する顔検出処理プログラムを検出モード情報記憶部333から読み込み、通常顔検出モードに設定する。
【0062】
顔検出処理部332は、顔認証アシストモードに設定されている場合、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔領域を検出する。一方、顔検出処理部332は、通常顔検出モードに設定されている場合、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔領域を検出する。そして、顔検出処理部332は、検出結果をHPD処理部313へ送信する。
【0063】
(顔認証が可能な条件)
ここで、顔認証が可能な条件の例について説明する。前述したように、顔の検出は可能であっても顔認証ができない場合とは、電子機器1と人物との距離が遠すぎたり近すぎたりした場合や、撮像画像の中央付近に顔が無い場合、正面顔でない場合、明るすぎる環境の場合などがある。そこで、顔認証が可能な条件として、以下の(1)~(4)を例示することができる。
【0064】
(1)撮像画像の領域に対して撮像画像に撮像されている顔の大きさの条件を、顔認証が可能な条件として例示することができる。電子機器1と人物との距離が遠い場合には、撮像画像の中から検出される顔領域が小さくなる。また、電子機器1と人物との距離が近い場合には、撮像画像の中から検出される顔領域が大きくなる。そこで、撮像画像の中から検出される顔領域の大きさの閾値として、小さい側の第1閾値と大きい側の第2閾値とを予め設定し、顔領域の大きさが第1閾値以上かつ第2閾値未満であることを顔認証が可能な条件とする。これにより、電子機器1は、人物との距離が遠すぎたり近すぎたりした場合には顔認証が可能な条件を満たさないため顔領域を検出せず、人物との距離が顔認証を行うのに適切な場合に顔認証が可能な条件を満たす顔領域として検出することができる。第1閾値及び第2閾値は、撮像部120の撮像画角などに基づいて任意に定めることができる。
【0065】
(2)撮像画像の領域内における撮像画像に撮像されている顔の位置の条件を、顔認証が可能な条件として例示することができる。例えば、撮像画像の中央を含む範囲であってかつ撮像画像の領域の範囲よりも小さい範囲を、撮像画像の中から顔領域を検出する検出範囲とすることにより、当該検出範囲内に顔が撮像されていることを顔認証が可能な条件とする。これにより、電子機器1は撮像画像の端の方は顔認証が可能な条件を満たさないため顔領域を検出せず、撮像画像の中央付近に撮像されている顔の顔領域のみを顔認証が可能な条件を満たす顔領域として検出することができる。顔領域を検出する検出範囲は、撮像部120の撮像画角などに基づいて任意に定めることができる。
【0066】
(3)撮像画像に撮像されている顔の向きの条件を、顔認証が可能な条件として例示することができる。例えば、撮像画像の中に撮像されている顔のうち正面顔のみを検出対象とすることにより、正面顔であることを顔認証が可能な条件とする。これにより、電子機器1は、撮像されている顔の向きが横顔など正面顔でない場合には顔認証が可能な条件を満たさないため顔領域として検出せず、正面顔のみを顔認証が可能な条件を満たす顔領域として検出することができる。
【0067】
(4)使用環境の明るさの条件を、顔認証が可能な条件として例示することができる。例えば、使用環境の明るさ(輝度)の上限を第3閾値とし、撮像画像の画像データから算出した撮像対象の環境の明るさ(輝度)の平均値が第3閾値未満であることを顔認証が可能な条件とする。撮像対象の環境の明るさ(輝度)は、撮像部120の撮像条件及び撮像画像の画像データの輝度値などに基づいて算出できる。これにより、電子機器1は、明るすぎる環境では顔認証が可能な条件を満たさないため顔領域として検出せず、適正な明るさの環境で撮像された顔のみを顔認証が可能な条件を満たす顔領域として検出することができる。なお、明るさの条件として、明るさ(輝度)の上限に代えて又は加えて、明るさ(輝度)の下限が、顔認証が可能な条件として設定されてもよい。
【0068】
上述した(1)~(4)の条件のすべてを顔認証が可能な条件としてもよいし、一部を顔認証が可能な条件としてもよい。顔検出処理部332は、顔認証アシストモードに設定されている場合、上述した顔認証が可能な条件を満たす顔領域を撮像画像の中から検出する。
【0069】
一方、顔検出処理部332は、通常顔検出モードに設定されている場合、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔領域を検出する。つまり、顔検出処理部332は、上述した顔認証が可能な条件を満たさない顔領域も検出する。例えば、顔検出処理部332は、撮像画像の領域に対して撮像画像に撮像されている顔の大きさの条件、顔の位置の条件、顔の向きの条件、及び周囲環境の明るさの条件のいずれか又は全てを設けずに、撮像画像の中から顔領域を検出する。顔検出処理部332は、どのような大きさ及び向きの顔であっても撮像画像の全体の領域を検出範囲として顔領域を検出してもよい。
【0070】
なお、顔検出処理部332は、通常顔検出モードに設定されている場合、顔認証アシストモードに設定されている場合の検出範囲に対しては広い範囲であるが撮像画像の全体の領域よりは狭い領域を検出範囲として顔領域を検出してもよい。
【0071】
[HPD処理の動作]
次に、
図7を参照して、電子機器1が待機状態において実行するHPD処理の動作について説明する。
図7は、本実施形態に係る待機状態におけるHPD処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
(ステップS101)HPD処理部313は、システムの動作状態が待機状態であるか否かを判定する。HPD処理部313は、待機状態であると判定した場合(YES)、ステップS103の処理へ進む。一方、HPD処理部313は、待機状態でないと判定した場合(YES)、本処理を行わない。
【0073】
(ステップS103)HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が有効か否かを判定する。HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が有効であると判定した場合(YES)、顔検出部330へ顔認証アシストモードに設定する指示を行いステップS105の処理へ進む。一方、HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が無効であると判定した場合(NO)、顔検出部330へ通常顔検出モードに設定する指示を行いステップS109の処理へ進む。
【0074】
(ステップS105)顔検出部330は、顔認証アシストモードで、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔領域を検出し、検出結果をHPD処理部313へ送信する。そして、ステップS107の処理へ進む。
【0075】
(ステップS107)HPD処理部313は、顔検出部330による検出結果に基づいて、顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出されたか否かを判定する。HPD処理部313は、顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出されたと判定した場合(YES)、システム処理部311に対して起動処理を実行させる起動指示を行う(ステップS113)。一方、HPD処理部313は、顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出されていないと判定した場合(NO)、ステップS105の処理へ戻り、待機状態が継続される。
【0076】
(ステップS109)顔検出部330は、通常顔検出モードで、撮像画像の中から顔領域を検出し、検出結果をHPD処理部313へ送信する。そして、ステップS111の処理へ進む。
【0077】
(ステップS111)HPD処理部313は、顔検出部330による検出結果に基づいて、顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔領域が検出されたか否かを判定する。HPD処理部313は、顔領域が検出されたと判定した場合(YES)、システム処理部311に対して起動処理を実行させる起動指示を行う(ステップS113)。一方、HPD処理部313は、顔領域が検出されていないと判定した場合(NO)、ステップS109の処理へ戻り、待機状態が継続される。
【0078】
[起動処理の動作]
次に、上述したHPD処理によりシステム処理部311が起動指示を受取ることにより実行する起動処理の動作について説明する。
図8は、本実施形態に係る起動処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、電子機器1は、開状態で机の上等に置かれており、待機状態であるものとする。
【0079】
(ステップS201)システム処理部311は、HPD処理部313からの起動指示に応じて、システムの起動処理を開始する。例えば、BIOSによる起動処理を実行した後、OSの起動処理を開始して、ステップS203の処理へ進む。
【0080】
(ステップS203)システム処理部311は、OSへログインするための認証処理を実行する。例えば、顔認証によるログイン認証の機能が有効に設定されている場合、システム処理部311は、顔認証による認証処理を実行する。一方、顔認証によるログイン認証の機能が無効に設定されている場合、システム処理部311は、顔認証以外(例えば、パスワード認証)の認証処理を実行する。そして、ステップS205の処理へ進む。
【0081】
(ステップS205)システム処理部311は、認証結果が成功であるか否かを判定する。システム処理部311は、認証結果が成功であると判定した場合には(YES)、ステップS207の処理へ進む。一方、システム処理部311は、認証結果が失敗であると判定した場合には(NO)、ステップS211の処理へ進む。
【0082】
(ステップS207)システム処理部311は、認証結果が成功の場合にはログイン成功である旨を通知し(例えば、表示部110に表示)、OSの起動処理を継続する。そして、ステップS209の処理へ進む。
(ステップS209)システム処理部311は、認証処理を完了し、システムの動作状態を通常動作状態に遷移させる。
【0083】
(ステップS211)システム処理部311は、認証結果が失敗の場合にはログイン失敗である旨を通知し(例えば、表示部110に表示)、ステップS203に戻る。なお、システム処理部311は、連続して所定の回数の認証処理に失敗した場合には、認証処理を中止し、ログイン不可の状態に遷移させてもよい。
【0084】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る電子機器1は、顔認証による認証結果に基づいて待機状態から起動させる起動処理を実行する。例えば、電子機器1は、撮像部120(撮像装置の一例)で撮像された画像(撮像画像)の画像データを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、メモリに記憶された画像データに基づく処理をするプロセッサ(例えば、チップセット303及び顔検出部330)と、を備えている。顔検出部330は、待機状態において、撮像部120により撮像されメモリに記憶された撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出処理を行う。また、チップセット303は、上記顔検出処理により撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、起動処理を実行させる起動指示処理を行う。
【0085】
これにより、電子機器1は、待機状態において撮像画像の中から顔認証が可能な顔の顔領域が検出された場合のみ起動させるため、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。例えば、電子機器1は、ユーザまたはユーザ以外の人物が電子機器1を使用する意図がなく単に近くを通っただけでは、起動してしまうことがないようにすることができる。
【0086】
また、顔認証の機能(例えば、ログイン認証の機能)は、有効または無効に設定することが可能であり、顔検出部330(プロセッサの一例)は、顔認証の機能が有効に設定されている場合に、顔検出処理により顔認証が可能な条件を満たす顔領域の検出を行う。
【0087】
これにより、電子機器1は、顔認証の機能が有効な場合には、待機状態において撮像画像の中から顔認証が可能な顔の顔領域が検出された場合のみ起動させるため、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。
【0088】
例えば、顔認証が可能な条件とは、撮像画像の領域に対して撮像画像に撮像されている顔の大きさの条件を含む。
【0089】
これにより、電子機器1は、電子機器1に対して人物が遠すぎたり近すぎたりすることにより顔認証ができない状況では起動させないため、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。
【0090】
また、顔認証が可能な条件とは、撮像画像の領域内における撮像画像に撮像されている顔の位置の条件を含む。
【0091】
これにより、電子機器1は、電子機器1に対して真正面ではなく横にずれた位置に人物がいることにより顔認証ができない状況では起動させないため、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。
【0092】
また、顔認証が可能な条件とは、撮像画像に撮像されている顔の向きの条件を含む。
【0093】
これにより、電子機器1は、電子機器1に対して人物が横を向いているなど正面を向いていないことにより顔認証ができない状況では起動させないため、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。
【0094】
また、顔認証が可能な条件とは、電子機器1の使用環境の明るさの条件を含む。
【0095】
これにより、電子機器1は、太陽光などにより使用環境が明るすぎて顔認証ができない状況では起動させないため、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。
【0096】
また、顔検出部330(プロセッサの一例)は、顔認証の機能が無効に設定されている場合、顔検出処理において、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔が撮像されている顔領域を検出する。また、チップセット303は、上記顔検出処理により撮像画像の中から顔領域が検出された場合、起動処理を実行させる起動指示処理を行う。
【0097】
これにより、電子機器1は、顔認証の機能が無効な場合には、顔認証の機能が有効な場合に比較して、より広い範囲や条件で、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔が撮像されている顔領域を検出することにより、起動させることができる。よって、電子機器1は、顔認証の機能が無効な場合には、起動させやすくすることもできる。
【0098】
また、本実施形態に係る、顔認証による認証結果に基づいて待機状態から起動させる起動処理を実行する電子機器1における制御方法は、顔検出部330(プロセッサの一例)が、待機状態において、撮像部120(撮像装置の一例)により撮像されメモリ(例えば、システムメモリ304)に記憶された画像(撮像画像)の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔が撮像されている顔領域を検出するステップと、チップセット(プロセッサの一例)が、撮像画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、起動処理を実行させるステップと、を含む。
【0099】
これにより、電子機器1は、待機状態において撮像画像の中から顔認証が可能な顔の顔領域が検出された場合のみ起動させるため、不必要に起動してしまうことを抑制することができる。例えば、電子機器1は、ユーザまたはユーザ以外の人物が電子機器1を使用する意図がなく単に近くを通っただけでは、起動してしまうことがないようにすることができる。
【0100】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、顔認証によるログイン認証の機能が有効な場合、撮像画像から顔認証が可能な条件を満たす顔領域を検出したが、撮像画像から顔認証が可能な条件を満たすか否かにかかわらず顔領域を検出した後に、顔認証が可能な条件を満たす顔領域であるか否かを判定してもよい。
【0101】
図9は、本実施形態に係る待機状態におけるHPD処理の一例を示すフローチャートである。
【0102】
(ステップS301)HPD処理部313は、システムの動作状態が待機状態であるか否かを判定する。HPD処理部313は、待機状態であると判定した場合(YES)、ステップS303の処理へ進む。一方、HPD処理部313は、待機状態でないと判定した場合(YES)、本処理を行わない。
【0103】
(ステップS303)HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が有効か否かを判定する。HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が有効であると判定した場合(YES)、顔検出部330へ通常顔検出モードに設定する指示を行いステップS305の処理へ進む。一方、HPD処理部313は、顔認証によるログイン認証の機能が無効であると判定した場合(NO)、顔検出部330へ通常顔検出モードに設定する指示を行いステップS311の処理へ進む。
【0104】
(ステップS305)顔検出部330は、通常顔検出モードで、撮像画像の中から顔領域を検出し、ステップS307の処理へ進む。
【0105】
(ステップS307)顔検出部330は、顔領域が検出されたか否かを判定する。顔検出部330は、顔領域が検出されたと判定した場合(YES)、ステップS309の処理へ進む。一方、顔検出部330は、顔領域が検出されていないと判定した場合(NO)、ステップS305の処理へ戻る。
【0106】
(ステップS309)顔検出部330は、検出された顔領域が、顔認証が可能な条件を満たす顔領域であるか否かを判定する。顔検出部330は、顔認証が可能な条件を満たす顔領域であると判定した場合(YES)、顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出されたことを示す検出結果をHPD処理部313へ送信し、ステップS315の処理へ進む。一方、顔検出部330は、顔認証が可能な条件を満たす顔領域ではないと判定した場合(NO)、顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出されていないため、ステップS305の処理へ戻る。
【0107】
(ステップS311)顔検出部330は、通常顔検出モードで、撮像画像の中から顔領域を検出し、検出結果をHPD処理部313へ送信する。そして、ステップS313の処理へ進む。
【0108】
(ステップS313)顔検出部330は、顔領域が検出されたか否かを判定する。顔検出部330は、顔領域が検出されたと判定した場合(YES)、顔領域が検出されたことを示す検出結果をHPD処理部313へ送信し、ステップS315の処理へ進む。一方、顔検出部330は、顔領域が検出されていないと判定した場合(NO)、ステップS311の処理へ戻る。
【0109】
(ステップS315)HPD処理部313は、顔検出部330による検出結果に基づいて、システム処理部311に対して起動処理を実行させる起動指示を行う。
【0110】
以上、この発明の第1及び第2の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の各実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0111】
また、上記実施形態では、電子機器1に撮像部120が内蔵されている構成例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、撮像部120は、電子機器1に内蔵されていなくてもよく、電子機器1の外部アクセサリとして電子機器1(例えば、側面10a、10b、10c等のいずれか)に取り付け可能に構成され、無線または有線で電子機器1と通信接続されるものであってもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、電子機器1は、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出することによりユーザの存在を検出したが、物体までの距離を検出する距離センサ(例えば、近接センサなど)を併用してユーザの存在を検出してもよい。例えば、距離センサは、第1筐体10の内面側に設けられ、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の検出範囲内に存在する物体(例えば、人物)を検出する。一例として、距離センサは、赤外線を発光する発光部と、発光した赤外線が物体の表面に反射して戻ってくる反射光を受光する受光部とを含んで構成される赤外線距離センサであってもよい。なお、距離センサは、発光ダイオードが発光する赤外線を用いたセンサであってもよいし、発光ダイオードが発光する赤外線よりも波長帯域が狭い光線を発光する赤外線レーザを用いたセンサであってもよい。また、距離センサは、赤外線距離センサに限定されるものでなく、物体との距離を検出するセンサであれば、超音波センサまたはUWB(Ultra Wide Band)レーダを用いたセンサ等の他の方式を用いたセンサであってもよい。また、距離センサも、電子機器1に内蔵されていなくてもよく、電子機器1の外部アクセサリとして電子機器1(例えば、側面10a、10b、10c等のいずれか)に取り付け可能に構成され、無線または有線で電子機器1と通信接続されるものであってもよい。また、撮像部120と距離センサとが一体に構成されてもよい。また、電子機器1は、顔認証機能が無効に設定されている場合には、顔に限らず、身体の少なくとも一部が撮像されている領域を検出することによりユーザの存在を検出してもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、顔検出部330がチップセット303とは別に備えられている例を示したが、顔検出部330の一部または全部は、チップセット303に備えられてもよいし、チップセット303と一体化されたプロセッサに備えられてもよい。また、顔検出部330の一部または全部は、EC200に備えられてもよい。また、上記実施形態では、チップセット303がHPD処理部313を備える例を示したが、HPD処理部313の一部または全部は、EC200に備えられてもよい。
【0114】
また、上述した待機状態には、ハイバネーション状態やパワーオフ状態等が含まれてもよい。ハイバネーション状態は、例えば、ACPIで規定されているS4状態に相当する。パワーオフ状態は、例えば、ACPIで規定されているS5状態(シャットダウンした状態)相当する。また、待機状態には、少なくとも表示部の表示がOFF(画面OFF)となる状態、または画面ロックとなる状態を含んでもよい。画面ロックとは、処理中の内容が視認できないように予め設定された画像(例えば、画面ロック用の画像)が表示部に表示され、ロックを解除(例えば、ユーザ認証)するまで、使用できない状態である。
【0115】
なお、上述した電子機器1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した電子機器1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した電子機器1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0116】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に電子機器1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0117】
また、上述した実施形態における電子機器1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0118】
また、上記実施形態の電子機器1は、PC、タブレット端末装置、スマートフォンなどに限られるものではなく、家庭用電気製品や業務用電気製品にも適用できる。家庭用電気製品としては、テレビや、表示部が備えられた冷蔵庫、電子レンジ等に適用できる。例えば、人物の接近または離脱に応じて、テレビの画面のON/OFFを制御すること、或いは、冷蔵庫や電子レンジ等の表示部の画面のON/OFFを制御することができる。また、業務用電気製品としては、自動販売機や、マルチメディア端末等に適用できる。例えば、人物の接近または離脱に応じて、自動販売機の照明のON/OFFなど、或いは、マルチメディア端末の表示部の画面のON/OFFなどのように動作状態を制御することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 電子機器、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、110 表示部、120 撮像部、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、200 EC、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、310 通信部、320 記憶部、311 システム処理部、313 HPD処理部、330 顔検出部、331 検出モード切替部、332 顔検出処理部、333 検出モード情報記憶部、400 電源部
【要約】
【課題】不必要に起動してしまうことを抑制すること。
【解決手段】電子機器は、撮像装置で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、メモリに記憶された画像データを処理するプロセッサとを備え、顔認証による認証結果に基づいて待機状態から起動させる起動処理を実行する。
プロセッサは、待機状態において、撮像装置により撮像されメモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔が撮像されている顔領域を検出し、画像の中から顔認証が可能な条件を満たす顔領域が検出された場合、起動処理を実行させる起動指示を行う。
【選択図】
図3