(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】受音ユニットの選択方法及び装置、端末、電子設備、コンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04R 3/02 20060101AFI20230209BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
H04R3/02
H04M1/00 H
(21)【出願番号】P 2021561967
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2020121882
(87)【国際公開番号】W WO2021098431
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】201911134991.1
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李超霞
(72)【発明者】
【氏名】魏国華
【審査官】岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108881568(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106101365(CN,A)
【文献】米国特許第08243961(US,B1)
【文献】特開2013-150160(JP,A)
【文献】特開2013-232853(JP,A)
【文献】特開2009-200664(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0043758(US,A1)
【文献】特開2004-112364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00- 3/14
H04M 1/00- 1/82
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる位置に位置している複数の発音ユニットと、異なる位置に位置している複数の受音ユニットとを含む端末に用いられる、受音ユニットの選択方法であって、
少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定し、少なくとも1つの発音ユニットを発音休止ユニットとして特定するステップと、
人の耳の位置データ及び指の位置データを含む位置データを取得し、前記人の耳の位置データ及び指の位置データに基づいてユーザの口の位置を特定するステップと、
ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び前記発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定し、前記主受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号であり、主受音ユニット以外のほかの受音ユニットがオフされ、或いは主受音ユニット以外のほかの受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号を最適化処理することに用いられるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記発音ユニットは、それが位置しているスクリーン領域を励振させて発音させる励振ユニットであり、複数の励振ユニットは、スクリーンの後方の異なる位置に位置している請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定するのは、
人の耳の端末における対応位置を取得するステップと、
少なくとも、前記対応位置に最も近い発音ユニットを発音動作ユニットとして選択するステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び前記発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定するのは、
前記ユーザの口と受音ユニットとの相対位置に基づいて少なくとも1つの受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するステップと、
前記候補受音ユニットの位置と前記発音動作ユニットの位置に基づいて主受音ユニットを特定するステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザの口の位置に基づいて少なくとも1つの受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するのは、
少なくとも前記ユーザの口の位置との距離が最も小さい受音ユニットを候補受音ユニットとして特定することを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記候補受音ユニットの位置と前記発音動作ユニットの位置に基づいて主受音ユニットを特定するのは、
前記端末が、すべての発音ユニットの位置に基づいて前記端末を、それぞれ少なくとも1つの発音ユニットを有する複数の領域に区分するステップと、
前記候補受音ユニットが位置している領域には発音動作ユニットが存在しないと、候補受音ユニットを主受音ユニットとして特定するステップと、
前記候補受音ユニットが位置している領域には発音動作ユニットが存在すると、非候補受音ユニットを主受音ユニットとして特定するステップと、を含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定し、少なくとも1つの発音ユニットを発音休止ユニットとして特定する第1選択モジュールと、
人の耳の位置データ及び指の位置データを含む位置データを取得し、前記人の耳の位置データ及び指の位置データに基づいてユーザの口の位置を特定し、前記ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び前記発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定し、前記主受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号であり、主受音ユニット以外のほかの受音ユニットがオフされ、或いは主受音ユニット以外のほかの受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号を最適化処理することに用いられる第2選択モジュールと、を含む受音ユニットの選択装置。
【請求項8】
異なる位置に位置している複数の発音ユニットと、
異なる位置に位置している複数の受音ユニットと、
請求項
7に記載の受音ユニットの選択装置と、を含む端末。
【請求項9】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶し、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサが請求項1~
6のいずれか一項に記載の受音ユニットの選択方法を実現するメモリと、
前記プロセッサとメモリとの間に接続され、前記プロセッサとメモリとの情報インタラクションを実現する1つ又は複数のI/Oインタフェースと、を含む電子設備。
【請求項10】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の受音ユニットの選択方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月19日に中国特許庁に提出された出願番号201911134991.1の中国特許出願の優先権を主張しており、該出願の全内容は引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本開示の実施例は、スクリーン発音の技術分野に属し、特に受音ユニットの選択方法及び装置、端末、電子設備、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
フルスクリーン端末の一側又は両側は、共にスクリーンであり、受話器のために専用な位置が残さない(受話器はスクリーンがない位置に設置される必要がある)。従って、スクリーンの下方に励振ユニットを設置して、スクリーンを励振して発音させることができる。
【0004】
受話器を標記としないので、フルスクリーン端末はトップ及びボトムを区分しなくてもよく、ユーザは、端末を把持する時に任意の方式で把持することができ、このようにして、ユーザの耳がスクリーンに対する位置は、一定ではない(例えば、スクリーンのトップにあってもよく、ボトムにあってもよい)。そのため、フルスクリーン端末は、複数の励振ユニットを有することができ、スクリーンの異なる位置を励振して発音し、かつ耳のスクリーンに対する位置に基づいて、適合的な位置の励振ユニットを選択してスクリーンを励振させて発音し、それにより、ユーザが音声をはっきりと聞こえる。それと同時に、受音ユニット(例えば、マイクロフォン)は、複数であってもよく、異なる使用情况でも、ユーザの音声がはっきりと採集されることを確保する。
【0005】
幾つかの状況では、ユーザの音声がはっきりと採集されることのみを考慮するが、受音ユニットと動作する励振ユニットとが近接すると、励振ユニットが発した音声は、受音ユニットに採集される可能性があり、受音ユニットが収集した音声の反響が大きいなどの問題が生じる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施例は、受音ユニットの選択方法及び装置、端末、電子設備、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本開示の実施例は、異なる位置に位置している複数の発音ユニットと、異なる位置に位置している複数の受音ユニットとを含む端末に用いられる、受音ユニットの選択方法を提供し、前記方法は、少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定し、少なくとも1つの発音ユニットを発音休止ユニットとして特定するステップと、ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び前記発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定し、前記主受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号であり、主受音ユニット以外のほかの受音ユニットがオフされ、或いは主受音ユニット以外のほかの受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号を最適化処理することに用いられるステップと、を含む。
【0008】
幾つかの実施例では、前記端末は、スクリーンをさらに含み、前記発音ユニットは、それが位置しているスクリーン領域を励振させて発音させる励振ユニットであり、複数の励振ユニットは、スクリーンの後方の異なる位置に位置している。
【0009】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定するのは、人の耳の端末における対応位置を取得するステップと、少なくとも、前記対応位置に最も近い発音ユニットを発音動作ユニットとして選択するステップと、を含む。
【0010】
幾つかの実施例では、前記ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び前記発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定するのは、ユーザの口の位置を特定し、前記ユーザの口と受音ユニットとの相対位置に基づいて少なくとも1つの受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するステップと、前記候補受音ユニットの位置と前記発音動作ユニットの位置に基づいて主受音ユニットを特定するステップと、を含む。
【0011】
幾つかの実施例では、前記ユーザの口の位置を特定するのは、人の耳の位置データ及び指の位置データを含む位置データを取得するステップと、前記人の耳の位置データ及び指の位置データに基づいてユーザの口の位置を特定するステップと、を含む。
【0012】
幾つかの実施例では、前記ユーザの口の位置に基づいて少なくとも1つの受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するのは、少なくとも前記ユーザの口の位置との距離が最も小さい受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するステップを含む。
【0013】
幾つかの実施例では、前記候補受音ユニットの位置と前記発音動作ユニットの位置に基づいて主受音ユニットを特定するのは、すべての発音ユニットの位置に基づいて前記端末を、それぞれ少なくとも1つの発音ユニットを有する複数の領域に区分するステップと、前記候補受音ユニットが位置している領域には発音動作ユニットが存在しないと、候補受音ユニットを主受音ユニットとして特定するステップと、前記候補受音ユニットが位置している領域には発音動作ユニットが存在すると、非候補受音ユニットを主受音ユニットとして特定するステップと、を含む。
【0014】
第2の態様によれば、本開示の実施例は、少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定し、少なくとも1つの発音ユニットを発音休止ユニットとして特定する第1選択モジュールと、ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び前記発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定し、前記主受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号であり、主受音ユニット以外のほかの受音ユニットがオフされ、或いは主受音ユニット以外のほかの受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号を最適化処理することに用いられる第2選択モジュールとを含む、受音ユニットの選択装置を提供する。
【0015】
第3の態様によれば、本開示の実施例は、異なる位置に位置している複数の発音ユニットと、異なる位置に位置している複数の受音ユニットと、上記の受音ユニットの選択装置とを含む端末を提供する。
【0016】
第4の態様によれば、本開示の実施例は、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプログラムを記憶し、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサが上記のいずれかの受音ユニットの選択方法を実現するメモリと、前記プロセッサとメモリとの間に接続され、前記プロセッサとメモリとの情報インタラクションを実現する1つ又は複数のI/Oインタフェースと、を含む電子設備を提供する。
【0017】
第5の態様によれば、本開示の実施例は、上記のいずれかの受音ユニットの選択方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面は、本開示の実施例をさらに理解するためのものであり、かつ明細書の一部を構成し、本開示の実施例と共に本開示を解釈し、本開示を限定しない。図面を参照しながら実施例を詳しく説明することにより、以上及び他の特徴、メリットは、当業者にとって明なものになっている。
【
図1】本開示の実施例に係る受音ユニットの選択方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の実施例に係る別の受音ユニットの選択方法における一部のステップのフローチャートである。
【
図3】本開示の実施例に係る別の受音ユニットの選択方法における一部のステップのフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例に係る別の受音ユニットの選択方法における一部のステップのフローチャートである。
【
図5】本開示の実施例に係る別の受音ユニットの選択方法における一部のステップのフローチャートである。
【
図6】本開示の実施例に係る受音ユニットの選択装置の構成のブロック図である。
【
図7】本開示の実施例に係る受音ユニットの選択端末の構成のブロック図である。
【
図8】本開示の実施例に係る電子設備の構成のブロック図である。
【発明を実施するための態様】
【0019】
以下、当業者が本開示の実施例の技術案をよりよく理解するために、図面を参照しながら本開示の実施例に係る受音ユニットの選択方法及び装置、端末、電子設備を説明する。
【0020】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例を詳しく説明したが、例示された実施例は、異なる態様に具体化でき、かつ本開示において説明した実施例に限定されない。その反対に、これらの実施例は、本開示をより明瞭、完全にし、かつ当業者が本開示の範囲を十分に理解させるためのものである。
【0021】
本開示の実施例は、本開示の理想的な模式図を介して平面図及び/又は断面図を参照して説明することができる。従って、製造技術及び/又は許容度に基づいて例示における図示を修正することができる。
【0022】
矛盾しない限り、本開示の各実施例及び実施例における各特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0023】
本開示において使用される用語は、特定の実施例を説明するためのもののみであり、本開示を限定することを意図しない。例えば、本開示において使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する例示項目の任意の組合せ及びすべての組合せを含む。特に断らない限り、例えば、本開示において使用される単数の形式である「1つ」及び「該」も、複数の形式も含む。例えば、本開示において使用される用語「含む」、「……からなる」は、前記特徴、全体、ステップ、操作、素子及び/又はコンポーネントが存在することを指定し、1つ又は複数のほかの特徴、全体、ステップ、操作、素子、コンポーネント及び/又は他の群が存在し、或いは追加されることを排除しない。
【0024】
特に断らない限り、本開示において使用されるすべての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、当業者が通常に理解された意味と同じである。また、本開示において明確に限定しない限り、例えば、通常の辞典において限定された用語は、関連する分野及び本開示の背景での意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、かつ理想的又は過度形式の意味を有すると解釈しないと理解すべきである。
【0025】
本開示の実施例は、図示される実施例に限定しないが、製造プロセスに基づいて形成される配置の修正を含む。従って、図示される領域は、模式的なものであり、かつ図示した領域の形状が素子の領域の具体的な形状を示すが、それに限定されない。
【0026】
第1の態様によれば、
図1に示すように、本開示の実施例は、受音ユニットの選択方法を提供し、端末に用いられ、端末は、端末の異なる位置に位置している複数の発音ユニットと、端末の異なる位置に位置している複数の受音ユニット(例えば、マイクロフォン)とを含み、受音ユニットの選択方法は、少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定し、少なくとも1つの発音ユニットを発音休止ユニットとして特定するステップS101を含む。
【0027】
端末(例えば、携帯電話、タブレットなど)は、異なる位置に位置している複数の発音ユニットを有し、異なるニーズがある場合に、異なる位置の発音ユニット(即ち、発音動作ユニット)を選択して動作させ(即ち、音声を発することに用いられる)、他の発音ユニットは、動作せず発音しない(即ち、発音休止ユニット)。
【0028】
発音ユニットの音声をより集中させ、音質をより良好にさせるために、一般的には、すべての発音ユニットは、同時に動作することがしない。従って、一回の発音過程において、少なくとも1つの発音ユニットが動作し、即ち、発音動作ユニットとされ、少なくとも1つの発音ユニットが動作しなく、即ち、発音休止ユニットとされる。例えば、手持ちで通話する時に、耳に近接する発音ユニットを選択して動作させることができ、それにより、ユーザは、はっきりと聞こえる。それと同時に、発音ユニットの音声をより集中させ、音質をより良好にさせるために、上下両端の発音ユニットは、一般的に同時に動作しない。
【0029】
ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニット(主マイクロフォン)として特定し、主受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号であり、主受音ユニット以外のほかの受音ユニット(副マイクロフォン)がオフされ、或いは主受音ユニット以外のほかの受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号を最適化処理することに用いられるステップS102を含む。
【0030】
端末(例えば、携帯電話、タブレットなど)は、発音動作ユニットが特定された場合には、取得したユーザの口の位置に基づいて、すべての受音ユニットの端末における位置及び発音動作ユニットの位置を組み合わせて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定する。つまり、すべての受音ユニットにおいて、少なくとも1つの受音ユニットが主受音ユニットとされ、ほか(存在する場合には)が非主受音ユニットとされる。
【0031】
主受音ユニットが受信した信号は、主オーディオ信号であり、すなわち、主受音ユニットが受信した信号を主オーディオ信号とすると考えられ、該主オーディオ信号には、主に、採集したい原始の音声信号、例えば、ユーザが話す音声を含む。
【0032】
非主受音ユニットがオフされることができ、主オーディオ信号を最適化処理するための信号を採集することもでき、それにより主オーディオ信号の鮮明度、音質などを改良する。例えば、非主受音ユニットが受信した信号は、騒音信号を含むことができ、それにより、主オーディオ信号をフィルタリングして騒音低減して、主オーディオ信号における騒音を低減させる。非主受音ユニットが受信した信号は、反響(即ち、端末自身の発音ユニットから発する音声)を含むことができ、それにより主オーディオ信号における反響を抑制する。
【0033】
本開示の実施例では、発音動作ユニットを特定した上で、発音ユニット位置及びユーザの口の位置、受音ユニットの位置を総合的に考慮し、主オーディオ信号を受信するための主受音ユニットの位置を特定し、それにより比較的良い通話発送音質及び良好な反響抑制の効果を達成する。
【0034】
幾つかの実施例では、端末は、スクリーンをさらに含み、発音ユニットは、それが位置しているスクリーン領域を励振させて発音させる励振ユニットであり、即ち、励振器がスクリーンを駆動することにより、スクリーンを振動体とし、振動を介して音波を発生させ、つまり、端末は受話器を有しなく、複数の励振ユニットがスクリーンの後方の異なる位置に位置することにより、スクリーンの異なる位置を発音させる。
【0035】
幾つかの実施例では、
図2に示すように、少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定する(S101)のは、人の耳の端末における対応位置を取得するステップS1011を含む。
【0036】
端末は、人の耳の端末における対応位置、即ち、端末における人の耳に最も近い位置、例えば人の耳が端末に接触する位置が得られる。
【0037】
具体的には、スクリーンには、複数の圧力センサが設けられることにより、スクリーンが受けた圧力を感知し、かつ圧力を受けた領域において形状が人の耳の形状に対応する領域を対応位置として特定する。
【0038】
当然ながら、人の耳の端末における対応位置を特定するのは、他の方法を使用して特定することができ、例えば、重力感知(即ち、地面から最も遠い一端を人の耳の端末における対応位置とする)などのほかの方法を使用することができ、実際の状況に応じて柔軟にその方法を選択することができる。
【0039】
少なくとも、対応位置に最も近い発音ユニットを発音動作ユニットとして選択するS1012を含む。
【0040】
端末における人の耳に最も近接する対応位置を特定した後に、該位置に最も近い発音ユニットを発音動作ユニットとして選択すると共に、他の発音ユニットを発音動作ユニットとして選択することもできる。
【0041】
発音ユニットの音声をより集中させ、音質をより良好にさせるために、人の耳の端末における対応位置に最も近い発音動作ユニットを特定した後に、ほかの発音動作ユニットを選択したい場合に、選択するのは、通常、該最も近い発音動作ユニットの位置に近接する。
【0042】
人の耳の端末における対応位置により発音動作ユニットを特定するのは、人の耳に最も近い発音ユニットを動作させることができ、つまり、人の耳に最も近い端末位置から発音し、このようにして、人の耳が聞こえた音声信号のエネルギーを確保することができ、つまり、通常意味では、音声をはっきりと聞こえる。幾つかの当該位置から離れる発音ユニットが動作しないと、端末を把持していない人は、音声をはっきりと聞こえず、通話の秘密性を確保する。
【0043】
幾つかの実施例では、
図3に示すように、ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定するステップ(S102)は、ユーザの口の位置を特定し、ユーザの口と受音ユニットとの相対位置に基づいて少なくとも1つの受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するステップS1021を含む。
【0044】
発音動作ユニットが特定された場合には、端末は、ユーザの口の位置を特定し、即ち、現在、端末を把持している把持者の口の位置を特定し、ユーザの口の位置が特定された場合には、口の位置にできるだけ近接する受音ユニットを使用して音声を収集する方法により、収集される音声の品質を向上させることができる。従って、特定した口の位置に基づいて少なくとも1つの受音ユニットを候補受音ユニットとして特定することができる。
【0045】
反響、騒音などの影響を考慮する必要があるので、ユーザの口と受音ユニットの相対位置に基づいて特定した受音ユニットは、候補受音ユニットだけであり、さらに選択し、反響、騒音などの影響を減少する必要があり、最終に主受音ユニット、つまり、主オーディオ信号を受信するための受音ユニットを特定することができる。
【0046】
候補受音ユニットの位置と発音動作ユニットの位置に基づいて主受音ユニットを特定するステップS1022を含む。
【0047】
候補受音ユニットの位置が得られた後に、端末は、候補受音ユニットの位置に基づいて、すべての発音ユニットの位置、即ち、発音動作ユニットの位置及び発音休止ユニットの位置を組み合わせて主受音ユニットを特定する。
【0048】
発音ユニットの位置と候補受音ユニットの位置を考慮することにより、発音ユニットが動作して発生した音声の動作する受音ユニット、つまり主受音ユニットが収集した音声の品質に対する影響を減少することができ、即ち、発音ユニットが動作して発した音声が受音ユニットにより収集される可能性があるが、明らかに、この収集が回避しようとするものであるので、発音動作ユニットと受音動作ユニット、つまり主受音ユニットとの距離を増加することによりこの状況を減少する。
【0049】
幾つかの実施例では、
図4に示すように、ユーザの口の位置を特定し、ユーザの口の位置に基づいて一部の受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するステップ(S1021)は、人の耳の位置データ及び指の位置データを含む位置データを取得するステップS10211を含む。
【0050】
端末は、必要である位置データを取得し、位置データは、人の耳の位置データ及び指の位置データを含むが、それに限定されない。人の耳の位置データは、使用過程において人の音声を聞く耳の端末に対する位置情報である。それは、現在、端末に近接する耳が左耳であるか、右耳であるかを体現することができる。それにより、現在、端末を把持している手が左手であるか、右手であるかを補助的に判断することができ、即ち、大部分のユーザの習慣に従って、端末に近接する耳が左耳である場合に、現在、端末を把持している手が左手である可能性は非常に大きい。その反対に、端末に近接する耳が右耳である場合に、現在、端末を把持している手が右手である可能性は非常に大きい。指の位置データが端末を把持する手の端末に対する位置であり、指の位置データと、現在、把持している手が左手であるか、右手であるかという情報とを組み合わせると、現在の把持姿勢、例えば、横方向に把持する姿勢などを判断することができる。
【0051】
具体的に、以上の人の耳の位置データ及び指の位置データは、共に、対応位置のデータであり、複数の圧力センサを介して圧力データを取得することができ、圧力データにより人の耳の位置データと指の位置データを特定することができ、例えば、圧力センサが感知した圧力輪郭の形状に基づいて端末に最も近い耳が左耳であるか、右耳であるかを判断することができる。
【0052】
人の耳の位置データ及び指の位置データに基づいてユーザの口の位置を特定するステップS10212を含む。
【0053】
人の耳の位置データにより、現在、端末を把持している手が左手であるか、右手であるかということが分かった後に、指の位置データを組み合わせて現在の端末の前方(人の顔の方向)を判断し、大部分のユーザの習慣に従って、一般的に、端末の人の顔の方向における前方がユーザの口の位置であると考えられる。
【0054】
当然ながら、ユーザの口の位置を特定する方法は、人の耳の位置データ、指の位置データを含む感知データを使用して判断する方法に限定されず、他の方法を使用することもでき、例えば、重力感知を利用し、端末の下端(地面により近接する一方)がユーザの口の位置であると考えられ、実際の状況に応じて柔軟に方法を選択することができる。
【0055】
少なくとも、ユーザの口の位置との距離が最も小さい受音ユニットを候補受音ユニットとして特定するステップS10213を含む。
【0056】
ユーザの口の位置を特定した上で、端末は、それにより、ユーザの口と対応する端末位置が得られ、そうすれば、少なくとも該位置に最も近い受音ユニットが候補受音ユニットとされることができる。つまり、候補受音ユニットは、必ずしも1つではないが、必ずユーザの口の位置との距離が最も近い受音ユニットを含む。
【0057】
通常、音源が受音ユニットに近接するほど、受音ユニットが収集した音声の品質が高い。ユーザの口の位置との距離が最も小さい受音ユニットを候補受音ユニットとして選択するのは、受音ユニットが収集した音声の品質を確保することができる。
【0058】
幾つかの実施例では、
図5に示すように、候補受音ユニットの位置と発音動作ユニットの位置に基づいて主受音ユニットを特定するステップ(S1022)は、すべての発音ユニットの位置に基づいて、端末をそれぞれ少なくとも1つの発音ユニットを有する複数の領域に区分するステップS10221を含む。
【0059】
すべての発音ユニットの位置に基づいて、端末を複数の領域に区分し、領域を区分する時に、それぞれの領域における発音ユニットの数量が一致することが要求されず、それぞれの領域の大きさが一致することも要求されない。しかしながら、それぞれの領域に少なくとも1つの発音ユニットがあることが要求されている。
【0060】
候補受音ユニットが位置している領域には発音動作ユニットが存在しないと、候補受音ユニットを主受音ユニットとして特定するステップS10222を含む。
【0061】
領域の区分が終了した後に、端末は、候補受音ユニットが位置している領域における発音ユニットの状態を判断し、候補受音ユニットが位置している領域には、発音動作ユニットが存在しないと、候補受音ユニットを主受音ユニット、即ち、ユーザの音声を収集するための受音ユニットとして選択する。
【0062】
候補受音ユニットが位置している領域には発音動作ユニットが存在しない場合には、発音ユニットが動作して発生した音声は、候補受音ユニットが動作する時に、候補受音ユニットに対する影響が比較的小さいと考えられ、即ち、この場合には、候補受音ユニットが収集した反響は、比較的小さい。従って、候補受音ユニットを主受音ユニットとして選択することができ、ほかの受音ユニットがオフされ、或いは主オーディオ信号を最適化処理することに用いられ、例えば、騒音を低減させ、反響を除去するなど、良好な騒音低下、反響抑制の効果を達することができ、最終、ユーザは、より良好な音質体験が得られる。
【0063】
候補受音ユニットが位置する領域に発音動作ユニットが存在すると、非候補受音ユニットを主受音ユニットとして選択するステップS10223を含む。
【0064】
候補受音ユニットが位置する領域に発音動作ユニットが存在すると、非候補受音ユニットを主受音ユニット、即ち、主オーディオ信号(例えば、ユーザが話す音声)を受信するための受音ユニットとして選択する。
【0065】
候補受音ユニットが位置する領域に発音動作ユニットが存在する場合に、発音ユニットが動作して発生した音声は、候補受音ユニットが動作する時に候補受音ユニットに対する影響が比較的大きいと考えられ、即ち、この場合では、候補受音ユニットが収集した反響又は騒音は、比較的大きい。反響又は騒音の通話品質に対する影響が比較的大きいため、候補受音ユニットを主受音ユニットと選択すべきではなく、非候補受音ユニットを主受音ユニットとして選択すべきである。
【0066】
当然ながら、候補受音ユニットの位置とすべての発音ユニットの位置に基づいて主受音ユニットを特定する方法は、この方法に限定されず、候補受音ユニットと発音ユニットとの間の距離に基づいて選択することができる。実際の状況に応じて適当な方法を選択して、反響の通話品質に対する影響を減少することができる。
【0067】
第2の態様によれば、
図6に示すように、本開示の実施例は、受音ユニットの選択装置6を提供する。
【0068】
それは、少なくとも1つの発音ユニットを発音動作ユニットとして特定し、少なくとも1つの発音ユニットを発音休止ユニットとして特定する第1選択モジュール61と、ユーザの口の位置、受音ユニットの位置及び発音動作ユニットの位置に基づいて、少なくとも1つの受音ユニットを主受音ユニットとして特定し、主受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号であり、主受音ユニット以外のほかの受音ユニットがオフされ、或いは主受音ユニット以外のほかの受音ユニットが受信した信号が主オーディオ信号を最適化処理することに用いられる第2選択モジュール62とを含む。
【0069】
第3の態様によれば、
図7に示すように、本開示の実施例は、受音ユニットの選択端末7を提供し、それは、端末の異なる位置に位置している複数の発音ユニット(71、71’、71’’、……)と、端末の異なる位置に位置している複数の受音ユニット(72、72’、72’’、……)と、上記の受音ユニットの選択装置6とを備える。
【0070】
第4態様によれば、
図8に示すように、本開示の実施例は、電子設備8を提供し、それは、1つ又は複数のプロセッサ81と、1つ又は複数のプログラムを記憶し、1つ又は複数のプログラムが1つ又は複数のプロセッサ81により実行されると、1つ又は複数のプロセッサ81が上記のいずれか一項の受音ユニットの選択方法を実現するメモリ82と、プロセッサ81とメモリ82との間に接続され、プロセッサ81とメモリ82との情報インタラクションを実現する1つ又は複数のI/Oインタフェースと、を含む。
【0071】
プロセッサは、データ取り扱い能力を有するデバイスであり、中央プロセッサ(CPU)などを含むが、それに限定されない。メモリは、データ記憶能力を有するデバイスであり、ランダムアクセスメモリ(RAM、より具体的には、SDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュ(FLASH)(登録商標)を含むが、それに限定されない。I/Oインタフェース(読み取り/書き込みインタフェース)は、プロセッサとメモリとの間に接続し、メモリとプロセッサとの情報インタラクションを実現し、データバス(Bus)などを含むが、それに限定されない。
【0072】
第5態様によれば、本開示の実施例は、上記のいずれか一項の受音ユニットの選択方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0073】
本開示の実施例では、発音動作ユニットを特定した上で、発音ユニット位置及びユーザの口の位置、受音ユニットの位置を総合的に考慮し、主オーディオ信号を受信するための主受音ユニットの位置を特定し、それにより比較的良い通話発送音質及び良好な反響抑制の効果を達成する。
【0074】
当業者は、以上に開示されたステップ、システム、装置における機能モジュール/ユニットのすべて又は一部がソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びその適当な組合せとして実施できると理解できる。
【0075】
ハードウェアの実施形態では、以上に記載の機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的なコンポーネントの区分に対応しない。例えば、一つの物理的なコンポーネントは、複数の機能を有してもよく、或いは一つの機能またはステップは、幾つかの物理的なコンポーネントにより協働して実行されることができる。
【0076】
幾つかの物理的なコンポーネント又はすべての物理的なコンポーネントは、プロセッサ、例えば、中央プロセッサ(CPU)、デジタル信号プロセッサやマイクロプロセッサにより実行されるソフトウェアとして実施でき、或いはハードウェアとして実施でき、或いは集積回路、例えば、専門集積回路として実施できる。このようなソフトウェアは、コンピュータ読み取り可能な媒体に分布でき、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ記録媒体(或いは非一時的な媒体)と通信媒体(或いは一時的な媒体)を含む。当業者が周知するように、コンピュータ記録媒体とは、情報(例えば、コンピュータ読み取り可能な指令、データ構成、プログラムモジュールまたはほかのデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される揮発性及び非揮発性、取り外し可能及び取り外し不可な媒体を含む。コンピュータ記録媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM、より具体的には、SDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュ(FLASH)、ほかのディスクメモリ、リードオンリーコンパクトディスク(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)またはほかのコンパクトディスクメモリ、磁気ボックス、磁気テープ、ディスク記憶装置または他の磁気メモリ、所望の情報を記憶しかつコンピュータがアクセスできる何らかの他の媒体を含むが、それに限定されない。また、当業者が周知するように、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な指令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波や他の伝送メカニズムなどの変調データ信号のうちのほかのデータを含み、かつ任意の情報伝送媒体を含むことができる。
【0077】
本開示は、幾つかの実施例を開示し、かつ具体的な用語を採用したが、説明するための一般的な意味として解釈するためのものであり、限定するためのものではない。幾つかの実例では、特に断らない限り、当業者は、特定の実施例と組み合わせて説明した特徴、特性および/又は要素を単独に使用することができ、或いは、そのほかの実施例と組み合わせて説明した特徴、特性および/または要素と組み合わせて使用することができる。従って、当業者は、特許請求の範囲に記載した本開示の範囲を逸脱しなく、各種の形式及び細部を変更することができる。