(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】接地検出方法及びその応用機器
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20230209BHJP
【FI】
H02M7/48 M
(21)【出願番号】P 2021573506
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2020092061
(87)【国際公開番号】W WO2021073097
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】201910983849.8
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517112122
【氏名又は名称】陽光電源股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【氏名又は名称】北出 英敏
(72)【発明者】
【氏名】陳 鵬
(72)【発明者】
【氏名】伍 永富
(72)【発明者】
【氏名】徐 清清
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-250782(JP,A)
【文献】特開2012-178968(JP,A)
【文献】特開平11-248779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低電圧電力網システムにおけるPWM制御型グリッドタイインバータ内のコントローラに適用される接地検出方法であって、
前記PWM制御型グリッドタイインバータが、接地検出条件を満たしているかどうかを判定するステップと、
前記PWM制御型グリッドタイインバータが前記接地検出条件を満たしている場合、前記PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置と大地との間に所定電流または所定電圧を印加するように、前記PWM制御型グリッドタイインバータにおける接地電源を制御するステップであって、前記所定位置が、直流バスの1極または交流側結合回路の出力端であるステップと、
前記直流バスの1極または前記交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定するステップと、
前記電圧が変化した場合、前記PWM制御型グリッドタイインバータの接地が不十分であると判定するステップと、
前記電圧が変化しない場合、前記PWM制御型グリッドタイインバータが十分に接地されていると判定するステップと、
を含む
ことを特徴とする接地検出方法。
【請求項2】
前記直流バスの1極または前記交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定するステップは、
前記直流バスの負極と大地との間の電圧が徐々に低下してゼロ電位に近づくかどうかを判定するステップ、
または、前記直流バスの正極と大地との間の電圧が徐々に上昇して前記直流バス電圧に近づくかどうかを判定するステップ、
または、前記交流側結合回路の出力端と大地との間の電圧が徐々に上昇して所定値に近づくかどうかを判定するステップ、
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の接地検出方法。
【請求項3】
前記接地検出条件は、接地検出命令を受信したこと、及び/または、所定検出時間に達したことを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の接地検出方法。
【請求項4】
前記所定位置が直流バスの1極である場合、前記接地検出条件はさらに、
前記PWM制御型グリッドタイインバータがオングリッド状態にあることを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の接地検出方法。
【請求項5】
前記所定位置が交流側結合回路の出力端である場合、前記接地検出条件はさらに、
前記PWM制御型グリッドタイインバータがスタンバイ状態またはオングリッド状態にあることを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の接地検出方法。
【請求項6】
コントローラであって、請求項1から5の何れか1項に記載の接地検出方法を実行する
ことを特徴とするコントローラ。
【請求項7】
前記コントローラは、所在する機器の外部にある接地検出スイッチボタンの出力端に接続されており、前記接地検出スイッチボタンから出力された接地検出命令を受信する、
ことを特徴とする請求項6に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記コントローラの内部には、現在時間が所定検出時間に達した後、接地検出を行うように前記コントローラに通知するためのタイマモジュールが設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載のコントローラ。
【請求項9】
低電圧電力網システムに適用されるPWM制御型グリッドタイインバータであって、
主回路、接地電源、検出モジュール、交流側結合回路、及び請求項6から8の何れか1項に記載のコントローラを含み、
前記主回路の直流側は、直流電気エネルギーを受信または出力し、前記主回路の交流側は、交流電気エネルギーを出力または受信し、
前記交流結合回路の交流側は、前記主回路の交流側に接続され、
前記接地電源の負極は、前記PWM制御型グリッドタイインバータの内部接地点に接続され、
前記接地電源の正極は、前記PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置に接続され、
前記所定位置は、前記主回路における直流バスの1極、または前記交流結合回路の出力端であり、
前記コントローラの命令出力端は、前記接地電源の制御端に接続され、前記コントローラの受信端は、前記検出モジュールの出力端に接続されおり、前記検出モジュールによって検出された前記直流バスの1極または前記交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧を受信する、
ことを特徴とするPWM制御型グリッドタイインバータ。
【請求項10】
前記接地電源は、制御可能な直流電圧源と、電流制限抵抗とを含み、
前記制御可能な直流電圧源の正極は、前記接地電源の正極に接続され、前記制御可能な直流電圧源の負極は、前記接地電源の負極に接続され、
前記電流制限抵抗は、前記制御可能な直流電圧源の正極と前記接地電源の正極との間、または、前記制御可能な直流電圧源の負極と前記接地電源的負極との間に設けられ、
前記制御可能な直流電圧源の制御端を前記接地電源の制御端とする、
ことを特徴とする請求項9に記載のPWM制御型グリッドタイインバータ。
【請求項11】
前記接地電源は、制御可能な直流電流源を含み、
前記制御可能な直流電流源の正極を前記接地電源の正極とし、
前記制御可能な直流電圧源の負極を前記接地電源の負極とし、
前記制御可能な直流電流源の制御端を前記接地電源の制御端とする、
ことを特徴とする請求項9に記載のPWM制御型グリッドタイインバータ。
【請求項12】
前記交流側結合回路は、整流器であり、前記交流側結合回路の出力端は、前記整流器の直流側の正極または負極であり、前記整流器の交流側は、前記主回路の交流側に接続され、
または、
前記交流側結合回路は、インピーダンスからなるY字状回路であり、前記交流側結合回路の出力端は、前記Y字状回路の仮想N点であり、前記Y字状回路の他の3つの端は、前記主回路の交流側に接続される、
ことを特徴とする請求項9に記載のPWM制御型グリッドタイインバータ。
【請求項13】
前記主回路は、インバータ回路、または、インバータ回路及び高圧側が直流バスに並列接続された複数の昇圧回路を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載のPWM制御型グリッドタイインバータ。
【請求項14】
低電圧電力網システムであって、
変圧器、少なくとも1つの直流電源、及び請求項9から13の何れか1項に記載のPWM制御型グリッドタイインバータを含み、
前記PWM制御型グリッドタイインバータの直流側は、前記直流電源に接続され、
前記PWM制御型グリッドタイインバータの交流側は、前記変圧器を介して電力網に接続され、
前記変圧器の中点は、接地している、
ことを特徴とする低電圧電力網システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年10月16日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910983849.8であって、発明の名称が「接地検出方法及びその応用機器」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全内容を援用により本出願に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、パワーエレクトロニクスの技術分野に関し、特に、接地検出方法及びその応用機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、安全性の要求により、グリッドタイインバータは、それ自体の接地点と外部の接地点との確実な接続を実現する場合、それ自体の動作中の漏れ電流が人体の安全電流を超えないように保証する必要があり、漏れ電流が大きい場合、確実な接地を保障するために、グリッドタイインバータは少なくとも2つの接地点を具備する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、オングリッド工事の過程では、人為的過失のため、接地点の欠落、接地線の破断または接地点のぶら下がりなどのような、グリッドタイインバータの接地不良の状況の発生を招致し、これによって、作業者は、グリッドタイインバータのケースに接触するときに、感電するリスクがある。また、グリッドタイインバータが長期間運転した後、ボトムラインインピーダンスの増大により、それ自体の接地不良を招致する恐れがあり、即時発見していない場合、作業者は、グリッドタイインバータのケースに接触するときに、感電するリスクもある。
【0005】
グリッドタイインバータのケースに接触する際の感電の発生を避けるために、従来技術において、作業者は一般的に、テスト機器を利用して、現場のグリッドタイインバータに対して接地インピーダンスのテストを行うが、このような検出方法には人的な依存性がある。
【0006】
これに鑑みると、本発明は、グリッドタイインバータの接地状況に対する自動検出を実現するために、接地検出方法及びその応用機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明の実施例は以下の技術案を提供し、
本出願の第1の形態は、低電圧電力網システムにおけるPWM制御型グリッドタイインバータ内のコントローラに適用される接地検出方法を提供し、
前記接地検出方法は、
前記PWM制御型グリッドタイインバータが、接地検出条件を満たしているかどうかを判定するステップと、
前記PWM制御型グリッドタイインバータが前記接地検出条件を満たしている場合、前記PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置と大地との間に所定電流または所定電圧を印加するように、前記PWM制御型グリッドタイインバータにおける接地電源を制御するステップであって、前記所定位置が直流バスの1極または交流側結合回路の出力端であるステップと、
前記直流バスの1極または前記交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定するステップと、
前記電圧が変化した場合、前記PWM制御型グリッドタイインバータの接地が不十分であると判定するステップと、
前記電圧が変化しない場合、前記PWM制御型グリッドタイインバータが十分に接地されていると判定するステップと、
を含む。
【0008】
好ましくは、前記直流バスの1極または前記交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定するステップは、
前記直流バスの負極と大地との間の電圧が徐々に低下してゼロ電位に近づくかどうかを判定するステップ、
または、
前記直流バスの正極と大地との間の電圧が徐々に上昇して前記直流バス電圧に近づくかどうかを判定するステップ、
または、
前記交流側結合回路の出力端と大地との間の電圧が徐々に上昇して所定値に近づくかどうかを判定するステップ、
を含む。
【0009】
好ましくは、前記接地検出条件は、接地検出命令を受信したこと、及び/または、所定検出時間に達したことを含む。
【0010】
好ましくは、前記所定位置が直流バスの1極である場合、前記接地検出条件はさらに、
前記PWM制御型グリッドタイインバータがオングリッド状態にあることを含む。
【0011】
好ましくは、前記所定位置が交流側結合回路の出力端である場合、前記接地検出条件はさらに、
前記PWM制御型グリッドタイインバータがスタンバイ状態またはオングリッド状態にあることを含む。
【0012】
本出願の第2の形態は、本出願の第1の形態によって提供される接地検出方法を実行するためのコントローラを提供する。
【0013】
好ましくは、前記コントローラは、所在する機器の外部にある接地検出スイッチボタンの出力端に接続されており、前記接地検出スイッチボタンから出力された接地検出命令を受信する。
【0014】
好ましくは、前記コントローラの内部には、現在時間が所定検出時間に達した後、接地検出を行うように前記コントローラに通知するためのタイマモジュールが設けられる。
【0015】
本出願の第3の形態は、低電圧電力網システムに適用されるPWM制御型グリッドタイインバータを提供し、主回路、接地電源、検出モジュール、交流側結合回路、及び本出願の第2の形態によって提供されるコントローラを含み、
前記主回路の直流側は、直流電気エネルギーを受信または出力し、前記主回路の交流側は、交流電気エネルギーを出力または受信し、
前記交流結合回路の交流側は、前記主回路の交流側に接続され、
前記接地電源の負極は、前記PWM制御型グリッドタイインバータの内部接地点に接続され、
前記接地電源の正極は、前記PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置に接続され、
前記所定位置は、前記主回路における直流バスの1極、または前記交流結合回路の出力端であり、
前記コントローラの命令出力端は、前記接地電源の制御端に接続され、前記コントローラの受信端は、前記検出モジュールの出力端に接続されており、前記検出モジュールによって検出された前記直流バスの1極または前記交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧を受信する。
【0016】
好ましくは、前記接地電源は、制御可能な直流電圧源と、電流制限抵抗とを含み、
前記制御可能な直流電圧源の正極は、前記接地電源の正極に接続され、前記制御可能な直流電圧源の負極は、前記接地電源の負極に接続され、
前記電流制限抵抗は、前記制御可能な直流電圧源の正極と前記接地電源の正極との間に設けられ、
または、
前記電流制限抵抗は、前記制御可能な直流電圧源の負極と前記接地電源の負極との間に設けられ、
前記制御可能な直流電圧源の制御端を前記接地電源の制御端とする。
【0017】
好ましくは、前記接地電源は、制御可能な直流電流源を含み、
前記制御可能な直流電流源の正極を前記接地電源の正極とし、
前記制御可能な直流電圧源の負極を前記接地電源の負極とし、
前記制御可能な直流電流源の制御端を前記接地電源の制御端とする。
【0018】
好ましくは、前記交流側結合回路は、整流器であり、前記交流側結合回路の出力端は、前記整流器の直流側の正極または負極であり、前記整流器の交流側は、前記主回路の交流側に接続され、
または、
前記交流側結合回路は、インピーダンスからなるY字状回路であり、前記交流側結合回路の出力端は、前記Y字状回路の仮想N点であり、前記Y字状回路の他の3つの端は、前記主回路の交流側に接続される。
【0019】
好ましくは、前記主回路は、インバータ回路、または、インバータ回路及び高圧側が直流バスに並列接続される複数の昇圧回路を含む。
【0020】
本出願の第4の形態は、変圧器、少なくとも1つの直流電源、及び本出願の第3の形態によって提供されるPWM制御型グリッドタイインバータを含む低電圧電力網システムを提供し、
前記PWM制御型グリッドタイインバータの直流側は、前記直流電源に接続され、
前記PWM制御型グリッドタイインバータの交流側は、前記変圧器を介して電力網に接続され、
前記変圧器の中点は接地している。
【0021】
上記の技術案から分かるように、本出願は、接地検出方法及びその応用機器を提供し、本出願によって提供される接地検出方法は、低電圧電力網システムにおけるPWM制御型グリッドタイインバータ内のコントローラに適用される。従来技術に比べると、本出願の当該PWM制御型グリッドタイインバータのコントローラは、当該PWM制御型グリッドタイインバータが、接地検出条件を満たしている場合、まず、当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置と大地との間に所定電流または所定電圧を印加するように、当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける接地電源を制御する。所定位置は、直流バスの1極または交流側結合回路の出力端である。次に、本出願の当該PWM制御型グリッドタイインバータのコントローラは、直流バスの1極または交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定することで、当該PWM制御型グリッドタイインバータが十分に接地されているかどうかを判定する。これによって、グリッドタイインバータの接地状況に対する自動検出を実現し、従来技術における人的な依存性があるという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本出願の実施例が提供する接地検出方法の概略フローチャート
【
図2】本出願の実施例が提供するPWM制御型グリッドタイインバータの概略構成図
【
図3】本出願の実施例が提供するPWM制御型グリッドタイインバータの他の概略構成図
【
図4】本出願の実施例が提供する整流器の概略構成図
【
図5】本出願の実施例が提供するY字状回路の概略構成図
【
図6a】本出願の実施例が提供するTN-Cシステムの概略構成図。
【
図6b】本出願の実施例が提供するTN-C-Sシステムの概略構成図
【
図6c】本出願の実施例が提供するTN-Sシステムの概略構成図
【
図6d】本出願の実施例が提供するTTシステムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下は、本発明の実施例における図面を結合して、本発明の実施例の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載された実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしない前提で取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0024】
本出願では、「含む」「包含」という用語又はそれらの他の任意の変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより、一連の要素を含む過程、方法、品物又は機器はそれらの要素を含むだけでなく、更に明確に列挙されていない他の要素を含み、或いは、更にこのような過程、方法、品物又は機器に固有の要素を含む。これ以上限定しない限り、「○○を含む」という語句で限定された要素は、前記要素を含む過程、方法、品物又は機器には更に他の同じ要素があることを排除しない。
【0025】
本出願の実施例は、グリッドタイインバータの接地状況に対する自動検出を実現するために、低電圧電力網システムにおけるPWM制御型グリッドタイインバータ内のコントローラに適用される接地検出方法を提供する。
【0026】
当該PWM制御型グリッドタイインバータの具体的な構成は、
図2及び
図3に示すように、主回路10、接地電源20、検出モジュール30、コントローラ40、及び交流側結合回路50(
図2は図示せず)を含む。
【0027】
主回路10の直流側は、直流電気エネルギーを受信または出力し、主回路10の交流側は、交流電気エネルギーを出力または受信する。交流側結合回路50の交流側は、主回路10の交流側に接続される。
【0028】
接地電源20の正極は、当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置に接続され、当該所定位置は、直流バスの1極(
図2は負極を例として示す)、または交流側結合回路の出力端(
図3における交流側結合回路50の左側にあるポート)であり、接地電源20の負極は、当該PWM制御型グリッドタイインバータの内部接地点に接続される。
【0029】
コントローラ40の命令出力端は、接地電源20の制御端に接続され、コントローラ40の受信端は、検出モジュール30の出力端に接続されており、検出モジュール30によって検出された直流バスの1極、または交流側結合回路50の出力端の、大地に対する電圧を受信する。
【0030】
具体的に、当該接地検出方法の具体的なフローは、
図1に示すように、以下のステップを含む。
S100:当該PWM制御型グリッドタイインバータが、接地検出条件を満たしているかどうかを判定する。
【0031】
当該PWM制御型グリッドタイインバータの接地検出条件は、接地検出命令を受信したこと、及び/または、所定検出時間に達したことである。実際応用において、接地検出命令は、作業者が当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を行う際に、接地検出ボタンを押した後に発生するものである。なお、接地検出ボタンを1回押した後、接地検出命令が1回だけ発生してよいし、所定検出時間は、予め設定された少なくとも1つの時点であってもよいし、予め設定された、周期性を有する少なくとも1つの時点であってもよく、ここで、具体的に限定しておらず、具体的な状況に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0032】
実際応用において、接地検出命令を受信した、及び/または、所定時間に達した場合に限り、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を行い、当該PWM制御型グリッドタイインバータが接地検出条件を満たしている場合、ステップS200を実行し、当該PWM制御型グリッドタイインバータが接地検出条件を満たしていない場合、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を行わない。
【0033】
実際応用において、所定位置が直流バスの1極である場合、その接地検出条件はさらに、当該PWM制御型グリッドタイインバータがオングリッド状態にあることを含む。
【0034】
当該PWM制御型グリッドタイインバータのオングリッド状態とは、当該PWM制御型グリッドタイインバータの主回路10における各スイッチが全てオンされた場合の当該PWM制御型グリッドタイインバータの状態を指す。
【0035】
なお、所定位置が直流バスの1極である場合、当該PWM制御型グリッドタイインバータがオングリッド状態にあり、且つ、当該PWM制御型グリッドタイインバータのコントローラ40が接地検出命令を受信した場合に、当該PWM制御型グリッドタイインバータが接地検出条件を満たし、または、当該PWM制御型グリッドタイインバータがオングリッド状態にあり、且つ、現在時間が所定検出時間に達した場合に、当該PWM制御型グリッドタイインバータが接地検出条件を満たす。
【0036】
実際応用において、所定位置が交流側結合回路50の出力端である場合、接地検出条件はさらに、当該PWM制御型グリッドタイインバータがスタンバイ状態、または、オングリッド状態にあることを含む。
【0037】
当該PWM制御型グリッドタイインバータのスタンバイ状態とは、当該PWM制御型グリッドタイインバータの主回路10における各スイッチが全てオフされた場合の当該PWM制御型グリッドタイインバータの状態を指す。これにより、スタンバイ状態は、オングリッド前の状態であることが分かる。
【0038】
なお、所定位置が交流側結合回路50の出力端である場合、当該PWM制御型グリッドタイインバータがスタンバイ状態またはオングリッド状態にあり、且つ、当該PWM制御型グリッドタイインバータのコントローラ40が接地検出命令を受信した場合に、当該PWM制御型グリッドタイインバータが接地検出条件を満たし、または、当該PWM制御型グリッドタイインバータがスタンバイ状態またはオングリッド状態にあり、且つ、現在時間が所定検出時間に達した場合に、当該PWM制御型グリッドタイインバータが接地検出条件を満たす。
【0039】
S200:PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置と大地との間に所定電流または所定電圧を印加するように、PWM制御型グリッドタイインバータにおける接地電源を制御する。
【0040】
所定電流は、予め設定された入力電流であり、所定電圧は、予め設定された入力電圧である。実際応用において、所定電流または所定電圧は、実際状況に応じて合理的に選択される。
【0041】
図2の所定位置は、直流バスの負極であり、直流バスの正極を所定位置とする状況については示していない。
図3の所定位置は、交流側結合回路50の出力端であり、実際応用において、交流側結合回路50は、
図4に示される整流器であってもよいし、
図5に示される、インピーダンスからなるY字状回路であってもよい。交流側結合回路50が整流器である場合、整流器の交流側は、主回路10の交流側に接続され、交流側結合回路50の出力端とは、整流器の直流側の正極または負極を指す。交流側結合回路50がインピーダンスからなるY字状回路である場合、Y字状回路の他の3つの端は、主回路10の交流側に接続され、交流側結合回路50の出力端とは、Y字状回路の仮想N点を指す。
【0042】
S300:直流バスの1極または交流側結合回路の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定する。
【0043】
実際応用において、直流バスの1極または交流側結合回路50の出力端の、大地に対する電圧が変化した場合、印加された所定電流または所定電圧を完全に地面へ導くことができないことを意味し、ステップS400を実行する。直流バスの1極または交流側結合回路50の出力端の、大地に対する電圧が変化しない場合、印加された所定電流または所定電圧が完全に地面に導かれることを意味し、ステップS500を実行する。
【0044】
具体的に、所定位置が直流バスの1極であるか、交流側結合回路50の出力端であるかに関係なく、直流バスの1極または交流側結合回路50の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定することで、当該PWM制御型グリッドタイインバータの接地が不十分であるかどうかを判定することができる。さらに、実際応用において、直流バスの負極と大地との間の電圧が変化したかどうかを判定する具体的な実施形態は、直流バスの負極と大地との間の電圧が徐々に低下してゼロ電位に近づくかどうかを判定することであり、直流バスの正極と大地との間の電圧が変化したかどうかを判定する具体的な実施形態は、直流バスの正極と大地との間の電圧が徐々に上昇して直流バス電圧に近づくかどうかを判定することである。この場合、直流バスの負極と大地との電圧が徐々に低下してゼロ電位に近づいたとき、または、直流バスの正極と大地との間の電圧が徐々に上昇して直流バス電圧に近づいたとき、ステップS400を実行する。また、この場合、直流バスの負極と大地との間の電圧が変化しないとき、または、直流バスの正極と大地との間の電圧が変化しないとき、ステップS500を実行する。
【0045】
交流側結合回路50が具体的にY字状回路である場合、交流側結合回路50の出力端と大地との間の電圧が変化したかどうかを判定する具体的な実施形態は、Y字状回路の仮想N点と大地との間の電圧が徐々に上昇して所定値に近づくかどうかを判定することであり、この場合、Y字状回路の仮想N点と大地との間の電圧が徐々に上昇して所定値に近づいたとき、ステップS400を実行する。また、この場合、Y字状回路の仮想N点と大地との間の電圧が変化しないとき、ステップS500を実行する。当該所定値とは、コントローラ40が接地電源20を制御することで印加された所定電流または所定電圧の具体値を指す。
【0046】
なお、当該所定位置が直流バスの1極である場合、オングリッド後に、コントローラ40は、直流バスの1極と大地との間の電圧変換を検出することで、接地検出を実現してもよいし、交流側結合回路50と大地との間の電圧変換を検出することで、接地検出を実現してもよい。所定位置が交流側結合回路50の出力端である場合、オングリッド前に、交流側結合回路50の出力端に所定電流または所定電圧を印加するように、接地電源20を制御してもよく、そうすれば、主回路10におけるインバータ回路の逆変換の作用の下で、直流バスは、それ自体のソフトスタートを実現し、正常の直流バス電圧を確立し、そのため、交流側結合回路50の出力端に所定電流または所定電圧を印加した後、当該PWM制御型グリッドタイインバータには接地故障が発生した場合、交流側結合回路50の出力端で電圧変化を検出できるだけでなく、直流バスの1極で電圧変化を測定することができる。
【0047】
所定位置が交流側結合回路50の出力端である場合、交流側結合回路50の出力端と大地との間の電圧が変化したかどうかを判定することで、当該PWM制御型グリッドタイインバータの接地が不十分であるかどうかを判定し、そうすれば、インバータ回路の主回路10に対する関連操作を避けて、検出ステップを簡略化することができる。
【0048】
S400:当該PWM制御型グリッドタイインバータの接地が不十分であると判定する。
【0049】
S500:当該PWM制御型グリッドタイインバータが十分に接地されていると判定する。
【0050】
なお、本実施例におけるステップS100は、それ自体の周期に従って実行することができ、ステップS200、ステップS300、ステップS400及びステップS500は、上記の論理に従ってトリガされて実行され、即ち、ステップS100の実行が完了した後にのみ、ステップS200、ステップS300、ステップS400及びステップS500はそれに応じて実行され、また、全体から見れば、検出過程全体において、1つの周期ごとに、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を行うかどうかを1回判定し、周期が極小値を取ると、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を行うかどうかを連続的に判定することができ、これによって、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を適時に行うことができる。
【0051】
或いは、ステップS100、ステップS200、ステップS300、ステップS400及びステップS500は、上記の論理に従って循環的にトリガされて実行されてもよく、即ち、検出過程全体はステップS400またはステップS500を完了した後、ステップS100のトリガ実行に戻り、ステップS100、ステップS200、ステップS300、ステップS400及びステップS500で、1つの循環を形成し、循環が形成された後、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を行うかどうかを連続的に判定するという目的を実現することができ、これによって、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を適時に行うことができる。ただし、コントローラ40を起動させた場合、検出過程全体が開始することに注意されたい。
【0052】
上記の技術案から分かるように、当該PWM制御型グリッドタイインバータのコントローラ40は、当該PWM制御型グリッドタイインバータが接地検出条件を満たしている場合、まず、当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置と大地との間に、所定電流または所定電圧を印加するように、当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける接地電源20を制御する。所定位置は、直流バスの1極または交流側結合回路50の出力端である。当該PWM制御型グリッドタイインバータのコントローラ40は、次に、直流バスの1極または交流側結合回路50の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかを判定することで、当該PWM制御型グリッドタイインバータが十分に接地されているかどうかを判定する。これによって、グリッドタイインバータの接地状況に対する自動検出を実現し、従来技術における人的な依存性があるという問題を解決する。
【0053】
なお、本実施例によって提供される接地検出方法は、ただ接地電源20が当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置と大地との間に所定電流または所定電圧を印加する前後、直流バスの1極または交流側結合回路50の出力端の、大地に対する電圧が変化したかどうかということに基づき、当該PWM制御型グリッドタイインバータが十分に接地されているかどうかを判定することができ、これによって、本実施例によって提供される接地検出方法は、簡単で、便利で、信頼性が高い。
【0054】
本出願の別の実施例は、
図1に示される接地検出方法を実行するためのコントローラを提供する。
【0055】
実際応用において、コントローラは、所在する機器の外部にある接地検出スイッチボタンの出力端に接続されており、接地検出スイッチボタンから出力された接地検出命令を受信する。なお、当該接地検出スイッチボタンが接地検出命令を発生させる条件は、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対して接地検出を行う必要がある場合、作業者が当該接地検出スイッチボタンを押すことである。
【0056】
また、実際応用において、当該コントローラの内部には、現在時間が所定検出時間に達した後、接地検出を行うようにコントローラに通知するためのタイマモジュールが設けられる。
【0057】
本出願の別の実施例は、低電圧電力網システムに適用されるPWM制御型グリッドタイインバータを提供し、その具体的な構成は、
図2及び
図3に示すように、主回路10、接地電源20、検出モジュール30、交流側結合回路50(
図2に図示せず)、及び前の実施例によって提供されるコントローラ40を含む。
【0058】
主回路10の直流側は、直流電気エネルギーを受信または出力し、主回路10の交流側は、交流電気エネルギーを出力または受信する。交流側結合回路50の交流側は、主回路10の交流側に接続される。
【0059】
接地電源20の負極は、当該PWM制御型グリッドタイインバータの内部接地点に接続され、接地電源20の正極は、当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける所定位置に接続される。
【0060】
コントローラ40の命令出力端は、接地電源20の制御端に接続され、コントローラ40の受信端は、検出モジュール30の出力端に接続されおり、検出モジュール30によって検出された直流バスの1極、即ち、直流バスの正極または負極(
図2に示される)、或いは、交流側結合回路50の出力端(
図3に示される)の、大地に対する電圧を受信する。
【0061】
なお、交流側結合回路50を利用して接地検出機能を実現しない場合、当該所定位置は直流バスの1極であり、
図2は直流バスの負極を例として示し、この場合、コントローラ40の受信端が検出モジュール30を介して受信した電圧は、直流バスの負極と大地との間の電圧であってもよいし、直流バスの正極と大地との間の電圧であってもよく、ここで具体的に限定しておらず、具体的な状況に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0062】
交流側結合回路50を利用して接地検出機能を実現する場合、当該所定位置が交流側結合回路50の出力端である場合、コントローラ40の受信端が受信した、検出モジュール30によって検出された電圧は、直流バスの1極と大地との間の電圧(図示せず)であってもよいし、交流側結合回路50の出力端と大地との間の電圧(
図3に示される)であってもよく、ここで具体的に限定しておらず、具体的な状況に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。また、交流側結合回路50を利用して接地検出機能を実現する場合、当該所定位置は直流バスの1極であってもよく、この場合、コントローラ40の受信端が受信した、検出モジュール30によって検出された電圧は、交流側結合回路50の出力端と大地との間の電圧である。
【0063】
実際応用において、交流側結合回路50は整流器であってもよく、整流器の具体的な構成は、
図4に示すように、コンデンサC及び3本の整流ブランチ60を含み、整流ブランチ60は、2つのダイオードDが順に直列接続されることで形成される。
【0064】
3本の整流ブランチ60の正極はいずれもコンデンサCの一端に接続され、その接続点は、整流器の直流側の正極とされ、3本の整流ブランチ60の正極はいずれもコンデンサCの他端に接続され、その接続点は、整流器の直流側の負極とされ、交流側結合回路50の出力端は、その直流側の正極または負極を指し、3本の整流ブランチ60の中間接続点は整流器の交流側とされ、主回路10の交流側の各相の接続点にそれぞれ接続される。
【0065】
実際応用において、交流側結合回路50は、インピーダンスからなるY字状回路であってもよく、Y字状回路の具体的な構成は
図5に示すように、第1のインピーダンスZ1、第2のインピーダンスZ2、及び第3のインピーダンスZ3を含む。
【0066】
第1のインピーダンスZ1の一端、第2のインピーダンスZ2の一端、及び第3のインピーダンスZ3の一端はいずれも接続され、その接続点はY字状回路の仮想N点とされ、交流側結合回路50の出力端は、Y字状回路の仮想N点を指し、第1のインピーダンスZ1の他端、第2のインピーダンスZ2の他端、及び第3のインピーダンスZ3の他端はいずれも主回路10の交流側に接続される。
【0067】
なお、第1のインピーダンスZ1、第2のインピーダンスZ2及び第3のインピーダンスZ3はいずれも純粋な抵抗、純粋なコンデンサまたは純粋なインダクタンスであってもよいし、いずれも抵抗、コンデンサ及びインダクタンスのうちの、少なくとも任意の2つの組み合わせであってもよく、ここで具体的に限定しておらず、具体的な状況に応じて組み合わせてもよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0068】
当該コントローラ40が実行する接地検出方法について、上記の実施例を参照すればよく、ここで、一々贅言していない。なお、
図2に示されるPWM制御型グリッドタイインバータであって、且つ、所定位置が直流バスの1極であり、検出モジュール30が、交流側結合回路50の出力端と大地との間の電圧を検出する場合、そのコントローラ40は、オングリッド後にのみ、接地検出を行い、
図3に示されるPWM制御型グリッドタイインバータであって、所定位置が交流側結合回路50の出力端であり、検出モジュール30が、直流バスの負極と大地との間の電圧を検出する場合、そのコントローラ40は、オングリッド後だけではなく、オングリッド前に接地検出を行うことができる。特に、交流側結合回路50の構成が
図5のようであり、且つ、当該PWM制御型グリッドタイインバータにおける接地電源20が所定電圧または所定電流を印加する所定位置は、交流側結合回路50の出力端であるとともに、その検出モジュール30によって検出された電圧が、交流側結合回路50の出力端の、大地に対する電圧である場合、オングリッド前に接地検出を行うことができるだけではなく、主回路10に対する関連操作も避けることができる。
【0069】
本出願の別の実施例によって提供される接地電源20の具体的な実施形態について、その具体的な構成は
図2または
図3に示すように、制御可能な直流電圧源21及び電流制限抵抗Rを含む。
【0070】
制御可能な直流電圧源21の正極は、接地電源20の正極に接続され、制御可能な直流電圧源21の負極は、接地電源20の負極に接続され、制御可能な直流電圧源21の制御端は接地電源20の制御端とされ、電流制限抵抗Rは制御可能な直流電圧源21の正極と接地電源20の正極との間に設けられ、または、制御可能な直流電圧源21の負極と接地電源20の負極との間に設けられる。
【0071】
なお、電流制限抵抗Rは、制御可能な直流電圧源21の出力能力を効果的に制限して、作業者への感電を避けることができる。
【0072】
以上は、接地電源20の好適な実施形態のみを示し、実際応用において、接地電源20はさらに制御可能な直流電流源を含んでもよく、制御可能な直流電流源の正極は接地電源20の正極とされ、制御可能な直流電流源の負極は接地電源20の負極とされ、制御可能な直流電流源の制御端は接地電源20の制御端とされる。なお、接地電源20の2つの実施形態は、具体的な状況に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0073】
本実施例はさらに、主回路10の2つの実施形態を提供し、第1の具体的な実施形態はインバータ回路11を含み、第2の実施形態はインバータ回路11、及び高圧側が直流バスに並列接続される複数の昇圧回路12(
図2及び
図3に示される)を含み、なお、2つの実施形態は、具体的な状況に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0074】
なお、本実施例によって提供されるコントローラ40は、低電圧電力網システムにおけるPWM制御型グリッドタイインバータの内部の既存回路を利用することで、新たな回路を追加する、または外部工具を利用することなく、当該PWM制御型グリッドタイインバータに対する接地検出を実現することができ、それ自体のコストを低減させ、市場の普及及び競争を便利にする。
【0075】
本出願の別の実施例は、低電圧電力網システムを提供し、その具体的な構成は
図6a~
図6dに示すように、変圧器(変圧器の一部は、
図6a~6dの黒いブロックに示される)、少なくとも1つの直流電源80、及び
図2または
図3に示されるPWM制御型グリッドタイインバータ90を含む。
【0076】
当該PWM制御型グリッドタイインバータ90の直流側は直流電源80に接続され、PWM制御型グリッドタイインバータ90の交流側は変圧器を介して電力網に接続され、変圧器の中点は接地している。
【0077】
好ましくは、直流電源80は太陽光発電ストリングであってもよいし、エネルギー貯蔵システムであってもよいし、さらに、太陽光発電ストリング及びエネルギー貯蔵システムであってもよく、ここで具体的に限定しておらず、具体的な状況に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0078】
実際応用において、PWM制御型グリッドタイインバータ90のPE線が変圧器のPEN線に接続され、且つ、変圧器のPEN線が変圧器の中性点に接続される場合、上記の接続形態である当該PWM制御型グリッドタイインバータ90及び変圧器を採用して、TN-Cシステム(
図6aに示される)を構成する。
【0079】
実際応用において、当該PWM制御型グリッドタイインバータ90のPE線が変圧器のPE線に接続され、変圧器のPE線が変圧器のN線に接続され、変圧器のPE線と変圧器のN線との接続点が、変圧器の中心点に接続される場合、上記の接続形態である当該PWM制御型グリッドタイインバータ90及び変圧器を採用して、TN-C-Sシステム(
図6bに示される)を構成する。
【0080】
実際応用において、当該PWM制御型グリッドタイインバータ90のPE線が変圧器のPE線に接続され、且つ、変圧器のN線、PE線がいずれも変圧器の中心点に接続される場合、上記の接続形態である当該PWM制御型グリッドタイインバータ90及び変圧器を採用して、TN-Sシステム(
図6cに示される)を構成する。
【0081】
実際応用において、当該PWM制御型グリッドタイインバータ90のPE線が接地し、変圧器のN線が変圧器の中性点に接続される場合、上記の接続形態である当該PWM制御型グリッドタイインバータ90及び変圧器を採用して、TTシステム(
図6dに示される)を構成する。
【0082】
当該PWM制御型グリッドタイインバータ90と変圧器との上記の4つの接続形態について、具体的な状況に応じて決定すればよく、ここで具体的に限定しておらず、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0083】
本明細書における各実施例に対して、いずれも漸進の方式で記載し、各実施例の間の同じまたは類似の部分について、互いに参照すればよく、各実施例はいずれも他の実施例との相違点を主に説明する。特に、システムまたはシステムの実施例について、方法の実施形態と基本的に類似しているため、記載が比較的簡単であり、関連部分について、方法の実施例の説明の一部を参照すればよい。上記のシステム及びシステムの実施例は単なる例示に過ぎない。個別の部材として説明されているユニットは、物理的に分離している場合があり、そうではない場合もある。ユニットとして表示されている部材は、物理的なユニットであってもよく、そうではなくてもよく、1つの場所に位置してもよいし、または、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実際の必要性に応じて、モジュールのいくつかまたは全てを選択することで、本実施例の技術案の目的を実現することができる。当業者は、進歩性に値する労働をしなくても、本発明を理解し実施することができる。
【0084】
当業者であれば、さらに意識できるように、本明細書に開示された実施例を結合して記載された各例示のユニット、及びアルゴリズムのステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって実現されることができる。ハードウェアとソフトウェアとの間の互換性を明確に説明するために、各例示の構成及びステップは、上記では機能に従って一般的に説明した。これらの機能がハードウェアで実行されるかそれともソフトウェアで実行されるかということは、技術案の特定の適用及び設計制約条件に依存する。当業者は、各特定の適用ごとに、異なる方法を利用して、説明された機能を実施することができるが、このような実現は、本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0085】
開示された実施例に対する前述の説明によって、当業者は、本発明を実現または使用することができる。これらの実施例に対する様々な補正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例で実現することができる。従って、本発明は、本明細書に示されたこれらの実施例に限定されず、本明細書に開示された原理及び新規の特点と一致する最も幅広い範囲に合う。