(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/62 20210101AFI20230209BHJP
H01J 49/04 20060101ALI20230209BHJP
H01J 49/00 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G01N27/62 Z
H01J49/04 900
H01J49/00 130
H01J49/00 090
(21)【出願番号】P 2022104984
(22)【出願日】2022-06-29
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202110766464.3
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520328464
【氏名又は名称】中国科学院地質與地球物理研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF GEOLOGY AND GEOPHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No.19 Beitucheng West Road,Chaoyang District,Beijing 100000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】劉 子恒
(72)【発明者】
【氏名】李 健楠
(72)【発明者】
【氏名】蘇 菲
(72)【発明者】
【氏名】賀 懐宇
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-526154(JP,A)
【文献】米国特許第05911882(US,A)
【文献】米国特許第05123276(US,A)
【文献】国際公開第2017/222000(WO,A1)
【文献】特開2016-112830(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112759322(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/60 - G01N 27/70
G01N 1/00 - G01N 1/44
H01J 49/00 - H01J 49/48
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析計の基本パラメータを
宇宙空間を運行する質量分析計の軌道上で較正する方法であって、
真空条件下で、ケイ酸塩鉱物を加熱して溶融状態のケイ酸塩鉱物を得るステップ(1)と、
前記ステップ(1)で得られた溶融状態のケイ酸塩鉱物を標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得るステップ(2)と、
前記ステップ(2)で得られた標準試料を質量分析計の熱制御装置に予め取り付け、
前記軌道上で加熱して、吸着した標準ガスを質量分析計に放出し、質量分析計の基本パラメータを
前記軌道上で較正するステップ(3)とを含み、
前記ステップ(2)における急速冷却の速度は50~200℃/minであることを特徴とする質量分析計の基本パラメータを
宇宙空間を運行する質量分析計の軌道上で較正する方法。
【請求項2】
前記ステップ(1)におけるケイ酸塩鉱物が輝石及び/又は鉄かんらん石
(Fe
2
SiO
4
)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ酸塩鉱物が鉄かんらん石
(Fe
2
SiO
4
)であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(1)におけるケイ酸塩鉱物の粒度が50メッシュ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(1)における真空の真空度が0.00001Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(2)における標準ガスが希ガスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記希ガスがヘリウム及びキセノンであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップ(3)における
前記軌道上で加熱する温度が600℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ(3)における
前記軌道上で加熱する時間が10min以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(3)における基本パラメータが質量軸、分解能及び感度を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析計の基本パラメータの較正の技術分野に関し、特に質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析計は深宇宙探査の過程で一般的に使用されている科学分析機器である。科学的分析を行う前に、質量分析計の質量軸、分解能、感度等の指標を較正する必要がある。従来の方法では、一般的に標準ガスボンベを搭載している。標準ガスボンベは2つのバルブを介して質量分析計に接続され、それにより質量分析計の性能パラメータの較正を実現する。
【0003】
上記較正方法には2つの欠点がある。まず軌道上でガスボンベからガスが漏れるリスクがあり、ガスボンベからガスが漏れる場合、較正を完了できない。また、機器の信頼性を向上させるために、バルブ及びガスボンベはいずれも重く設計されており、ロケットによって質量分析計を所定の軌道に送る必要があり、これは間違いなくロケット発射コストを増加させる。
【0004】
したがって、質量分析計の基本パラメータの軌道上較正も実現できる低コストの方法を提供することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明の目的は、質量分光計の基本パラメータを軌道上で較正する方法を提供することにある。本発明が提供する較正方法は標準ガスボンベ及びそれに付属するバルブを搭載する必要がなく、軌道上でガスボンベからガスが漏れるリスクを避け、同時に軌道上較正における質量分光計の重量を低減させ、それによりロケット発射コストを低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記発明の目的を実現するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0007】
本発明は、質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正する方法を提供し、
真空条件下で、ケイ酸塩鉱物を加熱して溶融状態のケイ酸塩鉱物を得るステップ(1)と、
前記ステップ(1)で得られた溶融状態のケイ酸塩鉱物を標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得るステップ(2)と、
前記ステップ(2)で得られた標準試料を質量分析計の熱制御装置に予め取り付け、軌道上で加熱して、吸着した標準ガスを質量分析計に放出し、質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正するステップ(3)とを含み、前記ステップ(2)における急速冷却の速度は50~200℃/minである。
【0008】
好ましくは、前記ステップ(1)におけるケイ酸塩鉱物は輝石及び/又は鉄かんらん石を含む。
【0009】
好ましくは、ケイ酸塩鉱物は鉄かんらん石である。
【0010】
好ましくは、前記ステップ(1)におけるケイ酸塩鉱物の粒度は50メッシュ以上である。
【0011】
好ましくは、前記ステップ(1)における加熱は真空条件下で行われる。
【0012】
好ましくは、前記真空の真空度は0.00001Pa以下である。
【0013】
好ましくは、前記ステップ(2)における標準ガスは希ガスである。
【0014】
好ましくは、希ガスはヘリウム及びキセノンである。
【0015】
好ましくは、前記ステップ(3)における軌道上で加熱する温度は600℃以上である。
【0016】
好ましくは、前記ステップ(3)における軌道上で加熱する時間は10min以上である。
【0017】
好ましくは、前記ステップ(3)における基本パラメータは質量軸、分解能及び感度を含む。
【0018】
本発明は、質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正する方法を提供し、真空条件下で、ケイ酸塩鉱物を加熱して溶融状態のケイ酸塩鉱物を得るステップと、それを標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得るステップと、得られた標準試料を質量分析計の熱制御装置に予め取り付け、軌道上で加熱して、吸着した標準ガスを質量分析計に放出し、質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正するステップとを含む。本発明は、ケイ酸塩鉱物が溶融状態下で環境中のガスを吸着できるという特徴を利用して、ケイ酸塩鉱物を加熱して溶融状態のケイ酸塩鉱物を得、それを標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得、次に標準試料を質量分析計の熱制御装置に予め取り付け、質量分析計が所定の軌道に入った後、質量分析計を利用して物質試験を行う必要がある場合、標準試料を軌道上で加熱して、吸着した標準ガスを質量分析計に放出し、質量分析計の基本パラメータの較正を実現する。ケイ酸塩鉱物は加熱前にガスを放出しないため、標準ガスボンベの使用によるガス漏れのリスクを避け、ガスボンベに付属するバルブを必要としないため、質量分析計の重量を低減させ、さらにロケット発射コストを低減させる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正する方法を提供し、
真空条件下で、ケイ酸塩鉱物を加熱して溶融状態のケイ酸塩鉱物を得るステップ(1)と、
前記ステップ(1)で得られた溶融状態のケイ酸塩鉱物を標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得るステップ(2)と、
前記ステップ(2)で得られた標準試料を質量分析計の熱制御装置に予め取り付け、軌道上で加熱して、吸着した標準ガスを質量分析計に放出し、質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正するステップ(3)とを含み、前記ステップ(2)における急速冷却の速度は50~200℃/minである。
【0020】
本発明は、真空条件下で、ケイ酸塩鉱物を加熱して溶融状態のケイ酸塩鉱物を得る。
【0021】
本発明において、前記ケイ酸塩鉱物は、好ましくは輝石及び/又は鉄かんらん石を含み、より好ましくは鉄かんらん石を含む。本発明は、ケイ酸塩鉱物が溶融状態で環境中のガスを吸着できるという特徴を利用して、ケイ酸塩鉱物を標準ガスの担体として使用する。本発明において、好ましくは標準ガスの担体として、融点が比較的低い鉄かんらん石を使用する。
【0022】
本発明において、ケイ酸塩鉱物の粒度は、好ましくは50メッシュ以上である。本発明は、ケイ酸塩鉱物の粒度を上記範囲に限定することにより、ケイ酸塩鉱物の溶融速度を高めるのに有益である。
【0023】
本発明において、前記真空の真空度は、好ましくは0.00001Pa以下である。本発明は、真空条件下で加熱することにより、溶融状態のケイ酸塩鉱物が環境中の他のガスを予め吸着することを避けることができる。真空度を上記範囲に制御することは標準ガスの吸着に効果的である。
【0024】
本発明は、前記加熱温度に特別な要求がなく、前記ケイ酸塩鉱物を溶融すればよい。本発明は、加熱温度をケイ酸塩鉱物の溶融温度に制御し、ケイ酸塩鉱物が溶融状態で環境中のガスを吸着できるという特徴を利用して、ケイ酸塩鉱物を標準ガスの担体として使用する。
【0025】
本発明は、加熱装置に特別な規定がなく、必要な加熱温度及び真空度を提供すればよい。本発明は、ケイ酸塩鉱物の使用量に特別な規定がなく、選択された加熱装置によって許容される添加量に応じればよい。
【0026】
溶融状態のケイ酸塩鉱物を得た後、前記溶融状態のケイ酸塩鉱物を標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得、前記急速冷却の速度は50~200℃/minである。本発明は、前記冷却の速度を上記範囲に制御することで、標準ガスをケイ酸塩鉱物により良好に担持させることができる。
【0027】
本発明は、前記溶融状態のケイ酸塩鉱物を製造する条件下で、溶融状態のケイ酸塩鉱物が位置する真空環境に標準ガスを注入し、前記溶融状態のケイ酸塩鉱物を標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得ることが好ましい。
【0028】
本発明は、前記注入方式に特別な規定がなく、当業者に周知のガスを導入する技術的解決手段を採用すればよい。本発明は、前記標準ガスの使用量に特別な限定がなく、溶融状態のケイ酸塩鉱物が標準ガス雰囲気にあることを実現すればよい。本発明において、標準ガス雰囲気にある溶融状態のケイ酸塩鉱物は標準ガスの吸着を実現することができる。
【0029】
本発明において、前記標準ガスは、好ましくは希ガスであり、より好ましくはヘリウム及びキセノンである。本発明は、性質が安定した希ガスを標準ガスとして選択し、較正過程において反応が発生しにくく、較正の安定性を向上させる。
【0030】
本発明において、前記ヘリウムは、好ましくは質量数4のヘリウムである。本発明において、前記キセノンは、好ましくは質量数132のキセノン及び質量数129のキセノンである。本発明は、質量数4のヘリウム及び質量数132のキセノンを利用して、4~132の範囲の較正を実現でき、質量数129のキセノンは、較正精度を測定するための基準として使用される。
【0031】
標準試料を得た後、本発明は、前記標準試料を質量分析計の熱制御装置に予め取り付け、軌道上で加熱して、吸着した標準ガスを質量分析計に放出し、質量分析計の基本パラメータを軌道上で較正する。
【0032】
本発明において、前記軌道上で加熱する温度は、好ましくは600℃以上であり、軌道上で加熱する時間は、好ましくは10min以上である。本発明は、質量分析計に付属する熱制御装置を利用して、上記限定された温度及び時間範囲内で、製造された標準試料を軌道上で加熱して、標準試料中の標準ガスを全て放出することができ、放出された標準ガスは質量分析計に直接入り、放出された標準ガスを直接利用して、質量分析計の基本パラメータの較正を実現する。
【0033】
本発明において、前記基本パラメータは、好ましくは質量軸、分解能及び感度を含む。
【0034】
本発明は、前記質量軸、分解能及び感度の較正方法に特別な規定がなく、当業者に周知の、標準ガスを利用して質量分析計の質量軸、分解能及び感度を較正する方法を採用して較正すればよい。
【0035】
本発明は、ケイ酸塩鉱物が溶融状態で環境中のガスを吸着できるという特徴を利用して、真空条件下で、ケイ酸塩鉱物を加熱して溶融状態のケイ酸塩鉱物を得、それを標準ガスの環境に置いて吸着させた後、急速に冷却して標準試料を得、次に標準試料を質量分析計の熱制御装置に予め取り付け、質量分析計が所定の軌道に入った後、質量分析計を利用して物質試験を行う必要がある場合、標準試料を軌道上で加熱し、質量分析計が所定の軌道に入った後、標準試料を軌道上で加熱して、吸着した標準ガスを質量分析計に放出し、質量分析計の基本パラメータの較正を実現する。ケイ酸塩鉱物は加熱前にガスを放出しないため、標準ガスボンベの使用によるガス漏れのリスクを避け、ガスボンベに付属するバルブを必要としないため、質量分析計の重量を低減させ、さらにロケット発射コストを低減させる。
【0036】
以下、本発明における実施例を参照しながら、本発明における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を行わずに想到した全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0037】
実施例1
【0038】
真空高温炉内に鉄かんらん石粉末(ここで鉄かんらん石粉末の重量は1.5g、平均粒度は60メッシュである)を加え、炉内の真空度を0.00001Pa以下に制御し、鉄かんらん石粉末が1300℃で溶融するまで加熱し、この温度及び圧力下で、高温炉キャビティ内に4He、132Xe及び129Xeの混合ガスを注入し、次に炉キャビティの温度を急速に冷却して(冷却速度は180℃/minである)固体鉄かんらん石を形成して、標準ガスを含有する標準試料を得、標準試料を複数の部分に均一に分割し、その一部は標準試料のHe及びXeの含有量を分析して測定するために用いられ、他の試料は質量分析計の質量軸、分解能及び感度を較正するために用いられた。
【0039】
質量軸の較正:
【0040】
0.25gの製造された標準試料を質量分析計に付属する熱制御装置に入れ、熱制御装置を600℃に加熱して30分間維持した後、4He、132Xe及び129Xeガスを放出し、質量分析計を利用して放出されたガスを分析し、分析過程は低速走査を用いて、最小質量数から最大質量数まで走査し、分析して得られた質量スペクトルに3つのピークが現れ、この3つのピークがそれぞれ4、129、132の質量電荷比で現れる場合、較正する必要がなく、この3つのピークが対応する位置で現れない場合、それぞれ標準ガス4He及び132Xeの実際の質量数及び測定された対応する質量数を較正式y=ax+b(xはある標準ガスの実際の質量数を表し、yは質量スペクトルで測定された対応する標準ガスの質量数を表し、a及びbは較正因子を表す)に代入してa及びbを計算し、得られた較正式を利用して質量軸を較正し、129Xeの測定結果は較正された質量軸の精度を判断するために使用された。
【0041】
分解能の較正:
【0042】
質量スペクトルに現れた3つのピークは質量軸の較正を経た後、いずれかのピークの50%ピーク高さでのピーク幅は、質量分析計の分解能を示す。3つのピークのいずれかを選択し、式R=M/ΔM(Mは標準ガスの質量スペクトルに表示される質量数を表し、ΔMは50%ピーク高さでのピーク幅を表す)によってR値を計算する。R値が選択されたピークに対応する標準ガスの実際の質量数以上である場合、機器の動作が正常であることを示し、そうでない場合、機器が故障しているか又は調整する必要があり、故障が解決された後又は正常に調整した後に後続のテストを行う。
【0043】
感度の較正:
【0044】
質量分析計の感度の較正は、式φ=IV/CB*mによって実現される。ここでφは感度を表し、Iは分析して得られた標準試料中の4He、132Xe又は129Xeに対応する質量数に対応する電流を表し、Vは較正された質量分析計の分析キャビティの体積を表し、CBは質量分析計の熱制御装置に予め取り付けられた同じ標準試料中の4He、132Xe及び129Xeの含有量の測定を実現できる従来技術のいずれかの方法を用いて、得られた標準試料中の4He、132Xe及び129Xeの含有量を表し、mは質量分析計の熱制御装置に予め取り付けられた標準試料の質量を表す。
【0045】
要約すると、本発明が提供する技術的解決手段は、標準ガスをケイ酸塩鉱物に固定するため、標準ガスボンベ及びそれに付属するバルブを使用する必要がなく、軌道上でガスボンベからガスが漏れるリスクを避け、同時に質量分析計の重量を低減させ、さらにロケット発射コストを低減させる。
【0046】
以上の記載は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、指摘すべきとして、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、複数の改良及び修正を行うことができ、これらの改良及び修正も本発明の保護範囲と見なされるべきである。