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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20230210BHJP
【FI】
F24F7/06 101B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019033631
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020139651
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大和
(72)【発明者】
【氏名】殿垣内 崇
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-215629(JP,A)
【文献】実公平07-012826(JP,Y2)
【文献】特開平04-225744(JP,A)
【文献】特開平06-265186(JP,A)
【文献】中国実用新案第201866827(CN,U)
【文献】実開平03-020232(JP,U)
【文献】実開平03-020231(JP,U)
【文献】実開昭56-050930(JP,U)
【文献】実開昭62-198434(JP,U)
【文献】実開昭64-012141(JP,U)
【文献】特開2011-058765(JP,A)
【文献】実開昭59-174548(JP,U)
【文献】特開2017-009137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06-7/10
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ード本体を備えたレンジフードであって、
前記フード本体は、送風機を内蔵するファンボックスと、フロントフードと、を含み、
前記ファンボックスは、前記フード本体の上部に設けられ、
前記フロントフードは、前記フード本体の下部において調理者が立つ側である手前側に設けられ、
前記フロントフードは、フード前面部と、面材固定部と、を含み、
前記フード前面部は、前記ファンボックスから離れる方向に向かって前記面材固定部から突出し、
前記面材固定部に面材が取り付けられ
前記面材固定部は、開口を有し、
前記面材は、取付金具を備え、
前記開口と前記取付金具とが係合することを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
前記面材固定部に前記面材が取り付けられている状態において、前記面材と前記フード前面部とで略一平面を形成することを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記取付金具は、突起部と、水平面と、を有し、
前記面材固定部に前記面材が取り付けられている状態において、前記突起部は前記開口に挿入され、前記水平面は前記面材固定部の上面と当接することを特徴とする請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記送風機の運転を操作する操作部を前記フード前面部に設けたことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理機器の上方に設置され、調理時に発生する油煙を捕集して屋外に排気するレンジフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のレンジフードは、設置後に外観となる部分のデザインとして、吊戸棚との調和を目的として幕板が取り付けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、そのレンジフードについて図8を参照しながら説明する。
【0004】
図8は、特許文献1に開示されている従来のレンジフードの構成図である。下面を開口したフード101の上面に、調理時に発生する油煙を捕集して屋外へ排気する送風機(図示せず)を内部に収納したファンボックス102を設けている。このファンボックス102には屋外に連通配管されたダクト(図示せず)が連通接続されている。
【0005】
そして、フード101の側方には吊戸棚103が設置され、フード101と吊戸棚103との調和、および、フード101上方のファンボックス102とダクトを覆い隠す目的で、吊戸棚103または壁面104に固定された補助金具(図示せず)によって、幕板105がフード101の上面前部に取り付けられている。
【0006】
また、近年キッチンのデザイン性の向上が求められ、吊戸棚103の前面を構成する面材を幕板105として取り付けるものもあり、外観のデザインの調和が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-101529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来のレンジフードにおいて、フード前面部のデザインを吊戸棚や幕板と調和させようとすると、外観となるフード前面部を構成する板金部品の塗装色を選択すればよいが、吊戸棚の豊富な面材の種類(例えば、50~90種類)に対してフード前面部の選択できる塗装色(例えば、シルバー、黒、白)が限られるためデザインが調和しない、という課題を有していた。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、フード前面部と吊戸棚や幕板のデザインを調和させることができるレンジフードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、この目的を達成するために、本発明の一態様に係るレンジフードは、フード本体を備えたレンジフードであって、前記フード本体は、送風機を内蔵するファンボックスと、フロントフードと、を含み、前記ファンボックスは、前記フード本体の上部に設けられ、前記フロントフードは、前記フード本体の下部において調理者が立つ側である手前側に設けられ、前記フロントフードは、フード前面部と、面材固定部と、を含み、前記フード前面部は、前記ファンボックスから離れる方向に向かって前記面材固定部から突出し、
前記面材固定部に面材が取り付けられる構成としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フロントフード前面を豊富な面材の種類に合わせて選択して設置することができるので、フロントフード前面と吊戸棚や幕板のデザインを調和させることができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1におけるレンジフードを示す側面構成図
図2】同レンジフードを下方から見た斜視図
図3】同レンジフードを上方から見た斜視図
図4】同レンジフードのフロントフード、面材を取り外した状態の斜視図
図5】同レンジフードの面材固定部の詳細図
図6】同レンジフードの面材の詳細図
図7】同レンジフードの面材取り付け時の動きを示す側面断面図
図8】従来のレンジフードを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一態様に係るレンジフードは、フード本体を備えたレンジフードであって、前記フード本体は、送風機を内蔵するファンボックスと、フロントフードと、を含み、前記ファンボックスは、前記フード本体の上部に設けられ、前記フロントフードは、前記フード本体の下部において調理者が立つ側である手前側に設けられ、前記フロントフードは、フード前面部と、面材固定部と、を含み、前記フード前面部は、前記ファンボックスから離れる方向に向かって前記面材固定部から突出し、前記面材固定部に面材が取り付けられる。この構成により、フロントフード前面に、吊戸棚と同じく豊富な種類から選択した面材を設置することとなるので、フロントフード前面と吊戸棚や幕板のデザインを調和させることができる、という効果を奏する。
【0014】
また、前記面材固定部に前記面材が取り付けられている状態において、前記面材と前記フード前面部とで略一平面を形成するという構成にしてもよい。これにより、フード前面部と面材の前面部の凹凸がなくなり、同じ平面でフロントフード前面が揃うこととなるので、フロントフード前面と吊戸棚や幕板のデザインを調和させることができる。
【0015】
また、前記面材固定部は、開口を有し、前記面材は、取付金具を備え、前記開口と前記取付金具とが係合するという構成にしてもよい。これにより、現場でフード本体を設置した後でも、面材を選択して取り付けることが可能となるので、フロントフード前面と吊戸棚や幕板のデザインを調和させることができる。
【0016】
また、前記取付金具は、突起部と、水平面と、を有し、前記面材固定部に前記面材が取り付けられている状態において、前記突起部は前記開口に挿入され、前記水平面は前記面材固定部の上面と当接するという構成にしてもよい。これにより、フロントフードの前面および下面にねじやリベットの部品を露出させずに取り付けることが可能となるので、フロントフード前面と吊戸棚や幕板のデザインを調和させることができる。
【0017】
また、前記送風機の運転を操作する操作部を前記フード前面部に設けた構成にしてもよい。これにより、フード前面部に操作部(例えば樹脂製のスイッチなど)が配置されるためフード前面部の板金部品の塗装面積を減らすこととなるので、フロントフード前面と吊戸棚や幕板のデザインを調和させることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
まず、図1から図3を用いてレンジフードの基本構成について説明する。図1は、レンジフードの断面図である。図2は、レンジフードを下方から見た斜視図である。図3は、レンジフードを上方から見た斜視図である。
【0020】
図1に示すように、レンジフード1は、整流板2と、ファンボックス4と、フード本体6とを備える。
【0021】
コンロ等の調理機器(図示せず)の上方に、平板状の方形(四角形)の整流板2を設ける。
【0022】
フード本体6は、吸込口3と、排出口5と、フロントフード13とを有する。
【0023】
吸込口3は、整流板2の近傍に設けられる。具体的には、整流板2の手前側すなわち調理者(図示せず)が立つ側に設けられる。吸込口3は、調理する際に調理機器(例えば鍋やフライパン等)から発生する湯気や煙あるいは周囲の空気を吸い込む。吸込口3は、空間11と連通する。空間11は、整流板2とフード本体6とで仕切られる空間である。
【0024】
排出口5は、フード本体6の天面に設けられる。排出口5は、ダクト(図示せず)を介して屋外等と連通する。
【0025】
フード本体6は、手前側すなわち調理者が立つ側にフロントフード13を有している。フロントフード13は、フード本体6に対して着脱可能である。
【0026】
ファンボックス4は、フード本体6の上部に設置される。具体的には、ファンボックス4は、フード本体6の上方すなわち天井側において、整流板2の奥側すなわち調理者が立つ側と対向する側に設けられる。ファンボックス4は、吸込口3の上方に設けた空間11と連通するようにフード本体6に対して設置される。
【0027】
ファンボックス4は、モーター7と、シャフト9と、遠心ファン12(送風機)とを内蔵する。遠心ファン12は、ファンボックス4の排出口5付近に設けられる。モーター7は、直流あるいは交流で回転する。モーター7が回転することで、シャフト9を介して結合した複数のブレード10を有した遠心ファン12が回転する。遠心ファン12が回転することで、吸込口3から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を外周へ排気する。遠心ファン12は、例えばシロッコファンあるいはターボファン等である。
【0028】
レンジフード1において、吸込口3と排出口5を結ぶ通風路が形成される。油煙等を含む空気は、遠心ファン12の作動によって吸込口3から吸い込まれ、通風路を通って、排出口5から吐き出される。
【0029】
次に、図4を用いてフロントフードの構成について説明する。
【0030】
図4に示すように、フロントフード13は、フード前面部14と、面材固定部15とを有する。
【0031】
フード前面部14は、ファンボックス4から離れる方向に向かって面材固定部15から突出している。すなわち、フロントフード13は、平面視において略T字形状である。
【0032】
レンジフード1の運転を操作するスイッチ等の操作部21(例えば樹脂製のスイッチなど)をフード前面部14に設ける。フード前面部14は主に板金で構成されるが、フード前面部14に操作部21が配置されることで、フード前面部14の板金部品の塗装面積を減らすこととなる。その結果、フロントフード13前面と吊戸棚やカウンター下方の扉部、フード本体6上方の幕板のデザインを調和させることができるという効果を奏する。
【0033】
面材固定部15には面材16が取り付けられる。面材固定部15は、フロントフード13の両端に設けられる。面材固定部15は、フロントフード13の一部を切り欠いた部分であり、切り欠いた部分に面材16が取り付けられることとなる。
【0034】
すなわち、面材16は、面材固定部15に対して着脱可能である。
【0035】
この構成により、フロントフード13前面の面材固定部15に取り付けられる面材16を、キッチンの吊戸棚やカウンター下方の扉部、フード本体6上方の幕板と同じく豊富な種類の面材(例えば、50~90種類)から選択することができる。その結果、キッチンのデザイン性の向上が求められるなか、フロントフード13前面と吊戸棚や幕板のデザインを統一でき調和させることができるという効果を奏する。
【0036】
また、キッチンの外観の印象を変える小規模なリフォーム等で、吊戸棚やカウンター下方の扉部やフード本体6上方の幕板の面材16のデザインのみを変える際、フード本体6を買い替えることなく、面材固定部15から面材16を取り外すことで周囲のデザイン変更に対応し調和することができるという効果も奏する。
【0037】
面材固定部15は、図5に示すように、例えば縦長のスリット状の開口17を有している。開口17と後述する取付金具18とが係合する。
【0038】
また、面材固定部15に面材16が取り付けられている状態において、面材16とフード前面部14とで略一平面を形成する(図3参照)。この構成により、フード前面部14と面材16の前面部の凹凸がなくなり、同じ平面でフロントフード13前面が揃うこととなるので、結果、同じく前面が揃っている吊戸棚と幕板にデザインを調和させることができるという効果を奏する。
【0039】
面材16は、図6に示すように、外観となる面に対向する側に取付金具18を備える。取付金具18は、突起部19と、水平面20と、を有する。
【0040】
突起部19は、面材16の背面(フロントフードと対向する面)側から突出している。
【0041】
水平面20は、面材16の背面側の上面端部から突出している。水平面20には、ねじ穴22が設けられる。
【0042】
以下、図7を参照しながら、面材の取付方法について説明する。
【0043】
まず、図7(a)に示すように、突起部19を開口17に挿入する(図7(a))。そして、突起部19が開口17に挿入された状態で面材16を下方へ移動させることで(図7(b))、水平面20は面材固定部15の上面15aと当接する(図7(c))。水平面20と上面15aとが当接している状態で、ねじ穴22からねじ(図示せず)を挿入し、面材16を面材固定部15に固定する。
【0044】
この構成により、現場で例えばリフォームやリノベーション、新築の際に、フード本体6を取り付け設置した後でも、面材16を選択して取り付けることが可能となるので、結
果、フロントフード13前面と吊戸棚やカウンター下方の扉部、フード本体6上方の幕板のデザインを調和させることができるという効果を奏する。また、フロントフード13前面および下面に固定用のねじやリベット等の部品を露出させずに面材を取り付けることが可能となる。その結果、フロントフード13前面と吊戸棚やカウンター下方の扉部、フード本体6上方の幕板のデザインを調和させることができるという効果を奏する。さらに、水平面20が面材固定部15の上面15aと当接することに加えて、開口17と突起部19が係合することで、フロントフード13と面材16との固定がより安定する。
【0045】
なお、フード前面部14の前面をすべて操作部21とする構成にしてもよい。
【0046】
この構成により、面材16、塗装部分、操作部21と大きく3種類の素材が外観に表れていたフロントフード13前面を、面材16と操作部21の2種類の素材で形成することができる。その結果、フロントフード13前面と吊戸棚やカウンター下方の扉部、フード本体6上方の幕板のデザインを調和させることができるという効果を奏する。
【0047】
さらに、操作部21は凹凸のない例えばガラスやアクリルを素材とした電位変化や静電容量変化で操作を行う静電タッチ方式や液晶方式としてもよい。これにより、フロントフード13前面と吊戸棚やカウンター下方の扉部、フード本体6上方の幕板のデザインを調和させることができるという効果を奏する。
【0048】
また、本実施の形態では、壁付けタイプで説明したが、背面を壁に取り付けるタイプや側面を取り付けるサイドフード、天井に吊り下げるセンターフードであってもよい。
【0049】
さらに、本実施の形態では、面材の固定方法はねじとしたが、磁石等を使用してもよい。
【0050】
以上、本発明に係るレンジフードについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、フード前面部と吊戸棚や幕板等のデザインを調和させることを可能とするものであるので、外観部のデザインの調和が求められる換気装置やその他周辺機器等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 レンジフード
2 整流板
3 吸込口
4 ファンボックス
5 排出口
6 フード本体
7 モーター
9 シャフト
10 ブレード
11 空間
12 遠心ファン
13 フロントフード
14 フード前面部
15 面材固定部
15a 上面
16 面材
17 開口
18 取付金具
19 突起部
20 水平面
21 操作部
22 ねじ穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8