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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】化粧壁材及び壁
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20230210BHJP
【FI】
E04F13/08 V
E04F13/08 101K
E04F13/08 101L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018095169
(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2019199756
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】505024730
【氏名又は名称】株式会社オオカワ
(74)【代理人】
【識別番号】100209152
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 幹男
(72)【発明者】
【氏名】大川 明宏
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-131412(JP,U)
【文献】特開2014-114610(JP,A)
【文献】米国特許第04744189(US,A)
【文献】特開2010-261254(JP,A)
【文献】特開2011-058218(JP,A)
【文献】特開2016-089411(JP,A)
【文献】登録実用新案第3135532(JP,U)
【文献】実開昭62-088003(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04B 1/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の平面と第二の平面を有しており、前記第二の平面が前記第一の平面に対して対向する基板と、
前記基板の前記第一の平面を覆う意匠部と前記基板の縁に沿って折り返されて前記基板の前記第二の平面に固定される縁部とを有するカバー材と、
前記基板の前記第一の平面に接して前記基板と前記カバー材との間に配置され、かつ基板の第一の平面とほぼ同様の形状及び寸法を有する第一のクッション材と、
前記第一のクッション材と前記基板の側面を覆うように接して前記第一のクッション材と前記カバー材との間に配置され、かつ前記基板の縁に沿って折り返されて前記基板の前記第二の平面に固定される縁部を有する第二のクッション材と、を備え、
前記第二のクッション材の縁部が前記カバー材の縁部とともに前記基板の前記第二の平面に固定手段によって固定されている化粧壁材。
【請求項2】
壁基材への取り付けるための取付部材が、前記基板の前記第二の平面側に設けられている請求項1に記載の化粧壁材。
【請求項3】
請求項1に記載の化粧壁材を複数壁基材に取り付けられて構成された、壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧壁材及び壁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人が生活したり活動する空間は、建築基材そのものがむき出しの壁で囲まれていたり、壁紙が貼り付けられた壁で囲まれていたり、又は化粧合板が貼り付けられた壁で囲まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのために次のような問題点があった。
【0004】
建築基材そのものがむき出しで壁が構成されたり、壁紙、化粧合板が貼り付けられて壁が構成されたりしている場合、傷や汚れが壁に付着すると、傷や汚れを取り除くのが難しく、また壁が建築基材のままである場合には不注意による怪我や車庫等における車の開閉による車の外装の傷が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、傷や汚れが付着しても容易に壁を交換ができ、かつ緩衝ある壁とすることができる化粧壁材及び壁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、次の発明により達成される。
すなわち、本発明に係る化粧壁材及び壁は、第一の平面と第二の平面を有しており、第二の平面が第一の平面に対して対向する基板と、前記基板の前記第一の平面を覆う意匠部と、前記基板の縁に沿って折り返されて前記基板の前記第二の平面に固定される縁部とを有するカバー材と、を備える化粧壁材。
前記化粧壁材において、好ましくは、前記基板と前記カバー材との間に配置されるクッション材を、さらに備える。
前記化粧壁材において、好ましくは、前記基板の前記第一の平面を覆うように前記基板と前記カバー材との間に配置されるクッション材をさらに備え、前記クッション材の縁部が前記カバー材の縁部とともに前記基板の前記第二の平面に固定されている。
前記化粧壁材において、好ましくは、前記基板の前記第一の平面に接して前記基板と前記カバー材との間に配置され、かつ基板の第一の平面とほぼ同様の形状及び寸法を有する第一のクッション材と、前記第一のクッション材を覆うように接して前記第一のクッション材と前記カバー材との間に配置され、かつ前記基板の縁に沿って折り返されて前記基板の前記第二の平面に固定される縁部を有する第二のクッション材とをさらに備え、前記第二のクッション材の縁部が前記カバー材の縁部とともに前記基板の前記第二の平面に固定手段によって固定されている。
前記化粧壁材において、壁基材への取り付けるための取付部材が、前記基板の前記第二の平面側に設けられている。
前記記載のいずれかの化粧壁材を複数壁基材に取り付けられて構成された、壁。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、傷や汚れが付着しても容易に化粧壁材を交換することができ、緩衝ある壁とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一の実施形態及び第二の実施形態に係る化粧壁材が取り付けられた空間の一部を模式的に示す図である。
図2図1に示すA1―A2断面図である。
図3図1に示すB1―B2断面図である。
図4】本発明の第三の実施形態及び第四の実施形態に係る化粧壁材が取り付けられた空間の一部を模式的に示す図である。
図5図4に示すC1―C2断面図である。
図6図4に示すD1―D2断面図である。
図7】本発明の第一の実施形態に係る化粧壁材が取り付けられた壁の一部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、図示する形態に沿って説明するが、本発明の範囲において適宜変更することができる。
【0010】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る化粧壁材10は、図2に示すように、第一の平面11aと第二の平面11bを有しており、第二の平面11bが第一の平面11aに対して対向する基板11と、前記基板11の前記第一の平面11aを覆う意匠部12aと、前記基板11の縁に沿って折り返されて前記第二の平面11bに固定手段13で固定される縁部12bとを有するカバー材12と、を備える。
【0011】
基板11は例えば木材、合板、合成樹脂で平板状に構成される。カバー材12は例えば合成皮革、本革、織物等の生地材で構成されうる。固定手段13は例えばタッカー針や接着テープのような留め具で構成される。タッカー針のような針の場合には複数の針で固定される。固定手段13は留め具のほか接着剤をカバー材12と基板11との間に塗布してもよい。
【0012】
一つの化粧壁材10のみを取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合、化粧壁剤10はその奥壁1、側壁2の形状、寸法に沿って構成される。複数の化粧壁材10を隙間なく取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合には、基板1が長方形状、正方形状などの四角形状や、三角形状、多角形状でもそれらを組み合わせて、複数の化粧壁材10を構成してもよい。隙間の有無を気にしない場合には円形状等でもよい。
【0013】
壁基材へ取り付けるための取付部材14が、基板11の第二の平面11b側に設けられている。ことが好ましい。取付部材14は、例えば面ファスナー又は両面テープで構成される。取付部材14が面ファスナーで構成される場合には、面ファスナーの雄部、雌部の一方14aを基板11の第二の平面11b側に取り付け、他方14bを建築基材の壁基材側に取り付ける。
【0014】
第一の実施形態によれば、建築基材そのものがむき出しで壁が構成されることなく、傷や汚れが付着した化粧壁材10のみを交換すればよい。また、カバー材12の素材によっては汚れを拭き取れば取り除くことができ交換の必要すらない。
加えて、建築基材むき出しの壁に取り付けた場合、例えば車庫の壁面に取り付けた場合には自動車の扉の不注意による開閉によって、自動車の外装が傷つくのを軽減できる。
【0015】
傷や汚れが壁に付着すると、当該部分の化粧壁材のみを交換すればよいので、建築基材そのものを交換するということがない。
【0016】
一又は複数の化粧壁材10で壁を構成する場合において、一つのカバー材12又は複数のカバー材12に予め定められた模様やデザインが付され、当該模様やデザインで、壁で囲まれた空間で行われる活動と一体化することができ、さらに、一以上の化粧壁材10が活動内容により交換することにより、壁の模様やデザインを変えることもできる。これにより活動の活性化を促すことができる。
【0017】
化粧壁材10において、基板11にカバー材12をある程度の張力により上下左右方向に引っ張って固定するので、カバー材12が弛むこともない。
【0018】
(第二の実施形態)
第二の実施形態は第一の実施形態を改変して構成される。第二の実施形態に係る化粧壁材20は、図3で示すように第一の平面21aと第二の平面21bを有しており、第二の平面21bが第一の平面21aに対して対向する基板21と、前記基板21の前記第一の平面21aを覆う意匠部22aと、前記基板21の縁に沿って折り返されて前記第二の平面21bに固定手段23で固定される縁部22bとを有するカバー材22と、前記基板21と前記カバー材22との間に配置されるクッション材25を、備える。
【0019】
基板21は例えば木材、合板、合成樹脂などで平板状に構成される。カバー材22は例えば合成皮革、本革、織物等の生地材で構成される。固定手段23は例えばタッカー針や接着テープのような留め具で構成されうる。タッカー針のような針の場合には複数の針で固定される。固定手段23は留め具のほか接着剤をカバー材22と基板21との間に塗布してもよい。
【0020】
一つの化粧壁材20のみを取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合、化粧壁材20はその奥壁1、側壁2の形状、寸法に沿って構成される。複数の化粧壁材20を隙間なく取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合には、基板21が長方形状、正方形状などの四角形状や、三角形状、多角形状でもそれらを組み合わせて、複数の化粧壁材20を構成してもよい。隙間の有無を気にしない場合には円形状等でもよい。
【0021】
取付部材24は、例えば面ファスナー又は両面テープで構成される。面ファスナーで取付部材24を構成する場合には、面ファスナーの雄部、雌部の一方24aを基板21の第二の平面21b側に取り付け、他方24bを建築材の壁基材側に取り付ける。
【0022】
クッション材25は、例えばウレタン材などの高分子材料で所定の厚みを有するように構成され、基板21の第一の平面21aとほぼ同様の形状及び寸法を有するが、クッション材25の厚みは設置される壁の箇所や空間の用途に応じて適宜設定される。化粧壁材20がクッション材25を備えることにより、化粧壁材20に弾力性を持たせることができ、緩衝性を有する。例えばウレタン材を用いた場合、化粧壁材20で囲まれた空間内では生じる雑音を遮断し得る。
【0023】
クッション材25は、図示する形態では、ほぼ立方体形状であるが、空間側に対して凹凸を設けるようにしてもよい。これにより、様々な活動空間に応じた意匠壁面を醸し出すことができる。
【0024】
第二の実施形態は第一の実施形態での構成を全て含むので、第二の実施形態は第一の実施形態での作用効果を有する。すなわち、第二の実施形態によれば、建築基材そのものがむき出しで壁が構成されることなく、傷や汚れが付着した化粧壁材20のみを交換すればよい。また、カバー材22の素材によっては汚れを拭き取れば取り除くことができ交換の必要すらない。
【0025】
傷や汚れが壁に付着すると、当該部分の化粧壁材のみを交換すればよいので、建築基材そのものを交換するということがない。
【0026】
一又は複数の化粧壁材20で壁を構成する場合において、一つのカバー材22又は複数のカバー材22に予め定められた模様やデザインが付され、当該模様やデザインで、壁で囲まれた空間で行われる活動と一体化することができ、さらに、一以上の化粧壁材20が活動内容により交換することにより、壁の模様やデザインを変えることもできる。これにより活動の活性化を促すことができる。
【0027】
化粧壁材20において、基板21にカバー材22をある程度の張力により上下左右方向に引っ張って固定するので、カバー材22が弛むこともない。
【0028】
(第三の実施形態)
第三の実施形態は第一の実施形態を改変して構成される。第三の実施形態に係る化粧壁材30は、図5で示すように第一の平面31aと第二の平面31bを有しており、第二の平面31bが第一の平面31aに対して対向する基板31と、前記基板31の前記第一の平面31aを覆う意匠部32aと、前記基板31の縁に沿って折り返されて前記第二の平面31bに固定される縁部32bとを有するカバー材32と、前記基板31の前記第一の平面31aを覆うように前記基板31と前記カバー材32との間に配置されるクッション材35をさらに備え、前記クッション材35の縁部35aが前記カバー材32の縁部32bとともに前記基板31の前記第二の平面31bに固定されている。
【0029】
基板31は例えば木材、合板、合成樹脂で平板状に構成される。カバー32は例えば合成皮革、本革、織物等の生地材で構成されうる。固定手段33は例えばタッカー針や接着テープのような留め具で構成されうる。タッカー針のような針の場合には複数の針で固定される。固定手段33は留め具のほか接着剤をカバー材32とクッション材35と基板31との間に塗布してもよい。
【0030】
一つの化粧壁材30のみを取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合、化粧壁材30はその奥壁1、側壁2の形状、寸法に沿って構成される。複数の化粧壁材20を隙間なく取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合には、基板31が長方形状、正方形状などの四角形状や、三角形状、多角形状でもそれらを組み合わせて、複数の化粧壁材30を構成してもよい。隙間の有無を気にしない場合には円形状等でもよい。
【0031】
取付部材34は、例えば面ファスナー又は両面テープで構成される。面ファスナーで取付部材34を構成する場合には、面ファスナーの雄部、雌部の一方34aを基板31の第二の平面31b側に取り付け、他方34bを建築材の壁基材側に取り付ける。
【0032】
クッション材35は、ウレタン材などの高分子材料で所定の厚みを有するように構成され、基板31の第一の平面31aとほぼ同様の形状及び寸法を有するが、クッション材35の厚みは設置される壁の箇所や空間の用途に応じて適宜設定される。化粧壁材30がクッション材35を備えることにより、化粧壁材30に弾力性を持たせることができる。クッション材35は、基板31とカバー材32との間に配置されていることから、化粧材30に於いてクッション材35が内包される面に於いてさらに緩衝性を有する。例えばクッション材35がウレタン材である場合には、化粧壁材30で囲まれた空間内では生じる雑音を遮断し得る。
【0033】
クッション材35は、図示する形態では、ほぼ立方体形状であるが、空間側に対して凹凸を設けるようにしてもよい。これにより、様々な活動空間に応じた意匠壁面を醸し出すことができる。
【0034】
第三の実施形態は第一の実施形態の構成を全て含むので、第三の実施形態は第一の実施形態での作用効果を有する。すなわち、第三の実施形態によれば、建築基材そのものがむき出しで壁が構成されることなく、傷や汚れが付着した化粧壁材30のみを交換すればよい。また、カバー材32の素材によっては汚れを拭き取れば取り除くことができ交換の必要すらない。
【0035】
傷や汚れが壁に付着すると、当該部分の化粧壁材のみを交換すればよいので、建築基材そのものを交換するということがない。
【0036】
一又は複数の化粧壁材30で壁を構成する場合において、一つのカバー材32又は複数のカバー材32に予め定められた模様やデザインが付され、当該模様やデザインで、壁で囲まれた空間で行われる活動と一体化することができ、さらに、一以上の化粧壁材30が活動内容により交換することにより、壁の模様やデザインを変えることもできる。これにより活動の活性化を促すことができる。
【0037】
化粧壁材30において、基板31にカバー材32をある程度の張力により上下左右方向に引っ張って固定するので、カバー材32が弛むこともない。
【0038】
第四の実施形態は第一の実施形態を改変して構成される。第四の実施形態に係る化粧壁材40は、図6で示すように第一の平面41aと第二の平面41bを有しており、第二の平面41bが第一の平面41aに対して対向する基板41と、前記基板41の前記第一の平面41aを覆う意匠部42aと前記基板41の縁に沿って折り返されて前記基板41の前記第二の平面41bに固定される縁部42bとを有するカバー材42と、前記基板41の前記第一の平面41aに接して前記基板41と前記カバー材42との間に配置され、かつ基板41の第一の平面41aとほぼ同様の形状及び寸法を有する第一のクッション材45と、前記第一のクッション材45を覆うように接して前記第一のクッション材45と前記カバー材42との間に配置され、かつ前記基板41の縁に沿って折り返されて前記基板41の前記第二の平面41bに固定される縁部46aを有する第二のクッション材46とを備え、前記第二のクッション材46の縁部46aが前記カバー材42の縁部42bとともに前記基板41の前記第二の平面41bに固定手段43によって固定される構成である。
【0039】
基板41は例えば木材、合板、合成樹脂で平板状に構成される。カバー材42は例えば合成皮革、本革、織物等の生地材で構成されうる。固定手段43は例えばタッカー針や接着テープのような留め具で構成されうる。タッカー針のような針の場合には複数の針で固定される。固定手段43は留め具のほか接着剤をカバー材42と各クッション材45、46と基板41との間に塗布してもよい。
【0040】
一つの化粧壁材40のみを取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合、化粧壁材40はその奥壁1、側壁2の形状、寸法に沿って構成される。複数の化粧壁材40を隙間なく取り付けて奥壁1、側壁2を構成する場合には、基板41が長方形状、正方形状などの四角形状や、三角形状、多角形状でもそれらを組み合わせて、複数の化粧壁材40を構成してもよい。隙間の有無を気にしない場合には円形状等でもよい。
【0041】
取付部材44は、例えば面ファスナー又は両面テープで構成される。面ファスナーで取付部材44を構成する場合には、面ファスナーの雄部、雌部の一方44aを基板41の第二の平面41b側に取り付け、他方44bを建築材の壁基材側に取り付ける。
【0042】
第一クッション材45及び第二クッション材46は、例えばウレタン材などの高分子材料で構成さる。化粧壁材40が第一クッション材45及び第二クッション材46を備えることにより、化粧壁材40に弾力性を持たせることができ、さらに緩衝性を有する。加えて化粧壁材40に第二クッション材46が内包されていることから、当該内包されている部分も緩衝性を有する。第一クッション材45は基板41の第一の平面41aとほぼ同様の形状及び寸法を有するが、第一クッション材45及び第二クッション材46の厚みは設置される壁の箇所や空間の用途に応じて適宜設定される。第二クッション材46が第一クッション材45より高い硬度となることはない。例えば、少なくとも第一クッション材45或は第二クッション材46がウレタン材である場合には、化粧壁材40で囲まれた空間内では生じる雑音を遮断し得る。
【0043】
第一クッション材45は、図示する形態では、ほぼ立方体形状であるが、空間側に対して凹凸を設けるようにしてもよい。これにより、様々な活動空間に応じた意匠壁面を醸し出すことができる。
【0044】
第四の実施形態は第一の実施形態の構成を全て含むので、第四の実施形態は第一の実施形態での作用効果を有する。すなわち、第四の実施形態によれば、建築基材そのものがむき出しで壁が構成されることなく、傷や汚れが付着した化粧壁材40のみを交換すればよい。また、カバー材42の素材によっては汚れを拭き取れば取り除くことができ交換の必要すらない。
【0045】
傷や汚れが壁に付着すると、当該部分の化粧壁材のみを交換すればよいので、建築基材そのものを交換するということがない。
【0046】
一又は複数の化粧壁材40で壁を構成する場合において、一つのカバー材42又は複数のカバー材42に予め定められた模様やデザインが付され、当該模様やデザインで、壁で囲まれた空間で行われる活動と一体化することができ、さらに、一以上の化粧壁材40が活動内容により交換することにより、壁の模様やデザインを変えることもできる。これにより活動の活性化を促すことができる。
【0047】
化粧壁材40において、基板41にカバー材42をある程度の張力により上下左右方向に引っ張って固定するので、カバー材42が弛むこともない。
【0048】
(第5実施形態)
第一乃至第五の実施形態の化粧壁材を複数壁基材に取り付ける。その際、化粧壁材が所定の形を作り出すように配置し、その空間のイメージを持たせることにより、設置場所のイメージを高める。例えば複数には、第一乃至第五の実施形態の化粧壁材の組み合わせによる複数でもよい。所定の形には、図7で図示したものに限らず、各種の幾何学的模様、情報を読み取らせることができる形状などが含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 壁
1a 奥壁
1b 側壁
2 柱
3 床面
10,20,30,40 化粧壁材
11,21,31,41 基板
11a,21a,31a,41a 第一の平面
11b,21b,31b,41b 第二の平面
12,22,32,42 カバー材
12a,22a,32a,42a 意匠部
12b,22b,32b,42b カバー材の縁部
13,23,33,43 固定手段
14,24,34,44 取付部材
14a,24a,34a,44a 面ファスナーの雄部、雌部の一方
14b,24b,34b,44b 面ファスナーの雄部、雌部の他方
25,35 クッション材
35a クッション材の縁部
45 第一のクッション材
46 第二のクッション材
46a 第二のクッション材の縁部



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7