(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】広告表現判定装置及び記憶媒体並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20230210BHJP
【FI】
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2022568421
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 JP2022030996
【審査請求日】2022-12-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519142697
【氏名又は名称】株式会社アートワークスコンサルティング
(74)【代理人】
【識別番号】100120075
【氏名又は名称】大山 浩明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聡
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154840(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114677178(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110309388(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0315142(US,A1)
【文献】特許第6621095(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現の使用可否を判定する判定データを記憶する記憶部と、
前記広告表現を取得する取得部と、
前記広告表現について、前記国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得する翻訳部と、
前記広告表現について、前記国ごとの使用可否を前記判定データに基づいて判定する表現判定部と、
前記広告表現についての前記国ごとの言語表現と前記国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力する出力部と、
を備える広告表現判定装置。
【請求項2】
前記判定データは、複数の前記審査ガイドラインごとに、少なくとも1国で使用不可となる広告表現についての前記国ごとの言語表現と前記国ごとの使用可否を含む
請求項1に記載の広告表現判定装置。
【請求項3】
前記広告表現は、ウェブ広告に含まれる広告表現であり、
前記取得部は、前記ウェブ広告のURLに基づいて前記広告表現を取得し、
前記表示データは、前記広告表現について少なくとも前記国ごとに使用不可の数を表示するデータを含む
請求項2に記載の広告表現判定装置。
【請求項4】
前記表示データは、
前記広告表現のうち少なくとも1国で使用不可と判定された広告表現に強調表示を付した前記ウェブ広告の表示と、
前記強調表示を付される前記広告表現にカーソルを合わせると、少なくともその広告表現が使用不可となる国を表示するポップアップ表示と、を表示するデータを含む
請求項3に記載の広告表現判定装置。
【請求項5】
前記ウェブ広告は、動画であり、
前記取得部は、前記ウェブ広告のURLに基づいて前記動画の音声テキストデータから前記広告表現を取得する
請求項4に記載の広告表現判定装置。
【請求項6】
前記表示データは、
世界地図の表示と、
前記世界地図上で少なくともその広告表現が使用不可となる国の位置を示すマーク表示と、
前記マーク表示に関連づけられ、少なくともその広告表現が使用不可となる国を表示するポップアップ表示と、を表示するデータを含む
請求項5に記載の広告表現判定装置。
【請求項7】
前記表示データは、
前記広告表現がその国で使用不可となる理由を表示するデータを含む
請求項6に記載の広告表現判定装置。
【請求項8】
広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現を判定する広告判定処理をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記広告判定処理は、
広告表現を取得するステップと、
前記広告表現について、前記国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得するステップと、
前記広告表現について、前記審査ガイドラインに基づき前記国ごとの使用可否を判定するステップと、
前記広告表現についての前記国ごとの言語表現と前記国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力するステップと、
を含む記憶媒体。
【請求項9】
広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現を判定する広告判定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記広告判定処理は、
広告表現を取得するステップと、
前記広告表現について、前記国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得するステップと、
前記広告表現について、前記審査ガイドラインに基づき前記国ごとの使用可否を判定するステップと、
前記広告表現についての前記国ごとの言語表現と前記国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力するステップと、
を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表現の使用可否を判定する広告表現判定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
広告表現を判定する装置としては、例えば特許文献1のような表示情報判定装置がある。この装置は、薬機法、景表法等の法令類の下で使用できないメッセージがデータベース化され、入力された広告メッセージがデータベースにあるか否かを検索することで、その広告メッセージの使用の可否を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用できない広告表示についての法令類は各国ごとに異なるので、ある国で禁止されている広告表現が、他の国では使用できる場合がある。逆に自国では当然に使用できる広告表現が、他の国では使用できない場合もある。例えば「哺乳瓶」は日本では当然のように使用できる。ところが、ブラジルやインドでは、「哺乳瓶」は赤ちゃんの肥満に関連するとして広告表現としては使用できない。しかもGoogle(登録商標)ADやTikTok(登録商標)ADなどの広告媒体ごとに広告審査ガイドラインがあり、この広告審査ガイドラインに基づいて各国ごとに広告審査が行われる。このため、ある国で審査を通った広告表現でも他の国の広告審査が通らない場合もある。
【0005】
この点、法令類やガイドラインのデータベースを世界仕様にして、各国の広告表現をそれぞれ他の国の法令類やガイドラインに照らし合わせて使用可否を判定することも考えられる。ところが、各国ごとに広告表現を翻訳して別々に判定するのは非常に手間がかかる。例えばウェブ広告や動画広告を、各国を対象に運用する場合には、様々な国の広告審査を通す必要がある。その場合に、広告表現がどの国で使用可能(使用OK)で、どの国で使用不可(使用NG)なのかを、広告表現ごとに見つけるのは容易ではない。
【0006】
このような事情を考慮して、本発明は、各国ごとの広告表現の使用可否をリスト表示することで、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる広告表現判定装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の広告表現判定装置は、広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現の使用可否を判定する判定データを記憶する記憶部と、広告表現を取得する取得部と、広告表現について、国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得する翻訳部と、広告表現について、国ごとの使用可否を判定データに基づいて判定する表現判定部と、広告表現についての国ごとの言語表現と国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力する出力部とを備える。本態様の装置によれば、取得した広告表現について、国ごとの言語表現と国ごとの使用可否がリスト表示されるので、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる。したがって、その広告表現が各国ごとに広告審査を満たすか否かが分かるので、その広告表現がどの国の広告審査を通るかを一目で把握できる。
【0008】
本発明の好適な態様において、判定データは、複数の審査ガイドラインごとに、少なくとも1国で使用不可となる広告表現についての国ごとの言語表現と国ごとの使用可否を含む。本態様による判定データを用いて広告表現を判定すれば、審査ガイドラインごとに、その広告表現が各国ごとにどの広告審査を満たすか否かが分かる。したがって、審査ガイドラインに則して複数国に広告を出したいときに、その広告表現がどの国の広告審査を通るかの確認を容易に行うことができる。
【0009】
本発明の好適な態様において、広告表現は、ウェブ広告に含まれる広告表現であり、取得部は、ウェブ広告のURLに基づいて広告表現を取得し、表示データは、広告表現について少なくとも国ごとに使用不可の数を表示するデータを含む。本態様によれば、ウェブ広告のURLに基づいて広告表現を取得するので、ウェブ広告に含まれる広告表現を一度に判定できる。これにより、広告表現判定の手間と時間を大幅に省くことができる。しかも、少なくとも国ごとに使用不可の広告表現の数を表示するデータを含むので、あとどの程度の広告表現を修正すれば、広告審査を通すことができるかが容易に分かる。
【0010】
本発明の好適な態様において、表示データは、広告表現のうち少なくとも1国で使用不可と判定された広告表現に強調表示を付したウェブ広告の表示と、強調表示を付される広告表現にカーソルを合わせると、少なくともその広告表現が使用不可となる国を表示するポップアップ表示と、を表示するデータを含む。本態様によれば、ウェブ広告上でどの広告表現がどの国で使用できないかが一目でわかる。
【0011】
本発明の好適な態様において、ウェブ広告は、動画であり、取得部は、ウェブ広告のURLに基づいて動画の音声テキストデータから広告表現を取得する。本態様によれば、ウェブ広告が動画であっても、その動画に含まれる音声テキストデータから広告表現を取得するので、ウェブ広告が動画でない場合と同様に広告表現を判定できる。これにより、ウェブ広告が動画であっても、各国ごとの広告表現の使用可否をリスト表示することができるので、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる。しかも、ウェブ広告の動画サイトに含まれる広告表現を一度に判定できるので、広告表現判定の手間と時間を大幅に省くことができる。
【0012】
本発明の好適な態様において、表示データは、世界地図の表示と、世界地図上で少なくともその広告表現が使用不可となる国の位置を示すマーク表示と、マーク表示に関連づけられ、少なくともその広告表現が使用不可となる国を表示するポップアップ表示とを表示するデータを含む。本態様によれば、その広告表現がどの国で使用不可となるのか世界地図上の位置で理解できる。特に複数国で使用不可となっている場合にもどの国や地域で使用不可なのかも一目でわかる。また表示データには、世界地図上のマーク表示に関連づけられ、少なくともその広告表現が使用不可となる国を表示するポップアップ表示が含まれるので、世界地図上のマーク表示で示された使用不可の国が一目でわかる。
【0013】
本発明の好適な態様において、表示データは、広告表現がその国で使用不可となる理由を表示するデータを含む。本態様によれば、広告表現がその国で使用不可となる理由まで分かるので、広告表現を修正しやすくなる。
【0014】
本発明の好適な態様において、本発明の記憶媒体は、広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現を判定する広告判定処理をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、広告判定処理は、広告表現を取得するステップと、広告表現について、国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得するステップと、広告表現について、審査ガイドラインに基づき国ごとの使用可否を判定するステップと、広告表現についての国ごとの言語表現と国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力するステップとを含む。本態様の記憶媒体のプログラムをコンピュータで読み取って実行させることで広告判定処理を実行でき、コンピュータを広告表現判定装置として機能させることができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現を判定する広告判定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、広告判定処理は、広告表現を取得するステップと、広告表現について、国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得するステップと、広告表現について、審査ガイドラインに基づき国ごとの使用可否を判定するステップと、広告表現についての国ごとの言語表現と国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力するステップとを含む。本態様のプログラムを実行することで広告判定処理を実行でき、コンピュータを広告表現判定装置として機能させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、各国ごとの広告表現の使用可否をリスト表示することで、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る広告表現判定システムの構成例を示す図である。
【
図2】広告表現判定装置と端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】第1実施形態のワード入力画面の具体例を示す図である。
【
図8】第1実施形態の広告表現の判定結果表示画面の具体例を示す図である。
【
図9】第1実施形態の広告判定処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図10】
図9の広告表現判定処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態の広告表現判定装置と端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図12】第2実施形態のサイトURL入力画面の具体例を示す図である。
【
図13】第2実施形態の広告表現の判定結果表示画面の具体例を示す図である。
【
図14】第2実施形態のポップアップ表示の具体例を示す図である。
【
図15】第2実施形態のポップアップ表示の他の具体例を示す図である。
【
図16】第2実施形態の広告判定処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図17】第3実施形態の広告表現判定装置と端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図18】第3実施形態の動画サイトURL入力画面の具体例を示す図である。
【
図19】第3実施形態の広告表現の判定結果表示画面の具体例を示す図である。
【
図20】第3実施形態のポップアップ表示の具体例を示す図である。
【
図21】第3実施形態のポップアップ表示の他の具体例を示す図である。
【
図22】第3実施形態の広告判定処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図23】第1変形例に係る広告表現の判定結果表示画面の具体例を示す図である。
【
図24】第2変形例に係る広告表現の判定結果表示画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。第1実施形態では本発明の広告表現判定装置10を備える広告表現判定システム100を例示する。
図1は、第1実施形態に係る広告表現判定システム100の構成を示す図である。
図1の広告表現判定システム100は、広告表現判定装置10と端末装置20とを備える。
【0019】
広告表現判定システム100は、取得した広告表現の各国における使用可否をリスト表示するものである。本実施形態の広告表現判定装置10は、広告に関する審査ガイドライン(以下、単に「広告審査ガイドライン」と称する)に基づいて各国ごとに広告表現の使用の可否を判定し、その結果を端末装置20にリスト表示させることができる。このように、端末装置20から取得した広告表現の各国における使用可否をリスト表示することで、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる。
【0020】
広告表現判定装置10は、端末装置20をクライアントとするサーバコンピュータで構成する場合を例示する。広告表現判定装置10は、複数台で分散処理するように構成してもよく、また1台のサーバ装置に設けられた複数の仮想マシンによって構成してもよい。また、広告表現判定装置10は、パーソナルコンピュータで構成してもよく、クラウドサーバで構成してもよい。広告表現判定装置10と端末装置20とはインターネットなどのネットワークNを介して互いに通信可能に構成されている。
【0021】
端末装置20は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置20は、例えばスマートフォン、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータなどである。端末装置20で広告表現に関する情報(例えば広告表現を含むワード、フレーズ、URL:Uniform Resource Locatorなど)を入力することで、その広告表現の各国での使用可否がリスト表示される。なお、ネットワークNには1つの端末装置20が接続される場合を例示しているが、2つ以上の端末装置20が接続されていてもよい。
【0022】
図2は、
図1の広告表現判定装置10と端末装置20の具体的構成例を示すブロック図である。
図2に示すように広告表現判定装置10は、通信部11と制御部12と記憶部14とを備える。通信部11と制御部12と記憶部14とは、それぞれバスライン10Lに接続され、相互に情報(データ)のやり取りが可能である。
【0023】
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置20との間で情報(データ)の送受信を行う。通信部11は、インターネットやイントラネットの通信インターフェースとして機能し、例えばTCP/IP、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)を用いた通信などが可能である。
【0024】
制御部12は、広告表現判定装置10全体を統括的に制御する。制御部12は、MPU(Micro Processing Unit)などの集積回路で構成される。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備える。制御部12は、必要なプログラムをROMにロードし、RAMを作業領域としてそのプログラムを実行することで、各種の処理を行う。
【0025】
記憶部14は、制御部12で実行される各種プログラムやこれらのプログラムによって使用されるデータを記憶する記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な有形の記憶媒体:a tangible storage medium)の例示である。記憶部14は、ハードディスク、光ディスク、磁気ディスクなどの記憶装置で構成される。記憶部14の構成はこれらに限られず、記憶部14をRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリなどで構成してもよい。例えば記憶部14をSSD(Solid State Drive)で構成することもできる。
【0026】
記憶部14は、プログラム記憶部15、データ記憶部16などを備える。プログラム記憶部15は、制御部12で実行される各種プログラムを記憶する。制御部12は、プログラム記憶部15から必要なプログラムを読み出して各種の処理を実行する。
【0027】
データ記憶部16には、ユーザDB161(ユーザデータベース)、国別広告判定DB162(国別広告判定データベース)、説明文DB163(説明文データベース)、代替表現DB164(代替表現データベース)、判定結果DB165(判定結果データベース)などが記憶される。ユーザDB161には、予め登録されているユーザID、会社名、氏名などが含まれる。ユーザDB161はこれに限られず、ユーザの住所、部署、性別などが含まれていてもよい。
【0028】
図3は、国別広告判定DB162の具体例を示す図である。国別広告判定DB162には、広告表現の使用の可否を国ごとに判定するための判定データが記憶される。具体的には国別広告判定DBには、例えば
図3に示すように判定対象国(日本(JP)、米国(US)、英国(UK)、中国(CN)、韓国(KR)など)について、各国ごとの広告表現の使用可否(OK又はNG)を含む判定データが記憶されている。例えば
図3に示すように本実施形態の判定データは、複数の広告審査ガイドラインごとに、いずれかの国で使用NG(使用不可)となる広告表現(ワードやフレーズなど)を集めたデータである。これによれば、広告審査ガイドラインごとに各国での広告表現の使用可否の判定が可能となるので、どの広告審査ガイドラインでどの国の広告審査を通るかを判定しやすくなる。このように、国別広告判定DB162は、広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現の使用可否を判定する判定データを記憶する記憶部を構成する。
【0029】
図3の国別広告判定DB162に示す判定データは、いずれかの国で使用NGとなる広告表現が、他の国でも使用NGか否かを複数の広告審査ガイドラインに照らし合わせて得られた結果を記憶する。例えばもし、広告審査ガイドラインにおいて、日本で使用NGとなる広告表現が米国で使用NGでなければ、米国では使用OK(使用可能)とする。
図3の広告表現は、その国の言語での表記と言語の種別を含む。
【0030】
図3の広告表現には、OK/NGの種別(使用NG、使用OK、サービスエリア外など)、NG理由(使用不可理由)、代替表現などが、広告審査ガイドラインごとに関連付けられている。広告審査ガイドラインは、例えばアドネットワーク(Ad Network)の広告審査ガイドラインである。アドネットワークとは、複数の広告媒体(ウェブサイトやソーシャルメディア、ブログ等)を集めて広告配信ネットワークを作り、それらの媒体に広告をまとめて配信する仕組みである。
【0031】
アドネットワークにはそれぞれ、独自の広告審査ガイドラインが定められており、配信先の国ごとに広告審査ガイドラインの内容が異なる。国ごとに法令類や文化(カルチャー)が異なるからである。広告審査ガイドラインには、国ごとに不当な表示を規制する法令類や文化により使用NGの広告表現も示唆されている。例えば日本の法令類には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法と略す。)、不当景品類及び不当表示防止法(以下、景表法と略す。)、薬事法等の法令(法律、政令、省令を含む。)、労働基準法などが含まれる。このような広告審査ガイドラインとしては、例えばAmazon(登録商標)AD、Facebook(登録商標)AD、Google(登録商標)AD、Instagram(登録商標)AD、TikTok(登録商標)AD、Yahoo(登録商標)AD、YouTube(登録商標)ADなどが挙げられる。なお、広告審査ガイドラインは、これらアドネットワークの審査ガイドラインに限られるものではなく、各国の法令類や文化などを踏まえて定められた別のガイドラインであってもよい。
【0032】
広告審査ガイドラインで使用NGとなる広告表現は、国によって異なり、アドネットワークの種類(Yahoo(登録商標)AD、TikTok(登録商標)ADなど)によっても異なる。例えば
図3の審査ガイドラインAをYahoo(登録商標)ADによるものとし、審査ガイドラインBをTikTok(登録商標)ADによるものとする。そうすると、
図3によれば、例えば広告表現としての「避妊具」は、TikTok(登録商標)ADでは、日本と中国では使用NGとなるのに対し、米国と英国と韓国では使用OKであることが分かる。また、広告表現としての「NFT」は、Yahoo(登録商標)ADでは、日本、米国、英国では使用OKとなるが、韓国では使用NGとなることが分かり、中国ではそもそもYahoo(登録商標)ADのサービスエリア外であることが分かる。このような国別広告判定DBによれば、広告審査ガイドラインごとの広告表現の使用の有無を国ごとに判定できる。
【0033】
図4は、説明文DB163の具体例を示す図である。説明文DB163は、広告表現が使用NGとなる理由を含む説明文を記憶するものである。
図4に示すように説明文DB163は、国ごとに使用NGとなる広告表現に、そのNG理由となる説明文と引用番号が関連付けられている。なお、
図4のように説明文だけに限られず、そのNG根拠なども広告表現に関連付けられるようにしてもよい。説明文DB163には図示はしないが、備考の欄を設けるようにしてもよい。備考の欄には、例えば法令類や文化に基づく詳細な理由などを記憶する。例えば広告表現「ハリ」では、備考の欄に「肌を連想させる」を記憶しておき、それを後述の
図14のようにポップアップ表示SC42できるようにしてもよい。説明文DB163の説明文は、引用番号によって他のデータベース(国別広告判定DB162、判定結果DB165)のNG理由の欄に関連付けることができる。例えば
図3の国別広告判定DB162において、広告表現としての「避妊具」が日本で使用NGとなっており、そのNG理由の欄には「JP2a」とあるので、そのNG理由は
図4の「JP2a」の説明文(日本ではガイドラインBによる使用NG)となる。
【0034】
図5は、代替表現DB164の具体例を示す図である。代替表現DB164は、使用NGとなる広告表現の代替表現を記憶するものである。
図5に示すように代替表現DB164は、国ごとに使用NGとなる広告表現に、その代替表現と引用番号が関連付けられている。なお、
図5のように代替表現だけに限られず、その注意書きなども代替表現に関連付けられるようにしてもよい。
図6の代替表現DB164では、日本の広告表現の代替表現の一部を例示しているが、他の国の広告表現の代替表現についても記憶してもよい。これら代替表現などは、引用番号によって他のデータベース(国別広告判定DB162、判定結果DB165)の代替表現の欄に関連付けることができる。例えば
図3の国別広告判定DB162において、広告表現としての「はり」が日本で使用NGとなっており、その代替表現の欄には「JP1b」とあるので、その代替表現は
図4の「JP1b」の代替表現(若々しさ)となる。
【0035】
図6は、判定結果DB165の具体例を示す図である。判定結果DB165は、取得した広告表現を判定した結果を記憶するものである。この判定結果DB165に記憶されたデータに基づいて後述の表示データが生成される。なお、
図6では、1つの広告表現「避妊具」の判定結果を記憶する場合を例示したが、これに限られず、ウェブ広告(Web広告)などに含まれる複数の広告表現を一度に判定する場合は、これら複数の広告表現の判定結果を順番に番号を付して記憶するようにしてもよい。
【0036】
図2の制御部12は、取得部121、翻訳部(翻訳取得部)124、判定データ選定部125、表現判定部126、出力部130を備える。これら制御部12の各構成要素は、物理的な回路で構成してもよく、CPUが実行可能なプログラムで構成してもよい。制御部12の構成は、
図2に示す構成に限られない。
【0037】
取得部121は、通信部11を介して端末装置20から広告表現を取得する。取得部121は、例えば端末装置20のブラウザで表示できる広告表現判定サービスサイトの入力画面から入力された情報(ワードやフレーズなど)から広告表現を取得する。この広告表現判定サービスサイトは、本発明による広告表現判定サービスを提供するウェブサイトである。取得部121は、広告表現の判定に利用する広告審査ガイドラインの種別を、通信部11を介して端末装置20から取得する。取得部121は、例えば端末装置20にブラウザで表示するウェブサイトの上記入力画面から入力された情報(審査ガイドラインA、審査ガイドラインBなど)から広告審査ガイドラインの種別を取得する。
【0038】
翻訳部124は、取得部121で取得された広告表現について、国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得する翻訳取得部である。具体的には翻訳部124は、取得部121で取得された広告表現を各国の言語表現に翻訳して国ごとの言語表現を取得する。広告表現の翻訳には、広告表現判定装置10に設けられた翻訳エンジンを利用してもよく、外部装置の翻訳エンジンを利用してもよい。また広告表現の翻訳には、外部のウェブサイトによる翻訳エンジンを利用してもよい。なお、各国の言語表現での広告表現は、必ずしも翻訳したものを取得する必要はない。例えば国別広告判定DB162の判定データには各国の言語表現の広告表現が記憶されているので、翻訳部124は判定データを利用して国ごとの言語表現を取得してもよい。例えば取得部121で取得された広告表現が日本語の場合、国別広告判定DB162の判定データに日本語の広告表現があれば、その広告表現の英語、中国語、韓国語などの言語表現も取得できる。
【0039】
判定データ選定部125は、取得部121で取得された広告審査ガイドラインの種別に基づいて判定データを選定する。判定データ選定部125は、取得部121で取得された広告審査ガイドラインの判定データを国別広告判定DB162から選定する。例えば取得部121で取得した種別が審査ガイドラインBであれば、国別広告判定DB162から審査ガイドラインBの判定データを選定する。
【0040】
表現判定部126は、翻訳部124で翻訳された広告表現のそれぞれについて国ごとの使用の可否を判定データに基づいて判定する。表現判定部126は、判定データ選定部125で選定された判定データ(例えば審査ガイドラインBの判定データ)に基づいてその広告表現の国ごとの使用可否(使用NG又は使用OK)を判定し、その判定結果を判定結果DB165に記憶する。
【0041】
出力部130は、上記広告表現の国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力する。出力部130は、判定結果DB165の判定結果に基づいて表示データを生成して出力する。ここでの表示データは、広告表現判定サービスサイトに表示するためのデータである。これにより、端末装置20のブラウザで表示される広告表現判定サービスサイトにおいて、その広告表現の国ごとの使用可否(使用NG又は使用OK)がリスト表示される。これにより、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる。
【0042】
次に、端末装置20の構成例について
図2を参照しながら説明する。
図2に示す端末装置20は、通信部21と制御部22と記憶部23と入力部24と表示部25とを備える。通信部21と、制御部22と、記憶部23と、入力部24と、表示部25とは、それぞれバスライン20Lに接続され、相互に情報(データ)のやり取りが可能である。
【0043】
通信部21は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、広告表現判定装置10との間で情報(データ)の送受信を行う。通信部21は、インターネットやイントラネットの通信インターフェースとして機能し、例えばTCP/IP、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)を用いた通信などが可能である。
【0044】
制御部22は、端末装置20全体を統括的に制御する。制御部22は、MPU(Micro Processing Unit)などの集積回路で構成される。制御部22は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備える。制御部22は、必要なプログラムをROMにロードし、RAMを作業領域としてそのプログラムを実行することで、各種の処理を行う。
【0045】
記憶部23は、プログラム記憶部231、データ記憶部232などを備える。プログラム記憶部231には、制御部22で実行される複数のアプリケーションプログラムが記憶される記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な有形の記憶媒体:a tangible storage medium)として機能する。記憶部23は、ハードディスクで構成されていてもよく、フラッシュメモリなどの半導体メモリで構成されていてもよい。例えば記憶部23をSSD(Solid State Drive)で構成することもできる。
【0046】
入力部24は、キーボード及びマウスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて操作内容に対応した制御信号を制御部22へ送信する。入力部24は、タッチパネルを備えていてもよい。表示部25は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、制御部22からの指示に従って各種情報を表示する。表示部25は、例えばブラウザでウェブサイトを表示して、広告表現判定装置10の表示データに基づき後述のワード入力画面SC10や広告表現の判定結果表示画面SC20を表示する。
【0047】
ここで、表示部25に表示される入力画面の例示としてワード入力画面の構成例を
図7に示す。
図7のワード入力画面SC10には、ワードやフレーズを入力する第1入力欄SC11、広告審査ガイドラインの種別を入力する第2入力欄SC12、広告表現の判定を開始するチェックボタンSC13、入力をリセットするリセットボタンSC14などが表示される。
図7に示すように第2入力欄SC12は、プルダウンメニューなどによって入力するようになっている。プルダウンメニューによらずに、広告審査ガイドラインの種別を直接入力できるようにしてもよく、ラジオボタンなどで入力できるようにしてもよい。
【0048】
次に、表示部25に表示される広告表現の判定結果表示画面の構成例を
図8に示す。
図8の判定結果表示画面SC20には、判定結果を示すチェック結果欄SC211が表示される。チェック結果欄SC211には、広告表現表示欄SC212、広告審査ガイドライン表示欄CS213、各国使用可否リストSC214がそれぞれ表示される。広告表現表示欄SC212には、
図7の第1入力欄SC11に入力された広告表現を表示する。広告審査ガイドライン表示欄CS213には、
図7の第2入力欄SC12に入力された広告審査ガイドラインの種別を表示する。
図8の広告審査ガイドライン表示欄CS213には、
図7の第2入力欄SC12と同様のプルダウンメニューを表示してもよい。これにより、別の広告審査ガイドラインによる判定結果も容易に表示させることができる。
【0049】
各国使用可否リストSC214には、広告表現の国ごとの使用可否をリスト表示される。各国使用可否リストSC214にはそれぞれ、言語種別欄SC24、自国言語表記欄SC25、NG理由欄SC26、代替表現欄SC27などが国ごとに表示される。言語種別欄SC24は、その国の言語の種別を表示する。例えば日本なら日本語、米国や英国なら英語、中国なら中国語、韓国なら韓国語である。中国語は、簡体と繁体を表示することで、中国本土だけでなく、香港などの特別行政区や台湾などでの広告表現の判定も可能となる。自国言語表記欄SC25には、判定結果DB165からその国の言語に翻訳した広告表現を表示する。NG理由欄SC26には、判定結果DB165のNG理由に関連付けられた説明文DB163の説明文を表示する。代替表現欄SC27には、判定結果DB165の代替表現に関連付けられた代替表現DB164の代替表現を表示する。
【0050】
図8は、広告表現として「避妊具」が第1入力欄SC11に入力され、広告審査ガイドラインの種別として第2入力欄SC12に審査ガイドラインBが入力された場合の判定結果を例示する。
図8の判定結果によれば、広告表現としての「避妊具」は、審査ガイドラインBにより日本と中国で使用NG(使用不可)であるが、米国と英国と韓国では使用OK(使用可能)であることが一目でわかる。これにより、米国と英国と韓国では広告表現をそのまま使用してもよいが、日本と中国で広告を出す場合には広告表現を変える必要があることも容易にわかる。したがって、すべての国で広告表現を変えなくても、使用NGと判定された国のみで広告表現を変えるだけで、各国での広告審査が通りやすくすることができる。
【0051】
図8に示すように、判定結果表示画面SC20にはサイドバーSC28を表示してもよい。サイドバーSC28には、広告表現を入力する第1入力欄SC11、広告審査ガイドラインの種別を入力する第2入力欄SC12、広告表現の判定を開始するチェックボタンSC13、入力をリセットするリセットボタンSC14などを表示してもよい。なお、表示画面は
図7及び
図8に示すものに限られない。
【0052】
次に、第1実施形態の広告表現判定装置10が行う広告判定処理について
図9を参照しながら説明する。
図9は、第1実施形態の広告判定処理の具体例を示すフローチャートである。第1実施形態の広告判定処理は、制御部12(取得部121、翻訳部124、判定データ選定部125、表現判定部126、出力部130など)によってプログラム記憶部15から必要なプログラムが読み出されて実行される。
【0053】
図9の広告判定処理は、先ずステップS110にて制御部12はユーザ認証を行う。ユーザ認証では、端末装置20にIDとパスワードの入力画面(図示省略)が表示される。IDとパスワードが入力されてユーザが認証されると、ステップS120にて制御部12は、
図7に示すようなワード入力画面SC10を端末装置20に表示させる。そして、ステップS130にて制御部12は、ワードが入力されたか否かを判断する。具体的にはワードと広告審査ガイドラインの種別が入力され、チェックボタンSC13がクリックされたと制御部12が判断すると、制御部12はステップS140の処理に移る。
【0054】
ステップS140にて制御部12は、広告表現を取得する。具体的には取得部121が、
図7の第1入力欄SC11に入力されたワードを広告表現として取得する。このとき、取得部121は、
図7の第2入力欄SC12に入力された広告審査ガイドラインの種別も取得する。
【0055】
続いてステップS150にて制御部12は、広告表現について各国の言語表現を取得する。具体的には翻訳部124が、取得部121で取得された広告表現を入力された言語以外の各国の言語に翻訳することで、広告表現について各国の言語表現を取得する。例えば広告表現が日本語で入力された場合には、日本語以外の英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語などに翻訳する。もし広告表現が英語で入力された場合には、英語以外の日本語、中国語(簡体・繁体)、韓国語などに翻訳する。
【0056】
次にステップS160にて制御部12は、広告表現判定処理を行う。広告表現判定処理では、その広告表現について各国での使用の可否(使用NG又は使用OK)を判定する。
【0057】
ここで、広告表現判定処理のフローチャートの具体例を
図10に示す。
図10の広告表現判定処理は、制御部12(判定データ選定部125、表現判定部126)によって処理される。先ずステップS161にて判定データ選定部125は、判定データを選定して各国ごとに広告表現を判定する。具体的には判定データ選定部125は、取得部121で取得された広告審査ガイドラインの種別に基づいて国別広告判定DB162から判定データを選定する。例えば
図7では取得部121で取得した種別が審査ガイドラインBなので、
図3の国別広告判定DB162から審査ガイドラインBの判定データを選定する。
【0058】
次に表現判定部126がステップS162からステップS164にて、判定データ選定部125が選定した判定データに基づいて、その広告表現の各国での使用の可否を判定する。具体的にはステップS162にて表現判定部126は、判定データ選定部125が選定した判定データにその広告表現があるか否かを判断する。例えば
図6の入力画面で入力された言語の広告表現が、選定された判定データにあるか否かを判断する。ただし、これに限られず、翻訳したすべての言語での広告表現が、選定された判定データにあるか否かを判断してもよい。いずれかの言語の広告表現が判定データにあれば、いずれかの国で使用NGの可能性があるからである。
【0059】
ステップS162にて表現判定部126は、広告表現が判定データにないと判断した場合は、ステップS164にてその広告表現は各国で使用OKとして、ステップS165からステップS168の処理は行わずに、ステップS169にて判定結果を判定結果DB165に記憶する。
【0060】
これに対して、ステップS162にて表現判定部126は、選定された判定データにその広告表現があると判断した場合は、ステップS163にてその広告表現がNGの国では使用NG(使用不可)とし、それ以外の国では使用OK(使用可能)とする。例えば
図7で「避妊具」が広告表現として入力され、審査ガイドラインBの判定データで判定を行う場合は、
図3の審査ガイドラインBの判定データに広告表現として「避妊具」があるので、その広告表現がNGの日本と中国では使用NGとし、それ以外の米国、英国、韓国は使用OKとする。
【0061】
そしてステップS165にて表現判定部126は、その広告表現がNGの国でそのNG理由があるか否かを判断する。表現判定部126は、ステップS165にてNG理由があると判断すれば、ステップS166にてそのNG理由を判定結果に追加する。具体的には例えば表現判定部126は、選定された判定データのNG理由欄に、
図4の説明文DB163の引用番号があるか否かを判断する。このとき、表現判定部126は、判定データのNG理由欄に引用番号があると判断すれば、その引用番号を判定結果のNG理由にも追加する。こうして、例えば
図6のNG理由欄にはJP2aとCN2aの引用番号が追加されている。他方、ステップS165にて表現判定部126は、その広告表現がNGの国でそのNG理由がないと判断すれば、ステップS167の処理に移る。
【0062】
ステップS167にて表現判定部126は、その広告表現がNGの国でその代替表現があるか否かを判断する。表現判定部126は、ステップS167にて代替表現があると判断すれば、ステップS168にてその代替表現を判定結果に追加してステップS169の処理に移る。具体的には例えば表現判定部126は、選定された判定データの代替表現欄に、
図5の代替表現DB164の引用番号があるか否かを判断する。このとき、表現判定部126は、判定データの代替表現欄に引用番号があると判断すれば、その引用番号を判定結果の代替表現欄にも追加する。他方、ステップS167にて表現判定部126は、その広告表現がNGの国でその代替表現がないと判断すれば、ステップS169の処理に移る。ステップS169にて表現判定部126は、以上の判定結果を判定結果DB165に記憶して、一連の広告表現判定処理を終了し、
図9のステップS170の処理に移る。
【0063】
そして
図9のステップS170にて出力部130は、判定結果を端末装置20に表示させる。具体的には出力部130が、判定結果DB165の判定結果から広告表現の国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを生成し、広告表現判定サービスサイトに表示させる。これにより、端末装置20のブラウザで表示される広告表現判定サービスサイトにおいて、例えば
図8のような判定結果表示画面SC20で広告表現の国ごとの使用可否がリスト表示される。なお、表示データは、端末装置20の専用アプリケーションプログラムによって表示させるデータであってもよい。この場合、例えば端末装置20に専用アプリケーションプログラムをダウンロードさせて、端末装置20はその専用アプリケーションプログラムによって通信部21から表示データを受信して表示部25に判定結果表示画面SC20を表示させるようにしてもよい。
【0064】
このように第1実施形態では、入力画面SC10にワードと審査ガイドラインの種別が入力されチェックボタンがクリックされると、入力されたワードを広告表示として取得し、入力された審査ガイドラインの判定データに基づいてその広告表示の各国での使用可否を判定する。そして、判定結果の表示データを生成し、端末装置20に判定結果を表示させる。これにより、端末装置20では、入力した広告表現の国ごとの使用可否がリスト表示されるので、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる。
【0065】
しかも、審査ガイドラインごとに広告表現の判定が可能であり、その広告表現が各国ごとに広告審査を満たすか否かを判定結果表示画面SC40に表示できる。したがって、その広告表現が各国ごとにどの広告審査を満たすか否かが一目で分かるので、その広告表現がどの国の広告審査を通るかも一目で把握できる。なお、本実施形態では、入力画面SC10にワードを入力する場合を例示したが、必ずしもワードに限られず、例えばフレーズなどを入力してもよい。入力画面SC10にフレーズが入力された場合には、取得部121がそのフレーズを広告表現として取得する。
【0066】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。第1実施形態では、入力画面でワードやフレーズを入力することで、そのワードを広告表現として取得する場合を例示した。第2実施形態では、入力画面でウェブ広告のURLを入力することで、そのウェブ広告に含まれるワードを抽出して広告表現として取得する場合を例示する。
【0067】
ウェブ広告として表示される画像には、
図14に示すように複数のワードが含まれているので、それが国によっては広告表現として使用NGになることもある。ところが、第1実施形態では、ウェブ広告のすべてのワードを一つずつ判定しなければならないので、非常に手間と時間がかかる。そこで、第2実施形態では、ウェブ広告に含まれるワードをすべて抽出し、一度に複数の広告表現を取得して判定して、そのウェブ広告上のワードごとに判定結果を表示する。これにより、広告表現判定の手間と時間を大幅に省くことができる。
【0068】
図11は、第2実施形態の広告表現判定装置と端末装置の構成例を示すブロック図であり、
図2に対応する。
図11では、取得部121にワード抽出部123を設けた点で
図2と異なる。
図12は、第2実施形態のウェブ広告のサイトURL入力画面SC30の具体例を示す図であり、
図7に対応する。
図12において、
図7と異なるのは、第1入力欄SC11にワードの入力ではなく、サイトURLを入力する点である。
【0069】
図13乃至
図15は、第2実施形態の広告表現の判定結果表示画面SC40の具体例を示す図であり、
図8に対応する。
図13乃至
図15では、サイドバーSC28がない代わりに、チェック結果欄SC41にウェブ広告のサイト表示欄SC42とNG数表示欄SC415がある点で
図8と異なる。
図13に示すように第2実施形態の判定結果表示画面SC40では、入力されたURLのウェブ広告をサイト表示欄SC42に表示して、そこに含まれる広告表現のうち使用NGとなる国がある広告表現に強調表示SC422を付する。
【0070】
強調表示SC422としては、例えば
図13に示すように使用NGとなる国がある広告表現を枠で囲むようにしてもよく、色を変えるようにしてもよい。また
図13に示すように強調表示SC422に番号表示SC423を付してもよい。
図13では、「ハリ」に強調表示SC422が付されているので、この「ハリ」が使用NGとなる国があることが一目でわかる。
【0071】
図13の各国使用可否リストSC214では、マウスオーバーのようにカーソルを重ねた広告表示の各国での使用の可否が表示される。
図13では、強調表示SC422が付されている「ハリ」にカーソルを重ねているので、「ハリ」という広告表現について各国使用可否リストSC214が表示されている。
【0072】
図13の各国使用可否リストSC214の隣には、NG数表示欄SC415が表示される。NG数表示欄SC415は、各国ごとのNG数を表示する。ここでのNG数は、ウェブ広告に含まれる複数の広告表現のうち各国で使用NGとなる広告表現の数である。
図13によれば、このウェブ広告のサイトには、審査ガイドラインAにおいて日本で使用NGとなる広告表現20個と米国で使用NGとなる広告表現15個が含まれていることが分かる。このNG数には、
図13の「ハリ」のように2国以上で使用NGとなるものも含まれる。
【0073】
図14に示すように、広告表示にカーソルを重ねたときにポップアップ表示SC424が出るようにしてもよい。ポップアップ表示SC424には、使用NGとなる国とその国の言語で表現した広告表現が表示される。また
図14に示すようにポップアップ表示SC424には、NG理由も表示するようにしてもよい。また
図14に示すようにサイト表示欄SC42の側部にスクロールバーSC425を表示してウェブ広告の表示をスクロールできるようにしてもよい。さらに
図15に示すように、ポップアップ表示SC424には代替表現も表示するようにしてもよい。
【0074】
図13乃至
図15の広告表現の判定結果表示画面SC40には、
図8と同様に広告審査ガイドライン表示欄CS213を表示する。この広告審査ガイドライン表示欄CS213には、
図8の第2入力欄SC12と同様のプルダウンメニューを表示してもよい。この判定結果表示画面SC40には、
図12と同様のサイトURLを入力する第1入力欄SC11、広告表現の判定を開始するチェックボタンSC13、入力をリセットするリセットボタンSC14などを表示してもよい。なお、表示画面は
図12乃至
図15に示すものに限られない。
【0075】
次に、第2実施形態の広告表現判定装置10が行う広告判定処理について
図16を参照しながら説明する。
図16は、第2実施形態の広告判定処理の具体例を示すフローチャートであり、
図9に対応する。第2実施形態の広告判定処理は、制御部12(取得部121、ワード抽出部123、翻訳部124、判定データ選定部125、表現判定部126、出力部130など)によってプログラム記憶部15から必要なプログラムが読み出されて実行される。
【0076】
図16においては、ステップS120にて制御部12が
図12のサイトURL入力画面SC30を表示させる点が
図9と異なる。ステップS130にて制御部12は、
図12の第1入力欄SC11にワードではなく、サイトURLが入力されたか否かを判断する点も
図9と異なる。具体的には
図12のサイトURL入力画面SC30においてサイトURLと広告審査ガイドラインの種別が入力され、チェックボタンSC13がクリックされたと制御部12が判断すると、制御部12はステップS132の処理に移る。
【0077】
そして、ステップS132にてワード抽出部123がそのサイトURLのウェブ広告からワードを抽出して、ステップS140にて取得部121がそのウェブ広告に含まれる1個又は2個以上の広告表現を取得する点が
図9と異なる。ワード抽出部123は、例えばAI(人工知能)などの機械学習による学習済みモデルや自然言語処理を利用してウェブ広告に含まれるワードを抽出する。なお、ウェブ広告に含まれるワードの抽出方法はこれに限られず、どのような手法を用いてもよい。
図16のステップS150では、取得された1個又は2個以上の広告表現のそれぞれが各国の言語に翻訳され、
図16のステップS160が実施される。
図16のステップS160でも
図10の広告表現判定処理が行われる。第2実施形態の広告表現判定処理では、すべての広告表現についてそれぞれ広告判定処理が行われ、その判定結果が判定結果DB165に記憶される。
【0078】
図16のステップS170では出力部130が判定結果DB165の判定結果から表示データを生成して出力することで、
図13に示すような判定結果表示画面SC40を端末装置20に表示させる。第2実施形態の表示データには、広告表現のうち少なくとも1国で使用不可と判定された広告表現に強調表示を付したウェブ広告の表示が含まれる。広告表現に強調表示を付したウェブ広告の表示は、
図13のサイト表示欄SC42に表示される。
【0079】
第2実施形態の表示データには、強調表示SC422が付された広告表示にカーソルが重ねられると、その広告表示の各国での使用の可否を表示するデータも含まれる。
図13では、強調表示SC422が付されている「ハリ」にカーソルを重ねているので、「ハリ」という広告表現について各国使用可否リストSC214が表示されている。
図13によれば「ハリ」は、審査ガイドラインAでは日本と米国では使用NGであるのに対して、英国と韓国では使用OKであることが一目で分かる。さらに、中国では審査ガイドラインAがサービスエリア外であることも分かる。
【0080】
第2実施形態の表示データには、ウェブ広告に含まれる複数の広告表現のうち各国で使用NGとなる広告表現の数(例えば
図13のNG数)の表示するデータも含まれる。
図13によれば、このウェブ広告のサイトには、審査ガイドラインAにおいて日本で使用NGとなる広告表現20個と米国で使用NGとなる広告表現15個が含まれていることが分かる。使用NGと判定された広告表現を使用OKになるように修正して判定し直すと、
図13のNG数も減少する。これにより、あとどの程度の広告表現を修正すれば、審査ガイドラインAの広告審査を通すことができるかが容易に分かる。
【0081】
第2実施形態の表示データには、強調表示を付される広告表現にカーソルを合わせると、少なくともその広告表現が使用NG(使用不可)となる国を表示するポップアップ表示SC424を表示するデータも含まれる。ポップアップ表示SC424には、その広告表現のNG理由(
図14参照)や代替表現(
図15参照)が含まれるようにしてもよい。これにより、使用NGと判定された広告表現を修正し易くなる。
【0082】
このような第2実施形態によれば、ウェブ広告に含まれるワードをすべて抽出することで、ウェブ広告に含まれる複数の広告表現を取得し判定できる。そして、そのウェブ広告上のワードごとに判定結果を表示できる。このように第2実施形態によれば、端末装置20にはウェブ広告に含まれる広告表現の国ごとの使用可否がリスト表示されるので、ウェブ広告上でその広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかが一目でわかる。しかも、ウェブ広告のサイトに含まれるすべての広告表現を一度に判定できるので、広告表現判定の手間と時間を大幅に省くことができる。
【0083】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。第2実施形態では、広告表現を含むウェブ広告が画像の場合を例示したが、第3実施形態では、広告表現を含むウェブ広告が動画の場合を例示する。近年、ウェブ広告の動画配信が非常に増えている。このウェブ広告の動画サイトでも国によっては使用NGとなる広告表現を含んでいる場合がある。そこで、第3実施形態では、入力画面SC11にウェブ広告の動画URLを入力することで、そのウェブ広告の動画に含まれるワードを抽出して広告表現として取得する場合を例示する。
【0084】
図17は、第3実施形態の広告表現判定装置と端末装置の構成例を示すブロック図であり、
図11に対応する。
図17において、
図11との異なるのは、取得部121にテキスト変換部122を設けた点である。ウェブ広告が動画サイトの場合は、音声をテキストに変換してからワードを抽出する。テキスト変換部122は、例えばAI(人工知能)などの機械学習による学習済みモデルを利用してウェブ広告の動画に含まれる音声をテキストに変換する。なお、テキスト変換方法はこれに限られず、例えば音声をテキスト変換するエンジンやサイトを利用してもよい。また動画サイトで音声がテキスト変換されたデータを取り込むようにしてもよい。音声がテキスト変換されたデータを取り込む場合には、テキスト変換部122を設けなくてもよい。
【0085】
図18は、第3実施形態のウェブ広告の動画サイトURL入力画面SC50の具体例を示す図であり、
図12に対応する。
図18では、第1入力欄SC11に動画サイトURLを入力する点で
図12と異なる。
【0086】
図19乃至
図21は、第3実施形態の広告表現の判定結果表示画面SC60の具体例を示す図であり、
図13乃至
図15に対応する。
図19乃至
図21では、サイト表示欄SC42の代わりに、テキスト抽出文表示欄SC62を表示する点で
図13乃至
図15と異なる。テキスト抽出文表示欄SC62には、動画に含まれる音声のテキストデータや動画に埋め込まれた文字などがテキスト表示される。
図19に示すように第3実施形態の判定結果表示画面SC60では、入力された動画サイトURLのウェブ広告をテキスト抽出文表示欄SC62にテキスト表示して、そこに含まれる広告表現のうち使用NGとなる国がある広告表現に強調表示SC422を付する。
【0087】
第3実施形態の強調表示SC422としては、例えば
図19示すように使用NGとなる国がある広告表現を枠で囲むようにしてもよく、色を変えるようにしてもよい。また
図19に示すように強調表示SC422に番号表示SC423を付してもよい。
図19では、テキスト表示された「ハリ」に強調表示SC422が付されている。このように、動画ではこの広告表現としての「ハリ」が音声で表現されていたとしても、その広告表現がテキストで表示されるので、その広告表現が使用NGとなる国があることが一目でわかる。
【0088】
図19の各国使用可否リストSC214では、マウスオーバーのようにカーソルを重ねた広告表示の各国での使用の可否が表示される。
図19では、強調表示SC422が付されている「ハリ」にカーソルを重ねているので、「ハリ」という広告表現について各国使用可否リストSC214が表示されている。
【0089】
図19の各国使用可否リストSC214の隣には、NG数表示欄SC415が表示される。NG数表示欄SC415は、各国ごとのNG数を表示する。ここでのNG数は、ウェブ広告に含まれる複数の広告表現のうち各国で使用NGとなる広告表現の数である。
図19によれば、このウェブ広告のサイトには、審査ガイドラインAにおいて日本で使用NGとなる広告表現15個と米国で使用NGとなる広告表現10個が含まれていることが分かる。このNG数には、
図19の「ハリ」のように2国以上で使用NGとなるものも含まれる。
【0090】
図20に示すように、広告表示にカーソルを重ねたときにポップアップ表示SC424が出るようにしてもよい。ポップアップ表示SC424には、使用NGとなる国とその国の言語で表現した広告表現が表示される。また
図20に示すようにポップアップ表示SC424には、NG理由も表示するようにしてもよい。また
図20に示すようにテキスト抽出文表示欄SC62の側部にスクロールバーSC425を表示してテキスト抽出文の表示をスクロールできるようにしてもよい。さらに
図21に示すように、ポップアップ表示SC424には代替表現も表示するようにしてもよい。
【0091】
図19乃至
図21の広告表現の判定結果表示画面SC60には、
図13乃至
図15と同様に広告審査ガイドライン表示欄CS213を表示する。この広告審査ガイドライン表示欄CS213には、
図8の第2入力欄SC12と同様のプルダウンメニューを表示してもよい。この判定結果表示画面SC40には、
図18と同様の動画サイトURLを入力する第1入力欄SC11、広告表現の判定を開始するチェックボタンSC13、入力をリセットするリセットボタンSC14などを表示してもよい。なお、表示画面は
図18乃至
図21に示すものに限られない。
【0092】
次に、第3実施形態の広告表現判定装置10が行う広告判定処理について
図22を参照しながら説明する。
図22は、第3実施形態の広告判定処理の具体例を示すフローチャートであり、
図16に対応する。第3実施形態の広告判定処理は、制御部12(取得部121、テキスト変換部122、ワード抽出部123、翻訳部124、判定データ選定部125、表現判定部126、出力部130など)によってプログラム記憶部15から必要なプログラムが読み出されて実行される。
【0093】
図22においては、ステップS120にて制御部12が
図18の動画サイトURL入力画面SC50を表示させる点が
図16と異なる。ステップS130にて制御部12は、
図16の第1入力欄SC11に動画サイトURLが入力されたか否かを判断する点も
図16と異なる。具体的には
図18の動画サイトURL入力画面SC50において動画サイトURLと広告審査ガイドラインの種別が入力され、チェックボタンSC13がクリックされたと制御部12が判断すると、制御部12はステップS131の処理に移る。
【0094】
そして、ステップS131にてテキスト変換部122がその動画サイトURLのウェブ広告から音声をテキスト変換し、ステップS132にてワード抽出部123がそのテキスト化されたウェブ広告からワードを抽出して、ステップS140にて取得部121がテキスト化されたウェブ広告に含まれる1個又は2個以上の広告表現を取得する。この点が
図16と異なる。ワード抽出部123は、例えばAI(人工知能)などの機械学習による学習済みモデルや自然言語処理を利用して、テキスト化されたウェブ広告に含まれるワードを抽出する。なお、ウェブ広告に含まれるワードの抽出方法はこれに限られず、どのような手法を用いてもよい。
図22のステップS150では、取得された1個又は2個以上の広告表現のそれぞれが各国の言語に翻訳され、
図22のステップS160が実施される。
図22のステップS160でも
図10の広告表現判定処理が行われる。第3実施形態の広告表現判定処理では、すべての広告表現についてそれぞれ広告判定処理が行われ、その判定結果が判定結果DB165に記憶される。
図22のステップS170では出力部130が判定結果DB165の判定結果から表示データを生成して出力することで、
図19に示すような判定結果表示画面SC60を端末装置20に表示させる。
【0095】
第3実施形態の表示データには、強調表示SC422が付された広告表示にカーソルが重ねられると、その広告表示の各国での使用の可否を表示するデータも含まれる。また、第3実施形態の表示データには、ウェブ広告に含まれる複数の広告表現のうち各国で使用NGとなる広告表現の数(例えば
図19のNG数)の表示するデータも含まれる。第3実施形態の表示データには、強調表示を付される広告表現にカーソルを合わせると、少なくともその広告表現が使用NG(使用不可)となる国を表示するポップアップ表示SC424を表示するデータも含まれる。なお、これらの詳細は、第2実施形態と同様であるのでここでは詳細な説明を省略する。
【0096】
このような第3実施形態によれば、ウェブ広告が動画であっても、その動画に含まれる音声テキストデータから広告表現を取得するので、第2実施形態のようなウェブ広告が動画でない場合(テキストや画像などの場合)と同様に広告表現を判定できる。これにより、ウェブ広告が動画であっても、各国ごとの広告表現の使用可否をリスト表示することができるので、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる。しかも、ウェブ広告の動画サイトに含まれるすべての広告表現を一度に判定できるので、広告表現判定の手間と時間を大幅に省くことができる。
【0097】
<変形例>
本発明は、上述した各実施形態に限定されず、例えば以降に説明する各種の応用・変形が可能である。また、これらの変形の態様および上述した各実施形態は、任意に選択された一または複数を適宜組み合わせることも可能である。また当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0098】
(1)判定結果表示画面の第1変形例について
図23を参照しながら説明する。
図23は、第1変形例に係る広告表現の判定結果表示画面SC70の具体例を示す図であり、
図8に対応する。判定結果表示画面SC70は、世界地図表示欄SC72を含み、その世界地図上で広告表現が使用NG(使用不可)となる国の位置を示すマーク表示SC73を追加する。これによれば、
図23のようにメイン表示される国(日本、米国、英国、中国、韓国)だけでなく、それ以外で使用NGとなる国や地域についても、地図上に表示できる。
【0099】
この場合、例えば
図23のように、各国使用可否リストSC214にその他NGSC71の表示を追加することで、NGSC71の表示にカーソルを重ねたときに、メインで表示される国以外で使用NGとなる国や地域がマーク表示SC73でその位置が示されるようにしてもよい。さらにマーク表示SC73が付された使用NGの国、NG理由などを表示するポップアップ表示SC74を追加してもよい。例えば
図23によれば、広告表現としての「哺乳瓶」が審査ガイドラインAでは、日本、米国、英国、韓国のいずれも使用OKであるのに対して、インドとブラジルでは、使用NGであることが一目でわかる。しかもそのNG理由(赤ちゃんの肥満に関連)まで分かる。このようにNG理由が分かると、広告表現を修正しやすくなる。これは他の実施形態や変形例でも同様である。ポップアップ表示SC74にはその国での代替表現を追加してもよい。
【0100】
このような第1変形例の出力部130が生成する表示データには、世界地図表示と世界地図上で少なくともその広告表現が使用NG(使用不可)となる国の位置を示すマーク表示が含まれる。これにより、端末装置20に判定結果表示画面SC70を表示させることができるので、その広告表現がどの国で使用NGとなるのか世界地図上の位置で理解できる。特に複数国で使用NGとなっている場合にもどの国や地域でNGなのかも一目でわかる。また表示データには、世界地図上のマーク表示に関連づけられ、少なくともその広告表現が使用NG(使用不可)となる国を表示するポップアップ表示が含まれるようにしてもよい。これにより、世界地図上のマーク表示で示された使用NGの国が一目でわかる。
【0101】
(2)判定結果表示画面の第1変形例について
図24を参照しながら説明する。
図24は、第2変形例に係る広告表現の判定結果表示画面SC80の具体例を示す図であり、
図23に対応する。判定結果表示画面SC80は、カルチャー(文化)上で使用NGになる例である。広告審査ガイドラインには、その国の法令類上だけでなく、カルチャー上で使用NGになる広告表現も含まれる。このような場合に世界地図を利用することでどの地域が使用NGなのか一目でわかる。例えば
図24によれば、広告表現としての「豚」が審査ガイドラインAでは、日本、米国、英国、韓国のいずれも使用OKであるのに対して、その他NGにカーソルを重ねることで、エジプト、クウェート、マレーシア、パキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などでは使用NGであることが一目でわかる。しかもそのNG理由(カルチャー上広告で使用できない)まで分かる。
【0102】
(3)上記各実施形態及び各変形例の判定結果表示画面において、メイン表示される国(日本、米国、英国、中国、韓国)は、これに限られない。第1実施形態のワード入力画面SC10では、第1入力欄SC11に広告表現となるワードを入力する場合を例示したが、これに限られず、第1入力欄SC11に広告表現となるフレーズを入力するようにしてもよい。第2実施形態及び第3実施形態において、ワード抽出部123は、ウェブ広告のワードを抽出する場合を例示したが、ワードのみならず、フレーズも抽出してもよい。
【符号の説明】
【0103】
100…広告表現判定システム,10…広告表現判定装置,11…通信部,12…制御部,14…記憶部,15…プログラム記憶部,16…データ記憶部,20…端末装置,21…通信部,22…制御部,23…記憶部,24…入力部,25…表示部,121…取得部,122…テキスト変換部,123…ワード抽出部,124…翻訳部,125…判定データ選定部,126…表現判定部,130…出力部,231…プログラム記憶部,161…ユーザDB,162…国別広告判定DB,163…説明文DB,164…代替表現DB,165…判定結果DB,N…ネットワーク,SC10…ワード入力画面,SC11…第1入力欄,SC12…第2入力欄,SC13…チェックボタン,SC14…リセットボタン,SC20…判定結果表示画面,SC211…チェック結果欄,SC212…広告表現表示欄,CS213…広告審査ガイドライン表示欄,SC214…各国使用可否リスト,SC24…言語種別欄,SC25…自国言語表記欄,SC26…理由欄,SC27…代替表現欄,SC28…サイドバー,SC40…判定結果表示画面,SC41…チェック結果欄,SC415…数表示欄,SC42…サイト表示欄,SC422…強調表示,SC423…番号表示,SC424…ポップアップ表示,SC425…スクロールバー,SC60…判定結果表示画面,SC62…テキスト抽出文表示欄,SC70…判定結果表示画面,SC72…世界地図表示欄,SC73…マーク表示,SC74…ポップアップ表示,SC80…判定結果表示画面。
【要約】
広告表現の使用の可否を各国ごとにリスト表示することで、その広告表現がどの国で使用でき、どの国で使用できないかを一目で判別できる広告表現判定装置等を提供する。
上記広告表現判定装置は、広告に関する審査ガイドラインに基づいて複数の国ごとに広告表現の使用可否を判定する判定データを記憶する記憶部と、広告表現を取得する取得部と、広告表現について、国ごとの言語に翻訳された言語表現を取得する翻訳部と、広告表現について、国ごとの使用可否を判定データに基づいて判定する表現判定部と、広告表現についての国ごとの言語表現と国ごとの使用可否をリスト表示する表示データを出力する出力部とを備える。