(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】モータ駆動装置及びサーボ調整方法
(51)【国際特許分類】
H02P 29/00 20160101AFI20230210BHJP
G05B 11/36 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
H02P29/00
G05B11/36 501E
(21)【出願番号】P 2020525368
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(86)【国際出願番号】 JP2019019703
(87)【国際公開番号】W WO2019239791
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2018114666
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】坂元 佑弥
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弘
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/171875(WO,A1)
【文献】特開2009-303432(JP,A)
【文献】特開2009-33783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/00
G05B 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷が接続されるモータを駆動するモータ駆動装置であって、
前記モータの目標位置に対応する位置指令を生成する位置指令生成部と、
前記負荷及び前記モータを含む装置の振動を抑制する1段以上の制振フィルタを含み、前記1段以上の制振フィルタのうち、前記装置のモデルに対応するモデルパラメータに基づいて決定された制振フィルタを前記位置指令に適用し、当該制振フィルタが適用されたフィルタ適用後位置指令を出力する制振フィルタ部と、
前記フィルタ適用後位置指令に基づいて前記モータにトルク指令を与えるサーボ制御部と、
予め定められたカットオフ周波数以上の周波数成分を除去するローパスフィルタ部と、
前記ローパスフィルタ部を通した前記モータの回転速度及び前記トルク指令から前記モデルパラメータを推定するパラメータ推定部と、
前記装置における振動発生の有無を判定する振動判定部とを備える
モータ駆動装置。
【請求項2】
前記パラメータ推定部は、前記モータの回転速度と前記パラメータ推定部が推定した前記モデルパラメータとを用いて中間トルクを推定する中間トルク推定部を有し、
前記振動判定部は前記中間トルクと前記トルク指令と前記パラメータ推定部が推定した前記モデルパラメータとを用いて前記モデルにおける振動発生の有無を判定する
請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
負荷が接続されるモータを駆動するモータ駆動装置のサーボ調整方法であって、
前記モータ駆動装置は、
前記モータの目標位置に対応する位置指令を生成する位置指令生成部と、
前記負荷及び前記モータを含む装置の振動を抑制する1段以上の制振フィルタを含み、前記1段以上の制振フィルタのうち、前記装置のモデルに対応するモデルパラメータに基づいて決定された制振フィルタを前記位置指令に適用し、当該制振フィルタが適用されたフィルタ適用後位置指令を出力する制振フィルタ部と、
前記フィルタ適用後位置指令に基づいて前記モータにトルク指令を与えるサーボ制御部とを備え、
前記サーボ調整方法は、
前記1段以上の制振フィルタのうちi段(i≧0)の制振フィルタが設定されている場合に、前記位置指令生成部が生成した前記位置指令に基づき前記負荷の位置決め動作を行う位置決めステップと、
前記モデルが2慣性系と仮定して、ローパスフィルタを施した前記モータの回転速度及び前記トルク指令から前記モデルパラメータを推定する推定ステップと、
前記モデルにおいて第i+1慣性系の振動成分の発生の有無を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、前記第i+1慣性系の振動成分の発生が有ると判定した場合、第i+1段目の制振フィルタを有効にし、推定した前記モデルパラメータを設定する設定ステップとを含み、
前記推定ステップ、前記判定ステップ及び前記設定ステップを、前記判定ステップで振動成分の発生が無いと判定されるまで繰り返す
サーボ調整方法。
【請求項4】
前記推定ステップにおいて、前記モータの回転速度と前記推定ステップにおいて推定した前記モデルパラメータとを用いて中間トルクを推定し、
前記判定ステップにおいて、前記中間トルクと前記トルク指令と前記推定ステップにおいて推定した前記モデルパラメータとを用いて前記モデルにおける振動発生の有無を判定する
請求項3に記載のサーボ調整方法。
【請求項5】
前記ローパスフィルタのカットオフ周波数を降下させる降下ステップをさらに含み、
前記推定ステップと前記降下ステップとを繰り返し、前記カットオフ周波数が、前記推定ステップで推定された前記モデルの共振周波数以下になったときの前記モデルパラメータを前記第i+1段目の制振フィルタに適用する
請求項3又は4に記載のサーボ調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータ駆動装置及びサーボ調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータ駆動装置は、サーボモータを外部指令通りに駆動制御する位置、速度及び電流の制御などの基本機能を有する。さらに、駆動する負荷としての装置の振動を除去する制振フィルタと呼ばれる機能をモータ駆動装置に搭載する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された制振フィルタは、負荷としての装置の共振周波数や反共振周波数、イナーシャなどのモデルパラメータに基づいて振動を除去する。このような制振フィルタを高精度に機能させるためには、モータ駆動装置の各モデルパラメータを精度良く推定しなければならない。
【0003】
この種のモデルパラメータ推定手法に関する技術として、例えば特許文献2及び特許文献3に開示された技術が知られている。特許文献2には、モータ制御装置に多数の周波数成分を含むトルク指令を与え、このトルク指令とモータ実速度とから周波数特性を生成し、その周波数特性を基に負荷としての装置のモデルパラメータを推定する技術が開示されている。
【0004】
一方で特許文献3には、負荷としての装置が通常の位置決め動作をしている状態でトルク指令及びモータ回転速度を測定し、そのデータに基づいてモデルパラメータを推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-136504号公報
【文献】特開2008-199759号公報
【文献】特開2009-81985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の各技術は以下のような問題点を有している。
【0007】
特許文献2に開示された技術では、様々な周波数成分を含むトルク指令を与えるので、負荷としての装置に大きな負荷が加わる。また、例えば、当該装置として位置決めを行う装置を用いる場合、実際の位置決め動作でモデルパラメータを推定するわけではないので、実動作上で制振フィルタが必要か否かの判断が付かない。例えば、装置の特性として振動が発生する場合でも、実際の位置決め動作では振動しないということがある。このような場合に上記技術は対応できない。
【0008】
特許文献3に開示された技術では、負荷としての装置が2慣性系であることを前提としてモデルパラメータを推定しており、剛体モデルか否かを判断することができない。そのため、制振フィルタが不要な剛体モデルの装置を動作させる場合であっても、不必要に制振フィルタを適用してしまい、結果として位置決め速度の低下を招く。また、多慣性系の装置を動作させる場合であったとしても、当該装置が、例えば、2慣性系なのか3慣性系なのかによって適用するべき制振フィルタの段数も異なる。当該装置がどのようなモデルであるのかが分からなければ、適用すべき制振フィルタの段数を判断できないため、誤ったモデルの制振フィルタを適用し得る。
【0009】
本開示はこれらの課題を解決するものであり、負荷及びモータを含む装置のモデルに必要な制振フィルタの段数を判定し、かつ、当該制振フィルタを高精度に機能させることができるモータ駆動装置及びサーボ調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示に係るモータ駆動装置の一態様は、負荷が接続されるモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記モータの目標位置に対応する位置指令を生成する位置指令生成部と、前記負荷及び前記モータを含む装置の振動を抑制する1段以上の制振フィルタを含み、前記1段以上の制振フィルタのうち、前記装置のモデルに対応するモデルパラメータに基づいて決定された制振フィルタを前記位置指令に適用し、当該制振フィルタが適用されたフィルタ適用後位置指令を出力する制振フィルタ部と、前記フィルタ適用後位置指令に基づいて前記モータにトルク指令を与えるサーボ制御部と、予め定められたカットオフ周波数以上の周波数成分を除去するローパスフィルタ部と、前記ローパスフィルタ部を通した前記モータの回転速度及び前記トルク指令から前記モデルパラメータを推定するパラメータ推定部と、前記装置における振動発生の有無を判定する振動判定部とを備える。
【0011】
これにより、負荷及びモータを含む装置のモデルに対応するモデルパラメータを推定できる。さらに、推定したモデルパラメータと、トルク指令とを用いて、振動が発生したか否かを判定することで、モデルに必要な制振フィルタの段数を判定できる。また、ローパスフィルタ部によって、パラメータ推定部に入力される信号の高周波成分を除去することにより、モデルパラメータを高精度に推定できる。さらに、高精度に推定したモデルパラメータを用いることで制振フィルタを高精度に機能させることができる。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本開示に係るサーボ調整方法の一態様は、負荷が接続されるモータを駆動するモータ駆動装置のサーボ調整方法であって、前記モータ駆動装置は、前記モータの目標位置に対応する位置指令を生成する位置指令生成部と、前記負荷及び前記モータを含む装置の振動を抑制する1段以上の制振フィルタを含み、前記1段以上の制振フィルタのうち、前記装置のモデルに対応するモデルパラメータに基づいて決定された制振フィルタを前記位置指令に適用し、当該制振フィルタが適用されたフィルタ適用後位置指令を出力する制振フィルタ部と、前記フィルタ適用後位置指令に基づいて前記モータにトルク指令を与えるサーボ制御部とを備え、前記サーボ調整方法は、前記1段以上の制振フィルタのうちi段(i≧0)の制振フィルタが設定されている場合に、前記位置指令生成部が生成した前記位置指令に基づき前記負荷の位置決め動作を行う位置決めステップと、前記モデルが2慣性系と仮定して、ローパスフィルタを施した前記モータの回転速度及び前記トルク指令から前記モデルパラメータを推定する推定ステップと、前記モデルにおいて第i+1慣性系の振動成分の発生の有無を判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、前記第i+1慣性系の振動成分の発生が有ると判定した場合、第i+1段目の制振フィルタを有効にし、推定した前記モデルパラメータを設定する設定ステップとを含み、前記推定ステップ、前記判定ステップ及び前記設定ステップを、前記判定ステップで振動成分の発生が無いと判定されるまで繰り返す。
【0013】
これにより、負荷及びモータを含む装置のモデルに対応するモデルパラメータを推定できる。さらに、推定したモデルパラメータと、トルク指令とを用いて、振動が発生したか否かを判定することで、モデルに必要な制振フィルタの段数を判定できる。また、ローパスフィルタを施すことでモータの回転速度及びトルク指令の高周波成分を除去することにより、モデルパラメータを高精度に推定できる。さらに、高精度に推定したモデルパラメータを用いることで制振フィルタを高精度に機能させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示により、負荷及びモータを含む装置のモデルに必要な制振フィルタの段数を判定し、かつ、当該制振フィルタを高精度に機能させることができるモータ駆動装置及びサーボ調整方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るモータ駆動装置の制振フィルタ部の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るモデルにおけるトルク指令と回転速度との関係を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るモータ駆動装置のパラメータ推定部の詳細構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るモータ駆動装置の振動判定部の詳細構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るサーボ調整方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るモデルパラメータ及び中間トルクの推定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0017】
(実施の形態)
実施の形態に係るモータ駆動装置について
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係るモータ駆動装置1の構成例を示すブロック図である。
図1には、モータ駆動装置1の他に、モータ2、検出器3及び負荷4も併せて示されている。
【0018】
モータ2は、モータ駆動装置1によって駆動される電動機であって負荷4が接続される。
【0019】
検出器3は、モータ2の回転速度を検出する計測機器である。検出器3として例えばエンコーダを用いることができる。
【0020】
負荷4は、モータ2に接続される装置である。本実施の形態では、負荷4は、モータ駆動装置1によって位置決め動作を行う装置である。負荷4として、例えば、半導体製造装置、工作機械などの産業用装置を用いることができる。
【0021】
モータ駆動装置1は、負荷4が接続されるモータ2を駆動する駆動装置である。
図1に示されるように、モータ駆動装置1は、機能的には、位置指令生成部11、制振フィルタ部12、サーボ制御部13及び制振フィルタ設定部14を備える。
【0022】
位置指令生成部11は、モータ2の目標位置に対応する位置指令を生成する。本実施の形態では、位置指令生成部11は、指定された位置決め動作に基づいて位置指令を生成し、制振フィルタ部12に出力する。位置決め動作は、モータ駆動装置1の外部から指定されてもよいし、モータ駆動装置1の内部で指定されてもよい。
【0023】
制振フィルタ部12は、位置指令生成部11から入力された位置指令に、モデルパラメータに基づいて装置振動を抑制するように加工したフィルタを施し、フィルタを施されたフィルタ適用後位置指令を出力する。ここで、制振フィルタ部12について
図2を用いて説明する。
【0024】
図2は、本実施の形態に係るモータ駆動装置1の制振フィルタ部12の構成を示すブロック図である。なお、
図2には、位置指令生成部11及びサーボ制御部13も併せて示されている。
図2に示されるように、制振フィルタ部12は、負荷4及びモータ2を含む装置の振動を抑制する1段以上の制振フィルタを含む。本実施の形態では、制振フィルタ部12は、N段(N≧1)の制振フィルタF
1~F
Nを含む。
【0025】
図2に示されるように、制振フィルタ部12は、N段の制振フィルタF
1~F
Nの各々の前段に配置され、制振フィルタの有効及び無効を切り替える制振フィルタ切替部S
1~S
Nを有する。以上のような構成により、制振フィルタ部12は、1段以上の制振フィルタのうち、負荷4及びモータ2を含む装置のモデルに対応するモデルパラメータに基づいて決定された制振フィルタを位置指令に適用し、当該制振フィルタが適用されたフィルタ適用後位置指令を出力する。
【0026】
なお、
図1に示される例では、制振フィルタ設定部14は、モータ駆動装置1の内部に配置されているが、モータ駆動装置1の外部に配置されてもよい。
【0027】
サーボ制御部13は、制振フィルタ部12から出力されたフィルタ適用後位置指令に基づいてモータ2にトルク指令を与える。サーボ制御部13は、制振フィルタ部12から出力されたフィルタ適用後位置指令と検出器3が示す回転位置とからモータ2へ与えるトルク指令を生成する。
【0028】
制振フィルタ設定部14は、ローパスフィルタ部141、パラメータ推定部142及び振動判定部143を有する。ローパスフィルタ部141は、予め定められたカットオフ周波数以上の周波数成分を除去するフィルタである。ローパスフィルタ部141は、検出器3によって検出されたモータ2の回転位置から計算されるモータ2の回転速度、及び、トルク指令の高周波成分をそれぞれ除去したローパスフィルタ後の回転速度とローパスフィルタ後のトルク指令とを生成する。
【0029】
パラメータ推定部142は、ローパスフィルタ部141を通したモータ2の回転速度及びトルク指令からモデルパラメータを推定する。パラメータ推定部142は、負荷4及びモータ2を含む装置のモデルを2慣性系と仮定し、総イナーシャ、共振周波数、共振減衰比、反共振周波数及び共振減衰比を推定する機能を有する。
【0030】
振動判定部143は、負荷4及びモータ2を含む装置のモデルにおける振動発生の有無を判定する。本実施の形態では、振動判定部143は、トルク指令とパラメータ推定部142が生成する共振周波数、反共振周波数及び中間トルクとから、位置決め動作時の負荷4の振動の有無を判定する。制振フィルタ部12はこれらのモデルパラメータと振動発生の有無の判定結果とを基に制振フィルタ部12の設定を行う。
【0031】
次に、負荷4及びモータ2を含む装置のモデルについて
図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係るモデルにおけるトルク指令と回転速度との関係を示す図である。本実施の形態では、モデルとしてN+1慣性系モデルを用いる。
図3に示されるように、当該モデルは、剛体特性部30と、第1振動特性部I
1から第N振動特性部I
Nまでの振動特性部とで示される。N+1慣性系モデルを用いているため、
図3には、第1振動特性部I
1から第N振動特性部I
Nまで示されているが、例えば、モデルが2慣性系の場合には第1振動特性部I
1のみのブロック図で表され、モデルが3慣性系の場合には第1振動特性部I
1及び第2振動特性部I
2のみのブロック図で表される。
図3に示されるτ
inはサーボ制御部13から生成されるトルク指令、ω
mは検出器3の出力から算出されるモータ2の回転速度である。また、J
allは総イナーシャ、ω
p(i)は第i振動特性部I
iの共振周波数、ζ
p(i)は第i振動特性部I
iの共振減衰比、ω
z(i)は第i振動特性部I
iの反共振周波数、ζ
z(i)は第i振動特性部I
iの反共振減衰比をそれぞれ表す。これらのパラメータは、本実施の形態に係るパラメータ推定部142によって推定されるモデルパラメータである。さらに、τ
M(i)は第i振動特性部I
iの中間トルクでモータ2の回転速度ω
mと推定されたモデルパラメータから算出される値である。回転速度ω
mとトルク指令τ
inとの関係を伝達関数で表すと、以下の式(1)となる。
【0032】
【0033】
さらに、回転速度ωmと第1慣性系I1の中間トルクτM(1)との関係、及び、第i慣性系Iiの中間トルクτM(i)と第i+1慣性系Ii+1の中間トルクτM(i+1)との関係は、それぞれ式(2)及び式(3)で表される。
【0034】
【0035】
【0036】
次に、パラメータ推定部142について
図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係るモータ駆動装置1のパラメータ推定部142の詳細構成を示すブロック図である。パラメータ推定部142は、中間トルク推定部142aと、2慣性系モデルパラメータ推定部142bとを有し、モデルを2慣性系と仮定して推定を行う。
【0037】
中間トルク推定部142aは、モータ2の回転速度とパラメータ推定部142が推定したモデルパラメータとを用いて中間トルクを推定する。
図4に示すとおり、パラメータ推定部142においては、モータ2の回転速度ω
mとトルク指令τ
in及び、本実施の形態により既に推定された第1振動特性部I
1から第i振動特性部I
iまでのモデルパラメータ
【0038】
【0039】
と、推定された総イナーシャ
【0040】
【0041】
とが入力となる。ただし、i=0のときは、回転速度ωm及びトルク指令τinのみが入力となる。
【0042】
中間トルク推定部142aは式(3)の関係を用いて、中間トルクτM(i+1)を算出する。具体的には回転速度ωmと各推定されたモデルパラメータとが与えられているので、式(3)の伝達関数の逆数で表されるフィルタをτM(i)に施すと中間トルクの推定値
【0043】
【0044】
が得られる。なお、式(3)では連続系の伝達関数として表されている。離散系の伝達関数の場合、式(3)を双一次変換法で離散化することで、中間トルクτM(i+1)はτM(i)に対しデジタルIIRフィルタを施すことで得られる関係となるため、中間トルクの推定値は、この関係を用いて算出されてもよい。
【0045】
2慣性系モデルパラメータ推定部142bでは、中間トルクの推定値
【0046】
【0047】
とτinとが以下の式(4)の関係を有すると仮定する。
【0048】
【0049】
これにより、モデルパラメータ
【0050】
【0051】
の推定を行う。
【0052】
このようなモデルパラメータの推定においては、特許文献2などで示されている最小二乗法による方法の適用が例として挙げられる。なお、モデルパラメータ
【0053】
【0054】
は全て0以上になるので、この条件を制約条件式とした最適化問題を最急降下法などの最適化手法を用いて解いてもよい。この方法を用いることで、パラメータ推定部142の出力として第i+1慣性系のモデルパラメータ
【0055】
【0056】
及び中間トルク
【0057】
【0058】
の推定結果が得られる。
【0059】
なお、i=0のときのみ、以下の式(5)で表される仮定を用いる。
【0060】
【0061】
これにより、総イナーシャを含めてモデルパラメータの推定を行った後、推定された総イナーシャ
【0062】
【0063】
を用いて中間トルク
【0064】
【0065】
の推定を行う。また、総イナーシャが別途推定済みだった場合、その結果を用いてもよい。
【0066】
次に、振動判定部143について説明する。
図5は、本実施の形態に係るモータ駆動装置1の振動判定部143の詳細構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、振動判定部143は、トルク比較振動判定部143aと、周波数比較振動判定部143bと、判定結合部143cとを有する。振動判定部143はトルク指令τ
inと推定された中間トルク
【0067】
【0068】
共振周波数
【0069】
【0070】
及び反共振周波数
【0071】
【0072】
とを入力として振動発生の有無、つまり第i+1段目の制振フィルタの要否を判定する。
【0073】
具体的には、第i+1慣性系の振動成分が発生しない場合、つまり第i+1段目の制振フィルタが不要の場合は、中間トルクτM(i+1)とトルク指令τinとは、ほぼ一致するはずである。従って、振動判定部143のトルク比較振動判定部143aは、推定された中間トルク
【0074】
【0075】
とτinとの差分の最大値が閾値以内であれば第i+1慣性系の振動は発生していないと判断し、第i+1段目の制振フィルタは不要という出力を行う。なお、ここで振動判定を行う場合に、当該差分の平均値又は中央値を用いてもよい。
【0076】
さらに、共振周波数と反共振周波数値の比が1となる特性は、剛体モデルが示す特性である。剛体モデルでは振動が発生しないため、周波数比較振動判定部143bでは、比
【0077】
【0078】
が閾値以上の場合に振動無しと判断する。
【0079】
判定結合部143cは、トルク比較振動判定部143a及び周波数比較振動判定部143bの判定結果を結合して最終的に第i+1段目の制振フィルタの要否の判定を行う。判定結合部143cが行う判定結合は、両判定結果の論理和でもよいし、論理積でもよい。
【0080】
次に、本実施の形態に係るモータ駆動装置1におけるサーボ調整方法について
図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係るサーボ調整方法を示すフローチャートである。
図6における変数iは、処理時における設定済み制振フィルタの段数を示す。
【0081】
図6に示されるように、まず、設定済み制振フィルタ数iを0に設定する(S0)。
【0082】
次に、ステップS1では、位置指令生成部11が生成した位置指令に基づき負荷の位置決め動作を行う。ここでは、実際に位置指令生成部11から位置指令を出力し、モータ2を駆動させる。制振フィルタ設定部14は、このときのサーボ制御部13から出力されるトルク指令τinと検出器3の出力から算出されるモータの回転速度ωmとを時系列的に記録する。
【0083】
次に、ステップS2では、モデルが2慣性系と仮定して、ローパスフィルタを施したモータ2の回転速度ω
m及びトルク指令τ
inからモデルパラメータを推定する。ステップS2において、モータ2の回転速度ω
mと、本ステップにおいて推定したモデルパラメータとを用いて中間トルクを推定する。このステップではモデルが2慣性系と仮定してモデルパラメータを推定するが、モデルが実際には3次、4次などの高次の慣性系であっても、精度良くモデルパラメータを推定するためには、高周波振動成分の影響を除去し、推定したい低周波成分のみを残す必要がある。そのため回転速度ω
m及びトルク指令τ
inに対し、ローパスフィルタ部141のローパスフィルタを施して高周波成分を除去する。ただし、推定したい共振周波数及び反共振周波数が未知のため、ローパスフィルタのカットオフ周波数は一意に定めることはできない。そこで、本実施の形態では、ローパスフィルタのカットオフ周波数を徐々に下げていき、その都度、モデルパラメータの推定を行い、推定された共振周波数がカットオフ周波数よりも大きくなったときの推定値をモデルパラメータの推定結果として採用する。ステップS2の具体的な方法を
図7を用いて説明する。
図7は、本実施の形態に係るモデルパラメータ及び中間トルクの推定方法を示すフローチャートである。
【0084】
図7に示されるように、ステップS21では、ローパスフィルタのカットオフ周波数を初期化する。ここでは、カットオフ周波数の初期値をなるべく大きく設定する。例えば、カットオフ周波数の初期値をモータ駆動装置1の制振周波数と設定し得る最大値としてもよい。
【0085】
次に、ステップS22では、回転速度ωm及びトルク指令τinに対し、指定したカットオフ周波数のローパスフィルタを施し、ローパスフィルタを施した回転速度ωm’とトルク指令τin’とを得る。続いて、回転速度ωm’及びトルク指令τin’をパラメータ推定部142に入力して、各モデルパラメータの中間トルクの推定結果を得る。
【0086】
次に、ステップ23において、変数iが0か否かを判定する。ここでiが0でなければ(S23でNo)、ステップS231にて中間トルクの推定を行い、その推定結果からステップS241にてモデルパラメータ(共振周波数、反共振周波数、共振減衰比、反共振減衰比)の推定を行う。一方で、i=0であれば(S23でYes)、ステップS232にてモデルパラメータの推定を行い、その結果からステップS242にて中間トルクを推定する。
【0087】
次に、ステップS25では、ローパスフィルタのカットオフ周波数と推定した共振周波数
【0088】
【0089】
とを比較する。カットオフ周波数が当該共振周波数より大きければ(S25でNo)、ステップS26でカットオフ周波数を降下させて更新し、ステップS22に戻る。上記モデルパラメータを推定するステップとステップS26とを繰り返し、カットオフ周波数が推定された共振周波数以下になったときに(S25でYes)、ステップS2を終了し、そのときに推定したモデルパラメータと中間トルクとをパラメータ推定部142は出力する。このように、本実施の形態では、回転速度ωm及びトルク指令τinから共振周波数より高い周波数成分を最大限に除去できるため、より高精度にモデルパラメータを推定できる。
【0090】
図6に戻り、ステップS3では、モデルにおいて第i+1慣性系の振動成分の発生の有無を判定する。具体的には、中間トルクとトルク指令と推定したモデルパラメータとを用いてモデルにおける振動発生の有無を判定する。本実施の形態では、トルク指令τ
inとステップS2が出力した中間トルク並びに共振周波数及び反共振周波数から、上述の振動判定部143を用いて振動発生の有無を判定する。
【0091】
ステップS3で第i+1慣性系の振動成分の発生が無いと判断した場合(S3で振動無し)、第i+1段目の制振フィルタの設定を行うことなく、処理を終了する。ステップS3で第i+1慣性系の振動成分の発生が有ると判断した場合(S3で振動有り)、ステップS4に移行する。
【0092】
ステップS4では第i+1段目の制振フィルタに対し、第i+1段目の制振フィルタを有効化し、推定したモデルパラメータ
【0093】
【0094】
の設定を行う。
【0095】
そして、ステップS5において、設定済み制振フィルタ数を表す変数iをi+1に更新する。続いて、ステップS6において、変数iがモータ駆動装置1に搭載している制振フィルタの段数Nより小さいか否かを判断する。ここで変数iが段数Nより小さいならば(S6でYes)、ステップS2に戻る。一方、変数iが段数N以上ならば(S6でNo)、処理を終了する。
【0096】
このようにトルク指令τinと中間トルクτMとの関係から振動発生の有無を判定し、制振フィルタの要否を判断する処理を繰り返すことで、必要とされる制振フィルタの段数を判断するのと同時に各制振フィルタに設定するモデルパラメータを推定することができる。
【0097】
以上のように、本実施の形態に係るモータ駆動装置1では、負荷4及びモータ2を含む装置のモデルに対応するモデルパラメータを推定できる。さらに、推定したモデルパラメータと、トルク指令とを用いて、振動が発生したか否かを判定することで、モデルに必要な制振フィルタの段数を判定できる。また、ローパスフィルタ部141によって、パラメータ推定部に入力される信号の高周波成分を除去することにより、モデルパラメータを高精度に推定できる。さらに、高精度に推定したモデルパラメータを用いることで制振フィルタを高精度に機能させることができる。
【0098】
また、中間トルク及びトルク指令とモデルパラメータとを用いて振動発生の有無を判定することで、高精度に振動発生の有無を判定できる。
【0099】
以上のように、本実施の形態に係るモータ駆動装置1は、負荷4が接続されるモータ2を駆動するモータ駆動装置1であって、モータ2の目標位置に対応する位置指令を生成する位置指令生成部11と、負荷4及びモータを含む装置の振動を抑制する1段以上の制振フィルタを含み、当該1段以上の制振フィルタのうち、当該装置のモデルに対応するモデルパラメータに基づいて決定された制振フィルタを位置指令に適用し、当該制振フィルタが適用されたフィルタ適用後位置指令を出力する制振フィルタ部12と、フィルタ適用後位置指令に基づいてモータ2にトルク指令を与えるサーボ制御部13と、予め定められたカットオフ周波数以上の周波数成分を除去するローパスフィルタ部141と、ローパスフィルタ部141を通したモータ2の回転速度及びトルク指令からモデルパラメータを推定するパラメータ推定部142と、当該装置における振動発生の有無を判定する振動判定部143とを備える。
【0100】
これにより、負荷4及びモータ2を含む装置のモデルに対応するモデルパラメータを推定できる。さらに、推定したモデルパラメータと、トルク指令とを用いて、振動が発生したか否かを判定することで、モデルに必要な制振フィルタの段数を判定できる。また、ローパスフィルタ部141によって、パラメータ推定部142に入力される信号の高周波成分を除去することにより、モデルパラメータを高精度に推定できる。さらに、高精度に推定したモデルパラメータを用いることで制振フィルタを高精度に機能させることができる。
【0101】
また、本実施の形態に係るモータ駆動装置1の一態様において、パラメータ推定部142は、モータ2の回転速度とパラメータ推定部142が推定したモデルパラメータとを用いて中間トルクを推定する中間トルク推定部142aを有し、振動判定部143は中間トルクとトルク指令とパラメータ推定部142が推定したモデルパラメータとを用いてモデルにおける振動発生の有無を判定してもよい。
【0102】
このように、中間トルク及びトルク指令とモデルパラメータとを用いることで、高精度に振動発生の有無を判定できる。
【0103】
また、本実施の形態に係るサーボ調整方法は、負荷4が接続されるモータ2を駆動するモータ駆動装置1のサーボ調整方法であって、モータ駆動装置1は、モータ2の目標位置に対応する位置指令を生成する位置指令生成部11と、負荷4及びモータ2を含む装置の振動を抑制する1段以上の制振フィルタを含み、1段以上の制振フィルタのうち、当該装置のモデルに対応するモデルパラメータに基づいて決定された制振フィルタを位置指令に適用し、当該制振フィルタが適用されたフィルタ適用後位置指令を出力する制振フィルタ部12と、フィルタ適用後位置指令に基づいてモータ2にトルク指令を与えるサーボ制御部13とを備え、サーボ調整方法は、1段以上の制振フィルタのうちi段(i≧0)の制振フィルタが設定されている場合に、位置指令生成部11が生成した位置指令に基づき負荷4の位置決め動作を行う位置決めステップと、モデルが2慣性系と仮定して、ローパスフィルタを施したモータ2の回転速度及びトルク指令からモデルパラメータを推定する推定ステップと、モデルにおいて第i+1慣性系の振動成分の発生の有無を判定する判定ステップと、判定ステップにおいて、第i+1慣性系の振動成分の発生が有ると判定した場合、第i+1段目の制振フィルタを有効にし、推定したモデルパラメータを設定する設定ステップとを含み、推定ステップ、判定ステップ及び設定ステップを、判定ステップで振動成分の発生が無いと判定されるまで繰り返す。
【0104】
これにより、負荷4及びモータ2を含む装置のモデルに対応するモデルパラメータを推定できる。さらに、推定したモデルパラメータと、トルク指令とを用いて、振動が発生したか否かを判定することで、モデルに必要な制振フィルタの段数を判定できる。また、ローパスフィルタを施すことでモータ2の回転速度及びトルク指令の高周波成分を除去することにより、モデルパラメータを高精度に推定できる。さらに、高精度に推定したモデルパラメータを用いることで制振フィルタを高精度に機能させることができる。
【0105】
また、本実施の形態に係るサーボ調整方法において、推定ステップにおいて、モータ2の回転速度と推定ステップにおいて推定したモデルパラメータとを用いて中間トルクを推定し、判定ステップにおいて、中間トルクとトルク指令と推定ステップにおいて推定したモデルパラメータとを用いてモデルにおける振動発生の有無を判定してもよい。
【0106】
このように、中間トルク及びトルク指令とモデルパラメータとを用いることで、高精度に振動発生の有無を判定できる。
【0107】
また、本実施の形態に係るサーボ調整方法において、ローパスフィルタのカットオフ周波数を降下させる降下ステップをさらに含み、推定ステップと降下ステップとを繰り返し、カットオフ周波数が、推定ステップで推定されたモデルの共振周波数以下になったときのモデルパラメータを第i+1段目の制振フィルタに適用してもよい。
【0108】
これにより、共振周波数より高い周波数成分を最大限に除去できるため、より高精度にモデルパラメータを推定できる。
【0109】
(変形例など)
以上、本開示に係るモータ駆動装置及びサーボ調整方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0110】
本開示で述べたモデルパラメータの推定方法は、サーボ内のモータ駆動装置内部での実装とされているが、これはモータ駆動装置1の備える図示しない通信インターフェース(RS232、RS485、USB通信、Ethernet接続、Bluetooth(登録商標)通信や無線LANなどの無線接続手段など)を通じて、対応した通信手段を備えたパソコンやコンソールなど、別の装置に搭載されていてもよい。またパラメータ推定部のすべての機能をモータ駆動装置1に内蔵しても、なんら本開示の効果を妨げるものではない。
【0111】
また、本開示に係るモータ駆動装置1の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0112】
そのほか、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本開示に係るモータ駆動装置は、装置やサーボに詳細な知識を持たない作業者でも、位置決め動作から装置のモデルパラメータと適切な制振フィルタの段数を得ることができる手段を提供するものである。このため、本開示に係るモータ駆動装置及びサーボ調整方法は、例えば、半導体製造装置、工作機械などの位置決め動作における振動を抑制することが求められる産業用装置において特に有用である。
【符号の説明】
【0114】
1 モータ駆動装置
2 モータ
3 検出器
4 負荷
11 位置指令生成部
12 制振フィルタ部
13 サーボ制御部
14 制振フィルタ設定部
141 ローパスフィルタ部
142 パラメータ推定部
142a 中間トルク推定部
142b 2慣性系モデルパラメータ推定部
143 振動判定部
143a トルク比較振動判定部
143b 周波数比較振動判定部
143c 判定結合部