(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230210BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230210BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20230210BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20230210BHJP
F21V 7/10 20060101ALI20230210BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20230210BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230210BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 130
F21S8/04 310
F21V23/00 140
F21V23/00 120
F21V3/02 200
F21V3/00 320
F21V7/10 115
F21V7/10 300
F21V15/01 330
F21V15/01 100
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019100633
(22)【出願日】2019-05-29
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】神田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】渡部 祐樹
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021993(JP,A)
【文献】特開2016-213166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 23/00
F21V 3/02
F21V 3/00
F21V 7/10
F21V 15/01
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、前記器具本体に取り付けられた発光モジュールとを備える照明装置であって、
前記発光モジュールは、
第1領域及び当該第1領域を囲む環状の第2領域を含む主面を有し、平面視形状が略矩形である基板と、
前記第1領域に配置された複数の回路部品と、
前記第1領域を囲むように環状に並んで前記第2領域に配置された複数の発光素子とを含み、
前記照明装置は、さらに、前記第1領域を覆うカバー部材を備え、
前記カバー部材は、
前記基板の辺に対向する第1部位と、
前記基板の角に対向する部位であって、平面視において、前記第1領域の中心からの距離が前記第1部位に等しい第2部位とを有し、
前記第1部位は、前記第2部位よりも前記主面に近い
照明装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記基板の辺に対向する部分に設けられた、前記基板に向かって凹んだ湾曲面を有し、
前記第1部位は、前記湾曲面に含まれる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記基板の辺に対向する部分に設けられた、前記基板に対して傾斜した平面を有し、
前記第1部位は、前記平面に含まれる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記基板の辺に対向する部分に設けられた、前記基板に向かう方向とは反対側に向かって凸の湾曲面を有し、
前記第1部位は、前記湾曲面に含まれる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記カバー部材は、2つの前記第1部位を有し、
2つの前記第1部位は、前記基板の4つの辺のうち対向する2つの辺にそれぞれ対向している
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記カバー部材は、3つの前記第1部位を有し、
3つの前記第1部位は、前記基板の4つの辺のうち3つの辺にそれぞれ対向している
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数の回路部品は、
第1回路部品と、
前記第1回路部品よりも前記主面からの高さが高い第2回路部品とを含み、
前記第1回路部品は、前記第1領域のうち、前記基板の辺に対向する第3領域に配置され、
前記第2回路部品は、前記第1領域のうち、前記基板の角に対向する第4領域に配置されている
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記発光モジュールは、さらに、前記第3領域に配置された常夜灯用発光素子を含み、
前記カバー部材には、前記常夜灯用発光素子を露出させる開口が設けられている
請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記発光モジュールは、さらに、前記第3領域に配置された受光素子を含み、
前記受光素子は、前記開口に露出している
請求項8に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、天井に配置される照明器具であるシーリングライトが知られている。例えば、特許文献1には、器具本体と、器具本体に支持された光源基板及び回路基板を備えるシーリングライトが開示されている。光源基板には、複数のLED(Light Emitting Diode)が環状に実装されている。回路基板は、環状の複数のLEDの内側に位置している。回路基板には、複数のLEDの各々を点灯させるための点灯回路を構成する複数の回路部品が実装されている。複数の回路部品は、点灯回路カバーによって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシーリングライトでは、点灯回路カバーが複数のLEDの内側に設けられているため、LEDから発せられた光が点灯回路カバーによって遮られて中央部が暗くなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、中央部が暗くなるのを抑制することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る照明装置は、器具本体と、前記器具本体に取り付けられた発光モジュールとを備える照明装置であって、前記発光モジュールは、第1領域及び当該第1領域を囲む環状の第2領域を含む主面を有し、平面視形状が略矩形である基板と、前記第1領域に配置された複数の回路部品と、前記第1領域を囲むように環状に並んで前記第2領域に配置された複数の発光素子とを含み、前記照明装置は、さらに、前記第1領域を覆うカバー部材を備え、前記カバー部材は、前記基板の辺に対向する第1部位と、前記基板の角に対向する部位であって、平面視において、前記第1領域の中心からの距離が前記第1部位に等しい第2部位とを有し、前記第1部位は、前記第2部位よりも前記主面に近い。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明装置によれば、中央部が暗くなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明装置の断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る発光モジュールの平面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る基板の内周領域の辺領域と角領域とを示す平面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る回路カバー及び発光モジュールの平面図である。
【
図6】
図6は、
図5のVI-VI線における実施の形態に係る回路カバー及び発光モジュールの断面図である。
【
図7】
図7は、
図5のVII-VII線における実施の形態に係る回路カバー及び発光モジュールの断面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例1に係る回路カバー及び発光モジュールの平面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例2に係る回路カバー及び発光モジュールの断面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態の変形例3に係る回路カバー及び発光モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施の形態に係る照明装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
また、本明細書において、平行又は直交などの要素間の関係性を示す用語、及び、長方形又は円形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0012】
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明装置について説明する。
【0013】
[概要]
まず、本実施の形態に係る照明装置の概要について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明装置1の分解斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明装置1の断面図である。具体的には、
図2は、照明装置1の中心軸Jを含む、Z軸に平行な断面(より具体的には、
図5のII-II線で表される断面)を示している。
【0014】
なお、
図1及び
図2において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。Z軸の負側は、シーリングライトである照明装置1が適切に設置された場合における天井側を表し、Z軸の正側は、床面側を表している。また、以下の説明において、「平面視」とはZ軸の正側から見た場合を意味する。
図1、
図2、
図6、
図7及び
図9では、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
【0015】
本実施の形態に係る照明装置1は、例えば室内を照明するためのシーリングライトであり、
図1に示される透光カバー60が下向きになるように室内の天井2に取り付けられる。天井2は、照明装置1が設置される設置面の一例である。なお、照明装置1は、使用態様によっては壁面又は床面などに設置されてもよい。つまり、照明装置1は、シーリングライトでなくてもよく、ウォールライト又はフロアライトであってもよい。
【0016】
照明装置1は、
図1に示されるように、器具本体10と、発光モジュール20と、回路カバー30と、樹脂カバー40と、光源カバー50と、透光カバー60とを備える。以下では、照明装置1が備える各構成部材の詳細について説明する。
【0017】
[器具本体]
図1に示されるように、器具本体10は、円盤状に形成されており、例えばアルミニウム板又は鋼板などの板金を用いて作製された部材である。器具本体10の発光モジュール20が配置される側(Z軸の正側)の面には、例えば、光反射率が高い白色塗料が塗布又は反射性金属材料が蒸着されている。
【0018】
具体的には、器具本体10は、取付面部11と、外周部12と、内周部13とを有する。また、
図2に示されるように、器具本体10の中央には、円形状の開口14が形成されている。
【0019】
取付面部11は、内周部13を囲む円環状の部分である。
図2に示されるように、取付面部11は、外周部12及び内周部13よりもZ軸の正側に位置している。取付面部11には、発光モジュール20が取り付けられる。具体的には、取付面部11の主面(Z軸の正側の主面)に発光モジュール20の基板21が載置され、ネジ(図示せず)などによって基板21が固定される。
【0020】
外周部12は、取付面部11を囲む円環状の部分である。外周部12のZ軸の正側の面には、透光カバー60を取り付けるための複数の取付部材(図示せず)が固定されている。複数の取付部材は、透光カバー60の端部を保持することにより、透光カバー60を保持する。外周部12のZ軸の負側(天井2側)の面には、複数のクッション部材94が固定されている。複数のクッション部材94は、外周部12の周方向に沿って間隔を空けて配置される。複数のクッション部材94は、照明装置1が天井2に設置された場合に、器具本体10と天井2との間に挟み込まれることにより、器具本体10のぐらつきが抑制される。複数のクッション部材94は、例えば、ウレタンなどの弾力(クッション性)を有する材料を用いて形成されている。
【0021】
内周部13は、器具本体10の中央に位置する円環状の部分である。内周部13は、発光モジュール20の基板21の裏面(Z軸の負側の主面)に設けられた回路部品、回路部品の一部(例えばリード)又は半田などを収納する空間を形成している。また、内周部13の中央には、開口14が形成されている。
【0022】
内周部13には、開口14の周縁からZ軸の正側に延びる円筒状のホルダ91及び円筒状の保護カバー92が取り付けられている。ホルダ91は、器具本体10をアダプタ90に装着するための部材である。ホルダ91は、例えば樹脂材料を用いて形成された部材であり、アダプタ90と嵌め合わせ可能な構造を有している。ホルダ91は、
図2に示されるように、ネジ93によって内周部13に固定される。
【0023】
保護カバー92は、ホルダ91を保護するカバー部材である。保護カバー92は、例えば樹脂材料を用いて形成されている。円筒状の保護カバー92の内部に、ホルダ91が配置されている。
【0024】
アダプタ90は、天井2などの設置面に予め固定された引掛シーリングボディ3に器具本体10を着脱自在に取り付けるための部材である。アダプタ90がホルダ91に固定されることにより、器具本体10がアダプタ90を介して引掛シーリングボディ3に取り付けられる。これにより、照明装置1が天井2に設置される。
【0025】
[発光モジュール]
発光モジュール20は、点灯回路と光源とが一体化されたモジュールである。発光モジュール20は、器具本体10に取り付けられている。
【0026】
図3は、本実施の形態に係る発光モジュール20の平面図である。
図1及び
図3に示されるように、発光モジュール20は、基板21と、複数の発光素子22と、複数の回路部品23とを備える。
【0027】
基板21は、主面21aを有し、平面視形状が略矩形である基板である。平面視とは、基板21の厚み方向から見た場合、具体的には、Z軸の正側から見た場合を意味する。略矩形とは、
図3に示されるように、例えば角が丸く面取りされた角丸四角形でもよい。また、角が斜めに面取りされた四角形、すなわち、八角形であってもよい。また、4つの角のうち少なくとも1つの角は、面取りされていなくてもよい。基板21は、4つの角のいずれも90°の長方形又は正方形であってもよい。基板21は、例えば250mm×250mm未満の大きさであり、一例として200mm×200mmの大きさである。
【0028】
具体的には、基板21の平面視における輪郭(外形)は、4つの辺21bと、4つの角21cとを有する。辺21bは、基板21の輪郭のうちの直線部分である。4つの辺21bは、互いに同じ長さであるが、少なくとも1つの辺21bが他の辺21bとは異なっていてもよい。角21cは、基板21の輪郭のうちの曲線部分である。4つの角21cは、互いに同じ長さであるが、少なくとも1つの角21cが他の角21cとは異なっていてもよい。なお、基板21の平面視形状が八角形である場合、角21cは直線になる。このとき、角21cは、辺21bよりも短い部分である。
【0029】
本実施の形態では、基板21の中央には、略円形の貫通孔24が設けられている。つまり、基板21の平面視形状は、外周が略矩形であり、かつ、内周が略円形である環状の形状である。
図2に示されるように、貫通孔24には、保護カバー92及びホルダ91が挿入される。
【0030】
基板21は、例えば、主面21a及びその反対側の主面に導電パターン(金属配線)が設けられたプリント基板である。基板21としては、例えば、CEM3(Composite Epoxy Material-3)基板などのガラスコンポジット基板、又は、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板若しくはガラス基板などを用いることができる。基板21は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
【0031】
基板21の主面21aは、Z軸の正側(光出射側)の主面である。主面21aは、複数の発光素子22及び複数の回路部品23の実装面である。
図3及び
図4に示されるように、主面21aは、内周領域25と、内周領域25を囲む外周領域26とを含んでいる。ここで、
図4は、本実施の形態に係る内周領域25の辺領域25aと角領域25bとを示す平面図である。
【0032】
内周領域25は、第1領域の一例であり、複数の回路部品23が配置される領域である。内周領域25は、回路カバー30及び樹脂カバー40によって覆われた領域である。具体的には、内周領域25は、
図3の破線で示される円の内側の環状の領域(すなわち、
図4のドットの網掛けが付された領域)である。内周領域25には、発光素子22が実装されていない。なお、後述する常夜灯用発光素子27は、内周領域25に設けられている。
【0033】
図4に示されるように、内周領域25は、基板21の辺21bに対向する辺領域25aと、基板21の角21cに対向する角領域25bとを有する。なお、辺21b(又は角21c)に対向する領域(又は部位)とは、平面視において、辺21b(又は角21c)の近くで、かつ、辺21b(又は角21c)に沿った領域(又は部位)ことを意味する。
【0034】
辺領域25aは、内周領域25のうち、基板21の辺21bに対向する第3領域の一例である。具体的には、辺領域25aは、平面視において、中心軸Jと辺21bの両端の各々とを結ぶ2本の仮想的な線(
図4では破線で示す)で挟まれた領域である。
図4では、薄いドットの網掛けを付して辺領域25aを表している。
【0035】
角領域25bは、内周領域25のうち、基板21の角21cに対向する第4領域の一例である。具体的には、角領域25bは、平面視において、中心軸Jと角21cの両端の各々とを結ぶ2本の仮想的な線(
図4では破線で示す)で挟まれた領域である。
図4では、濃いドットの網掛けを付して角領域25bを表している。
【0036】
なお、角領域25bは、基板21の角21cの一部と中心軸Jとを結ぶ仮想的な線を中心とする所定幅(例えば、50mm)の領域であってもよい。例えば、基板21の平面視形状が矩形である場合、直角の角21c(頂点)と中心軸Jとを結ぶ仮想的な線を中心とする所定幅の領域が角領域25bである。辺領域25aは、内周領域25のうち角領域25bを除いた領域である。
【0037】
外周領域26は、第2領域の一例であり、複数の発光素子22が配置される領域である。外周領域26は、外周が略矩形であり、かつ、内周が円形である環状の領域である。基板21の外形が略矩形であるので、外周領域26の幅は一定ではない。具体的には、外周領域26は、基板21の辺21bと辺領域25aとの間で狭く、基板21の角21cと角領域25bとの間で広くなっている。
【0038】
複数の発光素子22の各々は、発光ダイオード(LED)である。例えば、複数の発光素子22の各々は、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED素子である。具体的には、複数の発光素子22の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば、青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光によって励起されて黄色の蛍光を発するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などの黄色蛍光体が含有されている。封止部材には、黄色蛍光体以外に、緑色蛍光体及び赤色蛍光体などが含まれていてもよい。
【0039】
複数の発光素子22には、色温度の異なる光を発する発光素子が含まれてもよい。例えば、複数の発光素子22は、第1色温度の光(例えば、昼光色又は昼白色の光)を発する1以上の第1発光素子と、第1色温度より低い第2色温度の光(例えば、電球色の光)を発する1以上の第2発光素子とを含んでもよい。第1発光素子からの光と第2発光素子からの光との混合光が照明光として出射される。このとき、第1発光素子及び第2発光素子の各々の発光量が調整されてもよい。これにより、照明光の調色を行うことができる。
【0040】
本実施の形態では、複数の発光素子22は、基板21の主面21aの外周領域26に環状に配置されている。つまり、複数の発光素子22は、内周領域25を囲むように環状に並んで配置されている。具体的には、
図3に示されるように、複数の発光素子22は、基板21の輪郭(具体的には辺21b及び角21c)に沿って並んで配置されている。例えば、辺21bに沿った部分では、複数の発光素子22の並び方向は、辺21bに平行な直線方向に一致する。角21cに沿った部分では、複数の発光素子22の並び方向は、角21cの延びる方向に一致する。なお、複数の発光素子22は、複数列で環状に並んで設けられていてもよい。
【0041】
例えば、複数の発光素子22は、基板21の輪郭からの距離が一定になるように、輪郭に沿って環状に並んで配置されている。このため、辺21bに沿って配置された発光素子22から内周領域25までの距離は、角21cに沿って配置された発光素子22から内周領域25までの距離より短くなる。つまり、辺21bに沿って配置された発光素子22から回路カバー30までの距離は、角21cに沿って配置された発光素子22から回路カバー30までの距離より短くなる。辺21bに沿って配置された発光素子22からの光が回路カバー30によって遮られやすくなる。本実施の形態では、詳細については後述するが、回路カバー30に凹面33を設けることで、光の遮られる量を少なくすることができる。
【0042】
複数の発光素子22の各々は、主面21aに設けられた導電パターン(金属配線)に半田によって電気的に接続されている。複数の発光素子22は、例えば、互いに直列に接続されている。具体的には、主面21aに設けられた全ての発光素子22が直列接続されている。なお、複数の発光素子22は、並列に接続されていてもよい。複数の発光素子22の電気的な接続には、並列接続と直列接続との両方が含まれていてもよい。
【0043】
複数の回路部品23は、複数の発光素子22を点灯させる点灯回路の少なくとも一部を構成する部品である。点灯回路は、アダプタ90を介して供給される交流電力を直流電力に変換して複数の発光素子22に供給する。複数の回路部品23の各々は、例えば、基板21に設けられた導電パターン(金属配線)に半田によって電気的に接続されている。当該導電パターンは、例えば、主面21aの反対側の主面(具体的には、主面21aのうち内周領域25の反対側)に設けられている。
【0044】
複数の回路部品23の各々は、例えば、電解コンデンサ若しくはセラミックコンデンサなどの容量素子、抵抗素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、又は、ダイオード若しくは集積回路素子などの半導体素子などである。
【0045】
なお、点灯回路を構成する回路部品23の一部は、基板21の主面21aとは反対側の面(裏面)に設けられていてもよい。すなわち、基板21に実装された全ての回路部品の1つ以上は、主面21aに設けられていなくてもよい。
【0046】
本実施の形態では、
図1及び
図3に示されるように、発光モジュール20は、さらに、常夜灯用発光素子27と、受光素子28とを含んでいる。常夜灯用発光素子27及び受光素子28は、内周領域25に配置されている。常夜灯用発光素子27及び受光素子28は、樹脂カバー40に設けられた開口43に露出している。
【0047】
常夜灯用発光素子27は、発光ダイオードである。例えば、常夜灯用発光素子27は、発光素子22などと同様の構成を有するSMD型の白色LED素子である。常夜灯用発光素子27が発する光の色温度は、例えば電球色であるが、昼光色であってもよい。また、常夜灯用発光素子27は、砲弾型のLEDであってもよい。
【0048】
常夜灯用発光素子27から出射された光は、開口43を通った後、光源カバー50の拡散カバー部52に入射する。常夜灯用発光素子27から出射された光は、拡散カバー部52によって拡散されて透光カバー60から外部に出射される。
【0049】
受光素子28は、フォトダイオード、フォトトランジスタなどの光電変換素子である。例えば、受光素子28は、照明装置1の点灯、消灯、調光及び調色などを制御する端末装置(例えば、リモートコントローラ)から出力される赤外線を受光する。受光素子28は、受光した赤外線の強度に応じた電気信号を点灯回路に出力する。端末装置から出力される赤外線は、透光カバー60、光源カバー50の拡散カバー部52及び樹脂カバー40の開口43を通過して受光素子28に受光される。
【0050】
発光モジュール20は、例えば、リフロー方式と呼ばれる半田付けの方式を用いて製造される。具体的には、基板21の主面21aにおける複数の実装位置(発光素子22、回路部品23、常夜灯用発光素子27及び受光素子28を配置すべき位置)にペースト状の半田(クリーム半田)が塗布され、半田と接触するように発光素子22、回路部品23、常夜灯用発光素子27及び受光素子28が配置される。その後、加熱を行うことにより、発光素子22、回路部品23、常夜灯用発光素子27及び受光素子28の各々と、主面21aに設けられた金属配線とが電気的に接続される。
【0051】
[回路カバー]
回路カバー30は、発光モジュール20の内周領域25を覆うカバー部材の一例である。つまり、回路カバー30は、基板21の内周領域25に配置された点灯回路を覆っている。回路カバー30は、例えば、鉄又はアルミニウムなどの金属材料を用いて形成されており、遮光性及び不燃性を有する。
【0052】
回路カバー30の外側面(透光カバー60側の面)は、発光モジュール20から放出される光を反射する反射面として機能する。回路カバー30の内面には、樹脂製の絶縁シートが設けられていてもよい。これにより、回路カバー30の内面を回路部品23に近づけることができるので、回路カバー30を薄型化及び小型化することができる。また、回路カバー30は、難燃性の樹脂材料を用いて形成されてもよい。
【0053】
図1に示されるように、回路カバー30は、本体部31と、鍔部32とを備える。本体部31は、天面が平坦なドーム状に構成されており、天面の中央に貫通孔34が設けられている。
図1及び
図5に示されるように、本体部31には、3つの凹面33と、1つの切り欠き状の開口35とが設けられている。ここで、
図5は、本実施の形態に係る回路カバー30及び発光モジュール20の平面図である。
【0054】
3つの凹面33は、基板21に向かって凹んだ湾曲面の一例である。3つの凹面33内には、直線状のエッジが含まれていない。3つの凹面33はそれぞれ、
図5に示されるように、基板21の3つの辺21bに対向する部分に設けられている。3つの凹面33は、常夜灯用発光素子27及び受光素子28が設けられた部分以外の3つの辺21bに対応する部分に設けられている。
【0055】
開口35は、常夜灯用発光素子27及び受光素子28を露出させるために設けられている。開口35は、回路カバー30の径方向の外側の端部から中心に向かって切り欠かれた形状を有する。
図5に示されるように、開口35を塞ぐように樹脂カバー40が設けられている。
【0056】
鍔部32は、本体部31の径方向の外側の端部から径方向の外側に向かって延設された部分である。鍔部32は、発光モジュール20の基板21に載置される。鍔部32には、ネジ孔が設けられており、ネジ孔にネジ(図示せず)が挿入されることで、回路カバー30と基板21(発光モジュール20)とが器具本体10に固定される。
【0057】
回路カバー30は、貫通孔34の縁で保護カバー92の上端(Z軸の正側の端部)を覆っている。回路カバー30がネジで器具本体10に固定されることにより、保護カバー92のZ軸方向への移動が規制されるので、保護カバー92の脱離が抑制される。
【0058】
[樹脂カバー]
樹脂カバー40は、回路カバー30の開口35を塞ぐ絶縁性のカバー部材である。本実施の形態では、回路カバー30と樹脂カバー40とによって基板21の主面21aの内周領域25が覆われている。樹脂カバー40は、難燃性の樹脂材料を用いて形成されている。
【0059】
図1に示されるように、樹脂カバー40は、基台部41と、壁部42とを有する。基台部41は、上面(Z軸の正側の面)が基板21の主面21aに平行な平坦面であり、当該上面に光源カバー50の拡散カバー部52が載置される。基台部41には、常夜灯用発光素子27及び受光素子28を露出させる開口43が設けられている。開口43は、例えば、平面視形状が略矩形であるが、これに限らない。
【0060】
壁部42は、基台部41からZ軸の正方向に立設している。壁部42の縁は、回路カバー30の開口35の縁に沿って湾曲している。壁部42の縁が回路カバー30の開口35の縁によって覆われることにより、樹脂カバー40のZ軸の正方向への移動が規制される。これにより、樹脂カバー40の脱離が抑制される。
【0061】
なお、基台部41は、下面側から基板21に向かって突出する1つ以上の突起(図示せず)を有する。当該1つ以上の突起は、基板21に設けられた貫通孔に挿入される。これにより、樹脂カバー40の平面方向における移動が規制される。
【0062】
樹脂カバー40は、透光性を有する材料を用いて形成されていてもよい。これにより、樹脂カバー40の近くに配置された発光素子22からの光が遮られないので、照明装置1の中央部が暗くなるのを抑制することができる。
【0063】
[光源カバー]
光源カバー50は、発光モジュール20の複数の発光素子22を覆う環状の部材である。光源カバー50は、透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。光源カバー50は、発光モジュール20からの光の配光を制御するための光学部材である。光源カバー50は、例えば、光を集光又は拡散(発散)させるレンズ機能を有してもよい。光源カバー50は、例えば透明のアクリル樹脂などの透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。
【0064】
図1に示されるように、光源カバー50は、平面視において、中央に開口53を有する円環状に形成されている。光源カバー50は、複数の発光素子22を覆うように基板21に固定されている。具体的には、光源カバー50には、ネジ孔51が設けられている。ネジ孔51、回路カバー30の鍔部32のネジ孔、基板21のネジ孔、及び、器具本体のネジ孔の順にネジ(図示せず)が挿通されることにより、光源カバー50が基板21及び器具本体10に固定される。
【0065】
図1に示されるように、光源カバー50は、拡散カバー部52を備える。拡散カバー部52は、常夜灯用の光を拡散させる。例えば、拡散カバー部52の表面には、透過する光を散乱させる光散乱構造が形成されている。光散乱構造は、例えば、微細凹凸であり、シボ加工などによって形成される。拡散カバー部52の内部には、光散乱粒子が分散されていてもよい。
【0066】
拡散カバー部52は、環状の本体部から中心軸Jに向かって延設された舌片状の部分である。具体的には、拡散カバー部52は、斜めに傾斜した光出射面を有し、樹脂カバー40の基台部41に載置される。拡散カバー部52は、基台部41に設けられた開口43を覆う。これにより、常夜灯用発光素子27から発せられ、開口43を通過した光は、拡散カバー部52を通過する際に拡散される。
【0067】
[透光カバー]
透光カバー60は、器具本体10の発光モジュール20が取り付けられた側を覆う部材(グローブ)である。透光カバー60は、透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。透光カバー60は、光拡散(散乱)性を有する。例えば、透光カバー60は、乳白色の樹脂材料を用いて形成されており、発光モジュール20からの光を拡散(散乱)して外部に放出する。なお、透光カバー60の表面には、光散乱性を有する微細凹凸構造が設けられていてもよい。
【0068】
透光カバー60は、器具本体10に固定された取付部材(図示せず)に対して着脱自在に取り付けられる。
【0069】
[特徴的な構成]
続いて、本実施の形態に係る照明装置1の特徴的な構成について説明する。
【0070】
まず、発光モジュール20における複数の回路部品23の配置について、
図3を用いて説明する。
【0071】
本実施の形態では、
図3に示されるように、複数の回路部品23は、所定値よりも背の低い第1回路部品23aと、上記所定値よりも背の高い第2回路部品23bとを含んでいる。なお、回路部品23の背の高さとは、基板21の主面21aからの回路部品23の高さであり、主面21aと、回路部品23の主面21aから最も離れた部位との距離である。所定値は、例えば、回路カバー30の主面21aからの高さの半分である。あるいは、所定値は、主面21aに実装された全ての回路部品23の背の高さの平均値であってもよい。例えば、回路カバー30の高さが約38mmであり、所定値は19mmである。第2回路部品23bの高さは、一例として、20mm以上30mm以下の範囲である。
【0072】
なお、
図3では、背の高い第2回路部品23bにドットの網掛けを付している。本実施の形態では、
図3に示されるように、複数の回路部品23は、複数の第1回路部品23aと、複数の第2回路部品23bとを含んでいる。
【0073】
図3に示されるように、複数の第1回路部品23aの少なくとも1つは、
図4に示される辺領域25aに配置されている。辺領域25aに設けられた第1回路部品23aは、例えば、全ての回路部品23の中で最も背の低い回路部品である。複数の第1回路部品23aのうち1つ以上は、
図4に示される角領域25bに配置されていてもよい。複数の第1回路部品23aは、抵抗素子、ダイオード及び集積回路素子などである。
【0074】
第2回路部品23bは、角領域25bに配置されている。例えば、複数の第2回路部品23bの全ては、角領域25bに配置されている。詳細については後述するが、角領域25bでは、辺領域25aよりも回路カバー30内の空間が広い。この広い空間を利用して有効に背の高い第2回路部品23bを配置することができる。例えば、複数の第2回路部品23bは、電解コンデンサ及びチョークコイルなどである。
【0075】
本実施の形態では、平面視において、第2回路部品23bの半分以上が角領域25bに配置されている。例えば、第2回路部品23bは、平面視において、辺領域25aと角領域25bとの境界に配置されていてもよい。つまり、第2回路部品23bの一部(平面視における半分未満)は、辺領域25aにはみ出ていてもよい。
【0076】
続いて、本実施の形態に係る回路カバー30の断面形状について、
図6及び
図7を用いて説明する。
【0077】
図6及び
図7はそれぞれ、本実施の形態に係る回路カバー30及び発光モジュール20の断面図である。
図6は、
図5のVI-VI線における断面を表している。
図7は、
図5のVII-VII線における断面を表している。なお、VII-VII線は、VI-VI線に対して45°傾斜している。VI-VI線とVII-VII線との交差部分に中心軸Jが位置している。VI-VI線は、辺21bに対して直交している。
【0078】
本実施の形態に係る回路カバー30は、
図6及び
図7に示されるように、第1部位30a及び第2部位30bを有する。第1部位30aは、平面視において、辺領域25aに重なる位置である。第2部位30bは、平面視において、角領域25bに重なる位置である。
【0079】
図6に示されるように、回路カバー30は、第1部位30aを有する。第1部位30aは、基板21の辺21bに対向する部位である。具体的には、第1部位30aは、回路カバー30の表面(Z軸の正側の面)の一部であって、平面視において中心軸Jから距離Lの位置の部分である。
【0080】
図7に示されるように、回路カバー30は、第2部位30bを有する。第2部位30bは、基板21の角21cに対向する部位である。具体的には、第2部位30bは、回路カバー30の表面の一部であって、平面視において中心軸Jから距離Lの部分である。つまり、第2部位30bは、中心軸Jからの距離が第1部位30aに等しい部位である。言い換えると、平面視において、第1部位30aと第2部位30bとは、中心軸Jを中心とする半径Lの円周上に位置している。
【0081】
ここで、
図6に示されるように、基板21の主面21aからの、第1部位30aの高さをhとする。
図7に示されるように、基板21の主面21aからの、第2部位30bの高さをHとする。このとき、hは、Hよりも短い。すなわち、第1部位30aは、第2部位30bよりも主面21aに近い。
【0082】
本実施の形態では、第1部位30aは、凹面33に含まれている。具体的には、
図5に示される3つの凹面33の各々に第1部位30aが含まれている。つまり、回路カバー30は、3つの第1部位30aを有し、3つの第1部位30aは、基板21の4つの辺21bのうち3つの辺21bにそれぞれ対向している。
【0083】
凹面33が設けられていることにより、回路カバー30の第1部位30aは、第2部位30bよりも基板21の主面21aに近くなる。
図6に示される断面において、凹面33は、例えば、透光カバー60及び中心軸Jの交差部と発光素子22とを結ぶ線よりも主面21a側に凹んでいる。これにより、発光素子22からの光が回路カバー30に遮られずに、透光カバー60の中心部まで到達することができる。一例として、
図6に示される断面において、凹面33と主面21aとがなす角度は、45°未満である。
【0084】
本実施の形態では、第2部位30bの直下方向(Z軸の負方向)は、第1部位30aの直下方向(具体的には、3つの凹面33の直下方向)よりも、基板21の主面21aとの間に広い空間が形成されている。このため、第2部位30bの直下方向であって、主面21aの角領域25bに、背の高い第2回路部品23bが配置されている。第1部位30aの直下方向であって、主面21aの辺領域25aに、背の高い第2回路部品23bが配置されておらず、背の低い第1回路部品23aが配置されている。
【0085】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明装置1は、器具本体10と、器具本体10に取り付けられた発光モジュール20とを備える。発光モジュール20は、内周領域25及び内周領域25を囲む環状の外周領域26を含む主面21aを有し、平面視形状が略矩形である基板21と、内周領域25に配置された複数の回路部品23と、内周領域25を囲むように環状に並んで外周領域26に配置された複数の発光素子22とを含む。照明装置1は、さらに、内周領域25を覆う回路カバー30を備える。回路カバー30は、基板21の辺21bに対向する第1部位30aと、基板21の角21cに対向する部位であって、平面視において、内周領域25の中心(具体的には、中心軸J)からの距離が第1部位30aに等しい第2部位30bとを有する。第1部位30aは、第2部位30bよりも主面21aに近い。
【0086】
このように、基板21の平面視形状が矩形であるので、大きな一枚の基材から複数枚の基板21を取り出す場合に、基板21の取り数を増やすことができる。つまり、矩形の基板21は他の基板21との間で1辺を共有させることができるので、円形の基板に比べて所定の大きさの基材からの基板21の取り数を増やすことができる。このため、基板コストを低減することができる。
【0087】
本実施の形態では、基板21の中央部分(内周領域25)を覆うように回路カバー30が設けられている。このため、回路カバー30によって光が遮られて中央部が暗くなる恐れがある。特に、基板21のサイズが小さくなる程、発光素子22と回路カバー30とが接近するので、発光素子22からの光の遮られる量(ケラレ量)が多くなる。例えば、基板21の周に沿って複数の発光素子22が設けられた場合、基板21の辺21bに沿って設けられた発光素子22から回路カバー30までの距離は、基板21の角21cに沿って設けられた発光素子22から回路カバー30までの距離よりも短くなる。この場合、辺21bに沿って設けられた発光素子22からの光は、角21cに沿って設けられた発光素子22からの光よりも回路カバー30によって遮られやすくなる。
【0088】
これに対して、本実施の形態に係る照明装置1では、回路カバー30は、基板21の辺21bに対向する第1部位30aが、基板21の角21cに対向する第2部位30bよりも主面21aに近くなるように構成されている。したがって、辺21bに沿って設けられた発光素子22からの光が回路カバー30によって遮られにくくなるので、中央部が暗くなるのを抑制することができる。
【0089】
また、例えば、回路カバー30は、基板21の辺21bに対向する部分に設けられた、基板21に向かって凹んだ湾曲面である凹面33を有する。第1部位30aは、凹面33に含まれる。
【0090】
これにより、湾曲面である凹面33によって光が拡散されやすくなる。また、回路カバー30の凹面33には長い直線状のエッジが含まれていないので、透光カバー60に直線状の影が形成されにくくなる。このように、照明装置1によれば、中央部が暗くなるのを抑制することができる。
【0091】
また、例えば、回路カバー30は、3つの第1部位30aを有する。3つの第1部位30aは、基板21の4つの辺21bのうち3つの辺21bにそれぞれ対向している。
【0092】
これにより、3方向からの光が遮られにくくなるので、中央部が暗くなるのを更に抑制することができる。
【0093】
また、例えば、複数の回路部品23は、第1回路部品23aと、第1回路部品23aよりも主面21aからの高さが高い第2回路部品23bとを含む。第1回路部品23aは、内周領域25のうち、基板21の辺21bに対向する辺領域25aに配置されている。第2回路部品23bは、内周領域25のうち、基板21の角21cに対向する角領域25bに配置されている。
【0094】
これにより、回路カバー30の高さに余裕がある角領域25bのスペースを有効に活用して、背の高い第2回路部品23bを配置することができる。このため、辺領域25aには背の低い第1回路部品23aを配置することができるので、回路カバー30の辺領域25aを覆う部分を基板21の主面21aに更に近づけることができる。よって、光の遮られる量(ケラレ量)を更に少なくすることができ、中央部が暗くなるのを更に抑制することができる。
【0095】
また、例えば、発光モジュール20は、さらに、辺領域25aに配置された常夜灯用発光素子27を含む。回路カバー30には、常夜灯用発光素子27を露出させる開口35が設けられている。
【0096】
これにより、常夜灯用発光素子27と他の発光素子22とを離して配置することができるので、他の発光素子22で発生する熱の影響が常夜灯用発光素子27に及ぶのを抑制することができる。
【0097】
また、例えば、発光モジュール20は、さらに、辺領域25aに配置された受光素子28を含む。受光素子28は、開口35に露出している。
【0098】
これにより、常夜灯の光を通す開口35を利用して、例えば赤外線などの光を通し、受光素子28に受光させることができる。これにより、複数の開口35を設けなくて済むので、回路カバー30による点灯回路の保護性能を高めることができる。
【0099】
(変形例)
以下では、実施の形態の変形例について図面を用いて説明する。
【0100】
例えば、上記実施の形態では、回路カバー30が3つの凹面33を有する例について示したが、回路カバー30が有する凹面33の数は、2つのみであってもよい。
【0101】
図8は、実施の形態の変形例1に係る回路カバー130及び発光モジュール20の平面図である。回路カバー130は、
図8に示されるように、2つの凹面33を有する。2つの凹面33は、平面視において、中心軸Jを挟んで互いに対向する位置に設けられている。言い換えると、回路カバー130では、中心軸Jを挟んで開口35に対向する部分には、凹面33が設けられていない。つまり、本変形例では、具体的には、
図8に示される2つの凹面33の各々に第1部位30aが含まれている。つまり、回路カバー130は、2つの第1部位30aを有し、2つの第1部位30aは、基板21の4つの辺21bのうち対向する2つの辺21bにそれぞれ対向している。
【0102】
以上のように、本変形例に係る照明装置では、例えば、回路カバー130は、2つの第1部位30aを有する。2つの第1部位30aは、基板21の4つの辺21bのうち対向する2つの辺21bにそれぞれ対向している。
【0103】
これにより、2方向からの光が遮られにくくなるので、中央部が暗くなるのを抑制することができる。また、3つの凹面33が設けられた場合に比べて、回路カバー130によって覆われた内部の空間を大きくすることができるので、背の高い第2回路部品23bをより多く配置することができる。
【0104】
また、例えば、上記実施の形態では、回路カバー30が、湾曲面である凹面33を有する例について示したが、回路カバー30は凹面33を有していなくてもよい。
【0105】
図9は、実施の形態の変形例2に係る回路カバー230及び発光モジュール20の断面図である。具体的には、
図9は、
図6と同様に、
図5のVI-VI線に対応する断面を示している。
【0106】
図9に示されるように、回路カバー230は、凹面33の代わりに平面233を有する。平面233は、凹面33と同様に、平面視において辺領域25aに重なる位置に設けられている。第1部位30aは、平面233に含まれている。
【0107】
以上のように本変形例に係る照明装置では、回路カバー230は、基板21の辺21bに対向する部分に設けられた、基板21に対して傾斜した平面233を有する。第1部位30aは、平面233に含まれる。
【0108】
これにより、平面233が設けられない場合に比べて、中央部が暗くなるのを抑制することができる。また、例えば、平面233の外周を滑らかにすることにより、エッジが影となって透光カバー60に形成されるのを抑制することができる。
【0109】
また、例えば、回路カバー30は、湾曲面である凸面を有してもよい。
図10は、実施の形態の変形例3に係る回路カバー330及び発光モジュール20の断面図である。具体的には、
図10は、
図6と同様に、
図5のVI-VI線に対応する断面を示している。
【0110】
図10に示されるように、回路カバー330は、凹面33の代わりに、基板21に向かう方向とは反対側に向かって凸の湾曲面である凸面333を有する。つまり、凸面333は、主面21aから離れる方向に突出している。第1部位30aは、凸面333に含まれている。凸面333の突出量は、第2部位30bを含む部分の突出量よりも小さい。すなわち、回路カバー330は、辺21bに対向する部分(凸面333)の突出量を、角21cに対向する部分の突出量よりも小さい。
【0111】
以上のように、本変形例に係る照明装置では、回路カバー330は、基板21の辺21bに対向する部分に設けられた、基板21に向かう方向とは反対側に向かって凸の凸面333を有する。第1部位30aは、凸面333に含まれる。
【0112】
これにより、凸面333が設けられない場合に比べて、中央部が暗くなるのを抑制することができる。
【0113】
(その他)
以上、本発明に係る照明装置について、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0114】
例えば、上記の実施の形態では、回路カバー30又は130は、凹面33を1つのみ有してもよい。また、回路カバー230は、平面233を1つのみ又は2つのみ有してもよい。
【0115】
また、例えば、照明装置1は、常夜灯用発光素子27又は受光素子28を備えていなくてもよい。
【0116】
また、例えば、上記実施の形態で示した各構成部材の形状及び大きさ、並びに、構成部材間の固定方法などは一例に過ぎず、特に限定されない。例えば、器具本体10又は透光カバー60は、平面視形状が正方形若しくは長方形又は八角形などである角型の器具本体又は透光カバーであってもよい。
【0117】
また、例えば、上記実施の形態では、発光素子22がSMD型のLED素子である例について説明したが、これに限らない。例えば、発光素子22は、LEDチップを基板21に直接実装したCOB(Chip On Board)構造を有してもよい。この場合、封止部材によって、基板21に実装された複数のLEDチップを一括して封止してもよく、あるいは、1つ又は複数個を個別に封止してもよい。また、封止部材には、黄色蛍光体などの波長変換材が含有されていてもよい。
【0118】
また、発光素子22は、LEDでなくてもよい。例えば、発光素子22は、半導体レーザなどの半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)素子又は無機EL素子などの他の固体発光素子であってもよい。
【0119】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
1 照明装置
10 器具本体
20 発光モジュール
21 基板
21a 主面
21b 辺
21c 角
22 発光素子
23 回路部品
23a 第1回路部品
23b 第2回路部品
25 内周領域(第1領域)
25a 辺領域(第3領域)
25b 角領域(第4領域)
26 外周領域(第2領域)
27 常夜灯用発光素子
28 受光素子
30、130、230 回路カバー
30a 第1部位
30b 第2部位
35 開口
233 平面