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特許7224058高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置
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  • 特許-高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 11/00 20060101AFI20230210BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20230210BHJP
   G01N 27/74 20060101ALI20230210BHJP
   G01V 3/08 20060101ALI20230210BHJP
   G01V 3/10 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
G01V11/00
G01N27/22 B
G01N27/74
G01V3/08 D
G01V3/10 F
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021081554
(22)【出願日】2021-05-13
(65)【公開番号】P2022120762
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】202110163987.9
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515352847
【氏名又は名称】大連海事大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】張 洪朋
(72)【発明者】
【氏名】白 晨朝
(72)【発明者】
【氏名】于 爽
(72)【発明者】
【氏名】李 偉
(72)【発明者】
【氏名】汪 承杰
(72)【発明者】
【氏名】孫 玉清
(72)【発明者】
【氏名】張 存有
(72)【発明者】
【氏名】張 興彪
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-082743(JP,A)
【文献】特開2008-107148(JP,A)
【文献】特開2010-276588(JP,A)
【文献】特開昭58-002772(JP,A)
【文献】国際公開第1996/007090(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107340544(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113035565(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109115838(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111024574(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 11/00
G01V 3/08
G01V 3/10
G01N 27/22
G01N 27/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起・収集ユニット(1)及び絶縁導線によって前記励起・収集ユニット(1)に接続された検出ユニットを含む高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置であって、
前記検出ユニットは、
キャパシタンス検出流路(2)、キャパシタンス検出流路(2)の両側に対向するように配置された左電極(3)及び右電極(4)を備えるキャパシタンス検出ユニットと、
インダクタンス検出流路(5)、第1平面コイル(6)、第2平面コイル(7)、第1高透磁率合金(8)及び第2高透磁率合金(9)を備えるインダクタンス検出ユニットと、を含み、
第1平面コイル(6)は第1貼合面と第1非貼合面を含み、第2平面コイル(7)は第2貼合面と第2非貼合面を含み、第1貼合面が緊密に第2貼合面に貼り付けられ、第1非貼合面が緊密に第1高透磁率合金(8)に貼り付けられ、第2非貼合面が緊密に第2高透磁率合金(9)に貼り付けられ、第1高透磁率合金(8)に第1アリ溝が開設され、第2高透磁率合金(9)に第2アリ溝が開設され、インダクタンス検出流路(5)が第1平面コイル(6)、第2平面コイル(7)、第1アリ溝及び第2アリ溝を貫通しており、
前記キャパシタンス検出ユニットの左電極(3)と右電極(4)が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニットの正、負極に接続され、前記インダクタンス検出ユニットの第1平面コイル(6)と第2平面コイル(7)の両端のリード線が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニット(1)の正、負極に接続されて、検出励起とデータ収集の回路を形成する、ことを特徴とする高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項2】
前記第1アリ溝と第2アリ溝の最小スリット箇所は全てインダクタンス検出流路(5)に接する、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項3】
前記キャパシタンス検出流路(2)の一端が前記インダクタンス検出流路(5)の一端に接続され、接続ポートが通路入口(10)であり、前記キャパシタンス検出流路(2)の他端が前記インダクタンス検出流路(5)の他端に接続され、接続ポートが通路出口(11)である、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項4】
前記キャパシタンス検出ユニットは更に前記左電極(3)と右電極(4)を固定するための電極固定ブラケット(12)を含み、前記インダクタンス検出ユニットは更に第1平面コイル(6)、第2平面コイル(7)、第1高透磁率合金(8)及び第2高透磁率合金(9)を固定するためのコイル固定ブラケット(13)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項5】
更に内部に前記検出ユニットを固定したPDMSベース(14)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項6】
前記キャパシタンス検出流路(2)とインダクタンス検出流路(5)の内径がいずれも300マイクロメートルである、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項7】
前記左電極(3)と右電極(4)の材料はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ粒子を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項8】
前記第1高透磁率合金(8)と第2高透磁率合金(9)はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ材料を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【請求項9】
前記励起・収集ユニット(1)はインピーダンス分析器であり、2V、2MHzの高周波交流電流で前記キャパシタンス検出ユニットとインダクタンス検出ユニットを励起する、ことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油液システム故障検出の技術分野に関し、具体的には、特に高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械システム油液中の固体粒子物は、成分、形状、寸法、数量等を含む豊富な摩擦学情報を含有しており、これらの情報は設備の稼働状况を反映でき、設備の磨損部位、磨損種類、磨損程度及び腐食程度の判断に非常に重要な作用を有する。磨損粒子の摩擦学情報を分析し、且つ異常磨損が発生した機構と汚染された油液を適時に交換することで、より深刻な損失を回避可能である。
【0003】
従来の油液検出技術は、オフライン検出とオンライン検出の2種に分類可能である。オフライン検出とは、油試料を実験室に提出して検出することであり、検出工程が多く、提出検出周期が長く、時効性が悪い。また、オンライン検出は主に超音波検出法、光学検出法、インダクタンス検出法及びキャパシタンス検出法に分けられている。超音波検出法は金属粒子と気泡を区別できるが、強磁性と非強磁性粒子を区別できなく、外部の温度、ノイズ等の環境要素に大きく影響されることがあり、光学検出法は検出精度が高いが、検出結果が油液の清澄度や浸透性に影響されやすく、インダクタンス検出法は強磁性粒子と非強磁性粒子を区別できるが、検出精度が低く、従来のキャパシタンス検出法は極板間の誘電率によって、被検出油液中の水滴と気泡を区別できるが、金属粒子を区別して検出することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の油液検出センサーの検出精度が限られている上記の技術的問題に鑑みて、高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置を提供する。本発明の装置は、検知ユニットに1対の高透磁率合金を用いて磁場強度を増加し、磁場を集合させるように高透磁率合金の流路での開口をアリ溝構造として設計して、高強度集合磁場を形成して、検出精度を向上するだけでなく、高透磁率合金をキャパシタンス検出のキャパシタンス極板とすることによって、キャパシタンス検出モードの検出精度を向上する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によって採用される技術手段は以下のとおりである。
本発明の一態様である高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置は、励起・収集ユニット及び絶縁導線によって前記励起・収集ユニットに接続された検出ユニットを含む高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置であって、
前記検出ユニットは、キャパシタンス検出流路、キャパシタンス検出流路の両側に対向するように配置された左電極及び右電極を備えるキャパシタンス検出ユニットと、インダクタンス検出流路、第1平面コイル、第2平面コイル、第1高透磁率合金及び第2高透磁率合金を備えるインダクタンス検出ユニットと、を含み、
第1平面コイルは第1貼合面と第1非貼合面を含み、第2平面コイルは第2貼合面と第2非貼合面を含み、第1貼合面が緊密に第2貼合面に貼り付けられ、第1非貼合面が緊密に第1高透磁率合金に貼り付けられ、第2非貼合面が緊密に第2高透磁率合金に貼り付けられ、第1高透磁率合金に第1アリ溝が開設され、第2高透磁率合金に第2アリ溝が開設され、インダクタンス検出流路が第1平面コイル、第2平面コイル、第1アリ溝及び第2アリ溝を貫通しており、
前記キャパシタンス検出ユニットの左電極と右電極が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニットの正、負極に接続され、前記インダクタンス検出ユニットの第1平面コイルと第2平面コイルの両端のリード線が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニットの正、負極に接続されて、検出励起とデータ収集の回路を形成する。
【0006】
さらに、前記第1アリ溝と第2アリ溝の最小スリット箇所は全てインダクタンス検出流路に接する。
【0007】
さらに、前記キャパシタンス検出流路の一端が前記インダクタンス検出流路の一端に接続され、接続ポートが通路入口であり、前記キャパシタンス検出流路の他端が前記インダクタンス検出流路の他端に接続され、接続ポートが通路出口である。
【0008】
さらに、前記キャパシタンス検出ユニットは更に前記左電極と右電極を固定するための電極固定ブラケットを含み、前記インダクタンス検出ユニットは更に第1平面コイル、第2平面コイル、第1高透磁率合金及び第2高透磁率合金を固定するためのコイル固定ブラケットを含む。
【0009】
さらに、前記高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置は、内部に前記検出ユニットを固定したPDMSベースを更に含む。
【0010】
さらに、前記キャパシタンス検出流路とインダクタンス検出流路の内径がいずれも300マイクロメートルである。
【0011】
さらに、前記第1平面コイル、第2平面コイルはいずれもエナメル線を巻き付けてなり、単一の平面コイルは3層巻き付け、コイル直径が70マイクロメートルで、コイル内径が300マイクロメートルで、巻数が120巻である。
【0012】
さらに、前記左電極と右電極の材料はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ粒子を含む。
【0013】
さらに、前記第1高透磁率合金と第2高透磁率合金はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ材料を含む。
【0014】
さらに、前記励起・収集ユニットはインピーダンス分析器であり、2V、2MHzの高周波交流電流で前記キャパシタンス検出ユニットとインダクタンス検出ユニットを励起する。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べると、本発明は下記のメリットを有する。
本発明に係る高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置は、マイクロ流体通路の両側に対向して配置されているコイルの外にそれぞれパーマロイシートを設けて、検出領域磁場を集合させることで、2つの平面コイル間で検出される磁場強度を増大し、インダクタンス検出モードの検出精度を増加し、より小さい金属粒子汚染物を検出でき、また、高導電性材料をキャパシタンス極板とすることによって、キャパシタンス検出能力を大幅に増加し、水滴、気泡の信号ノイズ比を増加して、油液中の水滴、気泡の検出精度を向上する。
【0016】
上記理由から、本発明は油液システムの故障検出等の分野に広く普及可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の記述に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、下記の図面が本発明の一部の実施例であり、当業者であれば、創造的労動を行わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得るのができることはいうまでもない。
【0018】
図1】本発明の検出装置の構成図である。
図2】本発明のキャパシタンス検出ユニットの構成図である。
図3】本発明のインダクタンス検出ユニットの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
矛盾しない限り、本発明における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせてもよいことに留意されたい。以下、図面を参照して実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施例の目的、技術手段及びメリットをより明らかにするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術手段を明らか且つ完全に説明し、説明される実施例が全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎないことはいうまでもない。以下の少なくとも1つの例示的実施例に対する説明は実際に説明するためのものに過ぎず、決して本発明及びその応用や使用に何の制限も加えない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的労動を行うことなく得た他の実施例は、全て本発明が保護する範囲に含まれるものとする。
【0021】
本明細書で使用される技術用語は具体的な実施形態を記述するためのものに過ぎず、本発明による例示的実施形態を限定する意図がないことに注意されたい。例えば、文脈に別に明記しない限り、本明細書で使用される単数形態に複数形態をも含む意図があり、なお、本明細書で技術用語の「含有する」及び/又は「含む」を使用する時に、特徴、工程、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組合せが存在するのを示すことも理解されたい。
【0022】
別に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載の部材と工程の相対的配置、数式及び数値は本発明の範囲を限定するものではない。また、説明の便宜上、図面に示す各部分のサイズは実際の比例関係に基づいて描かれたものではないことを理解すべきである。当業者に既知の技術、方法及びデバイスについての詳細な検討を省略する場合があるが、適切な場合に、前記技術、方法及びデバイスを授権明細書の一部と見なすべきである。本明細書に示して検討する全ての例において、全ての具体的値は限定するものではなく、例示的なものと解釈すべきである。従って、例示的実施例の他の例は異なる値を有してもよい。類似する符号と文字は下記の図面において類似項目を示すため、ある項目が1つの図面で定義されると、その以降の図面でそれについて更に検討する必要がないことに注意されたい。
【0023】
本発明の記述では、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縱方向、垂直、水平」及び「頂、底」等の方位詞で示す方位又は位置関係は一般に図面に基づいて示す方位又は位置関係であり、その目的はただ本発明を容易に記述し記述を簡単化することにあり、反対に説明しない限り、これらの方位詞は示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し又は特定の方位で構成され操作されることを明示、暗示しないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならなく、方位詞の「内、外」は各部材自身の輪郭に対する内外を指すことを理解されたい。
【0024】
説明の便宜上、本明細書では、例えば図に示すデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を記述するために、例えば、「…の上」、「…の上方」、「…の上面」、「上の」等の空間相対技術用語を用いてよい。空間相対技術用語は、図に記載の方位以外、デバイスの使用又は操作での異なる方位をも含むのを意図することを理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスを反対に配置した場合に、「他のデバイス又は構造の上方」又は「他のデバイス又は構造の上」と記述したデバイスはその後で「他のデバイス又は構造の下方」又は「他のデバイス又は構造の下」と位置決めされる。従って、例示的技術用語の「…の上方」は「…の上方」及び「…の下方」といった2種の方位を含むことが可能である。このデバイスを他の異なる方式で位置決めすることもでき(90度回転させ又は他の方位に位置させる)、そしてここで使用する空間相対記載を対応的に解釈する。
【0025】
なお、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定する目的は、ただ対応する部品を区別しやすくすることにあり、特に断らない限り、上記用語は特別な意味がないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならないことを説明すべきである。
【0026】
図1に示すように、本発明に係るインダクタンス・キャパシタンス油液汚染物同期検出装置は、励起・収集ユニット1及び絶縁導線によって励起・収集ユニット1に接続された検出ユニットを含み、検出ユニットはキャパシタンス検出ユニットとインダクタンス検出ユニットを含む。
【0027】
図2に示すように、キャパシタンス検出ユニットは、キャパシタンス検出流路2と、キャパシタンス検出流路2の両側に対向するように配置された左電極3及び右電極4とを含み、具体的に実施する時に、本発明の好ましい実施形態として、左電極3と右電極4の材料はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ粒子を含む。
【0028】
図3に示すように、インダクタンス検出ユニットはインダクタンス検出流路5、第1平面コイル6、第2平面コイル7、第1高透磁率合金8及び第2高透磁率合金9を含み、第1平面コイル6は第1貼合面と第1非貼合面を含み、第2平面コイル7は第2貼合面と第2非貼合面を含み、第1貼合面が緊密に第2貼合面に貼り付けられ、第1非貼合面が緊密に第1高透磁率合金8に貼り付けられ、第2非貼合面が緊密に第2高透磁率合金9に貼り付けられ、第1高透磁率合金8に第1アリ溝が開設され、第2高透磁率合金9に第2アリ溝が開設され、インダクタンス検出流路5が第1平面コイル6、第2平面コイル7、第1アリ溝及び第2アリ溝を貫通し、第1アリ溝と第2アリ溝の最小スリット箇所は全てインダクタンス検出流路5に接する。具体的に実施する時、本発明の好ましい実施形態として、第1高透磁率合金8と第2高透磁率合金9はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ材料を含む。高透磁率材料を緊密にコイルに貼り付けて配置することで、2つの平面コイル間の磁場を増強可能であり、アリ溝構造によって磁場を集中させることが可能であり、最小スリット箇所で磁束密度が最も大きく、この領域を検出領域とすれば、インダクタンス信号ノイズ比を増加して、インダクタンス型油液検出装置の精度を向上することができる。
【0029】
具体的に実施する時に、本発明の好ましい実施形態として、第1平面コイル6、第2平面コイル7はいずれもエナメル線を巻き付けてなり、単一の平面コイルは3層巻き付け、コイル直径が70マイクロメートルで、コイル内径が300マイクロメートルで、巻数が120巻である。2つの平面コイルの間の300マイクロメートルの間隔は1つのマイクロ流体通路の距離となる。
【0030】
図1を参照し続け、キャパシタンス検出流路2の一端が前記インダクタンス検出流路5の一端に接続され、接続ポートが通路入口10であり、キャパシタンス検出流路2の他端がインダクタンス検出流路5の他端に接続され、接続ポートが通路出口11である。
【0031】
図1を参照し続け、具体的に実施する時に、本発明の好ましい実施形態として、キャパシタンス検出ユニットは更に左電極3と右電極4とを固定するための電極固定ブラケット12を含み、インダクタンス検出ユニットは更に第1平面コイル6、第2平面コイル7、第1高透磁率合金8及び第2高透磁率合金9を固定するためのコイル固定ブラケット13を含む。
【0032】
図1を参照し続け、具体的に実施する時に、本発明の好ましい実施形態として、高透磁率材料による二通路油液検出装置は更に内部に検出ユニットを固定したPDMSベース14を含む。
【0033】
図1を参照し続け、キャパシタンス検出ユニットの左電極3と右電極4が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニット1の正、負極に接続され、前記インダクタンス検出ユニットの第1平面コイル6と第2平面コイル7の両端のリード線が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニット1の正、負極に接続されて、検出励起とデータ収集の回路を形成する。
【0034】
具体的に実施する時に、本発明の好ましい実施形態として、励起・収集ユニット1はインピーダンス分析器であり、2V、2MHzの高周波交流電流で前記キャパシタンス検出ユニットとインダクタンス検出ユニットを励起する。電流が直列接続回路を流れる時に、2つの平面コイルはエッジ効果によってインダクタンス検出通路内で磁場を形成することになり、この磁場領域を利用すれば油液汚染物を検出できる。検出原理は以下のとおりである。
【0035】
油液が通路入口10から検出装置に入る時に、油液中の水滴、気泡粒子がキャパシタンス検出通路2を経由してキャパシタンス検出ユニットを通過する時に、2つの極板間の誘電率が純粋な油液に比べて変わり、気泡の誘電率が油圧油より小さく、水の誘電率が油圧油より大きいため、気泡と水滴によって極板間で異なる方向のキャパシタンスの変化が発生し、それによって油圧油内の気泡と水滴とを区別して検出することが可能になる。
【0036】
油液が通路入口10から検出装置に入る時に、油液中の強磁性粒子と非強磁性粒子がインダクタンス検出通路5を経由してインダクタンス検出ユニットを通過する時に、2種の粒子の受ける磁化作用と渦電流効果が異なるため、強磁性粒子と非強磁性粒子の方向のインダクタンスが変わり、それによって油圧油内の強磁性粒子と非強磁性粒子とを区別して検出することが可能になる。
【0037】
最後に以下のことを説明すべきである。以上の各実施例は本発明の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、上述した各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、上述した各実施例に記載の技術的手段を修正するか、その技術的特徴の一部又は全部に同等な取り替えを実施することも可能であり、これらの修正や取り替えによって、対応する技術的手段の本質が本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱しないことは当業者に自明である。
【0038】
(付記)
(付記1)
励起・収集ユニット(1)及び絶縁導線によって前記励起・収集ユニット(1)に接続された検出ユニットを含む高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置であって、
前記検出ユニットは、
キャパシタンス検出流路(2)、キャパシタンス検出流路(2)の両側に対向するように配置された左電極(3)及び右電極(4)を備えるキャパシタンス検出ユニットと、
インダクタンス検出流路(5)、第1平面コイル(6)、第2平面コイル(7)、第1高透磁率合金(8)及び第2高透磁率合金(9)を備えるインダクタンス検出ユニットと、を含み、
第1平面コイル(6)は第1貼合面と第1非貼合面を含み、第2平面コイル(7)は第2貼合面と第2非貼合面を含み、第1貼合面が緊密に第2貼合面に貼り付けられ、第1非貼合面が緊密に第1高透磁率合金(8)に貼り付けられ、第2非貼合面が緊密に第2高透磁率合金(9)に貼り付けられ、第1高透磁率合金(8)に第1アリ溝が開設され、第2高透磁率合金(9)に第2アリ溝が開設され、インダクタンス検出流路(5)が第1平面コイル(6)、第2平面コイル(7)、第1アリ溝及び第2アリ溝を貫通しており、
前記キャパシタンス検出ユニットの左電極(3)と右電極(4)が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニットの正、負極に接続され、前記インダクタンス検出ユニットの第1平面コイル(6)と第2平面コイル(7)の両端のリード線が絶縁導線によってそれぞれ前記励起・収集ユニット(1)の正、負極に接続されて、検出励起とデータ収集の回路を形成する、ことを特徴とする高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0039】
(付記2)
前記第1アリ溝と第2アリ溝の最小スリット箇所は全てインダクタンス検出流路(5)に接する、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0040】
(付記3)
前記キャパシタンス検出流路(2)の一端が前記インダクタンス検出流路(5)の一端に接続され、接続ポートが通路入口(10)であり、前記キャパシタンス検出流路(2)の他端が前記インダクタンス検出流路(5)の他端に接続され、接続ポートが通路出口(11)である、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0041】
(付記4)
前記キャパシタンス検出ユニットは更に前記左電極(3)と右電極(4)を固定するための電極固定ブラケット(12)を含み、前記インダクタンス検出ユニットは更に第1平面コイル(6)、第2平面コイル(7)、第1高透磁率合金(8)及び第2高透磁率合金(9)を固定するためのコイル固定ブラケット(13)を含む、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0042】
(付記5)
更に内部に前記検出ユニットを固定したPDMSベース(14)を含む、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0043】
(付記6)
前記キャパシタンス検出流路(2)とインダクタンス検出流路(5)の内径がいずれも300マイクロメートルである、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0044】
(付記7)
前記第1平面コイル(6)、第2平面コイル(7)はいずれもエナメル線を巻き付けてなり、単一の平面コイルは3層巻き付け、コイル直径が70マイクロメートルで、コイル内径が300マイクロメートルで、巻数が120巻である、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0045】
(付記8)
前記左電極(3)と右電極(4)の材料はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ粒子を含む、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0046】
(付記9)
前記第1高透磁率合金(8)と第2高透磁率合金(9)はパーマロイ、ケイ素鋼板、磁性ナノ材料を含む、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【0047】
(付記10)
前記励起・収集ユニット(1)はインピーダンス分析器であり、2V、2MHzの高周波交流電流で前記キャパシタンス検出ユニットとインダクタンス検出ユニットを励起する、ことを特徴とする付記1に記載の高透磁率材料によるインダクタンス・キャパシタンス二通路油液検出装置。
【符号の説明】
【0048】
1 励起・収集ユニット
2 キャパシタンス検出流路
3 左電極
4 右電極
5 インダクタンス検出流路
6 第1平面コイル
7 第2平面コイル
8 第1高透磁率合金
9 第2高透磁率合金
10 通路入口
11 通路出口
12 電極固定ブラケット
13 コイル固定ブラケット
14 PDMSベース
図1
図2
図3